JPWO2021070907A1 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
本技術は、磁性層、下地層、ベース層、及びバック層を含み、磁気記録媒体の平均厚みtTが5.4μm以下であり、前記磁気記録媒体に対して、40℃〜150℃の温度範囲について昇温速度1℃/分での熱機械分析が行われた場合に、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度が70℃以上であり、且つ、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度が90℃以上であり、且つ、ポアソン比が0.40以下である、テープ状の磁気記録媒体を提供する。
Description
しかしながら、磁気記録媒体の全厚が薄くなるにつれて、磁気記録媒体の長期保存後に、記録又は再生が良好に行われない場合がある。そこで、本技術は、全厚が薄いにもかかわらず、長期保存後においても、再生又は記録を良好に行うことができる磁気記録媒体を提供することを目的とする。
磁気記録媒体の平均厚みtTが5.4μm以下であり、
前記磁気記録媒体に対して、40℃〜150℃の温度範囲について昇温速度1℃/分での熱機械分析が行われた場合に、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度が70℃以上であり、且つ、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度が90℃以上であり、且つ、
ポアソン比が0.40以下である、
テープ状の磁気記録媒体を提供する。
前記磁気記録媒体の平均厚みtTは5.3μm以下であってもよい。
本技術の一つの実施態様において、前記ポアソン比は、0.38以下でありうる。
前記ベース層は、PET及びPENのうちのいずれかから形成されていてよい。
前記ベース層の厚みは、4.2μm以下でありうる。
前記ベース層の厚みは、4.0μm以下でありうる。
前記磁気記録媒体の垂直方向における角形比は65%以上でありうる。
前記磁気記録媒体の幅方向の収縮率は−0.035%以上でありうる。
前記磁性層の平均厚みtmが80nm以下でありうる。
前記磁性層の平均厚みtmが50nm以下でありうる。
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉が六方晶フェライト、ε酸化鉄、又はCo含有スピネルフェライトを含みうる。
前記六方晶フェライトが、Ba及びSrのうちの少なくとも1種を含み、且つ、前記ε酸化鉄が、Al及びGaのうちの少なくとも1種を含みうる。
前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hcは2000Oe以下でありうる。
前記磁性層は、磁化反転間距離Lの最小値が48nm以下となるようにデータを記録可能に構成されていてよい。
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均アスペクト比が1.0以上3.5以下でありうる。
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子サイズが50nm以下でありうる。
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子体積が1500nm3以下でありうる。
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子体積が1300nm3以下でありうる。
また、本技術は、前記磁気記録媒体を含む、テープカートリッジも提供する。
前記テープカートリッジは、
記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
通信部を介して記録再生装置から受信した情報を記憶部に記憶し、かつ、記録再生装置の要求に応じて、記憶部から情報を読み出し、通信部を介して記録再生装置に送信する制御部と、を備え、
前記情報は、磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含みうる。
さらに、本技術は、
ベース層の一方の面に下地層及び磁性層を形成し且つ他方の面にバック層を形成して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体形成工程において得られた積層体を、50℃以上80℃以下の条件下で10時間以上100時間以下保存する熱履歴緩和処理工程と、を含み、
前記熱履歴緩和処理工程を経て磁気記録媒体が製造され、
前記磁気記録媒体の平均厚みtTが5.4μm以下であり、
前記磁気記録媒体に対して40℃〜150℃の温度範囲について昇温速度1℃/分での熱機械分析が行われた場合に、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度が70℃以上であり、且つ、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度が90℃以上であり、且つ、
前記磁気記録媒体のポアソン比が0.40以下である、
テープ状の磁気記録媒体の製造方法も提供する。
前記熱履歴緩和処理工程は、前記積層体に、幅方向の長さ1/2インチあたり0.1N以下の張力を長手方向にかけながら80℃以上150℃以下の条件下で15秒以上240秒以下走行させる低張力熱処理工程を含みうる。
1.本技術の説明
2.本技術の実施形態(塗布型の磁気記録媒体の例)
(1)磁気記録媒体の構成
(2)各層の説明
(3)物性及び構造
(4)磁気記録媒体の製造方法
(5)記録再生装置
(6)カートリッジ
(7)カートリッジの変形例
(8)効果
(9)変形例
3.実施例
磁気記録媒体の変形は、例えば磁気記録媒体に生じたひずみが緩和される際に起こりうる。当該ひずみは特には磁気記録媒体に熱がかかる場合に生じやすく、磁気記録媒体の全厚がより薄くなることによって、熱によるひずみはさらに生じやすくなる。磁気記録媒体に熱がかかる場合の例として、例えば磁気記録媒体の製造工程のうちのカレンダー工程及び乾燥工程を挙げることができる。
本技術に従う磁気記録媒体は、全厚が薄いにもかかわらず、上記構成を有することによって、長期保存した後においても再生又は記録を良好に行うことができる。これは、上記構成によって、長期保存時におけるひずみの緩和を抑制することができるためと考えられる。
また、前記切り替わり温度は、例えばベース層の物性(例えばガラス転移温度など)などを含む種々の要因を変更することによって、調整することができる。なお、前記切り替わり温度は、例えば120℃以下、110℃以下、又は100℃以下であってよい。
前記収縮開始温度も、例えばベース層の物性(例えばガラス転移温度など)などを含む種々の要因を変更することによって、調整することができる。なお、前記収縮開始温度は、例えば130℃以下、120℃以下、又は110℃以下であってよい。
前記切り替わり温度及び前記収縮開始温度の上限値は、ベース層材料のガラス転移温度によって定められうる。前記切り替わり温度及び前記収縮開始温度の下限値は、ベース層以外の層の材料及び製造工程における熱履歴によって定められうる。
前記切り替わり温度及び前記収縮開始温度の測定方法については、以下2.において説明する。
また、本技術に従う磁気記録媒体の前記ポアソン比は、例えば0.20以上であり、好ましくは0.23以上であり、より好ましくは0.26以上、さらにより好ましくは0.30以上でありうる。ポアソン比が低すぎると、テープ長手方向にかかる張力のコントロールによってテープ幅を変化させることができなくなる。
本技術に従う磁気記録媒体の幅は、例えば5mm〜30mmであり、特には7mm〜25mmであり、より特には10mm〜20mm、さらにより特には11mm〜19mmでありうる。本技術に従うテープ状磁気記録媒体の長さは、例えば500m〜1500mでありうる。例えばLTO8規格に従うテープ幅は12.65mmであり、長さは960mである。
この実施態様において、ベース層11は、ポリエステルに加えて、以下で述べるポリエステル以外の樹脂を含んでもよい。
本技術の好ましい実施態様に従い、ベース層11は、PET又はPENから形成されてよい。
当該細孔は、磁性層13の表面に対して垂直に開口していてよい。当該細孔は、例えば、磁気記録媒体10のバック層側表面に設けられた多数の突部を押し当てることにより形成されうる。この場合、当該細孔は、当該突部に対応するものでありうる。
なお、図1において当該細孔が符号13Aにより示されているが、図1は、本技術のより良い理解のための模式図であり、図1に示される細孔13Aの形状は、必ずしも実際の形状を示すものでない。
特に好ましくは、前記磁性層の平均厚みtmは80nm以下であってよく、さらにより好ましくは50nm以下である。この数値範囲内の平均厚みを有することが、磁気記録媒体10の記録再生特性の向上に貢献する。
磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片化サンプルの前記断面を、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により、下記の条件で観察し、TEM像を得る。なお、装置の種類に応じて、倍率及び加速電圧は適宜調整されてよい。
装置:TEM(日立製作所製H9000NAR)
加速電圧:300kV
倍率:100,000倍
次に、得られたTEM像を用い、磁気記録媒体10の長手方向の少なくとも10点以上の位置で磁性層13の厚みを測定する。得られた測定値を単純に平均(算術平均)して得られた平均値を磁性層13の平均厚みtm[nm]とする。なお、前記測定が行われる位置は、試験片から無作為に選ばれるものとする。
なお、磁性層13は、面内配向(長手配向)している磁性層であってもよい。すなわち、磁気記録媒体10が水平記録型の磁気記録媒体であってもよい。しかしながら、高記録密度化という点で、垂直配向がより好ましい。
なお、サーボバンドSBのサーボバンド幅WSBは、高記録容量を確保する観点から、好ましくは95μm以下、より好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは30μm以下である。サーボバンド幅WSBは、記録ヘッド製造の観点から、好ましくは10μm以上である。
磁性層13は、例えば5以上のサーボバンドを有しうる。5以上のサーボトラックを確保するために、磁性層13の表面の面積Sに対するサーボバンドSBの総面積SSBの割合RSは、好ましくは0.8%以上でありうる。
割合RS[%]=(((サーボバンド幅WSB)×(サーボバンド本数))/(磁気記録媒体10の幅))×100
記録トラック幅WTkは、高記録容量を確保する観点から、例えば2.50μm以下、好ましくは2.20μm以下、より好ましくは2.00μm以下、さらにより好ましくは1.80μm以下であってよい。
記録トラック幅WTkは、磁性粒子サイズの観点から、例えば0.02μm以上、好ましくは0.40μm以上であり、より好ましくは0.50μm以上、さらにより好ましくは0.60μm以上であってよい。
代替的には、磁気記録媒体10は、記録トラックを有していてもよい。当該記録トラックが、上記数値範囲内の記録トラック幅を有しうる。
記録トラック幅が上記数値範囲内にあることが、薄い磁気記録媒体を長期保存した後においても良好に記録又は再生することに寄与する。また、記録トラック幅が上記数値範囲内にあることは、薄い磁気記録媒体のSNRを向上することにも寄与する。
磁気記録媒体10の(再生トラック幅/記録トラック幅)の比は、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.90以下、さらにより好ましくは0.85以下、0.83以下、又は0.80以下であってよい。
磁気記録媒体10の(再生トラック幅/記録トラック幅)の比は、好ましくは0.50以上、より好ましくは0.52以上、さらにより好ましくは0.54以上、0.56以上、0.58以上、又は0.60以上であってよい。
磁気記録媒体10の(再生トラック幅/記録トラック幅)の比は、例えば0.50以上1.00以下、好ましくは0.52以上0.90以下、より好ましくは0.56以上0.85以下、さらにより好ましくは0.60以上0.85以下でありうる。
(再生トラック幅/記録トラック幅)の比が上記数値範囲内にあることが、薄い磁気記録媒体を長期保存した後においても良好に再生することに寄与する。また、(再生トラック幅/記録トラック幅)の比が上記数値範囲内にあることは、薄い磁気記録媒体のSNRを向上することにも寄与する。
磁気記録媒体10は、前記比が上記数値範囲内となる再生ヘッドを含む記録再生装置における使用に適している。
再生トラック幅は、例えば2.00μm以下、好ましくは1.80μm以下、より好ましくは1.60μm以下、さらにより好ましくは1.40μm以下であってよい。
再生トラック幅は、例えば0.20μm以上であり、好ましくは0.30μm以上、より好ましくは0.40μm以上、さらにより好ましくは0.50μm以上であってよい。
磁気記録媒体10の再生トラック幅は、上記数値範囲内にあってよく、例えば0.40μm以上2.50μm以下であり、好ましくは0.50μm以上2.20μm以下、より好ましくは0.60μm以上2.00μm以下であってよい。
図3に示されるとおり、磁性層13は4つのデータバンドd0〜d3を有する。磁性層13は、各データバンドを2つのサーボバンドで挟むように、合計で5つのサーボバンドS0〜S4を有する。
図4に示されるとおり、各サーボバンドは、所定角度φで傾斜する直線状の5本のサーボパターン(例えばサーボパターンA1〜A5)と、この信号と逆方向に同じ角度で傾斜する直線状の5本のサーボパターン(例えばサーボパターンB1〜B5)と、所定角度φで傾斜する直線状の4本のサーボパターン(例えばサーボパターンC1〜C4)と、この信号と逆方向に同じ角度で傾斜する直線状の4本のサーボパターン(例えばサーボパターンD1〜D4)と、からなるフレーム単位(1サーボフレーム)を繰り返し有する。前記所定角度φは、例えば5°〜25°であり、特には11°〜25°でありうる。
サーボバンドS0〜S4それぞれのサーボバンド幅L1(図3参照)は、例えば100μm以下、特には60μm以下、より特には50μm以下であり、さらには40μm以下であってよい。サーボバンド幅L1は、例えば15μm以上、特には25μm以上であってよい。
磁性粉の平均粒子サイズは、好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下、さらにより好ましくは30nm以下、25nm以下、22nm以下、21nm以下、又は20nm以下でありうる。前記平均粒子サイズは、例えば10nm以上、好ましくは12nm以上でありうる。
磁性粉の平均アスペクト比は、好ましくは1.0以上3.5以下、より好ましくは1.0以上3.1以下、さらにより好ましくは1.0以上2.8以下、特に好ましくは1.1以上2.5以下でありうる。
まず、測定対象となる磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルの前記断面を、透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500,000倍で磁性層13の厚み方向に対して磁性層13全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を撮影する。
次に、撮影したTEM写真から、観察面の方向に側面を向けており且つ粒子の厚みが明らかに確認できる粒子を50個選び出す。例えば、図9にTEM写真の例を示す。図9において、例えばa及びdで示される粒子が、その厚みを明らかに確認できるので、選択される。選択された50個の粒子それぞれの最大板厚DAを測定する。このようにして求めた最大板厚DAを単純に平均(算術平均)して平均最大板厚DAaveを求める。
続いて、各磁性粉の板径DBを測定する。粒子の板径DBを測定するために、撮影したTEM写真から、粒子の板径が明らかに確認できる粒子を50個選び出す。例えば、図9において、例えばb及びcで示される粒子が、その板径を明らかに確認できるので、選択される。選択された50個の粒子それぞれの板径DBを測定する。このようにして求めた板径DBを単純平均(算術平均)して平均板径DBaveを求める。平均板径DBaveが、平均粒子サイズである。
そして、平均最大板厚DAave及び平均板径DBaveから粒子の平均アスペクト比(DBave/DAave)を求める。
磁性粉の平均粒子体積が上記上限値以下である場合(例えば5900nm3以下である
場合)、高記録密度の磁気記録媒体10において、良好な電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。磁性粉の平均粒子体積が上記下限値以上である場合(例えば500nm3以上である場合)、磁性粉の分散性がより向上し、より優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
また、磁気記録媒体10の厚み方向(垂直方向)に測定した保磁力Hcが、好ましくは160kA/m以上280kA/m以下、より好ましくは165kA/m以上275kA/m以下、更により好ましくは170kA/m以上270kA/m以下である。保磁力Hcは、より好ましくは240kA/m以下、さらにより好ましくは225kA/m以下、さらにより好ましくは210kA/m以下であってもよく、さらにより好ましくは200kA/m以下であってもよい。
具体的には、添加剤を含むε酸化鉄は、ε−Fe2−xMxO3結晶(ここで、Mは鉄以外の金属元素、好ましくは3価の金属元素、より好ましくは、Al、Ga、及びInからなる群より選ばれる1種以上である。xは、例えば0<x<1である。)である。
まず、測定対象となる磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿うかたちで行って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルの前記断面を、透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500,000倍で磁性層13の厚み方向に対して磁性層13全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を撮影する。
次に、撮影したTEM写真から、粒子の形状を明らかに確認することができる50個の粒子を選び出し、各粒子の長軸長DLと短軸長DSを測定する。ここで、長軸長DLとは、各粒子の輪郭に接するように、あらゆる角度から引いた2本の平行線間の距離のうち最大のもの(いわゆる最大フェレ径)を意味する。一方、短軸長DSとは、粒子の長軸(DL)と直交する方向における粒子の長さのうち最大のものを意味する。
続いて、測定した50個の粒子の長軸長DLを単純に平均(算術平均)して平均長軸長DLaveを求める。このようにして求めた平均長軸長DLaveを磁性粉の平均粒子サイズとする。また、測定した50個の粒子の短軸長DSを単純に平均(算術平均)して平均短軸長DSaveを求める。そして、平均長軸長DLaveおよび平均短軸長DSaveから粒子の平均アスペクト比(DLave/DSave)を求める。
V=(π/6)×DLave 3
磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルを透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500,000倍で磁性層13の厚み方向に対して磁性層13全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を得る。なお、装置の種類に応じて、倍率及び加速電圧は適宜調整されてよい。
次に、撮影したTEM写真から粒子の形状が明らかである50個の粒子を選び出し、各粒子の辺の長さDCを測定する。続いて、測定した50個の粒子の辺の長さDCを単純に平均(算術平均)して平均辺長DCaveを求める。次に、平均辺長DCaveを用いて以下の式から磁性粉の平均体積Vave(粒子体積)を求める。
Vave=DCave 3
CoxMyFe2Oz・・・(1)
(但し、式(1)中、Mは、例えば、Ni、Mn、Al、Cu、及びZnからなる群より選ばれる1種以上の金属である。xは、0.4≦x≦1.0の範囲内の値である。yは、0≦y≦0.3の範囲内の値である。但し、x及びyは(x+y)≦1.0の関係を満たす。zは3≦z≦4の範囲内の値である。Feの一部が他の金属元素で置換されていてもよい。)
前記脂肪酸は、好ましくは下記の一般式(1)又は(2)により示される化合物であってよい。例えば、前記脂肪酸として下記の一般式(1)により示される化合物及び一般式(2)により示される化合物の一方が含まれていてよく又は両方が含まれていてもよい。
また、前記脂肪酸エステルは、好ましくは下記一般式(3)又は(4)により示される化合物であってよい。例えば、前記脂肪酸エステルとして下記の一般式(3)により示される化合物及び一般式(4)により示される化合物の一方が含まれていてよく又は両方が含まれていてもよい。
前記潤滑剤が、一般式(1)に示される化合物及び一般式(2)に示される化合物のいずれか一方若しくは両方、及び/又は一般式(3)に示される化合物及び一般式(4)に示される化合物のいずれか一方若しくは両方を含むことによって、繰り返しの記録又は再生による動摩擦係数の増加を抑制することができる。
CH3(CH2)kCOOH ・・・(1)
(但し、一般式(1)において、kは14以上22以下の範囲、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2)nCH=CH(CH2)mCOOH ・・・(2)
(但し、前記一般式(2)において、nとmとの和は12以上20以下の範囲、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2)pCOO(CH2)qCH3 ・・・(3)
(但し、一般式(3)において、pは14以上22以下、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数であり、且つ、qは2以上5以下の範囲、より好ましくは2以上4以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2)rCOO−(CH2)sCH(CH3)2・・・(4)
(但し、前記一般式(4)において、rは14以上22以下の範囲から選ばれる整数であり、sは1以上3以下の範囲から選ばれる整数である。)
tb[μm]=tT[μm]−tB[μm]
また、前記切り替わり温度は、例えば120℃以下、110℃以下、又は100℃以下であってよい。
前記収縮開始温度は、例えば130℃以下、120℃以下、又は110℃以下であってよい。
まず、磁気記録媒体10を長さ30mm(10.0mmの測定対象部分+サンプル固定用部分)、幅4.0mmに切り出し、サンプルを作製する。次に、サンプルを日立ハイテクサイエンス社製の熱機械分析装置(TMA/SS7100)にセットし、40℃から150℃まで昇温していったときに、サンプルが5μm伸びた状態を維持するための荷重変化を測定する。昇温時間は1℃/分とし、サンプリング時間は1回/秒とし、窒素導入環境下にて測定を行う。測定された荷重変化から、サンプルが熱膨張から熱収縮に切り替わる温度を切り替わり温度とし、サンプルの長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる温度を収縮開始温度とする。
前記切り替わり温度及び収縮開始温度の例を、図12を参照しながら説明する。図12に示されるとおり、サンプルが5μm伸びた状態を維持するための荷重が減少から増加に転じた時の温度Aが、前記切り替わり温度である。また、前記切り替わり温度からさらに昇温させ、当該荷重がX軸を横切るときの位置での温度Bが、前記収縮開始温度である。
また、本技術に従う磁気記録媒体の前記ポアソン比は、例えば0.10以上であり、好ましくは0.15以上であり、より好ましくは0.25以上、さらにより好ましくは0.30以上でありうる。前記ポアソン比が上記下限値(例えば0.1)より小さくなると、磁気記録媒体の長手方向の張力を変えても当該磁気記録媒体の幅方向の変化が少なくなるため、張力による幅変化をさせることができなくなってしまう。
また、前記切り替わり温度及び前記収縮開始温度が上記で述べた数値範囲内にあり且つ前記ポアソン比が上記数値範囲内にあることによって、長期保存時におけるひずみの緩和が抑制され且つ長手方向の張力に対する幅方向の変化を好ましい範囲内に制御することができる。これにより、長期保存後におけるデータ信号の記録及び/又は再生をより良好に行うことができる。
まず、1/2インチの幅を有する磁気記録媒体10を150mmの長さにカットして測定サンプルを準備する。温度25℃相対湿度50%の一定環境下において、上記引っ張り試験機に、当該測定サンプルをその幅全体をカバーするように固定できる2つの治具を取り付ける。当該2つの治具によって、当該測定サンプルの長さ方向における2つの端をそれぞれチャックする。チャック間距離は100mmとする。当該測定サンプルのチャック後、当該測定サンプルを長さ方向に引っ張るように応力を徐々にかけていく。引っ張り速度は0.5mm/minとする。応力を0.5Nから1.0Nへ変化させたときの伸び量を測定する。当該伸び量が、前記長さの寸法変化量に相当する。また、当該応力の変化時における長手方向中央部分(チャックから50mmの位置)の幅方向の変化量が、前記幅の寸法変化量に相当する。
幅方向の収縮率[%]=((T1−T2)/T1)×100
上述のようにして、1mのテープからほぼ等間隔に3本、50mmの長さのサンプルを切り出し、3本のサンプルについて同様の測定を行い、各サンプルの幅方向の収縮率[%]の平均値を幅方向の収縮率[%]とする。
長手方向の収縮率(%)=((L1−L2)/L1)×100
本明細書内において、磁気記録媒体が垂直配向しているとは、磁気記録媒体の角形比S2が上記数値範囲内にあること(例えば65%以上であること)を意味してもよい。
測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループ、補正用サンプル(ベース層11)のM−Hループの測定においては、東英工業社製の高感度振動試料型磁力計「VSM−P7−15型」が用いられる。測定条件は、測定モード:フルループ、最大磁界:15kOe、磁界ステップ:40bit、Time constant of Locking amp:0.3sec、Waiting time:1sec、MH平均数:20とされる。
測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループ及び補正用サンプル(ベース層11)のM−Hループが得られた後、測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループから補正用サンプル(ベース層11)のM−Hループが差し引かれることで、バックグラウンド補正が行われ、バックグラウンド補正後のM−Hループが得られる。このバックグラウンド補正の計算には、「VSM−P7−15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。
得られたバックグラウンド補正後のM−Hループの飽和磁化Ms(emu)及び残留磁化Mr(emu)が以下の式に代入されて、角形比S2(%)が計算される。なお、上記のM−Hループの測定はいずれも、25℃にて行われるものとする。また、M−Hループを磁気記録媒体10の垂直方向に測定する際の“反磁界補正”は行わないものとする。なお、この計算には、「VSM−P7−15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。
角形比S2(%)=(Mr/Ms)×100
本明細書内において、磁気記録媒体が垂直配向しているとは、磁気記録媒体の角形比S1が上記数値範囲内にあること(例えば35%以下であること)を意味しうる。本技術に従う磁気記録媒体は好ましくは垂直配向している。
(注1)Nano World社製 SPMプローブ NCH ノーマルタイプ PointProbe L(カンチレバー長)=125μm
磁気記録媒体10の長手方向における保磁力Hcは、好ましくは2000Oe以下、より好ましくは1900Oe以下、さらにより好ましくは1800Oe以下である。長手方向における保磁力Hcが2000Oe以下であると、記録ヘッドからの垂直方向の磁界により感度良く磁化が反応するため、良好な記録パターンを形成することができる。
測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループ、補正用サンプル(ベース層11)のM−Hループの測定においては、東英工業社製の高感度振動試料型磁力計「VSM−P7−15型」が用いられる。測定条件は、測定モード:フルループ、最大磁界:15kOe、磁界ステップ:40bit、Time constant of Locking amp:0.3sec、Waiting time:1sec、MH平均数:20とされる。
測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループ及び補正用サンプル(ベース層11)のM−Hループが得られた後、測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループから補正用サンプル(ベース層11)のM−Hループが差し引かれることで、バックグラウンド補正が行われ、バックグラウンド補正後のM−Hループが得られる。このバックグラウンド補正の計算には、「VSM−P7−15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。
得られたバックグラウンド補正後のM−Hループから保磁力Hcが求められる。なお、この計算には、「VSM−P7−15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。なお、上記のM−Hループの測定はいずれも、25℃にて行われるものとする。また、M−Hループを磁気記録媒体10の長手方向に測定する際の“反磁界補正”は行わないものとする。
前記熱履歴緩和処理工程によって、当該磁気記録媒体の製造時に与えられる熱によるひずみが緩和されると考えられる。
上述の一実施形態では、磁気テープカートリッジが、1リールタイプのカートリッジである場合について説明したが、2リールタイプのカートリッジであってもよい。すなわち、本技術のカートリッジは、磁気テープが巻き取られるリールを1つ又は複数(例えば2つ)有してよい。以下で、図13を参照しながら、2つのリールを有する本技術の磁気記録カートリッジの例を説明する。
以下に述べるとおり、実施例1〜13及び比較例1〜2の磁気テープを製造した。下記表1に製造条件を示す。また、下記表2に、これら磁気テープの切り替わり温度、収縮開始温度、記録トラック幅、再生トラック幅、平均厚みtT、ベース層の平均厚み、ポアソン比、長手方向の収縮率及び幅方向の収縮率を示す。
磁性層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記配合の第1組成物及び第2組成物をそれぞれ分散処理により調製した。
バリウムフェライト(BaFe12O19)粒子の粉末(六角板状、平均アスペクト比2.8、平均粒子体積1950nm3):100質量部
塩化ビニル系樹脂のシクロヘキサノン溶液:60質量部
(当該溶液の組成は、樹脂分30質量%及びシクロヘキサノン70質量%である。塩化ビニル系樹脂の詳細は以下のとおりであった:重合度300、Mn=10000、極性基としてOSO3K=0.07mmol/g、2級OH=0.3mmol/gを含有する。)
酸化アルミニウム粉末:5質量部
(α−Al2O3、平均粒径0.2μm)
カーボンブラック:2質量部
(東海カーボン社製、商品名:シーストTA)
塩化ビニル系樹脂のシクロヘキサノン溶液:3.7質量部
(当該溶液の組成は、樹脂分30質量%及びシクロヘキサノン70質量%である。)
n−ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:121.3質量部
トルエン:121.3質量部
シクロヘキサノン:60.7質量部
下地層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記配合の第3組成物を分散処理により調製した。
針状酸化鉄粉末:100質量部
(α−Fe2O3、平均長軸長0.10μm)
カーボンブラック:20質量部
(平均粒径20nm)
塩化ビニル系樹脂のシクロヘキサノン溶液:30質量部
(当該溶液の組成は、樹脂分30質量%及びシクロヘキサノン70質量%である。)
ポリウレタン系樹脂:5質量部
(当該ポリウレタン系樹脂のガラス転移温度Tgは75℃である。)
n−ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:198.2質量部
トルエン:198.2質量部
シクロヘキサノン:68.6質量部
バック層形成用塗料を以下のようにして調製した。下記原料を、ディスパーを備えた攪拌タンクで混合を行い、フィルター処理を行うことで、バック層形成用塗料を調製した。小粒径のカーボンブラックの粉末(平均粒径(D50)20nm):90質量部
大粒径のカーボンブラックの粉末(平均粒径(D50)270nm):10質量部
ポリエステルポリウレタン:100質量部
(東ソー株式会社製、商品名:N−2304)
メチルエチルケトン:500質量部
トルエン:400質量部
シクロヘキサノン:100質量部
上述のようにして調製した磁性層形成用塗料および下地層形成用塗料を用いて、非磁性支持体である、平均厚み4.0μm、長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「PETフィルム」という。)の一方の主面上に、乾燥及びカレンダー後の平均厚みが0.9μmとなるように下地層を以下のようにして形成し、そして乾燥及びカレンダー後の平均厚みが80nmとなるように磁性層を以下のようにして形成した。まず、PETフィルムの一方の主面上に下地層形成用塗料を塗布し、そして乾燥させることにより、下地層を形成した。次に、下地層上に磁性層形成用塗料を塗布し、そして乾燥させることにより、磁性層を形成した。なお、磁性層形成用塗料の乾燥の際に、ソレノイドコイルにより、磁性粉をフィルムの厚み方向に磁場配向させ、すなわち垂直配向させた。垂直配向度は66%であった。続いて、PETフィルムの他方の主面上にバック層形成用塗料を塗布し、そして乾燥させることにより、平均厚み0.4μmのバック層を形成した。これにより、積層体が得られた。
続いて、カレンダー処理を行い、磁性層の表面を平滑化した。次に、得られた積層体をロール状に巻き取ったのち、この状態で積層体に60℃、10時間の加熱処理を行った。そして、内周側に位置している端部が反対に外周側に位置するように、積層体をロール状に巻き直したのち、この状態で積層体に60℃、10時間の加熱処理を再度行った。これにより、バック層の表面の多数の突部が磁性層の表面に転写され、磁性層の表面に多数の孔部が形成された。
さらに、積層体を70℃で24時間保存した。これにより、積層体のひずみが緩和され、切り替わり温度及び収縮開始温度が調整された。
上述のようにして得られた積層体を1/2インチ(12.65mm)幅に裁断した。これにより、目的とする長尺状の磁気テープ(平均厚み5.4μm)が得られた。
当該磁気テープに対して、「2.本技術の実施形態(塗布型の磁気記録媒体の例)」において説明したとおりに熱機械分析装置による測定を行った。
当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は80℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は100℃であった。
非磁性支持体をPETフィルムからポリエチレンナフタレートフィルム(以下「PENフィルム」という。)に変更したこと以外は実施例1と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は100℃であった。
転写工程を行った後の積層体に、幅方向の長さ1/2インチあたり0.1N以下の張力を長手方向にかけながら110℃の条件下で120秒間走行させる低張力熱処理工程を行ったこと以外は実施例2と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は100℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は110℃であった。
熱履歴緩和処理工程における温度を60℃に設定し、処理時間を72時間に設定したこと以外は実施例3と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は110℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は120℃であった。
熱履歴緩和処理工程における温度を75℃に設定し、処理時間を48時間に設定したこと以外は実施例2と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は110℃であった。
熱履歴緩和処理工程における温度を60℃に設定し、処理時間を72時間に設定したこと以外は実施例2と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定結果に基づくグラフが、図12に示されている。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は120℃であった。
実施例2と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は100℃であった。
実施例3と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は100℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は110℃であった。
実施例3と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は100℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は110℃であった。
磁性層に含まれる磁性粉をバリウムフェライト粒子の粉末からストロンチウムフェライト粒子の粉末に変更したこと以外は実施例2と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は100℃であった。
磁性層に含まれる磁性粉をバリウムフェライト粒子の粉末からε酸化鉄ナノ粒子の粉末に変更したこと以外は実施例2と同じ方法で磁気テープを得た。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は100℃であった。
磁性層に含まれる磁性粉をバリウムフェライト粒子の粉末からコバルトフェライト粒子の粉末に変更したこと以外は実施例2と同じ方法で磁気テープを得た。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は100℃であった。
実施例2と同じ方法で磁気テープを製造した。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は90℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は100℃であった。
非磁性支持体をPETフィルムからARAMIDフィルムに変更したこと以外は実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定によって得られたグラフが、図12に示されている。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度、及び、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は検出されなかった。
熱履歴緩和処理工程を行わなかったこと以外は実施例2と同じ方法で磁気テープを得た。
当該磁気テープに対して、実施例1と同じように熱機械分析装置による測定を行った。当該測定の結果、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度は55℃であった。また、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度は70℃であった。
(長手方向の収縮率及び幅方向の収縮率の評価)
上記(1)において製造された実施例1〜13及び比較例1〜2の磁気テープについて、長手方向の収縮率及び幅方向の収縮率を測定した。長手方向の収縮率及び幅方向の収縮率の測定は、「2.本技術の実施形態(塗布型の磁気記録媒体の例)」にて説明した測定方法により行われた。測定結果は下記表2に示されている。
実施例1〜13及び比較例1〜2の磁気テープをカートリッジケース内に設けられたリールに巻き付けて、磁気記録カートリッジを得た。当該磁気テープの全長にサーボ信号を記録し、そして、情報を記録した。当該サーボ信号は、ハの字の磁気パターンの列からなるものであった。各磁気記録カートリッジにおける記録トラック幅が、表2に示されている。
次に、実施例1〜13及び比較例1〜2の磁気記録カートリッジのそれぞれを、磁気記録再生装置により全長再生した。各磁気記録カートリッジの全長再生において用いた再生ヘッドの再生トラック幅が、表2に示されている。また、各磁気記録カートリッジの(再生トラック幅/記録トラック幅)の比も同表に示されている。
その後、各磁気記録カートリッジを35℃60%環境下で20日間保存した。当該保存後、各磁気記録カートリッジを、上記と同じように全長再生した。
当該保存前後で全長再生に要する時間の差に基づき、各磁気記録カートリッジの磁気テープを以下の基準により評価した。評価結果が表2に示されている。
<評価基準>
1:全長再生においてリトライが発生しない、又は、全長再生においてリトライが発生するが、保存前の全長再生に要する時間に比べ、保存後の全長再生に要する時間が1.02倍未満である。
2:全長再生においてリトライが発生し、これにより保存前の全長再生に要する時間に比べ、保存後の全長再生に要する時間が1.02倍以上1.1倍未満である。
3:全長再生においてリトライが発生し、これにより保存前の全長再生に要する時間に比べ、保存後の全長再生に要する時間が1.1倍以上1.2倍未満である。
4:全長再生においてリトライが多発し、これにより保存前の全長再生に要する時間に比べ保存後の全長再生に要する時間が1.2倍以上になる。
5:全長再生においてフェイル(エラーによる再生停止)が発生し、全長再生できない。
さらに、実施例1〜13及び比較例1〜2の磁気テープについてSNRを評価した。評価結果は下記表2に示されている。SNRの評価方法は以下のとおりであった。
まず、記録/再生ヘッド及び記録/再生アンプを取り付けた1/2インチテープ走行装置(Mountain Engineering II社製、MTS Transport)を用いて、25℃環境における磁気テープのSNR(電磁変換特性)を測定した。記録ヘッドにはギャップ長0.2μmのリングヘッドを用い、再生ヘッドにはシールド間距離0.1μmのGMRヘッドを用いた。相対速度は6m/s、記録クロック周波数は160MHz、記録トラック幅は2.0μmとした。また、SNRは、下記の文献に記載の方法に基づき算出した。SNRについて、実施例1の値を基準として、それよりもSNRが上昇したか又は低下したかという相対的な評価を行った。
Y. Okazaki: ”An Error Rate Emulation System.”, IEEE Trans. Man., 31,pp.3093-3095(1995)
〔1〕
磁性層、下地層、ベース層、及びバック層を含み、
磁気記録媒体の平均厚みtTが5.4μm以下であり、
前記磁気記録媒体に対して、40℃〜150℃の温度範囲について昇温速度1℃/分での熱機械分析が行われた場合に、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度が70℃以上であり、且つ、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度が90℃以上であり、且つ、
ポアソン比が0.40以下である、
テープ状の磁気記録媒体。
〔2〕
前記磁気記録媒体の平均厚みtTが5.3μm以下である、〔1〕に記載の磁気記録媒体。
〔3〕
前記ポアソン比が0.38以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の磁気記録媒体。
〔4〕
前記ベース層が、PET及びPENのうちのいずれかから形成されている、〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔5〕
前記ベース層の厚みが、4.2μm以下である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔6〕
前記ベース層の厚みが、4.0μm以下である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔7〕
前記磁気記録媒体の垂直方向における角形比が65%以上である、〔1〕〜〔6〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔8〕
前記磁気記録媒体の幅方向の収縮率が、−0.035%以上である、〔1〕〜〔7〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔9〕
前記磁性層の平均厚みtmが80nm以下である、〔1〕〜〔8〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔10〕
前記磁性層の平均厚みtmが50nm以下である、〔1〕〜〔9〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔11〕
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉が六方晶フェライト、ε酸化鉄、又はCo含有スピネルフェライトを含む、〔1〕〜〔10〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔12〕
前記六方晶フェライトが、Ba及びSrのうちの少なくとも1種を含み、且つ、前記ε酸化鉄が、Al及びGaのうちの少なくとも1種を含む、〔11〕に記載の磁気記録媒体。
〔13〕
前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hcが2000Oe以下である、〔1〕〜〔12〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔14〕
前記磁性層は、磁化反転間距離Lの最小値が48nm以下となるようにデータを記録可能に構成されている、〔1〕〜〔13〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔15〕
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均アスペクト比が1.0以上3.5以下である、〔1〕〜〔14〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔16〕
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子サイズが50nm以下である、〔1〕〜〔15〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔17〕
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子体積が1500nm3以下である、〔1〕〜〔16〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔18〕
前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子体積が1300nm3以下である、〔1〕〜〔15〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔19〕
〔1〕〜〔18〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体を含む、
テープカートリッジ。
〔20〕
記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
通信部を介して記録再生装置から受信した情報を記憶部に記憶し、かつ、記録再生装置の要求に応じて、記憶部から情報を読み出し、通信部を介して記録再生装置に送信する制御部と、を備え、
前記情報は、磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含む、
〔19〕に記載のテープカートリッジ。
〔21〕
ベース層の一方の面に下地層及び磁性層を形成し且つ他方の面にバック層を形成して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体形成工程において得られた積層体を、50℃以上80℃以下の条件下で10時間以上100時間以下保存する熱履歴緩和処理工程と、を含み、
前記熱履歴緩和処理工程を経て磁気記録媒体が製造され、
前記磁気記録媒体の平均厚みtTが5.4μm以下であり、
前記磁気記録媒体に対して40℃〜150℃の温度範囲について昇温速度1℃/分での熱機械分析が行われた場合に、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度が70℃以上であり、且つ、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度が90℃以上であり、且つ、
前記磁気記録媒体のポアソン比が0.40以下である、
テープ状の磁気記録媒体の製造方法。
〔22〕
前記熱履歴緩和処理工程が、前記積層体に、幅方向の長さ1/2インチあたり0.1N以下の張力を長手方向にかけながら80℃以上150℃以下の条件下で15秒以上240秒以下走行させる低張力熱処理工程を含む、
〔21〕に記載の製造方法。
11 ベース層
12 下地層
13 磁性層
14 バック層
Claims (22)
- 磁性層、下地層、ベース層、及びバック層を含み、
磁気記録媒体の平均厚みtTが5.4μm以下であり、
前記磁気記録媒体に対して、40℃〜150℃の温度範囲について昇温速度1℃/分での熱機械分析が行われた場合に、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度が70℃以上であり、且つ、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度が90℃以上であり、且つ、
ポアソン比が0.40以下である、
テープ状の磁気記録媒体。 - 前記磁気記録媒体の平均厚みtTが5.3μm以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記ポアソン比が0.38以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記ベース層が、ポリエステルを主たる成分として含む、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記ベース層の厚みが、4.2μm以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記ベース層の厚みが、4.0μm以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁気記録媒体の垂直方向における角形比が65%以上である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁気記録媒体の幅方向の収縮率が、−0.035%以上である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層の平均厚みtmが80nm以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層の平均厚みtmが50nm以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉が六方晶フェライト、ε酸化鉄、又はCo含有スピネルフェライトを含む、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記六方晶フェライトが、Ba及びSrのうちの少なくとも1種を含み、且つ、前記ε酸化鉄が、Al及びGaのうちの少なくとも1種を含む、請求項11に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hcが2000Oe以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層は、磁化反転間距離Lの最小値が48nm以下となるようにデータを記録可能に構成されている、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均アスペクト比が1.0以上3.5以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子サイズが50nm以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子体積が1500nm3以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層が磁性粉を含み、当該磁性粉の平均粒子体積が1300nm3以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 請求項1に記載の磁気記録媒体を含む、
テープカートリッジ。 - 記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
通信部を介して記録再生装置から受信した情報を記憶部に記憶し、かつ、記録再生装置の要求に応じて、記憶部から情報を読み出し、通信部を介して記録再生装置に送信する制御部と、を備え、
前記情報は、磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含む、
請求項19に記載のテープカートリッジ。 - ベース層の一方の面に下地層及び磁性層を形成し且つ他方の面にバック層を形成して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体形成工程において得られた積層体を、50℃以上80℃以下の条件下で10時間以上100時間以下保存する熱履歴緩和処理工程と、を含み、
前記熱履歴緩和処理工程を経て磁気記録媒体が製造され、
前記磁気記録媒体の平均厚みtTが5.4μm以下であり、
前記磁気記録媒体に対して40℃〜150℃の温度範囲について昇温速度1℃/分での熱機械分析が行われた場合に、熱膨張から熱収縮へ切り替わる切り替わり温度が70℃以上であり、且つ、長手方向の長さが40℃での長さよりも短くなる収縮開始温度が90℃以上であり、且つ、
前記磁気記録媒体のポアソン比が0.40以下である、
テープ状の磁気記録媒体の製造方法。 - 前記熱履歴緩和処理工程が、前記積層体に、幅方向の長さ1/2インチあたり0.1N以下の張力を長手方向にかけながら80℃以上150℃以下の条件下で15秒以上240秒以下走行させる低張力熱処理工程を含む、
請求項21に記載の製造方法。
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