JPWO2021048962A1 - 光散乱検出装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、液体試料中の微粒子を検出するための光散乱検出装置100であって、液体試料を保持するための流路を有する、外形の断面形状が円形の試料セル17と、前記試料セル17の軸に垂直な方向から前記流路に向けてレーザ光を照射する光源1と、前記軸に垂直な面内の前記軸を中心とする前記試料セル17外の所定の円周E上に配置された複数の光検出器9とを備え、前記流路の側面のうち前記複数の光検出器9の少なくとも一つに面する側面が平面である。

Description

本発明は、光散乱検出装置に関する。
液体試料中に分散しているタンパク質やポリマー等の比較的大きな分子量の微粒子を分離する手法として、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)、ゲルろ過クロマトグラフィ(GPC)が知られている。これらの手法により分離された微粒子の検出器の一つに多角度光散乱検出装置(以下、MALS検出装置という)がある。
MALS検出装置は、SEC、GPC等の液体クロマトグラフから導入される液体試料を保持するセルと、該セルに保持された液体試料にレーザ光を照射する光源と、複数の検出器を備えている。MALS検出装置では通常、円筒形のセルが用いられ、該セルに保持された液体試料に対して、該セルの中心軸と垂直な方向から光源からの光が照射される。光源からの光が液体試料を通過することにより、その通過経路において該光が、液体試料に含まれる微粒子に依存する散乱断面積を以て輻射され、セルから出てくる。この、液体試料(セル)から複数の方位に出てくる光を同時に検出することができるように、セルの中心を取り囲むように複数の検出器が配置される。そして、複数の検出器によって得られた散乱光の強度から、散乱角と散乱断面積との関係が求められ、この関係から液体試料中の未知物質の分子量やサイズ(回転半径)が算出される。
MALS検出装置で用いられるセルには大きく分けて2つのタイプがある。第1のタイプのセルは、液体試料を保持するための貫通孔が円柱形のセルの直径方向に形成されており、光源からの光は、該貫通孔の一方の端部から他方の端部に向かって貫通孔内を通過するようにセルに照射される(特許文献1参照)。一方、第2のタイプのセルは、液体試料を保持するための貫通孔が円筒状のセルの中心軸方向に形成されており、光源からの光は、該貫通孔を横切るように、セルに照射される(特許文献2参照)。
第1タイプのセルは、照射光の経路において液体試料(に含まれる微粒子)で散乱された光に対してシリンドリカルレンズとして機能する。したがって、このセルを用いたMALS検出装置では、散乱光の様々な角度方向の成分(角度成分)はセルによって集光される。各角度成分の集光位置に検出器が配置されているため、各角度成分の強度は、それに対応する検出器によって検出することができる。
しかしながら、第1タイプのセルは、貫通孔に沿って光源からの光を通過させるため、クロマトグラフから貫通孔に液体試料を導入する流路が光源と空間的に干渉しないように、また該貫通孔から液体試料を排出する流路からの散乱光が不要なノイズ光とならないように、該貫通孔の両端部付近で直角に折れ曲がる屈曲部位を導入流路及び排出流路に設ける必要がある。屈曲部位では流路を流れる液体試料のコンダクタンスが大きな変調を受ける。このようなコンダクタンスの変調はクロマトグラフの測定精度の低減を招く。
また、第1タイプのセルでは、散乱光の発生領域が該セルの直径に相当するため、球面収差が大きい。収差が大きい角度成分の散乱光がノイズとしてその近傍の角度成分の散乱光に加わると、角度分解能が低減するという問題がある。
これに対して、第2タイプのセルを用いたMALS検出装置では、光源からの光が、貫通孔を横切るようにセルに照射されるため、セルの貫通孔の両端側に設けられる導入流路及び排出流路が光源からの光と干渉することはない。また、第2タイプのセルは、外周および内周(つまり貫通孔の側面)断面形状が円形であり、貫通孔を流れる液体試料とセルとの界面、およびセルと空気との界面は光学的にシリンドリカルレンズとして機能することは第1タイプと同様である。しかし、発光領域がセルの中心近傍の狭い領域に限定されるため、第2タイプのセルを用いた場合には、球面収差の問題が遥かに小さい。したがって、第2タイプのセルを用いたMALS検出器は、クロマトグラフィで分離された微粒子の検出器として有用である。
特開平07-072068号公報 特開2008-032548号公報
通常、セルの材料には光学部材の一般的な材料である石英ガラスが用いられる。石英ガラスの屈折率(1.46)は空気の屈折率(1.0)よりも大きいため、セルと空気の界面は常に収束作用を有する。一方、クロマトグラフィでは様々な種類の溶媒が移動相として用いられるため、クロマトグラフから導入される液体試料の溶媒の屈折率は広範囲にわたる。したがって、液体試料(溶媒)の屈折率とセルの屈折率との大小関係によって、液体試料とセルの界面は、収束作用を有する高屈折率/低屈折率界面、発散作用を示す低屈折率/高屈折率界面のいずれにも成り得る。つまり、液体試料とセルの界面が収束作用、分散作用のいずれを有するかは、液体試料の溶媒の屈折率に依存する。
液体試料とセルの界面が発散作用を有する場合は、セルと空気の界面の収束作用と相殺することにより、液体試料で生じた散乱光を平行光としてセルから取り出すことができる。一方、液体試料とセルの界面が収束作用を有する場合は、セルと空気の界面の収束作用と重畳されることにより散乱光はより強く収束され、セルのごく近傍に焦点を形成する。焦点を通過した後の散乱光は発散の一途を辿るため、平行光化することができない。試料セルと検出器の間にレンズや回折素子、曲面鏡等の結像素子を配置すれば発散する光をある程度集光することができるが、溶媒とセルの屈折率差が大きくなると、結像素子によっても所望の位置に集光することが困難となる。
本発明が解決しようとする課題は、光散乱検出装置において、液体試料の溶媒の屈折率に関係なく、該液体試料で生じた散乱光の強度を検出できるようにすることである。
上記課題を解決するために成された本発明は、
液体試料中の微粒子を検出するための光散乱検出装置であって、
液体試料を保持するための流路を有する、外形の断面形状が円形の試料セルと、
前記試料セルの軸に垂直な方向から前記流路に向けてレーザ光を照射する光源と、
前記軸に垂直な面内の前記軸を中心とする前記試料セル外の所定の円周上に配置された複数の光検出器とを備え、
前記流路の側面のうち前記複数の光検出器の少なくとも一つに面する側面が平面である、光散乱検出装置に関する。
本発明に係る光散乱検出装置では、光源からのレーザ光が試料セル内の流路に向けて照射されると、該流路内の液体試料に含まれる微粒子によって該レーザ光は様々な方位に散乱され、試料セルから輻射される。流路内で発生した散乱光の様々な角度方向の成分(角度成分)は試料セルから出てくるまでの間に液体試料の溶媒と試料セルの界面、および試料セルと該試料セルの外部空間との界面を通過する。
本発明では流路の側面のうち複数の検出器の少なくとも一つに面する側面が平面であるため、流路内で発生した散乱光のうちこの側面(平面側面)を通過する角度成分は、該平面側面で屈折するものの、平面波の波面を保持したまま平行光として試料セルと外部空間との界面に向かう。一般的に試料セルの屈折率は外部空間(空気)の屈折率よりも大きく、また、本発明では、試料セルの外形の断面形状が円形であるため、該試料セルと外部空間との界面は収束作用を持つ。このため、流路の平面側面を通過し、平行光として試料セルと外部空間との界面に向かった散乱光の角度成分は、液体試料の溶媒の屈折率によらず、試料セルの軸を中心とする所定の円周上に焦点を結ぶ。前記所定の円周上には複数の光検出器が配置されているため、液体試料の溶媒の屈折率によらず、前記平面側面を通過した散乱光の角度成分を該平面側面と面する光検出器によって検出することができる。
なお、平面側面が「複数の光検出器の少なくとも一つに面する」とは、該平面側面と光検出器が対向している場合に限らず、複数の光検出器の少なくとも一つと、流路内の散乱光の発生領域との間に、平面側面が検出器への検出に寄与する位置にあることをいう。つまり、複数の光検出器の少なくとも一つが、流路内の散乱光の発生領域で生じ、平面側面を通過した散乱光の角度成分を検出可能な箇所に配置されていれば良い。
従来の光散乱検出装置の一形態である多角度光散乱検出装置の概略的な全体構成図。 従来の多角度光散乱検出装置におけるビームスプリッタ、試料セル、結像光学系、及び検出器の位置関係を示す図。 液体試料に平行光が入射したときの散乱光の発生領域の説明図。 散乱光の発生領域から出射する散乱光の平行成分の説明図。 溶媒の屈折率n0が(a)1.26、(b)1.36、(c)1.46、(d)1.56、(e)1.66である液体試料の散乱光の各発生領域から法線方位に出射した散乱光の光線図。 本発明の一実施形態である多角度光散乱検出装置の概略的な全体構成図。 貫通孔の断面形状が、(a)長方形である試料セルにレーザ光を照射したときの散乱光の各角度成分の光線図、(b)正方形である試料セルにレーザ光を照射したときの散乱光の各角度成分の光線図。 貫通孔の断面形状が二等辺三角形である試料セルにレーザ光を照射したときの、(c)前方散乱光の各角度成分の光線図、(d)後方散乱光の各角度成分の光線図。 断面形状が正三角形である貫通孔の3個の平面を通過する散乱光の角度成分を示す図。 貫通孔の断面形状が正三角形である試料セルにレーザ光を照射したときの各角度成分の光線図(溶媒屈折率1.33)。 図9に示す、散乱角度が90°の角度成分を光検出器で検出したときの該光検出器の角度分解能を評価するためのスポット図。 貫通孔の断面形状が正三角形である試料セルにレーザ光を照射したときに生じるノイズ成分を示す光線図(溶媒屈折率1.66)。 貫通孔の断面形状が正三角形であるときの溶媒/セル界面における散乱光の角度成分の挙動を説明する際に使用する該界面の名称を示す図。 正三角形の左上辺及び左下辺の中点をレーザ光が通過するときに発光領域で発生する散乱光の光路を示す図。 正三角形の右辺付近をレーザ光が通過するときに発光領域で発生する散乱光の光路を示す図。 正三角形の左上辺及び左下辺の中点をレーザ光が通過するときのノイズ成分の寄与率を示す図。 正三角形の重心をレーザ光が通過するときのノイズ成分の寄与率を示す図。 本明細書で使用する角度計量の図(a)及び一般的な角度計量図(b)。 溶媒屈折率が1.66であるときに、試料セルと光検出器の適宜の箇所にスリットを設けることでノイズ成分が除去された様子を示す光線図。 溶媒の屈折率が小さいとき(a)、大きいとき(b)に、断面形状が正三角形の貫通孔の左下辺で反射したノイズ成分と信号光の光束幅の比の説明図。 溶媒の屈折率が小さいとき(a)、大きいとき(b)に、断面形状が正三角形の貫通孔の左上辺で前方へ反射したノイズ成分と信号光の光束幅の比の説明図。 溶媒の屈折率が小さいとき(a)、大きいとき(b)に、断面形状が正三角形の貫通孔の左上辺で後方へ反射したノイズ成分と信号光の光束幅の比の説明図。 試料セルの作製例。 試料セルの作製例。 貫通孔の断面形状が異なる貫通孔を有する試料セルの例(a)〜(c)。
まず、本発明に係る光散乱検出装置の従来構成について、光散乱検出装置の一形態である多角度光散乱検出装置(MALS検出装置)を例に挙げて説明する。
<1.従来のMALS検出装置>
<1.1 全体構成>
図1は、MALS検出装置の従来一般的な概略構成を示している。このMALS検出装置100Pは、液体試料71が収容される、円筒状の透明な試料セル7と、該試料セル7を中心にした円周E上に、該試料セル7を取り囲んで所定角度θに配置された複数の光検出器8、9と、試料セル7に光を照射する、レーザ光源1とインコヒーレント光源2とを備えている。レーザ光源1からはコヒーレント光であるレーザ光が出射され、インコヒーレント光源2からはインコヒーレント光又は部分コヒーレント光が出射される。
レーザ光源1から出射され光路L1に沿って進むレーザ光と、インコヒーレント光源2から出射されて光路L2に沿って進むインコヒーレント光とは、セクタ鏡3により交互に選択されて、試料セル7に向かう同一光軸を有する光路L3へと送られる。セクタ鏡3は、例えば反射部と透過部とが交互に配置された回転板から成る。回転板はモータ等の駆動機構4により所定速度で同一方向に回転駆動され、光路L1とL2の交差部に透過部が来るタイミングではレーザ光が光路L3に送られ、反射部が来るタイミングではインコヒーレント光が光路L3に送られる。レーザ光とインコヒーレント光とは共に、光検出器8、9が配置されている同一平面に垂直な方向が電気ベクトルの偏光方位である。
光路L3上にはビームスプリッタ5が配置され、試料セル7に照射される光の一部がビームスプリッタ5で分割・反射されて強度モニタ用検出器6に導入される。この強度モニタ用検出器6の検出信号はデータ処理部11に入力され、光源1、2の発光強度の変動を補正するために利用される。
円周E上に配置された複数の光検出器のうち、平面視で光路L3の延長上に配置された光検出器8は透過吸光度測定用検出器であり、そのほかの光検出器9は全て多角度散乱測定用検出器である。光検出器8による検出信号はデータ処理部11に機能として含まれる濃度算出部13に入力され、一方、複数の光検出器9による検出信号はデータ処理部11に機能として含まれる粒子情報演算部12に入力される。
<1.2 MALS検出装置の動作>
上記構成のMALS検出装置100Pにおいては、光源1から出射されるレーザ光は光路L1に沿って進み、光源2から出射されるインコヒーレント光は光路L2に沿って進む。これらの光束はセクタ鏡3により周期的に交互に選択されて光路L3に送られるため、試料セル7内の液体試料71にはレーザ光とインコヒーレント光が交互に照射される。セクタ鏡3を駆動する駆動機構4は制御部10により制御される。制御部10は、セクタ鏡3の回転位置に同期して、レーザ光、インコヒーレント光のいずれが試料71に照射されている期間であるのかを示すタイミング制御信号をデータ処理部11に送る。
試料セル7にインコヒーレント光が照射された場合、その透過光の強度は試料71による吸光を反映したものとなる。そこで、データ処理部11では、インコヒーレント光が照射される期間において光検出器8の検出信号を読み込む。濃度算出部13は、この検出信号に基づいて試料71による吸光度を算出し、試料71中の微粒子の濃度を計算する。算出された濃度値は粒子情報演算部12に送られる。
一方、試料セル7にレーザ光が照射された場合、そのレーザ光が液体試料71を通過する際に該液体試料71に含まれる微粒子により異なる角度分布を以て散乱され、試料セル7から出てくる。そこで、データ処理部11は、試料71にレーザ光が照射されている期間において複数の光検出器9の検出信号を同時に読み込む。粒子情報演算部12は、これらの検出信号に基づき各角度位置での散乱光強度を計算する。粒子情報演算部12では、各角度位置での散乱光強度と試料中の微粒子の濃度値に基づいて、試料71に含まれる微粒子の分子量や回転半径などを計算する。
<1.3 ビームスプリッタと試料セルと光検出器の位置関係>
図2は、上記MALS検出装置100Pにおけるビームスプリッタ5と試料セル7と光検出器9の位置関係を示す概略図である。図2では、側面図であるため、光路L3の延長上に光検出器9が位置しているように見えるが、実際は、複数の検出器9はいずれも光路L3の延長線上から外れた位置にある。
図2に示すように、試料セル7と光検出器9の間には、散乱光制限用のスリットを有するスリット板21および平凸レンズ22から成る結像光学系20が配置されている。スリット板21のスリットは、水平方向の散乱角を制限し、且つ、鉛直方向の光束を多く取り込むために、縦長の長方形状を有している。
MALS検出装置100Pでは、試料セル7から様々な角度方向に出射する散乱光の成分(角度成分)が、対応する光検出器9の受光面に集光するように、試料セル7、結像光学系20、及び光検出器9の配置が設定されている。試料セル7から出射された散乱光の各角度成分が結像光学系20を通過した後、光検出器9の受光面に集光するためには、各角度成分はできるだけ平行光に近い状態で結像光学系20に入射することが望ましい。
試料セル7は、その中心軸に沿って形成された断面円形状の貫通孔を内部に有しており、該貫通孔に液体試料71が収容されている。したがって、貫通孔が本発明の流路に相当する。試料セル7に照射されたレーザ光は、貫通孔を横切る際に液体試料71に含まれる微粒子により散乱され、液体試料71(溶媒)と試料セル7との界面、及び試料セル7とその外部(一般的には空気)との界面を通過した後、試料セル7から出射する。液体試料71中で発生した散乱光の各角度成分が平行光として試料セル7から出射するか否かは、これら界面の光学的な機能に依る。従来のMALS検出装置100Pにおける、試料セル7の界面の光学的な機能は以下の通りとなる。
<1.4 試料セルの界面の光学的な機能>
図3は、外径が8mm、内径が1.6mmの合成石英(屈折率n1=1.46)製の円筒状の試料セル7に対して、半導体レーザ光源から波長が660nmで且つ、幅が50μmのレーザ光(平行光)を、該試料セル7の中心を貫くように入射させたときの光線図である。図3の左側の試料セル7には溶媒の屈折率n0が1.26の液体試料71が保持されており、右側の試料セル7には溶媒の屈折率n0が1.66の液体試料71が保持されている。
図3より、溶媒の屈折率n0が試料セル7の屈折率n1よりも小さい場合(左側)、大きい場合(右側)のいずれであっても、試料セル7から液体試料71に入射した光線は大きく収束されることも発散されることもなく、ほぼ平行性を保った状態で液体試料71中を通過することが分かる。光線の幅と、試料セル7の内径と外径の比とから、また、レーザ光と散乱光の強度比とからボルン近似が成立し、多重散乱の影響は除外することができる。そのため、試料セル8の内径に相当する長さを持った幅のない線分を、試料セル7の貫通孔に収容されている液体試料71にレーザ光が入射したときの散乱光の発生領域(発光領域)として近似できる。
<1.5 試料セルの内外の界面における収束および発散>
上述した発光領域からは様々な方向に散乱光が出射するが、ここでは、図4に示すように、発光領域の片側から法線方位(試料セル7に入射するレーザ光の方位角を0°、散乱光の方位角をθ0と定義すると、θ0=90°となる方位)に等間隔で出射する平行な散乱光を考える。そして、このような散乱光が各界面を通過した後、試料セル7から出射されるまでの光路を追跡した。なお、以下の説明では、便宜上、法線方位に出射する散乱光の半分のみを扱うこととする。
図5は、溶媒の屈折率n0が1.26((a)、例えば蛍光溶媒)、1.36((b)、例えばエタノール)、1.46((c)、例えばフルオロベンゼン)、1.56((d)、例えばニトロベンゼン)、1.66((e)、例えばキノリン)である液体試料71の発光領域から法線方位に出射した散乱光の光線図である。以下、特に断らない限り、試料セル7の外部空間には空気が存在し、その屈折率n2は1.0とする。液体試料71と試料セル7との界面(以下「溶媒/セル界面」という)では、n0<n1のとき(図5(a)、(b)のとき)は発散レンズとして機能し、n0>n1のとき((d)、(e)のとき)は収束レンズとして機能する。また、n0=n1のとき((c)のとき)は、溶媒/セル界面では光線は屈折せず直進する。
一方、試料セル7の屈折率n1と外部空間の屈折率n2との関係は常にn1>n2であるため、試料セル7と外部空間の界面(以下「セル/空気界面」という)は常に収束レンズとして機能する。そのため、図5に示すように、溶媒/セル界面が発散レンズとして機能する(a)および(b)の場合は発散と収束が相殺され、特に(b)の場合は、散乱光の平行成分の多くがほぼ平行な光線として試料セル7から出射する。
これに対して、溶媒/セル界面がレンズとして機能しない(c)の場合は、セル/空気界面の収束作用によって、また、溶媒/セル界面が収束レンズとして機能する(d)および(e)の場合は収束作用が重畳されることによって、試料セル7から出射する光は所定の焦点に集光する。ただし、収束作用の強い(e)の場合は、試料セル7のごく近傍で焦点を結び、その先は発散の一途を辿る。
このように、試料セル7から出射する光線が発散光、平行光、収束光のいずれになるか、収束光の場合にその焦点がどこに位置するか、は溶媒の屈折率n0と試料セルの屈折率n1の大小関係によって決まる。
このことは、従来のMALS検出装置では、測定対象となる液体試料の溶媒の屈折率によっては、散乱光強度を正確に測定できない、もしくは全く測定できないことを意味する。溶媒の屈折率に関係なく散乱光強度を測定できるようにするために、液体試料の溶媒の屈折率に応じて、屈折率の異なる試料セルに交換したり、光検出器の受光面の位置を変更したり、或いは試料セルと検出器の間に適宜の構成の集光光学系を配置したりすることが考えられる。しかし、クロマトグラフから導入される液体試料のように、溶媒の屈折率が広範囲にわたる液体試料を測定対象とするMALS検出装置では、溶媒の屈折率に応じて試料セルを交換したり、検出器の配置や集光光学系の構成を変更したりすることは、およそ現実的ではない。
発光領域で生じた散乱光が試料セルから出射するまでに通過する界面のうち、溶媒の屈折率が寄与するのは、溶媒/セル界面だけである。つまり、試料セルから出射する散乱光が、発散光になったり、平行光になったり、或いは収束光になったりする理由は、液体試料の溶媒の屈折率によって、散乱光が溶媒/セル界面を通過するときの挙動が異なるからである。
発光領域で生じた散乱光の角度成分は平面波の波面を持つ。平面波の光線が平面状の界面を通過するとき、該光線は界面で屈折するが、その波面は保持される。つまり、溶媒/セル界面を平面にすれば、散乱光の角度成分は全て平行光として溶媒/セル界面からセル/空気界面に向かう。セル/空気界面は収束作用を持つため、溶媒の屈折率に依らず、散乱光の個々の角度成分は試料セル7の軸を中心とする円周上に焦点を結ぶことが期待される。本発明は、このような知見のもと成されたものである。
以下、本発明に係る光散乱検出器について、その一実施形態である多角度光散乱検出装置(MALS検出装置)を例に挙げて説明する。
[実施形態]
<1.MALS検出装置の構成>
図6は、本実施形態のMALS検出装置100の概略的な全体構成図である。このMALS検出装置100は、図1に示した従来のMALS検出装置100Pとほぼ同じ構成を有している。したがって、MALS検出装置100の構成のうちMALS検出装置100Pと同一又は対応する部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態のMALS検出装置100は、試料セル17の貫通孔の構成が前記試料セル7と異なる。具体的には、前記試料セル17は、その貫通孔の側面のうち前記光検出器9の少なくとも一つに面する側面が平面から成る。このような平面の側面(平面側面)は、例えば試料セルの内部に断面形状が円形の貫通孔を形成し、その側面の一部を加工することにより得ることができるが、少なくとも一部が直線である閉曲線からなる貫通孔を試料セル17の内部に形成しても良い。この構成では、試料セル17の軸方向全体に平面の側面が形成されることになる。閉曲線の例として、多角形、扇形、端点が同じ弦と円弧で囲まれた形状等が挙げられるが、これらに限られない。ただし、断面形状が円形状であり、側面の全てが曲面から成る、従来の試料セル7の貫通孔は除かれる。断面形状が多角形である場合は、貫通孔の側面の全てが複数の平面側面から構成されることになる。また、MALS検出装置100は、従来のMALS検出装置100Pにおいて試料セル7と光検出器9の間に配置されていた結像光学系を備えていない。
<2.貫通孔の断面形状が多角形である試料セルにおける散乱光の挙動>
説明を簡単にするために、試料セル17の貫通孔の断面形状が多角形である試料セル17にレーザ光を照射したときの、散乱光の個々の角度成分の挙動について説明する。図7A、7Bは、試料セル17の素材を合成石英(屈折率n1=1.46)、溶媒を水(屈折率n0=1.333)とし、試料セル17の外径(半径)を4mm、貫通孔の断面形状を、半径0.8mmの円とほぼ等しい面積の長方形(a)、正方形(b)、及び二等辺三角形(c)、(d)とし、レーザ光が、紙面の下から上に向かって試料セル17の中心を貫くときの散乱光の角度成分の光線図である。
なお、特に断らない限り、以下の説明では試料セル17の素材は合成石英(屈折率n1=1.46)であることとする。
長方形、正方形はそれぞれ2回回転軸、4回回転軸を持つ対称性があるため、貫通孔の断面形状が長方形、正方形の試料セル17(図7Aの(a)、(b))では、右方前方散乱(散乱角は10°から90°まで10°間隔)の角度成分のみを示した。また、二等辺三角形はその対称性から、前方散乱と後方散乱の様態が異なるため、貫通孔の断面形状が二等辺三角形の試料セル17(図7Bの(c)、(d))においては、前方散乱及び後方散乱それぞれの右方散乱(散乱角は10°から170°まで10°間隔)の角度成分のみを示した。
図7A、7Bに示されるように、貫通孔の断面形状が長方形、正方形、及び二等辺三角形のいずれの場合も、発光領域から様々な方向に出射した散乱光の角度成分は、全て平行光として溶媒/セル界面からセル/空気界面に向かう。そして、セル/空気界面の収束作用によって、試料セルの中心軸を中心とする円周上に焦点を結ぶ。試料セル17の外径(半径)が4mmのとき、円周の半径は12.7mmとなる。従って、図7A、7Bに示す例では、半径12.7mmの円周E上であって、散乱光の各角度成分が焦点を結ぶ箇所にそれぞれ光検出器9を配置することにより、各角度成分の光強度を求めることができる。
なお、貫通孔の断面形状が多角形の場合、溶媒/セル界面は複数の平面から構成されることになる。散乱光の角度成分によっては、貫通孔の溶媒/セル界面を構成する複数の平面に跨って入射し、該平面を透過する際に分裂する。図7Aの(a)、(b)、図7Bの(d)に示す例では、散乱光のいくつかの角度成分が、2個の平面を透過することで2方向に分裂する様子が確認される。この場合は、2個の平面に入射する特定の角度成分について、前記2個の平面における強度分配比を算定し、2個の平面のうち強度分配比が大きい角度成分だけを測定対象として光検出器9で検出し、検出結果に強度分配比の逆数を掛ける重み付け補正を行うと良い。以上の方法により、2個の平面に入射する角度成分全体の散乱光強度を求めることができる。以上の方法を用いれば、貫通孔の断面形状が、図7に示した三角形、四角形以外の多角形であっても、原理的には、散乱光の全ての角度成分の光強度を求めることができる。
ただし、散乱光の或る角度成分が入射する平面の数が多くなると、強度分配比が大きい角度成分であっても、その光強度が小さくなるため、SN比の劣化が懸念される。散乱光の個々の角度成分が関与する平面の数を減じるためには、貫通孔の断面形状として、多角形を構成する線分の数が最少となる三角形を選択すれば良い。例えば図8は、断面形状が正三角形の貫通孔の3個の平面側面を通過する散乱光の角度成分を示している。散乱光の角度成分の微分断面積(散乱強度)を「σ(θ)」(θは散乱角度)と定義すると、 σ(0)からσ(-θ1)、σ(θ1)からσ(θ2)、及びσ(-θ1)からσ(-π)の角度成分は、それぞれ三角形の左上辺、右辺及び左下辺に対応する、貫通孔の平面側面のみを透過する。σ(-θ)=σ(θ)であるため、散乱光の総ての角度成分を、分裂を避けて測定することが可能となる。
図9は、貫通孔の断面形状が正三角形の試料セル17の該貫通孔に流す溶媒を水(屈折率=1.333)にしたときの散乱光の各角度成分の光線図である。図9より、0°から-60°の角度成分は、左上辺に対応する平面側面が担っており、60°から90°の角度成分は右辺に対応する平面側面が担っており、いずれの角度成分も分裂が生じていないことが認められる。なお、図9は前方散乱の光線図であり、これを上下反転させると後方散乱の光線図となる。
<3.角度分解能>
図10は、二次元上で90°の角度成分の光線を追跡することにより得られた検出位置に依存する光線の強度分布である。図10の横軸は検出位置座標であり、それぞれのスペクトルは試料セル17からの出射角度をθ0とし、θ0を以下の式(1)で表したときの異なるΔθ0に対応している。
θ0=90°−Δθ0 ・・・(1)
図10には、Δθ0として0°、0.02°及び0.04°の3個を選んだときのピークが示されている。図10から分かるように、Δθ0が0°、0.02°及び0.04°であるいずれのピークも明瞭に弁別できている。このことから、光検出器9の角度分解能を0.02°と見積もることができる。半径12.7mmの円周上において、0.02°の角度は4μmの長さに対応するため、仮に、ピクセル幅が4μmの1次元のフォトダイオードアレイ検出器を上記の円周E上に隙間なく全周に渡って配置することができれば、原理的には、散乱光のすべての角度成分を0.02°の角度分解能で測定することが可能となる。
θ0=90°の散乱成分は光束幅が最も広いため、セル/空気界面における球面収差の影響が最も大きくなる。このため、θ0=90°以外の角度領域では、θ0=90°の散乱成分よりも球面収差が小さく、高分解能となるはずである。また、何れの角度領域においても分解能の溶媒屈折率依存性は極めて低い
<4.ノイズ成分>
<4.1 ノイズ成分の発生>
図11は、貫通孔の断面形状が正三角形の試料セル17の該貫通孔に流す液体試料の溶媒を、キノリン(Quinoline)としたときの散乱光の各角度成分の光線図である。水の屈折率(1.333)は試料セルの屈折率(1.46)よりも小さいのに対して、キノリンの屈折率は1.66であり、試料セルの屈折率(1.46)よりも大きい。
図9の光線図との比較から分かるように、試料セル17の貫通孔に流す液体試料の溶媒を水からキノリンに変えると、或る2つの異なる角度成分の焦点が1箇所に集中するという現象がみられる。図11に3個の〇(丸)で囲んだ箇所が、それぞれ2つの異なる角度成分の焦点が集中する箇所を示している。このように、2つの異なる角度成分の焦点が1箇所に集中した場合、それら2つの角度成分を分離することができなければ、各角度成分の光強度を検出することができない。
異なる方位の散乱光の焦点位置が一致するのは、溶媒と試料セル17の屈折率比(n1/n0)が大きいこと、貫通孔の断面形状が正三角形であることに起因する。その理由を、図12〜図14Bを用いて説明する。図12に示すように、説明を簡単にするために、溶媒/セル界面を構成する貫通孔の3個の平面側面を、それぞれ、正三角形の辺の名称(右辺、左上辺、左下辺)で呼ぶこととする。また、レーザ光が左上辺及び左下辺を横切る位置を境界として、左上辺及び左下辺をそれぞれ右部と左部に分け、左上辺右部及び左上辺左部、左下辺右部及び左下辺左部と呼ぶこともある。
一般に平坦な界面を挟む二つの媒体の屈折率比が大きい程、光の反射率が高く、特に高屈折率媒体から低屈折率媒体に光が入射するときは、ある入射角で全反射が生じ、その入射角(臨界入射角)は、屈折率比が大きい程、小さくなる。入射角は、界面の法線に対する入射光の傾斜角で定義されるから、臨界入射角が小さくなるということは、垂直入射に近づくことを意味する。
図13A及び13Bは、貫通孔内の散乱光の発生領域(発光領域)から或る方位に出射して左上辺又は右辺を直接通過する光束と、該光束とは別の方位に発光領域から出射し、正三角形のいずれかの辺で反射した後、左上辺又は右辺を通過する光束の経路を示している。この説明では、「反射」には全反射以外の反射も含まれることとする。図13A及び図13Bにおいて符号101で示す領域が発光領域である。また、図13Aでは、レーザ光は左上辺及び左下辺の各中点を通過することとし、図13Bでは、レーザ光は左上辺及び左下辺の各中点よりも右辺寄りを通過することとする。
図13A及び図13Bには、発光領域101から左側の或る方位に出射し、左上辺を直接通過する光束(直接光束110、実線で示す)と、該直接光束110とは別の左側の方位に発光領域101から出射し、左下辺左部で反射して、左上辺を通過する光束(間接光束120、二点鎖線で示す。)の、方向が同じになる様子が描かれている。また、図13Aには、発光領域101から右側の或る方位に出射し、右辺を直接通過する光束(直接光束111、実線で示す)と、該直接光束111とは別の右側の方位に発光領域101から出射し、左上辺右部で反射して右辺を通過する光束(間接光束121、破線で示す。)の、方向が同じになる様子が描かれている。また、図13Bには、発光領域101から右側の或る方位に出射し、右辺で反射して左上辺を通過する光束(間接光束122、破線で示す)と、上述した直接光束110の、方向が同じになる様子が描かれている。
これらの光束110,111,120,121、122のうち検出すべき光束は、直接光束110,111のみであり、光束110,111が信号光となる。間接光束120,121,122は信号光とは散乱角が異なるためノイズ成分となる。図13Aの左上辺及び右辺、図13Bの左上辺に、それぞれ太い矢印にて信号光が通過する領域310及びノイズ成分が通過する領域320、322を示す。
図13A、13Bから分かるように、直接光束110と間接光束120、直接光束111と間接光束121は、いずれも方向が同じであるものの、左上辺、右辺を通過する領域が重複しない。つまり、信号光とノイズ成分は重畳することなく左上辺又は右辺を通過する。信号光とノイズ成分の弁別性は試料セルの外部でも保たれるため、試料セルと光検出器との間に適切な遮光板あるいはスリットを設けることでノイズ成分を完全に除去することができる。
これに対して、図13Bに示すように、直接光束110と間接光束122は、左上辺を通過する領域が重複し、信号光とノイズ成分の間で空間的重畳が生じる。信号光と重畳しないノイズ成分は除去することができるが、重畳するノイズ成分は除去することができない。
除去不能なノイズ成分が発生するか否か、発光領域101から或る方位に出射した光に占める除去不能なノイズ成分の割合等の「度合い」は、溶媒と試料セルの屈折率比、貫通孔の断面形状(正三角形)、レーザ光が貫通孔内を通過する部位(例えば、正三角形の左上辺及び左下辺の中点を通過するのか、重心を通過するのか、あるいは右辺の近傍を通過するのか)に依存する。発光領域101が正三角形内の左方に位置するほど右辺に対する入射角度範囲が狭くなる。極端な例として、励起レーザが正三角形の左頂点を通過するときは、発光領域101の右側の法線方位を0°とすると、右辺に対する入射角度範囲は−30°から30°の範囲になる。逆に、正三角形の右辺すれすれをレーザ光が通過するときは、右辺に対する入射角度範囲は−90°から90°の範囲になる。つまり、発光領域101が右方に位置するほど入射角の範囲が広がるため、反射率の高い成分が増え、全反射が生じ易くなる。
<4.2 ノイズ成分の光強度>
次に、発光領域101から或る方位に出射した全ての散乱光(散乱光の或る角度成分)に占めるノイズ成分の割合を、光強度に換算して定量化した。ここでは、光強度に換算した割合を「ノイズ成分の寄与率」と呼ぶ。
ノイズ成分の光強度は二つの因子で決定される。一つは、図13A,13Bに符号220、221、222が付されたノイズ光発生領域の、発光領域101に対する割合である。散乱光の特定の角度成分が全てノイズ成分になるわけではなく、正三角形の辺(界面)で反射して信号光と重畳するのは、ノイズ光発生領域220、221、222から放射される光束に限定される。
もう一つの因子は、ノイズ成分の界面での反射率である。
以上より、「ノイズ光発生領域の長さ/発光領域の長さ」にノイズ光の界面での反射率を掛けた値がノイズ成分の光強度の指標となる。この指標を「規格化強度」と呼ぶ。特定の角度成分の光強度に規格化強度を掛けた値がノイズ成分の光強度である。よって、例えば規格化強度が0.4の場合、ノイズ光の方位の全散乱強度をInoiseとすると、Inoiseのうち0.4×Inoiseが検出すべき信号に加わる。
図14A、14Bに、ノイズ成分の規格化強度と散乱角度との関係を示す。ただし、図14A、14Bでは、理解を容易にするために、限定的に図15Aに示される角度計量を用いて散乱角度を表している。従来慣例的に散乱角の計量では図15Bに示す角度計量が用いられてきたが、この座標では、前方散乱と後方散乱の対称軸が90°、または−90°の軸であり、右方と左方で符号が反転する。これを避けるために、ここでは、図15Aに示す角度計量を用いた。
図14A、14Bはそれぞれ、レーザ光が正三角形の左上下辺の中点を貫く場合、正三角形の重心を貫く場合に相当する。図14A、14Bの横軸は、溶媒中での散乱角度θ0[degree]であり、発光領域101から出射する方位を表す。図14A、14Bの縦軸は、散乱角度θ0で出射する信号光に追随するノイズ成分の規格化強度であり、図ではノイズ寄与率と記されている。ノイズ寄与率は溶媒の屈折率に依存するため、図14A、14Bには、屈折率が1.26(蛍光溶媒)、1.333(水)、1.492(toluene)、1.56(Nitrobenzene)及び1.66 (Quinoline)であるときのノイズ寄与率が示されている。
また、図14A、14Bにおいて、横方向の矢印とともに示す数値は、その矢印に対応する横軸に示された散乱角度θの信号光に追随するノイズ成分の散乱角度を局所座標として示している。例えば、散乱角度θ0=2°の信号光に追随するノイズ成分の散乱角度は58°となる。また、散乱角度θ0=125°の信号光に追随するノイズ成分の散乱角度は175°となる。さらにまた、右辺で反射されるノイズ成分の寄与率を表す曲線は、他のノイズ寄与率の曲線との重なりを避けるためにゼロ点を0.5にベースアップして表示されている。
図14Aより、溶媒の屈折率が1.66であり、散乱角度θ0=2°のときのノイズ寄与率は約0.89となる。これは散乱角度θ0=2°の信号光に対し、散乱角度θ0=58°の角度成分が左上辺右部(正三角形上の赤の線分で示される領域)で反射され、散乱角度θ0=2°の信号光に追随・混入する成分の光強度が、散乱角度θ0=58°の角度成分全体の光強度の約89%であることを意味する。
また、図14Bより、溶媒の屈折率が1.66であり、散乱角度θ0=118°のときのノイズ寄与率は約0.44となる。これは散乱角度θ0=118°の信号光に対し、θ0=62°の角度成分が右辺(正三角形上の赤の線分で示される領域)で反射され、散乱角度θ0=118°の信号光に追随・混入する成分が、散乱角度θ0=62°の角度成分全体の光強度の約44%であることを意味する。図14A、14Bには、前方散乱成分の信号光に追随する全てのノイズ成分が示されている。後方散乱成分の信号光に追随するノイズ成分は図14A、14Bを角度θ0=180°で左右反転し、矢印で示す局所座標の数値の符号をマイナスとしたプロファイルになる。
上述したように左上辺及び左下辺で反射されるノイズ成分は全て信号光と弁別して除去することができる。一方、右辺で反射されるノイズ成分の一部は排除できるが、残りは排除できない。ただし、図14Aに示すように、レーザ光が正三角形の左上下辺の中点を貫く場合は、右辺で反射されるノイズ成分のノイズ寄与率は溶媒の屈折率に依らずほぼゼロであり、無視することができる。これに対して、図14Bに示すように、レーザ光が正三角形の重心を貫く場合は、溶媒が高屈折率のときに、110°〜120°の角度範囲でノイズ寄与率が大きくなり、場合によっては無視することができない。このような場合は、上記の角度範囲に光検出器9を設置しなければよい。また、レーザ光が正三角形の左上下辺の中点を貫く場合、重心を貫く場合のいずれにおいても、溶媒が高屈折率のときはノイズ寄与率が顕著となるが、溶媒が低屈折率のときはノイズ寄与率が小さく、信号光の光強度の検出に及ぼす影響は少ないことが分かる。
幾何学的考察から、左上辺及び左下辺で反射されるノイズ成分を除去できることを図13A、13Bにて示した。これに対して、図16は、溶媒がキノリン(n0=1.66)のときに、試料セル17と光検出器9の間の適切な箇所にスリットを設けることでノイズ成分を除去できることを示す光線図である。図16では従来の角度計量で散乱角度を表している。散乱角度が70°の角度成分(ピンク色で示す)には散乱角度が50°の角度成分(水色で示す)が、散乱角度が-50°の角度成分(紫色で示す)には散乱角度が-70°の角度成分(緑色で示す)が、それぞれノイズ成分として追随する。図16より、これらのノイズ成分はスリットによって完全に除去されることは明らかであり、幾何学的考察を裏付ける結果となった。
<4.3 溶媒の屈折率に依存する要素>
<4.3.1 光検出器の方位と散乱光の角度成分との関係>
円周上に配置された光検出器9に到達する角度成分の散乱角度は溶媒の屈折率に依存する。したがって、実際の光学系を設計するときは特定の屈折率に合わせて検出したい角度成分を選ぶことになる。例えば、表1の上段は、溶媒が水(屈折率n0=1.333)のときの、角度成分の散乱角度と、その角度の角度成分を検出するために円周上に配置される光検出器の方位との関係を示している。表1において、角度成分及び検出位置の方位(degree)は、図15(a)に示す角度計量で表された角度である。参考として、図15(b)の従来慣例的な角度計量で表した散乱角度を、表1の上段(慣例的散乱角)に示す。
Figure 2021048962
表1より、散乱角度が0°、20°、140°、120°及び100°の角度成分を検出するための光検出器9の方位は、それぞれ0°、18.25°、138.25°、120°及び101.75°となる。角度が0°と120°の角度成分は界面に垂直入射するため屈折がない。したがって、散乱角度と光検出器9の方位が一致する。それ以外の角度成分は界面に対して斜め入射となるので、光検出器9の方位は溶媒の屈折率に依存する。つまり、測定対象となる散乱光の角度成分を検出するための光検出器9の方位は溶媒の屈折率に依って様々となるが、若干の違いがあるだけで、特に大きな問題ではない。表1に、散乱角度が0°、20°、140°、120°及び100°の角度成分を検出するための光検出器9の方位を、溶媒の屈折率毎に示す。
また、レーザ光は、試料セル17と溶媒との界面で屈折するため、前記レーザ光が右辺に平行に流路を貫くためには、溶媒の屈折率に応じて貫通孔に入射する方位を調整しなければならない。例えば、溶媒が水(屈折率n0=1.333)のときは、左下辺に対し27.24°の角度(左下辺に対する法線方位をゼロとする)でレーザ光を入射させる必要がある。この条件では、溶媒の屈折率n0に応じて、表2に示すようなレーザ光の屈折による方位シフトΔθinが左下辺の界面で生じるため、上記の表1に示す検出角度成分の数値から、方位シフトΔθinだけ減じる。
Figure 2021048962
<4.3.2 信号光とノイズ成分の光束幅の比>
信号光とノイズ成分の光束幅の比も、溶媒屈折率に依存する。図17Aは、三角形の左下辺で反射したノイズ成分の光束幅と、溶媒屈折率との関係を示す図である。説明を簡単にするため、図17Aには、前方散乱の信号光のみを示す。
溶媒を透過した後、試料セル17内を方位角θ1(左上辺に対する出射角)で進む信号光の光束を考える。方位角θ1を固定して、溶媒内の方位θ0(左上辺に対する入射角)を逆光線追跡的に考察すると、溶媒の屈折率が小さい(大きい)程、方位θ0が大きく(小さく)なる。このため、信号光の左上辺に対する通過領域が広く(狭く)なり、ノイズ成分の光束幅比(ノイズ成分の光束幅/信号光の光束幅)が小さくなる。
これに対して、三角形の左上辺右部で反射したノイズ成分の光束幅比は、該ノイズ成分となる散乱光の方位θnoiseによって様相が異なる。θnoise=60°のときに左上辺右部で反射したノイズ成分が右辺に対して垂直入射となるが、ここが境界となる。図17Bに示すように、30°<θnoise<60°のときに、三角形の左上辺右部で反射したノイズ成分が重畳する信号光の方位角θ1は30°から0°の範囲にあり正値を持つ。一方、図17Cに示すように、60°<θnoise<90°のときに、三角形の左上辺右部で反射したノイズ成分が重畳する信号光の方位角θ1は、0°から-30°の範囲にあり、負値を持つ。
溶媒を透過した後、試料セル17内を方位角θ1(左上辺に対する出射角)で進む信号光の光束を考える。いずれの場合もθnoise が大きい程、ノイズ成分の光束幅が大きくなる。そして、30°<θnoise<60°のときは溶媒の屈折率が小さい程θnoise は小さくなるため、ノイズ成分の光束幅が小さくなる。一方、60°<θnoise<90°のときは溶媒の屈折率が小さい程θnoise は大きくなり、逆の相関を持つ。
このように、ノイズ成分の光束幅比は溶媒の屈折率に依存することから、溶媒の屈折率に応じて、散乱光の個々の角度成分に対するノイズ成分を除去するためのスリット幅を設計すれば良い。上述した表1に、溶媒の屈折率が1.56のときにノイズ成分を除去するためのスリット幅の最適値を示している。溶媒の屈折率が1.66のときは、表1に示された幅のスリットではノイズ光を完全に除去できないことになるが、除去できないノイズ成分は僅かであり、信号光の検出に及ぼす影響は小さい。
<5.試料セルの作製>
図18A、18Bに、貫通孔の断面形状が三角形である試料セル17の作製例を示す。図18Aは、断面V字状の溝をする、2個の半円柱状素材171、172を接合して試料セル17を作製した例である。2個の半円柱状素材171、172は石英製の円柱を半分に切断して作製することができる。
図18Bは、断面V字状の溝をする1個の半円柱状素材173と、溝を有しない1個の半円柱状素材174を接合して試料セル17を作製した例である。図18Bに示す方法で試料セルを作製すれば、貫通孔の側面を構成する各々の平面に接合部分がなく段差が生じない。このため、散乱領域で発生した光(信号光)が接合面を避ける経路を通って溶媒/セル界面から試料セル17内に出射することができる。
以上、貫通孔の断面形状が多角形である場合、特に断面形状が正三角形である試料セル17について説明したが、これ以外にも、例えば図19に示すような断面形状の貫通孔を有する試料セルを用いることができる。
以上、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明したが、該実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)第1項に係る光散乱検出装置は、
液体試料中の微粒子を検出するためのものであって、
液体試料を保持するための流路を有する、外形の断面形状が円形の試料セルと、
前記試料セルの軸に垂直な方向から前記流路に向けてレーザ光を照射する光源と、
前記軸に垂直な面内の前記軸を中心とする前記試料セル外の所定の円周上に配置された複数の光検出器とを備え、
前記流路の側面のうち前記複数の光検出器の少なくとも一つに面する側面が平面である。
第1項の光散乱検出装置では、流路の側面のうち複数の検出器の少なくとも一つに面する側面が平面であるため、流路内で発生した散乱光のうちこの側面(平面側面)を通過する角度成分は、該平面側面で屈折するものの、平面波の波面を保持したまま平行光として試料セルと外部空間との界面に向かう。一般的に試料セルの屈折率は外部空間(空気)の屈折率よりも大きく、また、この光散乱検出装置では、試料セルの外形の断面形状が円形であるため、該試料セルと外部空間との界面は収束作用を持つ。このため、流路の平面側面を通過し、平行光として試料セルと外部空間との界面に向かった散乱光の角度成分は、試料セルの軸を中心とする所定の円周上に焦点を結ぶ。前記所定の円周上には複数の光検出器が配置されているため、液体試料の溶媒の屈折率によらず、前記平面側面を通過した散乱光の角度成分を該平面側面と面する光検出器によって検出することができる。
(第2項)第1項の光散乱検出装置において、
前記光源から照射されたレーザ光が、前記流路内のうち前記平面である側面と対向する領域を通過する。
第2項の光散乱検出装置によれば、レーザ光が液体試料を通過することにより生じる散乱光のうち、試料セルの軸に垂直な方向(法線方向)の角度成分を、前記平面である側面を通過させることができる。
(第3項)第1項の光散乱検出装置において、
前記流路の断面形状が、少なくとも一部が直線から成る閉曲線である。
第3項の光散乱検出装置では、試料セルの軸の方向全体に流路の平面側面が形成されるため、光源、光検出器の配置の自由度が広がる。
(第4項)第3項の光散乱検出装置において、
前記流路の断面形状が多角形である。
第4項の光散乱検出装置では、試料セルの作製が容易になる。
(第5項)第4項の光散乱検出装置において、
前記流路の断面形状が三角形である、光散乱検出装置。
(第6項)第4項の光散乱検出装置において、
前記流路の断面形状が正三角形である。
第5項及び第6項の光散乱検出装置では、流路内で生じた散乱光の個々の角度成分が関与する平面側面の数を少なくすることができる。
1…レーザ光源
2…インコヒーレント光源
8,9…光検出器
17…試料セル
100…MALS検出装置

Claims (6)

  1. 液体試料中の微粒子を検出するための光散乱検出装置であって、
    液体試料を保持するための流路を有する、外形の断面形状が円形の試料セルと、
    前記試料セルの軸に垂直な方向から前記流路に向けてレーザ光を照射する光源と、
    前記軸に垂直な面内の前記軸を中心とする前記試料セル外の所定の円周上に配置された複数の光検出器とを備え、
    前記流路の側面のうち前記複数の光検出器の少なくとも一つに面する側面が平面である、光散乱検出装置。
  2. 請求項1に記載の光散乱検出装置において、
    前記光源から照射されたレーザ光が、前記流路内のうち前記平面である側面と対向する領域を通過する、光散乱検出装置。
  3. 請求項1に記載の光散乱検出装置において、
    前記流路の断面形状が、少なくとも一部が直線から成る閉曲線である、光散乱検出装置。
  4. 請求項3に記載の光散乱検出装置において、
    前記流路の断面形状が多角形である、光散乱検出装置。
  5. 請求項4に記載の光散乱検出装置において、
    前記流路の断面形状が三角形である、光散乱検出装置。
  6. 請求項4に記載の光散乱検出装置において、
    前記流路の断面形状が正三角形である、光散乱検出装置。
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