JPWO2021029351A1 - 軽質炭酸カルシウムを内添した紙 - Google Patents

軽質炭酸カルシウムを内添した紙 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、印刷時の裏抜けが効果的に抑制され、さらに強度に優れた紙を提供することである。本発明によって、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している軽質炭酸カルシウムを内填した紙が提供され、軽質炭酸カルシウムの一次粒子はアスペクト比が2.5以下の球状であり、軽質炭酸カルシウムの二次粒子のBET比表面積が15〜40m2/g、平均粒子径が3.0〜15.0μmである。

Description

本発明は、軽質炭酸カルシウムを内添した紙に関する。
一般に、セルロース系繊維で構成される紙に無機物質である填料が添加されることがあり、填料は、セルロース系繊維だけでは不足しがちな光学特性、主に白色度、不透明度を向上させるために添加される。近年では、環境意識の高まりや生産コストの低減のために、木材を原料とするセルロース系繊維の使用量を削減し、代わりに填料を増添して紙中填料率を高める取り組みが行われている。しかしながら、填料を増添した場合、光学特性は向上する一方で、引張強さや引裂強さ、ステキヒトサイズ度などが低下する。一般に、低下する強度特性やサイズ性を補うには、紙力増強剤や内添サイズ剤などの薬品を添加するが、薬品の使用量が多くなると、生産コストへの負荷が大きくなるだけでなく、系内汚れの問題も生じる。
近年、中性抄紙化が進み、軽質炭酸カルシウムが填料として広く使用されている。その理由として、タルク、クレーなどの填料に比べて白色度が高く、合成方法によっては粒子形状や粒子径、凝集状態なども調整でき、紙に付与する物性をコントロールし易いからである。そのため、填料用軽質炭酸カルシウムの粒子形状や粒子径など、これまで多くの研究がなされてきた。
例えば、特許文献1には、填料として平均粒径4.0〜15.0μmでBET比表面積が5.0〜10m/gの針状および柱状の形状を有した一次粒子および/またはそれらの凝集体から成る軽質炭酸カルシウムを用いることが提案されている。
また、特許文献2には、填料を内添した紙が記載されており、填料として、紡錘状炭酸カルシウムの一次粒子をフロック凝集させた、二次粒子径が1〜10μmの軽質炭酸カルシウムであって、BET比表面積が8〜20m/g、細孔容積が1.5〜3.5cm/gの範囲である軽質炭酸カルシウムが提案されている。
さらに、特許文献3には、紡錘状炭酸カルシウムの一次粒子をいがぐり状に凝集させたロゼッタ型炭酸カルシウムとタルクを填料として併用することによって、紙製造時の乾燥負荷を軽減することが提案されている。
さらにまた、特許文献4には、一次粒子が放射状に凝集したロゼッタ型軽質炭酸カルシウムであって、BET比表面積が1.0〜8.0m/g、平均粒子径(D50)が3.0〜15.0μmである軽質炭酸カルシウムを、紙に内添することが記載されている。
特開2013−60692号公報 国際公開WO2004/108597号 特開2012−172287号公報 国際公開WO2015/146964号
特許文献1に記載の炭酸カルシウムは一次粒子の形状が針状または柱状であるため、その形状の特質から、紙に内添した場合、軽質炭酸カルシウムの一次粒子の先端部が非常に細く、繊維間隙に入り込みやすいため、紙の繊維間結合の形成を阻害し、紙の層間強度が弱くなるという欠点がある。
また、特許文献2の軽質炭酸カルシウムは、一次粒子のアスペクトが高いため、特許文献1と同様の問題がある。また、特許文献2に係る炭酸カルシウムは、フロック凝集により形成された二次粒子の比表面積が高く、一般に、比表面積が高い填料を使用すると、填料表面に吸着する製紙用薬品の量も多くなってしまうため、一定の薬品添加効果を得るためには、比表面積が低い填料を使用する場合と比較して、多くの薬品を添加する必要がある。
さらに、特許文献3にはロゼッタ型軽質炭酸カルシウムとタルクを併用すると乾燥負荷が小さくなることが記載されているが、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの形状と紙の強度との関係については何も検討されていない。
さらにまた、特許文献4には、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを紙に内添することが記載されているが、印刷時の裏抜け防止が十分でない場合があった。
以上の状況に鑑み、本発明の課題は、印刷時の裏抜けが効果的に抑制されており、強度の低下が抑制された紙を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の粒子形態を有した軽質炭酸カルシウムを用いることによって上記課題を解決可能であることを見出した。
これに限定されるものではないが、本発明は以下の態様の発明を包含する。
(1) 一次粒子が凝集して二次粒子を形成している軽質炭酸カルシウムを内填した紙であって、軽質炭酸カルシウムの一次粒子はアスペクト比が2.5以下の球状であり、軽質炭酸カルシウムの二次粒子のBET比表面積が15〜40m/g、軽質炭酸カルシウム
の二次粒子の平均粒子径が3.0〜15.0μmである、上記紙。
(2) 前記軽質炭酸カルシウムが、100個以上の一次粒子が凝集して二次粒子を形成しているものである、(1)に記載の紙。
(3) 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子の平均粒子径が3.5〜10.0μmである、(1)または(2)に記載の紙。
(4) 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子の平均粒子径が4.0〜8.0μmである、(1)〜(3)のいずれかに記載の紙。
(5) 前記軽質炭酸カルシウムのアスペクト比が1.0〜2.3である、(1)〜(4)のいずれかに記載の紙。
(6) 前記軽質炭酸カルシウムのアスペクト比が1.1〜2.1である、(1)〜(5)のいずれかに記載の紙。
(7) 前記軽質炭酸カルシウムのアスペクト比が1.2〜1.9である、(1)〜(6)のいずれかに記載の紙。
(8) 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子のBET比表面積が15.5〜30m/gである、(1)〜(7)のいずれかに記載の紙。
(9) 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子のBET比表面積が16〜20m/gである、(1)〜(8)のいずれかに記載の紙。
(10) 顔料塗工層を有しない非塗工紙である、(1)〜(9)のいずれかに記載の紙。
(11) 紙中灰分が3〜30重量%である、(1)〜(10)のいずれかに記載の紙。
本発明によれば、特定のBET比表面積と平均粒子径を有する軽質炭酸カルシウムを填料として用いることにより、印刷時の裏抜けが効果的に抑制されており、強度の低下が抑制された紙を製造することができる。
図1は、軽質炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真である(サンプル1)。 図2は、軽質炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真である(サンプル2)。 図3は、軽質炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真である(サンプル3)。 図4は、軽質炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真である(サンプル4)。
本発明は、多数の一次粒子が凝集して二次粒子を形成している軽質炭酸カルシウムを内填した紙に関する。
一次粒子が凝集して二次粒子を形成している軽質炭酸カルシウム
本発明においては、特定の平均粒子径とBET比表面積を有する軽質炭酸カルシウムを使用する。本発明者らは、多数の一次粒子が凝集して二次粒子を形成している軽質炭酸カルシウムを内添填料として使用すると、驚くべきことに、印刷時の裏抜けが効果的に抑制され、引張強度や引裂強度などの強度特性に優れた紙が得られることを見いだした。一般に軽質炭酸カルシウムは、カルサイト型、アラゴナイト型などの結晶系を有し、柱状、針状、紡錘状、立方体状など各種形状を有するが、本発明に係る軽質炭酸カルシウムは、球状の一次粒子が凝集して二次粒子を形成しており、その二次粒子の形状が特殊であるためBET比表面積が大きい。
一般に軽質炭酸カルシウムは、生産コストや操業性の点で有利であり、低添加量で高い不透明度を有する紙が得られる点でも優れている。それに加えて、本発明の軽質炭酸カルシウムは、その特殊な形状のため、基紙に高配合(内添)させると基紙の不透明度が大きく向上し、裏抜けを有効に防止する。
本発明において優れた効果が得られる理由は明らかではないが、本発明の軽質炭酸カルシウムは二次粒子の平均粒子径が比較的大きく、一方BET比表面積が大きいことが特徴である。一般的に、同じ粒子形状・平均粒子径の軽質炭酸カルシウムを比較した場合、BET比表面積が小さい程、一次粒子は大きい。本発明に係る軽質炭酸カルシウムでは、アスペクト比の小さい球状の一次粒子が集まって二次粒子を形成しているため、二次粒子が多孔質な構造となっている。そのため、炭酸カルシウムが印刷時にインキ成分を吸着し、紙中へのインキの過剰な浸透を抑制し、その結果、裏抜けが抑制されるものと考えられる。
本発明で使用される軽質炭酸カルシウムは、カルサイト系炭酸カルシウムまたはアラゴナイト系炭酸カルシウムなどの一次粒子が凝集して二次粒子を形成したものであり、他の形態の炭酸カルシウムと比較して高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。
本発明の軽質炭酸カルシウムのBET比表面積は、15〜40m/gである必要がある。15m/g未満では、印刷時のインキおよび水の吸収性が悪く、裏抜けの防止効果が十分でない場合がある。また、BET比表面積が40m/gを超えると、紙の繊維間結合の形成を阻害し、引張強さ、引裂強さが低下する。BET比表面積は、好ましくは15.5〜30m/gであり、より好ましくは16〜20m/gである。
本発明の軽質炭酸カルシウムは、レーザー回析法により測定された二次粒子の平均粒子径(D50)が3.0μm以上15.0μm以下である。D50が15.0μmを超えると填料歩留は向上するが、紙中での填料が局在化するため、引張強さ、引裂強さが低下すると共に裏抜けの防止効果が低下する傾向が見られる。また、D50が3.0μm未満だと、紙中での填料分布は均一になるが、填料が紙中の繊維間結合を阻害するため紙力が低下する傾向があり、また、填料歩留が悪化するため、裏抜けの防止効果が低下する傾向が見られる。さらに、D50が小さいと、歩留向上剤などの薬品を増添する必要があり、生産コストへの負荷が増大することがあり、また、白水中における灰分と薬品の量が増えるため、スケール堆積などの系内汚れの問題も発生する。そのため、填料としての歩留りが高く、かつ紙の強度特性やサイズ性に優れた紙を得るためには、D50は3.5μm以上が好ましく、4.0μm以上がより好ましい。また、D50の上限は、10.0μm以下であることが好ましく、8.0μm以下であることがより好ましい。
また、本発明の軽質炭酸カルシウムは、X線透過法により測定した粒度分布曲線の50体積%の粒子径(d50)が2.0〜5.0μmであると、紙の強度物性にさらに優れるので好ましく、2.2〜3.4μmが特に好ましい。
好ましい態様において本発明に係る炭酸カルシウムは、極めて多数の一次粒子が凝集してブロッコリーのような形状の二次粒子を形成している。本発明に係る炭酸カルシウムは、例えば、100個以上の一次粒子が凝集して二次粒子を形成しているが、一次粒子の個数は500個以上や1000個以上であってよい。一次粒子の個数の上限は特に制限されないが、例えば、100000個以下であり、10000個以下であってよい。
本発明に係る炭酸カルシウムは、一次粒子の形状が球状である。一次粒子のアスペクト比は2.5以下であり、好ましくは1.0〜2.3、より好ましくは1.1〜2.1、さらに好ましくは1.2〜1.9である。また、一次粒子の粒子径は、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.75μm、さらに好ましくは0.3〜0.5μmである。一次粒子の粒径やアスペクト比などは、電子顕微鏡を用いて形状を観察することによって算出することが可能である。
軽質炭酸カルシウムの製造法は、一般に、消石灰スラリーに炭酸ガスを吹き込んで反応させる「液−ガス」法(炭酸ガス法)および炭酸ナトリウムなどを用いる「液−液」法(可溶化塩法)などが知られており、本発明においてはいずれの製法で得られた軽質炭酸カルシウムも使用することができる。本発明は特に軽質炭酸カルシウムの製造方法を限定しないが、前記「液−ガス」法によって、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消和水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰スラリーを得る工程(B)、および、温度、撹拌条件を適宜調整して、該消石灰スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造した軽質炭酸カルシウムであれば、所望の粒子形状、粒子径、BET比表面積が得られやすく、最も良好である。
軽質炭酸カルシウムを内添した紙
特定の軽質炭酸カルシウムを填料として使用した本発明の紙は、紙の光学特性を損なうことなく、表面平滑性が良好で、引張強さなどの強度特性が優れており、印刷時の裏抜けを効果的に抑制できるため、特に制限なく種々の用途に使用することができる。紙の種類としては、各種塗工用原紙、新聞用紙、上質紙や中質紙、電子写真用転写紙、インクジェット用紙、感熱紙、感圧紙、クラフト用紙、圧着記録紙、包装用紙、紙容器用原紙、板紙、壁紙用原紙、繊維板用原紙、写真用原紙、含浸用原紙、難燃紙などが挙げられる。中でも一つの態様において、本発明の紙はオフセット印刷やグラビア印刷等の各種印刷方式に供される印刷用紙として好適である。
以下、本発明の軽質炭酸カルシウムを内添した紙の具体例として、非塗工紙および、塗工原紙および塗工紙、電子写真用転写紙としての利用について詳述する。なお、本発明の紙はこれらの用途に限定されるものではない。
(非塗工紙)
本発明の軽質炭酸カルシウムを填料として内添した、顔料塗工層を有しない非塗工紙の坪量については、特に限定は無いが、所望する効果が発揮されるのは、30〜650g/m程度の範囲である。一つの態様において本発明に係る非塗工紙の坪量は、35〜200g/m程度であり、40〜120g/m程度であってもよい。なお、本発明の軽質炭酸カルシウムはこの範囲を超えた多層抄きの板紙、カード等の厚紙にも添加できる。
抄紙原料のパルプとしては、例えば、一般に使用されているLBKPやNBKP等の漂白化学パルプ、LUKPやNUKP等の未晒パルプ、砕木パルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナ砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、脱墨パルプ(DIP)、古紙パルプ、損紙などが適宜混合使用される。また、ケナフ等の非木材繊維原料から得られるパルプ繊維、合成パルプ、無機繊維等の1種又は2種以上を原紙に配合することもできる。機械パルプや脱墨パルプ(DIP)、古紙パルプは、必要に応じて漂白して使用することもでき、漂白の程度も任意に行うことができる。
本発明の軽質炭酸カルシウムは、一般的に使用されている填料、例えば、重質炭酸カルシウム、本願以外の軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、カオリン、エンジニアードカオリン、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネートカオリン、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、製紙スラッジ、脱墨フロスからの再生無機粒子等の無機系填料や尿素ホルマリン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹脂、フェノール樹脂、プラスチック中空粒子等の有機系填料等と混合して使用することもできる。混合比率は紙の品質に応じて調整することが可能であり、特に限定しないが、本発明の軽質炭酸カルシウムを10重量部以上使用すると本発明の効果が大きくなる。填料としての歩留りがよく、サイズ性、表面平滑性が良好で、かつ紙の強度特性が大きく向上した紙を得るためには、本発明の軽質炭酸カルシウムを紙の内添填料100重量部中に50重量部以上含有することが好ましく、さらに好ましくは60重量部以上を含有することであり、70重量部以上を含有するのが特に好ましい。
紙中灰分としては、3重量%未満では紙の光学特性、主に白色度、不透明度が不足しやすいため、本発明の紙の灰分は、5重量%以上とすることが好ましく、10重量%以上とすることがより好ましい。一方、灰分が30重量%を超えるとワイヤーの磨耗や抄紙機系内の汚れなどの問題が生じやすい。そのため、一般に、3〜30重量%の範囲となるように填料を添加することが好ましく、5〜20重量%の範囲となるように添加することが特に好ましい。
また、紙料としてパルプや填料の他に、内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチオン性もしくは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤、染料、蛍光染料、嵩高剤等で例示される各種の抄紙用内添助剤を、必要に応じて使用することができる。内添サイズ剤の具体例としては、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤等が挙げられる。また、歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤の具体例としては、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、セルロースナノファイバー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。本発明の軽質炭酸カルシウムを内添した紙は、薬品の添加効率が高くサイズ発現性に優れる。
本発明の軽質炭酸カルシウムを含む填料をパルプ原料に添加する際には、パルプ原料を十分に攪拌しながら填料を添加することが好ましく、添加場所としてはマシンチェスト流入口、ファンポンプ吸込口が挙げられる。
抄造条件は特に限定はなく、抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、オントップ式抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が挙げられ、目的に応じて適宜選択して使用できる。
抄紙方式としては、酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ性抄紙等のいずれの方式も使用することができるが、炭酸カルシウムは酸性領域で溶解してしまうため、中性〜弱アルカリ性の範囲で抄紙することが望ましい。
表面強度向上や耐水性付与、インキ着肉性改良などを付与するために、紙に表面処理剤を塗布してもよい。表面処理剤の種類は特に限定はないが、生澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化したタピオカ澱粉を原料として製紙工場内で熱化学変性あるいは酵素変性によって生成される自家変性澱粉などの澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉を含むのが好ましい。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、セルロースナノファイバーなどのセルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステルなどを併用することも可能である。また、サイズ性を高める目的で、スチレン系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、アクリレート系サイズ剤、スチレン−アクリル系サイズ剤、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を併用することも可能である。また、本発明においては、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水材、消泡剤、耐水化剤、着色剤、導電剤等、通常のクリア塗工に配合される各種助剤を適宜使用される。
表面処理塗布液を塗布する装置としては、公知のサイズプレス装置、例えば、2ロールタイプ、3ロールタイプ、ゲートロールタイプ、フィルム転写タイプなどを使用することができる。フィルム転写タイプは、アプリケーターロール上に、湿潤状態にある塗布膜を形成し、塗布膜を基紙表面に転写する方式で、例えば、トランスファーロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーターなどが挙げられる。また、カーテンコーター、スプレーコーター、ブレードコーターなどのコーター(塗工機)を使用して塗布してもよい。
これら塗布装置で表面処理塗布液を基紙に片面あたり0.1〜5.0g/m塗布した後に、ドライヤーで乾燥し、仕上げることもできるが、印刷適性向上のため、マシンカレンダ、ソフトカレンダ、シューカレンダ等のカレンダ装置で処理するのが好ましい。また、表面処理液は両面に塗布してもよい。
(塗工原紙および塗工紙)
本発明の軽質炭酸カルシウムを内添した紙を塗工原紙とし、顔料と接着剤を主成分とする塗工層を少なくとも1層有する塗工紙とすることもできる。本発明の軽質炭酸カルシウムを内添することで、層間強度が向上するため、ブリスター適性に優れ、かつ、良好なサイズ性発現性が得られるため、表面平滑性に優れる塗工紙が得られる。
通常、上述の軽質炭酸カルシウムを内添した紙に表面処理剤を含む塗布液を塗布したものを塗工原紙としてもよい。この表面処理を施すことで、塗工原紙の表面強度を向上させる、あるいは塗工原紙表面の異物をクリーニングする効果があり、ストリークなどの発生を抑制させることができる。しかしながら、塗工原紙を抄紙し、顔料と接着剤を主成分とする塗工層を塗工、乾燥させるオンマシンコーターの場合、乾燥能力の制限や断紙の危険性を回避するため、表面処理が省略されることもある。
塗工原紙は、マシンカレンダ、ソフトカレンダなどによる平滑化仕上げ処理をすることもできる。
塗工層に使用される顔料としては特に限定するものではなく、通常の塗工紙分野で使用される顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、本発明またはそれ以外の軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、カオリン、エンジニアードカオリン、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネートカオリン、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、製紙スラッジ、脱墨フロスからの再生無機粒子等の無機系顔料や尿素ホルマリン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹脂、フェノール樹脂、プラスチック中空粒子等の有機系顔料等を必要に応じて1種あるいは2種以上を適宜選択して併用することができる。混合比率は紙の品質に応じて調整することが可能であり、特に限定しない。
前記の顔料塗工液には、接着剤として、通常の塗工紙分野で使用される接着剤および、上記非塗工紙で表面処理剤として使用された各種表面処理剤を接着剤として使用してもよい。また、これらの接着剤は1種もしくは2種以上併用することも可能である。
接着剤の配合量については、特に限定されるものではないが、顔料100重量部あたり1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部を配合する。
また、必要に応じて、有色染料や有色顔料、蛍光増白染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、老化防止剤、導電誘導剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の各種助剤を適宜配合することができる。
顔料塗工液の固形分濃度としては、25〜80質量%の範囲で選択できる。塗工量の調整や操業性を考慮すると、50〜70質量%の範囲が望ましい。
塗工原紙上に設ける塗工層は、1層または2層以上の多層にするかは特に限定しない。多層の場合、全てが同一である必要はなく、要求される品質レベルに応じて適宜調整すること可能である。また、塗工層の塗工量も、特に限定されるものではなく、塗工紙の白紙品質、印刷品質などに応じて調整することが可能であるが、一般的には、片面あたり0.5〜40.0g/m程度である。
本発明における塗工層を設ける際の塗工方式については、通常の塗工紙製造分野で使用されている各種の塗工装置、例えばエアーナイフコーター、各種のブレードコーター、ゲートロールコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等を適宜使用することができる。
上記顔料塗工液を原紙に塗工した後は、塗工層を乾燥させ、塗工紙を得る。この乾燥方法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法を任意に選択して使用することができる。
このようにして得られた塗工紙は、各種公知公用の仕上げ装置、例えばスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ、マットカレンダ等に通紙して製品仕上げを施してもよい。
(電子写真用転写紙)
本発明の特定の軽質炭酸カルシウムを内添した紙を用いて電子写真用転写紙を製造することができる。本発明の軽質炭酸カルシウムを内添することで、層間強度が向上するため、印刷時のカールや紙粉が発生しにくい電子写真用転写紙を得ることができる。また、本発明の軽質炭酸カルシウムは抄紙機のワイヤーを摩耗させにくいため、一般的な抄紙機を用いる抄紙に使用することができる。特に、電子写真用転写紙を抄造するために用いられる抄紙機は、両面脱水機構を有しているハイブリッドフォーマー、オントップフォーマーなどが望ましいが、これに限定されるものではない。
本発明で製造される電子写真用転写紙のパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、非塗工紙で例示した各種パルプなど、一般的に抄紙原料として使用されているものであればよい。中でも、環境面から脱墨パルプや古紙パルプの使用が多いほど望ましい。
本発明の軽質炭酸カルシウムは、それ単独で用いることもでき、また、他の製紙用填料と併用することもできる。他の製紙用填料と併用する場合は、非塗工紙で例示した公知の填料を単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて使用することができる。混合比率は紙の品質に応じて調整することが可能であり印刷時のカールや紙粉を低減し、抄造時のワイヤー摩耗を抑制するためには、本発明の特定の軽質炭酸カルシウムを紙の内添填料100重量部中に50重量部以上含有することが好ましく、さらに好ましくは60重量部以上を含有することであり、70重量部以上を含有するのが特に好ましい。
紙中灰分としては、3重量%未満では紙の光学特性、主に白色度、不透明度が不足しやすいため、5重量%以上とすることが好ましく、10重量%以上とすることがより好ましい。一方、灰分が30重量%を超えるとワイヤーの磨耗や抄紙機系内の汚れ、曲げこわさの低下に起因する電子写真方式印刷機での搬送性(重送、ジャムトラブル等)、紙粉発生量などの問題が生じやすい。そのため、一般に、3〜30重量%の範囲となるように添加することが好ましく、5〜20重量%の範囲となるように添加することが特に好ましい。
本発明の軽質炭酸カルシウムを内添した電子写真用転写紙を製造する場合、上記非塗工紙で例示したような各種抄紙用薬品や、助剤を1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。これらの助剤は、本発明の軽質炭酸カルシウムのスラリーに予め添加してから抄紙機に施用してもよく、また、本発明の軽質炭酸カルシウムのスラリーと別々に抄紙機に施用してもよい。電子写真用転写紙においても、前述と同様に、高い薬品添加効率が得られるため、サイズ発現性に優れる。
表面強度を高める目的で、本発明の特定の軽質炭酸カルシウムを内添した電子写真電車用転写紙の上に表面処理剤を塗工してもよい。表面処理剤としては、上記非塗工紙で例示した表面処理剤を使用してもよい。また、電気抵抗性をコントロールしてトナー定着性を向上させるために、導電剤として塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム、塩化カリウムなどの無機導電剤やジメチルアミノエチルメタアクリレートなどの有機導電剤を加えて、外添で塗布することが好ましい。導電剤を含む表面処理剤の塗布量は適宜調整されるものであるが、通常の塗布量は、両面で0.5〜4.0g/m程度である。また、導電剤の塗布量としては、両面で0.02〜0.5g/m程度である。
本発明の電子写真用転写紙の坪量は、例えば40〜80g/mとすることができ、通常の電子写真用転写紙の摩擦係数などを有するレベルに物性を調整すれば良い。
以下、実験例を挙げて本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に断らない限り、「%」はすべて「重量%」であり、数値範囲はその端点を含むものとする。
実験1:軽質炭酸カルシウムの製造と評価
軽質炭酸カルシウムを炭酸ガス法で合成した。具体的には、焼成された生石灰を、水と混合・反応させて消石灰溶液(ライム)を得た上で、熱交換器にてライムを適温まで降温した後、有機酸(助剤)を添加し、反応容器であるタンク中で攪拌しながら炭酸ガスを吹込み、サンプル1〜12の軽質炭酸カルシウムを得た。ライム濃度、有機酸(助剤)添加率、炭酸化開始温度、カーボネーション時間を下表に示す。
また、得られた炭酸カルシウムを以下の評価方法によって評価した。
(1)平均粒子径
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン製、マスターサイザー2000)を用いて、体積累積分布の50%点(D50)を平均粒子径とした。
(2)BET比表面積
JIS Z 8830−2001に準じて測定を行った。
(3)吸油量
測定用オイルに煮亜麻仁油を用いて、JIS K 6217−4に準じて測定を行った。
(4)一次粒子のアスペクト比
電子顕微鏡でサンプルを拡大観察し、無作為に選びだした10〜20個の一次粒子について、長辺と短辺の長さを測定し、この比の平均値を採用した。
(5)摩耗性(版摩耗)
アインレーナーAT−1000磨耗試験機を使用し、軽質炭酸カルシウムの柔らかさを測定することで、版摩耗特性を評価した。具体的には、摩耗試験機付属の長網黄銅ワイヤスクリーン標準品を、174000回転の間、10%の軽質炭酸カルシウム懸濁液にさらす。処理前後の長網ワイヤスクリーンの重量を測定し、その差から長網ワイヤスクリーンの摩耗重量(ミリグラム)を算出した。評価基準は、下記のとおりである。
◎(優):ワイヤー摩耗が1.2mg未満
○(良):ワイヤー摩耗が1.2mg以上2.0mg未満
△(中):ワイヤー摩耗が2.0mg以上4.0mg未満
×(悪):ワイヤー摩耗が4.0mg以上
(6)一次粒子の粒子径
電子顕微鏡でサンプルを拡大観察し、無作為に選びだした10〜20個の一次粒子について、長辺の長さを測定し、この平均値を採用した。
結果を表1および図1〜図4に示す。ライム濃度低、助剤添加率多め、炭酸化開始温度低とすることで、一次粒子径が小さく(比表面積大)、二次粒子径が大きな軽質炭酸カルシウムを合成することができた(サンプル1)。特に本発明に係るサンプル1、5〜9の炭酸カルシウムは、1000個以上の一次粒子が凝集して二次粒子を形成していた。
さらに、一次粒子のアスペクト比については、一次粒子の成長を阻害する条件(ライム濃度低め、有機酸添加率多め、炭酸化開始温度低め、カーボネーション時間短め)とすることで、一次粒子のアスペクト比が低い軽質炭酸カルシウムとすることができた。
Figure 2021029351
実験2:炭酸カルシウム内添紙の製造と評価
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:360ml)100%からなるパルプスラリーに、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、紙中灰分が10%となるように軽質炭酸カルシウム(実験1のサンプル1〜12)を添加し、紙料を調成した。
この紙料を原料とし、円型手抄き機を用い、JIS P 8222に準じて坪量が約60g/mの手抄紙を作成した。なお、プレス脱水後の湿紙の乾燥では、JIS P 8222に定められた金属プレートと密着させる方法ではなく、ラボスケールのシリンダードライヤーにて乾燥して紙を得た。
このように製造した紙の物性を、下記の手順により評価した。
(灰分) JIS P8251に準じて測定した(灰化温度:525℃)。
(坪量) JIS P 8124に準じて測定した。
(紙厚) JIS P 8118に準じて測定した。
(ISO白色度)JIS P 8148に準じて測定した。
(不透明度)JIS P 8149に準じて測定した。
(引張強度)JIS P 8113に準じて測定した。
(裏抜け)
非塗工紙のフェルト面に対して、RI印刷機を使用して新聞インキ(東洋インキ社製、ヴァンテアンエコー)藍と紅の2色を、マクベス反射濃度計により測定した印刷面の印面濃度が1.30となるよう重ねて印刷し、23℃、50RH%の環境下で24時間調湿した後に、印刷面を表面とした場合の裏面について、印刷前後のY値を測定し、(印刷後Y値/印刷前Y値)×100を裏抜け値とした。
なお、「裏抜け品質」「紙力」「版摩耗」については、それぞれ下記の基準に基づいて4段階で評価した(◎:優、○:良、△:中、×:劣)。
(裏抜け品質の評価)
◎:裏抜け値が76.8以上
○:裏抜け値が76.0以上76.8未満
△:裏抜け値が73.0以上76.0未満
×:裏抜け値が73.0未満
(紙力の評価)
◎:引張強度が2.63以上
○:引張強度が2.57以上2.63未満
△:引張強度が2.50以上2.57未満
×:引張強度が2.50未満
(版摩耗の評価)
◎:ワイヤー摩耗性が1.2mg未満
○:ワイヤー摩耗性が1.2mg以上2.0mg未満
△:ワイヤー摩耗性が2.0mg以上4.0mg未満
×:ワイヤー摩耗性が4.0mg以上
Figure 2021029351
結果を表2に示す。本発明の実施例であるサンプル1は、サンプル2〜3(比較例)と比較して、軽質炭酸カルシウムのBET比表面積が高く、印刷インキの吸油量が高いため裏抜け品質が向上した。
また、サンプル1(実施例)は、サンプル2およびサンプル4(比較例)と比較して、軽質炭酸カルシウムの粒径(二次粒子径)が大きいため、填料が紙中の繊維間結合を阻害しにくく、紙力(引張強度)が低下しにくかった。
さらに、サンプル1〜3を比較すると、使用した軽質炭酸カルシウムのBET比表面積が大きい、すなわち一次粒子径が小さくなると、抄造時のワイヤー摩耗や印刷時の版摩耗を抑制することができる。一般に、摩耗性には粒子の粒径や粒子形態が大きな影響を与えると考えられ、一次粒子径が大きく、形態が不定形で鋭いカドを有すると、摩耗性(版摩耗)が悪くなる傾向がある。

Claims (11)

  1. 一次粒子が凝集して二次粒子を形成している軽質炭酸カルシウムを内填した紙であって、
    軽質炭酸カルシウムの一次粒子はアスペクト比が2.5以下の球状であり、軽質炭酸カルシウムの二次粒子のBET比表面積が15〜40m/g、軽質炭酸カルシウムの二次粒子の平均粒子径が3.0〜15.0μmである、上記紙。
  2. 前記軽質炭酸カルシウムが、100個以上の一次粒子が凝集して二次粒子を形成しているものである、請求項1に記載の紙。
  3. 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子の平均粒子径が3.5〜10.0μmである、請求項1または2に記載の紙。
  4. 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子の平均粒子径が4.0〜8.0μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の紙。
  5. 前記軽質炭酸カルシウムのアスペクト比が1.0〜2.3である、請求項1〜4のいずれかに記載の紙。
  6. 前記軽質炭酸カルシウムのアスペクト比が1.1〜2.1である、請求項1〜5のいずれかに記載の紙。
  7. 前記軽質炭酸カルシウムのアスペクト比が1.2〜1.9である、請求項1〜6のいずれかに記載の紙。
  8. 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子のBET比表面積が15.5〜30m/gである、請求項1〜7のいずれかに記載の紙。
  9. 前記軽質炭酸カルシウムの二次粒子のBET比表面積が16〜20m/gである、請求項1〜8のいずれかに記載の紙。
  10. 顔料塗工層を有しない非塗工紙である、請求項1〜9のいずれかに記載の紙。
  11. 紙中灰分が3〜30重量%である、請求項1〜10のいずれかに記載の紙。
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