JPH07197398A - 凝集炭酸カルシウム及び製紙用顔料 - Google Patents

凝集炭酸カルシウム及び製紙用顔料

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JPH07197398A
JPH07197398A JP28679694A JP28679694A JPH07197398A JP H07197398 A JPH07197398 A JP H07197398A JP 28679694 A JP28679694 A JP 28679694A JP 28679694 A JP28679694 A JP 28679694A JP H07197398 A JPH07197398 A JP H07197398A
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calcium carbonate
average particle
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particle diameter
papermaking
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JP28679694A
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English (en)
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Tetsuo Kumasaka
徹夫 熊坂
Akira Suzuki
明 鈴木
Kazuo Yamashita
一夫 山下
Kazuhisa Shimono
和久 下野
Hideki Horiuchi
英樹 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okutama Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Okutama Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 長径0.6〜0.8μm、短径0.21〜
0.30μm及びアスペクト比3未満の炭酸カルシウム
粒子が凝集して形成された平均粒径3.0〜10μmの
凝集炭酸カルシウム、このものから成る製紙用塗工顔料
及び長径0.6〜0.8μm、短径0.21〜0.30
μm及びアスペクト比3未満の炭酸カルシウム粒子が凝
集して形成された平均粒径1.0〜10μmの凝集炭酸
カルシウムから成る製紙用内填顔料。 【効果】 この凝集炭酸カルシウムは、通常粒径0.0
8〜0.1μmの立方体状粒子を一次粒子とする炭酸カ
ルシウム凝集体よりさらに凝集性が強くて崩壊しにく
く、製品化工程におけるろ過、乾燥、分級、及び製紙工
程における分散、塗工、抄紙などの高せん断力の加わる
工程においても粒子の変化がみられない上に、表面の凹
凸性が立方体状粒子を一次粒子とする炭酸カルシウム凝
集体より優れた吸着性能をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙に塗工させた場合、
塗工面の白紙光沢が低く、かつインキの吸収性等の印刷
適性に優れ、また紙に内てんさせた場合、歩留りが向上
し、紙の白色度、不透明度等の光学特性に優れた、特定
の凝集炭酸カルシウム、及び該凝集炭酸カルシウムから
成る製紙用塗工顔料及び該凝集炭酸カルシウムを包含す
る凝集炭酸カルシウムから成る製紙用内填顔料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムは、製紙用顔料として用
いられているが、紙の表面上に塗工させた場合、平均粒
径0.2〜1.0μmのものが白紙光沢が高く、平均粒
径がそれ以上になると光沢が低くなることが知られてい
るが(特開昭53−43097号公報)、平均粒径が大
きいものはインキの吸収性が低く、インキセット性等の
印刷適性が劣るという欠点がある。また、重質炭酸カル
シウムは、石灰石を粉砕して製造され粒度にバラツキが
あるため紙面の平滑性を低下させるという欠点を有す
る。また、炭酸カルシウムを紙に内てんさせた場合、平
均粒径が小さいと歩留りが悪く、白色度、不透明度等の
光学物性に劣るし、また平均粒径が大きいと歩留りは向
上するが、粒子径が大きくなりすぎて光学物性が劣るの
を免れない。さらに、感熱記録紙、感圧記録紙、インク
ジェット記録用紙、PPC用紙、NIP用紙、LBP用
紙等のOA機器用紙において、カラー化が進み、インキ
や呈色剤の吸収性に優れたコート紙や内てん紙、あるい
は白紙光沢の低いマットコート紙等の高級紙が要望さ
れ、製紙用顔料として用いられる炭酸カルシウムにおい
ても、塗工面の白紙光沢が低く、インキの吸収性等の印
刷適性に優れ、あるいは白色度、不透明度等の光学特性
に優れたものが要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の製紙用顔料などに使用する炭酸カルシウムのもつ
欠点を改善し、低光沢性、インキの吸収性等の印刷適
性、白色度や不透明度等の光学特性に優れ、また内填し
た場合歩留まりが良好である凝集炭酸カルシウムを提供
するとともに、該凝集炭酸カルシウムから成る製紙用塗
工顔料及び該凝集炭酸カルシウムを包含する凝集炭酸カ
ルシウムから成る製紙用内填顔料を提供することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
良好な特性を有する凝集炭酸カルシウム、製紙用塗工顔
料及び製紙用内填顔料を開発するために種々研究を重ね
た結果、特定の長径、短径及びアスペクト比を有する炭
酸カルシウム粒子が凝集して形成された特定の平均粒径
の凝集炭酸カルシウムがその目的に適合することを見出
すとともに、該凝集炭酸カルシウムを製紙用塗工顔料と
して用いることにより、またこの凝集炭酸カルシウムの
平均粒径の下限をさらに低下させたものを製紙用内填顔
料として用いることにより、その目的を達成しうること
を見出し、これらの知見に基づいて本発明をなすに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、長径0.6〜0.8
μm、短径0.21〜0.30μm及びアスペクト比3
未満の炭酸カルシウム粒子が凝集して形成された平均粒
径3.0〜10μmの凝集炭酸カルシウム、該凝集炭酸
カルシウムから成る製紙用顔料、及び長径0.6〜0.
8μm、短径0.21〜0.30μm及びアスペクト比
3未満の炭酸カルシウム粒子が凝集して形成された平均
粒径1.0〜10μmの凝集炭酸カルシウムから成る製
紙用内填顔料を提供するものである。
【0006】本発明の凝集炭酸カルシウムは長径0.6
〜0.8μm、短径0.21〜0.30μm及びアスペ
クト比3未満の炭酸カルシウム粒子(以下一次粒子とい
う)が凝集して形成された平均粒径3.0〜10μmの
凝集炭酸カルシウム(以下二次粒子という)である。二
次粒子の平均粒径が10μmよりも大きくなると粒子の
凝集力などが弱くなり、安定性が低下するのを免れな
い。また、一次粒子がこれよりも小さすぎると本発明の
効果が十分に発揮されないし、また大きすぎても粒子の
凝集力などが弱くなり、安定性が低下するのを免れな
い。また、一次粒子のアスペクト比が高いと分散する際
に一次粒子がこわれてしまいスラリーの安定性に欠け
る。
【0007】本発明の製紙用塗工顔料はこの凝集炭酸カ
ルシウムから成るものである。次に、本発明の製紙用内
填顔料は、この凝集炭酸カルシウム及びこれと同様でた
だその平均粒径の下限を1.0μmまで低下させた平均
粒径1.0〜3.0μmの凝集炭酸カルシウム、すなわ
ち長径0.6〜0.8μm、短径0.21〜0.30μ
m及びアスペクト比3未満の炭酸カルシウム粒子が凝集
して形成された平均粒径1.0〜10μmの凝集炭酸カ
ルシウムから成るものである。
【0008】本発明の製紙用内填顔料を構成するこの凝
集炭酸カルシウムは、本発明の凝集炭酸カルシウムをも
包含するものであって、このものは次のようにして製造
することができる。すなわち、ガス分散撹拌型反応器
中、濃度40重量%及び25℃における粘度2000セ
ンチポイズ以上の水酸化カルシウム水性懸濁液を7〜1
5重量%に調整したものに、二酸化炭素含有ガスを吹き
込み、炭酸化率70〜95%まで炭酸化反応を行わせる
一次反応工程と、次いで得られた一次反応液をガス吹き
込み撹拌型反応器に移し、反応液のpHが少なくとも1
2に保持されるように二酸化炭素含有ガスを吹き込みな
がら、濃度40重量%及び25℃における粘度2000
センチポイズ以上の水酸化カルシウム水性懸濁液を一次
反応液中の全カルシウム量と該水酸化カルシウム水性懸
濁液中の全カルシウム量のモル比が10:1ないし1:
20の範囲内に達するまで連続的に添加し、さらに反応
液のpHが7付近に低下するまで二酸化炭素含有ガスを
吹き込んで炭酸化反応を完結させる方式(以下、連続方
式という)、あるいは一次反応液をガス吹き込み撹拌型
反応器に移し、濃度40重量%及び25℃における粘度
2000センチポイズ以上の水酸化カルシウム水性懸濁
液を一次反応液中の全カルシウム量と該水酸化カルシウ
ム水性懸濁液中の全カルシウム量のモル比が10:1な
いし1:20の範囲になる割合で加えたのち、反応液の
pHが7付近に低下するまで二酸化炭素含有ガスを吹き
込んで炭酸化反応を完結させる方式(以下、バッチ方式
という)による二次反応工程が行われる。ここで、粘度
の測定はB型(ブルックスフィールド型)粘度計を用い
て、ローター回転数60rpmの条件下で行われる。
【0009】前記一次反応工程に用いるガス分散撹拌型
反応器は、液の混合撹拌及びガスの均一分散によるガス
吸収効率を高めるような撹拌機を備えた反応器であり、
好ましくはターボミキサーのようなタービン型インペラ
を有し、1000rpm以上の高速回転で撹拌を行う反
応器である。前記一次反応工程において、水酸化カルシ
ウム水性懸濁液濃度が7重量%未満では生産性が低い
し、また15重量%を超えると二次粒子同士の凝集が強
く均一性に欠ける。また、反応開始温度は5〜50℃、
好ましくは5〜20℃の範囲にあることが望ましく、二
酸化炭素含有ガスの吹き込み量は、水酸化カルシウム1
モル当り、1.0〜6.0モル/hrであるのが望まし
く、反応器はガス分散撹拌型反応器が好ましく、単なる
ガス吹き込み撹拌型反応器では一次及び二次粒子の均一
性に欠ける傾向が生じる。さらに、炭酸化率が70%よ
りも低くなると凝集炭酸カルシウムの核生成が不完全な
ために凝集粒子以外に紡錘状粒子が生成する傾向が生じ
るのを免れない。
【0010】前記二次反応に用いるガス吹き込み撹拌型
反応器は、ガス吹き込み反応器よりさらに液循環を良好
にした反応器であり、好ましくはプロペラ型インペラを
有し、100rpm以下の低速回転で撹拌を行う反応器
である。前記二次反応工程において、二酸化炭素含有ガ
スの吹き込み量は水酸化カルシウム1モル当り0.1〜
3モル/hrであることが望ましい。さらに、炭酸化ミ
ルク中の全カルシウム量と水酸化カルシウム水性懸濁液
中の全カルシウム量とのモル比が10:1よりも高い割
合になると凝集炭酸カルシウムの粒子の平均粒径が1.
0μm以下となり、凝集が弱く、高濃度で分散した場合
粒子が崩壊し、分散スラリーが増粘してしまうし、また
1:20よりも低い割合になると反応終結物が2成分化
してしまい、紡錘状粒子と凝集炭酸カルシウムの混合物
が生成するのを免れない。また、反応液のpHが7付近
にまで低下しない前に二酸化炭素含有ガスの吹き込みを
停止すると炭酸化反応が完結しない。また、二酸化炭素
は純粋なものを用いる必要はなく、窒素等で希釈した二
酸化炭素含有ガスなども用いられる。また、原料の水酸
化カルシウム水性懸濁液の粘度の調整は機械的処理など
によって行ってもよい。
【0011】また、連続方式においては、反応液のpH
が少なくとも12、好ましくは12〜12.5の範囲に
保持されるように二酸化炭素含有ガスを吹き込みながら
水酸化カルシウム水性懸濁液を連続的に添加するが、こ
のpHが12未満では二次粒子が生成してしまうのを免
れない。反応開始温度は、通常10〜70℃、好ましく
は10〜40℃であり、また添加する水酸化カルシウム
水性懸濁液の温度は通常10〜70℃、好ましくは10
〜40℃である。また、バッチ方式においては、一次反
応液である炭酸化ミルクと水酸化カルシウム水性懸濁液
との混合物である混合ミルクの濃度は7〜15%、粘度
は2000センチポイズ以上であることが望ましく、反
応開始温度は通常10〜70℃、好ましくは10〜40
℃の範囲にあることが望ましい。混合ミルクの粘度が2
000センチポイズ未満になると、最終製品は凝集炭酸
カルシウムと紡錘状粒子の混合物になるのを免れない。
【0012】このようにして、長径0.6〜0.8μ
m、短径0.21〜0.30μm及びアスペクト比3未
満の炭酸カルシウム粒子が凝集して形成された平均粒径
1.0〜10μmの凝集炭酸カルシウムが得られる。
【0013】
【発明の効果】本発明の凝集炭酸カルシウムは、通常粒
径0.08〜0.1μmの立方体状粒子を一次粒子とす
る炭酸カルシウム凝集体よりさらに凝集性が強くて崩壊
しにくく、製品化工程におけるろ過、乾燥、分級、及び
製紙工程における分散、塗工、抄紙などの高せん断力の
加わる工程においても粒子の変化がみられない上に、表
面の凹凸性が立方体状粒子を一次粒子とする炭酸カルシ
ウム凝集体より優れた吸着性能をもたらす。
【0014】この凝集炭酸カルシウムから成る本発明の
製紙用塗工顔料は、白紙光沢を低下させ、かつインキ等
の吸収性に優れるため、インキセット等の印刷適性に優
れるという顕著な効果を奏する。また、本発明の製紙用
内填顔料は、歩留りが向上し、光の乱反射が起こり、白
色度や不透明度等の光学物性に優れるという顕著な効果
を奏する。
【0015】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。なお、各例中のLはリットルを意味す
る。
【0016】実施例1 水酸化カルシウムを水に懸濁して50重量%の石灰乳を
調整し、コーレスミキサー(高速インペラー分散機)で
処理したのち、40重量%に希釈して25℃における粘
度を測定したところ(B型粘度計60rpm)2500
cpであった。得られた石灰乳を濃度 100g/L、
15℃に調整し、ガス分散撹拌型反応器(以下反応器R
‐1という)に30L仕込み、二酸化炭素濃度30容量
%の二酸化炭素含有ガスを9.1Nm/hr(水酸化
カルシウム1モル当り、3.0モル/hr)で吹き込
み、炭酸化率85%まで反応させた。得られた一次反応
液を温度20℃に調整し、ガス吹き込み撹拌型反応器
(以下反応器R‐2という)に27L仕込み、二酸化炭
素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを3.0Nm
/hrで吹き込み反応させた。反応と同時に100g/
L、30℃に調整した上記石灰乳2.7Lを反応液のp
Hが12〜12.5に保持されるように連続的に添加し
た。この際のガス量は混合スラリーのカルシウム1モル
当り1.0モル/hrであり、一次反応液と上記石灰乳
の全カルシウム量のモル比は10:1であった。さらに
二酸化炭素含有ガスの吹き込みを続け、反応液のpHが
7付近になったところでガスの吹き込みを停止した。反
応生成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均粒子径
が1.2μmであり、その構成粒子は平均長径0.6μ
m、平均短径0.21μm、アスペクト比2.9である
凝集炭酸カルシウムが認められた。
【0017】実施例2 実施例1と同様に調整した一次反応液を前記反応器R‐
2に15L仕込み、二酸化炭素濃度30容量%の二酸化
炭素含有ガスを4.5Nm/hrで吹き込み反応させ
た。反応と同時に100g/L、26℃に調整した上記
石灰乳15Lを反応液のpHが12〜12.5に保持さ
れるように連続的に添加した。この際のガス量は混合ス
ラリーのカルシウム1モル当り1.5モル/hrであ
り、一次反応液と上記石灰乳の全カルシウム量のモル比
は1:1であった。さらに二酸化炭素含有ガスの吹き込
みを続け、反応液のpHが7付近になったところでガス
の吹き込みを停止した。反応生成物を走査型電子顕微鏡
で観察すると、平均粒子径が3.2μmであり、その構
成粒子は平均長径0.6μm、平均短径0.22μm、
アスペクト比2.7である凝集炭酸カルシウムが認めら
れた。
【0018】実施例3 実施例1と同様に調整した一次反応液を前記反応器R‐
2に5L仕込み、二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭
素含有ガスを6.0Nm/hrで吹き込み反応させ
た。反応と同時に100g/L、22℃に調整した上記
石灰乳25Lを反応液のpHが12〜12.5に保持さ
れるように連続的に添加した。この際のガス量は混合ス
ラリーのカルシウム1モル当り2.0モル/hrであ
り、一次反応液と上記石灰乳の全カルシウム量のモル比
は1:5であった。さらに二酸化炭素含有ガスの吹き込
みを続け、反応液のpHが7付近になったところでガス
の吹き込みを停止した。反応生成物を走査型電子顕微鏡
で観察すると、平均粒子径が5.0μmであり、その構
成粒子は平均長径0.7μm、平均短径0.25μm、
アスペクト比2.8である凝集炭酸カルシウムが認めら
れた。
【0019】実施例4 実施例1と同様に調整した一次反応液を前記反応器R‐
2に1.5L仕込み、二酸化炭素濃度30容量%の二酸
化炭素含有ガスを6.0Nm/hrで吹き込み反応さ
せた。反応と同時に100g/L、20℃に調整した上
記石灰乳28.5Lを反応液のpHが12〜12.5に
保持されるように連続的に添加した。この際のガス量は
混合スラリーのカルシウム1モル当り2.0モル/hr
であり、一次反応液と上記石灰乳の全カルシウム量のモ
ル比は1:19であった。さらに二酸化炭素含有ガスの
吹き込みを続け、反応液のpHが7付近になったところ
でガスの吹き込みを停止した。反応生成物を走査型電子
顕微鏡で観察すると、平均粒子径が9.3μmであり、
その構成粒子は平均長径0.8μm、平均短径0.30
μm、アスペクト比2.7である凝集炭酸カルシウムが
認められた。
【0020】実施例5 水酸化カルシウムを水に懸濁して50重量%の石灰乳を
調整し、コーレスミキサー(高速インペラー分散機)で
処理したのち、40重量%に希釈して25℃における粘
度を測定したところ(B型粘度計60rpm)2500
cpであった。得られた石灰乳を濃度 100g/L、
15℃に調整し、前記反応器R‐1に30L仕込み、二
酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを9.1
Nm/hr(水酸化カルシウム1モル当り、3.0モ
ル/hr)で吹き込み、炭酸化率85%まで反応させ
た。得られた一次反応液と上記石灰乳を、それぞれの全
カルシウム量のモル比が10:1になる割合で加えて混
合し、混合ミルク濃度100g/L、温度26℃に調整
し、前記反応器R‐2に30L仕込み、二酸化炭素濃度
30容量%の二酸化炭素含有ガスを3.0Nm/hr
(カルシウム1モル当り、1.0モル/hr)で反応液
のpHが7付近になるまで吹き込み反応させた。反応生
成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均粒子径が
1.2μmであり、その構成粒子は平均長径0.6μ
m、平均短径0.21μm、アスペクト比2.9である
凝集炭酸カルシウムが認められた。
【0021】実施例6 実施例5と同様に調整した一次反応液と石灰乳を、それ
ぞれの全カルシウム量のモル比が1:1になる割合で加
えて混合し、混合ミルク濃度100g/L、温度25℃
に調整し、前記反応器R‐2に30L仕込み、二酸化炭
素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを4.5Nm
/hr(カルシウム1モル当り、1.5モル/hr)で
反応液のpHが7付近になるまで吹き込み反応させた。
反応生成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均粒子
径が3.2μmであり、その構成粒子は平均長径0.6
μm、平均短径0.22μm、アスペクト比2.7であ
る凝集炭酸カルシウムが認められた。
【0022】実施例7 実施例5と同様に調整した一次反応液と石灰乳を、それ
ぞれの全カルシウム量のモル比が1:5になる割合で加
えて混合し、混合ミルク濃度100g/L、温度20℃
に調整し、前記反応器R‐2に30L仕込み、二酸化炭
素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを6.0Nm
/hr(カルシウム1モル当り、2.0モル/hr)で
反応液のpHが7付近になるまで吹き込み反応させた。
反応生成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均粒子
径が5.0μmであり、その構成粒子は平均長径0.7
μm、平均短径0.25μm、アスペクト比2.8であ
る凝集炭酸カルシウムが認められた。
【0023】実施例8 実施例5と同様に調整した一次反応液と石灰乳を、それ
ぞれの全カルシウム量のモル比が1:20になる割合で
加えて混合し、混合ミルク濃度100g/L、温度18
℃に調整し、前記反応器R‐2に30L仕込み、二酸化
炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを9.0Nm
/hr(カルシウム1モル当り、3.0モル/hr)
で反応液のpHが7付近になるまで吹き込み反応させ
た。反応生成物を走査型電子顕微鏡で観察すると、平均
粒子径が9.4μmであり、その構成粒子は平均長径
0.8μm、平均短径0.30μm、アスペクト比2.
7である凝集炭酸カルシウムが認められた。
【0024】比較例 水酸化カルシウムを水に懸濁して40重量%に調整し、
25℃における粘度を測定したところ(B型粘度計60
rpm)530cpであった。得られた石灰乳を実施例
1と同様に反応させた。反応生成物を走査型電子顕微鏡
で観察すると、凝集体と紡錘状粒子の混合物であった。
【0025】応用例1 実施例1〜8及び比較例で得た炭酸カルシウムをフィル
タープレスを用いて脱水し、乾燥、粉砕、分級を行っ
た。得られたパウダーに、ポリアクリル酸Na系分散剤
(東亜合成社製アロン)を、炭酸カルシウムに対し1.
0重量%添加し、固形分濃度60%のスラリーを得た。
このスラリーの粘度を表1に示す。次に、実施例2、
3、4、6、7及び8で得た各炭酸カルシウム100重
量部に、デンプン(日食#4600)とSBR(JSR
0692)を重量比1:4で混合して成るバインダー
10重量部と潤滑剤(ステアリン酸カルシウム)1.5
重量部とを添加し、水を加えて固形分濃度45重量%と
したスラリーを塗布液として用い、紙質試験を行った。
この結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】なお、表1及び表2中の各物性は次のよう
にして測定した。 (1) 平均長径、短径:SEM写真より長径及び短径
につきデジマチックノギスで計測し平均値を求めた。 (2) 粘度:B型粘度計を用いローター回転数60r
pm、スラリー温度25℃で測定。 (3) 白色度:JIS P 8123により測定。 (4) 白紙光沢:JIS P 8142により測定。 (5) 印刷光沢:インクとしてTKUG一口0.4m
lを用いJIS P 8142により測定。 (6) K&Nインク受理性:K&Nの二分値をハンタ
ー式白色度計により測定。 (7) Ink Set:印刷後のインクの転写をハン
ター式白色度計により測定。
【0029】応用例2 実施例1〜8で得た炭酸カルシウムをフィルタープレス
を用いて脱水し、乾燥、粉砕、分級を行った。次に、パ
ルプ(LBKP100%)にこの炭酸カルシウムを20
重量%の割合で配合し、さらに中性サイズ剤を炭酸カル
シウム当り0.2重量%の割合で添加したのち、叩解度
(ccc,f,s)300cc、メートル坪量40g/
で手抄きし、炭酸カルシウムを内てんした紙を得
た。この結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】なお、表3中の各物性は次のようにして測
定した。 (1) 歩留り:JIS P 8129に従って算出。 (2) 白色度:JIS P 8123により測定。 (3) 不透明度:JIS P 8136により測定。 (4) 引張強度:JIS P 8113により測定。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長径0.6〜0.8μm、短径0.21
    〜0.30μm及びアスペクト比3未満の炭酸カルシウ
    ム粒子が凝集して形成された平均粒径3.0〜10μm
    の凝集炭酸カルシウム。
  2. 【請求項2】 長径0.6〜0.8μm、短径0.21
    〜0.30μm及びアスペクト比3未満の炭酸カルシウ
    ム粒子が凝集して形成された平均粒径3.0〜10μm
    の凝集炭酸カルシウムから成る製紙用塗工顔料。
  3. 【請求項3】 長径0.6〜0.8μm、短径0.21
    〜0.30μm及びアスペクト比3未満の炭酸カルシウ
    ム粒子が凝集して形成された平均粒径1.0〜10μm
    の凝集炭酸カルシウムから成る製紙用内填顔料。
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