JPWO2020261391A1 - 信号処理装置、信号処理方法及びレーダ装置 - Google Patents

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Abstract

連続光をパルス変調することで生成された送信パルス光が計測対象によって散乱された光である散乱パルス光と、連続光とのヘテロダイン検波により得られた受信信号を複素信号に変換し、複素信号を出力する複素信号生成部(29)と、複素信号生成部(29)から出力された複素信号における実部の信号と複素信号における虚部の信号とから、複素信号の位相データを算出する位相データ算出部(30)と、位相データ算出部(30)により算出された位相データに基づいて、受信信号の周波数を算出する周波数算出部(31)と、周波数算出部(31)により算出された受信信号の周波数から、計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出し、ドップラシフト周波数から計測対象の移動速度を算出する移動速度算出部(32)とを備えるように、信号処理装置(20)を構成した。

Description

この発明は、計測対象の移動速度を算出する信号処理装置、信号処理方法及びレーダ装置に関するものである。
以下の特許文献1には、被検出物体との相対速度を算出する車載電波パルスレーダ装置が開示されている。
特許文献1に開示されている車載電波パルスレーダ装置では、信号処理装置が、受信ミキサによって生成されたビート信号をFFT(Fast Fourier Transform)することで、被検出物体の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出する。そして、この信号処理装置は、算出したドップラシフト周波数から、被検出物体との相対速度を算出する。
特開2006−17625号公報
特許文献1に開示されている車載電波パルスレーダ装置では、送信アンテナから放射される送信パルスのパルス幅を狭くすれば、被検出物体に対する空間分解能を高めて、被検出物体が存在するレンジビン内への大気エコーの混入を低減することができる。しかし、送信パルスのパルス幅を狭くすることで、信号対雑音比(SNR:Signal Noise Ratio)が低下する。SNRが低下している状況では、被検出物体における送信パルスの反射率と、大気における送信パルスの反射率との差異が小さい場合、被検出物体と大気との区別が困難になり、被検出物体との相対速度を誤算出しまうことがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、計測対象における光の反射率と、大気における光の反射率との差異が小さい場合でも、計測対象における移動速度の誤算出を防ぐことができる信号処理装置、信号処理方法及びレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係る信号処理装置は、連続光をパルス変調することで生成された送信パルス光が計測対象によって散乱された光である散乱パルス光と、連続光とのヘテロダイン検波により得られた受信信号を複素信号に変換し、複素信号を出力する複素信号生成部と、複素信号生成部から出力された複素信号における実部の信号と複素信号における虚部の信号とから、複素信号の位相データを算出する位相データ算出部と、位相データ算出部により算出された位相データに基づいて、受信信号の周波数を算出する周波数算出部と、周波数算出部により算出された受信信号の周波数から、計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出し、ドップラシフト周波数から計測対象の移動速度を算出する移動速度算出部とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、計測対象における光の反射率と、大気における光の反射率との差異が小さい場合でも、計測対象における移動速度の誤算出を防ぐことができる。
実施の形態1に係る信号処理装置20を含むレーダ装置を示す構成図である。 実施の形態1に係る信号処理装置20の一部のハードウェアを示すハードウェア構成図である。 信号処理装置20の一部がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。 図4Aは、図1に示すレーダ装置から放射された送信パルス光と、海面によって散乱された送信パルス光である散乱パルス光と、大気によって散乱された送信パルス光である散乱パルス光とを示す説明図、図4Bは、図1に示すレーダ装置における散乱パルス光の受信信号の一例を示す説明図、図4Cは、周波数領域信号出力部24から出力された周波数領域の信号の一例を示す説明図である。 信号処理装置20におけるレンジビン特定部23の処理手順を示すフローチャートである。 信号処理装置20における速度算出部28の処理手順を示すフローチャートである。 図7Aは、計測対象計測時のスペクトルピークデータAS_HT(L)及び大気計測時のスペクトルピークデータAS_wind(L)を示す説明図、図7Bは、差分ΔAS(L)及び閾値Thを示す説明図である。 図8Aは、信号分割部22により切り出されたデジタル信号V(t)を示す説明図、図8Bは、複素信号における実部の信号Vreal;n(t)と複素信号における虚部の信号Vimag;n(t)とを示す説明図、図8Cは、略線形波形の位相データSph_Ob;n(t)を示す説明図、図8Dは、周波数算出部31により生成された確率密度分布p(fIF)を示す説明図である。 実施の形態2に係る信号処理装置20を含むレーダ装置を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る信号処理装置20を含むレーダ装置を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る信号処理装置20の一部のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1に示すレーダ装置は、計測対象の移動速度を算出する装置であり、計測対象は、海面又は雨滴等の液体であってもよいし、航空機又は船舶等の個体であってもよい。
図1において、送信パルス光生成部1は、光源2、光分配器3及びパルス変調器4を備えている。
送信パルス光生成部1は、単一周波数の連続光を発振して、連続光から送信パルス光を生成し、送信パルス光を、後述する送受信部5の送信側光学系6に出力する。
光源2は、単一周波数の連続光を発振し、連続光を光分配器3に出力する。
光分配器3は、光源2から出力された連続光を2つに分配して、一方の連続光をパルス変調器4に出力し、他方の連続光を、送受信部5の後述する光カプラ11に出力する。
パルス変調器4は、後述するトリガ生成回路33から出力されたトリガ信号を受けると、光分配器3から出力された連続光に対するパルス変調を開始して、送信パルス光を繰り返し生成する。
また、パルス変調器4は、生成した送信パルス光の周波数を無線周波数(RF:Radio Frequency)帯の周波数にアップコンバートし、アップコンバート後の送信パルス光を送受信部5の送信側光学系6に出力する。
送受信部5は、送信側光学系6、送受分離部7、テレスコープ8、スキャナ9、受信側光学系10、光カプラ11及び受光部12を備えている。
送受信部5は、送信パルス光生成部1により生成された送信パルス光を放射したのち、計測対象によって散乱された送信パルス光である散乱パルス光を受信する。
送受信部5は、受信した散乱パルス光と、送信パルス光生成部1の光分配器3から出力された連続光とのヘテロダイン検波によって受信信号を得る。
送受信部5は、受信信号を、後述する信号処理装置20のアナログデジタル変換部(以下、「AD変換部」と称する)21に出力する。
送信側光学系6は、パルス変調器4から出力された送信パルス光の全体が、テレスコープ8の入出口8aに収まるように、パルス変調器4から出力された送信パルス光のビーム径を調整し、ビーム径調整後の送信パルス光を送受分離部7に出力する。
送受分離部7は、送信側光学系6から出力された送信パルス光を、テレスコープ8の入出口8aに出力し、テレスコープ8の入出口8aから出力された散乱パルス光を受信側光学系10に出力する。
テレスコープ8は、入出口8a,8bを備えている。
テレスコープ8は、送受分離部7から入出口8aに送信パルス光が出力されると、送信パルス光のビーム径を拡大し、入出口8bからビーム径拡大後の送信パルス光をスキャナ9に出力する。
テレスコープ8は、スキャナ9から入出口8bに散乱パルス光が出力されると、散乱パルス光のビーム径を縮小し、入出口8aからビーム径縮小後の散乱パルス光を送受分離部7に出力する。
スキャナ9は、後述する指向方向制御部34から出力された制御信号に従って送信パルス光の指向方向を変更する。送信パルス光の指向方向は、方位角及び仰角によって表される。
スキャナ9は、送信パルス光を大気中に放射する。スキャナ9から放射された送信パルス光は、計測対象によって散乱、又は、大気によって散乱される。計測対象によって散乱された送信パルス光、又は、大気によって散乱された送信パルス光は、散乱パルス光としてスキャナ9に戻ってくる。
スキャナ9は、戻ってきた散乱パルス光を受信し、受信した散乱パルス光をテレスコープ8の入出口8bに出力する。
受信側光学系10は、送受分離部7から出力された散乱パルス光の全体が、光カプラ11の入力口11aに収まるように、送受分離部7から出力された散乱パルス光のビーム径を調整し、ビーム径調整後の散乱パルス光を光カプラ11の入力口11aに出力する。
光カプラ11は、入出口11aを備えている。
光カプラ11は、受信側光学系10から出力された散乱パルス光と、光分配器3から出力された連続光とを合波し、散乱パルス光と連続光との合波光を受光部12に出力する。合波光の周波数は、散乱パルス光の周波数と連続光の周波数との差周波である。
受光部12は、光カプラ11から出力された合波光を電気信号に変換し、電気信号である受信信号をAD変換部21に出力する。
信号処理装置20は、AD変換部21、信号分割部22、レンジビン特定部23、パルス幅制御部27及び速度算出部28を備えている。
AD変換部21は、トリガ生成回路33から出力されたトリガ信号を受けると、受光部12から出力された受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する処理を開始し、デジタル信号を信号分割部22に出力する。
信号分割部22は、例えば、図2に示す信号分割回路41によって実現される。
信号分割部22は、レンジビン特定部23の後述するレンジビン情報出力部26bから、未だ、計測対象との距離を含むレンジビンを示すレンジビン情報が出力されていなければ、AD変換部21から出力されたデジタル信号を、レンジビン特定部23の後述する周波数領域信号出力部24に出力する。
信号分割部22は、レンジビン情報出力部26bからレンジビン情報が出力されると、AD変換部21からデジタル信号が出力される毎に、出力されたデジタル信号の中から、レンジビン情報が示すレンジビンのデジタル信号の切り出しを行う。
信号分割部22は、切り出したデジタル信号を、速度算出部28の後述する複素信号生成部29に出力する。
レンジビン特定部23は、周波数領域信号出力部24及びレンジビン特定処理部25を備えている。
周波数領域信号出力部24は、例えば、図2に示す周波数領域信号出力回路42によって実現される。
周波数領域信号出力部24は、信号分割部22から出力されたデジタル信号をFFT(Fast Fourier Transformation)することで、デジタル信号を周波数領域の信号に変換する。周波数領域の信号は、複数の周波数におけるそれぞれの光強度を示す信号である。
周波数領域信号出力部24は、周波数領域の信号を、レンジビン特定処理部25の後述する距離特性算出部26aに出力する。
レンジビン特定処理部25は、距離特性算出部26a及びレンジビン情報出力部26bを備えている。
レンジビン特定処理部25は、周波数領域信号出力部24から出力された周波数領域の信号に基づいて、計測対象との距離を含むレンジビンを特定する。
距離特性算出部26aは、例えば、図2に示す距離特性算出回路43によって実現される。
距離特性算出部26aは、周波数領域信号出力部24から周波数領域の信号を受けると、周波数領域の信号から、それぞれの周波数に対応するレンジビンのスペクトルピーク値を特定する。
距離特性算出部26aは、特定したそれぞれのレンジビンのスペクトルピーク値を、大気計測時のスペクトルピークデータ、又は、計測対象計測時のスペクトルピークデータとして、レンジビン情報出力部26bに出力する。
レンジビン情報出力部26bは、例えば、図2に示すレンジビン情報出力回路44によって実現される。
レンジビン情報出力部26bは、距離特性算出部26aから、大気計測時のスペクトルピークデータを受けると、大気計測時のスペクトルピークデータを保存し、大気計測が完了した旨を示す完了信号を指向方向制御部34に出力する。
レンジビン情報出力部26bは、距離特性算出部26aから、計測対象計測時のスペクトルピークデータを受けると、計測対象計測時のスペクトルピークデータと、保存していた大気計測時のスペクトルピークデータとから、計測対象との距離を含むレンジビンを特定する。
レンジビン情報出力部26bは、特定したレンジビンを示すレンジビン情報を信号分割部22及び移動速度算出部32のそれぞれに出力し、レンジビンの特定が完了した旨を示す完了信号をパルス幅制御部27に出力する。
パルス幅制御部27は、例えば、図2に示すパルス幅制御回路45によって実現される。
パルス幅制御部27は、レンジビン情報出力部26bによってレンジビンが特定されたのち、パルス幅を狭くする旨を示す制御信号をトリガ生成回路33に出力することで、送信パルス光生成部1のパルス変調器4により生成される送信パルス光のパルス幅を狭くさせる。
パルス幅制御部27は、パルス幅を狭くする旨を示す制御信号を信号分割部22にも出力する。
速度算出部28は、複素信号生成部29、位相データ算出部30、周波数算出部31及び移動速度算出部32を備えている。
複素信号生成部29は、例えば、図2に示す複素信号生成回路46によって実現される。
複素信号生成部29は、信号分割部22から、切り出されたデジタル信号が出力される毎に、出力されたデジタル信号を複素信号に変換する。
複素信号生成部29は、複素信号を位相データ算出部30に出力する。
位相データ算出部30は、例えば、図2に示す位相データ算出回路47によって実現される。
位相データ算出部30は、複素信号生成部29から複素信号が出力される毎に、出力された複素信号における実部の信号と、出力された複素信号における虚部の信号とから、出力された複素信号の位相データを算出する。
位相データ算出部30は、出力された複素信号の位相データを周波数算出部31に出力する。
周波数算出部31は、例えば、図2に示す周波数算出回路48によって実現される。
周波数算出部31は、位相データ算出部30により位相データが算出される毎に、算出された位相データに基づいて、送受信部5の受光部12から出力された受信信号の周波数を算出し、算出した周波数を保存する。
周波数算出部31は、N個の周波数を保存すると、N個の周波数の確率密度分布を生成し、確率密度分布を移動速度算出部32に出力する。Nは、2以上の整数である。
移動速度算出部32は、例えば、図2に示す移動速度算出回路49によって実現される。
移動速度算出部32は、周波数算出部31により生成された確率密度分布のピーク周波数から、計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出する。
移動速度算出部32は、ドップラシフト周波数から計測対象の移動速度を算出する。
移動速度算出部32は、算出した移動速度及びレンジビン情報出力部26bから出力されたレンジビン情報が示すレンジビンのそれぞれを外部に出力する。または、移動速度算出部32は、算出した移動速度及びレンジビン情報が示すレンジビンのそれぞれを図示せぬ表示器等に表示させる。
トリガ生成回路33は、動作の開始を指示するトリガ信号をパルス変調器4、AD変換部21及び指向方向制御部34のそれぞれに出力する。
また、トリガ生成回路33は、送信パルス光のパルス幅が初期値になるように、パルス変調器4を制御する制御信号をパルス変調器4に出力する。
パルス幅の初期値は、例えば、トリガ生成回路33の内部メモリに格納されていてもよいし、図1に示すレーダ装置の外部から与えられるものであってもよい。
トリガ生成回路33は、パルス幅制御部27から、パルス幅を狭くする旨を示す制御信号を受けると、パルス変調器4によるパルス変調を制御して、パルス変調器4により生成される送信パルス光のパルス幅を初期値よりも狭くさせる。
指向方向制御部34は、トリガ生成回路33からトリガ信号を受けると、送信パルス光の指向方向が、計測対象が存在していない方向となるようにスキャナ9を制御する制御信号をスキャナ9に出力する。
指向方向制御部34は、レンジビン情報出力部26bから、大気計測が完了した旨を示す完了信号を受けると、送信パルス光の指向方向が、計測対象が存在している方向となるようにスキャナ9を制御する制御信号をスキャナ9に出力する。
計測対象が存在している方向は、指向方向制御部34の内部メモリに格納されていてもよいし、図1に示すレーダ装置の外部から与えられるものであってもよい。
図1では、信号処理装置20の一部の構成要素である信号分割部22、周波数領域信号出力部24、距離特性算出部26a、レンジビン情報出力部26b、パルス幅制御部27、複素信号生成部29、位相データ算出部30、周波数算出部31及び移動速度算出部32のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、信号処理装置20の一部が、信号分割回路41、周波数領域信号出力回路42、距離特性算出回路43、レンジビン情報出力回路44、パルス幅制御回路45、複素信号生成回路46、位相データ算出回路47、周波数算出回路48及び移動速度算出回路49によって実現されるものを想定している。
ここで、信号分割回路41、周波数領域信号出力回路42、距離特性算出回路43、レンジビン情報出力回路44、パルス幅制御回路45、複素信号生成回路46、位相データ算出回路47、周波数算出回路48及び移動速度算出回路49のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
信号処理装置20の一部の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、信号処理装置20の一部がソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図3は、信号処理装置20の一部がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
信号処理装置20の一部がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、信号分割部22、周波数領域信号出力部24、距離特性算出部26a、レンジビン情報出力部26b、パルス幅制御部27、複素信号生成部29、位相データ算出部30、周波数算出部31及び移動速度算出部32の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
また、図2では、信号処理装置20の一部の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、信号処理装置20の一部がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、信号処理装置20の一部におけるいずれかの構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
図1に示すレーダ装置では、例えば、図4Aに示すように、海面を計測対象とすることができる。計測対象が海面であれば、図1に示すレーダ装置が、海面の移動速度Vを算出する。
図4Aは、図1に示すレーダ装置から放射された送信パルス光と、海面によって散乱された送信パルス光である散乱パルス光(以下、「海面からの散乱パルス光」と称する)と、大気によって散乱された送信パルス光である散乱パルス光(以下、「大気からの散乱パルス光」と称する)とを示す説明図である。
図4Aに示すように、海面からの散乱パルス光と、大気からの散乱パルス光とが同一のレンジビン内の散乱パルス光であれば、図1に示すレーダ装置における散乱パルス光の受信信号は、図4Bのように表される。
図4Bは、図1に示すレーダ装置における散乱パルス光の受信信号の一例を示す説明図である。
次に、図1に示すレーダ装置の動作について説明する。
図1に示すレーダ装置は、説明の簡単化のため、例えば、計測対象である海面の上空で停止しているものとする。図1に示すレーダ装置が、海面の上空を移動していてもよいことは言うまでもない。
図5は、信号処理装置20におけるレンジビン特定部23の処理手順を示すフローチャートである。
図6は、信号処理装置20における速度算出部28の処理手順を示すフローチャートである。
まず、トリガ生成回路33は、動作の開始を指示するトリガ信号をパルス変調器4、AD変換部21及び指向方向制御部34のそれぞれに出力する。
また、トリガ生成回路33は、送信パルス光のパルス幅が初期値になるように、パルス変調器4を制御する制御信号をパルス変調器4に出力する。
指向方向制御部34は、トリガ生成回路33からトリガ信号を受けると、送信パルス光の指向方向が、計測対象が存在していない方向となるようにスキャナ9を制御する制御信号をスキャナ9に出力する。
図4Aに示すように、図1に示すレーダ装置が、海面の上空で停止しており、計測対象が海面であれば、指向方向制御部34は、送信パルス光の指向方向が、海面と水平な方向となるように、スキャナ9を制御する。
ここでは、指向方向制御部34が、送信パルス光の指向方向が、海面と水平な方向となるように、スキャナ9を制御している。送信パルス光の指向方向が、海面に向いていなければよく、指向方向制御部34は、例えば、送信パルス光の指向方向が、図1に示すレーダ装置よりも高度が高い方向となるように、スキャナ9を制御してもよい。
光源2は、単一周波数の連続光を発振し、連続光を光分配器3に出力する。
光分配器3は、光源2から連続光を受けると、連続光を2つに分配して、一方の連続光をパルス変調器4に出力し、他方の連続光を送受信部5の光カプラ11に出力する。
パルス変調器4は、トリガ生成回路33からトリガ信号を受けると、光分配器3から出力された連続光に対するパルス変調を開始する。
パルス変調器4は、トリガ生成回路33から出力された制御信号に従って、初期値のパルス幅を有する送信パルス光を生成する。
また、パルス変調器4は、生成した送信パルス光の周波数をΔfだけアップコンバートすることで、生成した送信パルス光の周波数をRF帯の周波数に変換し、RF帯の周波数を有する送信パルス光を送受信部5の送信側光学系6に出力する。
図1に示すレーダ装置では、パルス変調器4が、送信パルス光の周波数をΔfだけアップコンバートしているが、送信パルス光の周波数をΔfだけアップコンバートせずに、送信パルス光を送信側光学系6に出力するようにしてもよい。
送信側光学系6は、パルス変調器4から送信パルス光を受けると、送信パルス光の全体が、テレスコープ8の入力口8aに収まるように、送信パルス光のビーム径を調整する。
送信側光学系6は、ビーム径調整後の送信パルス光を送受分離部7に出力する。
送受分離部7は、送信側光学系6からビーム径調整後の送信パルス光を受けると、ビーム径調整後の送信パルス光をテレスコープ8の入力口8aに出力する。
テレスコープ8は、送受分離部7から入力口8aに送信パルス光が出力されると、送信パルス光のビーム径を拡大し、入力口8bからビーム径拡大後の送信パルス光をスキャナ9に出力する。
スキャナ9は、指向方向制御部34から出力された制御信号に従って送信パルス光の指向方向を設定し、テレスコープ8の入力口8bから出力された送信パルス光を、計測対象が存在していない方向の大気中に放射する。
スキャナ9から放射された送信パルス光は、大気によって散乱される。大気によって散乱された送信パルス光は、散乱パルス光としてスキャナ9に戻ってくる。
スキャナ9は、戻ってきた散乱パルス光を受信し、受信した散乱パルス光をテレスコープ8の入力口8bに出力する。
テレスコープ8は、スキャナ9から入力口8bに散乱パルス光が出力されると、散乱パルス光のビーム径を縮小し、入力口8aからビーム径縮小後の散乱パルス光を送受分離部7に出力する。
送受分離部7は、テレスコープ8の入力口8aから出力された散乱パルス光を受信側光学系10に出力する。
受信側光学系10は、送受分離部7から散乱パルス光を受けると、散乱パルス光の全体が、光カプラ11の入力口11aに収まるように、送受分離部7から出力された散乱パルス光のビーム径を調整し、ビーム径調整後の散乱パルス光を光カプラ11の入力口11aに出力する。
光カプラ11は、受信側光学系10から出力された散乱パルス光と、光分配器3から出力された連続光とを合波する。
光カプラ11は、散乱パルス光と連続光との合波光を受光部12に出力する。合波光の周波数は、散乱パルス光の周波数と送信パルス光の周波数との差周波である。差周波は、パルス変調器4によるアップコンバート分の周波数Δfと、大気の移動に伴って生じるドップラシフト周波数との総和である。
受光部12は、光カプラ11から合波光を受けると、合波光を電気信号に変換し、電気信号である受信信号をAD変換部21に出力する。
AD変換部21は、トリガ生成回路33から出力されたトリガ信号を受けると、受光部12から出力された受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する処理を開始し、デジタル信号を信号分割部22に出力する。
信号分割部22は、レンジビン情報出力部26bから、未だ、計測対象との距離を含むレンジビンを示すレンジビン情報が出力されていなければ、AD変換部21から出力されたデジタル信号を周波数領域信号出力部24に出力する。
この段階では、未だ、レンジビン情報出力部26bからレンジビン情報が出力されていないため、信号分割部22は、デジタル信号を周波数領域信号出力部24に出力する。
周波数領域信号出力部24は、信号分割部22からデジタル信号を受けると、デジタル信号をFFTすることで、デジタル信号を周波数領域の信号に変換する(図5のステップST1)。周波数領域の信号は、複数の周波数におけるそれぞれの光強度を示す信号である。
周波数領域信号出力部24は、周波数領域の信号をレンジビン特定処理部25の距離特性算出部26aに出力する。
距離特性算出部26aは、周波数領域信号出力部24から周波数領域の信号を受けると、周波数領域の信号から、それぞれの周波数に対応するレンジビンのスペクトルピーク値を特定する(図5のステップST2)。
距離特性算出部26aは、図7Aに示すように、それぞれのレンジビンのスペクトルピーク値を、大気計測時のスペクトルピークデータAS_wind(L)として、レンジビン情報出力部26bに出力する。Lは、レンジビンである。
図7Aは、計測対象計測時のスペクトルピークデータAS_HT(L)及び大気計測時のスペクトルピークデータAS_wind(L)を示す説明図である。
レンジビン情報出力部26bは、距離特性算出部26aから大気計測時のスペクトルピークデータAS_wind(L)を受けると、大気計測時のスペクトルピークデータAS_wind(L)を保存する。
また、レンジビン情報出力部26bは、大気計測が完了した旨を示す完了信号を指向方向制御部34に出力する(図5のステップST3)。
指向方向制御部34は、レンジビン情報出力部26bから、大気計測が完了した旨を示す完了信号を受けると、送信パルス光の指向方向が、計測対象が存在している方向となるようにスキャナ9を制御する制御信号をスキャナ9に出力する。
スキャナ9は、指向方向制御部34から出力された制御信号に従って送信パルス光の指向方向を変更し、テレスコープ8から出力された送信パルス光を、計測対象が存在している方向の大気中に放射する。
スキャナ9から放射された送信パルス光は、計測対象によって散乱、又は、大気によって散乱される。計測対象によって散乱された送信パルス光、又は、大気によって散乱された送信パルス光は、散乱パルス光としてスキャナ9に戻ってくる。
スキャナ9は、戻ってきた散乱パルス光を受信し、受信した散乱パルス光をテレスコープ8の入出口8bに出力する。
テレスコープ8は、スキャナ9から入力口8bに散乱パルス光が出力されると、散乱パルス光のビーム径を縮小し、ビーム径縮小後の散乱パルス光を送受分離部7に出力する。
送受分離部7は、テレスコープ8の入力口8aから出力された散乱パルス光を受信側光学系10に出力する。
受信側光学系10は、送受分離部7から散乱パルス光を受けると、散乱パルス光の全体が、光カプラ11の入力口11aに収まるように、送受分離部7から出力された散乱パルス光のビーム径を調整し、ビーム径調整後の散乱パルス光を光カプラ11の入力口11aに出力する。
光カプラ11は、受信側光学系10から出力された散乱パルス光と、光分配器3から出力された連続光とを合波する。
光カプラ11は、散乱パルス光と連続光との合波光を受光部12に出力する。合波光の周波数は、散乱パルス光の周波数と送信パルス光の周波数との差周波である。差周波は、パルス変調器4によるアップコンバート分の周波数Δfと大気の移動に伴って生じるドップラシフト周波数との総和、又は、アップコンバート分の周波数Δfと計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数fDOPとの総和である。
受光部12は、光カプラ11から合波光を受けると、合波光を電気信号に変換し、電気信号である受信信号をAD変換部21に出力する。
AD変換部21は、受光部12から出力された受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を信号分割部22に出力する。
信号分割部22は、レンジビン情報出力部26bから、未だ、計測対象との距離を含むレンジビンを示すレンジビン情報が出力されていなければ、AD変換部21から出力されたデジタル信号を周波数領域信号出力部24に出力する。
この段階では、未だ、レンジビン情報出力部26bからレンジビン情報が出力されていないため、信号分割部22は、デジタル信号を周波数領域信号出力部24に出力する。
周波数領域信号出力部24は、信号分割部22からデジタル信号を受けると、デジタル信号をFFTすることで、デジタル信号を周波数領域の信号に変換する(図5のステップST4)。
周波数領域の信号は、図4Cに示すように、計測対象である海面からの散乱による成分と、大気からの散乱による成分とを含んでいる。
図4Cは、周波数領域信号出力部24から出力された周波数領域の信号の一例を示す説明図である。
周波数領域信号出力部24は、周波数領域の信号を距離特性算出部26aに出力する。
距離特性算出部26aは、周波数領域信号出力部24から周波数領域の信号を受けると、周波数領域の信号から、それぞれの周波数に対応するレンジビンのスペクトルピーク値を特定する(図5のステップST5)。
距離特性算出部26aは、図7Aに示すように、それぞれのレンジビンのスペクトルピーク値を、計測対象計測時のスペクトルピークデータAS_HT(L)として、レンジビン情報出力部26bに出力する。
レンジビン情報出力部26bは、以下の式(1)に示すように、距離特性算出部26aから出力された計測対象計測時のスペクトルピークデータAS_HT(L)と、保存している大気計測時のスペクトルピークデータAS_wind(L)との差分ΔAS(L)(図7B参照)を算出する。
ΔAS(L)=AS_HT(L)−AS_wind(L) (1)

大気計測時の送信パルス光の指向方向と、計測対象計測時の送信パルス光の指向方向とが異なっていても、散乱パルス光に含まれる大気からの散乱による成分は、概ね同じである。
図7Bは、差分ΔAS(L)及び閾値Thを示す説明図である。
閾値Thは、レンジビン情報出力部26bの内部メモリに格納されていてもよいし、図1に示すレーダ装置の外部から与えられるものであってもよい。
レンジビン情報出力部26bは、差分ΔAS(L)と閾値Thとを比較して、差分ΔAS(L)が閾値Thよりも大きいレンジビンがあるか否かを判定する。
レンジビン情報出力部26bは、差分ΔAS(L)が閾値Thよりも大きいレンジビンが1つ以上あれば、閾値Thよりも大きい1つ以上の差分ΔAS(L)の中で、最も大きい差分ΔAS(L)に対応するレンジビンLmaxを特定する(図5のステップST6)。レンジビンLmaxは、計測対象までの距離を含むレンジビンである。
レンジビン情報出力部26bは、特定したレンジビンLmaxを示すレンジビン情報を信号分割部22及び移動速度算出部32のそれぞれに出力し、レンジビンの特定が完了した旨を示す完了信号をパルス幅制御部27に出力する。
パルス幅制御部27は、レンジビン情報出力部26bから、レンジビンの特定が完了した旨を示す完了信号を受けると、パルス幅を狭くする旨を示す制御信号をトリガ生成回路33及び信号分割部22のそれぞれに出力する。
トリガ生成回路33は、パルス幅制御部27から、パルス幅を狭くする旨を示す制御信号を受けると、パルス変調器4によるパルス変調を制御して、パルス変調器4により生成される送信パルス光のパルス幅を初期値よりも狭くさせる。
以降、送受信部5は、パルス幅が初期値よりも狭くなっている送信パルス光を大気中に放射して、パルス幅が初期値よりも狭くなっている散乱光を受信する。送受信部5は、パルス幅が初期値よりも狭くなっている散乱パルス光と連続光との合波光を電気信号に変換し、電気信号である受信信号をAD変換部21に出力する。
AD変換部21は、受光部12から出力された受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を信号分割部22に出力する。
信号分割部22は、レンジビン情報出力部26bから、レンジビン情報を受けると、AD変換部21からデジタル信号が出力される毎に、出力されたデジタル信号の中から、レンジビン情報が示すレンジビンLmaxのデジタル信号V(t)の切り出しを行う。nは、送信パルス光のショット番号であり、n=1,2,・・・,Nである。デジタル信号V(t)は、1ショットの送信パルス光に係る受信信号と対応する。
図8Aは、信号分割部22により切り出されたデジタル信号V(t)を示す説明図である。
信号分割部22は、切り出したデジタル信号V(t)を複素信号生成部29に出力する。
以下、信号分割部22によるデジタル信号V(t)の切り出し処理を具体的に説明する。ここでは、説明の簡単化のため、送信パルス光のショット番号が、n=1の例を説明する。
信号分割部22は、以下の式(2)に示すように、レンジビン情報が示すレンジビンLmaxに基づいて、送受信部5のスキャナ9から送信パルス光が放射されてから、スキャナ9が、計測対象からの散乱パルス光を受信するまでに要する時間tmaxを算出する。
max=2×Lmax/c (2)
式(2)において、cは、光速である。
次に、信号分割部22は、以下の式(3)に示すように、パルス幅制御部27からパルス幅を狭くする旨を示す制御信号が出力された時刻tから、AD変換部21からレンジビンLmaxのデジタル信号が出力される時刻tを算出する。レンジビンLmaxは、Δtの時間幅を有しているため、時刻tは、レンジビンLmaxの中心が出力される時刻である。
=t+tmax (3)
ここでは、説明の簡単化のために、パルス変調器4が送信パルス光を生成するのに要する時間、パルス変調器4から送信パルス光が出力されてから、送受信部5が送信パルス光を放射するまでの時間、送受信部5が散乱パルス光を受信してから、受信信号をAD変換部21に出力までの時間、及び、送受信部5から受信信号が出力されてから、AD変換部21がデジタル信号を信号分割部22に出力するまでの時間のそれぞれを無視している。
これらの時間は、極めて短い時間であるため無視しているが、信号分割部22が、これらの時間に基づいて、時刻tを算出するようにしてもよい。これらの時間に基づいて、時刻tを算出する場合、これらの時間を時刻tに加えればよい。
次に、信号分割部22は、以下の式(4)に示すように、デジタル信号の中から、切り出すデジタル信号V(t)の先頭時刻tを算出する。
=t−Δt/2 (4)
式(4)において、Δtは、それぞれのレンジビンの時間幅であり、例えば、信号分割部22の内部メモリに格納されている。
次に、信号分割部22は、以下の式(5)に示すように、デジタル信号の中から、切り出すデジタル信号V(t)の後尾時刻tを算出する。
=t+Δt/2 (5)
信号分割部22は、デジタル信号の中から、先頭時刻t〜後尾時刻tのデジタル信号を切り出し、切り出したデジタル信号V(t)を複素信号生成部29に出力する。
ここでは、送信パルス光のショット番号が、n=1の例を説明している。送信パルス光のショット番号が、n=2,・・・,Nである場合、送信パルス光のパルス間隔の時間と、それぞれのレンジビンの時間幅Δtとをnの値に応じて、時刻tに加えれば、デジタル信号の中から、デジタル信号V(t)と同様に、デジタル信号V(t)を切り出すことができる。
複素信号生成部29は、信号分割部22から、デジタル信号V(t)が出力される毎に、以下の式(6)及び式(7)に示すように、出力されたデジタル信号V(t)に対するヒルベルト変換を行うことで、デジタル信号V(t)を複素信号に変換する(図6のステップST11)。
real;n(t)=Real[Hilbert(V(t))] (6)
imag;n(t)=Imag[Hilbert(V(t))] (7)
式(6)及び式(7)において、Vreal;n(t)は、複素信号における実部の信号、Vimag;n(t)は、複素信号における虚部の信号Vimag;n(t)、Hilbert(・)は、ヒルベルト変換を行う関数である。
図8Bは、複素信号における実部の信号Vreal;n(t)と複素信号における虚部の信号Vimag;n(t)とを示す説明図である。
複素信号生成部29は、複素信号を位相データ算出部30に出力する。
複素信号生成部29における複素信号への変換精度は、送信パルス光のパルス幅と無関係であるため、送信パルス光のパルス幅が狭くなっても、複素信号への変換精度は、劣化しない。
なお、送信パルス光のパルス幅が狭くなることで、計測対象に対する空間分解能が高まるため、計測対象からの散乱パルス光を含むレンジビン内への、大気からの散乱パルス光の混入が低減される。
位相データ算出部30は、複素信号生成部29から複素信号が出力される毎に、出力された複素信号における実部の信号Vreal;n(t)と、出力された複素信号における虚部の信号Vimag;n(t)とから、複素信号の位相データangle(Vimag;n(t)/Vreal;n(t))を算出する(図6のステップST12)。
実部の信号Vreal;n(t)と虚部の信号Vimag;n(t)とから、位相データを算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
次に、位相データ算出部30は、以下の式(8)に示すように、複素信号の位相データangle(Vimag;n(t)/Vreal;n(t))に対するアンラップ処理を実施することで、位相データangle(Vimag;n(t)/Vreal;n(t))を略線形波形の位相データSph_Ob;n(t)に変換する。
ph_Ob;n(t)
=unwrap[angle(Vimag;n(t)/Vreal;n(t))] (8)
式(8)において、unwrap[・]は、アンラップ処理を行う関数である。
図8Cは、略線形波形の位相データSph_Ob;n(t)を示す説明図である。
位相データSph_Ob;n(t)の波形は、図8Cに示すように、理想の線形波形から若干ずれているが、概ね、線形の波形である。位相データSph_Ob;n(t)の波形は、実用上問題のない範囲で、線形波形からずれていてもよく、厳密に線形波形である必要はない。
位相データ算出部30は、略線形波形の位相データSph_Ob;n(t)を周波数算出部31に出力する。
位相データ算出部30から出力される位相データSph_Ob;n(t)の精度は、送信パルス光のパルス幅と無関係であるため、送信パルス光のパルス幅が狭くなっても、位相データ算出部30から出力される位相データSph_Ob;n(t)の精度は、劣化しない。
周波数算出部31は、位相データ算出部30から位相データSph_Ob;n(t)が出力される毎に、出力された位相データSph_Ob;n(t)を線形関数f(t)とフィッティングする。
線形関数f(t)は、一次関数であり、α・t+βのように表される。αは、一次関数の傾きを示す係数であり、βは、一次関数の切片を示す係数である。
周波数算出部31は、フィッティングした線形関数f(t)の傾きを示す係数αから、以下の式(9)に示すように、受光部12から出力された受信信号の周波数fIF;nを算出する(図6のステップST13)。
IF;n=fAD×α/2π (9)
式(9)において、fADは、AD変換部21のサンプリングレートであり、πは、円周率である。
周波数算出部31は、算出した受信信号の周波数fIF;nを周波数算出部31に出力する。
以下、周波数算出部31による周波数fIF;nの算出処理の一例を具体的に説明する。
例えば、周波数算出部31の内部メモリには、複数の線形関数f(t)〜f(t)が格納されている。あるいは、図1に示すレーダ装置の外部から、複数の線形関数f(t)〜f(t)が周波数算出部31に与えられる。Mは、2以上の整数である。
周波数算出部31は、t=t〜tにおける位相データSph_Ob;n(t)と、t=t〜tにおける複数の線形関数f(t)〜f(t)とを比較する。線形関数f(t)(m=1,・・・,M)は、一次関数であり、α・t+βのように表される。αは、一次関数の傾きを示す係数であり、βは、一次関数の切片を示す係数である。
周波数算出部31は、複数の線形関数f(t)〜f(t)の中から、位相データSph_Ob;n(t)と最も近似している線形関数f(t)を探索する。位相データSph_Ob;n(t)と最も近似している線形関数f(t)を探索する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
周波数算出部31は、探索した線形関数f(t)の傾きを示す係数αを、αとして、式(9)に代入することで、受信信号の周波数fIF;nを算出する。
周波数算出部31は、位相データ算出部30から位相データSph_Ob;n(t)が出力される毎に、出力された受信信号の周波数fIF;nを算出し、算出した周波数fIF;nを保存する。
周波数算出部31は、N個の周波数fIF;1〜fIF;Nを保存すると、以下の式(10)に示すように、N個の周波数fIF;1〜fIF;Nの確率密度分布p(fIF)を生成し、確率密度分布p(fIF)を移動速度算出部32に出力する(図6のステップST14)。
p(fIF)=histogram(fIF;n,n=1〜N) (10)

式(10)において、histogram(・)は、確率密度分布を生成する関数である。
図8Dは、周波数算出部31により生成された確率密度分布p(fIF)を示す説明図である。
周波数算出部31における確率密度分布p(fIF)の生成精度は、送信パルス光のパルス幅と無関係であるため、送信パルス光のパルス幅が狭くなっても、確率密度分布p(fIF)の生成精度は、劣化しない。
移動速度算出部32は、周波数算出部31から確率密度分布p(fIF)を受けると、確率密度分布p(fIF)のピーク周波数fpeakを特定する。
確率密度分布p(fIF)のピーク周波数fpeakを特定する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、例えば、確率密度分布p(fIF)に対する重心演算を実施することで、ピーク周波数fpeakを特定することができる。
次に、移動速度算出部32は、以下の式(11)に示すように、ピーク周波数fpeakから、計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数fDOPを算出する(図6のステップST15)。
DOP=fpeak−fIF;STOP (11)
式(11)において、fIF;STOPは、計測対象が停止しているときの受信信号の周波数であり、例えば、移動速度算出部32の内部メモリに格納されている。
次に、移動速度算出部32は、以下の式(12)に示すように、ドップラシフト周波数fDOPから計測対象の移動速度Vを算出する(図6のステップST16)。
V=λ・fDOP/2 (12)
式(12)において、λは、光源2により発振された連続光の波長である。
移動速度算出部32は、算出した計測対象の移動速度V及びレンジビン情報出力部26bから出力されたレンジビン情報が示すレンジビンのそれぞれを外部に出力する。あるいは、移動速度算出部32は、算出した計測対象の移動速度V及びレンジビン情報が示すレンジビンのそれぞれを図示せぬ表示器等に表示させる。
移動速度算出部32における移動速度Vの算出精度は、送信パルス光のパルス幅と無関係であるため、送信パルス光のパルス幅が狭くなっても、移動速度Vの算出精度は、劣化しない。
また、送信パルス光のパルス幅が狭くなることで、計測対象に対する空間分解能が高まり、計測対象からの散乱パルス光を含むレンジビン内への、大気からの散乱パルス光の混入が低減される分だけ、移動速度Vの算出精度は、向上する。
以上の実施の形態1では、連続光をパルス変調することで生成された送信パルス光が計測対象によって散乱された光である散乱パルス光と、連続光とのヘテロダイン検波により得られた受信信号を複素信号に変換し、複素信号を出力する複素信号生成部29と、複素信号生成部29から出力された複素信号における実部の信号と複素信号における虚部の信号とから、複素信号の位相データを算出する位相データ算出部30と、位相データ算出部30により算出された位相データに基づいて、受信信号の周波数を算出する周波数算出部31と、周波数算出部31により算出された受信信号の周波数から、計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出し、ドップラシフト周波数から計測対象の移動速度を算出する移動速度算出部32とを備えるように、信号処理装置20を構成した。したがって、信号処理装置20は、計測対象における光の反射率と、大気における光の反射率との差異が小さい場合でも、計測対象における移動速度の誤算出を防ぐことができる。
また、実施の形態1では、送受信部5により得られた受信信号を周波数領域の信号に変換し、周波数領域の信号を出力する周波数領域信号出力部24と、周波数領域信号出力部24から出力された周波数領域の信号に基づいて、計測対象との距離を含むレンジビンを特定するレンジビン特定処理部25と、送受信部5により得られた受信信号の中から、レンジビン特定処理部25により特定されたレンジビンの受信信号を切り出し、切り出した受信信号を複素信号生成部29に出力する信号分割部22とを備えるように、信号処理装置20を構成した。したがって、信号処理装置20は、送受信部5から出力された受信信号の全てを複素信号生成部29に出力する場合よりも、計測対象の移動速度を算出するまでに要する時間を短縮することができる。
なお、計測対象の移動速度を算出するまでに要する時間を短縮する必要がない等の場合には、送受信部5から出力された受信信号の全てを複素信号生成部29に出力するようにしてもよい。
図1に示すレーダ装置では、周波数算出部31が、位相データ算出部30から位相データSph_Ob;n(t)が出力される毎に、出力された位相データSph_Ob;n(t)を線形関数f(t)とフィッティングし、フィッティングした線形関数f(t)の傾きを示す係数αから受信信号の周波数fIF;nを算出している。
しかし、これは一例に過ぎず、周波数算出部31は、位相データSph_Ob;n(t)における互いに異なる時刻の位相データの間の変化量から係数αを求め、係数αから受信信号の周波数fIF;nを算出するようにしてもよい。
周波数算出部31は、例えば、位相データSph_Ob;n(t11)と位相データSph_Ob;n(t12)との間の変化量を求め、当該変化量を時間(t12−t11)で除算することで、係数αを求めるようにしてもよい。また、周波数算出部31は、例えば、位相データSph_Ob;n(t11)と位相データSph_Ob;n(t14)との間の変化量を求め、当該変化量を時間(t14−t11)で除算することで、係数αを求めるようにしてもよい。
図1に示すレーダ装置では、送受分離部7が送信パルス光をテレスコープ8の入出口8aに出力している。しかし、これは一例に過ぎず、送受分離部7から出力された送信パルス光を増幅する光増幅器を設け、光増幅器が、増幅後の送信パルス光をテレスコープ8の入出口8aに出力するようにしてもよい。
実施の形態2.
図1に示すレーダ装置では、送受信部5が、1つのテレスコープ8と、1つのスキャナ9とを備え、指向方向制御部34が、スキャナ9を制御している。
実施の形態2では、送受信部5が、1つの光スイッチ61と、2つのテレスコープ8−1,8−2とを備えるレーダ装置について説明する。
図9は、実施の形態2に係る信号処理装置20を含むレーダ装置を示す構成図である。
図9において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
光スイッチ61は、トリガ生成回路33からトリガ信号を受けたのち、レンジビン情報出力部26bから、大気計測が完了した旨を示す完了信号を受けるまでの間、送受分離部7から出力された送信パルス光をテレスコープ8−1の入出口8−1aに出力し、テレスコープ8−1の入出口8−1aから出力された散乱パルス光を受信側光学系10に出力する。
光スイッチ61は、レンジビン情報出力部26bから、大気計測が完了した旨を示す完了信号を受けると、送受分離部7から出力された送信パルス光をテレスコープ8−2の入出口8−2aに出力し、テレスコープ8−2の入出口8−2aから出力された散乱パルス光を受信側光学系10に出力する。
テレスコープ8−1は、入出口8−1a,8−1bを備えている。
テレスコープ8−1は、送信パルス光の指向方向が、計測対象が存在していない方向に向くように設置されている。
テレスコープ8−1は、光スイッチ61から入出口8−1aに送信パルス光が出力されると、送信パルス光のビーム径を拡大し、ビーム径拡大後の送信パルス光を、入出口8−1bから計測対象が存在していない方向の大気中に放射する。
テレスコープ8−1の入出口8−1bから放射された送信パルス光は、大気によって散乱される。大気によって散乱された送信パルス光は、散乱パルス光としてテレスコープ8−1の入出口8−1bに戻ってくる。
テレスコープ8−1は、戻ってきた散乱パルス光を受信して、散乱パルス光のビーム径を縮小し、入出口8−1aからビーム径縮小後の散乱パルス光を光スイッチ61に出力する。
テレスコープ8−2は、入出口8−2a,8−2bを備えている。
テレスコープ8−2は、送信パルス光の指向方向が、計測対象が存在している方向に向くように設置されている。
テレスコープ8−2は、光スイッチ61から入出口8−2aに送信パルス光が出力されると、送信パルス光のビーム径を拡大し、ビーム径拡大後の送信パルス光を、入出口8−2bから計測対象が存在している方向の大気中に放射する。
テレスコープ8−2の入出口8−2bから放射された送信パルス光は、計測対象によって散乱、又は、大気によって散乱される。計測対象によって散乱された送信パルス光、又は、大気によって散乱された送信パルス光は、散乱パルス光としてテレスコープ8−2の入出口8−2bに戻ってくる。
テレスコープ8−2は、戻ってきた散乱パルス光を受信して、散乱パルス光のビーム径を縮小し、入出口8−2aからビーム径縮小後の散乱パルス光を光スイッチ61に出力する。
図9に示すレーダ装置では、送受信部5が、1つの光スイッチ61と、2つのテレスコープ8−1,8−2とを備え、スキャナ9及び指向方向制御部34を備えていない点で、図1に示すレーダ装置と異なる。
図9に示すレーダ装置では、トリガ生成回路33が、トリガ信号を指向方向制御部34に出力する代わりに、トリガ信号を光スイッチ61に出力する点で、図1に示すレーダ装置と異なる。
図9に示すレーダ装置では、レンジビン情報出力部26bが、大気計測が完了した旨を示す完了信号を指向方向制御部34に出力する代わりに、当該完了信号を光スイッチ61に出力する点で、図1に示すレーダ装置と異なる。
その他の点では、図9に示すレーダ装置の動作と図1に示すレーダ装置の動作とは同じである。
図9に示すレーダ装置は、スキャナ9及び指向方向制御部34が不要であるため、送信パルス光の機械的な走査が不要になる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明は、計測対象の移動速度を算出する信号処理装置、信号処理方法及びレーダ装置に適している。
1 送信パルス光生成部、2 光源、3 光分配器、4 パルス変調器、5 送受信部、6 送信側光学系、7 送受分離部、8,8−1,8−2 テレスコープ、8a,8b,8−1a,8−2a,8−1b,8−2b 入出口、9 スキャナ、10 受信側光学系、11 光カプラ、11a 入力口、12 受光部、20 信号処理装置、21 AD変換部、22 信号分割部、23 レンジビン特定部、24 周波数領域信号出力部、25 レンジビン特定処理部、26a 距離特性算出部、26b レンジビン情報出力部、27 パルス幅制御部、28 速度算出部、29 複素信号生成部、30 位相データ算出部、31 周波数算出部、32 移動速度算出部、33 トリガ生成回路、34 指向方向制御部、41 信号分割回路、42 周波数領域信号出力回路、43 距離特性算出回路、44 レンジビン情報出力回路、45 パルス幅制御回路、46 複素信号生成回路、47 位相データ算出回路、48 周波数算出回路、49 移動速度算出回路、51 メモリ、52 プロセッサ、61 光スイッチ。

Claims (12)

  1. 連続光をパルス変調することで生成された送信パルス光が計測対象によって散乱された光である散乱パルス光と、前記連続光とのヘテロダイン検波により得られた受信信号を複素信号に変換し、前記複素信号を出力する複素信号生成部と、
    前記複素信号生成部から出力された複素信号における実部の信号と前記複素信号における虚部の信号とから、前記複素信号の位相データを算出する位相データ算出部と、
    前記位相データ算出部により算出された位相データに基づいて、前記受信信号の周波数を算出する周波数算出部と、
    前記周波数算出部により算出された受信信号の周波数から、前記計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出し、前記ドップラシフト周波数から前記計測対象の移動速度を算出する移動速度算出部と
    を備えた信号処理装置。
  2. 前記複素信号生成部は、前記受信信号が得られる毎に、得られた受信信号を複素信号に変換して、前記複素信号を出力し、
    前記位相データ算出部は、前記複素信号生成部から複素信号が出力される毎に、出力された複素信号における実部の信号と、出力された複素信号における虚部の信号とから、出力された複素信号の位相データを算出し、
    前記周波数算出部は、前記位相データ算出部により位相データが算出される毎に、算出された位相データに基づいて、得られた受信信号の周波数を算出し、算出した複数の周波数の確率密度分布を生成し、
    前記移動速度算出部は、前記周波数算出部により生成された確率密度分布のピーク周波数から前記ドップラシフト周波数を算出することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  3. 前記位相データ算出部は、前記位相データを線形波形の位相データに変換し、
    前記周波数算出部は、前記線形波形の位相データの傾きに基づいて、前記受信信号の周波数を算出することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  4. 前記受信信号を周波数領域の信号に変換し、前記周波数領域の信号を出力する周波数領域信号出力部と、
    前記周波数領域信号出力部から出力された周波数領域の信号に基づいて、前記計測対象との距離を含むレンジビンを特定するレンジビン特定処理部と、
    前記受信信号の中から、前記レンジビン特定処理部により特定されたレンジビンの受信信号を切り出し、切り出した受信信号を前記複素信号生成部に出力する信号分割部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  5. 複素信号生成部が、連続光をパルス変調することで生成された送信パルス光が計測対象によって散乱された光である散乱パルス光と、前記連続光とのヘテロダイン検波により得られた受信信号を複素信号に変換して、前記複素信号を出力し、
    位相データ算出部が、前記複素信号生成部から出力された複素信号における実部の信号と前記複素信号における虚部の信号とから、前記複素信号の位相データを算出し、
    周波数算出部が、前記位相データ算出部により算出された位相データに基づいて、前記受信信号の周波数を算出し、
    移動速度算出部が、前記周波数算出部により算出された受信信号の周波数から、前記計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出し、前記ドップラシフト周波数から前記計測対象の移動速度を算出する
    信号処理方法。
  6. 連続光をパルス変調することで、送信パルス光を生成する送信パルス光生成部と、
    前記送信パルス光生成部により生成された送信パルス光を放射したのち、計測対象によって散乱された前記送信パルス光である散乱パルス光を受信し、前記散乱パルス光と前記連続光とのヘテロダイン検波によって受信信号を得る送受信部と、
    前記送受信部により得られた受信信号を複素信号に変換し、前記複素信号を出力する複素信号生成部と、
    前記複素信号生成部から出力された複素信号における実部の信号と前記複素信号における虚部の信号とから、前記複素信号の位相データを算出する位相データ算出部と、
    前記位相データ算出部により算出された位相データに基づいて、前記受信信号の周波数を算出する周波数算出部と、
    前記周波数算出部により算出された受信信号の周波数から、前記計測対象の移動に伴って生じるドップラシフト周波数を算出し、前記ドップラシフト周波数から前記計測対象の移動速度を算出する移動速度算出部と
    を備えたレーダ装置。
  7. 前記複素信号生成部は、前記送受信部により受信信号が得られる毎に、得られた受信信号を複素信号に変換して、前記複素信号を出力し、
    前記位相データ算出部は、前記複素信号生成部から複素信号が出力される毎に、出力された複素信号における実部の信号と、出力された複素信号における虚部の信号とから、出力された複素信号の位相データを算出し、
    前記周波数算出部は、前記位相データ算出部により位相データが算出される毎に、算出された位相データに基づいて、得られた受信信号の周波数を算出し、算出した複数の周波数の確率密度分布を生成し、
    前記移動速度算出部は、前記周波数算出部により生成された確率密度分布のピーク周波数から前記ドップラシフト周波数を算出することを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
  8. 前記位相データ算出部は、前記位相データを線形波形の位相データに変換し、
    前記周波数算出部は、前記線形波形の位相データの傾きに基づいて、前記受信信号の周波数を算出することを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
  9. 前記送受信部により得られた受信信号を周波数領域の信号に変換し、前記周波数領域の信号を出力する周波数領域信号出力部と、
    前記周波数領域信号出力部から出力された周波数領域の信号に基づいて、前記計測対象との距離を含むレンジビンを特定するレンジビン特定処理部と、
    前記送受信部により得られた受信信号の中から、前記レンジビン特定処理部により特定されたレンジビンの受信信号を切り出し、切り出した受信信号を前記複素信号生成部に出力する信号分割部とを備えたことを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
  10. 前記レンジビン特定処理部によってレンジビンが特定されたのち、前記送信パルス光生成部により生成される送信パルス光のパルス幅が狭くなるように、前記送信パルス光生成部を制御するパルス幅制御部を備えたことを特徴とする請求項9記載のレーダ装置。
  11. 前記送受信部から放射される送信パルス光の指向方向を制御する指向方向制御部を備えたことを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
  12. 前記送受信部は、前記送信パルス光生成部により生成された送信パルス光を互いに異なる方向に放射する複数のテレスコープを備えたことを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
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