JP2015108557A - レーザレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パルスレーザを生成する光送信部10と、パルスレーザを送信光として出力し、光を受信する光アンテナ部30と、光アンテナ部が受信した受信光から受信信号を生成する光受信部40と、受信信号をアナログデジタル変換し、変換したデジタル信号を高速フーリエ変換して求めた周波数ピークと送信光の周波数とに基づき求めたドップラーシフト周波数から風情報を算出する風計測部50と、受信信号に対応する受信光の送信から受信までの飛行時間に基づき計測対象の距離情報を算出する距離計測部60と、を備える。
【選択図】図1
Description
速度分解能は、FFT(Fast Fourier Transform。高速フーリエ変換)時の周波数分解能によって定まるものであり、この周波数分解能は受信信号の観測時間の逆数に比例する。即ち、受信信号の観測時間が長くなるとFFT時の周波数分解能が高くなる。但し、受信信号の観測時間の最大値は、送信信号の送信パルス幅となる。
これに対し、レーザレーダ装置から計測対象までの距離は、パルスレーザの送受信の時間差から計測されるため、距離分解能は送信パルス幅によって定まる。
このため、送信パルス幅が短ければ距離分解能は高くなるが、送信パルス幅を短くした分、受信信号の観測時間が短くなり、FFT時の周波数分解能、ひいては速度分解能が低くなってしまう。
しかし、2種類の装置を用いることは、適用するレーザレーダ装置全体が大型化したり、構造や処理が複雑化したり、レーザレーダ装置が接続する上位装置や上位システムの付加も増大したりするという問題がある。
以降に、本発明に係るレーザレーダ装置の好適な実施の形態を説明する。
[レーザレーダ装置1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1におけるレーザレーダ装置1の構成図である。
このレーザレーダ装置1は、パルスレーザを生成して出力する光送信部10、光送信部10と後述の光アンテナ部30と後述の光受信部40との間に配置される光サーキュレータ20、光送信部10から受信したパルスレーザを送信光として外部に出力するとともに光を受信する光アンテナ部30、光アンテナ部30が受信した受信光から受信信号を生成する光受信部40、光受信部40が生成した受信信号を用いて風速または風向等の風情報を算出する風計測部50、光受信部40が生成した受信信号を用いて計測対象までの距離や計測対象の形状等の距離情報を算出する距離計測部60、および光送信部10や光アンテナ部30等のレーザレーダ装置1を構成する各構成部の動作を制御するとともに外部装置と通信する制御部70を備える。
なお、制御部70と通信する外部装置は、例えば、図1に示す上位装置80や図示しないユーザ端末などが挙げられる。制御部70と上位装置80等とは、両者を直接接続した構成でも良いし、ネットワークを介して接続する構成でも良い。
なお、光送信部10においては、前述のパルス変調部12のように、レーザ光の光周波数を所定の周波数分シフトさせる機能とレーザ光をパルス状に変調する機能とを一つの機器が有するような構成にしても良いし、それぞれの機能をそれぞれの機器で実現するような構成にしても良い。
図1において、実線で示され、送受光学系31からスキャナ32を経由して外部に向かう矢印は送信光を示し、破線で示され、外部からスキャナ32に向かう矢印は受信光を示す。受信光は、図1では、便宜上、外部からスキャナ32に向かう様子のみ示されているが、実際はスキャナ32から送受光学系31に向かう。
AD変換部51が変換したデジタル信号群を時系列上で一定区間、即ち所定のレンジビンに分割して、レンジビンごとにデジタル信号群を周波数成分に分解するFFT(Fast Fourier Transform。高速フーリエ変換)処理部52、およびレンジビンごとに得られた周波数データからドップラー周波数を算出して風速を算出し、算出した風速とアンテナ部30の走査方向とに基づき風向を算出する風情報演算部53を備える。
図1において、各構成部間を結ぶ実線は、風情報や距離情報の算出で実際に使用される送受信光や受信信号等に関する情報、または算出した計測情報を示し、制御部70と各構成部とを結ぶ破線は、両者間でやり取りする各構成部の制御に関する情報を示し、制御部70と上位装置80とを結ぶ一点鎖線は、レーダレーザ装置1が算出した計測情報およびレーザレーダ装置1の制御に関する情報を示す。
[送信時の動作]
光源11がレーザ光を出力すると、当該レーザ光は光スプリッタ14で2分岐され、一方はパルス変調部12に、他方は光カプラ41に入力される。
パルス変調部12は、入力されたレーザ光の光周波数f0を所定の周波数分シフトさせて周波数f1にし、制御部70から入力されるパルストリガに同期してレーザ光をパルス状に変調する。
光増幅部13は、パルス変調されたレーザ光を、制御部70によって設定されたレーザ出力レベルまで光増幅して出力する。
光アンテナ部30では、入力されたパルスレーザが、送受光学系31によって所望のビーム径およびビーム拡がり角に調整され、スキャナ32によってレーザ走査される。
また、制御部70は、パルスレーザの送信タイミングを光アンテナ部30から取り込む。
光アンテナ部30から外部に出力されたレーザ光は、外部空間中を漂うエアロゾル等の粒子状物質やハードターゲットによって反射される。この反射光は、スキャナ32によって受信され、受信光として送受光学系31に入力される。
なお、送受光学系31の受信視野の調整およびスキャナ32の駆動制御等は、パルスレーザ送信時同様、制御部70から受信した制御信号に基づき実施される。
光カプラ41は、光スプリッタ14で分岐された光源11からのレーザ光と、光サーキュレータ20から送られてきた受信光とを合波し、高周波から低周波に変換、即ちダウンコンバージョン処理した後に受光処理部42に出力する。
なお、制御部70は、パルスレーザの送信タイミングを光アンテナ部30から取得しており、このパルスレーザの送信タイミングに対して所定の遅延時間を与えたタイミングでゲート開放信号を受光処理部42に送信する。
これにより、受光処理部42は、パルスレーザの送信タイミングから所定の時間だけ遅延して受信光を取り込むことになるが、ゲート開放の遅延操作は、前述のように、制御部70がパルスレーザの送信タイミングから所定の遅延時間を経過してからゲート開放信号を送信する構成でも良いし、制御部70が受光処理部42に遅延時間の情報を付加したゲート開放信号を送信し、受光処理部42が当該ゲート開放信号を受信した後にこの命令信号に付加された遅延時間だけ待ってからゲートを開放する構成にしても良い。
この光電変換された受信信号は、2つに分岐して風計測部50および距離計測部60に入力され、風計測部50では風情報の算出に、距離計測部60では計測対象までの距離や形状等の距離情報の算出に使用される。
次に、風計測部50による風情報の算出処理について説明する。
前述の通り、風計測部50には、受光処理部42からの受信信号が入力されている。
制御部70が、AD変換を開始すべき旨の信号、即ちAD変換開始信号をパルスレーザの送信タイミングに対して所定の遅延時間を与えたタイミングでAD変換部51に送信すると、AD変換部51は、制御部70から受信したAD変換開始信号に基づき、受信信号のAD変換を開始して、変換したデジタル受信信号をFFT処理部52に出力する。
AD変換部51は、AD変換を開始してから所定の時間が経過した後にAD変換を終了し、次のAD変換開始信号が制御部70から入力されるのを待つ。
FFT処理部52は、最初に、AD変換部51から入力された受信データ群を所定のレンジビンごとに分割する。
図2の(a)は、AD変換部51から入力されたアナログの受信信号の信号強度I(Intensity)を時系列に示したものであり、この受信信号を所定のレンジビンごとに分割した様子を示す。
エアロゾルなどのソフトターゲットは大気中に広く存在しているため、受信信号全域に渡ってソフトターゲットからの反射波が含まれ、図2(a)において一点鎖線の四角で囲んだ領域Sのように、ある程度の信号強度が常に現れている。
他方で、パルスレーザの送信経路上にハードターゲットが存在する場合、ハードターゲットからの反射波の受信強度は、ソフトターゲットの受信強度よりも高くなる。図2(a)において二点鎖線の四角で囲んだ領域Hの信号強度Iは、ハードターゲットからの反射波を示す。
図2(a)のように、FFT処理部52が受信データを所定のレンジビンごとに分割すると、レンジビンによっては、ソフトターゲットからの反射波に関する受信信号のみを含んだり、ハードターゲットおよびソフトターゲットからの反射波の両者に関する受信信号を含んだりすることになる。
図2(b)は、あるレンジビンにおける周波数スペクトルであり、レンジビンにおける受信信号についてFFT処理を行って周波数ごとの強度を示したものである。
FFT処理部52は、分割したレンジビンごとに、図2(b)のように周波数スペクトルとスペクトルのピーク周波数frを求める。
図3は、風情報演算部53におけるドップラー周波数成分fdの算出を説明するための図であって、図3(a)は、反射光がドップラーシフトを受けていない場合の周波数f1とその強度を示したものであり、図3(b)は、反射光がドップラーシフトを受けている場合の最大強度の周波数成分frとその強度を示したものである。
なお、式(1)において、cは光速、f0はドップラーシフトを受けていない場合、即ち元の周波数を示す。
次に、距離計測部60による、レーザレーダ装置1から計測対象までの距離や計測対象の形状等の距離情報の算出処理について説明する。
制御部70が、時間計測を開始すべき旨の信号、即ち時間計測開始信号をパルスレーザの送信タイミングに対して所定の遅延時間を与えたタイミングでTOF計測部61に送信すると、TOF計測部61は、時間計測を開始するとともに、所定の閾値以上の強度を有する受信信号の検出を開始し、検出した受信信号に関して飛行時間の計測を行い、得られた飛行時間の情報を距離情報演算部62に出力する。
TAC回路は、時間計測開始信号の立上りもしくは立下り、または立上りと立下りの両方を用いて時間計測開始信号の入力を検知して、この検知のタイミングから内部コンデンサに充電を行い、閾値以上の強度を有する受信信号の立上りもしくは立下り、または立上りおよび立下りの両方を用いて受信信号の入力を検知して、この検知のタイミングで充電を停止し、その時点の充電電圧値から時間情報を換算するものである。
また、TDC回路は、時間計測開始信号をゲートアレイに通過させ、閾値以上の強度を有する受信信号の立上りもしくは立下り、または立上りおよび立下りの両方を用いて受信信号の入力を検知したタイミングまでに時間計測開始信号が通過したゲート数から時間情報を得るものである。
なお、式(2)において、cは光速、およびnはレーザレーダ装置1から計測対象までの間の媒質の屈折率を示す。
例えば、反射光の飛来方向に関する情報として、反射光を受信したときのスキャナ32のスキャン方向に関する2次元の座標と、反射光を受信した際に式(2)で算出した距離の情報とを、反射光の受信ごとに収集すれば、計測対象の3次元情報を求めることができ、計測対象の形状に関する情報も得ることができる。
風計測部50が算出した風情報、および距離計測部60が算出した距離または計測対象の形状に関する距離情報は制御部70に出力され、制御部70はこれらの計測情報を上位装置80に送信する。この計測情報が上位装置80に接続する表示部に表示されることで、監視者が計測対象の状況を確認することができる。
これにより、風計測を行う際に必要なFFT演算処理と、距離情報の計測を行う際に必要なTOF計測処理とにおいて、レンジビンの間隔を別々に設定できるため、風情報の計測の精度と距離情報の計測の精度とが互いに影響を与えずに、風計測と距離計測とを両立させることができる。
従来のレーザレーダ装置では、前述の通り、距離の分解能の精度を高めると、速度の分解能が低くなり、風向や風速等の風情報の計測精度が低くなるという問題があった。しかし、実施の形態1に係るレーザレーダ装置1を用いれば、海面付近の風速や風向等の風情報の計測処理と、海面の波高の形状の計測処理(例えば数cmから数mレベルの分解能)とが独立しているため、風情報の計測精度および距離情報の計測精度のいずれも確保することができ、航空機の離着陸のための判断材料を豊富に得ることができる。
実施の形態1では、受光処理部42が光電変換した受信信号を風計測部50および距離計測部60に入力する構成であったが、この実施の形態2では、特定の受信信号だけを風計測部50および距離計測部60に入力させたり、距離情報の精度を調整したりする場合について説明する。
なお、実施の形態1におけるレーザレーダ装置1と同様の構成および処理については説明を省略し、以降、実施の形態1と異なる構成および処理について説明する。
図4の光受信部40において、受光処理部42が光電変換した受信信号が受信信号峻別部43に入力され、受信信号峻別部43は、制御部70から設定された受信信号選別用のパラメータに基づき、入力された受信信号から特定の受信信号のみを選別して出力する。
また、受信信号峻別部43は、特定の受信信号を検出した場合には、受信信号を検出した旨を示す信号、即ち検知信号を制御部70に出力する。
さらに、受信信号峻別部43は、制御部70からの指令に基づき受信信号の出力先の切り替え、例えば受信信号を風計測部50および距離計測部60に出力するか、風計測部50または距離計測部60のいずれかに出力するかの切り替えを行う。
最初に、計測対象の情報が既知である場合について、図4および図5を用いて説明する。
図5は、計測対象の特性情報が予め分かっている場合であって、距離計測の精度を変更する処理を示すフローチャートである。
受信信号峻別部43は、設定された受信信号選別用のパラメータに基づき、受光処理部42からの受信信号を処理する。ここでは、受信信号選別用のパラメータは、受光処理部42からの受信信号の電圧値に関する下限の閾値とする。この場合、受信信号峻別部43は、受光処理部42からの受信信号の電圧値が当該閾値より小さい場合には所望の受信信号を受信したと見なさず、受信信号の電圧値が当該閾値以上の場合には所望の信号を受信したと判断する。これにより、雑音レベルの受信信号を受信信号群から排除して、これ以降の風計測部50および距離計測部60における各情報の精度を高めるとともに、算出負荷を抑制することができる。
また、受信信号峻別部43からの検知信号を受信した制御部70は、計測対象を検知したと見なして、上位装置80に、計測対象を検知した旨および距離または形状等の距離情報の計測の精度を向上させる必要があるか否かを問い合わせる。
また、受信信号選別用のパラメータを、前述の電圧値の上限値や下限値などの一つの値ではなく、受信信号の電圧値の範囲を示すものとするとともに、受信信号峻別部43は、受光処理部42からの受信信号の電圧値が所定の範囲内に含まれる場合には、所望の信号を受信したと判断するような構成にしても良い。この場合には、前述のように、下限値を設けて雑音を排除するとともに、上限値を設けて計測対象外でレーダレーザ装置1の近くの物体からの影響を排除することができる。
新たなレーザパラメータが風情報算出の精度の下限値を確保している場合(S110のY)、制御部70は、この新たなレーザパラメータを光送信部10に設定し(S111)、光送信部10は、設定された新たなレーザパラメータでレーザパルスを出力し、レーザレーダ装置1は計測を実施する(S112)。
次に、計測対象の情報が不明である場合について、図4および図6を用いて説明する。この場合、計測を開始する際に、上位装置80が、受信信号峻別回路43が受信信号を検出するための閾値等を暫定的に設定する。
図6は、計測対象の特性情報が不明の場合であって、距離計測の精度を変更する処理を示すフローチャートである。
図6では、ハードターゲットに関する事前情報が不明であるため、上位装置80は、受信信号選別用のパラメータを暫定的に決定して、制御部70を介して受信信号峻別部43に設定する(S201)。
警告メッセージを受信した上位装置80が、受信信号選別用のパラメータを制御部70経由で受信信号峻別回路43に再設定すれば(S201)、レーザレーダ装置1が計測を再開し(S202)、受信信号峻別回路43は、新たに設定されたパラメータで受信信号の判別処理を行う(S203)。
所定時間内の受信回数が閾値よりも大きい場合には(S206のN)、ステップS203にて受信信号の電圧値と比較される閾値が低すぎるものとして、受信信号選別用のパラメータを再設定すべき旨を示す警告メッセージを上位装置80に通知する(S205)。
以降の距離情報の計測精度を向上させる処理については、図5のS107からS116までと同じである。
また、計測対象の情報が未知であっても、上位装置80が制御部70に受信信号選別用のパラメータを暫定的に設定しておけば、制御部70が受信信号の受信状況、例えば受信信号の検出頻度に基づいて閾値の再設定を上位装置80に促すため、計測対象からの信号の受信精度を高めることができる。
また、距離情報の算出精度を高めるか否か、または風情報の算出精度を確保するか否か等について、上位装置80からの応答に応じて距離情報算出処理を進めるので、上位装置80の運用状況に応じて柔軟な計測装置を提供することができる。
実施の形態1では、受信信号を風計測部50と距離計測部60とのそれぞれで処理をすることで、風情報の算出処理と距離情報の算出処理とを別個に行っていたが、この実施の形態3では、ハードターゲット近傍の風計測のみを実施する場合について説明する。
なお、この実施の形態3において、実施の形態1または2に係るレーザレーダ装置1と同様の構成および処理については説明を省略し、以降、実施の形態1または2と異なる構成および処理を中心に説明するものとする。
受信信号峻別部43は、受信判定部431、スイッチング回路432、および遅延回路433を備えるものであり、受光処理部42から受信判定部431に入力された受信信号は、受信判定部431を通過した後、分岐して、一方はスイッチング回路432等を経由して風計測部50に、他方は距離計測部60に入力する。
図8は、実施の形態3における距離計測対象であるハードターゲット周辺のみについて風計測を行う処理を説明するフローである。
なお、制御部70は、信号伝播遅延量Tdelayの算出のため、TOF算出部61が算出した受信信号の飛行時間から求めた計測対象までの距離に相当する時間量TTOF、およびTOF算出部61におけるハードターゲットの検知処理時間TdetをTOF算出部61から受信し、さらに制御部70が上位装置80から受け付けた風情報の計測範囲に基づき対応する時間量Trangeを求める。そして、これらTTOF、Tdet、およびTrangeと以下の式(3)を用いて信号伝播遅延量Tdelayを算出する。
このとき、制御部70は、指定されたハードターゲット周辺範囲のみの風情報の算出処理をすべく、AD変換部51によるAD変換処理の動作するタイミングを生成して、生成したタイミングでAD変換51にAD変換処理させる(S307)。具体的には以下の処理を行う。
図9において、一点鎖線の四角で囲んだ部分の信号強度Iは、点線の四角で囲んだ部分以外の信号強度Iよりも高く、ハードターゲットが存在することを示している。信号強度Iが高くなる時間帯よりも早い時間から当該時間帯より遅い時間までの信号強度Iを使用することで、ハードターゲット周辺の風情報を算出することができる。
ハードターゲット周辺のみの風情報算出処理は、所定時間が経過するか、上位装置80からの処理終了指令を受信するまで継続する(S309)。
実施の形態1から3では、風計測部50が風情報を算出していたが、この実施の形態4では、距離計測部60が、算出した距離情報に基づき風速を推定する場合について説明する。
なお、実施の形態1におけるレーザレーダ装置1と同様の構成および処理については説明を省略し、以降、実施の形態1と異なる構成および処理について説明するものとする。
実施の形態4では、風情報推定部63が、距離情報演算部62が算出した地形の形状から、予め定義されている地形の形状情報と風速との関係に基づき、算出した形状付近の風速を求めるものである。
ここでは、実施の形態4として、実施の形態1のレーザレーダ装置1に風情報推定部63を追加した構成について説明するが、実施の形態2または3におけるレーザレーダ装置1に風情報推定部63を追加しても良い。
風情報推定部63は、距離情報演算部62が算出した前述の地形情報から、風速の推定に必要な特徴量を抽出し、予め定義されていた地形の形状情報と風速との関係に基づき、当該エリアの風速値を求める。
風情報を推定して算出した風情報推定部63は、推定した風速や風向等の風情報を制御部70に出力する。これにより、制御部70は、風計測部50が算出した風情報に加え、風速推定部63が推定した風情報も受信することになる。
Claims (9)
- パルスレーザを生成する光送信部と、
前記パルスレーザを送信光として出力し、光を受信する光アンテナ部と、
前記光アンテナ部が受信した受信光から受信信号を生成する光受信部と、
前記受信信号をアナログデジタル変換し、変換したデジタル信号を高速フーリエ変換して求めた周波数ピークと前記送信光の周波数とに基づき求めたドップラーシフト周波数から風情報を算出する風計測部と、
前記受信信号に対応する受信光の送信から受信までの飛行時間に基づき計測対象の距離情報を算出する距離計測部と、
を備えたレーザレーダ装置。 - 前記風情報は風速および風向に関する情報であって、
前記風計測部は、前記ドップラーシフト周波数に基づき前記風速を算出するとともに、前記風速と前記光アンテナ部の走査方向に関する情報とに基づき前記風向を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。 - 前記距離情報は前記計測対象までの距離および前記計測対象の三次元情報であって、
前記距離計測部は、前記飛来時間に基づき前記距離を算出するとともに、前記距離と前記受信光の飛来方向に関する情報とに基づき前記三次元情報を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。 - 前記送信部において前記パルスレーザを生成するための送信パラメータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記送信パラメータが前記風計測部における前記風情報の算出の精度の下限値を下回るか否かを判断し、
前記送信パラメータが前記下限値を下回り、かつ前記距離計測部による前記距離情報の算出の精度を前記風情報の算出の精度よりも優先する場合には、当該送信パラメータを前記光送信部に設定し、
前記送信パラメータが前記下限値を下回り、かつ前記風情報の算出の精度を確保すべき場合には、前記下限値を確保する範囲の前記送信パラメータを前記光送信部に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。 - 前記光受信部は、前記受信信号が閾値を超えた場合には、前記閾値を超えた前記受信信号を検出した旨を通知する検知信号を出力する受信信号峻別回路を備え、
前記制御部は、前記受信信号峻別回路からの前記検知信号を受信した場合に、前記送信パラメータが前記風計測部における前記風情報の算出の精度の下限値を下回るか否かを判断する
ことを特徴とする請求項4に記載のレーザレーダ装置。 - 前記制御部は、前記受信信号峻別回路からの前記検知信号を受信しないと判断した場合には、前記閾値の再設定を促すための信号を出力する
ことを特徴とする請求項5に記載のレーザレーダ装置。 - 前記制御部は、前記受信信号峻別回路からの前記検知信号を受信する頻度を計測し、前記頻度が受信頻度に関する下限値を下回った場合または前記頻度が受信頻度に関する上限値を上回った場合には、前記閾値の再設定を促すためのメッセージを出力する
ことを特徴とする請求項5に記載のレーザレーダ装置。 - 前記制御部は、計測対象の周辺のみの風情報を計測すべき場合には、指定された計測範囲においてのみの風情報を計測するために、受信信号の前記光受信部から前記風計測部への出力タイミングを遅延させる
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。 - 前記距離計測部は、算出した前記距離情報に基づき前記計測対象の所定の範囲の風向を推定する風情報推定部を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。
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