JP2022170737A - 多波長ドップラー・ライダー - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物までの距離の増大、空間分解能、速度分解能の最適化を可能にする、ドップラー・ライダーを提供する。【解決手段】複数の波長チャネル上にコヒーレント・レーザ光をそれぞれ生成するレーザ光生成手段11と、波長チャネル毎に振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する振幅変調器12bと、周波数シフトされ増幅されたパルスを空間方向に送信光として送信する送信モジュール(18,19)と、大気により前記パルスのそれぞれが後方散乱されたことによる受信光を、複数の波長チャネル上で検出する複数の検出器を備える検出回路21bと、複数の波長チャネル上で送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する電子評価手段22bと、パルス形状、PRF又はRPTを複数の波長チャネル毎に個別に制御するタイミング変調器13を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、風又は渦の状況、或いはその両方の状態を検出するパルス方式多波長(多チャネル)ドップラー・ライダー(LIDAR:light detection and ranging)に関する。
気象レーダは、後方散乱測定のために、雲中の水滴のように高密度の大きな浮遊粒子(エアロゾル)を必要とするので、気象レーダ・システムには、数10km程度の遠距離の気象雲の早期警報にしか適さないという問題があった(特許文献1参照。)。一方で、対流圏のウインドシアやいわゆる晴天乱流(晴天乱気流)そして成層圏のジェット気流のように、視界が明確な最も一般的な気流は、数センチメータ~数ミリメータという波長が空気粒子の大きさに比べると比較的長いので、気象レーダでは検出できない。
そこで、より短い波長とより高いパルス周波数を持つライダー(LIDAR)システムの開発が試みられたので、更なるスキャン操作が、より小さな空気粒子を検出できるスペクトルの光学領域で可能になる。すべての気象条件下で高い測定信頼性を実現するために、空気分子からのドップラー・シフト後方散乱がエアロゾル散乱に加えて用いられた。しかし、ドップラー・ライダー測定には、分子とエアロゾルの両方からの後方散乱信号の強度が低いという一般的な問題がある。それにもかかわらず、高信頼性の測定に要求される、低いレーザ出力とするために、大気からの背景放射によるノイズと検出器や光増幅器の電子ノイズからの影響を効率的に抑えながら、最大感度を可能にする光検出器を使用する必要がある。数秒間にわたって微弱な後方散乱信号を一体化するには、風が時間的に安定していることが必要である。しかし、そのような条件は一般的に存在しない。代わりに、数十ミリ秒だけという短時間、即ち、リアルタイムで、信号を評価しなければならない。
ドップラー・レーダやドップラー・ライダーは、地上設置の気象測定装置は、特に空港エリアの気象、風、渦の状態について全体的な概要を提供する(特許文献2参照。)。空港における離着陸の安全を確保するために、大気の風速を恒久的に測定しなければならない。晴天時に比較的遠く離れた位置にある測定対象物(空気)の風速等の測定を行えるのは、ドップラー・ライダー・システムだけである。
これでも、個々の航空機に対するリスクを考慮しなくても、影響を受けるすべての航空機における臨界的な風と後流渦の状態に関する一般的な警告としては、十分である。今後、すべての空港において離着陸の手順の一般的な短縮が可能になるのは、各航空機が、すべての気象条件のもとで、飛行路上で離陸又は着陸する航空機からの個々の渦と後流渦を時間内に検出できて、発生する力とトルクとによる危険の潜在性を直接評価できる、それ自体の機内測定システムを有する時だけである。しかし、澄んだ大気中の測定に適したドップラー・ライダーは、ドップラー・レーダほどコンパクトでなく、全体としてまだ複雑な構造である。
検出器として電荷結合デバイス(CCD)を有する2チャネル・ドップラー・ライダーが知られている(非特許文献1参照。)。ライダー・システムでは、一方のチャネルからの光が他方のチャネルに誘導される二つの別々のチャネルにおいて、エアロゾルや分子からの後方散乱光を利用して風の動きを測定している。しかし、測定システムは、空気の不均一性と動きを、広い領域で、即ち、より広い角度範囲で、測定軸に沿ってそして測定軸を横切って同時に可視を可能にするほど十分にコンパクト化されていない。
風力発電所の風と乱気流の条件を測定することは、再生可能エネルギー源として風を大規模に使用するためにも重要である。風力発電所にとって、発電の有効性は、局部的な風と乱気流の条件に相応したローターの適正な配置に左右される。これらの理由から、風力発電所の建設前そして運用中の様々な気象条件のもとで選択された場所における風と乱気流の場の特徴を正確に非接触状態で測定することが、風力発電所の効率的かつ安全な運用のために特に重要である。これらの大気データは、気象観測所や時にはドップラー・ライダー・システムを用いて測定するが、依然として複雑で費用がかかり、不正確である。
最新の技術では、周知のドップラー・ライダーは、特に、空間ボリューム内の風速を検出するためにドップラー効果を利用する、パルス状のコヒーレント・ドップラー・ライダー・システムである。そのために、レーザ・パルスが、測定用に大気中に又は任意の目標方向に放出される。反射されたレーザ光が、検出されて局部発振器とコヒーレントに混合される。ヘテロダイン検波により後方散乱信号が増幅され、ビート信号の周波数を用いてドップラー・シフトを決めることができる。信号強度を高めるために、二つの主な方法がある。第一に、送信パルス・エネルギーをさらに増加すると、後方散乱信号強度も増加することができる。第二に、パルス繰り返し周波数を増やすと、単位時間あたりの情報数を増やすことができる。
従来技術で周知の単一チャネル・ドップラー・ライダーを用いて半径方向の風速を測定するが、これは、光送信器、送受信スイッチ(デュプレクサ)、スキャナー、例えば2軸スキャナー、ヘテロダイン受信器、信号処理回路(信号プロセッサ)を備えている。代表的な設定方法について、図1を参照して次に説明する。
図1は、主発振器(マスターオシレータ:MO)としてのレーザ光生成手段11が連続レーザ光を生成する構成を示しており、一方でパルス生成に使用され、他方では局部発振器として機能する。振幅変調器(AM)12pは、希望された長さと形状のパルスを生成する。周波数変調器(FV)14pは、動きの正負の方向を検出するためにも使用される。これらのパルスが光増幅器(Av)15で増幅されて、大気中にビームを伸ばして送られる。2軸スキャナー等の(Sc)スキャナー19は測定方向を定める。望遠鏡18で検出されて光学システムに結合された散乱光は、送受信スプリッタによって、ここでは3ポート光サーキュレータ16によりバランス検出器(Det.)21に導かれる。後方散乱信号は、局部発振器でコヒーレントに混合(ヘテロダイン)できるので、低周波のビート周波数だけ検出器で測定されて、信号処理回路(SV)22で処理される。このビート周波数(偏移周波数)Δfから風速の成分を計算できる。
即ち、レーザ光の波長をλ0とすると視線方向の風速vは、v=(λ0Δf)/2で与えられる。ドップラー・ライダーの目的は、例えば、空港の風速に関して半径方向の速度、好ましくは乱気流の半径方向の速度を空間的に分解して測定することである。ドップラー・ライダーの主な課題は、高い空間分解能、高い測定精度、高いボリューム・スキャン速度を維持しながら、遠く離れた位置にある測定対象物(空気)の風速等の測定を実現することにある。
ライダーの測定対象物までの距離は、下記のライダーの式から与えられる、システムの感度から定まる。
Figure 2022170737000002
式(1)において、
RX: 受信パワー
TX: 送信パルス・パワー
c: 光速度
τ: パルス持続時間
n: 測定の回数(2以上の正の整数)
KSYS: システムの定数
(受信光学系の開口、システム効率、送信/受信ビームの重なり)
βA(R,λ): 大気の後方散乱係数
L[α(R,λ)]: 伝搬減衰関数
である。式(1)は、単一パルスの放出後に受信したパワーを示す。技術的な考慮事項として、信号対雑音比SNRの使用がより一般的である。
Figure 2022170737000003
感度を上げるために、幾つかの連続して放出されたパルスのパワーを加算(積算)して、その平均値を計算することができる。この積算の形式はインコヒーレントなので、PRXの測定値の信号対雑音比SNRは、積算された測定の回数nでなく、n1/2とともに増加する(nは2以上の正の整数である)。
したがって、特定の信号対雑音比SNRが与えられると、最大距離Rmaxは、ドップラー・ライダーが目標を検出できる距離として計算することができる。
Figure 2022170737000004
ライダー送信機がドップラー・ライダーの感度又は測定可能距離に及ぼすライダー送信機の影響を定めるパラメータは、送信機の性能指数(FOM)に要約される。
Figure 2022170737000005
これが、最大距離Rmaxになる。
Figure 2022170737000006
空間分解能ΔRは下記で表される。

ΔR = c・τ/2 ……(6)
測定の回数nは、パルス繰り返し周波数(PRF)をfPとして、システムの有効ビームθ、スキャナー19の回転速度ωから計算される。

n = θ・fP/ω ……(7)
ライダーの測定対象物までの距離が、2次エコーによる混同を生じて不明確にならない範囲である「明確範囲Rua」は、以下の式(8)で与えられる。

ua = c/(2・fP) ……(8)

式(8)で定義される明確範囲Ruaは、最初のパルスを送信して測定対象物から反射され、次のパルスを送信できるタイミングで決まるので、PRFが高くなるほど短くなる。
最大距離Rmaxは,送信パルス電力PTX又はパルス持続時間τ或いはその両方を増やすことにより増やすことができる。しかし、両方のパラメータも光増幅器材料の光学的特性によって制限される。パルス持続時間を延ばすと、空間分解能も増加する(劣化する)。一つの光増幅器だけ使用する限り、測定回数nだけを増やすことができる。
送信パルス電力PTXとシステム定数KSYSは、商業的に入手できる技術の状態から特定できるが、必要に応じて、アプリケーション(送受信光学要素)に応じて最適化できる。下記は、測定品質に重要な目標パラメータである。
- 空間分解能 ΔR
- 最大距離Rmax又はFOM
- 明確範囲(unambiguous range)Rua
最適化に利用できるパラメータは、パルス幅、パルス繰り返し周波数fP(又は測定回数n)、パルス形状(矩形、ガウス形、又は両方の組み合わせ)である。最適化パラメータを変化させると、表1に示すように、目標パラメータは相反する挙動を示す。
Figure 2022170737000007
1チャネルの代わりに、複数のチャネルを使用すると、単一チャネル・システムのジレンマは大幅に軽減する。この場合、複数の波長λ1,λ2,……,λnの主発振器(MO)として機能するレーザ光生成手段11と、レシーバとなるnチャネルのバランス検出器(n×Det.)21qを持ち、且つ各チャネルが最適化されたパルス形状で動作する(nは2以上の正の整数。)。複数の波長nを同時に安定して高信頼性で動作させるためには、パルス制御システム(PRS)17による機能の拡張が、図2に示すように必要になる。
複数の波長nを持つシステムにおいて、各波長は別々の測定チャネルを表す。異なるチャネルを、異なるタスクに最適化できる。この最適化オプションは、二つのチャネルだけ存在する時に既に存在している。
主発振器(MO)として機能するレーザ光生成手段11は、n個の波長チャネルで連続したレーザ光を生成して増幅する。波長は、透過光が大気の成分により吸収されないように選択される。チャネル間の波長の最小間隔は、一般的な光学的手法で分離可能な波長に対応している。波長の最大間隔は、光増幅器15の利得帯域幅、又は利得特性によって決まる。波長チャネルの数に制限はない。
振幅変調器12qによる振幅変調は、すべてのチャネルに対して一括して、又はチャネル毎に個別に振幅変調することができる。パルスの長さや形状を自由に選択できる。生成されたパルスは周波数変調器14qにより周波数シフトされる。
生成され周波数シフトされたパルスは、光増幅器15で一括して増幅される。3ポート光サーキュレータ16はパルスを望遠鏡18に導き、この望遠鏡18はすべての波長のレーザ・ビームを拡大し、大気中に送る。すべての波長チャネルからの後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められて、3ポート光サーキュレータ16を通ってnチャネルのバランス検出器21qに送られる。局部発振器との重ね合わせは、それぞれのバランス検出器21qのチャネル毎に別々に行われ、チャネル毎に別々のヘテロダイン信号になる。nチャネル信号処理回路を備える電子評価手段22bとA/Dコンバータ(DV)23によるデジタル化は、最初はn個の波長チャネルのそれぞれに対して別々に行われる。
異なる波長又はチャネルのパルス形状、パルス持続時間、パルス間隔の組み合わせを、以降、「パルス・シークエンスの波形」と呼ぶ。図3(a)及び(b)に示すパルス・シークエンスの波形は異なるパルス幅の二つの波長をもつパルス・シークエンスの波形を示し、測距と空間分解能を同時に最適化することを可能にする。図3(a)に示す波長1のチャネルのパルス・シークエンスの波形は、感度を高くし、それに応じて測定対象物までの距離の増大をする、長いパルスを放出する場合のトポロジである。図3(a)に示す波長2のチャネルのパルス・シークエンスの波形は、短いパルスで作動するので、高い空間分解能を呈するが、ライダーの測定対象物までの距離は短くなる。図4に関連する受信機能を示すように、受信関数は予め設定された信号対雑音比SNRの閾値を下回らない限り、波長2のデータ・チャネルを使用し、その後、波長1に切り替わる。このように、ライダーによる風速の測定は、近距離では高い空間分解能で行われ、遠距離では、より粗い分解能であるが、より長い距離に位置する測定対象物(空気)の風速の測定が待望される。
図3及び図4に示すように、波長1及び波長2の両方のチャネルの信号パワーを加えると、より優れた信号対雑音比SNRを得ることもできる。結果として得た空間分解能は、パルス幅が長いチャネルの分解能と少なくとも同じになる。両方のチャネルを蓄積すると、感度の向上とそれに伴って測定対象物までの距離を再び少し向上することができる。
パルス形状の選定は、測距又は空間解像度の向上に更に関与する。矩形パルスでは空間分解能が向上するが、ガウス状のパルスではシステム帯域幅が低いので、ライダーの測定対象物までの距離が向上する。これらの特性は、可能な測定対象物までの距離を広げるために更に用いられる。これは、遠距離用の一つのチャネルをガウス状のパルスに、近距離用の他のチャネルを出来るだけ急なエッジをもつ方形のパルスに設定することで実現する。
パルス形状とパルス長に関して可能性のある組み合わせは、異なるパルス長のガウス状のパルスと方形パルスの畳み込みである。以下の式で、これは係数Dで表され、0から1の値をとる。

W (t)=PG(D・τFWHM)*PR((1-D)・τFWHM) ……(9)
概して、任意のパルス形状、又は異なるパルス形状の組み合わせを用いて、固有のパルス帯域幅と空間分解能を一致させることができる。より短いパルスを有するチャネルでは、ライダーの測定対象物までの距離が短い。これは、チャネルに対してパルス繰り返し周波数をより高く設定できることを意味する。より高いパルス繰り返し周波数は、それぞれのチャネルの信号対雑音比SNRに好影響を与える。
測定例の結果を図5に示す。二つの波長チャネルを、このために使用した。一方のチャネル(1)はパルス長100ns、もう一方のチャネル(2)はパルス長800nsでパラメータ化した。二つの波長チャネルを構成する両方のパルス形状は、長方形で、同じパルス繰り返し周波数で使用した。
短いパルスのチャネル(1)の信号対雑音比SNRは、低エネルギーと高帯域幅のために低い信号対雑音比SNRを呈するので、低距離になる。このチャネルは、近距離(測定対象物までの距離A+B:ここでは500mまで)を高い空間分解能でカバーする(ここでは、十分な空間分解能が図の点の距離から与えられる)。チャネル(2)は150m後にだけ使用可能なデータを提供し、空間分解能はかなり悪いが、測定対象物までの距離は広くなる(測定対象物までの距離B+C:ここでは2.5kmまで)。両方のチャネルが、交差点エリア(エリアB)をカバーする。ここでは、空間分解能と速度分解能が向上した測定データを利用できる。
単一チャネル・システムは、二つの測定シリーズのなかの一つを提供するだけである。したがって、従来方式のユーザは、最小距離、空間分解能、最大距離の間で、いつも妥協している。より高い平均パワーとそれに伴う高い感度により、個別の第1光増幅器(A1)、第2光増幅器(A2)~第n光増幅器(An)が、チャネル毎に可能にしている。図6はこのシステムを示す。
波長1及び波長2の送信パルスの位相を時間的にシフトすると、図7に示すように、送信用の光増幅器をより効率的に使用できる。波長2のように時間的に位相をシフトすることにより、パルス繰り返し周波数(PRF)を実効的に2倍にでき、図7(b)に示すように、効果的にパルス繰り返し周波数(PRF)を与えることができる。しかし、明確範囲は、図7(a)に示す個々のチャネルのパルス繰り返し周波数(PRF)に対し式(8)で決定される。
受信信号の数を増やすことにより、ドップラー・ライダーの感度を上げ、それに伴って、ライダーの測定対象物までの距離を増大できる。パルスは、図8(a)及び(b)に示すように、異なるパルス幅で作動している時にも時間的にシフトできる。ここでは、送信用の光増幅器の有効性も改善できる。
ドップラー・ライダーの感度はパルス繰り返し周波数(PRF)を介して高くできる。しかし、式(8)に示すように、高いPRFは、明確範囲Ruaを減少させるので、式(1)に示す受信パワーや式(2)に示す信号対雑音比SNRが不利になる。高いPRFによる明確範囲Ruaの減少は、パルスを互いに時間的にシフトした複数チャネルを使用する場合でも発生する。さらに、個々のチャネルの重ね合わせから生じるドップラー・ライダーのパルス・シークエンスの波形、即ち、パルス・シークエンスのPRF、パルス・シークエンスのパルス持続時間、それぞれ個々のチャネルのパルス形状は、各気象状況に合わせて手動で調整しなければならないので、自動操作が難しくなる。
独国特許出願公開公報第10316762号明細書 独国特許発明第102005034729明細書
T.D.イルガンク(Irgang)他2名著、『検出器として電荷結合デバイスを採用する2チャネル直接検出型ドップラー・ライダー(Two-channel direct-detection Doppler lidar employing a charge coupled device as a detector)』、 アプライド・オプティックス(Applied Optics)、第41巻、第6号、p.1145-1155, 2002年
本発明の目的は、晴天時に大気の影響を可視化すると同時に、測定対象物までの距離を増大し、空間分解能、速度分解能の最適化を可能にする、ドップラー・ライダーを提供することにある。多波長ドップラー・ライダーはコンパクトなデザインとすべきである。さらに、送信パルス・パワーは、様々な異なる応用分野で最適になるように選択可能にすべきである。
上記の課題を解決するために、本発明の態様は、コヒーレント・レーザ光を複数の波長チャネル上にそれぞれ生成するレーザ光生成手段と、波長チャネル毎に、別々に振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する振幅変調器と、nチャネルのパルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信光として送信し、送信されたパルスのそれぞれが大気により後方散乱されたことによる受信光を受信する送信モジュールと、受信光に含まれるパルスのそれぞれを、複数の波長チャネル上でそれぞれ検出する検出回路と、波長チャネルのそれぞれにおいて、送信光と受信光のドップラー・シフト量を決定する電子評価手段と、波長チャネルのそれぞれに割り当てられ、波長チャネルのそれぞれに適したパルス繰り返し周波数及びパルス間隔の少なくとも一方、並びにパルス形状を個別に制御するタイミング変調器を備える多波長ドップラー・ライダーであることを要旨とする。本発明の態様に係る多波長ドップラー・ライダーは、ライダー・システムの仕様に基づいて設計される。図9は、このようなシステムのブロック図を示す。このシステムは、フリー・ビーム光学系として又はファイバー技術として実現できる。
本発明の態様に係る多波長ドップラー・ライダーは、複数n個の波長チャネルを使用する。複数n個の波長チャネルにおいて、各チャネルは、その個々のパルス形状に加えて、それ自体のパルス繰り返し周波数(PRF)又はパルス繰り返し周期(パルス間隔)RPTを変えるように制御できる。従来における最新の技術では、各チャネルに対して同じであるが、オフセットされたパルス間隔(RPT)の動作にだけ言及されている。本発明の態様に係る多波長ドップラー・ライダーにおいては、PRF及びRPTの個々の制御は、タイミング変調器によって制御される。各チャネルがライダーの測定対象物までの距離に関してそれ自体の独自の距離を有しているので、サンプル抽出が最適化される。例えば、高いPRFのパルス・シークエンスで作動するチャネルの条件が、明確範囲Ruaから外れた2次エコーの目標物(測定対象物)を検出しているかをチェックするために、少なくとも一つのチャネルを低いPRFのパルス・シークエンスで並行して作動させる。そして同時に、高い感度を実現するために、非常に高いPRFのパルス・シークエンスで他の波長チャネルを差動させるように、複数のチャネルを制御ができる。
したがって、本発明の態様に係る多波長ドップラー・ライダーに必須のことは、異なるパルス繰り返し周波数とパルス間隔を、チャネル毎に異なるように制御して使用することである。好ましくは、複数のチャネルのそれぞれが、個々のパルス形状に加えて、それ自体の周波数を変調することである。周波数変調器は、それぞれのチャネルを個々にオフに切り替えることができる。チャネル毎に個々の周波数変調器を使用すると,風速に関して測定可能な距離を拡大できる。
より好ましくは、適応性及び認知性の少なくとも一方に対するパルス・シークエンスの波形の最適化が用いられている。多波長ドップラー・ライダーは、検出回路が検出した測定データを用いて、パルス・シークエンスの波形を最適化できる。最適化は、外部センサを用いて行うこともできる。
従来技術に係る単一チャネル・多波長ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。 従来技術に係る多波長ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。 現状における最新技術の説明に係り、二つの波長において異なるパルス幅をもつパルス・シークエンスを比較して示すタイミング図である。 図3に示したタイミング図に対応し、受信電力の時間依存性から導かれる受信関数を示す図である。 図5(a)は2つの波長チャネルでの測定による信号対雑音比SNRの距離依存性を示す図で、図5(b)は2つの波長チャネルでの測定された速度の距離依存性を示す図である。 従来技術に係る他の多波長ドップラー・ライダーの構成を説明するブロック図である。 図6に示した従来技術に係る他の多波長ドップラー・ライダーにおいて、波長1の送信パルスに対し、波長2の送信パルスが時間的なオフセットを有することを示すタイミング図である。 図6に示した従来技術に係る他の多波長ドップラー・ライダーにおいて、波長1の送信パルスに対し、波長1とは異なるパルス幅をもつ波長2の送信パルスが時間的なオフセットを有することを示すタイミング図である。 本発明の第1実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。 図9に示した第1実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーにおける4つの波長チャネルにおける個々のパルスのタイミングの関係を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。 図12に示した第3実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーにおいて、非最適化された2つのチャネルにおけるパルス・シーケンスを示すタイミング図である。 図12に示した第3実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーにおいて、最適化された2つのチャネルにおけるパルス・シーケンスを示すタイミング図である。 図12に示した第3実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーにおいて、非最適化された4つのチャネルにおけるパルス・シーケンスを示すタイミング図である。 図12に示した第3実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーにおいて、最適化された4つのチャネルにおけるパルス・シーケンスを示すタイミング図である。 本発明の第4実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。 本発明の第5実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。 本発明の第6実施形態に係る多チャネル(多波長)ドップラー・ライダーの主要部の構成を説明するブロック図である。
本発明の更なる実施の態様は、以下の説明と従属請求項から理解できる。添付の図面を参照しながら、本発明の第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーを、以下において詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、図9に示すように、レーザ光生成手段11と、レーザ光生成手段11に接続された振幅変調器(AM)12bと、振幅変調器12bに接続されたタイミング変調器(TM)13と、タイミング変調器13に接続された周波数変調器(FV)14と、周波数変調器14に接続された光増幅器(Av)15と、光増幅器15に第1ポートを接続された3ポート光サーキュレータ(ZI)16と、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートに接続された送信モジュール(18,19)と、レーザ光生成手段11に接続された検出回路(n×Det.)21bと、検出回路21bに接続された電子評価手段(n×SV)22bを備える。更に3ポート光サーキュレータ16の第2ポートから振幅変調器12bに帰還する回路(経路)の一部に設けられたパルス制御システム(PRS)17を備える。
図9に示すレーザ光生成手段11は主発振器(マスター・オシレータ:MO)11として機能し、主発振器(MO)として機能するレーザ光生成手段11は、コヒーレント・レーザ光を複数n個の波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネル上にそれぞれ生成する(nは2以上の正の整数。)。第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、波長λ1,λ2,……,λnのn個の波長チャネルにおいて、個々のパルス形状並びにパルス形状のパルス繰り返し周波数(PRF)及びパルス間隔(RPT)の少なくとも一方を、後述するように制御することを特徴とする。パルス制御システム17の出力は、光増幅器15を制御するように光増幅器15に入力される。検出回路(n×Det.)21bは、波長λ1,λ2,……,λnに対応したnチャネルを構成する、バランス検出器等の検出器(Det.)を含み、3ポート光サーキュレータ16の第3ポートからの出力は、nチャネルの検出器のそれぞれに入力される。検出回路(n×Det.)21bは、個別素子としてのn個の検出器を一体となるように集合若しくは集積化した構成でも、1つの検出器をnチャネルの検出器として機能させる構成でもよい(nは正の整数である。)。
特に、主発振器(MO)として機能するレーザ光生成手段11は、超短光パルスであるコヒーレント光パルスが生成されることが好ましい。波長は、大気の成分により吸収されないようにして選択される。チャネル間の波長の最小間隔は、一般的な光学的手法を用いて、さらに分離自在の波長に対応している。振幅変調器12bは、波長チャネル毎に、別々にコヒーレント・レーザ光を振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する。波長の最大間隔は、光増幅器15の利得帯域幅又は利得特性によって決まる。波長チャネルの数nに制限はない。
送信モジュール(18,19)は、望遠鏡(TK)18と2軸スキャナー等のスキャナー(Sc)19を含み、nチャネルのパルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信光として送信する。更に送信モジュール(18,19)は、スキャナー19及び望遠鏡18を介して、大気により後方散乱されたnチャネルのコヒーレント・レーザ光パルスのそれぞれを、ドップラー・シフトした受信光として受信する機能を備えていてもよい。なお、図9では望遠鏡18からスキャナー19に向かう一方向の矢印で簡略化した表現がされているが、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として双方向性に機能する場合は、図1と同様に、望遠鏡18とスキャナー19の間は両方向の矢印である。一方、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として機能しない場合は、送信モジュール(18,19)の他に、受信光を受信する受信モジュール(図示省略)が存在することは勿論である。
送信モジュール(18,19)が送受信モジュールとして機能する場合、すべての波長チャネルにおける後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められて、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートと第3ポートを経由して、nチャネルでの検出機能を備えた検出回路21bに入力される。検出回路21bを構成するnチャネルの検出器のそれぞれは、大気により後方散乱されたコヒーレント・レーザ光に含まれるパルスのそれぞれを、複数の波長チャネル上でそれぞれ検出する。電子評価手段22bはnチャネルの信号処理回路(SV)を含み、波長チャネルのそれぞれにおいて、送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する。電子評価手段22bは、nチャネルの信号処理回路(SV)をモノリシック若しくはハイブリッドに集積化した構造でも、個別素子としてのn個の信号処理回路(SV)を集合した構造でも構わない。タイミング変調器13は、波長チャネルのそれぞれに割り当てられ、波長チャネルのそれぞれに適したパルス形状、並びにパルス繰り返し周波数(PRF)又はパルス間隔(RPT)或いはその両方を個別に制御する。
図10(a)~図10(c)は、波長1のパルスに対し、波長2及び波長3のパルスの位相をタイミング変調器13によって時間的にシフトすることにより、実効的なパルス繰り返し周波数(PRF)を大きくした例である。又、図10(d)に示すように、波長4のパルスのパルス幅を、タイミング変調器13によって、波長1~3のパルスに比して大きくし、且つパルス繰り返し周波数(PRF)を波長1~3のパルスに比して低くしても、時間的な位相のシフトが可能になる。複数の波長λ1,λ2,……,λnをもつシステムでは、各波長は、別々に測定するチャネルを表す。異なる波長は、異なるタスク毎に最適化できる。
波長は近赤外線スペクトル(1.55μm)を含む帯域であることが好ましい。この特徴的な波長の帯域ために、信号は、大気を通る際にエアロゾル粒子と雲の水滴とにより後方散乱される。大気により後方散乱された赤外線信号の一部は、ドップラー・ライダー検出器としての検出回路21bで受信される。検出された周波数シフトの原因は、後方散乱されたエアロゾルや雲の粒子の自然な動き(ドップラー効果)であり、そこから放射状の風が発生する。
振幅変調器12bによる振幅変調は、全チャネルに対して一括又はチャネル毎に別々に実施できる。パルスの長さ又は形状は自由に選択できる。生成したパルスは周波数変調器14aにより周波数シフトされる。生成され周波数シフトされたパルスは、光増幅器15で一括して増幅される。3ポート光サーキュレータ16は、パルスを望遠鏡18に送り、全波長のレーザ・ビームを拡大して、大気中に送る。すべての波長チャネルからの後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められ、3ポート光サーキュレータ16を経由して検出回路21bを構成するnチャネルの検出器に送られる。レーザ光生成手段11はコヒーレント・レーザ光を生成する主発振器(MO)として機能すると同時に、局部発振器(スレーブ・オシレータ)としても機能する。図9に示すように、レーザ光生成手段11の出力は検出回路21bに導かれ、局部発振器の信号と後方散乱光の信号の重ね合わせは、検出回路21bを構成するそれぞれの検出器でチャネル毎に別々に行われる。局部発振器の信号と後方散乱光の信号の重ね合わせの結果、チャネル毎に別々のヘテロダイン信号になる。ヘテロダイン検波するために、検出回路21bに導かれる局部発振器の信号の周波数は、主発振器の信号の周波数に対しオフセットがかけられていてもよい。nチャネルの信号処理回路による信号処理と任意のA/Dコンバータ(図9において図示を省略している。)によるデジタル化は、最初は、n個の波長チャネルのそれぞれに対して別々に行われる。
背景技術の欄で既に説明したが、本明細書において、異なる波長又はチャネルのパルス形状、パルス持続時間、パルス間隔の組み合わせは、以降、「パルス・シークエンスの波形(waveform)」と呼ぶ。第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、複数n個の波長チャネルを使用する。複数の波長チャネルにおいては、各チャネルは、個々のパルス形状に加えて、それ自体のPRF又はRPTで動作できる。PRF及びRPTの個々の制御は、図9に示すタイミング変調器13によって制御される。各チャネルがそれ自体の独自の測定対象物までの距離を有しているので、サンプル抽出が最適化される。例えば、高いPRFのパルス・シークエンスで作動するチャネルがオーバーリーチ(2次エコー)状態で目標物を検出しているかどうかをチェックするために、少なくとも一つのチャネルを、低いPRFのパルス・シークエンスで並行して作動させる。同時に、高い感度を実現するために、非常に高いPRFのパルス・シークエンスで他のチャネルを作動させるように、複数のチャネルを駆動することができる。式(8)に示すように、高いPRFは、明確範囲Ruaを減少させる。第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーによれば、高いPRFのパルス・シークエンスで作動するチャネルの条件が明確範囲Ruaから外れた2次エコーの目標物(測定対象物)を検出しているかをチェックするために、少なくとも一つのチャネルを低いPRFのパルス・シークエンスで並行して作動させる。そして同時に、高い感度を実現するために、非常に高いPRFのパルス・シークエンスで他の波長チャネルを差動させるように、複数のチャネルを制御ができる。
第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、異なる繰返し周波数、パルス形状、パルス持続時間を同時に生成して評価できる。それを行う時、すべてのn個の波長チャネルが、異なるアルゴリズムを用いて、互いに組み合わせたり、又は比較したりすることができる。異なるパルス繰り返し周波数とパルス形状とパルス間隔とによる、測定対象物までの距離の同時増加による空間分解能の向上を、結果として得ることができる。
(第2実施形態)
個々の周波数変調器を有する本発明の第2実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの主要部の構成は、図11に示すように、レーザ光生成手段11と、レーザ光生成手段11に接続された振幅変調器12bと、振幅変調器12bに接続された周波数変調器14bと、周波数変調器14bに接続された光増幅器15と、光増幅器15に第1ポートを接続された3ポート光サーキュレータ16と、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートに接続された送信モジュール(18,19)と、レーザ光生成手段11に接続された検出回路21bと、検出回路21bに接続された電子評価手段22bを備える。検出回路21bはnチャネルの検出器を含み、3ポート光サーキュレータ16の第3ポートからの出力は、nチャネルの検出器のそれぞれに入力される。
図11に示すレーザ光生成手段11は主発振器として機能する。このレーザ光生成手段11は複数n個の波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネルとして、コヒーレント・レーザ光をそれぞれ生成する。第2実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネルのそれぞれにおいて、個々のパルス形状、好ましくは個々のパルスのPRF及びRPT、並びに個々の波長チャネルに対する周波数変調をする機能に特徴がある。振幅変調器12bは、波長チャネル毎に、別々にコヒーレント・レーザ光を振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する。送信モジュール(18,19)は望遠鏡18と2軸スキャナー等のスキャナー19を含み、nチャネルのパルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信光として送信する。更に送信モジュール(18,19)は、スキャナー19及び望遠鏡18を介して、大気により後方散乱されたnチャネルのコヒーレント・レーザ光パルスのそれぞれを、ドップラー・シフトした受信光として受信する機能を兼ね備えていてもよい。
なお、図11では望遠鏡18からスキャナー19に向かう一方向の矢印で簡略化した表現がされているが、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として双方向性に機能する場合は、図1と同様に、望遠鏡18とスキャナー19の間は両方向の矢印である。一方、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として機能しない場合は、送信モジュール(18,19)の他に、受信光を受信する受信モジュール(図示省略)が存在することは勿論である。送信モジュール(18,19)が送受信モジュールとして機能する場合、すべての波長チャネルにおける後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められて、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートと第3ポートを経由して、nチャネルでの検出機能を備えた検出回路21bに入力される。図11に示すように、局部発振器としても機能するレーザ光生成手段11の出力は検出回路21bに導かれる。局部発振器の信号と後方散乱光の信号の重ね合わせは、検出回路21bを構成するそれぞれの検出器でチャネル毎に別々に行われる。重ね合わせの結果、チャネル毎に別々のヘテロダイン信号になる。検出回路21bを構成するnチャネルの検出器のそれぞれは、大気により後方散乱されたコヒーレント・レーザ光に含まれるパルスのそれぞれを、複数の波長チャネル上でそれぞれ検出する。電子評価手段22bはnチャネルの信号処理回路を含み、信号処理回路のそれぞれの波長チャネルにおいて、送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する。
第2実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、複数n個の波長チャネルを使用し、各チャネルは個々のパルス形状に加えてそれ自体の周波数変調器を持つ。これは、周波数変調器14bによって制御される。周波数変調器14bは、各チャネルを個々にオフできるので、パルス間のチャネルの休止期間中に干渉光がシステムに入射することを防止できる。また、異なる周波数オフセット(Δν1,Δν2,……)をチャネル毎に選択できるので、多波長ドップラー・ライダーが測定できる風速に関して独自の測定対象物までの距離を拡大できる。異なる周波数オフセットΔν1,Δν2,……に対応するレーザ光の波長を、それぞれλ0-Δλ,λ0-Δλ2,……とする。波長λ0-Δλ,λ0-Δλ2,……のレーザ光によるドップラー効果による偏移周波数を、それぞれΔf1,Δf2,……とすると、波長λ0-Δλ,λ0-Δλ2,……のレーザ光によって測定された視線方向の風速v1,v2,……はそれぞれ、

1=(λ0-Δλ1)(Δf1/2) ……(10a)
2=(λ0-Δλ2)(Δf2/2) ……(10b)
………………

で与えられる。図示を省略しているが、第2実施形態に係るライダー・システムは、図9で述べたようなタイミング変調器を使用することが好ましい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの主要部の構成は、図12に示すように、レーザ光生成手段11と、レーザ光生成手段11に接続された振幅変調器12bと、振幅変調器12bに接続された周波数変調器14と、周波数変調器14に接続された光増幅器15と、光増幅器15に第1ポートを接続された3ポート光サーキュレータ16と、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートに接続された送信モジュール(18,19)と、レーザ光生成手段11に接続された検出回路21bと、検出回路21bに接続された電子評価手段22bと、電子評価手段22bに接続されたA/Dコンバータ(DV)23と、電子評価手段22b及びA/Dコンバータ23の出力側に接続された最適化回路(OPT)24と、最適化回路24の入力側に接続された外部センサ(ES)26を備える。
図12に示すように、第3実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは最適化回路(OPT)24を備えているので、パルス・シークエンスの波形の自動最適化機能を有することが特徴である。なお、「パルス・シークエンスの波形」とは、既に第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの説明等で定義したように、パルス形状、パルス持続時間、パルス間隔の組み合わせを包括的に含むパルス・シークエンスの全体に対する概念である。第3実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、更に3ポート光サーキュレータ16の第2ポートから振幅変調器12bに帰還する回路(経路)の一部に設けられたパルス制御システム17を備える。検出回路21bはnチャネルの検出器を含み、3ポート光サーキュレータ16の第3ポートからの出力は、nチャネルの検出器のそれぞれに入力される。パルス制御システム17の出力は、光増幅器15を制御するように光増幅器15に入力される。
図12に示すレーザ光生成手段11は主発振器として機能する。このレーザ光生成手段11はコヒーレント・レーザ光を複数n個の波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネル上にそれぞれ生成する。そして、振幅変調器12bは、波長チャネル毎に、別々にコヒーレント・レーザ光を振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する。送信モジュール(18,19)は望遠鏡18とスキャナー19を含み、nチャネルのパルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信する。送信モジュール(18,19)は更にスキャナー19及び望遠鏡18を介して、大気により後方散乱されたnチャネルのコヒーレント・レーザ光パルスのそれぞれを、ドップラー・シフトした受信光として受信する機能を兼ね備えていてもよい。なお、図12では望遠鏡18からスキャナー19に向かう一方向の矢印で簡略化した表現がされているが、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として双方向性に機能する場合は、図1と同様に、望遠鏡18とスキャナー19の間は両方向の矢印である。一方、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として機能しない場合は、送信モジュール(18,19)の他に、受信光を受信する受信モジュール(図示省略)が存在することは勿論である。送信モジュール(18,19)が送受信モジュールとして機能する場合、すべての波長チャネルにおける後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められて、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートと第3ポートを経由して、nチャネルでの検出機能を備えた検出回路21bに入力される。
図12に示すように、局部発振器としても機能するレーザ光生成手段11の出力は検出回路21bに導かれる。検出回路21bを構成するそれぞれの検出器で、局部発振器の信号と後方散乱光の信号の重ね合わせがチャネル毎になされた結果、チャネル毎に別々のヘテロダイン信号になる。検出回路21bを構成するnチャネルの検出器のそれぞれは、大気により後方散乱されたコヒーレント・レーザ光に含まれるパルスのそれぞれを、複数の波長チャネル上でそれぞれ検出する。電子評価手段22bはnチャネルの信号処理回路を含み、信号処理回路のそれぞれの波長チャネルにおいて、送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する。
第3実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは複数n個の波長チャネルを使用する。複数の波長チャネルにおいては、パルス・シークエンスの波形が、特定の測定状況とタスクとに自動的に適応される。特定の測定状況は、環境の現在状態(例えば、エアロゾル密度、気象条件、温度、気圧、湿度)により決まる。環境の現在状態は、外部センサ26により検出できる。或いは、環境の現在状態を多波長ドップラー・ライダーの信号から導出してもよい。更には、環境の現在状態を電子評価手段22b及びA/Dコンバータ23から導出してもよい。外部センサ26からのセンサ・データは最適化回路24で記録される。最適化回路24は、履歴データや周知の物理的関連性に基づいて最適なパルス・シークエンスの波形を決定できる。パルス・シークエンスの波形をいろいろと変えると、独自にパルス・シークエンスの波形を最適化することも可能である。例えば、周知の人工知能(AI)又は機械学習技術用のコンピュータのハードウエア資源若しくはソフトウェア資源を、この目的のために使用できる。
例えば、乱気流が増加すると、短いパルスの方が、より効果的に測定できる。したがって、大気の乱気流が激しくなると、より高いPRFのパルス・シークエンスを有する短いパルスを用いて、長い測定対象物までの距離での測定が待望される。しかし、式(8)に示すように、高いPRFは、明確範囲Ruaを減少させる。第3実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーによれば、高いPRFのパルス・シークエンスで作動するチャネルの条件が明確範囲Ruaから外れた2次エコーの目標物(測定対象物)を検出しているかをチェックするために、少なくとも一つのチャネルを、低いPRFのパルス・シークエンスで並行して作動させる。即ち、少なくとも一つのチャネルにおいて低いPRFのパルス・シークエンスで2次エコー・リカバリーをさせ、測定対象物までの距離を独自に増大させるようにして、複数のチャネルのパルス・シークエンスの波形を、それぞれ個別に制御できる。
本発明の好ましい技術的な効果が、長所/効果の観点から表2に要約されている。本発明に係る特徴は、互いに独立して組み合わせることができる。好ましくは、それらは一緒に実現する。
Figure 2022170737000008
図13Aと図13Bは、異なるPRFによる2次エコー補正のために最適化の方法を説明するためのパルス・シーケンスの比較を示す。図13A(a)はPRF=5kHzのチャネル1のパルス・シーケンスを示し、図13A(b)はPRF=10kHzのチャネル2のパルス・シーケンスを示すタイミング図13A(a)及び(b)は、最適化されていないパルス・シーケンスの例である。平均パルス間隔は約(100μs+100μs)/2=100μsである。図13A(a)と(b)の関係から読める100μsは、PRF=10kHzに対応する。図13B(a)に示すPRF=5kHzのチャネル1のパルス・シーケンスに対し、図13B(b)に示すPRF=10kHzのチャネル2のパルス・シーケンスは、位相が時間軸でシフトしており、最適化が図られた例である。図13B(a)と(b)の関係からは、約(50μs+100μs+50μs)/3=66μsの最小平均時間で最適化されたパルス間隔が読める。図13B(a)及び(b)から読める66μsは、PRF=15kHzに対応する。最適化により、光増幅器(ファイバー光増幅器)15の自然放出、即ち自然放射増幅光(ASE)が減少し、パルス・エネルギーが増加するので、システム全体の性能が向上する。図13Bに示す例では,光増幅器15は約15kHzで最適に動作している。
図13C(a)~(c)は、PRF=2.5kHzのチャネル1~チャネル3のパルス・シーケンスを示し、図13C(d)はPRF=7.5kHzのチャネル4のパルス・シーケンスを示すタイミング図13C(a)~(d)は、最適化されていないパルス・シーケンスの例である。図13C(a)~(c)のPRF=2.5kHzに対し、式(8)から60kmの明確範囲Ruaが存在することが分かるが、光増幅器15はPRF=7.5kHzのチャネル4に対して十分にシードされていない。図13C(a)~(d)に示す最適化されていないパルス・シーケンスの例に対し、図13D(a)~(d)に示すパルス・シーケンスは、4つのチャネル1~4に対して、異なるPRFとパルス長を有するパルス・シーケンスを示す。
図13D(a)~(d)に示すパルス・シーケンスは、ブラインド領域を低減するために最適化されたパルス・シーケンスの例である。図13D(a)に示すPRF=2.5kHzのチャネル1のパルス・シーケンスに対し、図13D(b)に示すPRF=2.5kHzのチャネル2及び3のパルス・シーケンスは、位相が時間軸で132μsシフトしている。図13D(b)に示すPRF=2.5kHzのチャネル2のパルス・シーケンスに対し、図13D(c)に示すPRF=2.5kHzのチャネル3のパルス・シーケンスは、位相が時間軸で132μsシフトしている。同様に、図13D(a)~(c)に示すPRF=2.5kHzのチャネル1~3のパルス・シーケンスに対し、図13D(d)に示すPRF=7.5kHzのチャネル4のパルス・シーケンスは、位相が時間軸で66μs=15KHzシフトしており、最適化が図られた例である。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、第3実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの特徴に加え、パルス・シークエンスの波形の自動(自己)最適化機能を備えることを特徴とする。なお、「パルス・シークエンスの波形」とは、既に第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの説明で定義したように、パルス形状、パルス持続時間、パルス間隔の組み合わせを、包括的に含むパルス・シークエンスの全体に対する概念である。即ち、本発明の第4実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの主要部の構成は、図14に示すように、レーザ光生成手段11と、レーザ光生成手段11に接続された振幅変調器12bと、振幅変調器12bに接続されたタイミング変調器13と、タイミング変調器13に接続された周波数変調器14と、周波数変調器14に接続された光増幅器15と、光増幅器15に第1ポートを接続された3ポート光サーキュレータ16と、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートに接続された送信モジュール(18,19)と、レーザ光生成手段11に接続された検出回路21bと、検出回路21bに接続された電子評価手段22bと、電子評価手段22bに接続されたA/Dコンバータ23と、電子評価手段22b及びA/Dコンバータ23の出力側に接続された最適化回路24を備える。
図14に示すように、最適化回路24の出力は、振幅変調器12b、タイミング変調器13及び周波数変調器14に導入される。更に3ポート光サーキュレータ16の第2ポートから振幅変調器12bに帰還する回路(経路)の一部に設けられたパルス制御システム17を備える。パルス制御システム17の出力は、光増幅器15を制御するように光増幅器15に入力される。検出回路21bはnチャネルの検出器を含み、3ポート光サーキュレータ16の第3ポートからの出力は、nチャネルの検出器のそれぞれに入力される。
図14に示すレーザ光生成手段11は主発振器として機能する。レーザ光生成手段11はコヒーレント・レーザ光を複数n個の波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネル上にそれぞれ生成する。そして、第4実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネルに対応した個々のチャネルにおいて、パルス形状の制御、個々のパルス・シークエンスのPRF及びRPTの少なくとも一方の制御、更には個々のチャネルの周波数変調が、自己最適化によるパルス・シークエンスの波形の最適化に加えてなされる。このため、振幅変調器12bは、波長チャネル毎に、別々にコヒーレント・レーザ光を振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する。送信モジュール(18,19)は望遠鏡18とスキャナー19を含み、nチャネルのパルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信光として送信する。なお、送信モジュール(18,19)は更に、スキャナー19及び望遠鏡18を介して、大気により後方散乱されたnチャネルのコヒーレント・レーザ光パルスのそれぞれを、ドップラー・シフトした受信光として受信する機能を兼ね備えていてもよい。図14では望遠鏡18からスキャナー19に向かう一方向の矢印で簡略化した表現がされているが、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として双方向性に機能する場合は、図1と同様に、望遠鏡18とスキャナー19の間は両方向の矢印である。一方、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として機能しない場合は、送信モジュール(18,19)の他に、受信光を受信する受信モジュール(図示省略)が存在することは勿論である。
送信モジュール(18,19)が送受信モジュールとして機能する場合、すべての波長チャネルにおける後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められて、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートと第3ポートを経由して、nチャネルでの検出機能を備えた検出回路21bに入力される。図14に示すように、局部発振器としても機能するレーザ光生成手段11の出力は検出回路21bに導かれる。検出回路21bを構成するそれぞれの検出器で、局部発振器の信号と後方散乱光の信号の重ね合わせがなされ、チャネル毎に別々のヘテロダイン信号になる。検出回路21bを構成するnチャネルの検出器のそれぞれは、大気により後方散乱されたコヒーレント・レーザ光に含まれるパルスのそれぞれを、複数の波長チャネル上でそれぞれ検出する。電子評価手段22bはnチャネルの信号処理回路を含み、信号処理回路のそれぞれの波長チャネルにおいて、送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する。タイミング変調器13は、波長チャネルのそれぞれに割り当てられ、波長チャネルのそれぞれに適したパルス形状、並びにPRF又はRPT或いはその両方を個別に制御する。
第4実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、複数n個の波長チャネルを使用する。複数の波長チャネルにおいては,パルス・シークエンスの波形のそれぞれを特定の測定状況と測定タスクとに自動的に適応できる。測定状況は、環境の現在の状態(例えば、エアロゾル密度、気象条件、温度、気圧、湿度)によって決定できる。多波長ドップラー・ライダーは、検出回路21bが検出した測定データを、電子評価手段22b及びA/Dコンバータ23を介して入力し、パルス・シークエンスの波形を最適化する。これは最適化回路24によって行われる。最適化回路24は、振幅変調器12bによる振幅変調やタイミング変調器13や周波数変調器14bの機能ブロックを制御できる、適切なソフトウェアを備える好都合なコンピュータである。ソフトウェアは、履歴データと周知の物理的関連性とに基づいて最適なパルス・シークエンスの波形を計算する、プログラム化されたアルゴリズムから実施できる。さらに、人工知能用のハードウエア資源若しくはソフトウェア資源は、自らを機械学習でトレーニングする又はトレーニングされるものとして使用できる。
例えば、より短いパルスは、増大する乱気流の存在時に、より効果的に測定する。したがって、大気中に増大した乱気流が存在する場合、より高いPRFのパルス・シークエンスを呈するより短いパルスを用いて、遠く離れた位置に存在する目標物(測定対象物)に関連付けられた測定が待望される。しかしながら、式(8)に示すように、高いPRFは明確範囲Ruaを減少させる。このため、第4実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーにおいては、高いPRFのパルス・シークエンスで作動するチャネルの条件が明確範囲Ruaから外れた2次エコーの目標物(測定対象物)を検出しているかをチェックするために、少なくとも一つのチャネルを低いPRFのパルス・シークエンスで並行して作動させる。即ち、異なるPRFのパルス・シークエンスを個別のチャネルに用いた複数のチャネルを使用し、2次エコー・リカバリーを介して、測定対象物までの距離の独自の増大をすることができる。
表3は、自己最適化の例を示す。この場合、多波長ドップラー・ライダーは、エネルギー散逸率が最適に測定されるように自らを最適化する。
Figure 2022170737000009
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの主要部の構成は、図15に示すように、レーザ光生成手段11と、レーザ光生成手段11に接続された振幅変調器12bと、振幅変調器12bに接続されたタイミング変調器13と、タイミング変調器13に接続された周波数変調器14と、周波数変調器14に接続された光増幅器15と、光増幅器15に第1ポートを接続された3ポート光サーキュレータ16と、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートに接続された送信モジュール(18,19)と、レーザ光生成手段11に接続された検出回路21bと、検出回路21bに接続された電子評価手段22bと、電子評価手段22bに接続されたA/Dコンバータ23と、A/Dコンバータ23に接続された最適化回路24と、最適化回路24の入力側にそれぞれ接続された数値モデル・プロセッサ(NUM)25及び外部センサ(ES)26を備える。
図15に示すように、最適化回路24の出力は、振幅変調器12b、タイミング変調器13及び周波数変調器14に導入される。更に3ポート光サーキュレータ16の第2ポートから振幅変調器12bに帰還する回路(経路)の一部に設けられたパルス制御システム17を備える。パルス制御システム17の出力は、光増幅器15を制御するように光増幅器15に入力される。検出回路21bはnチャネルの検出器を含み、3ポート光サーキュレータ16の第3ポートからの出力は、nチャネルの検出器のそれぞれに入力される。
図15に示すレーザ光生成手段11は主発振器として機能する。このレーザ光生成手段11はコヒーレント・レーザ光を複数n個の波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネル上にそれぞれ生成する。そして、第5実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、波長λ1,λ2,……,λnの個々の波長チャネルにおいて、それぞれのパルス形状の制御、個々のパルス・シークエンスのPRF及びRPTの制御、個々の周波数変調、並びに自己最適化又は外部センサや数値モデルを用いた最適化、或いはその両方によるパルス・シークエンスの波形の最適化がなされることを特徴とする。このため、振幅変調器12bは、波長チャネル毎に、別々にコヒーレント・レーザ光を振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する。送信モジュール(18,19)は望遠鏡18とスキャナー19を含み、nチャネルのパルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信光として送信する。更に送信モジュール(18,19)は、スキャナー19及び望遠鏡18を介して、大気により後方散乱されたnチャネルのコヒーレント・レーザ光パルスのそれぞれを、ドップラー・シフトした受信光として受信する機能を兼ね備えていてもよい。なお、図15では望遠鏡18からスキャナー19に向かう一方向の矢印で簡略化した表現がされているが、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として双方向性に機能する場合は、図1と同様に、望遠鏡18とスキャナー19の間は両方向の矢印である。一方、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として機能しない場合は、送信モジュール(18,19)の他に、受信光を受信する受信モジュール(図示省略)が存在することは勿論である。
送信モジュール(18,19)が送受信モジュールとして機能する場合、すべての波長チャネルにおける後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められて、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートと第3ポートを経由して、nチャネルでの検出機能を備えた検出回路21bに入力される。図15に示すように、局部発振器としても機能するレーザ光生成手段11の出力は検出回路21bに導かれ、検出回路21bを構成するそれぞれの検出器で、後方散乱光の信号と重ね合わせがなされ、チャネル毎のヘテロダイン信号になる。検出回路21bを構成するnチャネルの検出器のそれぞれは、大気により後方散乱されたコヒーレント・レーザ光に含まれるパルスのそれぞれを、複数の波長チャネル上でそれぞれ検出する。電子評価手段22bはnチャネルの信号処理回路を含み、信号処理回路のそれぞれの波長チャネルにおいて、送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する。タイミング変調器13は、波長チャネルのそれぞれに割り当てられ、波長チャネルのそれぞれに適したパルス形状、並びにPRF又はRPT或いはその両方を個別に制御する。
第4実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーにおける前述した自己最適化の構成に加えて、第5実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーでの最適化は、外部センサ(ES)26を用いて行うこともできる。外部センサ26に加えて、データは、数値モデル・プロセッサ25から最適化回路24に送ることもできる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの主要部の構成は、図16に示すように、レーザ光生成手段11と、レーザ光生成手段11に接続された振幅変調器12bと、振幅変調器12bに接続されたタイミング変調器13と、タイミング変調器13に接続された周波数変調器14と、周波数変調器14にそれぞれ接続された第1光増幅器(A1)15a、第2光増幅器(A2)15b~第n光増幅器(An)15cと、第1光増幅器15a、第2光増幅器15b~第n光増幅器15cのそれぞれに第1ポートを接続された3ポート光サーキュレータ16と、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートに接続された送信モジュール(18,19)と、レーザ光生成手段11に接続された検出回路21bと、検出回路21bに接続された電子評価手段22bと、電子評価手段22bに接続されたA/Dコンバータ23と、電子評価手段22b及びA/Dコンバータ23の出力側に接続された最適化回路24と、最適化回路24の入力側にそれぞれ接続された数値モデル・プロセッサ25及び外部センサ26を備える。
図16に示すように、最適化回路24の出力は、振幅変調器12b、タイミング変調器13及び周波数変調器14に導入される。更に3ポート光サーキュレータ16の第2ポートから振幅変調器12bに帰還する回路(経路)の一部に設けられたパルス制御システム17を備える。パルス制御システム17の出力は、第1光増幅器15a、第2光増幅器15b~第n光増幅器15cを個別に制御するように第1光増幅器15a、第2光増幅器15b~第n光増幅器15cのそれぞれに入力される。検出回路21bはnチャネルの検出器を含み、3ポート光サーキュレータ16の第3ポートからの出力は、nチャネルの検出器のそれぞれに入力される。
図16に示すレーザ光生成手段11は主発振器として機能する。このレーザ光生成手段11はコヒーレント・レーザ光を複数n個の波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネル上にそれぞれ生成する。そして、振幅変調器12bは、波長チャネル毎に、別々にコヒーレント・レーザ光を振幅変調して波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する。送信モジュール(18,19)は望遠鏡18とスキャナー19を含み、nチャネルのパルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信光として送信する。更に送信モジュール(18,19)は、スキャナー19及び望遠鏡18を介して、大気により後方散乱されたnチャネルのコヒーレント・レーザ光パルスのそれぞれを、ドップラー・シフトした受信光として受信する機能を兼ね備えていてもよい。なお、図16では望遠鏡18からスキャナー19に向かう一方向の矢印で簡略化した表現がされているが、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として双方向性に機能する場合は、図1と同様に、望遠鏡18とスキャナー19の間は両方向の矢印である。一方、送信モジュール(18,19)が「送受信モジュール」として機能しない場合は、送信モジュール(18,19)の他に、受信光を受信する受信モジュール(図示省略)が存在することは勿論である。
送信モジュール(18,19)が送受信モジュールとして機能する場合、すべての波長チャネルにおける後方散乱光は、望遠鏡18で再び集められて、3ポート光サーキュレータ16の第2ポートと第3ポートを経由して、nチャネルでの検出機能を備えた検出回路21bに入力される。図16に示すように、局部発振器としても機能するレーザ光生成手段11の出力は検出回路21bに導かれ、検出回路21bを構成するそれぞれの検出器で後方散乱光の信号と重ね合わせがなされ、チャネル毎のヘテロダイン信号になる。検出回路21bを構成するnチャネルの検出器のそれぞれは、大気により後方散乱されたコヒーレント・レーザ光に含まれるパルスのそれぞれを、複数の波長チャネル上でそれぞれ検出する。電子評価手段22bはnチャネルの信号処理回路を含み、信号処理回路のそれぞれの波長チャネルにおいて、送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する。タイミング変調器13は、波長チャネルのそれぞれに割り当てられ、波長チャネルのそれぞれに適したパルス形状、並びにPRF又はRPT或いはその両方を個別に制御する。
第5実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの構成に加えて、第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーでは、個々の第1光増幅器15a、第2光増幅器15b~第n光増幅器15cがチャネル毎に設けられている。そこで、より高い平均パワーが可能となり、より高い平均パワーに伴ってより高い感度が可能になる。
(小括)
本発明の第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、空気分子とエアロゾルとにより後方散乱されるパルス・レーザ・ビームを用いて、リアルタイムで風速ベクトルを正確に測定することを可能にする。上述した第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの構造と第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの評価方法によれば、測定対象が遠隔地にある状況においても、且つ低い後方散乱密度の場合であっても、風速の測定が実現できる。特に、チャネル毎に異なるパルス繰り返し周波数/パルス間隔を使用しているので、優れた測定システムを可能にしている。例えば、2次エコー・リカバリーは、干渉を元に戻す又は防止できることを意味する。式(8)に示すように、低いPRFは長い明確範囲Ruaを与える。長い明確範囲Ruaでライダー・チャネルを操作すると、遠隔地に位置する測定対象物(目標物)を検出して風速を測定できる。第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの評価方法においては、少なくとも一つのチャネルを低いPRFのパルス・シークエンスで作動させると共に、他の波長チャネルを高いPRFのパルス・シークエンスで差動させるように、複数のライダー・チャネルを個別に操作できる。このため、測定対象物(目標物)までの距離が長い場合であっても、風速の測定が正確にでき、且つ最初のトリップ・エコーが測定されなかった、高いPRFのパルス・シークエンスによるライダー・チャネルにおける干渉を元に戻すことができる。
第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、例えば、地上における風速の測定、ウインドシア、乱気流、他の風や気象の状況を検出する場合に好適である。特に、空港における風速の測定、ウインドシア、乱気流、他の風や気象の状況の検出に好適である。更に、第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、風力タービン等によるパルス状に風力が伝送される場合の測定にも適用できる。更に、第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、陸上、空中又は水上の乗り物の上におけるパルス状の風力の伝送の測定にも適用できる。
要約すると、本発明の第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーは、n個の波長λ1,λ2,……,λnからなる波長チャネル上でコヒーレント・レーザ光を生成するレーザ光生成手段(装置)である主発振器と、チャネル毎に個々にパルスを形成するために個々の波長チャネル毎に別々に行われる振幅変調器12bによる振幅変調と、所定の空間方向にレーザ光が生成され、周波数シフトされ、増幅されたパルスを送信する送信モジュール(18,19)である望遠鏡18及びスキャナー19と、生成され後方散乱されたレーザ光を、n個の波長チャネル上でそれぞれ検出する検出器を含む検出回路21bと、n個の波長チャネル上で送信光と受信光の間のドップラー・シフト量を決定する電子評価手段(装置)であるnチャネルの信号処理回路とを備え、風速を検出する。
タイミング変調器13は、波長チャネルに適したパルス形状に加えて、PRF又はRPT、或いはその両方を個別に制御するために、n個の波長チャネルに割り当てられるように、第1~第6実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーに用いられる。タイミング変調器13は、n個の波長チャネルのそれぞれに対して異なるPRF又はRPT或いはその両方を制御する。
周波数シフト用にn個の波長チャネルに分離された周波数変調器14bが提供されるので、生成されたパルス又はパルス・シーケンスは、n個の波長チャネルのそれぞれに対して別々に周波数シフトすることができる。
レーザ光は、送信光として周波数f(T)で大気中に放出され、大気中に存在するエアロゾルでレーザ光を散乱させて、周波数f(T)とは偏移周波数Δfだけ異なる周波数f(R)の受信光として受信されるので、遠隔地の気流の風速を検出できる。n個の波長チャネルの個々のパルス形状を自動的に最適化するために、最適化回路24が設けられ、最適化回路24は、少なくとも1つの外部センサ26により、風、ウインドシア、乱気流のような気象現象を検出し、パルス・シークエンスの波形をそれぞれの測定状況に適応させる。なお、既に第1実施形態に係る多波長ドップラー・ライダーの説明で定義したように、「パルス・シークエンスの波形」とは、パルス形状、パルス持続時間、パルス間隔の組み合わせを包括的に含むパルス・シークエンスの全体に対する概念である。
最適化回路24は、パルス・シークエンスの波形の自己最適化用に設計されている。検出回路21bが検出した測定データが最適化回路24に送られ、最適化回路24は、振幅変調器12b、タイミング変調器13、又は周波数変調器14bの少なくともいずれかの制御アクセスを有する。最適化回路24は、ソフトウェアを備えるコンピュータとして設計されており、ソフトウェアは、履歴データと物理的関連性に基づいて波長チャネルに最適なパルス・シークエンスの波形を決定する。最適化回路24を駆動制御する人工知能(AI)用のコンピュータからなるハードウエア資源若しくはソフトウェア資源を備えるようにしてもよい。
本発明が、ここで十分に説明されたので、当業者には、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなく、それらに多くの変更および修正を行うことができることは明らかであろう。
11…レーザ光生成手段(主発振器MO)、12b,12q…振幅変調器(AM)、13…タイミング変調器(TM)、14,14a,14b,14q…周波数変調器(FV)、15…光増幅器(Av)、15a…第1光増幅器(A1)、15b…第2光増幅器(A2)、15c…第n光増幅器(An)、16…3ポート光サーキュレータ(ZI)、17…パルス制御システム(PRS)、18…望遠鏡(TK)、19…スキャナー(Sc)、21b…検出回路(n×Det.)、21q…バランス検出器、22b…電子評価手段(n×SV)、23…A/Dコンバータ、24…最適化回路(OPT)、25…数値モデル・プロセッサ(NUM)、26…外部センサ(ES)


Claims (8)

  1. コヒーレント・レーザ光を、複数の波長チャネル上にそれぞれ生成するレーザ光生成手段と、
    別々に振幅変調して前記波長チャネル毎に個別のパルスをそれぞれ生成する振幅変調器と、
    前記パルスのそれぞれを、所定の空間方向に送信光として送信する送信モジュールと、
    前記パルスのそれぞれが大気により後方散乱されたことによる受信光に含まれる前記パルスのそれぞれを、前記波長チャネル毎にそれぞれ検出する検出回路と、
    前記波長チャネルのそれぞれにおいて、前記送信光と前記受信光の間のドップラー・シフト量を決定する電子評価手段と、
    前記パルスのパルス繰り返し周波数及びパルス間隔の少なくとも一方、並びにパルス形状を、前記波長チャネルのそれぞれにおいて個別に制御するタイミング変調器と、
    を備え、前記大気の風速を検出することを特徴とする多波長ドップラー・ライダー。
  2. 前記タイミング変調器は、前記波長チャネルのそれぞれに対し、互いに異なるパルス繰り返し周波数及び異なるパルス間隔の少なくとも一方を有するように、制御することを特徴とする請求項1に記載の多波長ドップラー・ライダー。
  3. 前記波長チャネルのそれぞれにおいて、前記パルス又は前記パルスのシーケンスを、別々に周波数シフトする周波数変調器を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の多波長ドップラー・ライダー。
  4. 前記送信光を周波数f(T)で前記大気中に放出し、前記大気中に存在するエアロゾルで前記送信光を散乱させて、前記周波数f(T)とは異なる周波数f(R)の前記受信光として受信し、前記風速を検出することを特徴とする請求項3に記載の多波長ドップラー・ライダー。
  5. 前記波長チャネルのそれぞれのパルス形状を自動的に最適化する最適化回路と、
    前記最適化回路に接続された少なくとも1つの外部センサと
    を更に備え、前記最適化回路は、前記少なくとも1つの外部センサにより、風、ウインドシア、乱気流を含む気象現象を検出し、前記パルス形状を前記気象現象のそれぞれの測定状況に適応させることを特徴とする請求項3に記載の多波長ドップラー・ライダー。
  6. 前記最適化回路は、前記パルス形状の自己最適化用に設計されており、
    前記検出回路が検出した測定データが前記最適化回路に送られ、
    前記最適化回路は、前記振幅変調器、前記タイミング変調器、又は前記周波数変調器の少なくともいずれかに対する制御アクセスを有することを特徴とする請求項5に記載の多波長ドップラー・ライダー。
  7. 前記最適化回路は、ソフトウェアを備えるコンピュータとして設計されており、前記ソフトウェアは、履歴データと物理的関連性に基づいて前記波長チャネルのそれぞれに最適な、前記パルスのパルス繰り返し周波数及び前記パルス間隔の少なくとも一方、並びに前記パルス形状を決定することを特徴とする請求項5又は6に記載の多波長ドップラー・ライダー。
  8. 前記最適化回路を駆動制御する人工知能用のコンピュータが更に備えられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の多波長ドップラー・ライダー。
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