JP2010127840A - 光波レーダ装置 - Google Patents

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嘉仁 平野
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Abstract

【課題】コヒーレントドップラーライダ技術による光波レーダ装置において、高精度な速度および距離の計測を可能にした装置を提供する。
【解決手段】光ファイバコリメータ光学系12からの受信光と基準レーザ光源部1からの局部発振光の合波光から得られるビート信号の周波数成分を解析して対象物の速度を検出する第1信号処理部(16,17)と、送信光を伝送する光ファイバ伝送路において発生し後方へと伝搬する誘導ブリルアン散乱光を送信光から分離する分離用光路切り替え部(7)と、分離された誘導ブリルアン散乱光を送信光へ結合させるための第2光路合成部(11)と、光ファイバコリメータ光学系12から送受信された誘導ブリルアン散乱光により、パルス光の往復時間から対象物までの距離を検出する第2信号処理部(18,19)と、備えた。
【選択図】図1

Description

この発明はレーザ光を空間に照射して対象物からの散乱光を受信してヘテロダイン検波を行い、ドップラーシフトを検出することにより速度を測定する光波レーダ装置に関する。
単一周波数のレーザ光を光送受信部から大気中に照射してエアロゾル散乱光を受信し、光ヘテロダイン受信部で散乱光のドップラーシフトを検出することによって、風速の測定を行うコヒーレントドップラーライダ技術は、気象観測、気象予測、航空・交通安全のための乱気流検出等への応用が期待できる。単一周波数のパルス光を送受信する光波レーダ装置において、連続光の基準レーザ光源を2分岐して一方を局部発振光とし、他方を音響光学素子(AOM)によりパルス切り出し後に光増幅し、空間放出後にエアロゾル散乱光をミキシングする方式を用いた装置が実現されている(例えば下記特許文献1参照)。
上記光波レーダ装置においては、風速の測定を行うためにエアロゾルを対象といているが、送信光の照射対象を固体の移動体とした場合には、同様の測定原理により移動体の移動速度を検出できる。
特許第3881313号公報
対象物からの散乱光を受信しドップラーシフトを検出することによって移動体の速度を測定するコヒーレントドップラーライダでは、移動体の速度と移動体までの距離を同時に高精度に測定したいという要求があった。
しかし、コヒーレントドップラーライダでは、距離分解能を改善するためには送信光のパルス幅を短縮する必要があるが、パルス幅を短縮するとこの逆数に比例してスペクトルが広がるため速度分解能が低下する課題があった。
これを回避するために、十分な速度分解能が得られるように送信光のパルス幅を設定したコヒーレントドップラーライダと、高距離分解能で遠方までの距離を測定する測距装置を組み合わせ、対象物へと視線を合わせて測定を行うことにより、高精度な速度および距離計測の両立を図る方法が考えられる。
しかし、コヒーレントドップラーライダと測距装置の測定方向を全計測距離範囲に渡って厳密に一致させることは難しく、調整が必要となる。また、装置を組み合わせることにより装置全体が複雑化、大型化するという問題がある。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、コヒーレントドップラーライダ技術による光波レーダ装置において、高精度な速度および距離の計測を可能にした装置を提供することを目的とする。
この発明は、単一周波数の連続発振レーザ光を発生する基準レーザ光源部と、前記基準レーザ光源部により発生させたレーザ光を伝送する光ファイバ伝送路と、前記基準レーザ光源部により発生させたレーザ光を送信光と局部発振光に分波する光路分離部と、前記送信光をパルス化し規定の周波数変化を付加する音響光学変調器と、パルス化および周波数変化を付加された送信光のパワーを増幅する光ファイバ増幅器と、光ファイバ伝送された増幅された送信光を空中に放出するとともに、対象物からの散乱光を受信光として光ファイバ伝送路に結合するための送受信共用の光ファイバコリメータ光学系と、送信光と受信光の光路を切り替える送受信光路切り替え部と、受信光と局部発振光とを合成する第1光路合成部と、受信光と局部発振光の合波光から得られるビート信号の周波数成分を解析して対象物の速度を検出する第1信号処理部と、送信光を伝送する前記光ファイバ伝送路(3)において発生し後方へと伝搬する誘導ブリルアン散乱光を送信光から分離する分離用光路切り替え部と、分離された誘導ブリルアン散乱光を送信光へ結合させるための第2光路合成部と、前記光ファイバコリメータ光学系から送受信された誘導ブリルアン散乱光により、パルス光の往復時間から対象物までの距離を検出する第2信号処理部と、を備えたことを特徴とする光波レーダ装置にある。
この発明では、コヒーレントドップラーライダ技術による光波レーダ装置において、高精度な速度および距離の計測を可能にした装置を提供できる。
この発明は、単一周波数のパルス光を送信しエアロゾル等からの散乱光のドップラー周波数シフトを光ヘテロダイン検出する光波レーダ装置において、十分な速度分解能を確保できるように送信光のパルス幅を設定した状態で、送信光を伝送する光ファイバで発生し後方へと伝搬する幅の短いパルス状の誘導ブリルアン散乱光を、光路を切り替えて送信光と同軸で送受信することにより対象物までの距離を計測し、高精度な速度および距離計測を同時に同一の装置で行うものである。
ここでは、大気中のエアロゾルを送信光の散乱対象として風速測定を行う波長1.55μm帯のコヒーレントドップラーライダをもとに、この発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の一実施の形態による光波レーダ装置の構成図である。図1において、1は連続発振波の基準レーザ光源部、2は基準レーザ光源部1の出力光を送信光光路3と局部発振光光路4に分割するための第1の光分波器、3は送信光を伝送するための光ファイバ型の送信光光路、4は局部発振光を伝送するための光ファイバ型の局部発振光光路、5は基準レーザ光源部1の連続発振波の出力光をパルス化し周波数シフトを与えるための音響光学変調器(以下AOM)である。
6はAOM5を駆動させる動作波形を与えるためのパルスジェネレータ、7は送信光光路3と誘導ブリルアン散乱光光路20を切り替えるための第1の光サーキュレータ、8は送信光パワーを増強するための光ファイバ増幅器、9は誘導ブリルアン散乱の発生点、10は送信光と受信光を分離するための第2の光サーキュレータである。
11は誘導ブリルアン散乱光と送信光を合波するための第1の光合波器、12はレーザ光の送受信を行うための送受信用望遠鏡、13は受信光を伝送するための光ファイバ型の受信光光路、14は受信光の一部を取り出すための第2の光分波器、15は受信光と局部発振光を合波するための第2の光合波器である。
16は受信光と局部発振光の合波光からビート信号を得るための第1の光検波器、17は第1の光検波器16からの電気信号の周波数成分の解析を行うための第1の信号処理装置、18は受信光の強度を電気信号へと変換するための第2の光検波器、19は第2の光検波器18からの電気信号のピークを検出しピークの現れる間隔から距離を計算するための第2の信号処理装置である。
20は誘導ブリルアン散乱光を伝送するための光ファイバ型の誘導ブリルアン散乱光光路、21は誘導ブリルアン散乱光の伝送時間に遅延を与えるための時間遅延手段、22は内部反射光などが後方へと伝搬するのを防止するための光アイソレータである。
パルスジェネレータ6とAOM5の間、パルスジェネレータ6と第1の信号処理装置17及び第2の信号処理装置19の間、第1の光検波器16と第1の信号処理装置17の間、および第2の光検波器18と第2の信号処理装置19の間を除くすべての素子間は、シングルモードの光ファイバまたは偏波保持機能を有するシングルモードの光ファイバ(光ファイバ伝送路)で接続されている。
送信光光路3を第1の光分波器2から送受信用望遠鏡12へ至る光路、局部発振光光路4を第1の光分波器2から第2の光合波器15へ至る光路、受信光光路13を送受信用望遠鏡12から第2の光サーキュレータ10を介して第1及び第2の光検波器16,18へ至る光路、誘導ブリルアン散乱光光路20を第1の光サーキュレータ7から時間遅延手段21、光アイソレータ22を介して第1の光合波器11へ至る光路とし、これらを光ファイバ伝送路とする。
また、第1の光分波器2が第1光路分離部を構成し、送受信用望遠鏡12が送受信共用の光ファイバコリメータ光学系を構成し、第2の光サーキュレータ10が送受信光路切り替え部を構成し、第2の光合波器15が第1光路合成部を構成し、第1の光検波器16と第1の信号処理装置17が第1信号処理部を構成し、第1の光サーキュレータ7が分離用光路切り替え部を構成し、第1の光合波器11が第2光路合成部を構成し、第2の光検波器18と第2の信号処理装置19が第2信号処理部を構成し、第2の光分波器14が第2光路分離部を構成する。
図2は、図1の装置の風速および距離の測定の際の動作を説明するためのタイムチャートである。(a)は基準レーザ光源部1の出力、(b)はAOM5の出力、(c)は送信光、(d)は誘導ブリルアン散乱(以下SBS)光、(e)はSBS光の送信光、(f)は第1の光検波器16におけるビート信号、(g)はパルス検出信号を示す。そして、201は基準レーザ光源部1の出力パワー、202はAOM5の出力するパルスの繰り返し間隔、203はパルスのON時間、204は送信光のパルス幅、205はSBS光のパルス幅、206はSBS光の時間遅延手段21による時間遅延、207は第1の信号処理装置17による風速の測定期間、208は第2の信号処理装置19による距離の測定期間、209は第2の信号処理装置19によるSBS内部反射光のピーク検出時刻、210は第2の信号処理装置19によるSBS受信光のピーク検出時刻をそれぞれ表す。
次に動作について説明する。基準レーザ光源部1は連続発振波のレーザ光を出力する。基準レーザ光源部1の波長帯は、装置に対してふさわしいものが選択される。波長1.55μm帯であれば人体の目に対する安全性が高いという利点がある。基準レーザ光源部1の発振線幅はコヒーレント検出を行うためになるべく狭線幅であることが好ましい。狭線幅の光源としては分布帰還型(DFB)のファイバレーザや半導体レーザが使用できる。
図2の(a)に示すように、基準レーザ光源部1の出力パワー201は時間変化せず、一定となる。基準レーザ光源部1から出力された連続発振波のレーザ光は第1の光分波器2により所定のパワー比で2分割され、一方は送信光として送信光光路3へと伝送され、他方は局部発振光として局部発振光光路4へと伝送される。
送信光はAOM5に入力される。AOM5にはパルスジェネレータ6から信号を入力し、パルス駆動させる。AOM5をパルス駆動させることにより、図2の(b)に示すように、基準レーザ光源部1の出力光が時間的に切り出されてパルス光となる。AOM5によりパルス化された1次出力光は送信光光路へと伝送させる。
図2の(b)に示すパルス繰り返し間隔202およびAOM5のON時間203は、パルスジェネレータ6により設定する。パルス繰り返し間隔202はパルスの繰り返し周波数の逆数で表され、最大検出距離および計測の演算やデータレート等により決定される。
例えば最大計測距離を10(km)とした場合、大気中の光速を3×10(m/s)とすると送信光の往復時間が2×10×10/(3×10)=67μsとなるため、少なくともこれより長い時間にする必要がある。演算やデータレート等により1kHz、4kHz、8kHzを動作周波数とした場合においては、パルス繰り返し間隔202はそれぞれ1ms、250μs、125μsとなる。パルスの繰り返し周波数が8kHzよりも小さい範囲では、風速の測定を行う期間はパルス繰り返し間隔202の半分以下となり、残りの期間は何も測定していないことになるが、この発明ではこの残りの期間を効率よく利用することができる。
AOM5のON時間203は、送信光のパルス幅Δtが後述の理由からΔt=200nsになるように調整する。このとき、光ファイバ増幅器8での増幅によるパルス幅の短縮効果を考慮する。また、図2の(b)においては、AOM5の動作電圧波形を矩形波で示しているが、ランプ波形状にすることにより光ファイバ増幅器8での増幅による送信光のピークの急峻な立ち上がりを防ぐこともできる。
AOM5は高い消光比が得られると同時に、出力光に数十MHz程度の周波数シフトを付加できるため、光ヘテロダイン検出を行うことができる。
AOM5によりパルス化された送信光は、第1の光サーキュレータ7を介して光ファイバ増幅器8へと入力される。
光ファイバ増幅器8により、送信光のパワーが増強される。光ファイバ増幅器8は基準レーザ光源部1の波長に合わせてふさわしいものを選択する。基準レーザ光源部1の波長が1.55μm帯の場合にはエルビウム(Er)添加光ファイバ増幅器を用いる。
光ファイバ増幅器8により増幅された送信光は、第2の光サーキュレータ10および第1の光合波器11を介して送受信用望遠鏡12へと伝送され、送受信用望遠鏡12から大気中へと照射される。
出射したレーザ光が大気中のエアロゾルにより散乱された散乱光を送受信用望遠鏡12により受信し、受信光は光ファイバ伝送路へと結合される。
受信光は第1の光合波器11を介して光サーキュレータ10へと伝送され、第2の光サーキュレータ10により受信光光路13へ光路が切り替えられる。受信光は第2の光分波器14を介して第2の光合波器15へと入力され、第2の光合波器15において局部発振光光路4を伝送されてきた局部発振光と合波される。
受信光と局部発振光の合波光は第1の光検波器16に入力され電気信号に変換される。この変換されたビート信号を第1の信号処理装置17で周波数解析することにより受信光のドップラーシフト量を検出し測定対象物の速度、すなわちここでは例えば風速を求める。
送受信用望遠鏡12において生じる送信光の内部反射光は、大気中の散乱体による受信光よりも強度が強く、受信器の飽和などを引き起こすため、第1の信号処理装置17では送信光の内部反射光が入力されている間は計測を行わない。
図2の(f)に示す第1の信号処理装置17による風速の測定期間207は、前述のように最大検出距離に応じて設定される。
上記において、AOM5は、通常、図2の(c)の送信光のパルス幅204が数100n〜数μsとなるように動作時間が設定される。これは、パルス幅が短いほど距離レンジの分解能が向上するがスペクトル幅の広がりによってドップラーシフトの周波数分解能が低下し、パルス幅が長い程ドップラーシフトを高精度に計測できるが、距離レンジの分解能が悪化するためである。送信光のパルス幅は、システムに要求される距離レンジの分解能とドップラーシフトの周波数分解能とのバランスによって最適な値に設定する。
また、パルスの繰り返し周波数は、最大検出距離および計測のデータレート等により決定する。例えば最大計測距離をLMAX(m)とした場合、パルスの繰り返し周波数は送信光の往復時間の逆数で表される1/(2×LMAX/(3×10))Hz以下となるようにしなければならない。
ここでは風速測定が可能な範囲でパルス幅を短くした場合を想定し、パルス幅ΔtをΔt=200ns程度と設定した場合を前提条件として以下の説明を進める。
光ファイバでは誘導ブリルアン散乱(以下SBSと記述する)と呼ばれる非線形現象が生じる。これは、光ファイバへの入射パワーがあるしきい値(以下SBSしきい値と記述する)を超えたところで、入射光と逆方向に伝搬する入射光よりも周波数の小さい散乱光(以下SBS光と記述する)が発生する現象である。一般的な石英ファイバでは、SBS光の周波数は入射光よりも10GHz程度小さく、SBSの利得帯域は数10MHz程度である。SBSは、狭線幅で比較的パルス幅の長い(数10ns以上)入射光に対して発生しやすい。
また、SBSしきい値Pthは有効相互作用長Leffに反比例し、有効コア面積Aeffに比例する関係を持ち、
Pth=21×Aeff/(gB×Leff) (1)
で表されることがよく知られている(アグラワール著「非線形ファイバー光学」)。gBはブリルアン利得係数である。
図1の構成において、通常の光ファイバ増幅器8はファイバ長が20m程度と長く、また第2の光サーキュレータ10までのファイバ長が加算されることにより、SBSしきい値は比較的低くなる。入力した送信光が増幅されることにより、ピークパワーが大きくなってSBSしきい値を超え、誘導ブリルアン散乱の発生点9においてSBSが発生する。図1と同様の構成ではピークパワーが10Wを超えたところからSBS光が発生した。
図3の(a)にSBS発生時に送信光とSBS光の光強度の時間変化の測定結果、また図3の(b)に送信光とSBS光を光ヘテロダイン検波して周波数解析を行った結果の一例を示す。図3の(a)において、横軸は時間を縦軸は任意の光強度を表し、301は送信光時間波形、302はSBS光時間波形、303は送信光のパルス幅、304はSBS光のパルス幅、305は送信光とSBS光のピークの時間差を示す。図3の(b)において、横軸は周波数を縦軸は各周波数成分の強度を示し、横軸は20GHzの範囲で、中央が10GHzを示し、306は送信光とSBS光のビート信号の周波数ピークを示している。
図3の(a)に示されるように、送信光パワーがパルス状に時間変化するため、SBSは送信光パワーがSBSしきい値を超える時間領域だけで発生し、SBS光は送信光よりも幅の短いパルス状になる。また、そのピーク位置はSBS光のピークが送信光のピークよりも数100ns程度遅れて現れる。図3の(a)の測定条件においては、送信光のパルス幅303は約0.5μsであり、SBS光のパルス幅304は約30ns程度であった。また、送信光とSBS光のピークの時間差305は約100nsであった。図3の(a)では送信光のパルス幅が長く、かつ誘導ブリルアン散乱の発生点9の調整を行っていないため、送信光パルスとSBS光が重なる形になっているが、これらを調整することにより送信光とSBS光の重なりを防ぐことができる。また、前述のようにSBS光は送信光よりも周波数が約10GHz程度小さくなり、この現象はSBS周波数シフトと呼ばれる。図3の(b)の場合においては、SBS周波数シフトは10.2GHzであった。
SBS光のパルス幅205(304)は送信光のパルス幅204(303)よりも短いため、これを距離の計測に利用することで計測精度の向上が期待できる。
誘導ブリルアン散乱の発生点9において発生したSBS光は送信光と逆方向に伝搬し、光ファイバ増幅器8を通過することによって増幅される。
送信光のパルス幅が0.5μsなどと長い場合、送信光が光ファイバ増幅器8を通過し増幅されている間に、SBS光が光ファイバ増幅器8により増幅されて増幅器の利得が減少することにより、送信光パルスは一部が窪み削り取られたような波形になる。このような波形の乱れは、送信光パルスの不規則なパワー変化や変調を引き起こす原因となり、ドップラーシフトの検出の妨げとなる。このため、通常のコヒーレントドップラーライダのように送信光のパルス幅が長い場合においては送信光のピークパワーがSBSしきい値以下になるように調整している。
図1の構成においては、前述の前提条件のように送信光のパルス幅ΔtをΔt=200ns程度と設定した場合、SBS光が光ファイバ増幅器8を通過する前に送信光が光ファイバ増幅器8を通過して光増幅が完了しているため、送信光にSBSの影響は現れない。
誘導ブリルアン散乱の発生点9の位置は、ファイバの長さやコア径、送信光のピークパワー、ブリルアン利得係数gBなどを調整することにより、ドップラーシフトの検出にSBSの影響が現れないように適切に設定する。以下に誘導ブリルアン散乱の発生点9の調整方法を説明する。
SBSしきい値は上記(1)式で示されるが、有効コア面積Aeffはコア径に、有効相互作用長Leffはファイバ長に、ブリルアン利得係数gBはブリルアン散乱の利得帯域にそれぞれ依存するため、これらの組み合わせと入射パワーの関係により発生位置が調整可能である。長さLのファイバにおいて、長さ方向をx軸としてx=0からx=Lまで伝搬する入射光に対して発生するSBS光は、x=Lからx=0へと入射光とは逆方向に伝搬し、その発生位置はx=Lの点となる。
いま、光ファイバ増幅器8の有効コア面積、有効相互作用長、ブリルアン利得係数、SBSしきい値をそれぞれAeff1、Leff1、gB1、Pth1とする。同様に、光ファイバ増幅器8から誘導ブリルアン散乱の発生点9までのファイバおよび誘導ブリルアン散乱の発生点9から第2の光サーキュレータ10までのファイバについて有効コア面積、有効相互作用長、ブリルアン利得係数、SBSしきい値をそれぞれAeff2、Leff2、gB2、Pth2およびAeff3、Leff3、gB3、Pth3とする。
まず、光ファイバ増幅器8において、SBSが発生しないように送信光のピークパワーを調整する。光ファイバ増幅器8の出力光のピークパワーをP0とすると、P0<Pth1とする。これは、gB1とgB2が異なる場合には、光ファイバ増幅器8として製品等を使用しLeff1とAeff1とgB1が調整不可のときには単純にPth1を超えないようにP0を設定する。Leff1とAeff1とgB1のパラメータ変更が可能な場合、これらの値も含めて調整する。ただし、Aeff1およびgB1はファイバ固有の値であり既存の物については調整が困難であるため、通常はLeff1つまりファイバ長を所定値に設定することにより行う。
このとき、光ファイバ増幅器8においては実効的なSBSしきい値が(1)式と異なることを考慮する。これは、光ファイバ増幅器8への入力パワーは通常小さくてよいため(1)式で表されるSBSしきい値をこえることはなく、増幅器内の終端部分ほどピークパワーが大きくなる一方でLeffに対応する伝搬距離が短くなるために実効的なSBSしきい値が(1)式よりも大きくなるためである。
gB1とgB2が等しい場合には、Pth1はLeff2とAeff2にも依存することになる。さらに、gB3が等しい場合にはPth1はLeff3とAeff3にも依存することになる。これらの場合においては、それぞれの場合のSBSしきい値を超えないようにP0を調整する。ただし、一般的には光ファイバ増幅器8では添加イオンなどにより通常のファイバとはgBが異なると想定される。
光ファイバ増幅器8から誘導ブリルアン散乱の発生点9までのファイバではPth2<P0となるように調整する。これはAeff2、Leff2、gB2を設計により設定することにより行う。ただし、これはgB2とgB3が異なる場合である。このとき、誘導ブリルアン散乱の発生点9は光ファイバ増幅器8から誘導ブリルアン散乱の発生点9までのファイバの終端となる。
gB2とgB3が等しい場合には、誘導ブリルアン散乱の発生点9は誘導ブリルアン散乱の発生点9から第2の光サーキュレータ10までのファイバの終端、つまり第2の光サーキュレータ10の入力端となる。このとき、Pth2はLeff3とAeff3にも依存することになるため、これらも含めて考慮することによりPth2<P0となるように調整する。
誘導ブリルアン散乱の発生点9から第2の光サーキュレータ10までのファイバではPth3>P0となるように調整する。これはAeff3、Leff3、gB3を調整することにより行う。ただし、誘導ブリルアン散乱の発生点9を第2の光サーキュレータ10の入力端とする場合などにおいては、Pth3>P0とする必要はない。ここでは、ファイバ付の光サーキュレータを想定し、gB2とgB3が異なる場合に2点でSBSが発生することを防ぐことを目的として条件付けている。
上記ように光ファイバ増幅器8の出力光のピークパワーとファイバのAeff、Leff、gBをそれぞれ調整することにより、誘導ブリルアン散乱の発生点9を任意の位置に設定することが可能である。
上記の場合において、送信光が誘導ブリルアン散乱の発生点9に到達してSBSが誘起され、送信光と逆方向に伝搬し始めるとすると、送信光が光ファイバ増幅器8を通過してからSBS光が光ファイバ増幅器8に到達するまでの時間差tSBSはtSBS=2×LSBS/cとなる。ただし、LSBSは光ファイバ増幅器8から誘導ブリルアン散乱の発生点9までのファイバの長さを、cはファイバ中の光速を表す。これにより、送信光のパルス幅を考慮してLSBSを調整して2×Δt<tSBSとすることにより、SBS光が光ファイバ増幅器8に到達する前に送信光が光ファイバ増幅器8を通過して光増幅が完了するため、送信光にSBSの影響が現れなくなる。
上記の場合では、光ファイバ増幅器8と、光ファイバ増幅器8から誘導ブリルアン散乱の発生点9までの光ファイバと、誘導ブリルアン散乱の発生点9から第2の光サーキュレータ10までの光ファイバの3種類のファイバだけで構成される場合について示したが、さらに複数の光ファイバを用いた場合でも同様にして誘導ブリルアン散乱の発生点9の位置を調整することができる。例えば、光ファイバ増幅器8にSBSしきい値の高いSBS利得帯域の異なる長い光ファイバを複数接続し、これにSBSしきい値の低い短い光ファイバを接続してこのファイバでSBSを発生させ、その後にSBSの発生しないSBSしきい値の大きい光ファイバを接続することにより、SBSの発生点をより明確にすると同時にLSBSを長くすることができ、tSBSを大きくすることができる。
すなわち、送信光が伝送される光ファイバ増幅器8から第2の光サーキュレータ10までの光ファイバ伝送路を、所望の長さとコア径または長さと非線形性または長さとコア径と非線形性を有する少なくとも1本の光ファイバを接続して構成することで、誘導ブリルアン散乱の発生点の位置が所望位置に調整できる。特に、光ファイバ増幅器8よりもSBSしきい値が大きく光ファイバ増幅器8の出力パワーではSBSが発生することのない光ファイバと、該光ファイバよりもSBSしきい値が小さく光ファイバ増幅器8の出力パワーによってSBSが発生する光ファイバを接続して構成する。例えば、上記光ファイバ伝送路が、光ファイバ増幅器8よりもSBSしきい値が大きいコア径の大きい光ファイバと該光ファイバよりもSBSしきい値が小さい非線形性の大きい光ファイバ、または光ファイバ増幅器8よりもSBSしきい値が大きい非線形性の小さい光ファイバと該光ファイバよりもSBSしきい値が小さいコア径の小さい光ファイバを接続して構成され、かつ前記光ファイバの長さがそれぞれ異なるもので構成される。
以上のようにして誘導ブリルアン散乱の発生点9を調整する。
光ファイバ増幅器8において増幅されたSBS光は、第1の光サーキュレータ7により誘導ブリルアン散乱光光路20へと光路が切り替えられ伝送される。
誘導ブリルアン散乱光光路20には時間遅延手段21が設置されており、SBS光の伝搬時間を調整できる。
時間遅延を与えるための方法としては、ファイバ長を変化させる方法や空間型の光学系を用いて光路長を変化させる方法が考えられる。ファイバ長を変化させる場合、ファイバの屈折率を1.5とし真空中の光速を3×10(m/s)とすると、1mのファイバ長が1/(3×10/1.5)=5nsに相当する。
時間遅延手段21による時間遅延量は、SBS光が送受信用望遠鏡12に到達することにより送受信用望遠鏡12において発生する内部反射光が、第1の光合波器11を介して光サーキュレータ10により受信光光路13へと光路を切り替えられ、第2の光分波器14により一定割合でそのパワーが第2の光検波器18へと伝送され、電気信号へと変換されて第2の信号処理装置19に入力されるまでの時間が、第1の信号処理装置17においてドップラーシフトの検出を行う時間よりも長くなるように設定する。これにより、風速測定用の送信光パルスとSBS光のそれぞれの受信光の混在を防ぐことができる。同時に、遅延時間206は、パルス繰り返し間隔202内で風速の測定と距離の測定をそれぞれ独立して最大計測距離まで行えるように調整する。
時間遅延手段21により一定の時間遅延が付加されたSBS光は、光アイソレータ22を介して第1の光合波器11へと入力され、送信光と同一の光路へと結合されて送受信用望遠鏡12から出射される。光アイソレータ22は逆方向への光の伝搬を抑制するものであり、戻り光による機器の損傷を防ぐためのものである。光アイソレータ22は、第1の光サーキュレータ7から誘導ブリルアン散乱の発生点9までの間以外であれば場所、個数を問わず設置してよい。
送受信用望遠鏡12により出射されたSBS光は、空間を伝搬し、視線方向に位置する主に固体の対象物により反射または散乱される。反射または散乱されたSBS光の一部が送受信用望遠鏡12により受信され、第1の光合波器11を介して第1の光サーキュレータ10により受信光光路13へと光路を切り替えられ、第2の光分波器14により一定割合でそのパワーが第2の光検波器18へと伝送され、電気信号へと変換されて第2の信号処理装置19に入力される。第2の光分波器14により分岐されなかったSBS光の受信光は、第2の光合波器15において局部発振光光路4を伝送されてきた局部発振光と合波され、受信光と局部発振光の合波光は第1の光検波器16に入力され電気信号に変換され、第1の信号処理装置17へと入力される。
第2の信号処理装置19では、SBS光の送受信用望遠鏡12による内部反射光と受信光のパルスのピーク位置をそれぞれ検出し、SBS光の内部反射光のピーク検出時刻209とSBS光の受信光のピーク検出時刻210の時間差Δt1を検出する。対象物までの距離LはL=Δt1×(3×10)/2により求めることができる。
SBS光のパルス幅は短いため、送信光の往復伝搬時間から距離を求める場合よりも高感度な検出が行える。また、受信光と内部反射光に対する送受信用望遠鏡12から第2の光検波器18までの光路長が等しいため、SBS光の内部反射光と受信光のパルスピーク位置の時間差が送受信用望遠鏡12から対象物までのSBS光の送信光の往復時間に相当し、空気中の光速と乗算して1/2倍することにより距離が求められる。
SBS光の受信光のうち、第2の光分波器14により分岐されなかった成分は、ビート信号として第1の信号処理装置17に現れるが、このタイミングでは第1の信号処理装置17では風速の測定期間から外れているため、測定に影響は生じない。ただし、高ピーク信号の入力による受信機の飽和や破損に注意する必要がある。
また、波長1.55μmの送信光の場合、1m/sの風速は1.3MHzのドップラー周波数シフトに相当し、±38.5m/sの風速検出のためには±50MHzの周波数シフトが検出できれば良い。このように、風速の測定に必要となる検出器の周波数帯域は数10MHz程度であるため、第1の信号処理装置17ではフィルタ等を用いることによりSBS光のビート信号の周波数成分を遮断することができる。図4に帯域制限フィルタを用いることによりSBS光のビート信号の周波数を遮断する場合の部分構成図を示す。図4は図1の第1の光検波器16と第1の信号処理装置17の間にバンドパスフィルタ(BPF)401を設置した構成となっており、その他については図1と同じであるため、ここでは図示及び説明を省略する。SBS光は送信光に対して10GHz程度の周波数シフトを持ち、風速検出のためのドップラー周波数シフトはMHzオーダーであるため、バンドパスフィルタ401の帯域を適当な値に設定することにより、SBS光の受信光の周波数成分はバンドパスフィルタ401により遮断される。
さらに、このとき、第1の信号処理装置17において、周波数の検出と同時に受信信号のパルスピークの検出を行うことにより、第1の光検波器16と第1の信号処理装置17だけで風速の検出と距離の検出を兼ねることができ、この場合においては第2の光分波器14と第2の光検波器18と第2の信号処理装置19は不要となる。ただし、風速の測定を行う場合には空気中の微小粒子を送信光の散乱対象としているために受信信号レベルが小さく、強度の大きなSBS光のビート信号が重畳することにより測定に雑音を与えることが懸念されるため、図1の構成においては時間遅延手段21と2つの検出部により風速と距離の検出を切り分けて行っている。
以上のようにして、SBS光を用いて距離の計測を行うことができる。
SBS光は送信光よりもパルス幅が短いため、送信光の往復伝搬時間から距離を求めるよりも、高精度な距離計測を行うことができる。
また、送信光とSBS光は光路を共有し、同一の出射端から出射されるため、両者の視線方向は調整なく一致する。このため、別途測距装置を用意し組み合わせて利用する場合等に必要となる光軸の調整等は不要であり、振動などによる光軸ずれの問題もなくなる。また、装置全体をファイバ型部品で構成することもでき、小型化、軽量化が行える。
さらに、風速の測定データと距離の測定データの更新レートとを等しくでき、風速と距離の同時計測が可能である。
すなわちこの発明では、十分な速度分解能を維持したままで、高精度な距離検出を同時に行うことができる。速度検出用と距離検出用の送信光が同軸となるため、光軸等の調整が不要となり、観測対象位置を完全に一致できる。また、従来では有効に用いていなかった時間領域を活用でき、速度計測および距離計測のデータレートを等しくできる。
誘導ブリルアン散乱光に時間遅延を与えることによって、速度測定を行うための送信光の受信光のビート信号に、誘導ブリルアン散乱光のビート信号が重畳することを防ぐことができる。
光ファイバ増幅器から送信光と受信光の光路を切り替える送受信光路切り替え部(第2の光サーキュレータ)までの光ファイバ伝送路を、長さ、コア径、非線形性が適当な少なくとも1本の光ファイバで構成することで、誘導ブリルアン散乱の発生点を任意に設定でき、誘導ブリルアン散乱光の光路切り替えを確実に行うことができる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1においては、光ファイバ増幅器内にアイソレータ等の後方へのSBS光の伝搬を阻害する素子が含まれている場合には適用できないが、次に、光ファイバ増幅器内にアイソレータ等の素子が含まれ、SBS光の伝搬が阻害される場合においても、SBS光を利用して距離の計測を行うことができる実施の形態について説明する。
図5はこの発明の別の実施の形態による光波レーダ装置の部分構成図である。図5は図1のAOM5から送受信用望遠鏡12の間に相当する部分の構成を示すものであり、その他の部分は図1のものと同じである。また図5において図1と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。図5では図1において、第1の光サーキュレータ7の位置をAOM5と光ファイバ増幅器8の間から、光ファイバ増幅器8と誘導ブリルアン散乱光の発生点9の間に移動させた構成となっており、他の部分は図1と同じであるため省略している。
光ファイバ増幅器8と誘導ブリルアン散乱光の発生点9は光ファイバで接続されているため、SBS光は伝搬可能である。この間に第1の光サーキュレータ7を設置することにより、誘導ブリルアン散乱光の発生点9で発生し後方へと伝搬するSBS光を、光路を切り替えて送信光光路へと再結合させることができる。これは、実施の形態1において第1の光サーキュレータ7の位置が変化しただけであり、素子の動作や働きは実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
この構成では、光ファイバ増幅器8により増幅された送信光のピークパワーと、光ファイバ増幅器8を含む第1の光サーキュレータ7までのファイバの長さと、第1の光サーキュレータ7から第2の光サーキュレータ10までのファイバの長さとを、誘導ブリルアン散乱光の発生点9が第1の光サーキュレータ7から第2の光サーキュレータ10までの間に位置するように、それぞれ最適に調整する。
この構成により、SBS光が光ファイバ増幅器8に到達する前に光路を切り替えることができるため、SBS光を距離の計測に利用できる。
また、上記の実施の形態において、SBS光が光ファイバ増幅器8を通過せず増幅されないために、SBS光のパワーが不足する場合には、図6に示すように誘導ブリルアン散乱光光路20に新たに光ファイバ増幅器501を設置することにより、SBS光パワーを増幅し、増強することができる。
実施の形態3.
上記の実施の形態1および実施の形態2は、空気中の微小粒子を送信光の散乱対象として風速の測定を行う場合を例に挙げて説明したが、この発明では、送信光の散乱対象を移動する飛翔体等も含む固体物とすることで、移動体の速度と距離の検出に適用できる。
この場合も、SBS光は送信光よりもパルス幅が短いため、送信光の往復伝搬時間から距離を求めるよりも、高精度な距離計測を行うことができ、また送信光とSBS光の送信方向が同一となるため測定対象を完全に一致できる。このようにして移動体の速度と高精度な距離の検出を同時に行うことができる。
なおこの発明は上記それぞれの実施の形態に限定されるものではなく、これらの実施の形態の特徴の可能な組合せも含むことはいうまでもない。
この発明の一実施の形態による光波レーダ装置の構成図である。 図1の光波レーダ装置の風速および距離の測定の際の動作を説明するためのタイムチャートである。 SBS発生時の送信光とSBS光の光強度の時間変化および送信光とSBS光を光ヘテロダイン検波して周波数解析を行った結果の一例を示す図である。 図1の光波レーダ装置の変形例を示す部分構成図である。 この発明の別の実施の形態による光波レーダ装置の部分構成図である。 図5の光波レーダ装置の変形例を示す部分構成図である。
符号の説明
1 基準レーザ光源部、2 第1の光分波器、3 送信光光路、4 局部発振光光路、6 パルスジェネレータ、7 第1の光サーキュレータ、8 光ファイバ増幅器、9 誘導ブリルアン散乱の発生点、10 第2の光サーキュレータ、11 第1の光合波器、12 送受信用望遠鏡、13 受信光光路、14 第2の光分波器、15 第2の光合波器、16 第1の光検波器、17 第1の信号処理装置、18 第2の光検波器、19 第2の信号処理装置、20 誘導ブリルアン散乱光光路、21 時間遅延手段、22 光アイソレータ、401 バンドパスフィルタ、501 光ファイバ増幅器。

Claims (9)

  1. 単一周波数の連続発振レーザ光を発生する基準レーザ光源部と、
    前記基準レーザ光源部により発生させたレーザ光を伝送する光ファイバ伝送路と、
    前記基準レーザ光源部により発生させたレーザ光を送信光と局部発振光に分波する光路分離部と、
    前記送信光をパルス化し規定の周波数変化を付加する音響光学変調器と、
    パルス化および周波数変化を付加された送信光のパワーを増幅する光ファイバ増幅器と、
    光ファイバ伝送された増幅された送信光を空中に放出するとともに、対象物からの散乱光を受信光として光ファイバ伝送路に結合するための送受信共用の光ファイバコリメータ光学系と、
    送信光と受信光の光路を切り替える送受信光路切り替え部と、
    受信光と局部発振光とを合成する第1光路合成部と、
    受信光と局部発振光の合波光から得られるビート信号の周波数成分を解析して対象物の速度を検出する第1信号処理部と、
    送信光を伝送する前記光ファイバ伝送路において発生し後方へと伝搬する誘導ブリルアン散乱光を送信光から分離する分離用光路切り替え部と、
    分離された誘導ブリルアン散乱光を送信光へ結合させるための第2光路合成部と、
    前記光ファイバコリメータ光学系から送受信された誘導ブリルアン散乱光により、パルス光の往復時間から対象物までの距離を検出する第2信号処理部と、
    を備えたことを特徴とする光波レーダ装置。
  2. 分離用光路切り替え部で分離された誘導ブリルアン散乱光を第2光路合成部まで伝送するための光ファイバ伝送路に誘導ブリルアン散乱光に時間遅延を与えるための時間遅延手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光波レーダ装置。
  3. 送信光が伝送される光ファイバ増幅器から送受信光路切り替え部までの光ファイバ伝送路が、所望の長さとコア径または長さと非線形性または長さとコア径と非線形性を有する少なくとも1本の光ファイバを接続して構成され、誘導ブリルアン散乱の発生点の位置が所望位置に調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光波レーダ装置。
  4. 送信光が伝送される光ファイバ増幅器から送受信光路切り替え部までの光ファイバ伝送路が、光ファイバ増幅器よりもコア径の大きい光ファイバと該光ファイバよりも非線形性の大きい光ファイバ、または光ファイバ増幅器よりも非線形性の小さい光ファイバと該光ファイバよりもコア径の小さい光ファイバを接続して構成され、かつ前記光ファイバの長さがそれぞれ異なることを特徴とする請求項3に記載の光波レーダ装置。
  5. 第1信号処理部が、誘導ブリルアン散乱光の周波数シフトを遮断するバンドパスフィルタを含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の光波レーダ装置。
  6. 分離用光路切り替え部が、音響光学変調器と光ファイバ増幅器の間に設けられていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の光波レーダ装置。
  7. 分離用光路切り替え部が、光ファイバ増幅器と光ファイバ伝送路の誘導ブリルアン散乱の発生点位置の間に設けられていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の光波レーダ装置。
  8. 分離用光路切り替え部で分離された誘導ブリルアン散乱光を第2光路合成部まで伝送するための光ファイバ伝送路にSBS光パワーを増幅し増強する光ファイバ増幅器を設けたことを特徴とする請求項7に記載の光波レーダ装置。
  9. 速度および距離を測定する対象物が固体物からなることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の光波レーダ装置。
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