以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合もあるとする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和システムの構成を例示する図である。空気調和システム1は、建物内に設けられ、複数の空気調和装置30、および、それぞれが当該複数の空気調和装置30の各々を制御するための複数のリモートコントローラ10を有する。
複数のリモートコントローラ10の各々は、予め定められた条件に応じてグループ分けされている。1つのグループには、1以上のリモートコントローラ10が含まれる。なお、複数のリモートコントローラ10が1つのグループに含まれる場合には、これらのリモートコントローラ10は互いに有線接続されている。上記予め定められた条件は、例えば、リモートコントローラ10同士の距離または各リモートコントローラ10の配置等に基づく。
図1に示す空気調和システム1は、6台のリモートコントローラ10を有し、3台ずつグループ分けされているが、空気調和システム1が有するリモートコントローラ10の数とグループ内のリモートコントローラ10の数は、上記のものに限定されない。また空気調和システム1における複数のグループの各々が含むリモートコントローラ10の数は固定されておらず、また同一でなくともよい。
リモートコントローラ10は、例えばBluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)等の通信規格によって、無線通信装置20および他のリモートコントローラ10と無線通信が可能である。これにより、リモートコントローラ10は、異なるグループに属するリモートコントローラ10とも通信ができる。
各リモートコントローラ10には、無線通信と有線通信の各場合において、他のリモートコントローラ10から自己を識別するための、一意的な識別情報が割り当てられている。なお、無線通信における識別情報である第1識別情報と、有線通信における識別情報である第2識別情報は、互いに異なるものである。本実施の形態1においては各リモートコントローラ10には無線通信において互いを識別するためのID(Identification)が割り当てられている。当該無線通信におけるIDを、以下では無線IDと記載する場合もあるとする。無線IDは第1識別情報の一例である。本実施の形態1においては各リモートコントローラ10には有線通信において互いを識別するためのIDが割り当てられている。当該有線通信におけるIDを、以下では有線IDと記載する場合もあるとする。無線IDと有線IDは、例えば、IDの中のヘッダ部分によって区別されてもよい。この場合、例えば、無線IDの先頭のビットを0、有線IDの先頭のビットを1としてもよい。
リモートコントローラ10は、自己の無線IDを含む無線電波を発信している。リモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10からの無線電波の強度を検知することによって、当該無線電波の発信元のリモートコントローラ10と無線通信が可能かを判定する。詳細には、リモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10からの無線電波の強度が基準の強度以上の場合において無線通信が可能であると判定する。以下では、無線電波を電波、基準の強度を基準強度と記載する場合もある。
リモートコントローラ10は、不図示の入力部を介し、空気調和装置30の使用者または管理者(使用者等)から、空気調和装置30の操作の指示を受け付ける。リモートコントローラ10は、制御対象の空気調和装置30に対して、当該空気調和装置30を制御するための操作信号を送信する。またリモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10との間で、有線通信または無線通信によって、操作信号の送受信を行う。これによって、リモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10の設定によっては、他のリモートコントローラ10に操作信号を送信することにより、当該他のリモートコントローラ10の制御対象の空気調和装置30を操作することができる。当該設定については後述する。
無線通信装置20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、または携帯端末等である。無線通信装置20は、使用者等から、空気調和装置30を操作するための情報の入力を受け付け、当該情報に対応する操作信号をリモートコントローラ10に送信する。本実施の形態1における無線通信装置20は、無線IDにより指定した1以上のリモートコントローラ10に操作信号を送信するものとするが、通信可能な範囲内の任意のリモートコントローラ10に操作信号を送信するものであってもよい。
空気調和装置30は、空調対象空間の空調動作を実行する。本実施の形態1においては1つのリモートコントローラ10によって、1以上の空気調和装置30が制御される。1つのリモートコントローラ10が複数の空気調和装置30を制御する場合には、当該複数の空気調和装置30は予めグルーピングされている。1つのリモートコントローラ10の制御対象の1以上の空気調和装置30は、当該1つのリモートコントローラ10から操作信号を受信して当該操作信号に基づき動作するが、他のリモートコントローラ10からは操作信号を受信しないか、他のリモートコントローラ10からの操作信号を無効化してもよい。
リモートコントローラ10には、以下の2種類の設定のうちのいずれかの設定がされている。一方の設定は、リモートコントローラ10が、他のリモートコントローラ10または無線通信装置20から、自己の制御対象の空気調和装置30を制御するための操作信号を受信した場合において、当該操作信号によって当該空気調和装置30を制御する設定である。当該設定を許可設定と記載する。他方の設定は、リモートコントローラ10が、他のリモートコントローラ10または無線通信装置20から、自己の制御対象の空気調和装置30を制御するための操作信号を受信した場合において、当該操作信号を無効化し、当該操作信号に基づく空気調和装置30への制御を行わないとする設定である。当該設定を禁止設定と記載する。
本実施の形態1に係る複数のリモートコントローラ10に対する操作信号の送信方式には、「通常モード」と「一括設定モード」の2つのモードがある。通常モードは、操作対象の空気調和装置30を特定したモードである。一括設定モードは、操作対象の空気調和装置30を特定しないモードである。
通常モードにおいては、使用者等が操作対象とする空気調和装置30を制御するリモートコントローラ10に使用者等から指示の入力があった場合には、当該リモートコントローラ10は、当該指示の内容に基づいて制御対象の空気調和装置30を制御する。また、通常モードにおいては、無線通信装置20またはリモートコントローラ10に対して、他のリモートコントローラ10の制御対象の空気調和装置30への、使用者等からの操作指示の入力があった場合には、当該無線通信装置20またはリモートコントローラ10から当該他のリモートコントローラ10を宛先とした操作信号が送信される。
一括設定モードにおいては、使用者等から指示の入力があったリモートコントローラ10は、当該指示の内容に基づいて制御対象の空気調和装置30を制御する。また一括設定モードにおいては、使用者等から指示の入力があった無線通信装置20またはリモートコントローラ10から、空気調和システム1に含まれる1以上のリモートコントローラ10へ、一括して操作信号が送信される。なお、当該一括設定モードにおいては、操作信号は、禁止設定がされているリモートコントローラ10に対しては送信されてもよいし、送信されなくともよい。操作信号を受信した、許可設定がされているリモートコントローラ10は、当該操作信号に基づいて空気調和装置30を制御する。
リモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10との間で、要求信号、終了信号、および経路信号の送受信を行う。要求信号とは、設定情報と、以下に詳述する通信経路情報100とを、他のリモートコントローラ10に要求する信号である。なお、設定情報とは、リモートコントローラ10が許可設定されているか禁止設定されているかを示す情報であって、各リモートコントローラ10に記憶されている。終了信号とは、操作信号を受信したリモートコントローラ10が、当該操作信号を未だ受信していない他のリモートコントローラ10に当該操作信号を送信したことを、当該操作信号の送信元のリモートコントローラ10に通知するための信号である。経路信号とは、操作信号を受信済みのリモートコントローラ10を示す通信経路情報100に対応する信号である。操作信号、要求信号、終了信号、または経路信号等を、まとめて信号と記載する場合もあるとする。以下、通信経路情報100について説明する。
図2は、通信経路情報の一例を示す図である。通信経路情報100は、当該通信経路情報100を受信したリモートコントローラ10以前に、操作信号を受信したリモートコントローラ10のIDを含む。なお、本実施の形態1における通信経路情報100は、例えば、1以上の無線通信装置20と1以上のリモートコントローラ10のうちの少なくとも1つの装置に、複数の異なる指示が入力された場合において生成される複数の操作信号の各々を識別するための第3識別情報を含むとする。当該第3の識別情報は、本実施の形態1においては、操作信号に含まれて、当該操作信号を他の操作信号から識別する識別子であるとする。本実施の形態1における通信経路情報100に対応する経路信号は、リモートコントローラ10から他のリモートコントローラ10への操作信号の送信の際に共に送信される。通信経路情報100は、操作信号が辿った通信経路を示す情報として、操作信号を受信した1以上のリモートコントローラ10の各IDを、当該操作信号を受信した順番で含む。
通信経路情報100は、リモートコントローラ10が他のリモートコントローラ10から要求信号を受信した場合において、当該要求信号の応答として当該リモートコントローラ10から当該他のリモートコントローラ10へ送信される。要求信号には操作信号の識別子が含まれ、リモートコントローラ10が当該識別子を含む操作信号を既に受信している場合には、当該識別子を含む通信経路情報100を要求信号の送信元に送信する。リモートコントローラ10は、当該識別子を含む操作信号を未だ受信していない場合には、例えば、当該識別子を含む通信経路情報100であって、上述した操作信号の通信経路を示す情報である1以上のIDが格納されるための格納領域にNULL値を格納した通信経路情報100を、要求信号の送信元に送信する。
リモートコントローラ10が他のリモートコントローラ10に対して通信経路情報100を要求する理由は、以下の通りである。リモートコントローラ10が他のリモートコントローラ10に操作信号を送信するに先立ち、当該他のリモートコントローラ10が更なる他のリモートコントローラ10から当該操作信号を受信して空気調和装置30の制御を行っている場合がある。この場合において、当該リモートコントローラ10が当該他のリモートコントローラ10に対して同じ操作信号を送信する処理は無駄な処理となりうる。このような無駄な送信処理を省き、操作信号の送信に先立って、他のリモートコントローラ10が当該操作信号を既に受信したか否かを確認するために、リモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10に通信経路情報100を要求する。
通信経路情報100は、本実施の形態1においては、リモートコントローラ10から他のリモートコントローラ10への終了信号と共に送信される。通信経路情報100が終了信号と共に、操作信号の送信先のリモートコントローラ10から送信元のリモートコントローラ10へ送信される理由は以下の通りである。まず、終了信号は、操作信号が辿る通信経路において末端のリモートコントローラ10から、当該末端のリモートコントローラ10に当該操作信号の送信したリモートコントローラ10へ送信される。終了信号を受信したリモートコントローラ10は、更に、当該リモートコントローラ10に当該操作信号を送信したリモートコントローラ10に終了信号を送信する。終了信号と共に通信経路情報100を取得することによって、空気調和システム1の各リモートコントローラ10は、どのような経路を辿って操作信号が送信されるかを認識することができる。各リモートコントローラ10は、次に別の操作信号を受信した際に、終了信号と共に取得した通信経路情報100を参照すれば効率的に当該別の操作信号の送受信を行うことができる。このため、通信経路情報100は終了信号と共に送信される。
図2に例示する通信経路情報100には、最初に無線通信装置20から操作信号を無線通信によって受信したリモートコントローラ10の無線ID「001」と、当該無線ID「001」のリモートコントローラ10から当該操作信号を有線通信によって受信したリモートコントローラ10の有線ID「103」と、当該有線ID「103」のリモートコントローラ10から当該操作信号を無線通信によって受信したリモートコントローラ10の無線ID「004」とが、この順番で連結されて含まれている。なお、本実施の形態1においては、通信経路情報100は、無線通信にて操作信号を受信したリモートコントローラ10がある場合には、当該リモートコントローラ10の無線IDを含み、有線通信にて操作信号を受信したリモートコントローラ10がある場合には、当該リモートコントローラ10の有線IDを含むが、これに限定されない。例えば、通信経路情報100は、無線通信にて操作信号を送信したリモートコントローラ10がある場合には、当該リモートコントローラ10の無線IDを含み、有線通信にて操作信号を送信したリモートコントローラ10がある場合には、当該リモートコントローラ10の有線IDを含むものとしてもよい。そして、通信経路情報100は、操作信号を送信したリモートコントローラ10がある場合において、当該リモートコントローラ10のIDを、当該操作信号の送信順に含むものでもよい。
図3は、実施の形態1に係るリモートコントローラが含む機能ブロックを例示する図である。リモートコントローラ10は、第1通信部11と、第2通信部12と、第3通信部13と、表示制御部14と、表示部15と、主制御部16と、通信経路管理部17とを備える。
第1通信部11は、制御対象の空気調和装置30と、例えば、赤外線によって無線通信を行う。ただし、第1通信部11と空気調和装置30との間の通信は、これに限定されず、上述したBluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)等の無線通信規格によって行われてもよいし、有線接続によって行われてもよい。第1通信部11は、制御対象の空気調和装置30に操作信号を送信する。第1通信部11は、空気調和装置30から運転状況または運転内容等を示す信号を受信してもよい。
第1通信部11は、第1通信制御部11Aと、第1通信インターフェース部11Bと、を有する。第1通信制御部11Aは、制御対象の空気調和装置30に、第1通信インターフェース部11Bを介して操作信号を送信する。また、第1通信制御部11Aは、制御対象の空気調和装置30から、第1通信インターフェース部11Bを介して運転状況または運転内容等を示す信号を受信してもよい。
第2通信部12は、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)等の通信規格により、無線通信装置20または他のリモートコントローラ10と無線通信を行う。第2通信部12は、無線通信装置20から操作信号を受信し、他のリモートコントローラ10との間で、操作信号、要求信号、経路信号、または終了信号等の信号の送受信を行う。また第2通信部12は、無線電波を発信すると共に、他のリモートコントローラ10からの無線電波を検知する。以下では、操作信号、要求信号、経路信号、または終了信号等の信号を、まとめて信号と記載する場合もあるとする。
第2通信部12は、第2通信制御部12Aと、無線機器検知部12Bと、第2通信インターフェース部12Cと、を有する。第2通信制御部12Aは、他のリモートコントローラ10との間で、第2通信インターフェース部12Cを介して信号の送受信を行う。第2通信制御部12Aは、無線通信装置20から、第2通信インターフェース部12Cを介して操作信号を受信する。また第2通信制御部12Aは、第2通信インターフェース部12Cを介して無線電波を発信する。
無線機器検知部12Bは、第2通信インターフェース部12Cを介して他のリモートコントローラ10からの無線電波を検知する。この際に、無線機器検知部12Bは、当該無線電波の強度を検知する。また無線機器検知部12Bは、当該無線電波の発信元の他のリモートコントローラ10の無線IDを取得する。
第3通信部13は、有線接続しているリモートコントローラ10を検知し、当該リモートコントローラ10の有線IDを取得する。第3通信部13は、有線接続する他のリモートコントローラ10と信号の送受信を行う。第3通信部13は、第3通信制御部13Aと、第3通信インターフェース部13Bと、を有する。第3通信制御部13Aは、有線接続する他のリモートコントローラ10との間で、第3通信インターフェース部13Bを介して信号の送受信を行う。第3通信制御部13Aは、有線接続する他のリモートコントローラ10から、第3通信インターフェース部13Bを介して有線IDを取得する。
表示制御部14は表示部15を制御し、表示部15は表示制御部14の指示に従って各種情報を表示する。主制御部16は、第1通信制御部11A、第2通信制御部12A、無線機器検知部12B、第3通信制御部13A、および表示制御部14を制御する。
主制御部16は、第1通信制御部11Aを制御して、制御対象の空気調和装置30に操作信号を送信させる。主制御部16は、第2通信制御部12Aが第2通信インターフェース部12Cを介して信号を受信した場合には、第2通信制御部12Aから当該信号が含む情報等を取得する。主制御部16は、第2通信制御部12Aを制御して、第2通信インターフェース部12Cを介して信号を他のリモートコントローラ10へ送信させる。主制御部16は、無線機器検知部12Bを制御して、無線電波を検知させる。また主制御部16は、無線機器検知部12Bが検知した無線電波の強度と、当該無線電波に含まれる無線IDとを、無線機器検知部12Bから取得する。主制御部16は、第3通信制御部13Aが第3通信インターフェース部13Bを介して信号を受信した場合には、第3通信制御部13Aから当該信号が含む情報等を取得する。主制御部16は、第3通信制御部13Aを制御して、第3通信インターフェース部13Bを介して信号を他のリモートコントローラ10へ送信させる。
主制御部16は、操作信号と共に受信した通信経路情報100にリモートコントローラ10のIDを含ませる。なお、主制御部16は、当該操作信号を第2通信部12が受信した場合には、当該リモートコントローラ10の無線IDを通信経路情報100に含ませる。主制御部16は、当該操作信号を第3通信部13が受信した場合には、当該リモートコントローラ10の有線IDを通信経路情報100に含ませる。主制御部16は、当該リモートコントローラ10の無線IDまたは有線IDを、当該通信経路情報100における通信経路を示す情報の末尾のIDに連結させて含ませる。主制御部16は、操作信号と共に受信し、リモートコントローラ10のIDを含ませた通信経路情報100を通信経路管理部17に記憶する。
主制御部16は、無線機器検知部12Bが検知した無線電波の強度を、当該無線電波に含まれる無線IDと対応付けて、通信経路管理部17に記憶する。主制御部16は、無線電波の強度を、当該無線電波に含まれる無線IDであって、通信経路情報100に含まれる無線IDと、対応付けて通信経路管理部17に記憶してもよい。
主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号を受信した場合であって、第3通信部13が、有線接続している他のリモートコントローラ10を検知した場合には、第3通信部13を制御して、当該有線接続している他のリモートコントローラ10に操作信号を送信させる。また主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号を受信した場合であって、第3通信部13が、有線接続している他のリモートコントローラ10を検知しなかった場合には、第2通信部12を制御して、第2通信部12が検知した電波を発する他のリモートコントローラ10に操作信号を送信させる。
本実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13を制御して他のリモートコントローラ10へ操作信号を送信させるのに先立ち、当該他のリモートコントローラ10が既に当該操作信号を受信しているか否かを確認するため要求信号を当該他のリモートコントローラ10へ送信する。主制御部16は、当該要求信号に対する他のリモートコントローラ10からの応答に含まれる通信経路情報100を参照して、当該通信経路情報100における通信経路を示す情報に当該他のリモートコントローラ10のIDが含まれているかを判定する。当該通信経路情報100における通信経路を示す情報に当該他のリモートコントローラ10のIDが含まれる場合には、当該他のリモートコントローラ10は当該操作信号を既に受信しているため、主制御部16は、当該他のリモートコントローラ10を操作信号の送信対象から外す。当該通信経路情報100における通信経路を示す情報に当該他のリモートコントローラ10のIDが含まれない場合には、当該他のリモートコントローラ10は当該操作信号を未受信であるため、主制御部16は、当該他のリモートコントローラ10を操作信号の送信対象とし、当該他のリモートコントローラ10に当該操作信号を送信するよう第2通信部12または第3通信部13を制御する。
本実施の形態1における主制御部16は、無線通信によって操作信号を送信する際に、予め定められた基準強度以上の強度の電波を発する他のリモートコントローラ10へ、操作信号を送信するよう第2通信部12を制御する。主制御部16は、無線通信によって操作信号を送信する際に、強度のより高い電波を発するリモートコントローラ10へ、優先的に操作信号を送信するよう第2通信部12を制御してもよい。例えば、主制御部16は、強度のより高い電波を発するリモートコントローラ10から順番に操作信号を送信するよう第2通信部12を制御してもよい。
主制御部16は、操作信号の送信対象のリモートコントローラ10がない場合には、当該操作信号の送信元に、終了信号と、通信経路管理部17に記憶した通信経路情報100に対応する経路信号とを送信するよう、第2通信部12または第3通信部13を制御する。主制御部16は、終了信号を受信した場合には、表示制御部14を制御して、当該終了信号と共に受信した通信経路情報100を表示部15に表示させてもよい。また主制御部16は、操作信号の送信先の他のリモートコントローラ10から終了信号を受信した場合であって、当該操作信号の送信元の他のリモートコントローラ10がある場合には、終了信号、および当該終了信号と共に受信した通信経路情報100を、当該送信元へ送信するよう第2通信部12または第3通信部13を制御する。
通信経路管理部17は、無線機器検知部12Bが取得した他のリモートコントローラ10から発信されている電波の強度と、当該電波に含まれる無線IDと、第3通信部13が取得した他のリモートコントローラ10の有線IDとを記憶する。また通信経路管理部17は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号と共に受信し、主制御部16がIDを含ませた通信経路情報100を記憶する。通信経路管理部17は、第2通信部12または第3通信部13が終了信号と共に受信した通信経路情報100を記憶する。更に通信経路管理部17は、設定情報を記憶する。
実施の形態1に係るリモートコントローラ10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access memory)等のメモリ、通信インターフェース回路、および、液晶ディスプレイまたはEL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示装置等によって構成可能である。第1通信インターフェース部11Bの機能は、赤外線等を用いての通信のための通信インターフェース回路によって実現できる。第2通信インターフェース部12Cの機能は、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)等による無線通信のための通信インターフェース回路によって実現できる。第3通信インターフェース部13Bの機能は、イーサネット(登録商標)による通信または光ファイバを用いた通信等の、有線通信のための通信インターフェース回路によって実現できる。表示部15の機能は、表示装置により実現できる。通信経路管理部17の機能は、メモリによって実現できる。主制御部16、第1通信制御部11A、第2通信制御部12A、無線機器検知部12B、第3通信制御部13A、および表示制御部14の各機能は、プロセッサが、メモリに記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより実現できる。リモートコントローラ10は、その全部または一部を専用のハードウェアとしてもよい。例えば、主制御部16、第1通信制御部11A、第2通信制御部12A、無線機器検知部12B、第3通信制御部13A、および表示制御部14の全部または一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路を用いて構成してもよい。
以下、本実施の形態1に係る空気調和システム1における1以上のリモートコントローラ10による1以上の空気調和装置30の制御処理について、図4〜図9を参照して説明する。以下、一括設定モードで操作信号が送信される場合について説明する。また以下では、操作信号、要求信号、または終了信号等を送信する側を主側とし、操作信号、要求信号、または終了信号等を受信する側を従側とする。図4は、リモートコントローラが種々の信号を受信した場合における処理の流れを例示する図である。図5は、無線通信装置から操作信号を受信、または使用者等からの入力を受け付けたリモートコントローラによる処理の一例を示すフローチャートである。図6は、リモートコントローラの、有線通信による操作信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。図7は、リモートコントローラの、無線通信による操作信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。図8は、従側のリモートコントローラによる処理の一例を示すフローチャートである。図9は、終了信号を受信した場合におけるリモートコントローラ10による処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すステップS101に先立ち、使用者等は、1以上の空気調和装置30を一括で設定するため、無線通信装置20またはリモートコントローラ10に対して、一括設定モードにおける操作の指示を入力する。当該操作の指示が無線通信装置20に入力された場合には、当該無線通信装置20は、無線通信が可能な1以上のリモートコントローラ10に、当該指示の内容に対応する操作信号を送信する。あるいは、当該無線通信装置20は、使用者等が指定した1以上のリモートコントローラ10に操作信号を送信する。
ステップS101において、リモートコントローラ10の第2通信部12が無線通信装置20から操作信号を受信した場合には(ステップS101:YES)、第2通信部12は、主制御部16へ操作信号の受信があった旨の通知を行い、主制御部16は、処理をステップS201(図5)へ移す。あるいは、ステップS101において、リモートコントローラ10に使用者等から操作の指示が入力された場合には(ステップS101:YES)、主制御部16は、処理をステップS201へ移す。なお、ステップS101において、リモートコントローラ10に使用者等から操作の指示が入力された場合には(ステップS101:YES)、主制御部16は、処理をステップS202へ移してもよい。
ステップS201においてリモートコントローラ10の設定が禁止設定の場合には(ステップS201:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS204に移行させる。ステップS201においてリモートコントローラ10の設定が許可設定の場合には(ステップS201:YES)、ステップS202において主制御部16は、制御対象の空気調和装置30へ、ステップS101で受信した操作信号またはステップS101で入力された内容に基づく操作信号を送信するよう第1通信部11に対して指示を行う。第1通信部11は、主制御部16からの指示に基づいて制御対象の空気調和装置30に操作信号を送信する。空気調和装置30は当該操作信号に応じて動作する。
ステップS203において表示制御部14は、ステップS202で送信した操作信号に基づく空気調和装置30の動作または設定等の内容を、主制御部16からの指示に従って表示部15に表示させる。例えば、操作信号によって空気調和装置30の設定温度が変更された場合には、表示制御部14は、表示部15を制御して、設定温度の変更が行われたことと、変更後の設定温度とを表示する。なお、ステップS101において、リモートコントローラ10が無線通信装置20から操作信号を受信している場合には、当該ステップS203の処理は省かれてもよい。
ステップS204において主制御部16は、操作信号の識別子とリモートコントローラ10のIDとを含む通信経路情報100を生成し、通信経路管理部17に記憶する。ステップS204において主制御部16は、ステップS101でリモートコントローラ10が無線通信装置20から操作信号を受信している場合には、通信経路情報100にリモートコントローラ10の無線IDを格納する。ステップS204において主制御部16は、ステップS101でリモートコントローラ10に使用者等が入力を行っている場合には、通信経路情報100にリモートコントローラ10の有線IDを格納する。ただし、これらに限定されない。
ステップS205においてリモートコントローラ10は、従側から主側に切り替わり、以下では操作信号の送信を行う。以下、図6を参照して、リモートコントローラ10による操作信号の送信処理について説明する。
図6のステップS301において第3通信部13は、主制御部16からの指示に従って、有線接続している他のリモートコントローラ10があるか否かを検知する。当該検知処理においては、例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)におけるコマンド(Pingコマンド)が用いられてもよい。有線接続している他のリモートコントローラ10が検知されなかった場合には(ステップS301:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理を後述するステップS401(図7)へ移行させる。有線接続している他のリモートコントローラ10がある場合には(ステップS301:YES)、第3通信部13は、有線接続している他のリモートコントローラ10の有線IDを取得し、ステップS302において主制御部16は、当該有線IDを通信経路管理部17に記憶する。
ステップS303において第3通信部13は、主制御部16の指示に応じて、ステップS302において通信経路管理部17に記憶した有線IDを有するリモートコントローラ10に要求信号を送信する。要求信号は、上述したように、設定情報と通信経路情報100とを要求する信号である。ここで、主側のリモートコントローラ10が設定情報を要求する理由について説明する。
本実施の形態1のリモートコントローラ10による操作信号の送信処理の一例においては、禁止設定されているリモートコントローラ10に対して操作信号を送信しない。禁止設定されているリモートコントローラ10に操作信号を送信しても、当該リモートコントローラ10の制御対象の空気調和装置30に、使用者等からの操作の指示を反映させることができない。このような無駄な送信処理を省くため、当該一例におけるリモートコントローラ10は、禁止設定されているリモートコントローラ10を操作信号の送信対象にはせず、当該操作信号を送信しない。このためリモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10の設定情報を確認する必要があり、他のリモートコントローラ10に設定情報を要求する。ただし、操作信号の送信の際に、禁止設定されているリモートコントローラ10を、他のリモートコントローラ10への中継のために用いる場合にはこの限りではない。
なお、リモートコントローラ10が通信経路情報100を要求する理由は、上述の通り、他のリモートコントローラ10に重複して同じ操作信号を送信する無駄な処理を省くためである。
要求信号を受信して従側となったリモートコントローラ10の処理について図4および図8を参照して説明する。リモートコントローラ10の第3通信部13が要求信号を受信した場合には(ステップS102:YES)、ステップS501(図8)において主制御部16は、要求信号に含まれる、操作信号の識別子を含む通信経路情報100があるか通信経路管理部17を検索する。当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を既に受信している場合には、通信経路管理部17には当該操作信号の識別子を含む通信経路情報100が記憶されている。当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を未受信であれば、通信経路管理部17には当該操作信号の識別子を含む通信経路情報100が記憶されていない。
ステップS501において主制御部16は、当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を既に受信していた場合には、通信経路管理部17から取得した通信経路情報100、および設定情報を、要求信号の送信元のリモートコントローラ10へ送信するよう第3通信部13を制御する。ステップS501において主制御部16は、当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を未受信であれば、当該識別子を含む通信経路情報100であって、通信経路を示すIDを格納するための格納領域に例えばNULL値を格納した通信経路情報100、および設定情報を、要求信号の送信元のリモートコントローラ10へ送信するよう第3通信部13を制御する。
図6を参照し、要求信号をステップS303で送信したリモートコントローラ10についての説明に戻る。第3通信部13が要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信するまでの間(ステップS304:NO)、リモートコントローラ10は待機する。第3通信部13が、要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信した場合には(ステップS304:YES)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS305に移行させる。ステップS305において主制御部16は、ステップS304で受信した設定情報および通信経路情報100に基づいて、これらの情報の送信元であるリモートコントローラ10を、操作信号の送信対象とするか否かを判定する。
主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの全てを操作信号の送信対象にしないと判定した場合には(ステップS305:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理を、後述するステップS401へ移行させる。主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの少なくとも1つを操作信号の送信対象にすると判定した場合には(ステップS305:YES)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS306へ移行させる。
ステップS306において主制御部16は、ステップS305において操作信号の送信対象とした全てのリモートコントローラ10に対して操作信号を送信するよう第3通信部13を制御する。この際に、主制御部16は、操作信号と共に受信した、通信経路管理部17が記憶する通信経路情報100を、操作信号の送信対象のリモートコントローラ10に送信するよう第3通信部13を制御する。
ステップS301において有線通信が可能な他のリモートコントローラ10がなかった場合、または、ステップS305において操作信号の送信対象のリモートコントローラ10がなかった場合の処理について、図7を参照して説明する。以下は、リモートコントローラ10による無線通信での操作信号の送信処理に関する。以下の処理は、有線通信による操作信号の送信対象のリモートコントローラ10がない場合における処理である。
なお、ステップS301において有線接続しているリモートコントローラ10がない場合、または、ステップS305において操作信号の送信対象のリモートコントローラ10がない場合において、無線通信による操作信号の送信処理を行うとした理由は以下の通りである。無線通信よりも有線通信を優先して実行することで、電波強度に依存せずに、操作信号の送受信を確実且つ迅速に行われるからである。しかし、有線通信による処理は、信号線の長さまたはリモートコントローラ10の配置等によっては不可能な場合もある。また、有線接続していないリモートコントローラ10に操作信号の送信対象となるリモートコントローラ10がある可能性もある。このようなリモートコントローラ10に対して無線通信によって操作信号を送信することで、空気調和システム1において、より多くの空気調和装置30を一括して設定できる。そのため、本実施の形態1に係るリモートコントローラ10は、操作信号の送信対象となる有線接続されている他のリモートコントローラ10には有線通信による処理を行い、操作信号の送信対象となる有線接続されていないリモートコントローラ10には無線通信による処理を行う。
ステップS401において主制御部16は、第2通信部12を制御して、他のリモートコントローラ10から発信されている電波の検知処理を実行させる。ステップS402において主制御部16は、ステップS401において検知された電波の強度が基準強度以上か否かを判定する。電波の強度が基準強度以上の場合には(ステップS402:YES)、ステップS403において主制御部16は、当該電波に含まれる無線IDを通信経路管理部17に記憶する。なお、ステップS402およびステップS403の処理に代えて、主制御部16は、予め定められた期間の間、他のリモートコントローラ10からの電波の強度を通信経路管理部17に記憶し、当該期間における電波の強度の平均が基準強度以上となる他のリモートコントローラ10に対し、ステップS404以降の処理を実行してもよい。
ステップS402において基準強度以上の強度の電波を発信しているリモートコントローラ10がない場合には(ステップS402:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS408へ移行させる。なお、当該ステップS408における処理については後述する。
ステップS404において第2通信部12は、主制御部16の指示に応じて、ステップS403において通信経路管理部17に記憶した無線IDを有するリモートコントローラ10に要求信号を送信する。
要求信号を受信して従側となったリモートコントローラ10の処理について、図4および図8を参照して説明する。リモートコントローラ10の第2通信部12が要求信号を受信した場合には(ステップS102:YES)、ステップS501(図8)において主制御部16は、要求信号に含まれる、操作信号の識別子を含む通信経路情報100があるか通信経路管理部17を検索する。当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を既に受信している場合には、通信経路管理部17には当該操作信号の識別子を含む通信経路情報100が記憶されている。当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を未受信であれば、通信経路管理部17には当該操作信号の識別子を含む通信経路情報100が記憶されていない。
ステップS501において主制御部16は、当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を既に受信していた場合には、通信経路管理部17から取得した通信経路情報100、および設定情報を、要求信号の送信元のリモートコントローラ10へ送信するよう第2通信部12を制御する。ステップS501において主制御部16は、当該従側のリモートコントローラ10が当該操作信号を未受信であれば、当該識別子を含む通信経路情報100であって、通信経路を示すIDを格納するための格納領域に例えばNULL値を格納した通信経路情報100、および設定情報を、要求信号の送信元のリモートコントローラ10へ送信するよう第2通信部12を制御する。
図7を参照し、要求信号をステップS404で送信したリモートコントローラ10についての説明に戻る。リモートコントローラ10は、要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信するまでの間(ステップS405:NO)、待機する。第2通信部12が、要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信した場合には(ステップS405:YES)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS406に移行させる。ステップS406において主制御部16は、ステップS405で受信した設定情報および通信経路情報100に基づいて、これらの情報の送信元であるリモートコントローラ10を、操作信号の送信対象とするか否かを判定する。
主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの全てを操作信号の送信対象にしないと判定した場合には(ステップS406:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理を、後述するステップS408へ移行させる。主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの少なくとも1つを操作信号の送信対象にすると判定した場合には(ステップS406:YES)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS407へ移行させる。
ステップS407において主制御部16は、ステップS406において操作信号の送信対象とした全てのリモートコントローラ10に対して操作信号を送信するよう第2通信部12を制御する。この際に、主制御部16は、操作信号と共に受信した、通信経路管理部17が記憶する通信経路情報100を、操作信号の送信対象のリモートコントローラ10に送信するよう第2通信部12を制御する。
ステップS408において、リモートコントローラ10は、操作信号の送信元のリモートコントローラ10または無線通信装置20に、終了信号と、通信経路管理部17に記憶されている通信経路情報100とを送信する。
次に図8を参照して、ステップS501において、要求信号に応じて通信経路情報100を送信したリモートコントローラ10による処理について説明する。ステップS502においてリモートコントローラ10の主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13からの通知に基づいて、主側のリモートコントローラ10から操作信号および通信経路情報100を受信したか否かを判定する。
従側のリモートコントローラ10は、予め定められた時間が経過するまでの間、主側のリモートコントローラ10からの操作信号を待機する。従側のリモートコントローラ10が、主側のリモートコントローラ10から、予め定められた時間以内に操作信号および通信経路情報100を受信しなかった場合には(ステップS502:NO)、リモートコントローラ10の処理は終了する。従側のリモートコントローラ10が、主側のリモートコントローラ10から、予め定められた時間以内に操作信号および通信経路情報100を受信した場合には(ステップS502:YES)、ステップS503において主制御部16は、第1通信部11を制御して、制御対象の空気調和装置30に操作信号を送信させる。これにより、操作信号を受信した空気調和装置30は、当該操作信号に基づき動作する。ステップS504において表示制御部14は、主制御部16からの指示に従って、表示部15の表示内容を更新する。なお、ステップS101において操作信号が無線通信装置20からリモートコントローラ10に送信されているような場合には、ステップS504の処理は省かれてもよい。
ステップS505において主制御部16は、通信経路管理部17に、主側のリモートコントローラ10から受信した通信経路情報100を記憶する。当該記憶の際に、主制御部16は、主側のリモートコントローラ10から受信した通信経路情報100における通信経路を示すIDの格納領域に、リモートコントローラ10のIDを格納する。当該格納されるIDは、当該操作信号を第3通信部13が受信した場合には有線IDであり、当該操作信号を第2通信部12が受信した場合には無線IDである。主側のリモートコントローラ10から受信した通信経路情報100の通信経路を示すIDの格納領域に予め1以上のIDが含まれていた場合には、主制御部16は、当該1以上のIDの末尾のIDに対して、リモートコントローラ10の有線IDまたは無線IDを連結させる。
ステップS506においてリモートコントローラ10は、従側から主側に切り替わり、上述したステップS301(図6)の処理へ移行する。
次に、リモートコントローラ10が終了信号を受信した場合における処理について、図4および図9を参照して説明する。ステップS103(図4)においてリモートコントローラ10の第2通信部12または第3通信部13が終了信号を受信しない場合には(ステップS103:NO)、リモートコントローラ10は、信号の待機状態へと戻る。ステップS103においてリモートコントローラ10の第2通信部12または第3通信部13が、操作信号を送信した先のリモートコントローラ10から、終了信号および経路信号を受信した場合には(ステップS103:YES)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS601に移行させる。
ステップS601において主制御部16は、終了信号と共に受信した通信経路情報100を、通信経路管理部17に記憶する。このとき、主制御部16は、当該通信経路情報100によって、上記ステップS204またはステップS505において通信経路管理部17に記憶した通信経路情報100を更新する。または、主制御部16は、当該通信経路情報100を、上記ステップS204またはステップS505において通信経路管理部17に記憶した通信経路情報100と共に通信経路管理部17に記憶してもよい。
ステップS601で記憶される通信経路情報100には、有線通信または無線通信によって操作信号を受信した1以上のリモートコントローラ10のIDが、当該操作信号の受信順に含まれている。リモートコントローラ10は、次の操作信号の受信の際に、当該通信経路情報100を用いることで、上述したステップS301からステップS305までの処理、ステップS401からステップS406までの処理、およびステップS501の処理等を省くことができる。すなわち、リモートコントローラ10は、操作信号を受信すると当該通信経路情報100における自身のIDの次に連結されているIDを有するリモートコントローラ10に当該操作信号を送信すればよい。
主制御部16は、空気調和システム1における次の操作信号の伝達をよりスムーズにするため、当該通信経路情報100に含まれる無線IDを有するリモートコントローラ10から発せられる電波の強度を用いて、当該次の操作信号の送信先を決定してもよい。そのために、主制御部16は、通信経路情報100に含まれる無線IDを有するリモートコントローラ10から発せられる電波の強度であって、無線機器検知部12Bが検知した電波の強度を、通信経路情報100における無線IDと対応付けて、通信経路管理部17に記憶してもよい。
続いてステップS602において主制御部16は、通信経路情報100において、リモートコントローラ10のIDより前に格納されているIDがあるか否かを判定する。すなわち主制御部16は、リモートコントローラ10に対して操作信号を送信した他のリモートコントローラ10の有無を判定する。
操作信号の送信元のリモートコントローラ10がある場合には(ステップS602:YES)、ステップS603においてリモートコントローラ10は、従側から主側に切り替わる。これにより、主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13を制御して、当該操作信号の送信元のリモートコントローラ10に、終了信号およびステップS103において受信した通信経路情報100を送信させる。
操作信号の送信元のリモートコントローラ10がない場合には(ステップS602:NO)、ステップS604において主制御部16は、表示制御部14に対し、表示部15の表示内容を更新するよう指示する。ここでは、主制御部16は、表示制御部14に対し、ステップS103で受信した通信経路情報100の内容を表示部15に表示させるよう指示する。表示制御部14は、主制御部16からの指示に応じて、表示部15に通信経路情報100の内容を表示させる。あるいは、操作信号の送信元が無線通信装置20である場合には(ステップS602:NO)、ステップS604において主制御部16は、第2通信部12を制御して、当該無線通信装置20に通信経路情報100を送信する。通信経路情報100を受信した無線通信装置20は、不図示の表示部に当該通信経路情報100の内容を表示する。なお、主制御部16は、通信経路情報100のIDの格納領域に最初に含まれるIDが無線IDであるか否かによって、操作信号の送信元が無線通信装置20であるか否かを判断することができる。
なお、ステップS604において、リモートコントローラ10の表示部15に通信経路情報100の内容を自動的に表示する場合に代えて、表示制御部14は、通信経路情報100の内容が表示可能であることを示す情報を表示するよう表示部15を制御してもよい。この場合には、使用者等の当該リモートコントローラ10への操作によって、表示制御部14は、通信経路情報100の内容を表示部15に表示させてもよい。
表示部15または無線通信装置20に通信経路情報100の内容が表示されることによって、操作信号を受信した全ての空気調和装置30が示され、設定変更などの制御が行われた空気調和装置30を使用者等が確認するためである。
実施の形態1に係る空気調和システム1は、各々が、複数の空気調和装置30の各々を制御する、複数のリモートコントローラ10の間で、有線通信または無線通信を行うリモートコントローラ10を有する。実施の形態1に係るリモートコントローラ10は、第1通信部11と第2通信部12と第3通信部13と主制御部16とを備える。第1通信部11は、空気調和装置30を制御するための操作信号を、当該空気調和装置30に送信する。第2通信部12は、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10または無線通信装置20と無線通信を行う。第3通信部13は、有線接続している他のリモートコントローラ10と有線通信を行う。主制御部16は、第1通信部11、第2通信部12、および第3通信部13を制御する。主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号を受信した場合であって、有線接続している他のリモートコントローラ10がある場合には、当該有線接続している他のリモートコントローラ10に操作信号を送信するよう第3通信部13を制御する。主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号を受信した場合であって、有線接続している他のリモートコントローラ10がない場合であって、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10がある場合には、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10に操作信号を送信するよう第2通信部12を制御する。実施の形態1に係るリモートコントローラ10は、有線接続しているリモートコントローラ10に対し、操作信号を優先的に送信する。これにより、実施の形態1に係るリモートコントローラ10と空気調和システム1は、操作信号の送受信を迅速且つ確実に行うことができる。
実施の形態1に係る複数のリモートコントローラ10の各々は、無線通信において当該複数のリモートコントローラ10の各々を識別する第1識別情報と、有線通信において当該複数のリモートコントローラ10の各々を識別する第2識別情報とを有する。リモートコントローラ10の第2通信部12は、当該リモートコントローラ10の第1識別情報を含む電波を発信し、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10が発する無線の電波を検知する。第3通信部13は、有線接続している他のリモートコントローラ10がある場合には、当該有線接続している他のリモートコントローラ10の第2識別情報を取得する。これにより、リモートコントローラ10は、有線通信または無線通信が可能なリモートコントローラ10を識別できるようになり、正確に操作信号の送受信を行えるようになる。
実施の形態1に係る空気調和システム1において、操作信号は、当該操作信号を他の操作信号から識別するための第3識別情報を含み、当該操作信号が辿った通信経路を示す通信経路情報100と共に送受信される。リモートコントローラ10は、通信経路情報100を記憶する通信経路管理部17を更に備える。通信経路管理部17は、第2通信部12が、操作信号と通信経路情報100とを受信した場合には、当該リモートコントローラ10の第1識別情報を含ませた当該通信経路情報100を記憶し、第3通信部13が、操作信号と通信経路情報100とを受信した場合には、当該リモートコントローラ10の第2識別情報を含ませた通信経路情報100を記憶する。通信経路管理部17が、操作信号を受信したリモートコントローラ10のIDを含む通信経路情報100を記憶するため、操作信号は、通信経路情報100を用いての無駄のない通信経路において送受信される。これにより、空気調和システム1における迅速な空気調和装置30の制御が可能になる。
実施の形態1に係る主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号を受信した場合であって、有線接続している他のリモートコントローラ10がある場合には、当該有線接続している他のリモートコントローラ10に、操作信号の識別子を含む通信経路情報100を要求する要求信号を送信するよう第3通信部13を制御する。主制御部16は、第3通信部13が有線接続している他のリモートコントローラ10から受信した、当該識別子を含む通信経路情報100を用いて、当該有線接続している他のリモートコントローラ10を、当該操作信号の送信対象とするか否かを判定する。主制御部16は、有線接続している他のリモートコントローラ10を操作信号の送信対象とする場合には、当該有線接続している他のリモートコントローラ10に当該操作信号を送信するよう第3通信部13を制御する。これにより、リモートコントローラ10は、有線接続している他のリモートコントローラ10が操作信号を既に受信しているか否かを参照し、参照結果に基づいて、無駄のない操作信号の送信処理を行うことができる。
実施の形態1における主制御部16は、要求信号の応答として、有線接続している他のリモートコントローラ10から受信した、操作信号の識別子を含む通信経路情報100における通信経路を示す情報の格納領域に、当該有線接続している他のリモートコントローラ10の無線IDと有線IDとがない場合には、当該有線接続している他のリモートコントローラ10を当該操作信号の送信対象とし、当該有線接続している他のリモートコントローラ10の無線IDまたは有線IDがある場合には、当該有線接続している他のリモートコントローラ10を当該操作信号の送信対象としない。これにより、有線接続している他のリモートコントローラ10に対する重複する操作信号の送信処理を省くことができる。従って空気調和システム1における操作信号の伝搬の迅速化を図ることができる。
実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号を受信した場合であって、当該操作信号の送信対象の有線接続している他のリモートコントローラ10がない場合であって、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10がある場合には、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10に、当該操作信号の識別子を含む通信経路情報100を要求する要求信号を送信するよう第2通信部12を制御する。主制御部16は、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10から受信した、操作信号の識別子を含む通信経路情報100を用いて、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10を、当該操作信号の送信対象とするか否かを判定する。主制御部16は、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10を操作信号の送信対象とする場合には、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10に操作信号を送信するよう第2通信部12を制御する。これにより、リモートコントローラ10は、同一グループ以外の、無線通信が可能なリモートコントローラ10に対しても操作信号の送信を行うことができ、操作信号は、広い範囲に設置されているリモートコントローラ10に伝搬されることができる。
実施の形態1における主制御部16は、要求信号の応答として、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10から受信した、操作信号の識別子を含む通信経路情報100における通信経路を示す情報の格納領域に、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10の無線IDと有線IDとがない場合には、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10を当該操作信号の送信対象とし、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10の無線IDまたは有線IDがある場合には、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10を当該操作信号の送信対象としない。これにより、リモートコントローラ10は、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10に対する重複する操作信号の送信処理を省くことができる。従って空気調和システム1における操作信号の伝搬の迅速化を図ることができる。
実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が操作信号を受信した場合であって、当該操作信号の送信対象の有線接続している他のリモートコントローラ10がない場合であって、且つ、当該操作信号の送信対象の無線通信が可能な他のリモートコントローラ10がない場合には、当該操作信号の送信元の他のリモートコントローラ10または無線通信装置20に、当該操作信号の送信処理が終了したことを示す終了信号、および、通信経路管理部17に記憶された、当該操作信号の識別子を含む通信経路情報100を送信するよう第2通信部12または第3通信部13を制御する。これにより、操作信号の送信元の他のリモートコントローラ10または無線通信装置20は、操作信号の送信処理が完了した旨を検知することができる。
実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12または第3通信部13が終了信号と通信経路情報100とを受信した場合には、当該通信経路情報100を通信経路管理部17に記憶し、当該通信経路情報100における識別子を含む操作信号の送信元のリモートコントローラ10または無線通信装置20に、終了信号と当該通信経路情報100とを送信するよう、第2通信部12または第3通信部13を制御する。これにより、リモートコントローラ10は、当該リモートコントローラ10から送信された操作信号が辿った通信経路についての情報を取得でき、以降の操作信号の送受信の際に当該情報を用いることができ、操作信号の空気調和システム1における伝搬の迅速化を図ることができる。
実施の形態1に係るリモートコントローラ10は、第2通信部12または第3通信部13が終了信号と通信経路情報100とを受信した場合には、主制御部16からの指示に従って、当該通信経路情報100が示す内容を表示する表示部15を更に備える。これにより、リモートコントローラ10に操作指示を入力した使用者等は、当該操作指示が反映された空気調和装置30を知ることができるようになり、使用者等の利便性が向上する。
実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12が、操作信号と通信経路情報100とを受信した場合には、当該通信経路情報100における通信経路を示す情報の末尾に、リモートコントローラ10の無線IDを連結し、第3通信部13が、操作信号と通信経路情報100とを受信した場合には、当該通信経路情報100における通信経路を示す情報の末尾に、リモートコントローラ10の有線IDを連結し、当該無線IDまたは当該有線IDの連結後の通信経路情報100を通信経路管理部17に記憶する。これにより、通信経路情報100によって、リモートコントローラ10は、送受信した操作信号が辿った通信経路についてより正確に取得でき、より迅速に操作信号の送受信を行うことができる。
実施の形態1における主制御部16は、他のリモートコントローラ10から別の操作信号を受信した場合には、通信経路管理部17に記憶された通信経路情報100であって、終了信号と共に第2通信部12または第3通信部13が受信した通信経路情報100に基づいて、別の操作信号を他のリモートコントローラ10に送信するよう、第2通信部12または第3通信部13を制御する。これにより、リモートコントローラ10は、より迅速に操作信号の送受信を行うことができる。
実施の形態1における要求信号は、操作信号の識別子を含む通信経路情報100と共に、当該要求信号の送信先の他のリモートコントローラ10の設定情報を要求するものである。設定情報は、当該他のリモートコントローラ10が、当該他のリモートコントローラ10の制御対象の空気調和装置30を、リモートコントローラ10または無線通信装置20から受信した操作信号に基づいて制御可能か否かを示す情報である。主制御部16は、要求信号の送信先の他のリモートコントローラ10から受信した設定情報が、リモートコントローラ10または無線通信装置20から受信した操作信号によっては、他のリモートコントローラ10の制御対象の空気調和装置30を制御できないことを示す場合には、他のリモートコントローラ10を操作信号の送信対象としない。これにより、操作信号の伝搬が無駄なく行える。
実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12が検知した電波の強度を、当該電波に含まれる無線IDと対応付けて、通信経路管理部17に記憶する。主制御部16は、第2通信部12を制御して操作信号を送信させる場合には、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10のうち、予め定められた基準強度以上の強度の電波を発する他のリモートコントローラ10に、当該操作信号を送信するよう第2通信部12を制御する。これにより、より確実且つ迅速に操作信号が伝搬される通信経路が操作信号の伝達の際に用いられることになり、空気調和システム1における制御の効率化を図ることができる。
実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12が検知した電波の強度であって、予め定められた基準強度以上の電波の強度と、当該電波に含まれる無線IDとを対応付けて、通信経路管理部17に記憶する。主制御部16は、第2通信部12を制御して操作信号を送信させる場合には、通信経路管理部17に記憶されている無線IDを有する他のリモートコントローラ10に、操作信号を送信するよう第2通信部12を制御する。これにより、より確実且つ迅速に操作信号が伝搬される通信経路が操作信号の伝達の際に用いられ、空気調和システム1における制御の効率化を図ることができると共に、リモートコントローラ10における通信経路管理部17の記憶領域の節約を図ることができる。
実施の形態1における主制御部16は、第2通信部12が検知した電波の強度を、当該電波に含まれる無線IDと対応付けて、通信経路管理部17に記憶し、第2通信部12を制御して操作信号を送信させる場合には、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10のうち、強度のより高い電波を発する他のリモートコントローラ10に、優先的に当該操作信号を送信するよう第2通信部12を制御する。これにより、空気調和システム1において操作信号が、より迅速且つ確実に伝搬されることができる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2について説明する。上記実施の形態1と重複する内容については特段の事情が無い限り説明を省略する。また、実施の形態1における各構成と同一の構成または相当する構成には同一の符号を付す。
上記実施の形態1に係る空気調和システム1は、各々が、1以上のリモートコントローラ10を含む複数のグループが、互いに離れた場所に設置されている場合において、操作信号が行き渡らないグループが存在する虞がある。これにより、使用者等の意図する操作が空気調和システム1において実行されない可能性がある。本実施の形態2に係る空気調和システム1Aは、互い離れた場所に設置される複数のグループにおいて操作信号の送受信を可能にするものである。
図10は、実施の形態2に係る空気調和システムの構成を例示する図である。本実施の形態2に係る空気調和システム1Aは、上記実施の形態1に係る空気調和システム1が含む各構成に加え、1以上の無線中継装置40を有する。1以上の無線中継装置40は、例えば、上述したリモートコントローラ10、コンピュータ、ゲートウェイ、およびルータ等である。無線中継装置40は、空気調和システム1Aが、1以上のリモートコントローラ10を含むグループを複数含む場合において、グループ間の無線通信を可能にするために設けられる。無線中継装置40は、1以上のリモートコントローラ10と有線接続されていてもよいし、されていなくともよい。図10に示す空気調和システム1Aの一例では、無線中継装置40は、1つのグループに含まれるリモートコントローラ10と有線接続されているが、これに限定されない。
無線中継装置40は、リモートコントローラ10との間で、操作信号、経路信号、要求信号、または終了信号等の信号の送受信を行う。なお、無線中継装置40は、リモートコントローラ10と同様に、操作信号を経路信号と共に送受信し、終了信号を経路信号と共に送受信する。また無線中継装置40は、リモートコントローラ10に対して要求信号を送信する。無線中継装置40は、リモートコントローラ10と同様、自己を他の無線中継装置40およびリモートコントローラ10等から識別する、一意的な第4識別情報の一例であるIDを有している。以下、無線中継装置40の構成について説明する。
図11は、実施の形態2における無線中継装置が含む機能ブロックを例示する図である。無線中継装置40は、第1中継部41と、第2中継部42と、中継側表示制御部43と、中継側表示部44と、中継側主制御部45と、中継側経路管理部46とを備える。
第1中継部41は、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)等の通信規格により、リモートコントローラ10と無線通信を行う。なお、空気調和システム1Aが複数の無線中継装置40を含む場合には、無線中継装置40は、互いに通信を行わなくともよいし、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)等の通信規格により、第1中継部41を介して他の無線中継装置40と通信を行ってもよい。なお本実施の形態2においては、無線中継装置40が無線電波を検知した他の無線中継装置40がある場合には、これらの無線中継装置40は互いに通信を行うとする。
第1中継部41は、リモートコントローラ10との間で信号の送受信を行う。また第1中継部41は、無線電波を発信する。当該無線電波には、無線中継装置40のIDが含まれる。第1中継部41は、リモートコントローラ10または無線中継装置40が発信する無線電波を検知する。第1中継部41は、第1中継制御部41Aと、中継側無線検知部41Bと、第1中継インターフェース部41Cと、を有する。
第1中継制御部41Aは、リモートコントローラ10または他の無線中継装置40との間で、第1中継インターフェース部41Cを介して信号の送受信を行う。中継側無線検知部41Bは、第1中継インターフェース部41Cを介してリモートコントローラ10または他の無線中継装置40からの無線電波を検知する。この際に、中継側無線検知部41Bは、当該無線電波の強度を検知する。また中継側無線検知部41Bは、当該無線電波の発信元の、リモートコントローラ10の無線ID、または無線中継装置40のIDを取得する。また第1中継制御部41Aは、第1中継インターフェース部41Cを介して無線電波を発信する。
第2中継部42は、有線接続しているリモートコントローラ10を検知し、当該リモートコントローラ10の有線IDを取得する。第2中継部42は、有線接続するリモートコントローラ10と信号の送受信を行う。第2中継部42は、第2中継制御部42Aと、第2中継インターフェース部42Bと、を有する。第2中継制御部42Aは、有線接続するリモートコントローラ10との間で、第2中継インターフェース部42Bを介して信号の送受信を行う。第2中継制御部42Aは、有線接続するリモートコントローラ10から、第2中継インターフェース部42Bを介して有線IDを取得する。
中継側表示制御部43は中継側表示部44を制御し、中継側表示部44は中継側表示制御部43の指示に従って各種情報を表示する。中継側主制御部45は、第1中継制御部41A、第2中継制御部42A、中継側無線検知部41B、および中継側表示制御部43を制御する。
中継側主制御部45は、第1中継制御部41Aが第1中継インターフェース部41Cを介して信号を受信した場合には、第1中継制御部41Aから当該信号が含む情報等を取得する。中継側主制御部45は、第1中継制御部41Aを制御して、第1中継インターフェース部41Cを介して信号をリモートコントローラ10または他の無線中継装置40へ送信させる。中継側主制御部45は、中継側無線検知部41Bを制御して、無線電波を検知させる。また中継側主制御部45は、中継側無線検知部41Bが検知した無線電波の強度と、当該無線電波に含まれるIDとを、中継側無線検知部41Bから取得する。中継側主制御部45は、第2中継制御部42Aが第2中継インターフェース部42Bを介して信号を受信した場合には、第2中継制御部42Aから当該信号が含む情報等を取得する。中継側主制御部45は、第2中継制御部42Aを制御して、第2中継インターフェース部42Bを介して信号をリモートコントローラ10または他の無線中継装置40へ送信させる。
中継側主制御部45は、操作信号と共に受信した通信経路情報100を中継側経路管理部46に記憶する。この際に、中継側主制御部45は、通信経路情報100に、当該中継側主制御部45を含む無線中継装置40のIDを含ませてもよい。
中継側主制御部45は、中継側無線検知部41Bが検知した無線電波の強度を、当該無線電波に含まれるIDと対応付けて、中継側経路管理部46に記憶する。中継側主制御部45は、無線電波の強度を、当該無線電波に含まれるIDであって、通信経路情報100に含まれるIDと対応付けて中継側経路管理部46に記憶してもよい。
中継側主制御部45は、第1中継部41または第2中継部42が操作信号を受信した場合であって、第2中継部42が有線接続しているリモートコントローラ10を検知した場合には、第2中継部42を制御して、当該有線接続しているリモートコントローラ10に操作信号を送信させる。また中継側主制御部45は、第1中継部41または第2中継部42が操作信号を受信した場合であって、第2中継部42が有線接続しているリモートコントローラ10を検知しなかった場合には、第1中継部41を制御して、第1中継部41が検知した電波を発するリモートコントローラ10または無線中継装置40に操作信号を送信させる。
本実施の形態2における中継側主制御部45は、第1中継部41または第2中継部42を制御してリモートコントローラ10に操作信号を送信させるのに先立ち、当該リモートコントローラ10が既に当該操作信号を受信しているか否かを確認するため要求信号を当該リモートコントローラ10へ送信する。中継側主制御部45は、当該要求信号に対するリモートコントローラ10からの応答に含まれる通信経路情報100を参照して、当該通信経路情報100における通信経路を示す情報に当該リモートコントローラ10のIDが含まれているかを判定する。当該通信経路情報100における通信経路を示す情報に当該リモートコントローラ10のIDが含まれる場合には、当該リモートコントローラ10は当該操作信号を既に受信しているため、中継側主制御部45は、当該リモートコントローラ10を操作信号の送信対象から外す。当該通信経路情報100における通信経路を示す情報に当該リモートコントローラ10のIDが含まれない場合には、当該リモートコントローラ10は当該操作信号を未受信であるため、中継側主制御部45は、当該リモートコントローラ10を操作信号の送信対象とし、当該リモートコントローラ10に当該操作信号を送信するよう第1中継部41または第2中継部42を制御する。
本実施の形態2における中継側主制御部45は、無線通信によって操作信号を送信する際に、予め定められた基準強度以上の強度の電波を発するリモートコントローラ10または他の無線中継装置40へ、操作信号を送信するよう第1中継部41を制御する。中継側主制御部45は、無線通信によって操作信号を送信する際に、強度のより高い電波を発するリモートコントローラ10へ、優先的に操作信号を送信するよう第1中継部41を制御してもよい。例えば、中継側主制御部45は、強度のより高い電波を発するリモートコントローラ10から順番に操作信号を送信するよう第1中継部41を制御してもよい。
中継側主制御部45は、操作信号の送信対象のリモートコントローラ10または無線中継装置40がない場合には、当該操作信号の送信元に終了信号を送信するよう第1中継部41または第2中継部42を制御する。この場合において、中継側主制御部45は、終了信号と共に、中継側経路管理部46に記憶した通信経路情報100に対応する経路信号を送信するよう第1中継部41または第2中継部42を制御してもよい。
中継側主制御部45は、終了信号を受信した場合には、中継側表示制御部43を制御して、当該終了信号と共に受信した通信経路情報100を中継側表示部44に表示させてもよい。また中継側主制御部45は、操作信号の送信先のリモートコントローラ10または無線中継装置40から終了信号を受信した場合であって、当該操作信号の送信元のリモートコントローラ10または無線中継装置40がある場合には、終了信号、および当該終了信号と共に受信した通信経路情報100を、当該送信元へ送信するよう第1中継部41または第2中継部42を制御する。
中継側経路管理部46は、中継側無線検知部41Bが取得したリモートコントローラ10または無線中継装置40から発信されている電波の強度と、当該電波に含まれるIDと、第2中継部42が取得したリモートコントローラ10の有線IDとを記憶する。また中継側経路管理部46は、第1中継部41または第2中継部42が操作信号と共に受信し、中継側主制御部45がIDを含ませた通信経路情報100を記憶する。中継側経路管理部46は、第1中継部41または第2中継部42が終了信号と共に受信した通信経路情報100を記憶する。中継側経路管理部46は、要求信号の応答としてリモートコントローラ10から設定情報を受信した場合には、これを記憶してもよい。
実施の形態2に係る無線中継装置40は、例えば、CPUまたはMPU等のプロセッサ、ROMまたはRAM等のメモリ、通信インターフェース回路、および、液晶ディスプレイまたはELディスプレイ等の表示装置等によって構成可能である。第1中継インターフェース部41Cの機能は、Bluetooth(登録商標)またはZigBee(登録商標)等による無線通信のための通信インターフェース回路によって実現できる。第2中継インターフェース部42Bの機能は、イーサネット(登録商標)による通信または光ファイバを用いた通信等の、有線通信のための通信インターフェース回路によって実現できる。中継側表示部44の機能は、表示装置により実現できる。中継側経路管理部46の機能は、メモリによって実現できる。中継側主制御部45、第1中継制御部41A、中継側無線検知部41B、第2中継制御部42A、および中継側表示制御部43の各機能は、プロセッサが、メモリに記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより実現できる。無線中継装置40は、その全部または一部を専用のハードウェアとしてもよい。例えば、中継側主制御部45、第1中継制御部41A、中継側無線検知部41B、第2中継制御部42A、および中継側表示制御部43の全部または一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路を用いて構成してもよい。
以下、本実施の形態2に係る空気調和システム1Aにおける1以上のリモートコントローラ10と1以上の無線中継装置40による1以上の空気調和装置30の制御処理について、図12〜図17、および図5、図6、図8を参照して説明する。以下、上記実施の形態1と同様、一括設定モードで操作信号が送信される場合について説明する。図12は、空気調和システムにおけるリモートコントローラと無線中継装置が種々の信号を受信した場合における処理の流れを例示する図である。図13は、実施の形態2におけるリモートコントローラの、無線通信による操作信号の第1の送信処理の一例を示すフローチャートである。図14は、実施の形態2におけるリモートコントローラの、無線通信による操作信号の第2の送信処理の一例を示すフローチャートである。図15は、無線中継装置の、有線通信による操作信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。図16は、無線中継装置の、無線通信による操作信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。図17は、終了信号を受信した場合における無線中継装置の処理の一例を示す図である。
図12に示すステップS701における処理は、上記実施の形態1における図4でのステップS101における処理と同様あり、ステップS701において、リモートコントローラ10の第2通信部12が無線通信装置20から操作信号を受信した場合、またはリモートコントローラ10に使用者等から操作の指示が入力された場合には(ステップS701:YES)、主制御部16は、処理をステップS201(図5)へ移す。なお、ステップS701において、リモートコントローラ10に使用者等から操作の指示が入力された場合には(ステップS701:YES)、主制御部16は、処理をステップS202へ移してもよい。以下のステップS201〜ステップS205の処理は、上記実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
ステップS205に続くステップS301(図6)において、第3通信部13は、主制御部16からの指示に従って、有線接続している他のリモートコントローラ10があるか否かを検知する。有線接続している他のリモートコントローラ10が検知されなかった場合には(ステップS301:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理を、後述するステップS801(図13)へ移行させる。有線接続している他のリモートコントローラ10がある場合(ステップS301:YES)におけるステップS302とステップS303の処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
ステップS303において主側のリモートコントローラ10から要求信号を送信したリモートコントローラ10の処理について図12および図8を参照して説明する。リモートコントローラ10の第3通信部13が要求信号を受信した場合には(ステップS702:YES)、当該リモートコントローラ10の処理はステップS501(図8)に進む。ステップS501〜S506の処理は、上記実施の形態1における処理と同様であるため説明を省略する。
図6を参照し、要求信号をステップS303で送信したリモートコントローラ10についての説明に戻る。ステップS304の処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。ステップS305においてリモートコントローラ10の主制御部16は、ステップS304で受信した設定情報および通信経路情報100の送信元のリモートコントローラ10を、操作信号の送信対象とするか否かを判定する。
主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの全てを操作信号の送信対象にしないと判定した場合には(ステップS305:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理を、後述するステップS801(図13)へ移行させる。主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの少なくとも1つを操作信号の送信対象にすると判定した場合(ステップS305:YES)におけるステップS306の処理は、上記実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以下、図13を参照してステップS801以降の処理について説明する。ステップS801において主制御部16は、第2通信部12を制御して、他のリモートコントローラ10から発信されている電波の検知処理を実行させる。ステップS802において主制御部16は、ステップS801において検知された電波の強度が基準強度以上か否かを判定する。ステップS802において基準強度以上の強度の電波を発信しているリモートコントローラ10がない場合には(ステップS802:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS901(図14)へ移行させる。ステップS802において電波の強度が基準強度以上の場合(ステップS802:YES)における以降のステップS803、ステップS804、ステップS805の各処理は、それぞれ図7におけるステップS403、ステップS404、ステップS405の各処理と同様であるため説明を省略する。また、ステップS404において要求信号の送信先となったリモートコントローラ10の処理についても、上述した、図12におけるS702および図8における各処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS806においてリモートコントローラ10の主制御部16は、ステップS805で受信した設定情報および通信経路情報100に基づいて、これらの情報の送信元であるリモートコントローラ10を、操作信号の送信対象とするか否かを判定する。主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの全てを操作信号の送信対象にしないと判定した場合には(ステップS806:NO)、主制御部16は、リモートコントローラ10の処理をステップS901へ移行させる。主制御部16が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの少なくとも1つを操作信号の送信対象にすると判定した場合(ステップS806:YES)におけるステップS807の処理は、上記ステップS407の処理と同様であるため説明を省略する。
以下、ステップS901以降の処理について、図14を参照して説明する。ステップS901において、リモートコントローラ10の主制御部16は、第3通信部13を制御して、有線接続する無線中継装置40の有無を検知し、第2通信部12を制御して、無線中継装置40のIDを含む電波を検知する。ステップS901において、第2通信部12と第3通信部13とが無線中継装置40を検知しなかった場合には(ステップS901:NO)、ステップS902において主制御部16は、操作信号の送信先のリモートコントローラ10または無線通信装置20へ終了信号を送信するよう第2通信部12または第3通信部13を制御する。当該リモートコントローラ10は、終了信号の送信後、処理を終了する。当該終了信号を受信した他のリモートコントローラ10は(図12におけるステップS704:YES)、処理を図9に示されるステップS601に移す。以降のステップS601〜ステップS604の処理は、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
ステップS901において、第2通信部12または第3通信部13が無線中継装置40を検知した場合には(ステップS901:YES)、ステップS903において主制御部16は、検知された無線中継装置40に操作信号を送信するよう第2通信部12または第3通信部13を制御する。当該リモートコントローラ10は、無線中継装置40に操作信号を送信後、処理を終了する。
次にリモートコントローラ10または無線中継装置40から操作信号を受信した無線中継装置40の処理について図12、図15、および図16を参照して説明する。ステップS703(図12)において無線中継装置40は、リモートコントローラ10または他の無線中継装置40から操作信号を受信した場合には(ステップS703:YES)、ステップS1001(図15)以降の処理を行う。
ステップS1001において第2中継部42は、中継側主制御部45からの指示に従って、有線接続している他のリモートコントローラ10があるか否かを検知する。当該検知処理においては、例えば、ICMPにおけるコマンドが用いられてもよい。有線接続しているリモートコントローラ10が検知されなかった場合には(ステップS1001:NO)、中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理を後述するステップS1101(図16)へ移行させる。有線接続しているリモートコントローラ10がある場合には(ステップS1001:YES)、第2中継部42は、有線接続しているリモートコントローラ10の有線IDを取得し、ステップS1002において中継側主制御部45は、当該有線IDを中継側経路管理部46に記憶する。
ステップS1003において第2中継部42は、中継側主制御部45の指示に応じて、ステップS1002において中継側経路管理部46に記憶した有線IDを有するリモートコントローラ10に要求信号を送信する。要求信号は、上述したように、設定情報と通信経路情報100とを要求する信号である。無線中継装置40が設定情報と通信経路情報100とを要求する理由は、上述した、リモートコントローラ10がこれらの情報を要求する理由と同様である。要求信号を受信して従側となったリモートコントローラ10の処理は、上述した図12および図8を参照して説明した処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS1003の処理後、第2中継部42が要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信するまでの間(ステップS1004:NO)、無線中継装置40は待機する。第2中継部42が、要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信した場合には(ステップS1004:YES)、中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理をステップS1005へ移行させる。ステップS1005において中継側主制御部45は、ステップS1004で受信した設定情報および通信経路情報100に基づいて、これらの情報の送信元であるリモートコントローラ10を、操作信号の送信対象とするか否かを判定する。当該判定の仕方は、ステップS305におけるリモートコントローラ10の判定の仕方と同様である。
中継側主制御部45が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの全てを操作信号の送信対象にしないと判定した場合には(ステップS1005:NO)、中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理を、後述するステップS1101へ移行させる。中継側主制御部45が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの少なくとも1つを操作信号の送信対象にすると判定した場合には(ステップS1005:YES)、中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理をステップS1006へ移行させる。
ステップS1006において中継側主制御部45は、ステップS1005において操作信号の送信対象とした全てのリモートコントローラ10に対して操作信号を送信するよう第2中継部42を制御する。この際に、中継側主制御部45は、操作信号と共に受信し、通信経路管理部17に格納した通信経路情報100を、操作信号の送信対象のリモートコントローラ10に送信するよう第2中継部42を制御する。
ステップS1001において有線通信が可能な他のリモートコントローラ10がなかった場合、または、ステップS1005において操作信号の送信対象のリモートコントローラ10がなかった場合の処理について、図16を参照して説明する。以下の処理は、有線通信による操作信号の送信対象のリモートコントローラ10がない場合における処理である。
ステップS1101において中継側主制御部45は、第1中継部41を制御して、リモートコントローラ10から発信されている電波の検知処理を実行させる。ステップS1102において中継側主制御部45は、ステップS1101において検知された電波の強度が基準強度以上か否かを判定する。電波の強度が基準強度以上の場合には(ステップS1102:YES)、ステップS1103において中継側主制御部45は、当該電波に含まれる無線IDを中継側経路管理部46に記憶する。なお、ステップS1102およびステップS1103の処理に代えて、中継側主制御部45は、予め定められた期間の間、リモートコントローラ10からの電波の強度を中継側経路管理部46に記憶し、当該期間における電波の強度の平均が基準強度以上となるリモートコントローラ10に対し、ステップS1104以降の処理を実行してもよい。
ステップS1102において基準強度以上の強度の電波を発信しているリモートコントローラ10がない場合には(ステップS1102:NO)、中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理をステップS1108へ移行させる。なお、当該ステップS1108における処理については後述する。
ステップS1104において第1中継部41は、中継側主制御部45の指示に応じて、ステップS1103において中継側経路管理部46に記憶した無線IDを有するリモートコントローラ10に要求信号を送信する。
要求信号を受信して従側となったリモートコントローラ10の処理は、図12および図8を参照して上述した処理と同様であるため説明を省略する。無線中継装置40は、要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信するまでの間(ステップS1105:NO)、待機する。第1中継部41が、要求信号の送信先の1以上のリモートコントローラ10から設定情報および通信経路情報100を受信した場合には(ステップS1105:YES)中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理をステップS1106へ移行させる。ステップS1106において中継側主制御部45は、ステップS1105で受信した設定情報および通信経路情報100に基づいて、これらの情報の送信元であるリモートコントローラ10を、操作信号の送信対象とするか否かを判定する。
中継側主制御部45が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの全てを操作信号の送信対象にしないと判定した場合には(ステップS1106:NO)、中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理を、後述するステップS1108へ移行させる。中継側主制御部45が、設定情報および通信経路情報100の送信元の1以上のリモートコントローラ10のうちの少なくとも1つを操作信号の送信対象にすると判定した場合には(ステップS1106:YES)、中継側主制御部45は、無線中継装置40の処理をステップS1107へ移行させる。
ステップS1107において中継側主制御部45は、ステップS1106において操作信号の送信対象とした全てのリモートコントローラ10に対して操作信号を送信するよう第1中継部41に指示する。この際に、中継側主制御部45は、操作信号と共に受信した通信経路情報100を、操作信号の送信対象のリモートコントローラ10に送信するよう第1中継部41を制御する。
ステップS1108において、無線中継装置40は、操作信号の送信元のリモートコントローラ10または無線中継装置40に、終了信号と通信経路情報100とを送信する。
図12のステップS704において、無線中継装置40が、リモートコントローラ10または他の無線中継装置40から終了信号を受信した場合には(ステップS704:YES)、中継側主制御部45は、当該無線中継装置40による処理を、図17におけるステップS1201へ移行させる。ステップS1201において中継側主制御部45は、終了信号と共に受信した通信経路情報100を中継側経路管理部46に記憶する。続いてステップS1202において中継側主制御部45は、当該通信経路情報100に含まれる識別子を含む操作信号の送信元の、リモートコントローラ10または無線中継装置40に、終了信号と当該通信経路情報100とを送信する。
実施の形態2に係る空気調和システム1Aは、リモートコントローラ10と他のリモートコントローラ10との間の通信を中継する1以上の無線中継装置40を有する。無線中継装置40は、少なくとも1つのリモートコントローラ10と無線通信を行い、操作信号を受信した場合において、有線接続しているリモートコントローラ10がある場合には、当該有線接続している他のリモートコントローラ10に当該操作信号を送信する。無線中継装置40は、有線接続しているリモートコントローラ10がない場合には、無線通信するリモートコントローラ10へ操作信号を送信する。これにより、1以上のリモートコントローラ10を含むグループ同士が離れていて、無線通信が行えない場合でも、無線中継装置40が操作信号を中継することから、信号の伝搬が可能になる。また無線中継装置40が、1以上のリモートコントローラ10において、有線接続しているリモートコントローラ10に優先的に操作信号を送信することから、空気調和システム1A内における操作信号の伝達を迅速且つ確実に行うことができる。
実施の形態2に係るリモートコントローラ10は、当該リモートコントローラ10と有線接続している他のリモートコントローラ10がない場合であって、当該リモートコントローラ10と無線通信が可能な他のリモートコントローラ10がない場合であって、且つ、有線通信または無線通信が可能な無線中継装置40がある場合において、操作信号を受信した場合には、当該無線中継装置40に当該操作信号を送信する。これにより、リモートコントローラ10からは到達し得ない場所に設置されたリモートコントローラ10に対しても操作信号の伝達を行うことができるようになり、より広い範囲の空気調和装置30を制御することができる。
実施の形態2に係るリモートコントローラ10は、操作信号を受信した場合であって、当該リモートコントローラ10と有線接続している他のリモートコントローラ10が当該操作信号を当該リモートコントローラ10より先に受信している場合であって、当該リモートコントローラ10と無線通信が可能な他のリモートコントローラ10がない場合であって、且つ、有線通信または無線通信が可能な無線中継装置40がある場合には、有線接続している他のリモートコントローラ10に操作信号を送信せず、当該無線中継装置40に操作信号を送信する。これにより、リモートコントローラ10は、有線接続している他のリモートコントローラ10が既に受信している操作信号と同一の操作信号を、当該有線接続している他のリモートコントローラ10に送信しないため、無駄な送信処理を省くことができる。従って、操作信号の伝達の迅速化を図ることができる。また、当該リモートコントローラ10が、無線中継装置40を介することにより、より広い範囲におけるリモートコントローラ10に操作信号を送信することが可能になる。
実施の形態2に係るリモートコントローラ10は、操作信号を受信した場合であって、当該リモートコントローラ10と有線接続している他のリモートコントローラ10がない場合であって、当該リモートコントローラ10と無線通信が可能な他のリモートコントローラ10が当該操作信号を当該リモートコントローラ10より先に受信している場合であって、且つ、有線通信または無線通信が可能な無線中継装置40がある場合には、当該無線通信か可能な他のリモートコントローラ10に前記操作信号を送信せず、当該無線中継装置40に当該操作信号を送信する。これにより、リモートコントローラ10は、無線通信が可能な他のリモートコントローラ10が既に受信している操作信号と同一の操作信号を、当該無線通信が可能な他のリモートコントローラ10に送信しないため、無駄な送信処理を省くことができる。従って、操作信号の伝達の迅速化を図ることができる。また、当該リモートコントローラ10が、無線中継装置40を介することにより、より広い範囲におけるリモートコントローラ10に操作信号を送信することが可能になる。
実施の形態2に係るリモートコントローラ10は、操作信号を受信した場合であって、当該リモートコントローラ10と有線接続している他のリモートコントローラ10が当該操作信号を当該リモートコントローラ10より先に受信している場合であって、当該リモートコントローラ10と無線通信が可能な他のリモートコントローラ10が当該操作信号を当該リモートコントローラ10より先に受信している場合であって、且つ、有線通信または無線通信が可能な無線中継装置40がある場合には、当該無線中継装置40に当該操作信号を送信する。これにより、リモートコントローラ10は、他のリモートコントローラ10が既に受信している操作信号と同一の操作信号を、当該他のリモートコントローラ10に送信しないため、無駄な送信処理を省くことができる。従って、操作信号の伝達の迅速化を図ることができる。また、当該リモートコントローラ10が、無線中継装置40を介することにより、より広い範囲におけるリモートコントローラ10に操作信号を送信することが可能になる。
実施の形態2に係る無線中継装置40は、操作信号を受信した場合において、当該操作信号を未受信の、有線接続しているリモートコントローラ10がある場合には、当該操作信号を当該有線接続しているリモートコントローラ10に送信する。また無線中継装置40は、有線接続しているリモートコントローラ10が当該操作信号を無線中継装置40より先に受信している場合であって、当該操作信号を未受信の、無線通信が可能なリモートコントローラ10がある場合には、操作信号を当該無線通信が可能なリモートコントローラ10に送信する。無線中継装置40が、操作信号を未受信の、有線接続しているリモートコントローラ10がある場合に、当該操作信号を送信することから、確実に操作信号を伝達することができる。また無線中継装置40が、有線接続しているリモートコントローラ10が既に当該操作信号を受信している場合であって、当該操作信号を未受信の、無線通信が可能なリモートコントローラ10に当該操作信号を送信するため、操作信号の無駄な送信処理を省くことができると共に、操作信号を空気調和システム1A内により行き渡らせることができる。
本発明に係るリモートコントローラは、各々が、複数の空気調和装置の各々を制御する、複数のリモートコントローラの間で、有線通信または無線通信を行うリモートコントローラであって、前記空気調和装置を制御するための操作信号を、該空気調和装置に送信する第1通信部と、無線通信が可能な他の前記リモートコントローラまたは無線通信装置と無線通信を行う第2通信部と、有線接続している他のリモートコントローラと有線通信を行う第3通信部と、前記第1通信部、前記第2通信部、および前記第3通信部を制御する主制御部と、を備え、前記主制御部は、前記第2通信部または前記第3通信部が前記操作信号を受信した場合であって、前記操作信号の送信対象となる有線接続している他の前記リモートコントローラがある場合には、該有線接続している他のリモートコントローラに前記操作信号を送信するよう前記第3通信部を制御し、前記第2通信部または前記第3通信部が前記操作信号を受信した場合であって、前記操作信号の送信対象となる有線接続している他の前記リモートコントローラがない場合であって、無線通信が可能な他の前記リモートコントローラがある場合には、該無線通信が可能な他のリモートコントローラに前記操作信号を送信するよう前記第2通信部を制御する。