以下に、本発明の実施の形態にかかる推定装置である上位装置および無線システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる上位装置を備える無線システムの構成例を示す図である。図2は、図1に示す上位装置の構成を示す機能ブロック図である。図3は、図1に示す上位装置の構成を示す構成図である。図4は、図1に示す無線親機の構成を示す機能ブロック図である。図5は、図1に示す無線親機の構成を示す構成図である。図6は、図1に示す無線子機の構成を示す機能ブロック図である。図7は、図1に示す無線子機の構成を示す構成図である。図8は、図4に示す無線親機の上りルーティング格納部が記憶したテーブルの一例を示す図である。図9は、図1に示す無線システムが設置される構造物の配置情報の一例を示す図である。図10は、図1に示す無線システムの無線メッシュネットワークの構成例を示す概略図である。
図1に示したように、本実施の形態の無線システム1は、図9に一例を示すセンシング対象である構造物100に設置され、構造物100の各部屋102に設置されたセンサ14が検出した検出結果を収集し、記憶するシステムである。図9に示す構造物100は、一つの管理室101と、複数の部屋102とを含む。管理室101は、構造物100の例えば1階の任意の位置に配置されるが、管理室101の位置は限定されない。実施の形態1において、部屋102は、水平方向と平行な行方向であるX軸方向および鉛直方向と平行でX軸方向に直交する列方向であるY軸方向に沿って複数並べられている。実施の形態1において、部屋102は、X軸方向に五つ並べられ、Y軸方向に五つ並べられている。部屋102の個数は、限定されない、X軸方向の部屋102の個数とY軸方向の部屋102の個数とは異なっていてもよい。
実施の形態1の構造物100は、五階建ての構造物である。以下、1階の各部屋102を、101号室から順に105号室と記し、2階の各部屋102を、同様に、201号室から順に205号室と記す。構造物100は、101号室から505号室の部屋102を備えている。なお、以下、本明細書は、無線システム1の各構成要素において、設置される部屋102の番号が明確なものを、構成要素である無線子機の符号−部屋番号と記し、不明確なものを構成要素である無線子機の符号のみで記す。
構造物100に設置される無線システム1は、図1に示すように、各部屋102に配置されたセンサ14と、X軸方向およびY軸方向に沿って並べられた複数の無線子機13と、管理室101に配置されかつ無線子機13と無線通信しかつ各センサ14の検出結果を収集し、記憶する無線親機12と、無線親機12に接続しかつ無線システム1における無線メッシュMの接続関係を取得する推定装置である上位装置11とを備える、無線システム1は、図10に示すように、無線子機13と無線親機12とを接続する無線リンク2および無線子機13同士を接続する無線リンク2により無線メッシュMを構成する。即ち、無線システム1は、複数の無線子機13と無線親機12とで無線メッシュMを構成する。
各部屋102に配置されたセンサ14は、部屋102内の温度、湿度および気圧の少なくとも一つを検出し、検出結果を無線子機13に送信する。また、センサ14は、各部屋102が使用する電力および水量の少なくとも一つを検出し、検出結果を無線子機13に送信してもよい。
無線子機13は、各部屋102に配置される。無線子機13は、センサ14の検出結果を無線親機12に送信するとともに、無線親機12からのメッセージを他の無線子機13に無線送信する。無線子機13は、具体的には、図6に示すように、無線親機12又は他の無線子機13と無線通信するための無線通信部1301およびアンテナ1302と、無線通信の制御およびセンサ14からデータを取得する子機処理部1303と、無線親機12への経路を記憶するルーティング記憶部1304を備える。
無線通信部1301は、アンテナ1302を介して、無線親機12又は他の無線子機13との間で無線信号を送受信する。子機処理部1303は、無線通信部1301の無線通信を制御する。子機処理部1303は、無線通信部1301が受信したメッセージに基づいて、メッセージの経由に指定されているか否かを判定する。子機処理部1303は、メッセージの経由に指定されていると判定すると、次の経由先である無線子機13の無線通信部1301へメッセージを送信する。
実施の形態1において、無線システム1は、図10に示すように、無線リンク2により無線子機13同士を接続している。実施の形態1において、102号室に配置された無線子機13−102の子機処理部1303がメッセージの経由に指定され、送信先が無線子機13−302であることと判定することがある。すると、無線子機13−102の子機処理部1303は、送信先である無線子機13−302にメッセージを送信する。
無線子機13のルーティング記憶部1304は、無線親機12との通信経路を管理する。無線子機13のルーティング記憶部1304は、無線親機12へメッセージを到達させるための経由先を記憶している。具体的には、ルーティング記憶部1304は、図10に示す無線リンク2による無線親機12へメッセージを到達させるために、経由させる無線子機13を記憶している。
実施の形態1において、無線子機13−104が無線親機12と通信する場合、無線子機13−104は、ルーティング記憶部1304を参照し、メッセージの経由先である無線子機13−103を抽出する。無線子機13−104の子機処理部1303は、無線子機13−103へメッセージを送信する。無線子機13−103は、同様に、ルーティング記憶部1304を参照し、無線親機12へメッセージを送信する。
無線子機13は、図7に示すように、アンテナ1302に接続しかつ無線通信する無線送受信機1305と、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1306と、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)1307と、CPU1306の作業領域として使用されるRAM(Random Acces Memory)1308と、CPU1306によりセンサ14の検出結果を示すデータが書き込まれる不揮発性メモリ1309とで構成される。
無線通信部1301は、無線送受信機1305により実現される。無線通信部1301の機能は、無線送受信機1305がCPU1306からのデータをアンテナ1302を通して送信し、アンテナ1302が受信したデータをCPU1306に転送することにより実現される。子機処理部1303は、CPU1306、RAM1308およびROM1307により実現される。子機処理部1303の機能は、CPU1306がROM1307に記憶された制御プログラムを読み込んでRAM1308の作業領域で実行することにより実現される。ルーティング記憶部1304は、ROM1307により実現される。ルーティング記憶部1304の機能は、ROM1307が無線親機12にデータを送信する際に経由させる無線子機13を記憶することにより実現される。また、複数の処理回路が、連携して、無線通信部1301、子機処理部1303およびルーティング記憶部1304の機能を実現してもよい。
無線親機12は、構造物100の管理室101に配置されて、構造物100に1つのみ設けられる。無線親機12は、図4に示すように、上位装置11と通信するための通信部1201と、無線システム1を構成するための処理を行う親機処理部1202と、無線子機13と無線通信を行うための無線通信部1203およびアンテナ1204と、無線親機12から各無線子機13までの通信経路を保持する上りルーティングテーブル格納部1205と、各無線子機13から受信したセンサ14の検出結果を記憶するセンサデータ格納部1206を備える。
通信部1201は、有線により上位装置11と接続している。無線通信部1203は、アンテナ1204を介して、無線子機13との間で無線信号を送受信する。親機処理部1202は、無線通信部1203の無線通信を制御する。上りルーティングテーブル格納部1205は、各無線子機13との通信経路を管理する。上りルーティングテーブル格納部1205は、無線親機12が各無線子機13と無線通信するために、経由先となる無線子機13を示すテーブルを記憶している。具体的には、上りルーティングテーブル格納部1205は、図10に示す無線リンク2による無線子機13同士の接続関係を記憶している。上りルーティングテーブル格納部1205に記憶されたテーブルは、図8に示すように、各無線子機13と、経由先となる無線子機13とを対応付けている。図8に示すテーブルは、無線親機12が無線子機13−502と無線通信する際に、無線子機13−102および無線子機13−302を経由先とすることを示している。
実施の形態1において、無線親機12は、無線子機13−502と通信する場合、上りルーティングテーブル格納部1205を参照し、無線子機13−102と無線子機13−302を経由することを抽出する。無線親機12の親機処理部1202は、無線子機13−102と無線子機13−302を経由することを指定し、メッセージを無線子機13−102に送信する。
無線親機12は、図5に示すように、通信用のIF(Interface)1207と、アンテナ1204に接続しかつ無線通信する無線送受信機1208と、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1209と、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)1210と、CPU1209の作業領域として使用されるRAM(Random Acces Memory)1211と、CPU1209によりセンサ14の検出結果を示すデータが書き込まれる不揮発性メモリ1212とで構成される。
通信部1201は、IF1207により実現される。通信部1201の機能は、IF1207が上位装置11と通信することにより実現される。無線通信部1203は、無線送受信機1208により実現される。無線通信部1203の機能は、無線送受信機1208がCPU1209からのデータをアンテナ1204を通して送信し、アンテナ1204が受信したデータをCPU1209に転送することにより実現される。親機処理部1202は、CPU1209、RAM1211およびROM1210により実現される。親機処理部1202の機能は、CPU1209がROM1210に記憶された制御プログラムを読み込んでRAM1211の作業領域で実行することにより実現される。上りルーティングテーブル格納部1205は、ROM1210により実現される。上りルーティングテーブル格納部1205の機能は、ROM1210が図8に示すテーブルを記憶することにより実現される。センサデータ格納部1206は、不揮発性メモリ1212により実現される。センサデータ格納部1206の機能は、CPU1209によりセンサ14の検出結果を示すデータが不揮発性メモリ1212に書き込まれることにより実現される。また、複数の処理回路が、連携して、通信部1201、親機処理部1202、無線通信部1203、上りルーティングテーブル格納部1205およびセンサデータ格納部1206の機能を実現してもよい。
上位装置11は、無線システム1を構造物100に導入する際に、各無線子機13と無線親機12との親子間接続関係および無線子機13同士の子機間接続関係を調査し、親子間接続関係および子機間接続関係から無線メッシュMの構築の可否を判定するものである。上位装置11は、図2に示すように、無線親機12と通信するための通信部1101と、複数の無線子機13の配置情報を記憶した情報記憶手段である配置情報格納部1103と、を備える。上位装置11は、図2に示すように、配置情報格納部1103が記憶した無線子機13の配置情報に基づいて、複数の無線子機13のうち無線親機12に一番近い無線子機13である最寄無線子機13から順に、一部の無線子機13と無線親機12との親子間接続関係および一部の無線子機13同士の子機間接続関係を調査する調査手段である上位装置処理部1102と、上位装置処理部1102が調査した一部の無線子機13と無線親機12との親子間接続関係および一部の無線子機13同士の子機間接続関係を調査結果として記憶する調査結果記憶手段である調査結果格納部1104を備える。なお、無線親機12に一番近い無線子機13である最寄無線子機13とは、無線親機12に距離が一番近い無線子機13である。また、本発明では、無線親機12に一番近い無線子機13である最寄無線子機13とは、無線親機12が無線子機13と無線通信する際の電界強度が一番強い無線子機13でもよい。
通信部1101は、有線により無線親機12と接続して、無線親機12と上位装置処理部1102とを接続している。配置情報格納部1103は、構造物100の管理室101に設置された無線親機12X軸方向およびY軸方向の座標と、各部屋102に設置された無線子機13のX軸方向およびY軸方向の座標とを記憶している。実施の形態1において、配置情報格納部1103は、図9に示すように、管理室101に配置された無線親機12の座標を(1,0)、101号部屋の無線子機13−101を(0,1)、102号部屋の無線子機13−102を(1,1)といった具合に、無線親機12および各無線子機13をX軸方向の座標とY軸方向の座標とを用いて割当てている。
上位装置11の上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104に記憶された調査結果および配置情報格納部1103が記憶した無線子機13の配置情報に基づいて、無線子機13のうち、子機間接続関係が調査できなかった未調査無線子機13同士の接続関係を推定する推定手段であるとともに、調査結果格納部1104に記憶された調査結果および未調査無線子機13同士の接続関係を推定した推定結果から得られた一部の無線子機13と無線親機12との親子間接続関係および無線子機13同士の子機間接続関係から、無線メッシュMの構築の可否を判定する判定手段である。なお、本実施の形態でいう、無線親機12と各無線子機13との接続関係とは、無線親機12と各無線子機13とが無線通信可能か否かを示し、無線子機13同士の接続関係とは、無線子機13同士が無線通信可能か否かを示している。また、実施の形態1において、上位装置処理部1102は、無線親機12と各無線子機13との間の電界強度および無線子機13間の電界強度が、無線通信可能となる閾値を超えている場合と無線通信可能とし、閾値以下の場合に無線通信不可能とする。
上位装置処理部1102は、一部の無線子機13と無線親機12との親子間接続関係および一部の無線子機13同士の子機間接続関係を調査する際に、無線親機12に一番近い無線子機13である最寄無線子機13に対してX軸方向の同じ行に並ぶ全ての同行無線子機13と、他の無線子機13との接続関係を調査するものである。上位装置処理部1102は、無線親機12に一番近い最寄無線子機13に対してX軸方向の同じ行に並ぶ全ての同行無線子機13に接続する他の無線子機13のうちの無線親機12からY軸方向において一番離れた子機間最遠無線子機13からY軸方向において無線親機12から一つ離れた同列隣接行無線子機13と、更に他の無線子機13と、の接続関係を調査するものである。上位装置処理部1102は、Y軸方向において無線親機12から一つ離れた同列隣接行無線子機13から順に、Y軸方向において、同列隣接行無線子機13と同じY軸方向上にあり、無線親機12から離れる方向に並んでいる無線子機13と、更に他の無線子機13と、の接続関係を調査することを、前記更に他の無線子機13が無線親機12からY軸方向において一番離れた無線子機13なるまで調査するものである。上位装置処理部1102は、無線子機13のうち、子機間接続関係が調査できなかった未調査無線子機13同士の接続関係を、未調査無線子機13同士のX軸方向又はY軸方向の配置と同じ配置関係にある無線子機13のうち、調査結果があるものの子機間接続関係から推定する。具体的には、上位装置処理部1102は、未調査無線子機13同士の接続関係を推定する際に、X軸方向又はY軸方向のいずれか一方に並ぶ他の無線子機13との接続関係が不明な無線子機13の接続関係を、接続関係が不明な無線子機13とX軸方向又はY軸方向の他方に並ぶ接続関係が調査済の無線子機13の接続関係から推定するものである。
上位装置11は、図3に示すように、通信用のIF(Interface)1104と、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1105と、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)1106と、CPU1105の作業領域として使用されるRAM(Random Acces Memory)1107と、CPU1105により調査結果を示すデータが書き込まれる不揮発性メモリ1108とで構成される。
通信部1101は、IF1104により実現される。通信部1101の機能は、IF1104が無線親機12と通信することにより実現される。上位装置処理部1102は、CPU1105、RAM1107およびROM1106により実現される。上位装置処理部1102の機能は、CPU1105がROM1106に記憶された制御プログラムを読み込んでRAM1107の作業領域で実行することにより実現される。配置情報格納部1103は、ROM1106により実現される。配置情報格納部1103の機能は、ROM1106が配置情報を記憶することにより実現される。調査結果格納部1104は、不揮発性メモリ1108により実現される。調査結果格納部1104の機能は、CPU1105により調査結果を示すデータが不揮発性メモリ1108に書き込まれることにより実現される。また、複数の処理回路が、連携して、通信部1101、上位装置処理部1102、配置情報格納部1103および調査結果格納部1104の機能を実現してもよい。
次に、実施の形態1の無線システム1の上位装置11の上位装置処理部1102が、無線システム1の導入の可否を判定する際に、各無線子機13同士の接続関係を調査する方法を、無線子機13−302と他の無線子機13との接続関係を調査する方法を例に挙げて説明する。
図11は、図1に示す上位装置が302号室の無線子機に調査メッセージM2を送信した状態を示す説明図である。図12は、図11に示す302号室の無線子機が周辺探索メッセージM3を送信した状態を示す説明図である。図13は、図12に示す302号室の周りの部屋の無線子機が探索応答メッセージM4を送信した状態を示す説明図である。図14は、図13に示す302号室の無線子機が無線親機に結果メッセージM6を送信した状態を示す説明図である。図15は、図1に示す上位装置が302号室の無線子機と他の無線子機との接続関係を調査する方法を示すタイムチャートの一例を示す図である。図16は、図11に示す上位装置が無線親機に送信する調査メッセージM2のメッセージフォーマットの一例を示す図である。図17は、図11に示す調査メッセージM2のメッセージフォーマットの一例を示す図である。図18は、図12に示す周辺探索メッセージM3のメッセージフォーマットの一例を示す図である。図19は、図13に示す探索応答メッセージM4のメッセージフォーマットの一例を示す図である。図20は、図14に示す302号室の無線子機が無線親機に送信する結果メッセージM6のメッセージフォーマットの一例を示す図である。図21は、図14に示す無線親機が上位装置に送信する結果メッセージM6のメッセージフォーマットの一例を示す図である。
まず、上位装置11の上位装置処理部1102は、図2に示す通信部1101を通して無線親機12に対して、図11および図15に示すように、無線子機13に調査メッセージM1を送信するよう要求する(ステップST11)。調査メッセージM1は、図16に示すように、ヘッダ部と、データ部とを有する。ヘッダ部は、送信元である上位装置11のアドレスと、送信先である無線親機12のアドレスとを有する。データ部は、接続関係を調査することを示すメッセージ本体と、調査対象の無線子機13−302のアドレスとを有する。
無線親機12は、図3に示す上りルーティングテーブル格納部1205に記憶された図8に示すテーブルを参照し、無線子機13―302にメッセージを送信するために経由する無線子機13−102を抽出する。無線親機12は、図11に示すように、無線子機13−102を経由して、無線子機13−302の接続関係を調査することを示す調査メッセージM2を無線子機13−302に送信する(ステップST12およびステップST13)。調査メッセージM2は、図17に示すように、ヘッダ部と、データ部とを有する。ヘッダ部は、送信元である無線親機12のアドレスと、送信先である無線子機13−302のアドレスとを有する。データ部は、経由先である無線子機13−102のアドレスと、無線子機13−302のアドレスと、接続関係を調査することを示すメッセージ本体と、調査対象の無線子機13−302のアドレスとを有する。
調査メッセージM2を受信した無線子機13−302は、図12に示すように、周辺探索メッセージM3をブロードキャストで送信(ステップST14)し、一定期間、周辺の無線子機13からの探索応答メッセージM4を待つ。周辺探索メッセージM3は、図18に示すように、ヘッダ部と、データ部とを有する。ヘッダ部は、送信元である無線子機13−302のアドレスと、送信先であるブロードキャストである旨を示す情報とを有する。データ部は、探索応答することを示すメッセージ本体を有する。
周辺探索メッセージM3を受信した無線子機13は、ランダムな待ち時間が経過した後、図13に示すように、周辺探索メッセージM3の送信元である無線子機13−302に対して、探索応答メッセージM4を送信する(ステップST15)。実施の形態1において、無線子機13−102、無線子機13−202、無線子機13−301、無線子機13−303、無線子機13−401、無線子機13−402および無線子機13−502が探索応答メッセージM4を無線子機13−302に送信する。探索応答メッセージM4は、図19に示すように、ヘッダ部と、データ部とを有する。ヘッダ部は、送信元である探索応答メッセージM4を送信する無線子機13−102、無線子機13−202、無線子機13−301、無線子機13−303、無線子機13−401、無線子機13−402および無線子機13−502のアドレスと、送信先である無線子機13−302のアドレスとを有する。データ部は、探索応答メッセージM4であることを示すメッセージ本体を有する。探索応答メッセージM4を受信した無線子機13−302は、各探索応答メッセージM4を受信した時の電界強度と、探索応答メッセージM4を送信した無線子機13のアドレスとを対応付けて、不揮発性メモリ1309に記憶しておく。
無線子機13−302は、探索応答メッセージM4を待つ一定期間が経過すると、図14に示すように、各探索応答メッセージM4を受信した時の電界強度と、探索応答メッセージM4を送信した無線子機13のアドレスとを対応付けた結果メッセージM5を、無線子機13−102を経由して無線親機12宛に送信する(ステップST16およびステップST17)。結果メッセージM5は、図20に示すように、ヘッダ部と、データ部とを有する。ヘッダ部は、送信元である探索応答メッセージM4を送信する無線子機13−302のアドレスと、送信先である無線親機12のアドレスとを有する。データ部は、結果メッセージM5であることを示すメッセージ本体と、調査対象の無線子機13−302のアドレスと、探索応答メッセージM4を送信した無線子機13のアドレスと電界強度とが対応付けられた情報である。実施の形態1の結果メッセージM6は、無線子機13−102のアドレスと電界強度とが対応付けられ、無線子機13−202のアドレスと電界強度とが対応付けられ、無線子機13−301のアドレスと電界強度とが対応付けられ、無線子機13−303のアドレスと電界強度とが対応付けられ、無線子機13−401のアドレスと電界強度とが対応付けられ、無線子機13−402のアドレスと電界強度とが対応付けられ、無線子機13−502のアドレスと電界強度とが対応付けられている。
無線親機12は、無線子機13−102を経由して無線子機13−302から結果メッセージM5を受信すると、図14に示すように、上位装置11に結果メッセージM6を転送する(ステップST18)。無線親機12が上位装置11に転送する結果メッセージM6は、図21に示すように、ヘッダ部と、データ部とを有する。ヘッダ部は、送信元である無線親機12のアドレスと、送信先である上位装置11のアドレスとを有する。データ部は、図20に示す結果メッセージM5と同様に、結果メッセージM6であることを示すメッセージ本体と、調査対象の無線子機13−302のアドレスと、探索応答メッセージM4を送信した無線子機13のアドレスと電界強度とが対応付けられた情報である。
上位装置11の上位装置処理部1102は、受信した結果メッセージM6に含まれる電界強度の値が、無線通信可能となる閾値を超えている無線子機13のアドレスのみを調査結果格納部1104に記憶する。実施の形態1において、無線子機13−302が、無線子機13−102、無線子機13−202、無線子機13−301、無線子機13−303、無線子機13−402および無線子機13−502からの探索応答メッセージM4を受信した時の電界強度の値が、閾値を超えている。また、実施の形態1において、無線子機13−302が、無線子機13−401からの探索応答メッセージM4を受信した時の電界強度の値が閾値以下である。
なお、図22は、図14に示す結果メッセージM6に基づく302号室の無線子機の無線通信可能な無線子機を示す図である。図23は、図14に示す結果メッセージM6に基づいて調査結果格納部に記憶されている302号室の無線子機の調査結果を示す図である。図23は、右の欄の無線子機13と、左の欄の無線子機13とが無線通信可能であることを示している。上位装置11の調査結果格納部1104は、図22および図23に示すように、無線子機13−302が無線通信可能な無線子機13−102、無線子機13−202、無線子機13−301、無線子機13−303、無線子機13−402および無線子機13−502のアドレスを記憶する。また、上位装置11の調査結果格納部1104は、図23の中央の欄に示すように、接続関係の調査を実施した無線子機13−302を調査済と記憶し、無線子機13−302を調査した際に無線通信可能な無線子機13を応答済と記憶する。
また、上位装置11の調査結果格納部1104は、図23に示すように、調査済の無線子機13−302と、無線子機13−302と無線通信可能な無線子機13−102、無線子機13−202、無線子機13−301、無線子機13−303、無線子機13−402および無線子機13−502とを対応付けて記憶する。
調査結果格納部1104は、図22および図23に示すように、無線子機13−302が探索応答メッセージM4を受信した無線子機13の内、無線子機13−401から探索応答メッセージM4を受信した時の電界強度の値が閾値以下であったため、無線子機13−401のアドレスを記憶しない。こうして、上位装置11の上位装置処理部1102は、各無線子機13と他の無線子機13との接続関係を調査する。上位装置11の調査結果格納部1104は、各無線子機13と他の無線子機13との接続関係を記憶する。図22および図23に示す無線アドレスとは、無線親機12および各無線子機13のアドレスを示す。図22および図23に示す無線アドレスは、無線親機12では「親機」とし、各無線子機13では「部屋番号」とする。
次に、実施の形態1の無線システム1の上位装置11の上位装置処理部1102が、無線システム1における無線メッシュMの構築の可否を判定する方法を説明する。図24は、図1に示す無線システムの上位装置が無線システムにおける無線メッシュの構築の可否を判定するためのフローチャートである。図25は、図24に示すステップST101において、無線親機と無線子機との接続関係を調査した結果を示す図である。図26は、図24に示すステップST101において、上位装置の調査結果格納部が記憶した無線親機と無線子機との接続関係を示す図である。
上位装置11の上位装置処理部1102は、無線親機12と無線子機13との接続関係を調査する(ステップST101)。具体的には、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線親機12に調査メッセージM2を送信し、無線親機12に周辺探索メッセージM3を送信させる。そして、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線親機12からの結果メッセージM6を受信して、図25に示すように、無線親機12と無線通信可能な無線子機13であるか否かを判定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図26に示すように、親子間接続関係の調査結果である無線親機12と無線通信可能な無線子機13のアドレスを記憶する。なお、実施の形態1の図25に示す例では、無線親機12と無線通信可能なものは、無線子機13−101、無線子機13−102および無線子機13−103である。
上位装置11の上位装置処理部1102は、配置情報格納部1103に記憶された配置情報を参照して、調査対象となる無線子機13と決定し、決定した無線子機13の接続関係を調査する(ステップST102)。
図27は、図24に示すステップST102において、上位装置が無線子機同士の接続関係の調査を実施するためのフローチャートを示している。図28は、図27に示すステップST201において、無線親機に一番近い無線子機である最寄無線子機と他の無線子機との接続関係を調査した結果を示す図である。図29は、図27に示すステップST203において、上位装置の調査結果格納部が記憶した最寄無線子機と他の無線子機との接続関係を示す図である。図30は、図27に示すステップST204において、ステップST202で応答した無線子機のうち一番近い無線子機と他の無線子機との接続関係を調査した結果を示す図である。図31は、図1に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図30の調査結果を示す図である。図32は、図27に示すステップST205において、調査対象の無線子機と他の無線子機との接続関係の調査結果を示す図である。図33は、図1に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図32の調査結果を示す図である。
上位装置11の上位装置処理部1102は、配置情報格納部1103に記憶された配置情報と、図26に示す無線親機12の調査結果を参照して、無線親機12と無線通信可能な無線子機13のうち一番近い無線子機13である最寄無線子機13を調査対象と決定する(ステップST201)。具体的には、上位装置処理部1102は、無線親機12と無線通信可能な無線子機13のうち配置情報から無線親機12との距離が一番近い無線子機13を調査対象と決定する。実施の形態1において、上位装置処理部1102は、最寄無線子機13である無線子機13−102を調査対象と決定する。上位装置11の上位装置処理部1102は、上りルーティングテーブル格納部1205に記憶された図8に示すテーブルを参照し、無線親機12を経由して、ステップST201において決定した無線子機13−102に調査メッセージM2を送信し、無線子機13−102に周辺探索メッセージM3を送信させる(ステップST202)。そして、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−102からの結果メッセージM6を受信して、図28に示すように、無線子機13−102と無線通信可能な無線子機13であるか否かを判定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図29に示すように、無線子機13−102と無線通信可能な無線子機13のアドレスを記憶する(ステップST203)。なお、実施の形態1では、無線子機13−102と無線通信可能なものは、無線親機12、無線子機13−101、無線子機13−103、無線子機13−202および無線子機13−302である。このように、上位装置処理部1102は、最寄無線子機13である無線子機13−102と他の無線子機13の接続関係を調査する。
そして、上位装置11の上位装置処理部1102は、ステップST201の調査対象である無線子機13−102にX軸方向に並ぶ無線子機13−101、無線子機13−103、無線子機13−104および無線子機13−105のうち接続関係が未調査の無線子機13が存在するか否かを判定する(ステップST204)。なお、接続関係が未調査の無線子機13とは、接続関係が調査されていなく、かつ他の無線子機13の接続関係の調査の際と無線通信可能と判定されていない無線子機13をいう。実施の形態1において、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−104および無線子機13−105が探索応答メッセージM4を未応答であるために、未調査の無線子機13が存在すると判定する。
上位装置11の上位装置処理部1102は、未調査の無線子機13が存在すると判定する(ステップST204:YES)と、調査結果格納部1104に記憶された調査結果および配置情報格納部1103に記憶された配置情報を参照して、未調査の無線子機13のうちの無線子機13−102と無線通信可能な無線子機13に、X軸方向に一番近い無線子機13を調査対象とし(ステップST205)、ステップST202に戻る。実施の形態1において、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−104を調査対象に決定し、上りルーティングテーブル格納部1205を参照して、無線子機13−103を経由して無線子機13−104に調査メッセージM2を送信する(ステップST202)。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−104からの結果メッセージM6を受信して、図30に示すように、無線子機13−104と無線通信可能な無線子機13であるか否かを判定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図31に示すように、無線子機13−104と無線通信可能な無線子機13のアドレスを記憶する(ステップST203)。実施の形態1において、無線子機13−105が、無線子機13−104と無線通信可能である。このように、上位装置処理部1102は、最寄無線子機13である無線子機13−102と、無線子機13−102に対してX軸方向の同じ行に並ぶ全ての同行無線子機13である無線子機13−101、無線子機13−102、無線子機13−103、無線子機13−104および無線子機13−105との接続関係を調査する。
すると、無線子機13−102に対してX軸方向に並ぶ全ての無線子機13が、調査済又は応答済となる。この状態になると、上位装置11の上位装置処理部1102は、未調査の無線子機13が存在しないと判定する(ステップST204:NO)。上位装置11の上位装置処理部1102は、未調査の無線子機13は存在しないと判定する(ステップST204:NO)ことにより、無線親機12に一番近い無線子機13−102に対してX軸方向に並ぶ全ての無線子機13と他の無線子機13との接続関係を調査することとなる。上位装置11の上位装置処理部1102は、未調査の無線子機13が存在しないと判定する(ステップST204:NO)と、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13のうちいずれかの接続関係を調査したか否かを判定する(ステップST206)。
実施の形態1において、無線子機13−401から無線子機13−505の接続関係が、未調査である。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13のうちいずれかの接続関係を調査していないと判定する(ステップST206:NO)と、調査結果格納部1104が記憶した調査結果と、配置情報格納部1103が記憶した配置情報を参照して、応答済である無線子機13のうちの無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13を抽出する。実施の形態1において、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−302および無線子機13−304を、応答済である無線子機13のうちの無線親機12からY軸方向に一番離れたものと抽出する。このように、上位装置処理部1102は、最寄無線子機13である無線子機13−102および同行無線子機13である無線子機13−101、無線子機13−102、無線子機13−103、無線子機13−104および無線子機13−105と接続する他の無線子機13のうち無線親機12からY軸方向において一番離れた子機間最遠無線子機13である無線子機13−302および無線子機13−304を抽出する。
そして、上位装置11の上位装置処理部1102は、応答済である無線子機13のうちの無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13を抽出し、抽出した無線子機13よりもY軸方向に無線親機12から一つ離れた無線子機13を調査対象とし(ステップST207)、ステップST202に戻る。実施の形態1において、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−302が応答済である無線子機13のうちの無線親機12からY軸方向に一番離れたものであるので、無線子機13−302よりもY軸方向に無線親機12から一つ離れた無線子機13−402を調査対象とする。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−304が応答済である無線子機13のうちの無線親機12からY軸方向に一番離れたものであるので、無線子機13−304よりもY軸方向に無線親機12から一つ離れた無線子機13−404を調査対象とする。上位装置11の上位装置処理部1102は、調査対象である無線子機13−402および無線子機13−404に調査メッセージM2を送信する(ステップST202)。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−402および無線子機13−404からの結果メッセージM6を受信して、図32に示すように、無線子機13−402および無線子機13−404と無線通信可能な無線子機13であるか否かを判定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図33に示すように、無線子機13−402および無線子機13−404と無線通信可能な無線子機13のアドレスを記憶する(ステップST203)。実施の形態1において、無線子機13−502が、無線子機13−402と無線通信可能であり、無線子機13−504が、無線子機13−404と無線通信可能である。このように、上位装置処理部1102は、子機間最遠無線子機13である無線子機13−302および無線子機13−304よりも無線親機12から更にY軸方向において一つ離れた同列隣接行無線子機13である無線子機13−402および無線子機13−404と、更に他の無線子機13との接続関係を調査する。無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13−502および無線子機13−504が、応答済となり、無線親機12と接続する。すると、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13のいずれかが調査済であると判定し(ステップST206:YES)、図27に示すフローチャートの処理を終了する。
上位装置処理部1102は、図27に示すフローチャートの処理を実行することで、配置情報格納部1104が記憶した無線子機13の配置情報に基づいて、複数の無線子機13のうち無線親機12に一番近い最寄無線子機13である無線子機13−102から順に、一部の無線子機13と無線親機12との親子間接続関係および一部の無線子機13同士の子機間接続関係を調査することとなる。上位装置11の上位装置処理部1102は、図27に示すフローチャートのステップST201からステップST203の処理を実行することで、無線親機12に一番近い最寄無線子機13である無線子機13−102と他の無線子機13の接続関係を調査する。上位装置11の上位装置処理部1102は、図27に示すフローチャートのステップST202からステップST205の処理を、ステップST204の判定がYESになるまで繰り返し実行することで、無線親機12に一番近い最寄無線子機13である無線子機13−102と、無線子機13−102に対してX軸方向の同じ行に並ぶ全ての同行無線子機13である無線子機13−101、無線子機12−103、無線子機13−104および無線子機13−105との接続関係を調査することとなる。
上位装置11の上位装置処理部1102は、図27に示すフローチャートのステップST206の判定がNOの場合にステップST207の処理を実行することで、無線親機12に一番近い最寄無線子機13である無線子機13−102および全ての同行無線子機13である無線子機13−101、無線子機12−103、無線子機13−104および無線子機13−105と接続する他の無線子機13である無線子機13−202、無線子機13−204、無線子機13−302および無線子機13−304のうち、無線親機12からY軸方向において一番離れた子機間最遠無線子機13である無線子機13−302および無線子機13−304を抽出する。上位装置11の上位装置処理部1102は、図27に示すフローチャートのステップST206の判定がNOの場合にステップST207の処理を実行してステップST202に戻ることにより、抽出した子機間最遠無線子機13である無線子機13−302および無線子機13−304よりも無線親機12からY軸方向において一つ離れた同列隣接行無線子機13である無線子機13−402および無線子機13−404と、更に他の無線子機13との接続関係を調査する。上位装置11の上位装置処理部1102は、図27に示すフローチャートをステップST206の判定がYESとなるまで実行することにより、同列隣接行無線子機13である無線子機13−402および無線子機13−404から順に、Y軸方向において、同列隣接行無線子機13である無線子機13−402および無線子機13−404と同じY軸方向上にあり、無線親機12から離れる方向に並んでいる無線子機13と、更に他の無線子機13との接続関係をそれぞれ調査することを、更に他の無線子機13が全ての無線子機13のうち無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13−502および無線子機13−504になるまで実行することとなる。
次に、図20に示すステップST103を説明する。上位装置11の上位装置処理部1102は、ステップST101およびステップ102の結果、即ち、調査結果格納部1104に記憶されたステップST101およびステップ102の調査結果を参照して、接続関係が不明な残りの未調査の無線子機13同士の接続関係を推定する(ステップST103)。
図34は、図24に示すステップST103において、接続関係が不明の未調査無線子機の他の無線子機との接続関係を上位装置が推定するためのフローチャートである。図35は、図34に示すステップST301において、101号室の無線子機の他の無線子機との接続関係を推定した結果を示す図である。図36は、図1に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図35の推定結果を示す図である。図37は、図34に示すステップST301において、103号室の無線子機の他の無線子機との接続関係を推定した結果を示す図である。図38は、図1に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図37の推定結果を示す図である。図39は、図34に示すステップST301において、103号室および201号室の無線子機の他の無線子機との接続関係を推定した結果を示す図である。図40は、図1に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図39の推定結果を示す図である。図41は、図34に示すステップST301において、未調査無線子機同士の接続関係を推定した結果を示す図である。図42は、図1に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図41の推定結果を示す図である。
上位装置11の上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104に記憶された調査結果を参照して、未応答の無線子機13および接続関係が未調査の無線子機13を、子機間接続関係が調査できなかった接続関係が不明な未調査無線子機13とする。上位装置11の上位装置処理部1102は、未応答の無線子機13および接続関係が未調査の無線子機13を、推定対象の未調査無線子機13とする(ステップST301)。具体的には、無線子機13のうちX軸方向又はY軸方向のいずれか一方に並ぶ他の無線子機13との接続関係が不明な無線子機13を推定対象とする。実施の形態1において、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−101のY軸方向に並ぶ他の無線子機13との接続関係が不明であるため、調査結果格納部1104に記憶された調査結果および配置情報格納部1103に記憶された配置情報を参照して、無線子機13−101を推定対象とする。同様に、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−103、無線子機13−105、無線子機13−201、無線子機13−202、無線子機13−203、無線子機13−204、無線子機13−205、無線子機13−301、無線子機13−302、無線子機13−303、無線子機13−304、無線子機13−305、無線子機13−401、無線子機13−403、無線子機13−405、無線子機13−501、無線子機13−502、無線子機13−503、無線子機13−504および無線子機13−505を推定対象とする。
上位装置11の上位装置処理部1102は、推定対象の未調査無線子機13が存在しているか否かを判定する(ステップST302)。上位装置11の上位装置処理部1102は、推定対象の未調査無線子機13が存在していると判定する(ステップST302:YES)と、推定対象の未調査無線子機13の接続関係を、未調査無線子機13同士の配置と同じ配置関係にある無線子機13のうち、調査結果がある無線子機13の子機間接続関係から推定して(ステップST303)、推定結果を調査結果格納部1104に記憶して、ステップST302に戻る。具体的には、上位装置11の上位装置処理部1102は、X軸方向又はY軸方向のいずれか一方の接続関係が不明な推定対象の無線子機13と、X軸方向又はY軸方向の他方に並ぶ接続関係が調査済の無線子機13との接続関係から、推定対象の無線子機13の接続関係を推定する。
実施の形態1において、上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−101のY軸方向の接続関係を推定する際には、無線子機13−101に対してX軸方向に並びかつ無線子機13−101と同じ配置関係にある調査済の無線子機13−102の調査結果を参照する。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−102が無線子機13−202および無線子機13−302と無線通信可能であるため、図35に示すように、無線子機13−101が無線子機13−201および無線子機13−301と無線通信可能であると推定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図36に示すように、無線子機13−101と無線通信可能と推定した無線子機13−201および無線子機13−301のアドレスを記憶する。
上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−103のY軸方向の接続関係を推定する際には、無線子機13−103に対してX軸方向に並びかつ無線子機13−103と同じ配置関係にある調査済の無線子機13−102および無線子機13−104の重複する調査結果を参照する。実施の形態1において、無線子機13−102が無線子機13−202および無線子機13−302と無線通信可能であり、無線子機13−104が無線子機13−204および無線子機13−304と無線通信可能である。このため、上位装置11の上位装置処理部1102は、図37に示すように、無線子機13−103が無線子機13−203および無線子機13−303と無線通信可能であると推定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図38に示すように、無線子機13−103と無線通信可能であると推定した無線子機13−203および無線子機13−303のアドレスを記憶する。
上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−201のX軸方向およびY軸方向の接続関係を推定する際には、無線子機13−201と同じ配置関係にある無線子機13−101の接続関係と無線子機13−202の接続関係とを参照する。上位装置11の上位装置処理部1102は、図39に示すように、無線子機13−201が無線子機13−101、無線子機13−202および無線子機13−401と無線通信可能であると推定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図40に示すように、無線子機13−201と無線通信可能であると推定した無線子機13−101、無線子機13−202および無線子機13−401のアドレスを記憶する。
上位装置11の上位装置処理部1102は、図41に示すように、無線子機13−202、無線子機13−203、無線子機13−204、無線子機13−205、無線子機13−301、無線子機13−302、無線子機13−303、無線子機13−304、無線子機13−305、無線子機13−401、無線子機13−403、無線子機13−405、無線子機13−501、無線子機13−502、無線子機13−503、無線子機13−504、無線子機13−505の接続関係を、同様に推定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図42に示すように、無線子機13−202、無線子機13−203、無線子機13−204、無線子機13−205、無線子機13−301、無線子機13−302、無線子機13−303、無線子機13−304、無線子機13−305、無線子機13−401、無線子機13−403、無線子機13−405、無線子機13−501、無線子機13−502、無線子機13−503、無線子機13−504および無線子機13−505の、推定した接続関係を記憶する。上位装置11の上位装置処理部1102は、推定対象の無線子機13が存在していないと判定する(ステップST302:NO)と、図34に示すフローチャートの処理を終了する。
上位装置処理部1102は、図34に示すフローチャートの処理を実行することで、残りの無線子機13同士の接続関係を推定する際に、X軸方向又はY軸方向のいずれか一方に並ぶ他の無線子機13との接続関係が不明な無線子機13の接続関係を、接続関係が不明な無線子機13とX軸方向又はY軸方向の他方に並ぶ接続関係が調査済の無線子機13との接続関係から推定することとなる。
上位装置11の上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104が記憶した調査結果及び推定結果から得られた親子間接続関係及び子機間接続関係から、無線システム1における無線メッシュMの構築の可否を判定する(ステップST104)。具体的には、上位装置11の上位装置処理部1102は、すべての無線子機13から無線親機12の間に経由する重複のない無線通信可能な経路が複数存在する場合に、無線システム1おける無線メッシュMを構築可と判定し、いずれか一つの無線子機13から無線親機12の間に経由する無線通信可能な経路が一つのみ存在する場合に、無線システム1おける無線メッシュMを構築不可と判定する。
実施の形態1において、上位装置11の配置情報格納部1103が無線親機12および無線子機13の配置情報を記憶し、配置情報格納部1103が記憶した配置情報に基づいて、上位装置11の上位装置処理部1102が無線親機12に一番近い無線子機13である最寄無線子機13から順に一部の無線子機13の接続関係を調査する。このため、上位装置11は、調査メッセージM2を送信する無線子機13を限定することができる。したがって、上位装置11および無線システム1は、全ての無線子機13に調査メッセージM2を送信して接続関係を調査するよりも、無線システム1における無線メッシュMの構築の可否を判定するのに要する時間を抑制することができる。その結果、上位装置11および無線システム1は、無線システム1を安定して運用可能か否かを判定するために要する時間を抑制することができ、無線システム1を安定して運用可能か否かを判定するために要する消費電力を抑制してエネルギー消費量の削減を図ることができる。
また、実施の形態1において、上位装置11の上位装置処理部1102は、一部の無線子機13と無線親機12との親子間接続関係および一部の無線子機13同士の子機間接続関係を調査する際に、無線親機12に一番近い無線子機13である最寄無線子機13および最寄無線子機13に対してX軸方向の同じ行に並ぶ全ての同行無線子機13と、他の無線子機13との接続関係を調査する。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線親機12に一番近い無線子機13である最寄無線子機13および最寄無線子機13に対してX軸方向の同じ行に並ぶ全ての同行無線子機13と接続する他の無線子機13のうち無線親機12からY軸方向に一番離れた子機間最遠無線子機13からY軸方向に一つ離れた同列隣接行無線子機13と他の無線子機13との接続関係を調査することを、無線親機12からY軸方向に一番離れた無線子機13と接続するまで調査する。さらに、上位装置11の上位装置処理部1102は、未調査無線子機13同士の接続関係を推定する際に、X軸方向およびY軸方向のいずれか一方に並ぶ他の無線子機13との接続関係が不明な無線子機13の接続関係を、接続関係が不明な無線子機13とX軸方向およびY軸方向の他方に並びかつ同じ配置関係の接続関係が調査済の無線子機13の接続関係から推定する。
したがって、上位装置11は、全ての無線子機13に調査メッセージM2を送信する必要がなく、調査メッセージM2を一部の無線子機13を送信しても、無線システム1全体の接続関係を調査することができる。したがって、上位装置11および無線システム1は、無線システム1を安定して運用可能か否かを判定するために要する時間を抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態2の上位装置11の上位装置処理部1102は、図24に示すフローチャートにしたがって接続関係を調査した際に、一部の無線子機13のX軸方向とY軸方向のいずれかの接続関係が得られない。実施の形態2の上位装置11の上位装置処理部1102は、未調査の無線子機13の接続関係の推定できない場合に、推定を行うために不足している箇所の調査を追加で実行する。なお、実施の形態2の無線システム1および上位装置11は、無線子機13の配置を除いて、装置構成が実施の形態1と同一である。
図43は、実施の形態2の無線システムの上位装置の上位装置処理部の接続関係の調査結果を示す図である。図44は、図43に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図43に示す調査結果を示す図である。図45は、図43に示す無線システムの205号室の無線子機を追加の調査対象とした時の調査結果を示す図である。図46は、図43に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図45に示す調査結果を示す図である。図47は、図45に示す調査結果に基づいて接続関係が不明な無線子機の接続関係の推定結果を示す図である。図48は、図43に示す上位装置の調査結果格納部が記憶した図47に示す調査結果を示す図である。
実施の形態2において、無線システム1は、図43および図44に示すように、無線子機13−106と、X軸方向に隣接する無線子機13−105とが無線通信可能ではない。したがって、実施の形態2において、上位装置11の上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104が記憶した調査結果に基づいて無線システム1における無線メッシュMの構築の可否を判定すると、無線システム1における無線メッシュMを構築不可と判定する。
上位装置11の上位装置処理部1102は、実施に形態1の図34に示すフローチャートの処理を実行しても、無線子機13−206および無線子機13−306のX軸方向の接続関係を推定することができない。実施の形態2において、上位装置11の上位装置処理部1102は、接続関係を推定することができない無線子機13−206とX軸方向に隣接した接続関係が不明な無線子機13−205とを追加の調査対象とする。具体的には、上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104及び推定結果から得られた親子間接続関係および子機間接続関係から、無線子機13から無線親機12までの無線メッシュMの経路数が所定数未満である無線子機13の存在の有無を判定し、存在すると判定すると追加の調査が必要であると判定する。実施の形態2において、上位装置処理部1102は、追加の調査の必要の有無を判定する所定数を3としたが、この数に限られない。上位装置処理部1102は、追加の調査の必要の有無を判定する所定数は、図34に示すフローチャートの処理を実行しても未調査無線子機13の接続関係を推定できない数、未調査無線子機13同士の配置と同じ配置関係にある調査結果がある無線子機13の子機間接続関係から推定できない数である。
上位装置11の上位装置処理部1102は、上りルーティングテーブル格納部1205に記憶されたテーブルを参照して、無線子機13−103、無線子機13−104、無線子機13−105を経由して無線子機13−205に調査メッセージM2を送信する。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−205からの結果メッセージM6を受信して、図45に示すように、無線子機13−205と無線通信可能な無線子機13であるか否かを判定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図46に示すように、無線子機13−205と無線通信可能な無線子機13のアドレスを記憶する。実施の形態2において、無線子機13−205は、無線子機13−105、無線子機13−204、無線子機13−206および無線子機13−405と無線通信可能であると判定される。このように、上位装置11の上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104及び推定結果から得られた親子間接続関係および子機間接続関係から、無線子機13から無線親機12までの無線メッシュMの経路数が所定数未満である無線子機13があると判定すると、X軸方向またはY軸方向のいずれか一方の子機間接続関係が不明な無線子機13である無線子機13−205と、他の無線子機13との接続関係を調査する。
すると、実施の形態2において、上位装置11の上位装置処理部1102は、実施に形態1の図34に示すフローチャートの処理を実行して、無線子機13−306のX軸方向の接続関係を推定する。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−306のX軸方向の接続関係を推定する際には、無線子機13−306に対してY軸方向に並ぶ調査済の無線子機13−206および無線子機13−406の重複する調査結果を参照する。上位装置11の上位装置処理部1102は、無線子機13−206が無線子機13−205と無線通信可能であり、無線子機13−406が無線子機13−405と無線通信可能であるため、図47に示すように、無線子機13−306が無線子機13−305と無線通信可能と推定する。上位装置11の調査結果格納部1104は、図48に示すように、無線子機13−306と無線通信可能と推定した無線子機13−305を記憶する。
すると、実施の形態2の上位装置11の上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104が記憶した調査結果に基づいて無線システム1における無線メッシュMの構築の可否を判定する際に、すべての無線子機13から無線親機12の間に、経由する無線子機13が重複しない無線通信可能な経路が複数存在するので無線システム1における無線メッシュMを構築可と判定する。
実施の形態2において、上位装置11の上位装置処理部1102は、調査結果格納部1104に記憶された調査結果及び推定結果に基づいて、無線親機12までの無線メッシュMの経路数が所定数未満である無線子機13があると判定し、無線システム1における無線メッシュMを構築不可と判定すると、X軸方向又はY軸方向のいずれか一方の子機間接続関係が不明な無線子機13と、他の無線子機13との接続関係を調査する。実施の形態2において、上位装置11の上位装置処理部1102は、X軸方向又はY軸方向のいずれか一方の子機間接続関係が不明な無線子機13の接続関係を調査し、調査結果に基づいて接続関係を推定することで、無線システム1における無線メッシュMを構築可と判定可能である。
実施の形態3.
実施の形態3の上位装置11の配置情報格納部1103は、図49に示す配置情報を記憶している。図49に示す配置情報は、無線親機12を基準とする各無線子機13のX軸方向とY軸方向との相対的な位置を示す位置情報である。図49は、実施の形態3の無線システムの上位装置の配置情報格納部が記憶した配置情報を示す図である。
図49に示す配置情報は、無線親機12をX軸方向およびY軸方向の原点とする。図49に示す配置情報は、101号室の位置情報が、無線親機12からのX軸方向の距離DX−101およびY軸方向の距離DY−101である。図49に示す配置情報は、102号室の位置情報が、無線親機12からのX軸方向の距離DX−102およびY軸方向の距離DY−102である。図49に示す配置情報は、103号室の位置情報が、無線親機12からのX軸方向の距離DX−103およびY軸方向の距離DY−103である。図49に示す配置情報は、504号室の位置情報が、無線親機12からのX軸方向の距離DX−504およびY軸方向の距離DY−504である。図49に示す配置情報は、505号室の位置情報が、無線親機12からのX軸方向の距離DX−505およびY軸方向の距離DY−505である。
実施の形態3の無線システム1および上位装置11は、無線親機12を基準する各無線子機13の位置情報を用いることができるので、無線子機13の接続関係を正確に調査でき、無線システム1の導入の可否を正確に判定可能である。
実施の形態1および実施の形態2において、配置情報格納部1103は、図9に示す各部屋のX軸方向とY軸方向の座標を記憶している。本発明において、配置情報格納部1103は、各部屋のX軸方向とY軸方向とZ軸方向の座標を記憶してもよい。なお、Z軸方向は、X軸方向とY軸方向との双方に直交する方向である。
構造物100は、一般的に、X軸方向の部屋102同士の構造が異なることがあるが、Y軸方向の部屋102同士の構造が同様の構造になっていることが多い。したがって、実施の形態3において、上位装置11の上位装置処理部1102は、複数の階のうちいずれかの階のX軸方向に並ぶ無線子機13の接続関係を調査し、調査結果に基づいて他の階の無線子機13の接続関係を推定しても良い。
さらに、実施の形態3において、構造物100の上部と下部とで構造が異なる場合に、上位装置11の上位装置処理部1102は、構造物100の上部と下部とで独立して、無線子機13の接続関係を調査、推定しても良い。
本発明において、上位装置11は、一部の無線子機13と無線親機12との接続関係および一部の無線子機13同士の接続関係を調査する際に、必ずしも無線親機12に一番近い無線子機13から順に調査しなくてもよい。本発明において、上位装置11は、一部の無線子機13と無線親機12との接続関係および一部の無線子機13同士の接続関係を調査する際に、全ての無線子機13のうち任意の順番で一部の無線子機13同士の接続関係を調査してもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。