JPWO2020175242A1 - 偏光膜、偏光板、および該偏光膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1つの実施形態においては、上記偏光膜は、厚みが8μm以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光膜は、単体透過率が40.0%以上であり、かつ、偏光度が99.0%以上である。
1つの実施形態においては、上記吸収軸方向の収縮率SMDおよび上記吸収軸方向に直交する方向の収縮率STDは、それぞれ、0.4%以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光膜は、配向関数が0.30以下である。
本発明の別の局面によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、上記の偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方の側に配置された保護層とを有する。
本発明の別の局面によれば、上記の偏光膜の製造方法が提供される。この製造方法は、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ヨウ化物または塩化ナトリウムとポリビニルアルコール系樹脂とを含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体とすること;および、該積層体に、空中補助延伸処理と、染色処理と、水中延伸処理と、長手方向に搬送しながら加熱することにより、幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理と、をこの順に施すこと;を含む。該空中補助延伸処理および該水中延伸処理の延伸の総倍率は、該積層体の元長に対して3.0倍〜4.0倍であり;該空中補助延伸処理の延伸倍率は、該水中延伸処理の延伸倍率よりも大きい。
本発明の実施形態による偏光膜は、二色性物質(代表的には、ヨウ素、二色性染料)を含むポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムで構成され、85℃で120時間置いた後の吸収軸方向の収縮率SMDと吸収軸方向に直交する方向(以下、透過軸方向と称する場合がある)の収縮率STDとの比SMD/STDが0.5〜1.5である。すなわち、本発明の実施形態による偏光膜は、熱収縮の異方性が顕著に小さい。以下、本明細書においては、熱収縮に関するこのような特性を「等方性収縮」と称する場合がある。このような構成であれば、偏光膜の吸収軸方向の反りを顕著に抑制することができる。このような偏光膜(結果として、偏光板)は、有機EL表示装置に好適に適用され得る。有機EL表示装置は、薄く、かつ、片側のみに偏光膜(実質的には、偏光板)が配置されるので装置の反りが大きくなるところ、このような偏光膜によれば、当該反りを顕著に抑制することができる。比SMD/STDは、好ましくは0.7〜1.3であり、より好ましくは0.8〜1.2であり、さらに好ましくは0.9〜1.1であり、特に好ましくは0.94〜1.16である。
偏光度(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
f=(3<cos2θ>−1)/2
=(1−D)/[c(2D+1)]
=−2×(1−D)/(2D+1)
ただし、
c=(3cos2β−1)/2 で, 2941cm−1 の振動の場合は、β=90°である。
θ:延伸方向に対する分子鎖の角度
β:分子鎖軸に対する遷移双極子モーメントの角度
D=(I⊥)/(I//) (この場合、PVA分子が配向するほどDが大きくなる)
I⊥ :測定光の偏光方向と偏光膜の延伸方向が垂直の場合の吸収強度
I// :測定光の偏光方向と偏光膜の延伸方向が平行の場合の吸収強度
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。偏光板100は、偏光膜10と、偏光膜10の一方の側に配置された第1の保護層20と、偏光膜10の他方の側に配置された第2の保護層30とを有する。偏光膜10は、上記A項で説明した本発明の偏光膜である。第1の保護層20および第2の保護層30のうち一方の保護層は省略されてもよい。なお、上記のとおり、第1の保護層および第2の保護層のうち一方は、上記の偏光膜の製造に用いられる樹脂基材であってもよい。
本発明の1つの実施形態による偏光膜の製造方法は、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)とを含むポリビニルアルコール系樹脂層(PVA系樹脂層)を形成して積層体とすること、および、積層体に、空中補助延伸処理と、染色処理と、水中延伸処理と、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理と、をこの順に施すことを含む。PVA系樹脂層におけるハロゲン化物の含有量は、好ましくは、PVA系樹脂100重量部に対して5重量部〜20重量部である。乾燥収縮処理は、加熱ロールを用いて処理することが好ましく、加熱ロールの温度は、好ましくは60℃〜120℃である。乾燥収縮処理による積層体の幅方向の収縮率は、好ましくは2%以上である。このような製造方法によれば、上記A項で説明した偏光膜を得ることができる。特に、ハロゲン化物を含むPVA系樹脂層を含む積層体を作製し、上記積層体の延伸を空中補助延伸及び水中延伸を含む多段階延伸とし、延伸後の積層体を加熱ロールで加熱することにより、優れた光学特性(代表的には、単体透過率および単位吸光度)を有する偏光膜を得ることができる。
熱可塑性樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を作製する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、熱可塑性樹脂基材の表面に、ハロゲン化物とPVA系樹脂とを含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、熱可塑性樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成する。上記のとおり、PVA系樹脂層におけるハロゲン化物の含有量は、好ましくは、PVA系樹脂100重量部に対して5重量部〜20重量部である。
熱可塑性樹脂基材としては、任意の適切な熱可塑性樹脂フィルムが採用され得る。熱可塑性樹脂基材の詳細については、例えば特開2012−73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
塗布液は、上記のとおり、ハロゲン化物とPVA系樹脂とを含む。上記塗布液は、代表的には、上記ハロゲン化物および上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。溶液のPVA系樹脂濃度は、溶媒100重量部に対して、好ましくは3重量部〜20重量部である。このような樹脂濃度であれば、熱可塑性樹脂基材に密着した均一な塗布膜を形成することができる。塗布液におけるハロゲン化物の含有量は、好ましくは、PVA系樹脂100重量部に対して5重量部〜20重量部である。
特に、高い光学特性を得るためには、乾式延伸(補助延伸)とホウ酸水中延伸を組み合わせる、2段延伸の方法が選択される。2段延伸のように、補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂基材の結晶化を抑制しながら延伸することができる。さらには、熱可塑性樹脂基材上にPVA系樹脂を塗布する場合、熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度の影響を抑制するために、通常の金属ドラム上にPVA系樹脂を塗布する場合と比べて塗布温度を低くする必要があり、その結果、PVA系樹脂の結晶化が相対的に低くなり、十分な光学特性が得られない、という問題が生じ得る。これに対して、補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVA系樹脂を塗布する場合でも、PVA系樹脂の結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成することが可能となる。また、同時にPVA系樹脂の配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVA系樹脂の配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成することが可能になる。
必要に応じて、空中補助延伸処理の後、水中延伸処理や染色処理の前に、不溶化処理を施す。上記不溶化処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬することにより行う。上記染色処理は、代表的には、PVA系樹脂層を二色性物質(代表的には、ヨウ素)で染色することにより行う。必要に応じて、染色処理の後、水中延伸処理の前に、架橋処理を施す。上記架橋処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。不溶化処理、染色処理および架橋処理の詳細については、例えば特開2012−73580号公報(上記)に記載されている。
水中延伸処理は、積層体を延伸浴に浸漬させて行う。水中延伸処理によれば、上記熱可塑性樹脂基材やPVA系樹脂層のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸し得、PVA系樹脂層を、その結晶化を抑えながら延伸することができる。その結果、優れた光学特性を有する偏光膜を製造することができる。
上記乾燥収縮処理は、ゾーン全体を加熱して行うゾーン加熱により行っても良いし、搬送ロールを加熱する(いわゆる加熱ロールを用いる)ことにより行う(加熱ロール乾燥方式)こともできる。好ましくは、その両方を用いる。加熱ロールを用いて乾燥させることにより、効率的に積層体の加熱カールを抑制して、外観に優れた偏光膜を製造することができる。具体的には、加熱ロールに積層体を沿わせた状態で乾燥することにより、上記熱可塑性樹脂基材の結晶化を効率的に促進させて結晶化度を増加させることができ、比較的低い乾燥温度であっても、熱可塑性樹脂基材の結晶化度を良好に増加させることができる。その結果、熱可塑性樹脂基材は、その剛性が増加して、乾燥によるPVA系樹脂層の収縮に耐え得る状態となり、カール(反り)が抑制される。また、加熱ロールを用いることにより、積層体を平らな状態に維持しながら乾燥できるので、カールだけでなくシワの発生も抑制することができる。この時、積層体は、乾燥収縮処理により幅方向に収縮させることにより、光学特性を向上させることができる。PVAおよびPVA/ヨウ素錯体の配向性を効果的に高めることができるからである。乾燥収縮処理による積層体の幅方向の収縮率は、好ましくは1%〜10%であり、より好ましくは2%〜8%であり、特に好ましくは4%〜6%である。
好ましくは、水中延伸処理の後、乾燥収縮処理の前に、洗浄処理を施す。上記洗浄処理は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。
(1)厚み
干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD−3000」)を用いて測定した。
(2)収縮率SMDおよびSTD
実施例および比較例で得られた偏光膜を、吸収軸方向10cm×透過軸方向10cmの正方形に切り出し試験サンプルとした。試験サンプルの吸収軸方向および透過軸方向の精密な寸法を、Mitutoyo社製「CNC画像測定器」で測定し、それぞれの寸法をSMD0およびSTD0とした。寸法測定後、試験サンプルを85℃で120時間加熱し、加熱後の寸法を同様にして測定した。加熱後の寸法をそれぞれSMD1およびSTD1とした。吸収軸方向の収縮率SMDは、(SMD0−SMD1)/SMD0×100で求めた。透過軸方向の収縮率STDは、(STD0−STD1)/STD0×100で求めた。得られたSMDおよびSTDから、SMD/STDを算出した。
(3)単体透過率および偏光度
実施例および比較例で得られた偏光膜/保護層の積層体(偏光板)について、紫外可視分光光度計(日本分光社製「V−7100」)を用いて測定した単体透過率Ts、平行透過率Tp、直交透過率Tcをそれぞれ、偏光膜のTs、TpおよびTcとした。これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。なお、保護層の屈折率は1.50または1.53であり、偏光膜の保護層とは反対側の表面の屈折率は1.53であった。
得られたTpおよびTcから、下記式により偏光度Pを求めた。
偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
なお、分光光度計は、大塚電子社製「LPF−200」などでも同等の測定をすることが可能であり、いずれの分光光度計を用いた場合であっても同等の測定結果が得られることが確認されている。
(4)パネルの反り
実施例および比較例で得られた偏光膜/保護層の積層体(偏光板)を薄ガラス板(厚み0.1mm)に貼り合わせ、画像表示パネル対応サンプルとした。この画像表示パネル対応サンプルを80℃で24時間の加熱試験に供し、試験後の反りを測定した。画像表示パネル対応サンプルの4隅の反り量の平均をパネルの反り量とし、以下の基準で評価した。
○:反り量が4mm未満
×:反り量が4mm以上
(5)折り曲げ試験
実施例および比較例で得られた偏光膜/保護層の積層体(偏光板)を120mm(偏光膜の吸収軸方向)×30mm(偏光膜の吸収軸方向と直交する方向)のサイズに切り出し、測定試料とした。この測定試料について、無負荷U字伸縮モードの連続折り曲げ試験装置(ユアサシステム機器社製、製品名「DLDMLH−FS」)を用いて連続折り曲げ試験を行った。折り曲げ速度は60rpm、折り曲げの振幅は20mm、折り曲げの曲率半径は1.0mm、折り曲げ回数は100000回であった。以下の基準で評価した。
○:折れ痕は認められなかった
×:折れ痕が認められた
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用いた。樹脂基材の片面に、コロナ処理(処理条件:55W・min/m2)を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ410」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加し、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光膜の単体透過率(Ts)が41.0%となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温62℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4.0重量%、ヨウ化カリウム5.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が3.0倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理:水中延伸処理における延伸倍率は1.25倍)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに約2秒接触させた(乾燥収縮処理)。乾燥収縮処理による積層体の幅方向の収縮率は2%であった。
このようにして、樹脂基材上に厚み6.8μmの偏光膜を形成した。
保護フィルムとして斜め延伸のシクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルム:ZD12」、表面屈折率1.53、厚み25μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光膜または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
保護フィルムとして厚み20μmのアクリルフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光膜または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
水中延伸処理の延伸倍率を1.45倍として総延伸倍率を3.5倍としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み6.4μmの偏光膜を作製した。この偏光膜を用いたこと以外は実施例3と同様にして偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光膜または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
水中延伸処理の延伸倍率を1.67倍として総延伸倍率を4.0倍としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み5.9μmの偏光膜を作製した。この偏光膜を用いたこと以外は実施例3と同様にして偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光膜または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
水中延伸処理の延伸倍率を2.4倍として総延伸倍率を5.5倍としたこと、および、延伸浴の液温を70℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み5.0μmの偏光膜を作製した。この偏光膜を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光膜または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
保護フィルムとして斜め延伸のシクロオレフィン系フィルムを用いたこと以外は比較例1と同様にして、偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光膜または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
保護フィルムとしてアクリル系樹脂フィルムを用いたこと以外は比較例1と同様にして、偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光膜または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
厚み30μmのPVA系樹脂フィルム(クラレ製、製品名「PE3000」)の長尺ロールを、ロール延伸機により総延伸倍率が6.0倍になるようにして長尺方向に一軸延伸しながら、同時に膨潤、染色、架橋および洗浄処理を施し、最後に乾燥処理を施すことにより厚み12μmの偏光子を作製した。この偏光子の片側に斜め延伸のシクロオレフィン系フィルムを貼り合わせて偏光板を作製した。さらに、この偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光子または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
総延伸倍率を3.0倍としたこと以外は比較例4と同様にして、厚み17μmの偏光子を作製した。この偏光子を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板および粘着剤層付偏光板を作製した。得られた偏光子または偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
20 第1の保護層
30 第2の保護層
100 偏光板
Claims (7)
- 二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、85℃で120時間置いた後の吸収軸方向の収縮率SMDと吸収軸方向に直交する方向の収縮率STDとの比SMD/STDが0.5〜1.5である、偏光膜。
- 厚みが8μm以下である、請求項1に記載の偏光膜。
- 単体透過率が40.0%以上であり、かつ、偏光度が99.0%以上である、請求項1または2に記載の偏光膜。
- 前記吸収軸方向の収縮率SMDおよび前記吸収軸方向に直交する方向の収縮率STDが、それぞれ、0.4%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の偏光膜。
- 配向関数が0.30以下である、請求項1から4のいずれかに記載の偏光膜。
- 請求項1から5のいずれかに記載の偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方の側に配置された保護層とを有する、偏光板。
- 請求項1から5のいずれかに記載の偏光膜の製造方法であって、
長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ヨウ化物または塩化ナトリウムとポリビニルアルコール系樹脂とを含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体とすること、および
該積層体に、空中補助延伸処理と、染色処理と、水中延伸処理と、長手方向に搬送しながら加熱することにより、幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理と、をこの順に施すこと、を含み、
該空中補助延伸処理および該水中延伸処理の延伸の総倍率が、該積層体の元長に対して3.0倍〜4.0倍であり、
該空中補助延伸処理の延伸倍率が、該水中延伸処理の延伸倍率よりも大きい、
製造方法。
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