JPWO2020158306A1 - リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020158306A1
JPWO2020158306A1 JP2020565497A JP2020565497A JPWO2020158306A1 JP WO2020158306 A1 JPWO2020158306 A1 JP WO2020158306A1 JP 2020565497 A JP2020565497 A JP 2020565497A JP 2020565497 A JP2020565497 A JP 2020565497A JP WO2020158306 A1 JPWO2020158306 A1 JP WO2020158306A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating layer
ion secondary
electrode
secondary battery
lithium ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020565497A
Other languages
English (en)
Inventor
章弘 鈴木
章弘 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Publication of JPWO2020158306A1 publication Critical patent/JPWO2020158306A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0565Polymeric materials, e.g. gel-type or solid-type
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

本発明のリチウムイオン二次電池用電極1は、電極活物質層10と、電極活物質層10の表面上に設けられる絶縁層20とを備え、絶縁層20が高分子固体電解質を含み、絶縁層20の空隙率が10%以下である。本発明のリチウムイオン二次電池は本発明のリチウムイオン二次電池用電極と、電解液とを備える。本発明によれば、薄層化しても電子絶縁性を良好にすることができ、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる絶縁層を備えるリチウムイオン二次電池用電極、及びそのリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池を提供することができる。

Description

本発明は、絶縁層を備えるリチウムイオン二次電池用電極、及びそのリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、電力貯蔵用の大型定置用電源、電気自動車用等の電源として利用されており、近年では電池の小型化及び薄型化の研究が進展している。リチウムイオン二次電池は、金属箔の表面に電極活物質層を形成した両電極と、両電極の間に配置されるセパレータとを備えるものが一般的である。セパレータは、両電極間の短絡防止や電解液を保持する役割を果たす。
従来、リチウムイオン二次電池は、例えば、セパレータが収縮したとき等でも、良好な短絡抑制機能を持たせるために、電極活物質層の表面に多孔質の絶縁層が設けられることが検討されている。絶縁層は、例えば、特許文献1に開示されるように、絶縁性微粒子、バインダー及び溶媒を含む絶縁層用スラリーを、電極活物質層の上に塗布し、乾燥することで形成することが知られている。
国際公開2016/104782号
しかしながら、従来の絶縁層は、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を向上させるために薄層化すると、絶縁層の電子絶縁性が不十分になる場合があった。
そこで、本発明は、薄層化しても電子絶縁性を良好にすることができ、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる絶縁層を備えるリチウムイオン二次電池用電極、及びそのリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、絶縁層のバインダーとして高分子固体電解質を用いるとともに、絶縁層の空隙率を10%以下にすることにより、絶縁層を薄層化しても絶縁層の電子絶縁性を良好にできることを見出し、以下の本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下の[1]〜[7]である。
[1]電極活物質層と、前記電極活物質層の表面上に設けられる絶縁層とを備え、前記絶縁層が高分子固体電解質を含み、前記絶縁層の空隙率が10%以下であるリチウムイオン二次電池用電極。
[2]前記絶縁層は所望により絶縁性微粒子を含み、前記絶縁層における前記絶縁性微粒子の含有量が、前記高分子固体電解質及び前記絶縁性微粒子の合計100体積%に対して20体積%以下である上記[1]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[3]前記高分子固体電解質がポリエーテル系電解質である上記[1]又は[2]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[4]前記ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーは、少なくともエチレンオキシド構造を有するポリマーである上記[3]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[5]前記高分子固体電解質がリチウム塩を含む上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[6]前記絶縁層の厚さが30μm未満である上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[7]上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池用電極と、電解液とを備えたリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、薄層化しても電子絶縁性を良好にすることができ、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる絶縁層を備えるリチウムイオン二次電池用電極、及びそのリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、本発明のリチウムイオン二次電池用電極の好ましい一実施形態を示す概略断面図である。 図2は、特性評価用の電池を説明するための図である。
<リチウムイオン二次電池用電極>
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用電極について詳細に説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池用電極1は、電極活物質層10と、電極活物質層10の表面上に設けられる絶縁層20とを備える。また、リチウムイオン二次電池用電極1において、電極活物質層10は、通常、電極集電体30の上に積層される。
電極活物質層10は、電極集電体30の両表面に積層されてもよく、その場合、絶縁層20は各電極活物質層10の表面上に設けられるとよい。このように、絶縁層20をリチウムイオン二次電池用電極1の両面に設けると、負極及び正極を複数積層して多層構造とした場合でも、各正極と各負極の間の短絡を有効に防止できる。
本発明において、リチウムイオン二次電池用電極は、正極及び負極のいずれでもよいが、正極であることが好ましい。
[絶縁層]
絶縁層は高分子固体電解質を含み、絶縁層の空隙率は10%以下である。
(高分子固体電解質)
高分子固体電解質は、主に高分子から構成されるイオン伝導性を示す材料である。高分子固体電解質には、例えば、ドライタイプの高分子電解質、ゲルタイプの高分子電解質等が挙げられる。ドライタイプの高分子電解質は、本質的には、高分子の骨格の運動によりイオンの伝導が起こると考えられている。一方、ゲルタイプの高分子電解質は、多量に含む電解液を介してイオンの伝導が起こる。機械的強度が高いという観点から、好ましい高分子固体電解質はドライタイプの高分子電解質である。
イオン伝導性が高く、機械的強度の高いという観点、及びこれまで分子設計について膨大な検討がなされているという観点から、好ましいドライタイプの高分子固体電解質は、ポリエーテル系電解質である。ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーは、エチレンオキシド構造、プロピレンオキシド構造、又はその両方の構造を有することが好ましい。ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーには、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレン共重合体、ジメチルシロキサン−エチレンオキシド共重合体等が挙げられる。また、エチレンオキシド構造が含まれるポリエーテル側鎖を有するくし型ポリマー、エチレンオキシド以外のモノマーとエチレンオキシドとの共重合体、架橋剤を用いてポリエチレンオキシドもしくはポリエーテルオリゴマーを架橋させたもの、分岐を持たせた分岐型ポリエーテル系ポリマー、分子量が数百〜数千程度のマクロモノマーを熱重合や光重合したものなども挙げられる。これらのポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。イオン伝導性が高く、機械的強度が高いという観点から、ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーは、少なくともエチレンオキシド構造を有するポリマーであることがより好ましく、ポリエチレンオキシドであることがさらに好ましい。なお、エチレンオキシド構造は、エチレンと酸素とによる基本ユニットによって構成される。
絶縁層のイオン伝導性を高くするという観点から、絶縁層における高分子固体電解質の含有量は、好ましくは80体積%以上であり、より好ましくは90体積%以上であり、さらに好ましくは95体積%以上であり、特に好ましくは98体積%以上である。なお、高分子固体電解質の含有量の上限値は100体積%である。
(リチウム塩)
高分子固体電解質のイオン伝導性をより高くするという観点から、高分子固体電解質はリチウム塩を含むことが好ましい。例えば、高分子固体電解質がポリエーテル系電解質である場合、リチウム塩のカチオン(リチウムイオン)と、ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーにおけるエーテル酸素の孤立電子対とによるイオン−双極子相互作用によって錯形成し、リチウム塩はマトリックスとなるポリマーに溶解すると考えられる。そして、溶解したリチウム塩の一部が解離した状態となり、ポリエーテル系電解質のイオン伝導性はより高くなると考えられる。
高分子固体電解質に用いるリチウム塩には、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiAsF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、LiBPh(リチウムテトラフェニルボレート)、LiTFSA(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルアミド)、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド)等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で、高分子固体電解質中のリチウム塩の解離性を高くできるという観点から、LiTFSA及びLiTFSIが好ましく、LiTFSIがより好ましい。
高分子固体電解質のイオン伝導性及び高分子固体電解質の機械的強度の観点から、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマー100質量部に対するリチウム塩の配合量は、好ましくは1〜100質量部であり、より好ましくは5〜80質量部であり、さらに好ましくは10〜50質量部である。
(絶縁層の空隙率)
絶縁層の空隙率は10%以下である。絶縁層の空隙率が10%よりも大きいと、絶縁層の空隙部分で微小な短絡が起こり、絶縁層の電子絶縁性が悪くなる場合がある。特に、絶縁層の厚さが30μm未満であると、絶縁層の空隙率が10%よりも大きい場合、絶縁層の電子絶縁性が悪くなる可能性が高くなる。絶縁層の電子絶縁性をより高くするという観点から、絶縁層の空隙率は、好ましくは7%以下であり、より好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。なお、絶縁層の空隙率の範囲の下限値は0%である。また、絶縁層が薄ければ薄いほど、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。このような観点から、本発明のリチウムイオン二次電池用電極に用いる絶縁層は、薄くても電子絶縁性を確保できるので、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。なお、絶縁層の空隙率は、後述の実施例の項目に記載の方法により測定することができる。
(絶縁層の厚さ)
リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を向上させるという観点から、絶縁層の厚さは、好ましくは30μm未満であり、より好ましくは25μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下であり、よりさらに好ましくは15μm以下であり、特に好ましくは13μm以下である。また、絶縁層の電子絶縁性をより確実に確保するという観点から、絶縁層の厚さは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは3μm以上であり、さらに好ましくは5μm以上である。さらに、絶縁層を形成するときの作業性の観点から、絶縁層の厚さは、よりさらに好ましくは7μm以上であり、特に好ましくは9μm以上である。なお、絶縁層の厚さの範囲の上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
(絶縁性微粒子)
絶縁層は所望により絶縁性微粒子を含んでもよい。これにより、絶縁層の機械的強度を高くすることができる。絶縁層の空隙率を小さくするという観点から、絶縁層における絶縁性微粒子の含有量は、高分子固体電解質及び絶縁性微粒子の合計100体積%に対して、好ましくは20体積%以下であり、より好ましくは10体積%以下であり、さらに好ましくは7体積%以下であり、特に好ましくは5体積%以下であり、よりさらに好ましくは1体積%以下である。絶縁層の空隙率をより確実に小さくするという観点から、絶縁層は絶縁性微粒子を含まないことが特に好ましい。
絶縁性微粒子は、絶縁性であれば特に限定されず、有機粒子、無機粒子の何れであってもよい。具体的な有機粒子としては、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋スチレン−アクリル酸共重合体、架橋アクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸リチウム)、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の有機化合物から構成される粒子が挙げられる。無機粒子としては二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、窒化ホウ素、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、フッ化カリウム、フッ化リチウム、クレイ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機化合物から構成される粒子が挙げられる。また、無機粒子は、ニオブ−タンタル複合酸化物、マグネシウム−タンタル複合酸化物等の公知の複合酸化物から構成される粒子であってもよい。
絶縁性微粒子は、上記した各材料が1種単独で使用される粒子であってもよいし、2種以上が併用される粒子であってもよい。また、絶縁性微粒子は、無機化合物と有機化合物の両方を含む微粒子であってもよい。例えば、有機化合物からなる粒子の表面に無機酸化物をコーティングした無機有機複合粒子であってもよい。
これらの中では、無機粒子が好ましく、中でもアルミナ粒子、ベーマイト粒子が好ましい。
絶縁性微粒子の平均粒子径は、通常、電極活物質の平均粒径より小さいものであり、例えば0.001〜2μm、好ましくは0.05〜1.5μm、より好ましくは0.1〜1.0μmであり、特に好ましくは0.1〜0.5μmである。絶縁層の平均粒子径をこれら範囲内することで、絶縁層の機械的強度をより高くすることができる。
なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた絶縁性微粒子の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
また、絶縁性微粒子は、平均粒子径が上記範囲内の1種が単独で使用されてもよいし、平均粒子径の異なる2種の絶縁性微粒子が混合されて使用されてもよい。
(絶縁層の形成方法)
絶縁層は、例えば、電極活物質層の表面に高分子固体電解質のフィルムを配置することによって形成することができる。高分子固体電解質のフィルムは、加熱、圧着等により電極活物質層上に接着させてもよいし、接着させなくてもよい。なお、高分子固体電解質のフィルムは、例えば、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマーを、リチウム塩とともに適当な溶媒に溶解させ、その後、溶媒を蒸発させることにより作製することができる。また、リチウム塩を添加した、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマーの原料モノマー(例えば、分子量が数百〜数千程度のマクロモノマー)を、熱重合や光重合等によって重合することにより高分子固体電解質のフィルムを作製してもよい。
高分子固体電解質の塗料を電極活物質層の表面に塗布し、塗布した塗料を硬化させることにより絶縁層を形成してもよい。
なお、絶縁層が絶縁性微粒子を含む場合は、例えば、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマーを、絶縁性微粒子及びリチウム塩とともに適当な溶媒に分散ないし溶解させ、その後、溶媒を蒸発させることにより、絶縁層のフィルムを作製することができる。また、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマー、絶縁性微粒子、リチウム塩及び溶媒を混合することによって得られた塗料を電極活物質層の表面に塗布し、塗布した塗料を硬化させることにより絶縁層を形成してもよい。
[電極活物質層]
電極活物質層は、典型的には、電極活物質と、電極用バインダーとを含む。電極が正極である場合、電極活物質は正極活物質となり、電極活物質層は正極活物質層となる。一方、電極が負極である場合、電極活物質は負極活物質となり、電極活物質層は負極活物質層となる。
(正極活物質)
正極活物質層に使用される正極活物質としては、例えば、金属酸リチウム化合物が挙げられる。金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等が例示できる。また、正極活物質として、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)等を使用してもよい。さらに、正極活物質として、リチウム以外の金属を複数使用したものを使用してもよく、三元系と呼ばれるNCM(ニッケルコバルトマンガン)系酸化物、NCA(ニッケルコバルトアルミニウム系)系酸化物等を使用してもよい。正極活物質として、これらの物質を1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(負極活物質)
負極活物質層に使用される負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、スズ化合物とシリコンと炭素の複合体、リチウム等が挙げられるが、これら中では炭素材料が好ましく、グラファイトがより好ましい。負極活物質として、上記物質を1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(電極活物質の平均粒子径)
電極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、5〜25μmであることがさらに好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた電極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
(電極活物質の含有量)
電極活物質層における電極活物質の含有量は、電極活物質層全量基準で、50〜99質量%が好ましく、60〜99質量%がより好ましく、80〜99質量%がさらに好ましく、90〜98質量%が特に好ましい。
(バインダー)
バインダーの具体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらバインダーは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、カルボキシメチルセルロース等は、ナトリウム塩等の塩の態様にて使用されていてもよい。
電極活物質層におけるバインダーの含有量は、電極活物質層全量基準で、0.5質量%以上であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.0〜10質量%がさらに好ましい。
(導電助剤)
電極活物質層は、導電助剤をさらに含んでもよく、正極活物質層は、導電助剤を含むことが好ましい。導電助剤は、上記電極活物質よりも導電性が高い材料が使用され、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック(AB)、カーボンナノチューブ、棒状カーボン等の炭素材料等が挙げられる。導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。電極活物質層において、導電助剤が含有される場合、導電助剤の含有量は、電極活物質層全量基準で、0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
電極活物質層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、電極活物質、導電助剤、及びバインダー以外の他の任意成分を含んでもよい。ただし、電極活物質層の総質量のうち、電極活物質、導電助剤、及びバインダーの総含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
[電極集電体]
電極集電体を構成する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性を有する金属が挙げられる。これらの中では、電極集電体が正極集電体の場合、アルミニウム、チタン、ニッケル及びステンレス鋼が好ましく、アルミニウムがより好ましい。また、電極集電体が負極集電体の場合、銅、チタン、ニッケル及びステンレス鋼が好ましく、銅がより好ましい。電極集電体は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。電極集電体の厚さが1〜50μmであると、電極集電体のハンドリングが容易になるとともに、エネルギー密度の低下を抑制できる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記した絶縁層を有するリチウムイオン二次電池用電極と、電解液とを備える。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、互いに対向するように配置された正極、及び負極を備え、負極及び正極の少なくとも一方の電極が、上記した絶縁層を有するリチウムイオン二次電池用電極となる。このリチウムイオン二次電池用電極(負極又は正極)においては、他方の電極(正極又は負極)に対向する面に絶縁層が設けられるとよい。本発明のリチウムイオン二次電池は、上記した絶縁層を有するリチウムイオン二次電池用電極を正極として備えることが好ましい。そして、電解液は、電極活物質層の空隙内、絶縁層の空隙内等に存在する。
[セパレータ]
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極及び負極の間に配置されるセパレータをさらに備えてもよい。セパレータが設けられることで、正極及び負極の間の短絡がより一層効果的に防止される。また、セパレータは、電解質を保持してもよい。正極又は負極に設けられる絶縁層は、セパレータに接触していてもよいし、接触していなくてもよいが、接触することが好ましい。
セパレータとしては、多孔性の高分子膜、不織布、ガラスファイバー等が挙げられ、これらの中では多孔性の高分子膜が好ましい。多孔性の高分子膜としては、オレフィン系多孔質フィルムが例示される。セパレータは、リチウムイオン二次電池駆動時の発熱により加熱されて熱収縮等することがあるが、そのような熱収縮時でも、上記絶縁層が設けられることで短絡が抑制しやすくなる。
リチウムイオン二次電池は、負極、正極がそれぞれ複数積層された多層構造であってもよい。この場合、負極及び正極は、積層方向に沿って交互に設けられればよい。また、セパレータが使用される場合、セパレータは各負極と各正極の間に配置されればよい。
リチウムイオン二次電池において、上記した負極及び正極、又は負極、正極、及びセパレータは、バッテリーセル内に収納される。バッテリーセルは、角型、円筒型、ラミネート型等のいずれでもよい。
[電解液]
リチウムイオン二次電池の電解質は特に限定されず、リチウムイオン二次電池で使用される公知の電解質を使用すればよい。電解質としては例えば電解液を使用する。
電解液としては、有機溶媒と、電解質塩を含む電解液が例示できる。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、又はこれら溶媒の2種類以上の混合物が挙げられる。電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF及びLiN(COCFCF、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C等のリチウムを含む塩が挙げられる。また、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、LiBH等の錯体水素化物等の錯体が挙げられる。これらの塩又は錯体は、1種単独で使用してもよいが、2種以上の混合物であってもよい。
電解質は、負極及び正極間に配置されればよく、例えば、電解質は、上記した負極及び正極、又は負極、正極、及びセパレータが内部に収納されたバッテリーセル内に充填される。また、電解質は、例えば、負極又は正極上に塗布されて負極及び正極間に配置されてもよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
得られたリチウムイオン二次電池用電極は、以下の評価方法により評価した。
(体積エネルギー密度)
45℃の温度の環境下、実施例、比較例で作製したセルに対して、1Cの定電流充電を行った。そして、1Cの定電流放電を行い、2.5Vまで放電させた時点で放電を完了し、1Cの定電流放電の放電容量を計算した。
そして、下記式より体積エネルギー密度を算出した。なお、公称電圧は1Vであった。
(体積エネルギー密度)=(公称電圧)[V]×(1Cの定電流放電の放電容量)[mAh]÷(電池の体積)[mm
なお、後述するように電極は直径14mmの円形であるので、電池体積は以下の式で算出することができる。
(電池体積)[mm]=7[mm]×7[mm]×π×(絶縁層、正極活物質層、正極集電体、負極活物質層及び負極集電体の厚さの合計)[mm]
(電子絶縁性)
45℃の温度の環境下、最初の充電時の満充電時の電圧に対する満充電60分後の電圧低下の有無を調べた。さらに、45℃の温度の環境下、2回目の充放電の充放電効率を調べた。なお、充放電効率は放電容量を充電容量で割り算して算出した。そして、以下の基準で評価した。
○:電圧低下が0.1V以下であり、かつ充放電効率が95%以上
×:電圧低下が0.1Vよりも大きいか、又は充放電効率が95%未満
(空隙率)
イオンミリング方式で、絶縁層が形成されたリチウムイオン二次電池用電極の断面を露出させた。次に、露出させたリチウムイオン二次電池用電極の断面を、FE−SEM(電界放出型走査型電子顕微鏡)を用いて、絶縁層全体が観察できる倍率で観察し、絶縁層の画像を得た。なお、倍率は5000〜25000倍であった。次に、画像解析ソフト「Image J」を使用して、絶縁層の実部分が黒く表示され、絶縁層の空隙部分が白く表示されるように、得られた画像を2値化処理した。そして、白部分の面積の割合を測定した。この白部分の面積の割合が絶縁層の空隙率(%)となる。
(絶縁層の厚み)
絶縁層の厚みは、上述のSEMの画像から測定した。
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質としてNCA系酸化物(平均粒子径10μm)を100質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラックを4質量部と、電極用バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン4質量部と、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)とを混合し、固形分濃度60質量%に調整した正極活物質層用スラリーを得た。この正極活物質層用スラリーを、正極集電体としての厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。その後、正極活物質層用スラリーを塗布した正極集電体を、400kN/mの線圧でローラにより加圧プレスし、さらに電極寸法の直径14mmの円形に打ち抜いて、正極活物質層を有する正極とした。なお、正極活物質層の厚さは45.5μmであった。
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイト(平均粒子径10μm)100質量部と、電極用バインダーとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩を1.5質量部及びスチレンブタジエンゴム(SBR)1.5質量部と、溶媒としての水とを混合し、固形分50質量%に調整した負極活物質層用スラリーを得た。この負極活物質層用スラリーを、負極集電体としての厚さ12μmの銅箔に塗布して100℃で真空乾燥した。その後、負極活物質層用スラリーを塗布した負極集電体を、500kN/mの線圧でローラにより加圧プレスし、さらに電極寸法の直径14mmの円形に打ち抜いて、負極活物質層を有する負極とした。なお、負極活物質層の厚さは52.5μmであった。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比(EC:DEC)で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPFを1モル/リットルとなるように溶解して、電解液を調製した。
(絶縁層の形成)
2.5質量部のLiTFSI(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド)を16質量部のアセトニトリルに溶解させることによって得られた溶液に0.1質量部のUV硬化剤(商品名:Esacure KTO 46、Sartomer社製)を加えて、リチウム塩含有溶液を調製した。次に、10質量部のエチレンオキシドを上記リチウム塩含有溶液に加えて、攪拌し、高分子電解質溶液を調製した。得られた高分子電解質溶液をテフロン(登録商標)製シートに塗布し、減圧下、60℃の乾燥温度で30分間乾燥させた。乾燥した高分子電解質の上に別のテフロン(登録商標)製シートを載せ、2枚のテフロン(登録商標)製シートで高分子電解質をサンドイッチした。そして、2枚のテフロン(登録商標)製シートでサンドイッチした高分子電解質の両面に、テフロン(登録商標)製シートを通して紫外線を照射し、高分子電解質を硬化させて、高分子固体電解質フィルムを作製した。なお、この高分子固体電解質フィルムのマトリックスとなるポリマーはポリエチレンオキシドであり、リチウム塩はLiTFSIである。そして、高分子固体電解質フィルムを電極寸法の直径14mmの円形に打ち抜いて、絶縁層を作製した。なお、絶縁層の厚さは10μmであった。また、絶縁層の空隙率は0%であった。
(電池の製造)
図2に示す電池特性評価用ジグ100に、上記の正極、絶縁層及び負極を配置するとともに上記電解液を注入することにより特性評価用の電池を作製した。具体的には、負極ボディ106と正極ボディ107との間に、負極ボディ106側から順に、負極108、絶縁層109、電極ガイド110、正極111、電極押さえ112及びスプリング113を電池特性評価用ジグ100に配置した。そして、電池特性評価用ジグ100に上記電解液を注入して電池を作製した。
[実施例2及び3]
2.5質量部のLiTFSI(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド)を20質量部のアセトニトリルに溶解させることによって得られた溶液に、絶縁性微粒子としてアルミナ粒子(日本軽金属株式会社製、製品名:ローソーダアルミナ、平均粒子径500nm)を、中程度の剪断力を加えながら混合して分散させてスラリーを得た。このスラリーに0.1質量部のUV硬化剤(商品名:Esacure KTO 46、Sartomer社製)を加えて、リチウム塩含有溶液を調製した。次に、エチレンオキシドを上記リチウム塩含有溶液に加えて、攪拌し、高分子電解質スラリーを調製した。なお、アルミナ粒子とエチレンオキシドとの割合は表中の割合であった。以降は実施例1と同様にして、実施例2及び3の特性評価用の電池に用いる絶縁層をそれぞれ作製した。なお、絶縁層の厚さは両方とも10μmであった。また、絶縁層の空隙率はそれぞれ3%及び8%であった。それ以外は、実施例1と同様な方法で実施例2及び3の特性評価用の電池をそれぞれ作製した。
[比較例1]
ポリフッ化ビニリデン溶液((株)クレハ製、製品名:L#1710、10質量%溶液、溶媒:NMP)にNMPを添加した後、テフロン(登録商標)製シートに塗布し、90℃の乾燥温度で1分間乾燥させ、ポリフッ化ビニリデンフィルムを作製した。得られたポリフッ化ビニリデンフィルムを電極寸法の直径14mmの円形に打ち抜いて、絶縁層を作製した。絶縁層の厚さは30μmであった。また、絶縁層の空隙率は0%であった。それ以外は、実施例1と同様な方法で比較例1の特性評価用の電池を作製した。
[比較例2]
ポリフッ化ビニリデン溶液に添加するNMPの量を調整することにより、絶縁層の厚さを30μmから10μmに変更した。それ以外は、比較例1と同様な方法で比較例2の特性評価用の電池を作製した。なお、絶縁層の空隙率は0%であった。
[比較例3]
ポリフッ化ビニリデン溶液((株)クレハ製、製品名:L#1710、10質量%溶液、溶媒:NMP)に、絶縁性微粒子としてアルミナ粒子(日本軽金属株式会社製、製品名:ローソーダアルミナ、平均粒子径500nm)を、中程度の剪断力を加えながら混合して分散させてスラリーを得た。なお、アルミナ粒子及びポリフッ化ビニリデン溶液の配合量は、ポリフッ化ビニリデンの固形分及びアルミナ粒子の合計100体積%に対して、ポリフッ化ビニリデンの固形分の割合が20体積%であり、アルミナ粒子の割合が80体積%となるような配合量であった。
このスラリーに所定量のNMPをさらに加え、撹拌機で30分間穏やかに撹拌し、絶縁層用スラリーを得た。
加圧プレス後及び打ち抜き前の正極の正極活物質層の表面に、この絶縁層用スラリーをグラビアコーターで塗布し、その塗膜を90℃で1分間乾燥することによって、正極活物質層の表面に絶縁層を有する正極板を作製した。絶縁層を有する正極板を電極寸法の直径14mmの円形に打ち抜いて、絶縁層を有する正極を作製した。なお、絶縁層の厚さは30μmであった。また、絶縁層の空隙率は70%であった。それ以外は、実施例1と同様な方法で比較例3の特性評価用の電池を作製した。
[比較例4]
スラリーに添加するNMPの量を調整することにより、絶縁層の厚さを30μmから10μmに変更した。それ以外は、比較例3と同様な方法で比較例4の特性評価用の電池を作製した。なお、絶縁層の空隙率は70%であった。
[比較例5]
アルミナ粒子とエチレンオキシドとの割合を表中に示す割合に変えた以外は実施例2と同様な方法で比較例5の特性評価用の電池を作製した。なお、絶縁層の厚さは10μmであった。また、絶縁層の空隙率は14%であった。
実施例1〜3及び比較例1〜5の電池の評価結果を次の表1に示す。
Figure 2020158306
実施例1〜3の結果から、絶縁層が高分子固体電解質を含み、絶縁層の空隙率が10%以下であると、絶縁層の電子絶縁性を良好にしながらリチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を高くできることがわかった。一方、比較例1及び2の結果から、絶縁層の空隙率を10%以下とすることによって、絶縁層を薄くしても電子絶縁性を良好にできるが、絶縁層が高分子固体電解質を含まないと、電池を充電できないことがわかった。また、比較例3の結果から、絶縁層の空隙率が大きくても、絶縁層を厚くすることにより、絶縁層の電子絶縁性を良好にできるものの、電池の体積エネルギー密度が低くなることがわかった。さらに、比較例4及び5の結果から、絶縁層の空隙率が高いと、電池の体積エネルギー密度を高くするために、絶縁層を薄くした場合、絶縁層の電子絶縁性を確保できないことがわかった。なお、比較例4及び5では、電子絶縁性を確保できなかったため、1C放電容量を測定することができず、このため、体積エネルギー密度を算出することができなかった。
1 リチウムイオン二次電池用電極
10 電極活物質層
20,109 絶縁層
30 電極集電体
106 負極ボディ
107 正極ボディ
108 負極
110 電極ガイド
111 正極
112 電極押さえ
113 スプリング

Claims (7)

  1. 電極活物質層と、前記電極活物質層の表面上に設けられる絶縁層とを備え、
    前記絶縁層が高分子固体電解質を含み、
    前記絶縁層の空隙率が10%以下であるリチウムイオン二次電池用電極。
  2. 前記絶縁層は所望により絶縁性微粒子を含み、
    前記絶縁層における前記絶縁性微粒子の含有量が、前記高分子固体電解質及び前記絶縁性微粒子の合計100体積%に対して20体積%以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  3. 前記高分子固体電解質がポリエーテル系電解質である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  4. 前記ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーは、少なくともエチレンオキシド構造を有するポリマーである請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  5. 前記高分子固体電解質がリチウム塩を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  6. 前記絶縁層の厚さが30μm未満である請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極と、電解液とを備えたリチウムイオン二次電池。

JP2020565497A 2019-01-28 2020-01-08 リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 Pending JPWO2020158306A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019012045 2019-01-28
JP2019012045 2019-01-28
PCT/JP2020/000218 WO2020158306A1 (ja) 2019-01-28 2020-01-08 リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020158306A1 true JPWO2020158306A1 (ja) 2021-02-25

Family

ID=71840892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020565497A Pending JPWO2020158306A1 (ja) 2019-01-28 2020-01-08 リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2020158306A1 (ja)
CN (1) CN112840479A (ja)
WO (1) WO2020158306A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066084A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Konpon Kenkyusho:Kk リチウム二次電池用負極およびその利用
JP2007280806A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Nissan Motor Co Ltd 電池用電極
JP2013097993A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Hitachi Maxell Ltd リチウムイオン二次電池
JP2015176815A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社豊田自動織機 蓄電装置用電極の製造方法、蓄電装置用電極の絶縁層形成用スラリー、蓄電装置用電極、及び、蓄電装置
JP2017191766A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 三星電子株式会社Samsung Electronics Co., Ltd. 複合固体電解質、それを含む保護負極及びリチウム電池、並びに該複合固体電解質の製造方法
JP2018073530A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 非水電解質二次電池およびその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015005553A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 Jmエナジー株式会社 蓄電デバイス

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066084A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Konpon Kenkyusho:Kk リチウム二次電池用負極およびその利用
JP2007280806A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Nissan Motor Co Ltd 電池用電極
JP2013097993A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Hitachi Maxell Ltd リチウムイオン二次電池
JP2015176815A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社豊田自動織機 蓄電装置用電極の製造方法、蓄電装置用電極の絶縁層形成用スラリー、蓄電装置用電極、及び、蓄電装置
JP2017191766A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 三星電子株式会社Samsung Electronics Co., Ltd. 複合固体電解質、それを含む保護負極及びリチウム電池、並びに該複合固体電解質の製造方法
JP2018073530A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 非水電解質二次電池およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN112840479A (zh) 2021-05-25
WO2020158306A1 (ja) 2020-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9444090B2 (en) Lithium metal doped electrodes for lithium-ion rechargeable chemistry
JP6841971B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極材料、正極活物質層、及びリチウムイオン二次電池
KR20150106810A (ko) 분리막 및 이를 이용한 이차 전지
JP6805374B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池
JP2007258127A (ja) 負極および電池
JP6849863B2 (ja) リチウムイオン二次電池、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池用正極
WO2020184713A1 (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP7037267B2 (ja) リチウムイオン電池用負極の製造方法
WO2023127357A1 (ja) 固体電解質電池用負極及び固体電解質電池
JP2020126733A (ja) リチウムイオン二次電池用電極、及びリチウムイオン二次電池
JP2020140896A (ja) リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池
JP6832474B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極材料、正極活物質層、及びリチウムイオン二次電池
WO2020158306A1 (ja) リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池
WO2020204074A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2002042874A (ja) ポリマー二次電池
JP2020155378A (ja) リチウムイオン二次電池用電解液、及びリチウムイオン二次電池
JP6876879B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電極、リチウムイオン二次電池及びリチウムイオン二次電池用電極の製造方法
JP6876882B1 (ja) リチウムイオン二次電池用電極、及びリチウムイオン二次電池
WO2023153394A1 (ja) 固体電解質電池用負極及び固体電解質電池
JP5135649B2 (ja) 固体高分子電解質型電池および固体高分子電解質の製造方法
JP2022146804A (ja) リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、スラリー組成物、及びリチウムイオン二次電池
JP2022146805A (ja) リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池
JP2022153190A (ja) リチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池
JP2020180376A (ja) 金属膜、リチウムイオン電池用負極、リチウムイオン電池および金属膜の製造方法
JP2020149912A (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201120

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201120

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210803