JPWO2020149421A1 - スラストフォイル軸受 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2019年1月18日に日本に出願された特願2019−006811号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
図1中、符号1は回転軸(シャフト)、符号2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、符号3は本開示に係るスラストフォイル軸受を示している。
図2は、本開示の第1実施形態に係るスラストフォイル軸受3を示す側面図である。
スラストフォイル軸受3は、図2に示すように、スラストカラー4を挟んで両側に一対で設けられている。これら一対のスラストフォイル軸受3は、共に同じ構成となっている。スラストフォイル軸受3は、トップフォイル10と、バックフォイル20と、ベースプレート30と、を備える。
ベースプレート30は、図3に示すように、回転軸1が挿通される挿通孔30aを有する。
また、「平面視」とは、軸方向から見た図をいう。
例えば、トップフォイル片11及びバックフォイル片21の各枚数が、3枚、4枚、5枚、7枚、8枚、9枚等であってもよい。
言い換えれば、曲げ部15の第1の屈曲は、ベースプレート30に向けて凸となるように屈曲し、第2の屈曲は、スラストカラー4(図5では不図示)に向けて凸となるように屈曲している。
被挟持部14は、傾斜部12と同様に、扇形の頂点側を切り欠いて内周側、外周側をそれぞれ円弧状とした、略台形状に形成されている。すなわち、被挟持部14は、周方向に離隔し、内周側から外周側に延びる2つの端縁と、2つの端縁を内周側で接続する内周側の端縁と、2つの端縁を外周側で接続する外周側の端縁を備えている。
スラストフォイル軸受3は、図2に示すように、スラストカラー4を挟んだ両側に設けている。そのため、回転軸1のスラスト方向(軸方向)両側の移動を抑制できる。
言い換えれば、本実施形態のトップフォイル10は、挿通孔30aの径方向において、トップフォイル10を内側の領域と外側の領域とに分けるスリット17と、外側の領域に配置された被挟持部14と、被挟持部14から内側の領域まで延伸する延伸部13と、内側の領域において、挿通孔30aの周方向一方側の端縁が延伸部13に接続され、且つ延伸部13から周方向他方側に延伸すると共に、挿通孔30aの軸方向に直交する方向に広がるベースプレート30の平坦面に対して傾斜した傾斜部12と、を有する。なお、延伸部13は、被挟持部14からスリット17よりも径方向内側に延伸している。
この構成によれば、挟持によるトップフォイル10の取り付け方法を提供することができる。つまり、被挟持部14が挟持されることで、ベースプレート30にトップフォイル10を溶接することなく取り付けることができる。したがって、トップフォイル10(特に、傾斜部12)が熱により変形することを防止でき、トップフォイル10の歪みによるスラストフォイル軸受3の負荷能力の低下を抑制することができる。また、スリット17によって、被挟持部14(外側の領域)と傾斜部12(内側の領域)を分けることにより、傾斜部12(内側の領域)では、従来通りの変形(バックフォイル20及びベースプレート30側への押し付け変形)が可能となる。
さらに、傾斜部12に、スラストカラー4と擦れ合うときの摩擦力(流体潤滑膜形成前)や、非接触回転時、流体潤滑膜による摩擦力が作用しても、傾斜部12が延伸部13を介して被挟持部14に接続されているので、傾斜部12が定位置から動くことが抑制される。
この構成によれば、挟持によるバックフォイル20の取り付け方法を提供することができる。つまり、被挟持部24によってベースプレート30にバックフォイル20を溶接することなく取り付けることができる。したがって、バックフォイル20(特に、支持部22)が熱により変形することを防止できる。このため、バックフォイル20に支持されるトップフォイル10(特に、傾斜部12)の歪みが抑制される。また、被挟持部24が挟持されることで、バックフォイル20が定位置から動くことが抑制される。
次に、本開示の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
すなわち、トップフォイル10には、第2のスリット18が形成されている。
このため、トップフォイル10に歪みが発生し、スラストフォイル軸受3の負荷能力が低下することを抑制することができる。
すなわち、トップフォイル片11の被挟持部14に、複数の延伸部13を介して傾斜部12が複数接続されると共に、バックフォイル片21の被挟持部24に、複数の平坦部23を介して支持部22が複数接続されている。
次に、本開示の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
これらの図に示すように、第3実施形態では、上記実施形態に係るトップフォイル片11、バックフォイル片21をそれぞれ組み合わせた構成となっている。つまり、トップフォイル10、バックフォイル20が、いずれも1枚のフォイル(トップフォイル片11、バックフォイル片21)によって形成されている。
このため、トップフォイル10に歪みが発生することなく、スラストフォイル軸受3の負荷能力の低下を抑制することができる。
次に、本開示の第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
これらの図に示すように、第4実施形態では、トップフォイル10の延伸部13の周方向一方側の端部13aに、ベースプレート30と反対側に向かって曲がる曲げ部19が形成されている。
図17は、本開示の第4実施形態の変形例に係るトップフォイル10を示す平面図である。図18は、図17に示すトップフォイル10の傾斜部12及び延伸部13を通る周方向の断面図である。
これらの図に示すように、トップフォイル10は、延伸部13の周方向一方側の端部13aに、ベースプレート30に向かって曲がる曲げ部19Aを有していてもよい。
次に、本開示の第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
これらの図に示すように、第5実施形態では、トップフォイル10の傾斜部12の傾斜方向と、バックフォイル20の支持部22の傾斜方向とが一致している。なお、トップフォイル10及びバックフォイル20は、上述した第3実施形態と同様に、いずれも1枚のフォイル(トップフォイル片11、バックフォイル片21)によって形成されている。
図22は、本開示の第5実施形態の変形例に係るバックフォイル20を示す平面図である。図23は、本開示の第5実施形態の別の変形例に係るバックフォイル20の側面図である。
これらの図に示すように、バックフォイル20が、第1実施形態と同様の複数のバックフォイル片21によって形成されている構成であってもよい。
一方、図23に示すバックフォイル片21の支持部22の山部22aの高さは、バックフォイル端部21aから支持部22の周方向他方側の端部に向かって、順に高くなっている。この支持部22は、ベースプレート30の平坦面に支持されている。
図22及び図23のいずれのバックフォイル片21においても、曲げ部25が形成されている。
次に、本開示の第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
これらの図に示すように、第6実施形態では、トップフォイル10には被挟持部14が設けられているが、バックフォイル20には被挟持部24が設けられておらず、バックフォイル片21が支持部22のみから形成されている。
例えば、以下の変形例が考えられる。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図26,27に示すように、第1変形例のトップフォイル10におけるトップフォイル片11の延伸部13は、ベースプレート30に固定された固定部51を有する。延伸部13の固定部51は、溶接(スポット溶接)によってベースプレート30に固定されている。固定部51は、延伸部13がバックフォイル20におけるバックフォイル片21の平坦部23に重ねられた状態でベースプレート30に溶接されており、延伸部13と平坦部23のいずれもが固定部51においてベースプレート30に固定されている。
図28は、上記第1実施形態の第2変形例に係るスラストフォイル軸受3のトップフォイル10を示す平面図である。図29は、図28のF−F線矢視断面図である。
図28,29に示すように、第2変形例では、第1変形例の固定部51に代えて、固定部52が設けられている。すなわち、第2変形例のトップフォイル片11の延伸部13は、ベースプレート30に固定された固定部52を有する。延伸部13の固定部52は、カシメによってベースプレート30に固定されている。ベースプレート30には、平面視円形の穴部53が形成されている。延伸部13がバックフォイル片21の平坦部23に重ねられた状態で不図示の押圧具によって押圧され、延伸部13と平坦部23のそれぞれの一部分が穴部53内に向けて塑性変形により突出して、穴部53内に嵌入して固定されている。第2変形例の他の構成は第1変形例と同等である。
図30〜32に示すように、第3変形例では、第1変形例の固定部51に代えて、固定部54が設けられている。すなわち、第3変形例のトップフォイル片11の延伸部13は、ベースプレート30に固定された固定部54を有する。延伸部13の固定部54は、カシメによってベースプレート30に固定されている。ベースプレート30には、平面視矩形の穴部55が形成されている。延伸部13がバックフォイル片21の平坦部23に重ねられた状態で不図示の押圧具によって押圧され、延伸部13と平坦部23のそれぞれの一部分が穴部55内に向けて塑性変形により突出して、穴部55内に嵌入して固定されている。第3変形例の他の構成は第1変形例と同等である。
図33,34に示すように、第4変形例では、第1変形例の固定部51に代えて、固定部57が設けられている。すなわち、第4変形例のトップフォイル片11の延伸部13は、ベースプレート30に固定された固定部57を有する。延伸部13の固定部57は、リベット58を用いてベースプレート30に固定されている。リベット58は、ベースプレート30に形成された貫通孔30c、平坦部23に形成された貫通孔23c、及び延伸部13に形成された貫通孔13cに挿通されている。リベット58の一方の頭部58aがベースプレート30に係止され、リベット58の他方の頭部58bが延伸部13に係止されることで、延伸部13と平坦部23とがベースプレート30に固定されている。頭部58bは、傾斜部12の周方向一方側の端部よりも、軸方向においてベースプレート30に近い位置に配置されている。このため、スラストカラー4がトップフォイル片11を押し込んだ場合でも、スラストカラー4が頭部58bに接触することを抑制できる。第4変形例の他の構成は第1変形例と同等である。
図37,38に示すように、第5変形例は、第1変形例の固定部51が延伸部13のみをベースプレート30に固定した構成を有しており、バックフォイル片21は支持部22のみから形成されている。
図38に示すように、バックフォイル片21は、周方向他方側の端部21bがベースプレート30に対して複数の箇所で溶接(スポット溶接)されている。すなわち、バックフォイル片21は複数の溶接部21cを介してベースプレート30に固定されている。
図39に示すように、第6変形例は、第2変形例の固定部52が延伸部13のみをベースプレート30に固定した構成を有している。第6変形例の他の構成は、第5変形例と同等である。
図40に示すように、第7変形例は、第3変形例の固定部54が延伸部13のみをベースプレート30に固定した構成を有している。第7変形例の他の構成は、第5変形例と同等である。
図41に示すように、第8変形例は、第4変形例の固定部57が延伸部13のみをベースプレート30に固定した構成を有している。第8変形例の他の構成は、第5変形例と同等である。
2 インペラ
3 スラストフォイル軸受
4 スラストカラー
5 ハウジング
6 チップクリアランス
7 ラジアルフォイル軸受
10 トップフォイル
11 トップフォイル片
12 傾斜部
13 延伸部
14 被挟持部
15 曲げ部
15A 曲げ部
16 貫通孔
17 スリット
18 第2のスリット
19 曲げ部
19A 曲げ部
20 バックフォイル
21 バックフォイル片
22 支持部
22a 山部
22b 谷部
23 平坦部
24 被挟持部
25 曲げ部
26 貫通孔
27 第1スリット
28 第2スリット
30 ベースプレート
30a 挿通孔
31 挿入溝
32 挿入溝
33 傾斜面
40 軸受スペーサ
41 締結ボルト
42 貫通孔
51,52,54,57 固定部
Claims (10)
- シャフトが挿通される挿通孔を有するベースプレートと、
前記挿通孔の周囲に配置されたトップフォイルと、を備え、
前記トップフォイルは、
前記挿通孔の径方向において、内側の領域と外側の領域に分けるスリットと、
前記外側の領域に配置された被挟持部と、
前記被挟持部から前記内側の領域まで延伸する延伸部と、
前記内側の領域において、前記挿通孔の周方向一方側の端縁が前記延伸部に接続され、且つ前記延伸部から周方向他方側に延伸すると共に、前記挿通孔の軸方向に直交する方向に広がる前記ベースプレートの平坦面に対して傾斜した傾斜部と、を有する、スラストフォイル軸受。 - 前記ベースプレートには、環状部材が取り付けられ、
前記被挟持部は、前記ベースプレートと前記環状部材との間に挟持されている、請求項1に記載のスラストフォイル軸受。 - 前記環状部材を前記ベースプレートに取り付ける締結部材を有し、
前記被挟持部には、前記締結部材が挿通される貫通孔が形成されている、請求項2に記載のスラストフォイル軸受。 - 前記貫通孔は、前記被挟持部に複数形成されている、請求項3に記載のスラストフォイル軸受。
- 前記被挟持部は、環状に形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスラストフォイル軸受。
- 前記被挟持部には、複数の前記延伸部を介して前記傾斜部が複数接続されており、
前記スリットは、前記傾斜部の周方向他方側の端縁から周方向一方側に向かって延伸し、
前記トップフォイルには、前記傾斜部の周方向他方側の端縁に沿って内周側から外周側に延伸すると共に、前記傾斜部の外周側において前記スリットと接続される第2のスリットが形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスラストフォイル軸受。 - 前記傾斜部の周方向他方側の端部は、自由端となっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスラストフォイル軸受。
- 前記延伸部の周方向一方側の端部には、前記ベースプレートに向かって曲がる、若しくは、前記ベースプレートと反対側に向かって曲がる曲げ部が形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のスラストフォイル軸受。
- 前記ベースプレートには、前記ベースプレートに向かって曲がる前記曲げ部が挿入される挿入溝が形成されている、請求項8に記載のスラストフォイル軸受。
- 前記延伸部は、前記ベースプレートに固定された固定部を有する、請求項1又は2に記載のスラストフォイル軸受。
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