JP2020115021A - スラストフォイル軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受損失(ロス)を低減できるスラストフォイル軸受装置の提供。【解決手段】スラストフォイル軸受装置8は、回転軸1に取り付けられたスラストカラー4の軸方向一方側に配置された第1のスラストフォイル軸受3Aと、スラストカラー4の軸方向他方側に配置され、第1のスラストフォイル軸受3Aと構成の異なるフォイル構造を備える第2のスラストフォイル軸受3Bと、を有する。【選択図】図2
Description
本開示は、スラストフォイル軸受装置に関するものである。
従来、高速回転体用の軸受として、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラストフォイル軸受が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。スラストフォイル軸受は、振動や衝撃によって発生する回転軸の動き(スラストカラーの軸方向変位と傾き)を吸収できるように、軸受面が柔軟なフォイル(金属製薄板)によって形成されており、軸受面の下に軸受面を柔軟に支持するためのフォイル構造を有している。
スラストフォイル軸受には、周方向に複数のトップフォイル片とバックフォイル片が配列された形態がある。トップフォイル片は、バックフォイル片に支持されており、スラストカラーの回転により、トップフォイル片とスラストカラーとの間に潤滑流体が導入される。この潤滑流体がトップフォイル片とスラストカラーとの間に楔状の流体潤滑膜を形成し、スラストフォイル軸受の負荷能力が発揮される。
上記従来技術では、スラストカラーの軸方向の移動量を極力抑えるため、スラストカラーの軸方向両側に、同じスラストフォイル軸受を配置している。しかしながら、この構成では、スラストカラーから受けるスラスト荷重が一方側に偏っている場合であっても、両側のスラストフォイル軸受から軸受損失(ロス)が発生してしまう。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、軸受損失(ロス)を低減できるスラストフォイル軸受装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示のスラストフォイル軸受装置は、シャフトに取り付けられたスラストカラーの軸方向一方側に配置された第1のスラストフォイル軸受と、前記スラストカラーの軸方向他方側に配置され、前記第1のスラストフォイル軸受と構成の異なるフォイル構造を備える第2のスラストフォイル軸受と、を有する。
また、本開示においては、前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向する対向面積が小さくてもよい。
また、本開示においては、前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向するフォイル片の数が少なくてもよい。
また、本開示においては、前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向するフォイル片の径方向における寸法が短くてもよい。
また、本開示においては、前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向するフォイル片の周方向における寸法が短くてもよい。
また、本開示においては、前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーの前記シャフトと直交する方向に広がる平坦面に対する傾斜が大きくてもよい。
本開示によれば、軸受損失(ロス)を低減できる。
以下、図面を参照して本開示のスラストフォイル軸受装置を詳しく説明する。
図1は、本開示のスラストフォイル軸受装置が適用されるターボ機械の一例を示す側面図である。
図1中、符号1は回転軸(シャフト)、符号2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、符号3は本開示に係るスラストフォイル軸受である。
図1中、符号1は回転軸(シャフト)、符号2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、符号3は本開示に係るスラストフォイル軸受である。
回転軸1には、円板状のスラストカラー4が取り付けられている。スラストカラー4は、一対のスラストフォイル軸受3に挟まれている。インペラ2は、静止側となるハウジング5内に配置されており、ハウジング5との間にチップクリアランス6を有している。回転軸1は、ラジアルフォイル軸受7に支持されている。
スラストフォイル軸受装置8は、スラストカラー4の軸方向一方側に配置された第1のスラストフォイル軸受3Aと、スラストカラー4の軸方向他方側に配置された第2のスラストフォイル軸受3Bと、を備えている。図1に示すように、回転軸1の一端にのみインペラ2が設けられている場合、偏ったスラスト荷重Fが発生し、一方側(本開示では第1のスラストフォイル軸受3A側)に荷重が集中する。なお、別のケースとして、回転軸1が重力方向に沿って縦に配置されている場合などでは、下側に配置されたスラストフォイル軸受3に荷重が集中する。
(第1実施形態)
図2は、本開示の第1実施形態に係るスラストフォイル軸受装置8を示す側面図である。
スラストフォイル軸受3は、図2に示すように、スラストカラー4を挟んで両側に設けられている。スラストフォイル軸受3は、トップフォイル10と、バックフォイル20と、ベースプレート30と、を備える。
図2は、本開示の第1実施形態に係るスラストフォイル軸受装置8を示す側面図である。
スラストフォイル軸受3は、図2に示すように、スラストカラー4を挟んで両側に設けられている。スラストフォイル軸受3は、トップフォイル10と、バックフォイル20と、ベースプレート30と、を備える。
スラストフォイル軸受3のそれぞれのベースプレート30の間には、二点鎖線で示す円筒状の軸受スペーサ40が挟持されている。そして、これらベースプレート30は、締結ボルト41によって軸受スペーサ40を介して連結されている。ベースプレート30の外周部には、締結ボルト41を挿通するための貫通孔42が形成されている。なお、本開示のベースプレート30のうちの一方は、締結ボルト41による締め付けによってハウジング5に当接している。
図3は、本開示の第1実施形態に係る第1のスラストフォイル軸受3A(負荷側)を示す平面図である。図4は、図3に示す矢視A−A図である。
ベースプレート30は、図3に示すように、回転軸1が挿通される挿通孔30aを有する。
ベースプレート30は、図3に示すように、回転軸1が挿通される挿通孔30aを有する。
なお、以下の説明においては、挿通孔30aを基準に各部材の位置関係を説明することがある。具体的に、「軸方向」とは、挿通孔30aが延びる方向(回転軸1が挿通される方向)を言う。また、「径方向」とは、挿通孔30aの径方向を言う。また、「周方向」とは、挿通孔30aの内周面に沿った周方向を言う。あるいは、挿通孔30aに挿通された回転軸1の軸心を基準に、当該軸心から視た「径方向」及び「周方向」とも言える。
ベースプレート30は、軸方向におけるスラストフォイル軸受3の最外部(反スラストカラー側)を構成している。ベースプレート30には、挿通孔30aが形成されている。すなわち、本開示のベースプレート30は、挿通孔30aが形成された円板状の部材である。しかし、挿通孔30aを有すれば、ベースプレート30は、円板状以外の部材(例えば矩形板状)であってもよい。また、挿通孔30aについても、必ずしも厳密な円筒形状である必要はない。
ベースプレート30は、例えば、厚さ数mm程度の金属板から形成されている。スラストカラー4と対向して配置されるベースプレート30の平坦面30bにおける挿通孔30a(開口)の周囲には、トップフォイル10、バックフォイル20が配置されている。具体的に、トップフォイル10は、バックフォイル20に支持され、バックフォイル20は、ベースプレート30に支持されている。つまり、トップフォイル10は、バックフォイル20を介し、ベースプレート30にも支持されている。
トップフォイル10は、挿通孔30aの周囲に配列された複数の金属製の薄板(トップフォイル片11)によって形成されている。トップフォイル片11は、周方向一方側(回転軸1の回転方向上流側)から周方向他方側(回転軸1の回転方向下流側)に向かって上方(図3において紙面手前側。あるいは、ベースプレート30からあるいはトップフォイル片11に向かう方向の軸方向側)に傾斜する傾斜部12と、傾斜部12の周方向一方側に連設され、ベースプレート30に取り付けられる取付部13と、を有している。
傾斜部12は、図3に示すように、扇形の頂点側を切り欠いて内周側、外周側をそれぞれ円弧状とした、略台形状に形成されている。すなわち、傾斜部12は、周方向に離隔し、内周側から外周側に延びる2つの端縁と、2つの端縁を内周側で接続する内周側の端縁と、2つの端縁を外周側で接続する外周側の端縁を備えている。傾斜部12の周方向他方側の内周側から外周側に延びる端縁(以下、周方向他方側の端部12aと言う)は、自由端となっている。
一方で、傾斜部12の周方向一方側の内周側から外周側に延びる端縁は、曲げ部14を介して取付部13に接続されている。曲げ部14は、図4に示すように、第1の屈曲と、第1の屈曲の周方向他方側に位置する第2の屈曲とで構成されている。第1の屈曲は、トップフォイル片11のベースプレート30に対向する面の背面側に屈曲している。第2の屈曲は、トップフォイル片11のベースプレート30に対向する面側に屈曲している。つまり、曲げ部14は、階段状となっている。なお、第1の屈曲、第2の屈曲は、いずれも鈍角となっている。
曲げ部14よりも周方向他方側に位置する傾斜部12は、バックフォイル片21の支持部22に支持されている。支持部22に支持された傾斜部12は、周方向一方側から周方向他方側に向かうに連れて、ベースプレート30から漸次遠ざかるように初期傾斜角で傾斜して配置されている。ここで、初期傾斜角とは、荷重がゼロのときのベースプレート30に対するトップフォイル片11の傾斜角を意味する。本開示のベースプレート30は、軸方向に直交する方向に広がる平坦面30bを有し、傾斜部12は、当該平坦面30bに対し傾斜している。
取付部13は、曲げ部14の周方向一方側(第1の屈曲側)に接続されている。本開示では、この取付部13は、径方向において曲げ部14と同じ長さで帯状に形成され、ベースプレート30に対してスポット溶接(点付溶接)されている。つまり、この溶接位置が、ベースプレート30に対するトップフォイル片11の取付位置となっている。なお、ベースプレート30に対するトップフォイル片11の取り付けについては、スポット溶接以外にも、例えばネジ止めなどによっても行うことができる。また、取付部13と曲げ部14は、必ずしも径方向において同じ長さである必要はない。
一方、バックフォイル20は、挿通孔30aの周囲に配列された複数の金属製の薄板(バックフォイル片21)によって形成されている。バックフォイル片21は、トップフォイル片11の傾斜部12を支持する支持部22を有している。支持部22は、図4に示すように、山部22aと谷部22bが交互に形成された波型のフォイル(バンプフォイル)である。支持部22は、トップフォイル片11の傾斜部12を弾性的に支持している。
なお、支持部22としては、例えば、バンプフォイル、特開2006−57652号公報や特開2004−270904号公報などに記載されているスプリングフォイル、特開2009−299748号公報などに記載されているバックフォイルなどを用いることができる。なお、特開2006−57652号公報や特開2004−270904号公報に記載されているスプリングフォイル、特開2009−299748号公報に記載されているバックフォイルは、ラジアル軸受に用いられるフォイルであるが、これらを平面状に展開して円環板状に形成すれば、スラストフォイル軸受3に用いられるフォイル(支持部22)となる。
本開示の支持部22は、バンプフォイルから形成されている。支持部22は、図3に示す平面視で、トップフォイル片11の傾斜部12よりも一回り小さく形成されている。したがって、支持部22は、傾斜部12に覆われている。支持部22は、傾斜部12と同様に、扇形の頂点側を切り欠いて内周側、外周側をそれぞれ円弧状とした、略台形状に形成されている。すなわち、支持部22は、周方向に離隔し、内周側から外周側に延びる2つの端縁と、2つの端縁を内周側で接続する内周側の端縁と、2つの端縁を外周側で接続する外周側の端縁を備えている。
支持部22の周方向一方側の内周側から外周側に延びる端縁(以下、周方向一方側の端部)には、支持部22の周方向他方側の内周側から外周側に延びる端縁(以下、周方向他方側の端部)と平行に延びる平行部(以下、バックフォイル端部21aと言う)が形成されている。支持部22には、バックフォイル端部21aから支持部22の周方向他方側の端部に向かう第1方向において、すなわち、バックフォイル端部21aないし支持部22の周方向他方側の端部とそれぞれ直交する法線方向(山部22aの稜線と直交する方向とも言う)において、谷部22bと山部22aが交互に連なっている。
図4に示すように、谷部22bは、平坦面を備えベースプレート30に対向している。また、山部22aは、隣接する谷部22bを繋ぐアーチ状の部位となっている。バックフォイル片21は、ベースプレート30に支持されている。そのため、谷部22bは、ベースプレート30と当接可能である。支持部22の両端部、すなわち、バックフォイル端部21aと、支持部22の周方向他方側の端部(以下、取付部21b)は、それぞれ谷部22bによって形成されている。
本開示では、谷部22b及び山部22aは、それぞれほぼ等ピッチで形成されている。また、山部22aの高さ(谷部22bと山部22aの高さの差)は、一定の高さで形成されている。ベースプレート30には、支持部22を支持する支持面31が形成されている。支持面31は、第1方向の他方側(図4において紙面右側)に向かうに従って漸次高くなる傾斜面となっている。なお、本開示において、第1方向他方側と、周方向他方側の向きは一致していないが、その間の角度は劣角となっている。支持面31は、ベースプレート30の平坦面30bに対して所定角度で傾いている。この角度は、トップフォイル片11の傾斜部12の初期傾斜角度に対応している。なお、支持面31が傾斜していない場合には、山部22aの高さが、第1方向の他方側に向かうに従って漸次高くなっていてもよい。
バックフォイル片21の取付部21bは、ベースプレート30に対してスポット溶接(点付溶接)されている。つまり、この溶接位置が、ベースプレート30に対するバックフォイル片21の取付位置となっている。つまり、本開示において、バックフォイル片21の取付位置は、第1方向の他方側(図4において紙面右側)の端に位置する谷部22b(取付部21b)となっている。
また、バックフォイル片21の第1方向の一方側(図4において紙面左側)の端に位置する谷部22b(バックフォイル端部21a)は、自由端となっている。すなわち、バックフォイル片21に荷重が作用すると、バックフォイル端部21aが、第1方向一方側に向かって移動することが可能である。なお、ベースプレート30に対するバックフォイル片21の取り付けについては、スポット溶接以外にも、例えばネジ止めなどによっても行うことができる。
上記構成のトップフォイル片11、バックフォイル片21は、図3に示すように、挿通孔30aを中心として、環状に配置されている。本開示のベースプレート30は、周方向において、6枚のトップフォイル片11、バックフォイル片21を支持している。周方向で隣り合うトップフォイル片11(バックフォイル片21)の間には、径方向に延びる周方向隙間S1がそれぞれ形成されている。周方向隙間S1は、径方向外側に向かうに従って周方向における幅が漸次大きくなっている。
図5は、本開示の第1実施形態に係る第2のスラストフォイル軸受3B(反負荷側)を示す底面図である。なお、以下の第2のスラストフォイル軸受3Bの説明において、上述した第1のスラストフォイル軸受3Aと同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
反負荷側に配置された第2のスラストフォイル軸受3Bは、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造(図3参照)と異なるフォイル構造を備えている。つまり、第2のスラストフォイル軸受3Bは、第1のスラストフォイル軸受3Aとスラストカラー4を挟んで完全に対称な構成となっていない。
反負荷側に配置された第2のスラストフォイル軸受3Bは、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造(図3参照)と異なるフォイル構造を備えている。つまり、第2のスラストフォイル軸受3Bは、第1のスラストフォイル軸受3Aとスラストカラー4を挟んで完全に対称な構成となっていない。
具体的に、第2のスラストフォイル軸受3Bは、第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造よりも、スラストカラー4に対向するフォイル片(トップフォイル片11及びバックフォイル片21)の数が少ない。つまり、第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル構造は、第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造よりも、スラストカラー4に対向する対向面積(ベースプレート30に配された複数のトップフォイル片11がスラストカラー4に対向する面積の合計)が小さい。
第2のスラストフォイル軸受3Bは、挿通孔30aの周囲に3枚のトップフォイル片11、バックフォイル片21を備えている。つまり、第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル片は、第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル片の半数である。周方向で隣り合うトップフォイル片11(バックフォイル片21)の間には、図3に示す周方向隙間S1よりも大きな周方向隙間S2が形成されている。なお、その他の点については、第2のスラストフォイル軸受3Bは、第1のスラストフォイル軸受3Aと対称な構成となっている。
次に、このような構成からなるスラストフォイル軸受3の作用について説明する。
スラストフォイル軸受3は、図2に示すように、スラストカラー4を挟んだ両側に設けている。そのため、回転軸1の軸方向両側の移動を抑制できる。
スラストフォイル軸受3は、図2に示すように、スラストカラー4を挟んだ両側に設けている。そのため、回転軸1の軸方向両側の移動を抑制できる。
このような状態で回転軸1が回転し、スラストカラー4が回転を始めると、スラストカラー4とトップフォイル片11は擦れ合いつつ、両者の間に形成されたくさび形の空間に周囲流体が押し込まれる。そして、スラストカラー4が一定の回転速度に達すると、両者の間に流体潤滑膜が形成される。この流体潤滑膜の圧力によってトップフォイル片11はバックフォイル片21側へ押し付けられ、スラストカラー4はトップフォイル片11との接触状態を脱し、非接触で回転するようになる。
ところで、スラストカラー4の軸方向両側に配置された第1のスラストフォイル軸受3A及び第2のスラストフォイル軸受3Bは、軸方向のガタが生じないように、スラストカラー4に対して一定の力(以下、予圧と言う)で押し付けられている。このため、図1に示すように、スラスト荷重Fが一方側に偏っている場合であっても、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aのみならず、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bにおいて上記予圧の作用によって損失が発生し、その分の軸受損失が上乗せされている。
このため、本開示では、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル構造を、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造と非対称の構造としている。具体的には、図5に示すように、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル構造は、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造よりも、スラストカラー4に対向するフォイル片の数を少なくしている。フォイル片の数が少ないと、流体潤滑膜が形成されるスラストカラー4との対向面積が減り、フォイル片の上で流体潤滑膜がせん断されることより発生する損失が減る。
この損失が減ることで、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bの発熱も減る。このため、第2のスラストフォイル軸受3Bの温度上昇が緩和される。この副次的な効果として、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aの温度上昇も抑えられ、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aの負荷能力が向上する。さらに、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル片の数が少なくなることで、第1のスラストフォイル軸受3Aよりも第2のスラストフォイル軸受3Bの製作コストを低減することができる。
したがって、上述した第1実施形態によれば、回転軸1に取り付けられたスラストカラー4の軸方向一方側に配置された第1のスラストフォイル軸受3Aと、スラストカラー4の軸方向他方側に配置され、第1のスラストフォイル軸受3Aと構成の異なるフォイル構造を備える第2のスラストフォイル軸受3Bと、を有する、という構成を採用することによって、スラストフォイル軸受装置8の軸受損失(ロス)を低減できる。
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、本開示の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図6は、本開示の第2実施形態に係る第2のスラストフォイル軸受3B(反負荷側)を示す底面図である。
図6に示すように、第2実施形態では、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11A(バックフォイル片21Aも同様)の外周径(円弧状の外周側の端縁の径)が、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11(図6において二点鎖線で示す)の外周径よりも小さくなっている。
図6に示すように、第2実施形態では、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11A(バックフォイル片21Aも同様)の外周径(円弧状の外周側の端縁の径)が、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11(図6において二点鎖線で示す)の外周径よりも小さくなっている。
第2実施形態の第2のスラストフォイル軸受3Bは、挿通孔30aの周囲に6枚のトップフォイル片11A、バックフォイル片21Aを備えている。つまり、第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル片は、第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル片と同数である。しかしながら、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11A(バックフォイル片21Aも同様)の外周径は、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11の外周径よりも小さくなっている。
つまり、トップフォイル片11Aの径方向における寸法R1は、トップフォイル片11の径方向における寸法Rよりも短い。また、トップフォイル片11Aの外周側の端縁の周方向における寸法W1は、トップフォイル片11の外周側の端縁の周方向における寸法Wよりも短い。なお、トップフォイル片11Aの内周側の端縁においては、その径方向位置及び周方向における寸法がトップフォイル片11と一致している。なお、トップフォイル片11Aの内周側の端縁において、その径方向位置及び周方向における寸法がトップフォイル片11と一致せず、トップフォイル片11Aの外周側の端縁において、その径方向位置及び周方向における寸法がトップフォイル片11と一致していてもよい。
上記構成の第2実施形態によれば、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル構造が、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造よりも、スラストカラー4に対向するフォイル片の径方向における寸法が短いため、第1のスラストフォイル軸受3Aよりも、スラストカラー4に対向する対向面積が小さくなる。これにより、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bで発生する軸受損失(ロス)が減る。また、第2のスラストフォイル軸受3Bでの発熱を減らし、この副次的な効果として、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aの温度上昇を抑えて負荷能力を向上できる。
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、本開示の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は、本開示の第3実施形態に係る第2のスラストフォイル軸受3B(反負荷側)を示す底面図である。
図7に示すように、第3実施形態では、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11B(バックフォイル片21Bも同様)の内周径(円弧状の内周側の端縁の径)が、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11(図7において二点鎖線で示す)の内周径よりも大きくなっている。さらに、第3実施形態では、トップフォイル片11Bの周方向における寸法も、トップフォイル片11の周方向における寸法より短くなっている。
図7に示すように、第3実施形態では、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11B(バックフォイル片21Bも同様)の内周径(円弧状の内周側の端縁の径)が、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11(図7において二点鎖線で示す)の内周径よりも大きくなっている。さらに、第3実施形態では、トップフォイル片11Bの周方向における寸法も、トップフォイル片11の周方向における寸法より短くなっている。
第3実施形態の第2のスラストフォイル軸受3Bは、挿通孔30Bの周囲に6枚のトップフォイル片11B、バックフォイル片21Bを備えている。つまり、第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル片は、第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル片と同数である。しかしながら、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11B(バックフォイル片21Bも同様)の内周径は、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11の内周径よりも大きくなっている。
つまり、トップフォイル片11Bの径方向における寸法R2は、トップフォイル片11の径方向における寸法Rよりも短い。トップフォイル片11Bの内周側の端縁の径方向位置は、トップフォイル片11の内周側の端縁の径方向位置よりも寸法R3だけ径方向外側に離隔している。なお、トップフォイル片11Bの外周側の端縁においては、その径方向位置がトップフォイル片11と一致している。トップフォイル片11Bの外周側の端縁の周方向における寸法W2は、トップフォイル片11の外周側の端縁の周方向における寸法Wよりも短い。
上記構成の第3実施形態によれば、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル構造が、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造よりも、スラストカラー4に対向するフォイル片の径方向における寸法及び周方向における寸法が短いため、第1のスラストフォイル軸受3Aよりも、スラストカラー4に対向する対向面積が小さくなる。これにより、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bで発生する軸受損失(ロス)が減る。また、第2のスラストフォイル軸受3Bでの発熱を減らし、この副次的な効果として、負荷側の第1のスラストフォイル軸受3Aの温度上昇を抑えて負荷能力を向上できる。
以上、図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、反負荷側の第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル構造が、第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造よりも、スラストカラー4に対向する対向面積が小さい形態について説明してきたが、例えば、対向面積は変わらないが、第2のスラストフォイル軸受3Bのフォイル構造は、第1のスラストフォイル軸受3Aのフォイル構造よりも、スラストカラー4の回転軸1と直交する方向に広がる平坦面に対する傾斜が大きくてもよい。つまり、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11の傾斜を大きくすれば、スラストカラー4との軸受隙間が広がり、流体潤滑膜のせん断力が減って損失が減る。
また、第2、第3実施形態に限らず、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11の内周縁、若しくは外周縁、あるいはその両方の径方向位置と、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11の内周縁、若しくは外周縁、あるいはその両方の径方向位置とをずらす事で、スラストフォイル軸受3A,と3Bの負荷のバランスを調整することが可能である。
また、第2、第3実施形態に限らず、第1のスラストフォイル軸受3Aのトップフォイル片11の内周縁、若しくは外周縁、あるいはその両方の径方向位置と、第2のスラストフォイル軸受3Bのトップフォイル片11の内周縁、若しくは外周縁、あるいはその両方の径方向位置とをずらす事で、スラストフォイル軸受3A,と3Bの負荷のバランスを調整することが可能である。
1 回転軸(シャフト)
2 インペラ
3 スラストフォイル軸受
3A 第1のスラストフォイル軸受
3B 第2のスラストフォイル軸受
8 スラストフォイル軸受装置
10 トップフォイル(フォイル構造)
11 トップフォイル片(フォイル片)
11A トップフォイル片(フォイル片)
11B トップフォイル片(フォイル片)
20 バックフォイル(フォイル構造)
21 バックフォイル片(フォイル片)
21A バックフォイル片(フォイル片)
21B バックフォイル片(フォイル片)
F スラスト荷重
R 寸法
R1 寸法
R2 寸法
R3 寸法
W 寸法
W1 寸法
W2 寸法
2 インペラ
3 スラストフォイル軸受
3A 第1のスラストフォイル軸受
3B 第2のスラストフォイル軸受
8 スラストフォイル軸受装置
10 トップフォイル(フォイル構造)
11 トップフォイル片(フォイル片)
11A トップフォイル片(フォイル片)
11B トップフォイル片(フォイル片)
20 バックフォイル(フォイル構造)
21 バックフォイル片(フォイル片)
21A バックフォイル片(フォイル片)
21B バックフォイル片(フォイル片)
F スラスト荷重
R 寸法
R1 寸法
R2 寸法
R3 寸法
W 寸法
W1 寸法
W2 寸法
Claims (6)
- シャフトに取り付けられたスラストカラーの軸方向一方側に配置された第1のスラストフォイル軸受と、
前記スラストカラーの軸方向他方側に配置され、前記第1のスラストフォイル軸受と構成の異なるフォイル構造を備える第2のスラストフォイル軸受と、を有する、スラストフォイル軸受装置。 - 前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向する対向面積が小さい、請求項1に記載のスラストフォイル軸受装置。
- 前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向するフォイル片の数が少ない、請求項1または2に記載のスラストフォイル軸受装置。
- 前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向するフォイル片の径方向における寸法が短い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスラストフォイル軸受装置。
- 前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーに対向するフォイル片の周方向における寸法が短い、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスラストフォイル軸受装置。
- 前記第2のスラストフォイル軸受のフォイル構造は、前記第1のスラストフォイル軸受のフォイル構造よりも、前記スラストカラーの前記シャフトと直交する方向に広がる平坦面に対する傾斜が大きい、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスラストフォイル軸受装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019006201A JP2020115021A (ja) | 2019-01-17 | 2019-01-17 | スラストフォイル軸受装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022210089A1 (de) | 2021-10-06 | 2023-04-06 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Turbofluidmaschine |
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-
2019
- 2019-01-17 JP JP2019006201A patent/JP2020115021A/ja active Pending
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US11859629B2 (en) | 2021-10-06 | 2024-01-02 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Turbo fluid machine |
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