JPWO2020144948A1 - 吸水性樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

吸水性樹脂粒子の製造直後から吸収性物品の使用に至るまで安定した吸収速度及び通液性能を維持し、かつ吸収性物品に使用したときに優れた風合いを発揮できる吸水性樹脂粒子及びその製造方法を提供する。本発明は、水溶性ビニルモノマー及び架橋剤を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子が表面架橋された吸水性樹脂粒子であって、不定形破砕状であり、平均真球度が0.800〜0.900であり、かつ耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅が0〜0.015である吸水性樹脂粒子;及び製造工程において、架橋重合体(A)を含有する乾燥粉体を得る乾燥工程以前にゲルブロッキング防止剤を添加し、前記乾燥工程で攪拌式乾燥機を用いて乾燥を行い、乾燥後に得られる(A)の乾燥粉体の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合を50重量%以下とする吸水性樹脂粒子の製造方法である。

Description

本発明は、吸水性樹脂粒子及びその製造方法に関する。
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料には、パルプ等の親水性繊維と、アクリル酸(塩)等を主原料とする吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer :以下SAPという。)とからなる、吸収体が幅広く利用されている。近年のQOL(quality of life)向上の観点からこれら衛生材料はより軽量かつ薄型のものへと需要が遷移しており、これに伴って親水性繊維の使用量の低減が望まれるようになってきた。そのため、これまで吸収体中で親水性繊維が担ってきた役割をSAPが担うことを求められるようになっている。
例えば、おむつの重要な機能として尿の高速吸収による漏れ低減がある。従来の吸収体は嵩高い親水性繊維間に存在する物理的空間により尿の吸収速度が速いが、親水性繊維の使用量が低減されたSAP比率の高い吸収体においてはSAP粒子どうしが充填構造を形成するために、物理的空間が少なく尿の吸収速度が遅いという問題点がある。また、従来の吸収体は、親水性繊維による尿拡散性が高く、吸収体全体に尿を拡散させることが可能であるのに対して、SAP比率の高い吸収体は膨潤ゲルによる尿の拡散阻害があるため、吸収体中における尿の拡散性は著しく低下する。この拡散性の低下は上述の吸収速度の低下と相まって所謂おむつ漏れ、すなわち尿の逆戻り、の深刻な原因となる。
上述の課題に対し、SAPの通液性向上、又は通液性と吸収速度の両方を向上させる技術が検討されている。例えば、SAPの表面を特定の有機架橋剤化合物と特定のカチオンを含む水溶液とによって架橋し、膨潤ゲル表面の変形を抑制することでゲル間隙を効率的に形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら表面架橋だけでは膨潤ゲル間の通液性は十分満足いくものではなかった。また、通液性を向上させる他の手法として(1)シリカ及びタルク等の無機化合物を添加することにより物理的なスペースを形成させる方法、(2)変性シリコーン等の表面自由エネルギーの小さい疎水性高分子で表面処理することにより、膨潤ゲル同士の合着を抑制してゲル間隙を形成させる方法及び(3)硫酸アルミニウムや乳酸アルミニウム等を添加する方法が既に知られている(例えば、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。しかしこれらの方法では、SAP製造直後には優れた特性を発揮しても、SAPの輸送時やSAPの散布、供給、ミキシング等の吸収性物品の製造時、さらには吸収性物品の輸送や実使用時に、粒子同士や装置壁面等と粒子との衝突・摩擦等によって、吸水性樹脂粒子の通液性や吸収速度を低下させることがあった。特に、近年の吸収体中のSAP比率増加に伴い、上記問題は顕在化しつつある。
また、吸収体中のSAP比率が高くなることに伴い、上述のような粒子間接触による物性低下の問題だけでなく、吸収性物品の実使用時に、SAP粒子の粒子間接触により、ジャリジャリ又はゴツゴツする感触が惹起され、このような感触の悪化も改善が求められている。
国際公開第00/053664号パンフレット 特開2012−161788号公報 特開2013−133399号公報 特開2014−512440号公報
本発明の課題は、吸水性樹脂粒子の製造直後から吸収性物品の使用に至るまで安定した吸収速度及び通液性能を維持し、かつ吸収性物品に使用したときに優れた風合いを発揮できる吸水性樹脂粒子及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子が表面架橋剤(d)により表面架橋された構造を有する吸水性樹脂粒子であって、粒子形状が不定形破砕状であり、平均真球度(SPHT)が0.800〜0.900であり、かつ耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)の変化幅が0〜0.015である吸水性樹脂粒子である。
本発明はまた、水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする単量体組成物を重合し、架橋重合体(A)を含有する含水ゲルを得る重合工程と、前記含水ゲルを混練細断し、(A)を含有する含水ゲル粒子を得るゲル粉砕工程と、前記含水ゲル粒子を乾燥し、(A)を含有する乾燥粉体を得る乾燥工程と、前記乾燥粉体をさらに粉砕及び/又は分級して(A)を含有する樹脂粒子を得る工程と、前記樹脂粒子の表面を表面架橋剤(d)により表面架橋する工程を含む吸水性樹脂粒子の製造方法であって、前記乾燥工程以前にゲルブロッキング防止剤(c)を添加し、かつ、前記乾燥工程では、攪拌式乾燥機を用いて乾燥を行い、乾燥後に得られる(A)の乾燥粉体の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合を50重量%以下とする、吸水性樹脂粒子の製造方法である。
本発明の吸水性樹脂粒子は、特定の平均真球度を有し、耐衝撃性試験後でも粒子形状を維持し、安定した吸収速度と通液性能を示す。また、本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂粒子は、乾燥粉体中の粗大粒子の発生を抑制し、吸水性樹脂粒子の平均真球度を高くすることができ、好適に本発明の吸水性樹脂粒子を得ることができる。従って、本発明の吸水性樹脂粒子及び本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂粒子を適用した吸収性物品は、吸水性樹脂粒子の製造直後から吸収性物品の使用に至るまで安定した吸収性能を発揮できるとともに、吸収性物品の実使用時に、ジャリジャリした感触が少なく風合いに優れる。
ゲル通液速度を測定するための濾過円筒管を模式的に表した断面図である。 ゲル通液速度を測定するための加圧軸及びおもりを模式的に表した斜視図である。
本発明の吸水性樹脂粒子は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子が表面架橋剤(d)により表面架橋された構造を有する。
本発明における水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく、公知のモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0007〜0023段落に開示されている少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するビニルモノマー(例えばアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー)、特開2003−165883号公報の0009〜0024段落に開示されているアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー並びに特開2005−75982号公報の0041〜0051段落に開示されているカルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するビニルモノマーが使用できる。
水溶性ビニルモノマー(a1)としては、吸収性能等の観点から、好ましくはアニオン性ビニルモノマー、より好ましくはカルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ−、ジ−若しくはトリ−アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマーである。これらの中で、より好ましくはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー、更に好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド、特に好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)、最も好ましくはアクリル酸(塩)である。
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH)塩等が挙げられる。これらの塩の内、吸収性能等の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
水溶性ビニルモノマー(a1)としてアクリル酸やメタクリル酸等の酸基含有モノマーを用いる場合、酸基含有モノマーの一部を塩基で中和することができる。中和する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を通常使用できる。中和は吸水性樹脂の製造工程において、酸基含有モノマーの重合前及び重合中のいずれで行っても良いし、後述する架橋重合体(A)を含む含水ゲルの状態で酸基含有ポリマーを中和することもできる。
酸基含有モノマーを用いる場合の酸基の中和度は、50〜80モル%であることが好ましい。中和度が50モル%未満の場合、得られる含水ゲル重合体の粘着性が高くなり、製造時及び使用時の作業性が悪化する場合がある。更に得られる吸水性樹脂粒子の保水量が低下する場合がある。一方、中和度が80%を超える場合、得られた樹脂のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される場合がある。
架橋重合体(A)の構成単位として、水溶性ビニルモノマー(a1)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a2)を構成単位とすることができる。その他のビニルモノマー(a2)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
共重合可能なその他のビニルモノマー(a2)としては特に限定はなく、公知(例えば、特許第3648553号公報の0028〜0029段落に開示されている疎水性ビニルモノマー、特開2003−165883号公報の0025段落及び特開2005−75982号公報の0058段落に開示されているビニルモノマー等)の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、具体的には例えば下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン、並びにジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);並びにアルカジエン(ブタジエン及びイソプレン等)等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー(ピネン、リモネン及びインデン等);並びにポリエチレン性ビニルモノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
その他のビニルモノマー(a2)単位の含有量(モル%)は、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)単位のモル数に基づいて、0〜5が好ましく、更に好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜2、とりわけ好ましくは0〜1.5であり、吸収性能等の観点から、その他のビニルモノマー(a2)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
架橋剤(b)としては特に限定はなく公知(例えば、特許第3648553号公報の0031〜0034段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有してかつ少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋剤及び水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個有する架橋剤、特開2003−165883号公報の0028〜0031段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤及び反応性置換基を2個以上有する架橋剤、特開2005−75982号公報の0059段落に開示されている架橋性ビニルモノマー並びに特開2005−95759号公報の0015〜0016段落に開示されている架橋性ビニルモノマー)の架橋剤等が使用できる。これらの内、吸収性能等の観点から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、更に好ましいのは、炭素数2〜40の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル、炭素数2〜40の多価アルコールの(メタ)アクリレート、炭素数2〜40の多価アルコールの(メタ)アクリルアミド、特に好ましいのは炭素数2〜40の多価アルコールのポリアリルエーテル、最も好ましいのはペンタエリスリトールトリアリルエーテルである。架橋剤(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
架橋剤(b)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位の、その他のビニルモノマー(a2)単位を用いる場合は(a1)〜(a2)の合計モル数に基づいて、0.001〜5が好ましく、更に好ましくは0.005〜3、特に好ましくは0.01〜1である。0.001〜5の範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
本発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、前述した水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする単量体組成物を重合し、架橋重合体(A)を含有する含水ゲルを得る重合工程と、前記含水ゲルを混練細断し、(A)を含有する含水ゲル粒子を得るゲル粉砕工程と、前記含水ゲル粒子を乾燥し、(A)を含有する乾燥粉体を得る乾燥工程と、前記乾燥粉体をさらに粉砕及び/又は分級して(A)を含有する樹脂粒子を得る工程と、前記樹脂粒子の表面を表面架橋剤(d)により表面架橋する工程を含む。
重合工程としては、公知の溶液重合(断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55−133413号公報等)や、公知の懸濁重合法や逆相懸濁重合(特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報及び特開平1−5808号公報等)によって架橋重合体(A)を含有する含水ゲル(架橋重合体が水を含んだ含水ゲル状物)を得ることができる。架橋重合体(A)は、1種単独でも良いし、2種以上の混合物であっても良い。
重合方法の内、好ましいのは溶液重合法であり、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、特に好ましいのは水溶液重合法であり、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない吸水性樹脂が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が最も好ましい。
水溶液重合を行う場合、水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用することができ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの2種以上の混合物を挙げられる。
水溶液重合を行う場合、有機溶媒の使用量(重量%)は、水の重量を基準として40以下が好ましく、更に好ましくは30以下である。
重合濃度、即ち、重合液中の水溶性ビニルモノマー(a1)および必要により使用されるその他のビニルモノマー(a2)の仕込濃度は、特に制限されないが、重合液の重量、即ち、水溶性ビニルモノマー(a1)および必要により使用されるその他のビニルモノマー(a2)、溶媒、内部架橋剤(b)および後述の重合触媒、重合コントロール剤の合計重量に基づいて10〜55%が好ましく、20〜45%が更に好ましい。重合濃度が10%より低い場合生産性が低くなる場合があり、重合濃度が55%より高い場合、自己架橋等の副反応がおこることにより、得られる吸水性樹脂粒子の保水量が低下する場合がある。
重合に触媒を用いる場合、従来公知のラジカル重合用触媒が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合触媒の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)の、その他のビニルモノマー(a2)を用いる場合は(a1)〜(a2)の、合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、更に好ましくは0.001〜2である。
重合時には、必要に応じて連鎖移動剤等の重合コントロール剤を併用しても良く、これらの具体例としては、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、アルキルメルカプタン、ハロゲン化アルキル、チオカルボニル化合物等が挙げられる。これらの重合コントロール剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
重合コントロール剤の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)の、その他のビニルモノマー(a2)を用いる場合は(a1)〜(a2)の、合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、更に好ましくは0.001〜2である。
重合方法として懸濁重合法又は逆相懸濁重合法をとる場合は、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行っても良い。また、逆相懸濁重合法の場合、従来公知のキシレン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタン等の炭化水素系溶媒を使用して重合を行うことができる。
重合開始温度は、使用する触媒の種類によって適宜調整することができるが、0〜100℃が好ましく、更に好ましくは2〜80℃である。
ゲル粉砕工程は、前記の重合工程により得られた架橋重合体(A)を含有する含水ゲルを混練細断し、含水ゲル粒子を得る工程である。ゲル粉砕工程後の含水ゲル粒子の大きさ(最長径)は50μm〜10cmが好ましく、更に好ましくは100μm〜2cm、特に好ましくは500μm〜1cmである。50μm〜10cmの範囲であると、乾燥工程での乾燥性が更に良好となる。
ゲル粉砕は、公知の方法で行うことができ、粉砕装置(例えば、ニーダー、万能混合機、一軸又は二軸の混練押し出し機、ミンチ機およびミートチョッパー等)を使用して混練細断できる。Vortex法による吸水時間を制御する観点から、混練押出機構を備えた粉砕装置(例えば一軸又は二軸の混練押し出し機、ミンチ機等)が好ましい。
ゲル粉砕工程でのゲル温度は70〜120℃が好ましく、80〜110℃が更に好ましい。ゲル温度が70〜120℃の範囲より低いと、重合工程後に冷却工程が必要になり不要なエネルギーが必要になるばかりでなく、含水ゲル粒子の粘着性が上がり含水ゲル粒子の粉砕が不十分となりやすく、ゲル温度がこの範囲より高いと水の突沸が生じ安定的に粉砕ができない場合がある。
また、前述のとおり、重合後に得られた酸基含有ポリマーの含水ゲルをゲル粉砕工程前又はゲル粉砕工程中に塩基を混合して中和することもできる。なお、酸基含有ポリマーを中和する場合に使用する塩基や中和度の好ましい範囲は、酸基含有モノマーを用いる場合と同様である。
本発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、後述する乾燥工程以前にゲルブロッキング防止剤(c)を添加する。ゲルブロッキング防止剤(c)とは、前述したゲル粉砕工程で得られる含水ゲル粒子の同士の凝集によるブロッキングを抑制する添加剤である。ゲルブロッキング防止剤(c)を添加することで、乾燥後に得られる乾燥粉体中の粗大粒子(2.8mm以上の粒子径を有する粒子を粗大粒子と呼ぶ。)の発生を抑制し、吸水性樹脂粒子の平均真球度を高くすることができるとともに、耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅を小さくすることができる。
ゲルブロッキング防止剤(c)としては、炭化水素基を含有する疎水性物質(c1)及びポリシロキサンである疎水性物質(c2)等が含まれる。
炭化水素基を含有する疎水性物質(c1)としては、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂誘導体、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂誘導体、ワックス、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びその塩、長鎖脂肪族アルコール、第四級アンモニウム塩型界面活性剤、及びこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
ポリオレフィン樹脂としては、炭素数2〜4のオレフィン{エチレン、プロピレン、イソブチレン及びイソプレン等}を必須構成単量体(オレフィンの含有量はポリオレフィン樹脂の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(エチレン−イソブチレン)及びイソプレン等}が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂誘導体としては、ポリオレフィン樹脂にカルボキシ基(−COOH)や1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−COOCO−)等を導入した重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、ポリエチレン熱減成体、ポリプロピレン熱減成体、マレイン酸変性ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、マレイン化ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体のマレイン化物等}が挙げられる。
ポリスチレン樹脂としては、重量平均分子量1000〜100万の重合体等が使用できる。
ポリスチレン樹脂誘導体としては、スチレンを必須構成単量体(スチレンの含有量は、ポリスチレン誘導体の重量に基づいて、少なくとも50重量%)としてなる重量平均分子量1000〜100万の重合体{たとえば、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体及びスチレン−イソブチレン共重合体等}が挙げられる。
ワックスとしては、融点50〜200℃のワックス{たとえば、パラフィンワックス、ミツロウ、カルナウバワックス及び牛脂等}が挙げられる。
長鎖脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜25の脂肪酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル{たとえば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、グリセリンラウリン酸モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンステアリン酸ジエステル、グリセリンオレイン酸モノエステル、ペンタエリスリットラウリン酸モノエステル、ペンタエリスリットステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリットオレイン酸モノエステル、ソルビットラウリン酸モノエステル、ソルビットステアリン酸モノエステル、ソルビットオレイン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸モノエステル、ショ糖パルミチン酸ジエステル、ショ糖パルミチン酸トリエステル、ショ糖ステアリン酸モノエステル、ショ糖ステアリン酸ジエステル、ショ糖ステアリン酸トリエステル及び牛脂等}が挙げられる。
長鎖脂肪酸及びその塩としては、炭素数8〜25の脂肪酸{たとえば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びベヘニン酸等}が挙げられる。塩としてはカルシウム、マグネシウム又はアルミニウム(以下、Ca、Mg、Alと略す)との塩{たとえば、パルミチン酸Ca、パルミチン酸Al、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Al等}が挙げられる。
長鎖脂肪族アルコールとしては、炭素数8〜25の脂肪族アルコール{たとえば、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等}が挙げられる。
第四級アンモニウム塩型界面活性剤としては、炭素数8〜25の脂肪族鎖を1〜2個含有する第四級アンモニウム塩{たとえば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド}が挙げられ、好ましくは、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライドである。
これらの2種以上の混合物としては、長鎖脂肪酸エステルと長鎖脂肪族アルコールとの混合物{例えば、ショ糖ステアリン酸ジエステルとステアリルアルコールとの混合物等}が挙げられる。
ポリシロキサンである疎水性物質(c2)としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン{ポリオキシエチレン変性ポリシロキサン及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)変性ポリシロキサン等}、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等及びこれらの混合物等が含まれる。
変性シリコーン{ポリエーテル変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン及びアミノ変性ポリシロキサン等}の有機基(変性基)の位置としては特に限定はしないが、ポリシロキサンの側鎖、ポリシロキサンの両末端、ポリシロキサンの片末端、ポリシロキサンの側鎖と両末端との両方のいずれでもよい。これらのうち、粗大粒子低減の観点等から、ポリシロキサンの側鎖及びポリシロキサンの側鎖と両末端との両方が好ましく、さらに好ましくはポリシロキサンの側鎖と両末端との両方である。
ポリエーテル変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としては、ポリオキシエチレン基又はポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)基を含有する基等が含まれる。ポリエーテル変性ポリシロキサンに含まれるオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基の含有量(個)は、ポリエーテル変性ポリシロキサン1分子あたり、2〜40が好ましく、さらに好ましくは5〜30、特に好ましくは7〜20、最も好ましくは10〜15である。2〜40の範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。また、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基を含む場合、オキシエチレン基の含有量(重量%)は、ポリシロキサンの重量に基づいて、1〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜25、特に好ましくは5〜20である。1〜30の範囲であると、粗大粒子がさらに低減できる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、オキシアルキレンの種類}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
KF−945{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、KF−6020{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−6191{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−4952{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−4272{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、X−22−6266{側鎖、オキシエチレン及びオキシプロピレン}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−2110{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2122{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−7006{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2166{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2164{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2154{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}、FZ−2203{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}及びFZ−2207{両末端、オキシエチレン及びオキシプロピレン}
カルボキシ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはカルボキシ基を含有する基等が含まれ、エポキシ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはエポキシ基を含有する基等が含まれ、アミノ変性ポリシロキサンの有機基(変性基)としてはアミノ基(1、2,3級アミノ基)を含有する基等が含まれる。これらの変性シリコーンの有機基(変性基)の含有量(g/mol)は、カルボキシ当量、エポキシ当量又はアミノ当量として、200〜11000が好ましく、さらに好ましくは600〜8000、特に好ましくは1000〜4000である。200〜11000の範囲であると、粗大粒子がさらに低減できる。なお、カルボキシ当量は、JIS C2101:1999の「16.全酸価試験」に準拠して測定される。また、エポキシ当量は、JIS K7236:2001に準拠して求められる。また、アミノ当量は、JIS K2501:2003の「8.電位差滴定法(塩基価・塩酸法)」に準拠して測定される。
カルボキシ変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、カルボキシ当量(g/mol)}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
X−22−3701E{側鎖、4000}、X−22−162C{両末端、2300}、X−22−3710{片末端、1450}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
BY 16−880{側鎖、3500}、BY 16−750{両末端、750}、BY 16−840{側鎖、3500}、SF8418{側鎖、3500}
エポキシ変性ポリシロキサンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、エポキシ当量}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
X−22−343{側鎖、525}、KF−101{側鎖、350}、KF−1001{側鎖、3500}、X−22−2000{側鎖、620}、X−22−2046{側鎖、600}、KF−102{側鎖、3600}、X−22−4741{側鎖、2500}、KF−1002{側鎖、4300}、X−22−3000T{側鎖、250}、X−22−163{両末端、200}、KF−105{両末端、490}、X−22−163A{両末端、1000}、X−22−163B{両末端、1750}、X−22−163C{両末端、2700}、X−22−169AS{両末端、500}、X−22−169B{両末端、1700}、X−22−173DX{片末端、4500}、X−22−9002{側鎖・両末端、5000}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−3720{側鎖、1200}、BY 16−839{側鎖、3700}、SF 8411{側鎖、3200}、SF 8413{側鎖、3800}、SF 8421{側鎖、11000}、BY 16−876{側鎖、2800}、FZ−3736{側鎖、5000}、BY 16−855D{側鎖、180}、BY 16−8{側鎖、3700}
アミノ変性シリコーンは、市場から容易に入手でき、たとえば、以下の商品{変性位置、アミノ当量}が好ましく例示できる。
・信越化学工業株式会社製
KF−865{側鎖、5000}、KF−864{側鎖、3800}、KF−859{側鎖、6000}、KF−393{側鎖、350}、KF−860{側鎖、7600}、KF−880{側鎖、1800}、KF−8004{側鎖、1500}、KF−8002{側鎖、1700}、KF−8005{側鎖、11000}、KF−867{側鎖、1700}、X−22−3820W{側鎖、55000}、KF−869{側鎖、8800}、KF−861{側鎖、2000}、X−22−3939A{側鎖、1500}、KF−877{側鎖、5200}、PAM−E{両末端、130}、KF−8010{両末端、430}、X−22−161A{両末端、800}、X−22−161B{両末端、1500}、KF−8012{両末端、2200}、KF−8008{両末端、5700}、X−22−1660B−3{両末端、2200}、KF−857{側鎖、2200}、KF−8001{側鎖、1900}、KF−862{側鎖、1900}、X−22−9192{側鎖、6500}
・東レ・ダウコーニング株式会社製
FZ−3707{側鎖、1500}、FZ−3504{側鎖、1000}、BY 16−205{側鎖、4000}、FZ−3760{側鎖、1500}、FZ−3705{側鎖、4000}、BY 16−209{側鎖、1800}、FZ−3710{側鎖、1800}、SF 8417{側鎖、1800}、BY 16−849{側鎖、600}、BY 16−850{側鎖、3300}、BY 16−879B{側鎖、8000}、BY 16−892{側鎖、2000}、FZ−3501{側鎖、3000}、FZ−3785{側鎖、6000}、BY 16−872{側鎖、1800}、BY 16−213{側鎖、2700}、BY 16−203{側鎖、1900}、BY 16−898{側鎖、2900}、BY 16−890{側鎖、1900}、BY 16−893{側鎖、4000}、FZ−3789{側鎖、1900}、BY 16−871{両末端、130}、BY 16−853C{両末端、360}、BY 16−853U{両末端、450}
これらの混合物としては、ポリジメチルシロキサンとカルボキシル変性ポリシロキサンとの混合物、及びポリエーテル変性ポリシロキサンとアミノ変性ポリシロキサンとの混合物等が挙げられる。
ポリシロキサンである疎水性物質(c2)の粘度(mPa・s、25℃)は、10〜5000が好ましく、さらに好ましくは15〜3000、特に好ましくは20〜1500である。10〜5000の範囲であると、吸収特性がさらに良好となる。なお、粘度は、JIS Z8803−1991「液体の粘度」9.円すい及び円すい−平板形回転粘度計による粘度測定法に準拠して測定される{たとえば、25.0±0.5℃に温度調節したE型粘度計(東機産業株式会社製RE80L、半径7mm、角度5.24×10−2radの円すい型コーン)を用いて測定される。}。
これらのゲルブロッキング防止剤(c)のうち、粗大粒子低減の観点から、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸族アルコール、ポリシロキサンである疎水性物質が好ましく、さらに好ましくはショ糖ステアリン酸エステル、ステアリン酸Mg、ステアリルアルコール、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、特に好ましくはショ糖ステアリン酸モノエステル、ショ糖ステアリン酸ジエステル、ステアリン酸Mg、ステアリルアルコール、アミノ変性ポリシロキサンである。
ゲルブロッキング防止剤(c)を添加する工程としては、後述する乾燥工程以前であれば特に制限はないが、ゲルブロッキング防止剤(c)による粗大粒子低減の観点から、好ましくは重合工程又はゲル粉砕工程で、更に好ましくはゲル粉砕工程で、特に好ましくは、ゲル粉砕工程においてゲル粉砕前又はゲル粉砕中にゲルブロッキング防止剤(c)を添加する方法が好ましい。
ゲルブロッキング防止剤(c)の添加量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.05〜5.0が好ましく、さらに好ましくは0.08〜1.0、特に好ましくは0.1〜0.5である。0.05未満では粗大粒子低減の効果が不十分となり、平均真球度が低くなりやすく、5.0より高いと粗大粒子低減の効果が添加量に見合わず不経済であるばかりでなく、吸収特性が悪化する場合がある。
乾燥工程は、前記のゲル粉砕工程により得られた含水ゲル粒子を乾燥し、架橋重合体(A)を含有する乾燥粉体を得る工程である。その際、乾燥工程前のゲルの固形分濃度は10〜55%が好ましく、25〜45%が更に好ましい。固形分濃度が10〜55%の範囲より低いと生産性が悪くなり、この範囲より高いと粉砕に必要なエネルギーが高くなりすぎるため粉砕装置が破損する可能性がある。
本発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、乾燥工程で攪拌式乾燥機を用いて乾燥を行う。攪拌式乾燥機を用いることで、乾燥中の含水ゲル粒子の凝集を防止し、乾燥後に得られる乾燥粉体中の粗大粒子の量を抑制し、後述粉砕工程において平均真球度の高く、かつ耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅を小さくするができる。
本発明において、攪拌式乾燥機は乾燥される含水ゲル粒子が攪拌される状態であれば制限はなく、攪拌翼、回転容器、気流等の攪拌手段を有する形態であればよい。具体的な攪拌乾燥機としては、例えば溝型攪拌乾燥機、回転式乾燥機、円盤型乾燥機、ナウター型乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機等が挙げられる。これらのうち、ゲル粒子の凝集防止及び操作便利性の観点から、攪拌翼、回転容器の攪拌手段を有する攪拌式乾燥機が好ましい。
また、乾燥機の加熱手段としては乾燥に必要な熱量を加えることができる手段であれば制限はなく、例えば対流伝熱、伝導伝熱、マイクロ波、赤外線等による加熱手段が挙げられる。
上記攪拌式乾燥機での乾燥温度は、乾燥効率及び架橋重合体の熱劣化の観点から、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは120〜200℃である。なお、熱風を導入して乾燥する場合には、乾燥させるゲル粒子の含水率にもよるが、乾燥速度の向上の観点から熱風温度を高くすることができ、好ましくは100〜400℃、さらに好ましくは200〜400℃である。
溶媒に水を含む場合、架橋重合体(A)の乾燥粉体の含水率(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜20が好ましく、更に好ましくは1〜15、特に好ましくは2〜13、最も好ましくは3〜12である。0〜20の範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
溶媒に有機溶媒を含む場合、架橋重合体(A)の乾燥粉体の有機溶媒の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜10が好ましく、更に好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。0〜10の範囲であると、吸水性樹脂粒子の吸収性能が更に良好となる。
なお、有機溶媒の含有量及び水分は、赤外水分測定器[例えば、(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W]により加熱したときの測定試料の重量減量から求められる。
なお、乾燥後その性能を損なわない範囲で残留溶媒や残存架橋成分等の他の成分を多少含んでも良い。
乾燥後に得られる架橋重合体(A)の乾燥粉体の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は、50重量%以下であり、好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、特に好ましくは35%以下、最も好ましくは30重量%以下である。前記2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合が50重量%より高くなると、吸水性樹脂粒子の平均真球度が低く、かつ耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅が大きくなるおそれがある。一方、下限値は低いほど好ましく特に制限されないが、吸水性樹脂粒子の生産性の観点から、好ましくは0重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上である。
なお、乾燥粉体の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンパニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から4.0mm、2.8mm、1.4mm並びに受け皿の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求める。4.0mm以上及び2.8mm以上粒子の合計重量分率を2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合とする。
架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子は、粉砕及び/又は分級することで粒度および粒度分布が調整される。粉砕する方法については、特に限定はなく、公知の粉砕装置(例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機等)が使用できる。これらの内、粒度分布を制御する観点からロール式粉砕機が好ましい。また、粒度分布を制御するために分級後に篩上品を再度粉砕しても良い。篩上品を再度粉砕する場合には、それぞれの粉砕機は同じであっても異なる粉砕機を用いても良く、違う種類の粉砕機を用いても良い。
分級する方法については、粉砕された樹脂粒子の粒度分布を制御するために、特定の目開きの篩を複数もしくは単独で用い分級しても良い。分級装置は特に限定されないが、振動篩、面内運動篩、可動網式篩、強制撹拌篩、音波篩等の公知の方法が用いられ、好ましくは振動篩、面内運動篩が用いられる。樹脂粒子の粒度分布を制御するためには、特定の目開きの篩上に残存した粒子(篩上品)と特定の目開きの篩を通過した粒子(篩下品)の一部またはすべてを除去することが好ましい。
粉砕及び/又は分級して得られる架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)は、200〜450が好ましく、更に好ましくは200〜400、特に好ましくは200〜370である。200〜450の範囲より大きいと、吸水性樹脂粒子の平均真球度が低くなりやすく、かつ耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅が大きくなりやすい。一方、この範囲より小さいと、粒子の流動性が悪化、おむつ生産時に添加量のブレが起こりやすい。
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンパニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿、の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
本発明の吸水性樹脂粒子は、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子が表面架橋剤(d)により表面架橋された構造を有する。表面架橋剤により表面架橋された構造を有することにより、吸収特性(通液速度や荷重下吸収量等)を上げることができる。
本発明の製造方法において、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を表面架橋剤により表面架橋処理する工程における表面架橋剤(d)としては、公知{特開昭59−189103号公報、特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報、特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭51−136588号公報及び特開昭61−257235号公報等}の表面架橋剤{多価グリシジル、多価アルコール、多価アミン、多価アジリジン、多価イソシアネート、シランカップリング剤及び多価金属等}等が使用できる。これらの表面架橋剤のうち、経済性及び吸収特性の観点から、多価グリシジル、多価アルコール及び多価アミンが好ましく、さらに好ましくは多価グリシジル及び多価アルコール、特に好ましくは多価グリシジル、最も好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
表面架橋剤の使用量(重量%)は、表面架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸収特性の観点等から、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子の重量に基づいて、0.001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.005〜2、特に好ましくは0.01〜1である。
表面架橋剤により表面架橋をする方法は、公知{たとえば、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、特開2005−95759号公報}の方法が適用できる。
表面架橋剤により表面架橋する工程を行った後、更に篩別して粒度調整しても良い。
本発明の吸水性樹脂粒子は、必要により無機微粒子及び/又は多価金属塩を含んでいてもよい。従って、本発明の製造方法は、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を無機微粒子及び/又は多価金属塩により表面処理する工程を含んでも良い。無機微粒子及び/又は多価金属塩を含有することで、吸水性樹脂粒子の通液性や耐ブロッキング性が向上する。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、タルク等が挙げられる。また、多価金属塩としては、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、アルミニウム及びチタニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と前記の無機酸又は有機酸との塩が挙げられる。これらのうち、好ましくはシリカ、アルミナ、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、乳酸アルミニウムである。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
無機微粒子又は多価金属塩の使用量(重量%)は、吸収性能(特に、通液性や耐ブロッキング性)の観点から、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子の重量に基づいて、0.01〜2.0が好ましく、更に好ましくは0.05〜1.0である。
無機微粒子及び/又は多価金属塩により表面処理する場合、無機微粒子及び/又は多価金属塩と混合する工程は、上記の表面架橋剤により表面架橋をする工程前、上記工程後、及び上記工程と同時のいずれにおいても行うことができる。
本発明の製造方法において、無機微粒子及び/又は多価金属塩により表面処理する工程を行った後、更に粒度調整を行っても良い。
本発明の吸水性樹脂粒子には、他の添加剤{たとえば、公知(特開2003−225565号、特開2006−131767号等)の防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤及び有機質繊維状物等}を含むこともできる。これらの添加剤を含有させる場合、添加剤の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)含有する樹脂粒子の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5、特に好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.5である。
本発明の吸水性樹脂粒子の粒子形状は、不定形破砕状である。粒子形状が不定形破砕状であることで、吸水速度が高い(特にVortex法による吸水時間が短い)吸水性樹脂粒子が得られるだけでなく、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から好ましい。また、粒子形状は不定形破砕状である限り、それらの凝集物(又は造粒物)であっても、それらの多孔構造物であっても良い。従って、例えば逆相懸濁重合法で製造されるような真球状の形状でないことが好ましい。なお、好ましい吸水性樹脂粒子の平均真球度については後述する。
吸水性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)は、0.54〜0.70が好ましく、さらに好ましくは0.56〜0.68、特に好ましくは0.58〜0.66である。0.54〜0.70の範囲であると、吸収性能がさらに良好となる。なお、見掛け密度は、JIS K7365:1999に準拠して、25℃で測定される。
吸水性樹脂粒子の平均真球度(SPHT)は0.800〜0.900であり、好ましくは0.800〜0.870、更に好ましくは0.800〜0.850、最も好ましくは0.800〜0.840である。0.800より小さい場合は後述する耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)の変化幅が大きくなるだけでなく、SAP粒子の粒子間接触によるジャリジャリ又はゴツゴツする感触が増大し、吸収体の風合いが悪化する。また、0.900より大きい場合は、吸収体の繊維状物からの脱落が生ずる。吸水性樹脂粒子の平均真球度は、前述のとおり、乾燥後に得られる乾燥粉体の粗大粒子を低減することで制御できる。
なお、平均真球度の測定方法は画像解析により測定サンプルの平均真球度を導く方法、例えばCamsizer(登録商標)image analysis system(Retsch Technology GmbH社製)を用いて測定することができる。すなわち、測定試料30.0gを少量ずつ自由落下させ、落下する測定サンプルをCCDカメラで連続的に撮影する。撮影した画像を解析することで測定サンプルの平均真球度を導く。分析点数N=3で導いた粒子平均真球度の算術平均値を本発明の平均真球度とする。
耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)の変化幅は0〜0.015であり、好ましくは0〜0.0130、更に好ましくは0〜0.010である。0〜0.015の範囲を外れると耐衝撃性試験後の吸水性樹脂粒子の物性低下が生じ、通液性や吸収速度が変化しやすくなる。吸水性樹脂粒子の耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅は、前述のとおり、乾燥後に得られる乾燥粉体の粗大粒子を低減することで制御できる。
<耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)の測定方法>
本発明の衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)は、次の通り測定した。3L丸形セパラブルフラスコ(ASONE製)に吸水性樹脂粒子30gを投入し、前記セパラブルフラスコの上部に、中心部に6mmの穴を開けた目開き63μmのナイロン網(JIS Z8801−1:2000)を敷き、さらにその上に4つ口セパラブルカバー(ASONE製 主管TS29/42、側管TS24/40、24/40、15/35)をセットする。次に4つ口セパラブルカバーの主管TS29/42にステンレス製管(外径6mm、内径4mm)がナイロン網を貫通し、かつ先端が前記セパラブルフラスコ底面から45mmの位置となるようセットする。ステンレス製管のもう一方にはウレタンチューブ(長さ1500mm、内径8.5mm)を装備し、0.3MPa以上の圧力が達成できるエアーラインに接続する。次に圧力0.2MPaにてエアーラインを開け、3分間エアーブローした後、吸水性樹脂粒子を取り出す。この吸水性樹脂粒子を用いて、上述と同様にCamsizer(登録商標)image analysis system(Retsch Technology GmbH社製)を用いて耐衝撃試験後の平均真球度(SPHT)を測定する。なお、耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)の変化幅は、次式より求められる。
(耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅)=(耐衝撃性試験後の平均真球度)−(耐衝撃性試験前の平均真球度)
本発明の吸水性樹脂粒子の重量平均粒子径(μm)は、200〜450が好ましく、更に好ましくは200〜400、特に好ましくは200〜370である。200〜450の範囲より大きいと、吸水性樹脂粒子の平均真球度が低くなりやすく、かつ耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅が大きくなる場合がある。一方、この範囲より小さいと、粒子の流動性が悪化、おむつ生産時に添加量のブレが起こりやすい。
本発明の吸水性樹脂粒子は、全吸水性樹脂粒子に対して、500μm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は、5重量%以下が好ましく、更に好ましく3重量%以下である。5重量%より大きいと、吸水性樹脂粒子の平均真球度が低くなりやすく、かつ耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅が大きくなったり、SAP粒子の粒子間接触によるジャリジャリ又はゴツゴツする感触が増大し、吸収体の風合いが悪化する場合がある。
本発明の吸水性樹脂粒子は、全吸水性樹脂粒子に対して、150μm未満の粒子径を有する粒子の重量割合は、3重量%以下が好ましく、更に好ましくは1重量%以下である。3重量%より大きいと、ゲル通液速度が低下する場合がある。
本発明の吸水性樹脂粒子は、生理食塩水(0.9重量%食塩水。以下おなじ。)の保水量が好ましくは25〜45g/gであり、更に好ましくは30〜40g/gである。25〜45g/gの範囲であると、吸収性物品の十分な吸収量を発揮し、通液速度と両立することができる。
本発明の吸水性樹脂粒子の生理食塩水によるゲル通液速度は、10ml/分以上が好ましく、更に好ましくは40ml/分以上であり、特に好ましくは70ml/分以上である。10ml/分より小さいと、吸収体への浸透速度が遅く、モレを生じる場合がある。上限値は高いほど好ましく特に制限されないが、保水量と両立する観点から、好ましくは1000ml/分以下であり、更に好ましくは500ml以下であり、特に好ましくは100ml以下である。
本発明の吸水性樹脂粒子のVortex法による吸収速度は、45秒以下が好ましく、更に好ましくは40秒以下であり、特に好ましくは35秒以下である。45秒より大きいと、吸収体のモレが起こりやすくなる。下限値は低いほど好ましく特に制限されないが、平均真球度との両立の観点から、好ましくは10秒以上であり、更に好ましくは15秒以上である。
本発明の吸水性樹脂粒子の含水率(重量%)は、0〜20が好ましく、更に好ましくは1〜15、特に好ましくは2〜13、最も好ましくは3〜12である。0〜20の範囲であると、吸収性能が更に良好となり、耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅が小さくなる場合がある。
本発明の吸水性樹脂粒子は、吸収性物品に含まれる吸収体を構成する。吸収体としては、吸水性樹脂粒子を単独で用いても良く、他の材料と共に用いて吸収体としても良い。他の材料としては繊維状物等が挙げられる。繊維状物と共に用いた場合の吸収体の構造及び製造方法等は、公知のもの(特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等)と同様である。
本発明の吸水性樹脂粒子を、繊維状物と共に吸収体とする場合、吸水性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸水性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は60/40〜90/10が好ましく、更に好ましくは75/25〜85/15である。
吸収性物品としては、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生用品のみならず、後述する各種水性液体の吸収や保持剤用途、ゲル化剤用途等の各種用途に使用されるものとして適用可能である。吸収性物品の製造方法等は、公知のもの(特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等に記載のもの)と同様である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。吸水性樹脂粒子の生理食塩水の保水量、生理食塩水によるゲル通液速度、Vortex法による吸収速度は以下の方法により測定した。
<生理食塩水の保水量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網で作成したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後、15分間吊るして水切りした。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバッグを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃とした。測定試料を用いない以外は上記と同様にして、遠心脱水後のティーバッグの重量を測定し(h2)とした。
生理食塩水の保水量(g/g)=(h1)−(h2)
<生理食塩水によるゲル通液速度の測定方法>
図1及び図2で示される器具を用いて以下の操作により測定した。
測定試料0.32gを150ml生理食塩水1に30分間浸漬して膨潤ゲル粒子2を調製した。そして、垂直に立てた円筒3{直径(内径)25.4mm、長さ40cm、底部から60mlの位置及び40mlの位置にそれぞれ目盛り線4及び目盛り線5が設けてある。}の底部に、金網6(目開き106μm、JIS Z8801−1:2006)と、開閉自在のコック7(通液部の内径5mm)とを有する濾過円筒管内に、コック7を閉鎖した状態で、調製した膨潤ゲル粒子2を生理食塩水と共に移した後、この膨潤ゲル粒子2の上に円形金網8(目開き150μm、直径25mm)が金網面に対して垂直に結合する加圧軸9(重さ22g、長さ47cm)を金網と膨潤ゲル粒子とが接触するように載せ、更に加圧軸9におもり10(88.5g)を載せ、1分間静置した。引き続き、コック7を開き、濾過円筒管内の液面が60ml目盛り線4から40ml目盛り線5になるのに要する時間(T1;秒)を計測し、次式よりゲル通液速度(ml/分)を求めた。
生理食塩水によるゲル通液速度(ml/分)=20ml×60/(T1−T2)
なお、使用する生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃で行い、T2は測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測した時間である。
<Vortex法による吸収速度>
100mlビーカーに50gの生理食塩水を入れ、25±2℃に温度調整を行った。次にスターラーピース(長さ30mm、中心部直径8mm、端部直径7mm)をビーカーの中央部に入れ、生理食塩水を600rpmで撹拌した。ビーカー壁面付近に測定試料2.000gを投入した。なお、使用する測定試料はその代表的粒子径の状態でサンプリングされるように、サンプルスプリッター等を用いて調整した。測定試料を投入し終わった時点から計測をスタートし、測定試料と生理食塩水とからなる混合液の液面が平らになる(液面からの乱反射光が消失する点)までの時間(秒)を吸収速度とした。なお、試験は25±3℃、60±5RH%の条件下で行った。
<耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)の測定>
上述の測定方法で測定した。
<ゲル通液速度変化率>
ゲル通液速度変化率は、下記式により求めた。なお、下記式において、耐衝撃性試験後のゲル通液速度は、前述した耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)を測定したものと同じサンプルを使用して、生理食塩水によるゲル通液速度を測定した。
(ゲル通液速度変化率[%])={(吸水性樹脂粒子のゲル通液速度[ml/分])−(耐衝撃性試験後のゲル通液速度[ml/分])}/(吸水性樹脂粒子のゲル通液速度[ml/分])×100
<Vortex法による吸収速度変化率>
Vortex法による吸収速度変化率は、下記式により求められる。なお、下記式において、耐衝撃性試験後のVortex法による吸収速度は、前述した耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)を測定したものと同じサンプルを使用して、Vortex法による吸収速度を測定した。
(Vortex法による吸収速度変化率[%])={(吸水性樹脂粒子のVortex法による吸収速度[秒])−(耐衝撃性試験後のVortex法による吸収速度[秒])}/(吸水性樹脂粒子のVortex法による吸収速度[秒])×100
<異物感の評価方法>
モニター10名に対して、触感による異物感の評価を行った。具体的には吸水性樹脂粒子100gをチャック付ポリエチレン袋(140×100×0.04mm)に入れ、人差し指及び/または中指を使用して、試料を事前に印を付けられた区域内で一方向(例えば、時計回り)に優しく揉み込み、その異物感を下記の評価基準で評価を行った。
◎ ジャリジャリ感を感じる 2人未満
○ ジャリジャリ感を感じる 2人以上4人未満
△ ジャリジャリ感を感じる 4人以上6人未満
× ジャリジャリ感を感じる 6人以上
<実施例1>
水溶性ビニルモノマー(a1−1){アクリル酸、三菱化学株式会社製、純度100%}155部(2.15モル部)、架橋剤(b1){ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ−株式会社製}0.6225部(0.0024モル部)及び脱イオン水340.27部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.62部、2%アスコルビン酸水溶液1.1625部及び2%の2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]水溶液2.325部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が90℃に達した後、90±2℃で約5時間重合することにより架橋重合体を含有する含水ゲル(1)を得た。
次に含水ゲル(1)200部をミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で混練細断しながら48.5%水酸化ナトリウム水溶液51.13部を添加して混合し、ミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で3回細断後、細断ゲルを得た。引き続きゲルブロッキング防止剤(c−1){ショ糖ステアリン酸エステル}0.076部を添加して混合し、更にミンチ機(ROYAL社製12VR−400K)で1回細断して、含水ゲル粒子を得た。次に、含水ゲル粒子をシグマ型回転翼及び保温ジャケットを備えたニーダー(卓上型ニーダーPNV−1、株式会社入江商会)に全量投入し、回転数40rpm、ジャケット温度180℃で60分間乾燥し、架橋重合体を含有する乾燥粉体(1)を得た。乾燥粉体(1)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は41重量%であった。続いて、乾燥粉体(1)をロールミル(RM−10型ロール式粉砕機、株式会社浅野鐵工所)でクリアランス0.35mmにて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整し、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−1)を得た。粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−1)の重量平均粒子径は、420μmであった。
次に、上記樹脂粒子(A−1)30部に表面架橋剤としての15%エチレングリコールジグリシジルエーテル0.081部、溶剤としての50%プロピレングリコール水溶液0.90部、無機微粒子としてクレボゾール(登録商標)30CAL25(メルク製コロイダルシリカ)0.20部を混合した混合溶液を添加して、均一混合した後、130℃で30分間加熱して、表面架橋された樹脂粒子を得た。続いて、目開き850μmの篩を通過させることで、吸水性樹脂粒子(P−1)を得た。
<実施例2>
実施例1において、ニーダーの回転数40rpmを30rpmに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(P−2)を得た。実施例2における乾燥粉体(2)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は49重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−2)の重量平均粒子径は、436μmであった。
<実施例3>
実施例1において、ニーダーの回転数40rpmを50rpmに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(P−3)を得た。実施例3における乾燥粉体(3)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は35重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−3)の重量平均粒子径は、400μmであった。
<実施例4>
実施例1において、ゲルブロッキング防止剤(c−1){ショ糖ステアリン酸エステル}0.076部を0.152部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(P−4)を得た。実施例4における乾燥粉体(4)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は33重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−4)の重量平均粒子径は、393μmであった。
<実施例5>
実施例1において、ゲルブロッキング防止剤(c−1){ショ糖ステアリン酸エステル}0.076部を0.152部に変更し、同時にゲルブロッキング防止剤(c−2){ナロアクティ(登録商標)CL−20、三洋化成工業製アニオン界面活性剤(ノニルフェノールEOA(EO2モル付加))}0.113部を併用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(P−5)を得た。実施例5における乾燥粉体(5)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は27重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−5)の重量平均粒子径は、385μmであった。
<実施例6>
実施例5において、乾燥粉体を粉砕した後のふるい分けの目開き710〜150μmを500〜150μmの粒子径範囲に変更した以外は、実施例5と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(P−6)を得た。粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−6)の重量平均粒子径は、365μmであった。
<実施例7>
実施例5において、乾燥粉体を粉砕した後のふるい分けの目開き710〜150μmを300〜150μmの粒子径範囲に変更した以外は、実施例5と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(P−7)を得た。粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−7)の重量平均粒子径は、202μmであった。
<実施例8>
実施例5において、ニーダーの回転数40rpmを50rpmとし、乾燥粉体を粉砕した後のふるい分けの目開き710〜150μmを500〜150μmの粒子径範囲に変更した以外は、実施例5と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(P−8)を得た。実施例8における乾燥粉体(8)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は、22重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(A−8)の重量平均粒子径は、340μmであった。
<実施例9>
実施例6において、粉砕分級後の架橋重合体を含む樹脂粒子(A−6)に対する表面架橋剤としての15%エチレングリコールジグリシジルエーテル0.081部を0.200部に変更すること以外は、実施例6と同様の操作を行い、表面架橋された樹脂粒子を得た。続いて、高速攪拌(ホソカワミクロン株式会社製高速攪拌タービュライザー(登録商標、以下おなじ)、回転数2000rpm)しながら、無機微粒子としてシリカ(アエロジル(登録商標、以下おなじ)200)を0.045部添加して、80℃で30分間加熱した後、目開き850μmの篩を通過させることで、吸水性樹脂粒子(P−9)を得た。
<実施例10>
実施例6において、粉砕分級後の架橋重合体を含む樹脂粒子(A−6)に対する表面架橋剤としての15%エチレングリコールジグリシジルエーテル0.081部を0.200部に変更し、別途溶剤としての50%プロピレングリコール水溶液0.51部、多価金属塩として硫酸アルミニウムナトリウム16水和物(富士フィルム和光純薬製)0.225部を混合した混合溶液を添加して表面架橋を行った以外は、実施例6と同様の操作を行い、表面架橋された樹脂粒子を得た。高速攪拌(ホソカワミクロン株式会社製高速攪拌タービュライザー、回転数2000rpm)しながら、無機微粒子としてシリカ(アエロジル200)を0.045部添加して、80℃で30分間加熱した後、目開き850μmの篩を通過させることで、吸水性樹脂粒子(P−10)を得た。
<比較例1>
実施例1において、ニーダーの回転数40rpmを20rpmに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−1)を得た。比較例1における乾燥粉体(比1)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は73重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(B−1)の重量平均粒子径は、430μmであった。
<比較例2>
実施例1において、ゲルブロッキング剤を添加せずに更にミンチ機で1回細断したこと、ニーダーの回転数40rpmを50rpmに変更したこと、ニーダーでの乾燥時間1時間を2時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−2)を得た。比較例2における乾燥粉体(比2)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は95重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(B−2)の重量平均粒子径は、385μmであった。
<比較例3>
実施例1において、ゲルブロッキング剤を添加せずに更にミンチ機で1回細断したこと、ニーダーでの乾燥を通気型乾燥機(タバイエスペック株式会社製、乾燥条件:熱風温度150℃、風速2m/s、60分間)での乾燥に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−3)を得た。なお、乾燥は含水ゲル粒子の全量をSUSバット(幅20cm角、深さ5cm)の中に均一に敷き詰めて行った。比較例3における乾燥粉体(比3)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は98重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(B−3)の重量平均粒子径は、411μmであった。
<比較例4>
実施例1において、ニーダーでの乾燥を通気型乾燥機(タバイエスペック株式会社製、乾燥条件:熱風温度150℃、風速2m/s、60分間)での乾燥に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R−4)を得た。なお、乾燥は含水ゲル粒子の全量をSUSバット(幅20cm角、深さ5cm)の中に均一に敷き詰めて行った。比較例4における乾燥粉体(比4)の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合は97重量%であり、粉砕分級後の、架橋重合体を含む樹脂粒子(B−4)の重量平均粒子径は、415μmであった。
実施例1〜10で得られた吸水性樹脂粒子(P−1)〜(P−10)および比較例1〜4で得た比較用の吸水性樹脂粒子(R−1)〜(R−4)について、保水量、重量平均粒子径、平均真球度、耐衝撃性試験後の平均真球度、ゲル通液速度、ゲル通液速度変化率、Vortex法による吸収速度、Vortex法による吸収速度変化率、及び異物感評価結果を表1に示す。
Figure 2020144948
表1に示すように、本発明の吸水性樹脂粒子(実施例1〜10)は、比較用の吸水性樹脂粒子(比較例1〜4)に比べ、平均真球度が特定の高い範囲にあり、耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅が小さくなっており、異物感評価の結果が優れていることが分かる。また、平均真球度の変化幅が特定の範囲内で小さくなることで、ゲル通液の変化率及びVortex法による吸収速度の変化率が小さくなっていることが分かる。すなわち、本発明の吸水性樹脂粒子は、外部からの物理的負荷があっても安定した吸収性能を発揮できると言える。さらに、実施例6〜10は平均真球度と平均真球度の増加幅を特定の範囲にした上で、重量平均粒子径を小さくした例であるが、吸収性能の変化率(通液速度と吸収速度)と異物感評価の結果から、これらが高度に両立されているのが分かる。
一方、表1の結果より、平均真球度及び耐衝撃性試験後の平均真球度の変化幅を特定の範囲に制御するためには、吸水性樹脂粒子の製造工程において、乾燥後に得られる乾燥粉体の2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合を特定の範囲内で制御することが有効であることが分かる。
本発明の吸水性樹脂粒子は、吸水性樹脂粒子と繊維状物とを含有してなる吸収体に適用でき、この吸収体を備えてなる吸収性物品{紙おむつ、生理用ナプキンおよび医療用保血剤等}に有用である。また、ペット尿吸収剤、携帯トイレ用尿ゲル化剤、青果物用鮮度保持剤、肉類・魚介類用ドリップ吸収剤、保冷剤、使い捨てカイロ、電池用ゲル化剤、植物・土壌用保水剤、結露防止剤、止水剤、パッキング剤および人口雪等の種々の用途にも使用できる。
1 生理食塩水
2 含水ゲル粒子
3 円筒
4 底部から60mlの位置の目盛り線
5 底部から40mlの位置の目盛り線
6 金網
7 コック
8 円形金網
9 加圧軸
10 おもり

Claims (11)

  1. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子が表面架橋剤(d)により表面架橋された構造を有する吸水性樹脂粒子であって、粒子形状が不定形破砕状であり、平均真球度(SPHT)が0.800〜0.900であり、耐衝撃性試験後の平均真球度(SPHT)の変化幅が0〜0.015である吸水性樹脂粒子。
  2. 重量平均粒子径が200〜450μmである請求項1に記載の吸水性樹脂粒子。
  3. 重量平均粒子径が200〜370μmである請求項2に記載の吸水性樹脂粒子。
  4. 無機微粒子及び/又は多価金属塩を含む請求項1〜3のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  5. 0.9重量%生理食塩水によるゲル通液速度が10ml/分以上である請求項1〜4のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  6. Vortex法による吸収速度が45秒以下である請求項1〜5のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  7. 0.9重量%生理食塩水の保水量が25〜45g/gである請求項1〜6のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子。
  8. 水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする単量体組成物を重合し、架橋重合体(A)を含有する含水ゲルを得る重合工程と、前記含水ゲルを混練細断し、(A)を含有する含水ゲル粒子を得るゲル粉砕工程と、前記含水ゲル粒子を乾燥し、(A)を含有する乾燥粉体を得る乾燥工程と、前記乾燥粉体をさらに粉砕及び/又は分級して(A)を含有する樹脂粒子を得る工程と、前記樹脂粒子の表面を表面架橋剤(d)により表面架橋する工程を含む吸水性樹脂粒子の製造方法であって、前記乾燥工程以前にゲルブロッキング防止剤(c)を添加し、かつ、前記乾燥工程では、攪拌式乾燥機を用いて乾燥を行い、乾燥後に得られる(A)の乾燥粉体の全重量に対する2.8mm以上の粒子径を有する粒子の重量割合を50重量%以下とする、吸水性樹脂粒子の製造方法。
  9. ゲルブロッキング防止剤(c)が、炭化水素基を含有する疎水性物質(c1)及び/又はポリシロキサンである疎水性物質(c2)である請求項8に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  10. ゲルブロッキング防止剤(c)の添加量が、架橋重合体(A)の重量に基づいて0.05〜5.0重量%である請求項8又は9に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  11. 前記乾燥工程前の含水ゲル粒子の固形分濃度が10〜55重量%である請求項8〜10のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
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