JPWO2020137797A1 - 導電性転写材料、パターンつき基板の製造方法、積層体、及びタッチパネル - Google Patents

導電性転写材料、パターンつき基板の製造方法、積層体、及びタッチパネル Download PDF

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Abstract

仮支持体と、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、銀ナノワイヤーを含む層と、をこの順で有する導電性転写材料、及びその応用を提供する。

Description

本開示は、導電性転写材料、パターンつき基板の製造方法、積層体、及びタッチパネルに関する。
近年、指、タッチペン等で触れることにより、指示画像に対応する情報の入力が行える入力装置(以下、「タッチパネル」ともいう。)が広く利用されている。上記入力装置においては、通常、ITO(Indium Tin Oxide)等の材料からなる導電膜が用いられている。また、近年では、ITO等に代わる材料として、導電性繊維を用いて導電膜を形成する種々の技術が検討されている。導電膜を形成する技術として、例えば、転写材料を用いる技術が知られている。
例えば、国際公開第2013/151052号には、支持フィルムと、導電性繊維を含有する導電層と、感光性樹脂を含有する感光性樹脂層と、をこの順に備える感光性導電フィルムを用意し、基材上に上記導電層が密着するように上記導電層及び上記感光性樹脂層をラミネートするラミネート工程と、上記基材上の前記感光性樹脂層を露光及び現像することにより導電パターンを形成するパターニング工程と、を備える、導電パターンの形成方法が開示されている。
転写材料は、目的に応じて、支持体上に、種々の層を有している。従来の転写材料を用いるパターンの形成方法においては、通常、転写材料を基板に貼り合わせた後、いくつかの工程を経てパターンが形成される。そして、転写材料を用いて形成されるパターン上には、種々の機能を有するフィルム等の層がさらに積層されることがある。しかしながら、国際公開第2013/151052号等に記載された従来の転写材料を用いて形成されるパターン上にフィルム等の層をさらに積層すると、パターンとパターン上に積層される層との密着界面に気泡が残る等の面状異常(以下、単に「面状異常」ともいう。)が生じる場合がある。このため、転写材料を用いたパターン形成技術において、面状異常の発生を抑制することが求められている。
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一態様は、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生を抑制し得る導電性転写材料を提供することを目的とする。
本開示の他の一態様は、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生を抑制し得るパターンつき基板の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の他の一態様は、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生を抑制し得る積層体を提供することを目的とする。
本開示の他の一態様は、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生が抑制された積層体を有するタッチパネルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 仮支持体と、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、銀ナノワイヤーを含む層と、をこの順で有する導電性転写材料。
<2> 上記銀ナノワイヤーを含む層の、上記第1の樹脂層とは反対側の面上に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有する<1>に記載の導電性転写材料。
<3> 上記第1の樹脂層、上記銀ナノワイヤーを含む層、及び上記密着層からなる群より選択される少なくとも1つが、腐食防止剤を含有する<2>に記載の導電性転写材料。
<4> 上記密着層が、アルカリ可溶性樹脂を含有する<2>又は<3>に記載の導電性転写材料。
<5> 上記仮支持体と上記第1の樹脂層との間に、第2の樹脂層を有する<1>〜<4>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<6> 上記第1の樹脂層が、感光性樹脂層である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<7> 上記感光性樹脂層が、ネガ型の感光性樹脂層である<6>に記載の導電性転写材料。
<8> <6>又は<7>に記載の導電性転写材料、及び基板を貼り合わせる工程と、上記導電性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光する工程と、上記パターン露光を経た導電性転写材料を現像してパターンを形成する工程と、をこの順に含む、パターンつき基板の製造方法。
<9> 基板と、銀ナノワイヤーを含む層と、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、をこの順で有する積層体。
<10> 上記銀ナノワイヤーを含む層及び上記第1の樹脂層が、転写層である<9>に記載の積層体。
<11> 上記基板と上記銀ナノワイヤーを含む層との間に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有する<9>又は<10>に記載の積層体。
<12> <9>〜<11>のいずれか1つに記載の積層体を有するタッチパネル。
本開示の一態様によれば、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生を抑制し得る導電性転写材料を提供することができる。
本開示の他の一態様によれば、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状の発生を抑制し得るパターンつき基板の製造方法を提供することができる。
本開示の他の一態様によれば、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状の発生を抑制し得る積層体を提供することができる。
本開示の他の一態様によれば、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生が抑制された積層体を有するタッチパネルを提供することができる。
図1は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 図2は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 図3は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 図4は、本開示に係る積層体の層構成の一例を示す概略図である。 図5は、本開示に係る積層体の層構成の一例を示す概略図である。 図6は、パターンAを示す概略図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれか一方を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれか一方を意味し、「(メタ)アクリロキシ」とは、アクリロキシ及びメタクリロキシの双方、又は、いずれか一方を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との用語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、樹脂中の構成単位の割合は、特に断りが無い限り、モル割合を表す。
本開示において、分子量分布がある場合の分子量は、特に断りが無い限り、重量平均分子量(Mw)を表す。
<導電性転写材料>
本開示に係る導電性転写材料は、仮支持体と、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、銀ナノワイヤーを含む層(以下、「銀ナノワイヤー層」ともいう。)と、をこの順で有する。本開示に係る導電性転写材料は、仮支持体と、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、銀ナノワイヤーを含む層と、をこの順で有することで、パターンの形成に用いられた場合に、パターンによって生じる段差を低くできるため、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生を抑制できる。
図1は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を概略的に示している。図1に示す導電性転写材料100は、仮支持体10と、第1の樹脂層20と、銀ナノワイヤーを含む層30と、をこの順で有する。なお、本開示の図面において示される各要素の縮尺は、必ずしも正確ではない。
[仮支持体]
本開示に係る導電性転写材料は、仮支持体を有する。
仮支持体は、少なくとも、第1の樹脂層、及び銀ナノワイヤーを含む層を支持し、被着体(例えば、第1の樹脂層)から剥離可能な支持体である。
仮支持体は、仮支持体を介してパターン露光できるという観点から、光透過性を有することが好ましい。本開示において、「光透過性を有する」とは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味する。パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、露光感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透過率の測定方法としては、分光光度計(例えば、大塚電子(株)製MCPD−6800)を用いて測定する方法が挙げられる。
仮支持体としては、例えば、ガラス基材、樹脂フィルム、紙等が挙げられる。仮支持体は、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムであることが好ましい。仮支持体としては、可撓性を有し、かつ、加圧下、又は、加圧及び加熱下において、著しい変形、収縮、又は伸びを生じない樹脂フィルムを用いることができる。また、仮支持体として使用する樹脂フィルムには、シワ等の変形、傷などがないことが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。上記の中でも、仮支持体は、光学特性の観点から、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。
仮支持体としては、例えば、厚さが16μmである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さが12μmである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び厚さが9μmである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
仮支持体を介してパターン露光できるという観点から、仮支持体の透明性は高いことが好ましい。仮支持体の波長365nmの透過率は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
仮支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、及び、仮支持体の透明性の観点から、仮支持体のヘイズは小さい方が好ましい。具体的には、仮支持体のヘイズ値が、2%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。
仮支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、及び、仮支持体の透明性の観点から、仮支持体に含まれる微粒子、異物、及び欠陥の数は少ない方が好ましい。直径1μm以上の微粒子、異物、及び欠陥の数は、50個/10mm以下であることが好ましく、10個/10mm以下であることがより好ましく、3個/10mm以下であることが更に好ましく、0個/10mmであることが特に好ましい。
仮支持体の表面に、ハンドリング性を付与する観点で、微小な粒子を含有する層(滑剤層)を設けてもよい。滑剤層は仮支持体の片面又は両面に設けてもよい。滑剤層に含まれる粒子の直径は、0.05μm〜0.8μmとすることができる。また、滑剤層の厚さは、0.05μm〜1.0μmとすることができる。
仮支持体の厚さは、制限されず、材質に応じて適宜設定することができる。仮支持体の厚さは、取扱い易さ、汎用性等の観点から、5μm〜200μmであることが好ましく、10μm〜150μmであることがより好ましく、10μm〜50μmであることが特に好ましい。
また、仮支持体の好ましい態様については、例えば、特開2014−85643号公報の段落0017〜段落0018、特開2016−27363号公報の段落0019〜段落0026、国際公開第2012/081680号の段落0041〜段落0057、及び国際公開第2018/179370号の段落0029〜段落0040に記載がある。上記文献の内容は本明細書に組み込まれる。
[銀ナノワイヤーを含む層]
本開示に係る導電性転写材料は、銀ナノワイヤーを含む層を有する。
(銀ナノワイヤー)
銀ナノワイヤーの直径(すなわち、短軸長さ)は、透明性の観点から、50nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが特に好ましい。銀ナノワイヤーの直径は、耐酸化性及び耐久性の観点から、5nm以上であることが好ましい。
銀ナノワイヤーの長さ(すなわち、長軸長さ)は、導電性の観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、30μm以上が特に好ましい。銀ナノワイヤーの長さ(長軸長さ)は、製造過程で凝集物が生じてしまう等の観点から、1mm以下であることが好ましい。
銀ナノワイヤーの直径及び長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)又は光学顕微鏡を用いて測定できる。具体的に、透過型電子顕微鏡又は光学顕微鏡を用いて300個の銀ナノワイヤーを観察することによって測定した各銀ナノワイヤーの直径及び長さをそれぞれ算術平均し、得られた値を銀ナノワイヤーの直径及び長さとする。
銀ナノワイヤーの形状としては、例えば、円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状等が挙げられる。高い透明性が必要とされる用途では、銀ナノワイヤーの形状は、円柱状、及び断面の多角形の角が丸まっている断面形状の少なくとも一方であることが好ましい。銀ナノワイヤーの断面形状は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察できる。
銀ナノワイヤーを含む層中の銀ナノワイヤーの含有量は、透明性及び導電性の観点から、銀ナノワイヤーを含む層の全質量に対して、1質量%〜99質量%であることが好ましく、10質量%〜95質量%であることがより好ましい。
(バインダー)
銀ナノワイヤーを含む層は、必要に応じて、バインダー(マトリクスともいう。)を含んでいてもよい。バインダーは、銀ナノワイヤーが分散又は埋め込まれる固体材料である。バインダーは、腐食、磨耗等の有害環境要因から銀ナノワイヤーを保護できる。
バインダーとしては、例えば、高分子材料、無機材料等が挙げられ、光透過性を有する材料が好ましい。
高分子材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂(例えば、ポリ(メタクリル酸メチル))、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)、ポリノルボルネン、セルロース化合物、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。セルロース化合物としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。また、高分子材料は、導電性の高分子材料であってもよい。導電性の高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
無機材料としては、例えば、シリカ、ムライト、アルミナ等が挙げられる。
また、バインダーとしては、特開2014−212117号公報の段落0051〜段落0052に記載の材料を使用できる。これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。
銀ナノワイヤーを含む層は、1種のバインダーを含有していてもよく、2種以上のバインダーを含有していてもよい。
銀ナノワイヤーを含む層がバインダーを含有する場合、銀ナノワイヤーを含む層におけるバインダーの含有量は、銀ナノワイヤーを含む層の全質量に対して、1質量%〜99質量%であることが好ましく、5質量%〜80質量%であることがより好ましい。
銀ナノワイヤーを含む層の厚さは、透明性及び導電性の観点から、1nm〜400nmであることが好ましく、10nm〜200nmであることがより好ましい。
銀ナノワイヤーを含む層の厚さは以下の方法によって測定する。
銀ナノワイヤーを含む層の厚さ方向の断面観察像において、無作為に選択した10箇所で測定される銀ナノワイヤーを含む層の厚さの算術平均値を求め、得られる値を銀ナノワイヤーを含む層の厚さとする。銀ナノワイヤーを含む層の厚さ方向の断面観察像は、走査型電子顕微鏡(SEM)、又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて得ることができる。
波長400nm〜700nmにおける銀ナノワイヤーを含む層の最低透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率は、上記仮支持体の透過率の測定方法と同様の方法によって測定される。
(銀ナノワイヤーの製造方法)
銀ナノワイヤーの製造方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。銀ナノワイヤーの製造方法としては、例えば、少なくとも、ハロゲン化合物、及び還元剤を含む水溶媒中に、銀錯体溶液を添加し、150℃以下の温度で加熱する工程、及び必要に応じて脱塩処理工程を有する方法が挙げられる。
ハロゲン化合物は、臭素、塩素、又はヨウ素を含有する化合物であれば制限されない。ハロゲン化合物としては、例えば、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム等のアルカリハライドなどが挙げられる。また、ハロゲン化合物として、HTAB(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、HTAC(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド)等を用いてもよい。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素金属塩;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の水素化アルミニウム塩;亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、クエン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩等;ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミン;プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリン等のヘテロ環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミン等のアラルキルアミン;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、グルタチオン、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、還元糖(グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオース等)、糖アルコール(ソルビトール等)などが挙げられる。
銀錯体の配位子としては、例えば、CN、SCN、SO 2−、チオウレア、アンモニア等が挙げられる。銀錯体としては、銀アンモニア錯体が好ましい。
加熱温度は、150℃以下が好ましく、20℃〜130℃であることがより好ましく、30℃〜100℃であることがさらに好ましく、40℃〜90℃であることが特に好ましい。
脱塩処理は、銀ナノワイヤーを形成した後、限外ろ過、透析、ゲルろ過、デカンテーション、遠心分離等の手法により行うことができる。
また、銀ナノワイヤーの製造方法としては、特開2013−167021号公報の段落0020〜段落0031に記載の方法を適用することもできる。これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。
(銀ナノワイヤーを含む層の形成方法)
銀ナノワイヤーを含む層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。銀ナノワイヤーを含む層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む銀ナノワイヤー層形成用塗布液を、被塗布物上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
銀ナノワイヤー層形成用塗布液は、例えば、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。溶剤としては、主として水が用いられ、水と混和する有機溶剤を、溶媒の全量に対して80体積%以下の割合で併用することができる。
有機溶剤としては、例えば、沸点が50℃〜250℃、より好ましくは55℃〜200℃のアルコール化合物が好ましい。アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1−エトキシ−2−プロパノール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−ジメチルアミノイソプロパノール等が挙げられる。
銀ナノワイヤー層形成用塗布液中の銀ナノワイヤーの含有量は、銀ナノワイヤー層形成用塗布液の全質量に対して、0.01質量%〜99質量%であることが好ましく、0.05質量%〜95質量%であることがより好ましい。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布等が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃〜120℃の範囲で設定することができる。
[第1の樹脂層]
本開示に係る導電性転写材料は、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層を有する。導電性転写材料が、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層を有することで、パターンによって生じる段差を低くできるため、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生を抑制できる。
第1の樹脂層の厚さは、1nm〜300nmであり、面状異常発生の抑制の観点から、1nm〜200nmであることが好ましく、1nm〜150nmであることがより好ましく、1nm〜100nmであることが特に好ましい。同様の理由により、第1の樹脂層の厚さは、1nm〜70nmであってもよく、1nm〜30nmであってもよい。第1の樹脂層の厚さは、上記「銀ナノワイヤーを含む層」の項において説明した方法によって測定できる。
波長400nm〜700nmにおける第1の樹脂層の最低透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率は、上記仮支持体の透過率の測定方法と同様の方法によって測定される。
第1の樹脂層は、パターニング性の観点から、感光性樹脂層であることが好ましい。感光性樹脂層としては、例えば、ポジ型の感光性樹脂層、及びネガ型の感光性樹脂層が挙げられる。上記の中でも、第1の樹脂層は、耐薬品性、及び耐久性の観点から、ネガ型の感光性樹脂層であることが好ましい。
(ポジ型の感光性樹脂層)
ポジ型の感光性樹脂層は、制限されず、公知のポジ型の感光性樹脂層を適用できる。ポジ型の感光性樹脂層は、感度、解像度、及び除去性の観点から、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体と、光酸発生剤と、を含有することが好ましい。
ポジ型の感光性樹脂層については、国際公開第2018/179640号の段落0033〜段落0130に記載がある。これらの記載は参照により本明細書に取り込まれる。
−酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体−
ポジ型の感光性樹脂層は、酸分解性で保護された酸基を有する構成単位(以下、「構成単位A」ともいう。)を含む重合体(以下、「重合体A」ともいう。)を含有することが好ましい。重合体A中の酸分解性基で保護された酸基は、露光により生じる触媒量の酸の作用(すなわち、脱保護反応)により、酸基となる。脱保護反応によって生じた酸基により、ポジ型の感光性樹脂層の現像液への溶解が可能となる。
重合体Aは、付加重合型の重合体であることが好ましく、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレン化合物に由来する構成単位、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
構成単位Aにおける酸基は、制限されず、公知の酸基を適用できる。酸基は、カルボキシ基、又はフェノール性水酸基(「フェノール性ヒドロキシ基」ともいう。)であることが好ましい。
構成単位Aにおける酸分解性基は、制限されず、公知の酸分解性基を適用できる。酸分解性基としては、例えば、酸により比較的分解し易い基(例えば、1−アルコキシアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等のアセタール型官能基)、酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチル基等の第三級アルキル基)が挙げられる。上記の中でも、酸分解性基は、アセタールの形で酸基を保護する構造を有する基であることが好ましい。また、酸分解性基は、導電パターンの形成に適用した場合における導電配線の線幅のバラツキが抑制される観点から、分子量が300以下の酸分解性基であることが好ましい。
酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位は、パターン形状の変形抑制、現像液への溶解性、及び転写性の観点から、下記式A1により表される構成単位、下記式A2により表される構成単位、及び下記式A3により表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位であることが好ましく、下記式A3により表される構成単位であることが好ましく、後述する式A3−3により表される構成単位であることが特に好ましい。下記式A1で表される構成単位及び下記式A2で表される構成単位は、酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位である。下記式A3で表される構成単位は、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有する構成単位である。
Figure 2020137797
式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R11及びR12の少なくとも一方が、アルキル基、又はアリール基であり、R13は、アルキル基、又はアリール基を表し、R11又はR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R14は、水素原子、又はメチル基を表し、Xは、単結合、又は二価の連結基を表し、R15は、置換基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R21及びR22の少なくとも一方が、アルキル基又はアリール基であり、R23はアルキル基又はアリール基を表し、R21又はR22と、R23とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R24は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を表し、mは、0〜3の整数を表す。
式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R31及びR32の少なくとも一方が、アルキル基又はアリール基であり、R33は、アルキル基、又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は、水素原子、又はメチル基を表し、Xは、単結合、又は連結基を表し、Yは、硫黄原子、又は酸素原子を表す。
式A3中、R31又はR32がアルキル基の場合、アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。R31又はR32がアリール基の場合、アリール基は、フェニル基であることが好ましい。R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R31及びR32の少なくとも一方が炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
式A3中、R33は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
式A3中、R31〜R33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は、制限されないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A3中、Xは、単結合、又はアリーレン基であることが好ましく、単結合であることが好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、Yは、露光感度の観点から、酸素原子であることが好ましい。
式A3中、R34は水素原子又はメチル基を表し、重合体Aのガラス転移温度(Tg)をより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。より具体的には、式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有比率は、重合体Aに含まれる式A3で表される全構成単位に対して、20モル%以上であることが好ましい。なお、式A3で表される構成単位中の、式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有比率(モル%)は、13C−核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認する。
式A3で表される構成単位の中でも、下記式A3−3で表される構成単位が、パターン形成時の感度を更に高める観点からより好ましい。
Figure 2020137797
式A3−3中、R34は、水素原子、又はメチル基を表し、R35〜R41は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。式A3−3中、R34は、水素原子であることが好ましい。式A3−3中、R35〜R41は、水素原子であることが好ましい。
式A3で表される構成単位の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、下記の構成単位におけるR34は、水素原子、又はメチル基を表す。
Figure 2020137797
重合体Aは、1種の構成単位Aを有していてもよく、2種以上の構成単位Aを有していてもよい。
重合体Aにおける構成単位Aの含有比率は、重合体Aの全構成単位に対して、10モル%以上であることが好ましく、10モル%〜90モル%であることがより好ましく、20モル%〜70モル%であることが特に好ましい。重合体Aにおける構成単位Aの含有比率は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認する。
重合体Aは、酸基を有する構成単位(以下、「構成単位B」ともいう。)を含むことが好ましい。重合体Aが構成単位Bを含むことで、パターン形成時の感度が良好となり、パターン露光後の現像工程においてアルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像時間の短縮化を図ることができる。
構成単位Bにおける酸基とは、pKaが12以下のプロトン解離性基を意味する。感度向上の観点から、酸基のpKaは、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。また、酸基のpKaは、−5以上であることが好ましい。
構成単位Bにおける酸基としては、例えば、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、スルホニルイミド基等が挙げられる。上記の中でも、酸基は、カルボキシ基、又はフェノール性水酸基であることが好ましい。
重合体Aへの酸基を有する構成単位の導入は、酸基を有するモノマーを共重合させることで行うことができる。
構成単位Bは、スチレン化合物に由来する構成単位若しくはビニル化合物に由来する構成単位に対して酸基が置換した構成単位、又は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位であることがより好ましい。
構成単位Bは、パターン形成時の感度がより良好となるという観点からカルボキシ基を有する構成単位及びフェノール性水酸基を有する構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位であることが好ましい。
重合体Aは、1種の構成単位Bを含んでいてもよく、2種以上の構成単位Bを含んでいてもよい。
重合体Aにおける構成単位Bの含有比率は、パターン形成性の観点から、重合体Aの全構成単位に対して、0.1モル%〜20モル%であることが好ましく、0.5モル%〜15モル%であることがより好ましく、1モル%〜10モル%であることが特に好ましい。重合体Aにおける構成単位Bの含有比率は、13C−NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認する。
重合体Aは、本開示に係る導電性転写材料の効果を損なわない範囲で、既述の構成単位A及び構成単位B以外の、他の構成単位(以下、「構成単位C」ともいう。)を含んでいてもよい。
構成単位Cを形成するモノマーとしては、例えば、スチレン化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する不飽和化合物、その他の不飽和化合物等が挙げられる。
構成単位Cとしては、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレート等を重合して形成される構成単位が挙げられる。その他、特開2004−264623号公報の段落0021〜段落0024に記載の化合物を重合して形成される構成単位を挙げることができる。
構成単位Cとしては、得られる導電性転写材料の電気特性を向上させる観点から、芳香環を有する構成単位及び脂肪族環式骨格を有する構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位であることが好ましい。上記構成単位を形成するモノマーとして、例えば、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記の中でも、構成単位Cは、シクロヘキシル(メタ)アクリレート由来の構成単位であることが好ましい。
また、構成単位Cを形成するモノマーとしては、密着性の観点から、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
重合体Aは、1種の構成単位Cを含んでいてもよく、2種以上の構成単位Cを含んでいてもよい。
重合体Aにおける構成単位Cの含有比率は、重合体Aの全構成単位に対して、70モル%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。重合体Aにおける構成単位Cの含有比率の下限値は、0モル%でもよい。重合体Aにおける構成単位Cの含有比率は、重合体Aの全構成単位に対して、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましい。上記範囲であると、解像度及び密着性がより向上する。
重合体Aの重量平均分子量は、60,000以下であることが好ましい。重合体Aの重量平均分子量が60,000以下であることで、感光性樹脂層の溶融粘度を低く抑え、基板と貼り合わせる際において低温(例えば130℃以下)での貼り合わせを実現することができる。また、重合体Aの重量平均分子量は、2,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましい。重合体Aの重量平均分子量は、既述の方法(すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
ポジ型の感光性樹脂層は、1種の重合体Aを含有していてもよく、2種以上の重合体Aを含有していてもよい。
ポジ型の感光性樹脂層における重合体Aの含有量は、基板に対して良好な密着性を発現させる観点から、ポジ型の感光性樹脂層の全質量に対して、50質量%〜99.9質量%であることが好ましく、70質量%〜98質量%であることがより好ましい。
重合体Aの製造方法(合成法)は、制限されず、公知の方法を適用できる。重合体Aの製造方法としては、例えば、構成単位Aを形成するための重合性モノマー、さらに必要に応じて、酸基を有する構成単位Bを形成するための重合性モノマー、及び構成単位Cを形成するための重合性モノマーを、有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合する方法が挙げられる。
−光酸発生剤−
ポジ型の感光性樹脂層は、光酸発生剤を含有することが好ましい。
光酸発生剤は、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等の放射線を照射されることにより酸を発生することができる化合物である。光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300nm〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましい。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めない。pKaは、例えば、−10.0以上であることが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、イオン性光酸発生剤、及び非イオン性光酸発生剤が挙げられる。光酸発生剤は、感度及び解像度の観点から、後述するオニウム塩化合物、及び後述するオキシムスルホネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
イオン性光酸発生剤としては、例えば、ジアリールヨードニウム塩化合物及びトリアリールスルホニウム塩化合物等のオニウム塩化合物、第四級アンモニウム塩化合物などが挙げられる。上記の中でも、イオン性光酸発生剤は、オニウム塩化合物であることが好ましく、トリアリールスルホニウム塩化合物、及びジアリールヨードニウム塩化合物の少なくとも一方であることがより好ましい。
イオン性光酸発生剤としては、特開2014−85643号公報の段落0114〜0133に記載のイオン性光酸発生剤も好ましく用いることができる。
非イオン性光酸発生剤としては、例えば、トリクロロメチル−s−トリアジン化合物、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物等を挙げることができる。上記の中でも、非イオン性光酸発生剤は、感度、解像度、及び密着性の観点から、オキシムスルホネート化合物であることが好ましい。トリクロロメチル−s−トリアジン化合物、及びジアゾメタン化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜段落0088に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2020137797
式(B1)中、R21は、アルキル基又はアリール基を表し、*は、他の原子又は他の基との結合部位を表す。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物は、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐構造を有していても、環構造を有していてもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21で表されるアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21で表されるアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロアルキル基、又はハロゲン原子で置換されてもよい。
21で表されるアリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21で表されるアリール基は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1つ以上の基で置換されてもよい。
ポジ型の感光性樹脂層は、1種の光酸発生剤を含有していてもよく、2種以上の光酸発生剤を含有していてもよい。
ポジ型の感光性樹脂層における光酸発生剤の含有量は、感度及び解像度の観点から、ポジ型の感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがより好ましい。
−他の成分A−
ポジ型の感光性樹脂層は、上記成分以外の成分(以下、「他の成分A」ともいう。)を含有していてもよい。他の成分Aは、制限されず、目的等に応じて適宜選択できる。他の成分としては、例えば、界面活性剤、後述する腐食防止剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系(非イオン系)界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。ポジ型の感光性樹脂層が界面活性剤を含有することで、膜厚の均一性を高めることができる。上記の中でも、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、KP(信越化学工業株式会社製)、ポリフロー(共栄社化学株式会社製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(登録商標、例えばメガファックF551A、DIC株式会社製)、フロラード(住友スリーエム株式会社製)、アサヒガード(登録商標、AGC株式会社製)、サーフロン(登録商標、AGCセイケミカル株式会社製)、PolyFox(OMNOVA社製)、サーフィノール(日信化学工業株式会社製)及び、SH−8400(東レ・ダウコーニング株式会社製)等の各シリーズが挙げられる。
ポジ型の感光性樹脂層は、1種の界面活性剤を含有していてもよく、2種以上の界面活性剤を含有していてもよい。
ポジ型の感光性樹脂層における界面活性剤の含有量は、膜厚の均一性の観点から、ポジ型の感光性樹脂層の全質量に対して、0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%であることがより好ましい。
(ネガ型の感光性樹脂層)
ネガ型の感光性樹脂層は、制限されず、公知のネガ型の感光性樹脂層を適用できる。ネガ型の感光性樹脂層は、パターン形成性の観点から、重合性化合物、重合開始剤、及びバインダーポリマーを含有することが好ましい。
−重合性化合物−
ネガ型の感光性樹脂層は、重合性化合物を含有することが好ましい。
重合性化合物としては、重合可能な化合物、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物等が挙げられる。上記の中でも、重合性化合物は、光重合性化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。エチレン性不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。ここで、2官能以上のエチレン性不飽和化合物とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、より具体的には、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP、新中村化学工業(株)製)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業(株)製)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(A−NOD−N、新中村化学工業(株)製)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(A−HD−N、新中村化学工業(株)製)、ポリテトラメチレングリコール#650ジアクリレート(A−PTMG−65、新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート骨格の(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」との用語は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念である。また、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」との用語は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。
エチレン性不飽和化合物は、現像性向上の観点から、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。酸基としては、例えば、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシ基等が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、酸基を有する3〜4官能のエチレン性不飽和化合物、酸基を有する5〜6官能のエチレン性不飽和化合物等が挙げられる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、アロニックス(登録商標)TO−2349(東亞合成(株)製)、アロニックスM−520(東亞合成(株)製)、及びアロニックスM−510(東亞合成(株)製)が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物は、特開2004−239942号公報の段落0025〜0030に記載の酸基を有する重合性化合物であることも好ましい。上記文献の内容は本明細書に組み込まれる。
ネガ型の感光性樹脂層は、1種の重合性化合物を含有していてもよく、2種以上の重合性化合物を含有していてもよい。
ネガ型の感光性樹脂層における重合性化合物の含有量は、感光性の観点から、ネガ型の感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%〜70質量%であることが好ましく、5質量%〜70質量%であることがより好ましく、5質量%〜60質量%であることがさらに好ましく、8質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
−重合開始剤−
ネガ型の感光性樹脂層は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、光重合開始剤、及び熱重合開始剤の少なくとも一方が好ましく、光重合開始剤がより好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)、α−アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤」ともいう。)、α−ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α−ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤」ともいう。)、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤(以下、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」ともいう。)、N−フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤(以下、「N−フェニルグリシン系光重合開始剤」ともいう。)等が挙げられる。
光重合開始剤は、オキシム系光重合開始剤、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤、及びN−フェニルグリシン系光重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、オキシム系光重合開始剤、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、及びN−フェニルグリシン系光重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
また、光重合開始剤としては、例えば、特開2011−95716号公報の段落0031〜0042、特開2015−014783号公報の段落0064〜0081に記載された光重合開始剤を用いてもよい。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE−01、BASF社製)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE−02、BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:IRGACURE 379EG、BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 907、BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 127、BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名:IRGACURE 369、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 1173、BASF社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:IRGACURE 184、BASF社製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:IRGACURE 651、BASF社製)等が挙げられる。
ネガ型の感光性樹脂層は、1種の重合開始剤を含有していてもよく、2種以上の重合開始剤を含有していてもよい。
ネガ型の感光性樹脂層における重合開始剤の含有量は、ネガ型の感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が特に好ましい。また、ネガ型の感光性樹脂層における重合開始剤の含有量は、ネガ型の感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
−バインダーポリマー−
ネガ型の感光性樹脂層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
バインダーポリマーは、現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、酸価60mgKOH/g以上の樹脂であることが好ましく、酸価60mgKOH/g以上の、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(以下、「重合体B」ともいう。)であることがより好ましい。
本開示において、「アルカリ可溶性」とは、25℃の1mol/L水酸化ナトリウム溶液に可溶であることをいう。また、「可溶である」とは、100mLの溶媒に0.1g以上溶解することをいう。
本開示において、「酸価」とは、JIS K0070:1992に記載の方法にしたがって測定された値を意味する。
本開示において、「(メタ)アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の少なくとも一方を含む樹脂を意味する。
重合体Bにおける(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計割合は、重合体Bの全構成単位に対して、30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。
重合体Bは、カルボキシ基を有する構成単位を含む。重合体Bに含まれるカルボキシ基を有する構成単位は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
重合体Bにおけるカルボキシ基を有する構成単位の含有比率は、現像性の観点から、重合体Bの全構成単位に対して、5モル%〜50モル%であることが好ましく、5モル%〜40モル%であることがより好ましく、10モル%〜40モル%であることがさらに好ましく、10モル%〜30モル%であることが特に好ましい。
バインダーポリマー、特に重合体Bは、硬化後の透湿度及び強度の観点から、芳香環を有する構成単位を含むことが好ましい。芳香環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。芳香環を有する構成単位としては、スチレン化合物由来の構成単位であることが好ましい。
バインダーポリマー、特に重合体Bは、硬化後の強度の観点から、エチレン性不飽和基を有する構成単位を含むことが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を含むことが好ましい。本開示において、「主鎖」とは樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは主鎖から枝分かれしている原子団を表す。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
バインダーポリマーの酸価は、60mgKOH/g以上であることが好ましく、60mgKOH/g〜200mgKOH/gであることがより好ましく、60mgKOH/g〜150mgKOH/gであることがさらに好ましく、60mgKOH/g〜130mgKOH/gであることが特に好ましい。
バインダーポリマーの重量平均分子量(Mw)は、3,000を超えることが好ましく、3,000を超え60,000以下であることがより好ましく、5,000〜50,000であることが特に好ましい。バインダーポリマーの重量平均分子量は、以下の方法によって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。測定装置としては、様々な市販の装置を用いることができ、装置の内容、及び、測定技術は同当業者に公知である。GPCによる重量平均分子量の測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM−M(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)をそれぞれ1本、直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」及び「A−1000」の7サンプルのいずれかを用いて作製できる。
ネガ型の感光性樹脂層は、1種のバインダーポリマーを含有していてもよく、2種以上のバインダーポリマーを含有していてもよい。
ネガ型の感光性樹脂層におけるバインダーポリマーの含有量は、ネガ型の感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
−他の成分−
ネガ型の感光性樹脂層は、上記成分以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)を含有していてもよい。他の成分は、制限されず、目的等に応じて適宜選択できる。他の成分としては、例えば、熱架橋性化合物、増感剤、界面活性剤、後述する腐食防止剤等が挙げられる。
熱架橋性化合物としては、例えば、ブロックイソシアネート化合物、ビスフェノールA型のエポキシ化合物、クレゾールノボラック型のエポキシ化合物、ビフェニル型のエポキシ化合物、脂環式のエポキシ化合物、メラミン化合物等が挙げられる。ここで、「熱架橋性化合物」とは、熱により架橋反応を起こし得る官能基(すなわち、熱架橋性基)を1分子中に1つ以上有する化合物を意味する。
上記の中でも、熱架橋性化合物としては、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。ここで、「ブロックイソシアネート化合物」とは、イソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護(マスク)した構造を有する化合物を意味する。
ブロックイソシアネート化合物の解離温度は、100℃〜160℃であることが好ましく、130℃〜150℃であることがより好ましい。ここで、「ブロックイソシアネート化合物の解離温度」とは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200)を用いて、DSC(Differential scanning calorimetry)分析にて測定した場合に、ブロックイソシアネート化合物の脱保護反応に伴う吸熱ピークの温度を意味する。
解離温度が100℃〜160℃であるブロック剤としては、例えば、ピラゾール化合物(例えば、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾール、及び4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾール)、活性メチレン化合物(例えば、マロン酸ジエステル(例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、及びマロン酸ジ2−エチルヘキシル))、トリアゾール化合物(例えば、1,2,4−トリアゾール)、オキシム化合物(例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等の分子内に−C(=N−OH)−で表される構造を有する化合物)等が挙げられる。上記の中でも、保存安定性の観点から、オキシム化合物、又はピラゾール化合物が好ましく、オキシム化合物が特に好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、市販品であってもよい。例えば、カレンズAOI−BM、カレンズMOI−BM、カレンズMOI−BP(いずれも昭和電工(株)製)、ブロック型のデュラネートシリーズ(旭化成(株)製)等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物の分子量は、200〜3,000であることが好ましく、250〜2,600であることがより好ましく、280〜2,200であることが特に好ましい。
ネガ型の感光性樹脂層は、1種の熱架橋性化合物を含有していてもよく、2種以上の熱架橋性化合物を含有していてもよい。
ネガ型の感光性樹脂層における熱架橋性化合物の含有量は、得られる硬化膜(すなわち、ネガ型の感光性樹脂層の硬化物)の強度の観点から、ネガ型の感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。
増感剤としては、例えば、N−フェニルグリシン等が挙げられる。
ネガ型の感光性樹脂層は、1種の増感剤を含有していてもよく、2種以上の増感剤を含有していてもよい。
ネガ型の感光性樹脂層における増感剤の含有量は、ネガ型の感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%〜5質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系(非イオン系)界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。ポジ型の感光性樹脂層が界面活性剤を含有することで、膜厚の均一性を高めることができる。上記の中でも、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル化合物、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル化合物、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、KP(信越化学工業株式会社製)、ポリフロー(共栄社化学株式会社製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(登録商標、例えばメガファックF551A、DIC株式会社製)、フロラード(住友スリーエム株式会社製)、アサヒガード(登録商標、AGC株式会社製)、サーフロン(登録商標、AGCセイケミカル株式会社製)、PolyFox(OMNOVA社製)、サーフィノール(日信化学工業株式会社製)及びSH−8400(東レ・ダウコーニング株式会社製)等の各シリーズが挙げられる。
ネガ型の感光性樹脂層は、1種の界面活性剤を含有していてもよく、2種以上の界面活性剤を含有していてもよい。
ネガ型の感光性樹脂層における界面活性剤の含有量は、膜厚の均一性の観点から、ネガ型の感光性樹脂層の全質量に対して、0.05質量%〜15質量%であることが好ましく、1質量%〜15質量%であることがより好ましい。
(第1の樹脂層の形成方法)
第1の樹脂層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。第1の樹脂層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む第1の樹脂層形成用塗布液を、被塗布物上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布等が挙げられる。
第1の樹脂層形成用塗布液は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤は、制限されず、公知の溶剤を適用できる。溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、エチレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、プロピレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、プロピレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、ジエチレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、ラクトン系溶剤等が挙げられる。
また、溶剤の好ましい例としては、以下に記載のエステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、メチルn−ブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられる。
第1の樹脂層形成用塗布液中の固形分濃度は、制限されず、例えば、0.5質量%〜40質量%の範囲で適宜設定できる。
[密着層]
本開示に係る導電性転写材料は、上記銀ナノワイヤーを含む層の、上記第1の樹脂層とは反対側の面上に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有することが好ましい。本開示に係る導電性転写材料は、上記銀ナノワイヤーを含む層の上記第1の樹脂層とは反対側の面上に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有することで、基板に対する密着性が高く、銀ナノワイヤー層と基板との間の導電性が向上する。
図2は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を概略的に示している。図2に示す導電性転写材料110は、仮支持体10と、第1の樹脂層20と、銀ナノワイヤーを含む層30と、密着層40と、をこの順で有する。
密着層の厚さは、密着性及び導電性の観点から、1nm〜250nmであることが好ましく、1nm〜150nmであることがより好ましく、1nm〜100nmであることが特に好ましい。密着層の厚さは、上記「銀ナノワイヤーを含む層」の項において説明した方法によって測定する。
密着層は、密着性の観点から、有機材料(例えば、有機樹脂)を含有する密着層(以下、「有機層」ともいう。)であることが好ましい。密着層は、パターン形成における残渣除去の観点から、アルカリ可溶性樹脂を含有することがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、パターン形成における残渣除去の観点から、酸価20mgKOH/g以上の樹脂であることが好ましく、酸価20mgKOH/g以上の、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることがより好ましい。酸価の測定方法は、上記のとおりである。
(メタ)アクリル樹脂中における(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計割合は、(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、パターン形成における残渣除去の観点から、20mgKOH/g以上であることが好ましく、45mgKOH/g〜200mgKOH/gであることがより好ましく、50mgKOH/g以上〜150mgKOH/gであることが特に好ましい。同様の理由により、アルカリ可溶性樹脂の酸価は、60mgKOH/g以上であってもよく、80mgKOH/g以上であってもよい。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂は、カルボキシ基を有する構成単位を含む。上記(メタ)アクリル樹脂に含まれるカルボキシ基を有する構成単位は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂におけるカルボキシ基を有する構成単位の含有比率は、現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂の全構成単位に対して、3モル%〜50モル%であることが好ましく、3モル%〜40モル%であることがより好ましく、3モル%〜35モル%であることが特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、芳香環を有する構成単位を含んでいてもよい。芳香環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。芳香環を有する構成単位としては、スチレン化合物由来の構成単位であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和基を有する構成単位を含んでいてもよい。アルカリ可溶性樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を含むことが好ましい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、3,000を超えることが好ましく、3,000を超え60,000以下であることがより好ましく、5,000〜50,000であることが特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、既述の方法(すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
アルカリ可溶性樹脂としては、上記「ネガ型の感光性樹脂層」の項において説明したアルカリ可溶性樹脂を適用することもできる。
密着層は、1種のアルカリ可溶性樹脂を含有していてもよく、2種以上のアルカリ可溶性樹脂を含有していてもよい。
密着層におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、密着性及び現像性の観点から、密着層の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。密着層におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量の上限は、制限されない。密着層におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、密着層の全質量に対して、例えば、100質量%以下の範囲で適宜設定することができる。
密着層におけるアルカリ可溶性樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂は、制限されず、公知の熱硬化性樹脂を適用できる。
また、密着層は、上記成分に加えて、上記「第1の樹脂層」の項において説明した他の成分を含有していてもよい。
波長400nm〜700nmにおける密着層の最低透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率は、上記仮支持体の透過率の測定方法と同様の方法によって測定される。
密着層は、有機層であってもよく、アルカリ可溶性の密着層であってもよく、熱硬化性の密着層であってもよく、感光性の密着層であってもよい。アルカリ可溶性の密着層は、密着層の成分として、少なくともアルカリ可溶性樹脂によって構成される。熱硬化性の層は、密着層の成分として、少なくとも熱硬化性樹脂によって構成される。感光性の密着層としては、例えば、ネガ型感光性の密着層、及びポジ型感光性の密着層が挙げられる。熱硬化性の密着層、又は感光性の密着層は、アルカリ可溶性をさらに有していてもよい。
密着層と第1の樹脂層との組み合わせとしては、下記(a)〜(f)にそれぞれ記載された組み合わせが好ましく、下記(a)〜(e)にそれぞれ記載された組み合わせがより好ましい。
(a)密着層がアルカリ可溶性の密着層であり、第1の樹脂層がポジ型の感光性樹脂層である。
(b)密着層がアルカリ可溶性の密着層であり、第1の樹脂層がネガ型の感光性樹脂層である。
(c)密着層が熱硬化性の密着層であり、第1の樹脂層がポジ型の感光性樹脂層である。
(d)密着層が熱硬化性の密着層であり、第1の樹脂層がネガ型の感光性樹脂層である。
(e)密着層がネガ型感光性の密着層であり、第1の樹脂層がネガ型の感光性樹脂層である。
(f)密着層がポジ型感光性の密着層であり、第1の樹脂層がポジ型の感光性樹脂層である。
(密着層の形成方法)
密着層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。密着層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む密着層形成用塗布液を、被塗布物上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布等が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃〜120℃の範囲で設定することができる。
密着層形成用塗布液は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤としては、制限されず、例えば、上記「第1の樹脂層」の項において説明した溶剤が挙げられる。
密着層形成用塗布液中の固形分濃度は、制限されず、例えば、0.5質量%〜10質量%の範囲で適宜設定できる。
[腐食防止剤]
本開示に係る導電性転写材料において、上記銀ナノワイヤーを含む層、上記第1の樹脂層、及び上記密着層からなる群より選択される少なくとも1つは、腐食防止剤を含有することが好ましい。銀ナノワイヤーを含む層、第1の樹脂層、及び密着層からなる群より選択される少なくとも1つが、腐食防止剤を含むことで、耐久性を向上できる。
腐食防止剤は、制限されず、公知の腐食防止剤を適用できる。腐食防止剤としては、例えば、窒素原子及び硫黄原子の少なくとも1つを含有する化合物等が挙げられる。腐食防止剤は、耐久性の観点から、窒素原子及び硫黄原子の少なくとも1つを含有する複素環式化合物であることが好ましく、1つ以上の窒素原子を含有する5員環構造を含む化合物であることがより好ましく、トリアゾール構造を含む化合物、ベンゾイミダゾール構造を含む化合物、及びチアジアゾール構造を含む化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが特に好ましい。1つ以上の窒素原子を含有する5員環構造は、単環の構造であってもよく、縮合環を構成する部分構造であってもよい。
腐食防止剤の具体例としては、ベンゾイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ブチルベンジルトリアゾール、アルキルジチオチアジアゾール、アルキルチオール、2−アミノピリミジン、5,6−ジメチルベンゾイミダゾール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。上記の中でも、腐食防止剤は、ベンゾイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、及び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールからなる群より選択される少なくとも1種の腐食防止剤であることが好ましい。
銀ナノワイヤーを含む層、第1の樹脂層、及び密着層は、それぞれ、1種の腐食防止剤を含有していてもよく、2種以上の腐食防止剤を含有していてもよい。
腐食防止剤の含有量は、銀ナノワイヤーを含む層、第1の樹脂層、及び密着層のうち、腐食防止剤を含有する層の全質量に対して、0.01質量%〜8質量%であることが好ましい。
[光安定化剤]
本開示に係る導電性転写材料において、上記銀ナノワイヤーを含む層、上記第1の樹脂層、及び上記密着層からなる群より選択される少なくとも1つは、光安定化剤を含有することが好ましい。銀ナノワイヤーを含む層、第1の樹脂層、及び密着層からなる群より選択される少なくとも1つが、光安定化剤を含むことで、銀ナノワイヤー等の耐光性を向上できる。
光安定化剤は、制限されず、公知の光安定化剤を適用できる。光安定化剤としては、例えば、米国特許出願公開第2015/0270024号明細書の段落0032〜段落0043に記載の化合物を使用できる。
光安定化剤の具体例としては、Fe、Co、Mn、V等の遷移金属化合物が挙げられる。遷移金属化合物に含まれる配位子としては、例えば、アセチルアセトナト(以下、「acac」ともいう。)、シクロペンタジエニル、ビピリジン、フェナントロリン、SO 2−、NO 等が挙げられる。遷移金属化合物の具体例としては、フェロセン、Fe(acac)、Co(acac)、Mn(acac)、VO(acac)、アスコルビン酸鉄、硫酸鉄、トリス(2,2’−ビピリジン)硫酸鉄等が挙げられる。
銀ナノワイヤーを含む層、第1の樹脂層、及び密着層は、それぞれ、1種の光安定化剤を含有していてもよく、2種以上の光安定化剤を含有していてもよい。
光安定化剤の含有量は、銀ナノワイヤーを含む層、第1の樹脂層、及び密着層のうち、光安定化剤を含有する層の全質量に対して、0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
[不純物]
本開示に係る導電性転写材料において、上記銀ナノワイヤーを含む層、上記第1の樹脂層、及び上記密着層の不純物の含有量が少ないことが好ましい。
不純物の具体例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、及びこれらのイオン、並びに、遊離ハロゲン、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)などが挙げられる。
各層における不純物の含有量は、質量基準で、1000ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、40ppm以下がさらに好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界及び測定限界の観点から、質量基準で、10ppb以上とすることができ、100ppb以上とすることができる。
不純物を上記範囲に減らす方法としては、各層の原料に不純物を含まないものを選択すること、及び層の形成時に不純物の混入を防ぐこと等が挙げられる。このような方法により、不純物量を上記範囲内とすることができる。
不純物は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法、原子吸光分光法等の公知の方法で定量することができる。
また、各層における、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、1,3−ブタジエン、四塩化炭素、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサン等の化合物の含有量が少ないことが好ましい。これら化合物の各層中における含有量としては、質量基準で、1000ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、40ppm以下がさらに好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界及び測定限界の観点から、質量基準で、10ppb以上とすることができ、100ppb以上とすることができる。
化合物の不純物は、上記の金属の不純物と同様の方法で含有量を抑制することができる。また、公知の測定法により定量することができる
[第2の樹脂層]
本開示に係る導電性転写材料は、上記仮支持体と上記第1の樹脂層との間に、第2の樹脂層を有することが好ましい。第2の樹脂層は、導電性転写材料を基板に貼り合わせる際に、いわゆるクッション層として機能し得るため、導電性転写材料の転写性を向上できる。また、第2の樹脂層は、現像処理によって除去され得るものであってもよく、仮支持体の剥離とともに第1の樹脂層から剥離され得るものであってもよい。
図3は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を概略的に示している。図3に示す導電性転写材料120は、仮支持体10と、第2の樹脂層50と、第1の樹脂層20と、銀ナノワイヤーを含む層30と、密着層40と、をこの順で有する。
第2の樹脂層は、バインダーポリマーを含有する。バインダーポリマーは、制限されず、転写性等を考慮して公知のバインダーポリマーから適宜選択できる。バインダーポリマーとしては、例えば、熱可塑性樹脂、アルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、制限されず、公知の熱可塑性樹脂を適用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、制限されず、公知の熱可塑性樹脂を適用できる。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、上記「第1の樹脂層」及び「密着層」の項において説明したアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、バインダーポリマーは、現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、酸価60mgKOH/g以上の樹脂であることが好ましく、酸価60mgKOH/g以上の、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることがより好ましい。アルカリ可溶性樹脂の好ましい実施形態は、上記「第1の樹脂層」において説明したアルカリ可溶性樹脂と同様である。また、酸価の測定方法は、上記のとおりである。
第2の樹脂層は、他の成分として、可塑剤、界面活性剤等を含有していてもよい。
可塑剤は、制限されず、公知の可塑剤を適用できる。第2の樹脂層が可塑剤を含有することによって、本開示に係る導電性転写材料の転写性が向上する。可塑剤としては、市販品であってもよく、例えば、BPE−500(新中村化学工業(株)製)、UC−3510(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
第2の樹脂層は、1種の可塑剤を含有していてもよく、2種以上の可塑剤を含有していてもよい。
可塑剤の含有量は、第2の樹脂層の全質量に対して、10質量%〜30質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、上記「第1の樹脂層」の項において説明した界面活性剤が挙げられる。
第2の樹脂層は、1種の界面活性剤を含有していてもよく、2種以上の界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤の含有量は、第2の樹脂層の全質量に対して、0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。
第2の樹脂層の厚さは、転写性の観点から、1μm〜10μmであることが好ましく、3μm〜10μmであることがより好ましい。第2の樹脂層の厚さは、上記「銀ナノワイヤーを含む層」の項において説明した方法によって測定する。
(第2の樹脂層の形成方法)
第2の樹脂層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。第2の樹脂層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む第2の樹脂層形成用塗布液を、被塗布物上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布等が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃〜120℃の範囲で設定することができる。
第2の樹脂層形成用塗布液は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤としては、制限されず、例えば、上記「第1の樹脂層」の項において説明した溶剤が挙げられる。
第2の樹脂層形成用塗布液中の固形分濃度は、制限されず、例えば、1質量%〜40質量%の範囲で適宜設定できる。
[中間層]
本開示に係る導電性転写材料は、上記仮支持体と上記第1の樹脂層との間に、第2の樹脂層以外の中間層を有していてもよい。本開示に係る転写フィルムが第2の樹脂層を有する場合、中間層は、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間に配置されることが好ましい。
中間層としては、特開2005−259138号公報の段落0084〜0087に記載の中間層を用いることができる。中間層としては、水又はアルカリ水溶液に、分散又は溶解するものが好ましい。
中間層に用いられる材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、ポリビニルエーテル、ポリアミド、及びこれらの共重合体等が挙げられる。上記の中でも、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンが好ましい。
中間層の厚さは、0.5μm〜10μmであることが好ましく、0.5μm〜4μmであることがより好ましい。中間層の厚さは、上記「銀ナノワイヤーを含む層」の項において説明した方法によって測定する。
(中間層の形成方法)
中間層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。中間層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む中間層形成用塗布液を、被塗布物上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布等が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃〜120℃の範囲で設定することができる。
中間層形成用塗布液は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤としては、制限されず、例えば、上記「第1の樹脂層」の項において説明した溶剤が挙げられる。
中間層形成用塗布液中の固形分濃度は、制限されず、例えば、0.5質量%〜30質量%の範囲で適宜設定できる。
[保護フィルム]
本開示に係る導電性転写材料は、仮支持体が配置された側とは反対側の最外層に位置に、保護フィルムを有していてもよい。
保護フィルムとしては、耐熱性及び耐溶剤性を有する樹脂フィルムを用いることができる。保護フィルムとしては、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルム)、及びポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)が挙げられる。また、保護フィルムとして、上述の支持体フィルムと同じ材料で構成された樹脂フィルムを用いてもよい。
保護フィルムの厚さは、1μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜40μmであることが更に好ましく、15μm〜30μmであることが特に好ましい。保護フィルムの厚さは、機械的強度に優れる点で1μm以上であることが好ましく、比較的安価となる点で100μm以下であることが好ましい。
保護フィルムと銀ナノワイヤーを含む層又は密着層との間の接着力は、保護フィルムを銀ナノワイヤーを含む層又は密着層から剥離し易くするため、仮支持体と銀ナノワイヤーを含む層又は密着層との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
また、保護フィルムは、保護フィルム中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイ数が5個/m以下であることが好ましい。なお、「フィッシュアイ」とは、種々の方法(例えば、材料の熱溶融、混練、押出、2軸延伸、及びキャスティング)によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
保護フィルムに含まれる直径3μm以上の粒子の数は、30個/mm以下であることが好ましく、10個/mm以下であることがより好ましく、5個/mm以下であることが更に好ましい。これにより、保護フィルムに含まれる粒子に起因する凹凸が感光性樹脂層又は導電層に転写されることにより生じる欠陥を抑制することができる。
保護フィルムにおいて、巻き取り性を付与する観点から、銀ナノワイヤーを含む層又は密着層と接する面とは反対側の表面の算術平均粗さRaは、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、0.03μm以上であることが更に好ましい。一方で、上記算術平均粗さRaは、0.50μm未満であることが好ましく、0.40μm以下であることがより好ましく、0.30μm以下であることがさらに好ましい。
保護フィルムにおいて、転写時の欠陥抑制の観点から、銀ナノワイヤーを含む層又は密着層と接する面の表面粗さRaは、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、0.03μm以上であることが更に好ましい。一方で、上記表面粗さRaは、0.50μm未満であることが好ましく、0.40μm以下であることがより好ましく、0.30μm以下であることが更に好ましい。
<パターンつき基板の製造方法>
本開示に係るパターンつき基板の製造方法は、上記導電性転写材料、及び基板を貼り合わせる工程(以下、「貼り合わせ工程」ともいう。)と、上記導電性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)と、上記パターン露光を経た導電性転写材料を現像してパターンを形成する工程(以下、「現像工程」ともいう。)と、をこの順に含む。本開示に係るパターンつき基板の製造方法は、上記工程を含むことで、パターンによって生じる段差を低くできるため、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生を抑制できる。
[貼り合わせ工程]
本開示に係るパターンつき基板の製造方法は、上記導電性転写材料、及び基板を貼り合わせる工程を含む。
導電性転写材料としては、上記導電性転写材料のうち、感光性樹脂層を有する導電性転写材料を適用することができる。感光性樹脂層は、上記「導電性転写材料」の項において説明したとおりであり、好ましい範囲も同様である。
貼り合わせ工程に適用可能な導電性転写材料の具体例としては、仮支持体と、厚さが1nm〜300nmである感光性樹脂層と、銀ナノワイヤーを含む層と、をこの順で有する導電性転写材料等が挙げられる。貼り合わせ工程に適用可能な導電性転写材料における感光性樹脂層は、耐薬品性、及び耐久性の観点から、ネガ型の感光性樹脂層であることが好ましい。
基板は、ガラス、シリコン、フィルム等の基材自体が基板であってもよく、ガラス、シリコン、フィルム等の基材上に、必要により導電層などの任意の層が設けられた基板であってもよい。基板が導電層をさらに有する場合、基板は、基材上に導電層を有することが好ましい。
基材は、ガラス基材又はフィルム基材であることが好ましく、フィルム基材であることがより好ましく、樹脂フィルムであることが特に好ましい。
基材は、透明であることが好ましい。透明の基材としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報及び特開2010−257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。また、基材の屈折率は、1.50〜1.52であることが好ましい。
基材は、ガラス基材等の透光性基材で構成されていてもよく、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラス等を用いることができる。
基材としてフィルム基材を用いる場合、光学的に歪みが小さい基材、及び透明度が高い基材を用いることがより好ましく、樹脂フィルムを用いることが特に好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
導電層としては、例えば、金属層、導電性金属酸化物層等が挙げられる。ここで、「導電性」とは、体積抵抗率が1×10Ωcm未満であることを意味する。体積抵抗率は、1×10Ωcm未満であることが好ましい。
金属層を構成する金属としては、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)等が挙げられる。金属層を構成する金属は、1種の金属元素からなる単体の金属であってもよく、2種以上の金属元素を含む金属であってもよく、少なくとも1種の金属元素を含む合金であってもよい。
導電性金属酸化物層を構成する導電性金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO等が挙げられる。
導電層は、導電性及び細線形成性の観点から、金属層及び導電性金属酸化物層からなる群より選択される少なくとも1種の層であることが好ましく、金属層であることがより好ましく、銅層であることが特に好ましい。
導電層としては、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
貼り合わせ工程においては、例えば、導電性転写材料及び基板を、導電性転写材料における銀ナノワイヤーを含む層(導電性転写材料が密着層を有する場合には密着層)と基板とを接触させることによって、貼り合わせる。
導電性転写材料及び基板の貼り合わせ(以下、「ラミネート」ともいう。)は、真空ラミネーター、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターを用いて行うことができる。
ラミネート温度は、80℃〜150℃であることが好ましく、90℃〜150℃であることがより好ましく、100℃〜150℃であることが特に好ましい。ゴムローラーを備えたラミネーターを用いる場合、ラミネート温度とは、ゴムローラー温度を指す。
ラミネート時の基板温度としては、例えば、10℃〜150℃が挙げられ、20℃〜150℃が好ましく、30℃〜150℃がより好ましい。基板として樹脂基板を用いる場合には、ラミネート時の基板温度は、10℃〜80℃が好ましく、20℃〜60℃がより好ましく、30℃〜50℃が特に好ましい。
ラミネート時の線圧は、0.5N/cm〜20N/cmであることが好ましく、1N/cm〜10N/cmであることがより好ましく、1N/cm〜5N/cmであることが特に好ましい。
ラミネート時の搬送速度(ラミネート速度)は、0.5m/分〜5m/分であることが好ましく、1.5m/分〜3m/分であることがより好ましい。
[露光工程]
本開示に係るパターンつき基板の製造方法は、上記導電性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光する工程を含む。パターン露光工程においては、導電性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光することによって、感光性樹脂層に露光部及び非露光部を形成する。
露光工程においては、導電性転写材料における感光性樹脂層がポジ型である場合、露光された感光性樹脂層(すなわち、露光部)は、極性変化によって現像液への溶解性が増大する。導電性転写材料における感光性樹脂層がネガ型である場合、露光された感光性樹脂層(すなわち、露光部)は、硬化する。
パターン露光の方法は、マスク(「フォトマスク」ともいう。)を介した露光であってもよく、レーザー等を用いたデジタル露光であってもよい。
露光の光源は、制限されず、感光性樹脂層の成分に応じて適宜選択できる。例えば、感光性樹脂層がポジ型である場合、光源としては、露光部が現像液に溶解し得る波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できる光源が挙げられる。また、例えば、感光性樹脂層がネガ型である場合、光源としては、露光部が硬化し得る波長域の光(例えば、365nm又は405nm)を照射できる光源が挙げられる。光源の具体例としては、各種レーザー、発光ダイオード(LED)、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量は、5mJ/cm〜200mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜200mJ/cmであることがより好ましい。
露光工程においては、基板に貼り合わされた導電性転写材料から仮支持体を剥離した後、感光性樹脂層をパターン露光してもよく、仮支持体を残したまま、感光性樹脂層をパターン露光してもよい。
[現像工程]
本開示に係るパターンつき基板の製造方法は、上記パターン露光を経た導電性転写材料を現像してパターンを形成する工程を含む。
現像工程においては、導電性転写材料における感光性樹脂層がポジ型である場合、導電性転写材料の露光部を現像液によって除去することで、パターンを形成できる。また、導電性転写材料における感光性樹脂層がネガ型である場合、導電性転写材料の非露光部を現像液によって除去することで、パターンを形成できる。
現像液は、制限されず、特開平5−72724号公報に記載の現像液等の公知の現像液を適用できる。
現像液は、アルカリ性水溶液であることが好ましい。アルカリ性水溶液に含有され得るアルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)等が挙げられる。
アルカリ性水溶液の25℃におけるpHとしては、8〜13が好ましく、9〜12がより好ましく、10〜12が特に好ましい。
アルカリ性水溶液中におけるアルカリ性化合物の含有量は、アルカリ性水溶液全量に対し、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%がより好ましい。
現像液の液温度は、20℃〜40℃が好ましい。
現像の方式としては、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像等が挙げられる。
<積層体>
本開示に係る積層体は、基板と、銀ナノワイヤーを含む層と、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、をこの順で有する。本開示に係る積層体は、基板と、銀ナノワイヤーを含む層と、厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、をこの順で有することで、パターンによって生じる段差を低くできるため、パターンを有する積層体上に更に層を積層する際の面状異常の発生を抑制できる。
図4は、本開示に係る積層体の層構成の一例を概略的に示している。図4に示す積層体200は、基板60と、銀ナノワイヤーを含む層30と、第1の樹脂層20と、をこの順で有する。
本開示に係る積層体は、平面図として上記積層体を観察した場合に、基板の全面に銀ナノワイヤー層、及び第1の樹脂層が配置されていてもよく、基板の一部に銀ナノワイヤー層、及び第1の樹脂層が配置されていてもよい。例えば、本開示に係る積層体においては、基板上に配置された、銀ナノワイヤー層、及び第1の樹脂層がパターン状の形状を有していてもよい。パターン状の形状を有する積層体の具体例としては、パターンつき基板等が挙げられる。
[基板]
本開示に係る積層体は、基板を有する。基板は、上記「パターンつき基板の製造方法」の項において説明した基板と同義であり、好ましい範囲も同様である。基板は、基材上に導電層を有することが好ましい。
[第1の樹脂層]
本開示に係る積層体は、第1の樹脂層を有する。本開示に係る積層体における第1の樹脂層は、上記「導電性転写材料」の項において説明した第1の樹脂層であってもよく、上記第1の樹脂層が硬化してなる層であってもよい。上記第1の樹脂層が硬化してなる層は、例えば、層中の硬化性(例えば、光硬化性、及び熱硬化性)の成分が露光又は加熱によって硬化されることによって形成される。本開示に係る積層体において、第1の樹脂層は、感光性樹脂層、又は上記感光性樹脂層の硬化物であってもよい。
[銀ナノワイヤーを含む層]
本開示に係る積層体は、銀ナノワイヤーを含む層を有する。本開示に係る積層体における銀ナノワイヤーを含む層は、上記「導電性転写材料」の項において説明した銀ナノワイヤーを含む層と同義であり、好ましい範囲も同様である。
[密着層]
本開示に係る積層体は、上記基板と上記銀ナノワイヤーを含む層との間に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有することが好ましい。本開示に係る積層体は、基板と銀ナノワイヤーを含む層との間に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有するため、銀ナノワイヤーを含む層と基板との密着性が高く、銀ナノワイヤー層と基板との間の導電性が向上する。密着層の厚さは、既述の方法によって測定する。本開示に係る積層体における密着層は、上記「導電性転写材料」の項において説明した密着層であってもよく、上記密着層が硬化してなる層であってもよい。上記密着層が硬化してなる層は、例えば、層中の硬化性(例えば、光硬化性、及び熱硬化性)の成分が露光又は加熱によって硬化されることによって形成される。
図5は、本開示に係る積層体の層構成の一例を概略的に示している。図5に示す積層体210は、基板60と、密着層40と、銀ナノワイヤーを含む層30と、第1の樹脂層20と、をこの順で有する。
本開示に係る積層体において、上記銀ナノワイヤーを含む層及び上記第1の樹脂層は、転写層であることが好ましい。また、本開示に係る積層体が上記密着層を有する場合、上記銀ナノワイヤーを含む層、上記第1の樹脂層、及び上記密着層は、転写層であることが好ましい。本開示において、「転写層」とは、転写によって形成された層を意味する。
[腐食防止剤]
本開示に係る積層体において、上記銀ナノワイヤーを含む層、及び上記第1の樹脂層からなる群より選択される少なくとも1つは、腐食防止剤を含有することが好ましい。本開示に係る積層体が上記密着層を有する場合、上記銀ナノワイヤーを含む層、上記第1の樹脂層、及び上記密着層からなる群より選択される少なくとも1つは、腐食防止剤を含有することが好ましい。銀ナノワイヤーを含む層等が、腐食防止剤を含むことで、銀ナノワイヤー等の腐食を防止できるため、耐久性を向上できる。本開示に係る積層体における腐食防止剤は、上記「導電性転写材料」の項において説明した腐食防止剤と同義であり、好ましい範囲も同様である。
[光安定化剤]
本開示に係る積層体において、上記銀ナノワイヤーを含む層、及び上記第1の樹脂層からなる群より選択される少なくとも1つは、光安定化剤を含有することが好ましい。本開示に係る積層体が上記密着層を有する場合、上記銀ナノワイヤーを含む層、上記第1の樹脂層、及び上記密着層からなる群より選択される少なくとも1つは、光安定化剤を含有することが好ましい。銀ナノワイヤーを含む層等が、光安定化剤を含むことで、銀ナノワイヤー等の耐光性を向上できる。本開示に係る積層体における光安定化剤は、上記「導電性転写材料」の項において説明した光安定化剤と同義であり、好ましい範囲も同様である。
[不純物]
本開示に係る積層体において、上記銀ナノワイヤーを含む層、上記第1の樹脂層、及び上記密着層の不純物の含有量が少ないことが好ましい。本開示に係る積層体における不純物は、上記「導電性転写材料」の項において説明した不純物と同義であり、上記各層における不純物の含有量の好ましい範囲も同様である。
[積層体の製造方法]
積層体の製造方法としては、制限されず、例えば、上記「パターンつき基板」の項において説明した方法を適用できる。
<タッチパネル>
本開示に係るタッチパネルは、上記積層体を有する。本開示に係るタッチパネルは、上記積層体を有することで、パターンによって生じる段差を低くできるため、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常の発生が抑制され得る。
本開示に係るタッチパネルにおける積層体は、上記「積層体」の項において説明した積層体と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、本開示に係るタッチパネルにおいて、積層体が回路基板として用いられる場合、積層体における密着層、及び銀ナノワイヤー層を含む領域の一部は、パターン状であることが好ましい。
本開示に係るタッチパネルにおける検出方法としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、光学方式等が挙げられる。上記の中でも、検出方法としては、静電容量方式が好ましい。
タッチパネル型としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8に記載のもの)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、特開2012−89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch−on−Lens)型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)を挙げることができる。
本開示に係るタッチパネルとしては、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日、(株)テクノタイムズ社発行)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
タッチパネルの製造方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。タッチパネルの製造方法においては、例えば、上記パターンつき基板の製造方法を適用できる。
本開示に係るタッチパネルの製造方法において用いられるマスクのパターンの一例を、図6に示す。図6に示されるパターンAは、ポジ型の感光性樹脂層をパターン露光する際に用いることができる。図6に示されるパターンAにおいて、実線部SL及びグレー部Gは、遮光部であり、点線部DLは、アライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。本開示に係るタッチパネルの製造方法において、例えば、図6に示されるパターンAを有するマスクを介してポジ型の感光性樹脂層を露光することで、実線部SL及びグレー部Gに対応するパターンを有する回路配線が形成されたタッチパネルを製造することできる。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに制限されるものではない。すなわち、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。
以下の実施例において、樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で求めた重量平均分子量である。酸価は、理論酸価を用いた。
<銀ナノワイヤーの直径及び長軸長さ>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の銀ナノワイヤーを観察して、各銀ナノワイヤーの直径及び長軸長さを求めた。測定値を算術平均することで、金属ナノワイヤーの直径及び長軸長さを求めた。
<添加液Aの調製>
硝酸銀粉末0.51gを純水50mLに溶解した。得られた液に、1mol/Lのアンモニア水を液が透明になるまで添加した。その後、得られた液に、液の全量が100mLになるように純水を添加して、添加液Aを調製した。
<添加液Gの調製>
グルコース粉末0.5gを140mLの純水で溶解して、添加液Gを調製した。
<添加液Hの調製>
HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)粉末0.5gを27.5mLの純水で溶解して、添加液Hを調製した。
<銀ナノワイヤー層形成用塗布液の調製>
三口フラスコ内に純水(410mL)を添加した後、20℃にて撹拌しながら、添加液H(82.5mL)、及び添加液G(206mL)をロートにて添加した。得られた液に、添加液A(206mL)を、流量2.0mL/min、撹拌回転数800rpm(revolutions per minute。以下同じ。)で添加した。10分後、得られた液に、添加液Hを82.5mL添加した。その後、得られた液を、3℃/分で内温75℃まで昇温した。その後、撹拌回転数を200rpmに落とし、5時間加熱した。得られた液を冷却した後、ステンレスカップに入れ、限外濾過モジュールSIP1013(旭化成株式会社製、分画分子量6,000)、マグネットポンプ、及びステンレスカップをシリコンチューブで接続した限外濾過装置を用いて限外濾過を行った。モジュールからの濾液が50mLになった時点で、ステンレスカップに950mLの蒸留水を加え、洗浄を行った。上記の洗浄を10回繰り返した後、液の量が50mLになるまで濃縮を行った。なお、添加液A、添加液G、添加液Hについて、上記の方法で繰り返し作製し、銀ナノワイヤー層形成用塗布液の調製に用いた。
得られた濃縮液を、純水及びメタノール(純水及びメタノールの体積比率(純水/メタノール):60/40)で希釈することによって、銀ナノワイヤー層形成用塗布液を得た。次に、銀ナノワイヤー層形成用塗布液を、シクロオレフィンポリマーフィルムに塗布した。銀ナノワイヤー層形成用塗布液の塗布量は、ウェット膜厚が20μmとなる量とした。乾燥後の銀ナノワイヤーを含む層のシート抵抗は、60Ω/□であった。シート抵抗の測定には、非接触式の渦電流方式の抵抗測定器EC−80P(ナプソン株式会社製)を用いた。また、銀ナノワイヤーの直径は17nm、長軸長さは35μmであった。
<密着層形成用塗布液の調製>
下記表1の記載にしたがって、密着層形成用塗布液である材料A−1〜A−4をそれぞれ調製した。後述する化合物A〜化合物Cにおいて各構成単位に併記された数値は、構成単位の含有比率(モル比)を表す。
Figure 2020137797
TO−2349:カルボキシ基を有するモノマー(東亞合成(株)製、アロニックス(登録商標)TO−2349、5官能エチレン性不飽和化合物と6官能エチレン性不飽和化合物との混合物)
化合物A:下記の構成単位を有する化合物
Figure 2020137797
化合物B:下記の構成単位を有する化合物(Mw:20000)
Figure 2020137797
化合物C:下記の構成単位を有する化合物(Mw:5500)
Figure 2020137797
<ネガ型感光性樹脂層形成用塗布液の調製>
下記表2の記載にしたがって、ネガ型感光性樹脂層形成用塗布液である材料BN−1を調製した。
Figure 2020137797
カレンズAOI−BM:アクリル酸2−(O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボニルアミノ)エチル、昭和電工(株)製
<ポジ型感光性樹脂層形成用塗布液の調製>
下記表3の記載にしたがって、ポジ型感光性樹脂層形成用塗布液である材料BP−1を調製した。後述する化合物Dにおいて各構成単位に併記された数値は、構成単位の含有比率(モル比)を表す。また、材料BP−1は、密着層形成用塗布液としても使用する。
Figure 2020137797
化合物D:下記の構成単位を有する化合物(Mw:25000)
Figure 2020137797
化合物E:下記の構造を有する化合物
Figure 2020137797
<第2の樹脂層形成用塗布液の調製>
下記表4の記載にしたがって、第2の樹脂層形成用塗布液である材料C−1を調製した。
Figure 2020137797
<中間層形成用塗布液の調製>
下記表5の記載にしたがって、中間層形成用塗布液である材料D−1を調製した。
Figure 2020137797
<実施例1〜6、及び比較例1の導電性転写材料の作製>
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(仮支持体、ルミラー16KS40(東レ株式会社製))の上に、スリット状ノズルを用いて、第2の樹脂層形成用塗布液である材料C−1を塗布した後、100℃で溶剤を乾燥させることで、第2の樹脂層を形成した。材料C−1の塗布量は、乾燥後の厚さが表6の記載の厚さとなる量に調整した。
上記第2の樹脂層上に、中間層形成用塗布液である材料D−1を塗布した後、100℃で乾燥することで、中間層を形成した。材料D−1の塗布量は、乾燥後の厚さが表6の記載の厚さとなる量に調整した。
上記中間層上に、ネガ型感光性樹脂層形成用塗布液である材料BN−1を塗布した後、100℃で乾燥することで、ネガ型感光性樹脂層(即ち、第1の樹脂層)を形成した。材料BN−1の塗布量は、乾燥後の厚さが表6の記載の厚さとなる量に調整した。
上記ネガ型感光性樹脂層上に、ウェット膜厚20μmで銀ナノワイヤー層形成用塗布液を塗布し、次いで、100℃の乾燥温度で乾燥させることで、銀ナノワイヤー層(即ち銀ナノワイヤーを含む層)を形成した。銀ナノワイヤー層の膜厚は100nmであった。
上記銀ナノワイヤー層の上に、下記表6の記載にしたがって選択した密着層形成用塗布液である材料A−1〜A−4のいずれかを塗布した。材料A−1〜A−4の塗布量は、乾燥後の厚さが表6に記載の厚さとなる量に調整した。材料A−1〜A−4の塗布後、100℃の乾燥温度で乾燥させ、密着層を形成した。
次に、上記密着層の上に厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム、ルミラー16KS40(東レ株式会社製))を圧着し、実施例1〜6、及び比較例1の導電性転写材料をそれぞれ作製した。
<実施例7の導電性転写材料の作製>
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム、ルミラー16KS40(東レ株式会社製))の上に、スリット状ノズルを用いて、密着層形成用塗布液である材料A−1を塗布し、密着層を形成した。材料A−1の塗布量は、乾燥後の厚さが表6に記載の厚さとなる量に調整した。
100℃で溶剤を揮発させた後、密着層上に、スリット状ノズルを用いて、WET塗布厚さ20μmで銀ナノワイヤー層形成用塗布液を塗布し、次いで、100℃の乾燥温度で乾燥させることで、銀ナノワイヤー層(即ち銀ナノワイヤーを含む層)を形成した。銀ナノワイヤー層の膜厚は100nmであった。
上記銀ナノワイヤー層の上に、ネガ型感光性樹脂層形成用塗布液である材料BN−1を塗布した後、100℃で乾燥することで、ネガ型の感光性樹脂層(即ち、第1の樹脂層)を形成した。材料BN−1の塗布量は、乾燥後の厚さが表6の記載の厚さとなる量に調整した。
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(仮支持体、ルミラー16KS40(東レ株式会社製))上に、第2の樹脂層形成用塗布液である材料C−1を塗布した後、100℃で溶剤を乾燥させることで、第2の樹脂層を形成した。
以上の手順によって作製された、保護フィルム、密着層、銀ナノワイヤー層、及びネガ型の感光性樹脂層を有する第1の多層体と、仮支持体、及び第2の樹脂層を有する第2の多層体とを貼り合わせることで、仮支持体と、第2の樹脂層と、ネガ型の感光性樹脂層と、銀ナノワイヤー層と、密着層と、保護フィルムと、をこの順で有する実施例7の導電性転写材料を作製した。
<実施例8〜10の導電性転写材料の作製>
第1の樹脂層の形成と密着層の形成とを下記のように変更した以外は実施例1と同様に作製した。
中間層上に、ポジ型感光性樹脂層形成用塗布液である材料BP−1を塗布した後、100℃で乾燥することで、ポジ型感光性樹脂層(即ち、第1の樹脂層)を形成した。材料BP−1の塗布量は、乾燥後の厚さが表6の記載の厚さとなる量に調整した。
銀ナノワイヤー層の上に、下記表6の記載にしたがって選択した密着層形成用塗布液である材料A−1、材料A−4及び材料BP−1のいずれかを塗布し、100℃の乾燥温度で乾燥させ、密着層を形成した。材料A−1、材料A−4及び材料BP−1の塗布量は、乾燥後の厚さが表6に記載の厚さとなる量に調整した。
<透明電極パターンフィルムの作製>
保護フィルムを剥離した実施例1〜10及び比較例1の導電性転写材料を、厚さ38μm、屈折率1.53のシクロオレフィンポリマーフィルム上に貼り合わせること(以下、本段落において「ラミネート加工」という。)によって、パターン形成用積層体を得た。ラミネート加工は、MCK社製真空ラミネーターを用いて、シクロオレフィンポリマーフィルム温度40℃、ゴムローラー温度100℃、線圧3N/cm、搬送速度2m/分の条件で行った。また、ラミネート加工においては、導電性転写材料から保護フィルムを剥離することによって露出する面を、シクロオレフィンポリマーフィルム表面に接触させた。
超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、露光マスク(透明電極形成用パターンを有す石英露光マスク)面と仮支持体とを密着させ、仮支持体を介して露光量100mJ/cm(i線)で第1の樹脂層をパターン露光した。なお、実施例1〜7と実施例8〜10とでマスクをそれぞれネガ型感光性脂層用、ポジ型感光性樹脂層用と使い分けた。
仮支持体を剥離後、炭酸ソーダ1質量%水溶液を用いて、32℃で60秒間現像処理を実施した。現像処理後、透明電極パターンフィルムに超高圧洗浄ノズルから超純水を噴射することで残渣を除去した。これにより密着層、銀ナノワイヤー層、及び第1の樹脂層をパターニングした。その後、エアを吹きかけて透明電極パターンフィルム上の水分を除去した。
次いで、145℃、10分の加熱処理を行うことで、パターン化された銀ナノワイヤー層を有する透明電極パターンフィルム(パターンつき基板)を作製した。
<評価>
[ヘイズ]
ヘイズメーターNDH4000(日本電色工業株式会社製)により、上記で作製した透明電極パターンフィルムのヘイズを測定した。評価結果を表6に示す。
[面状異常]
上記で作製した透明電極パターンフィルムの上に、リンテック株式会社製の光学粘着シートMO−series(厚さ50μm)を室温下で積層した。得られた試験体を、顕微鏡を用いて200倍の倍率で観察し、下記基準にしたがって面状異常を評価した。実用上、A又はBである必要があり、Aであることが好ましい。評価結果を表6に示す。
(基準)
A:全く異常が見られない。
B:パターンの段差に気泡が若干見られるが実用上問題ない。
C:明らかにパターンの段差に気泡が入っており、実用上問題となる。
[シート抵抗]
非接触式の渦電流方式の抵抗測定器EC−80P(ナプソン株式会社製)を用いて、上記で作製した透明電極パターンフィルムのシート抵抗を測定した。評価結果を表6に示す。
Figure 2020137797
表6より、実施例1〜10の導電性転写材料によれば、比較例1の導電性転写材料に比べて、パターンとパターン上に積層される層との密着界面における面状異常を低減できることがわかった。
2018年12月27日に出願された日本国特許出願2018−246222号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 仮支持体と、
    厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、
    銀ナノワイヤーを含む層と、
    をこの順で有する導電性転写材料。
  2. 前記銀ナノワイヤーを含む層の、前記第1の樹脂層とは反対側の面上に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有する請求項1に記載の導電性転写材料。
  3. 前記第1の樹脂層、前記銀ナノワイヤーを含む層、及び前記密着層からなる群より選択される少なくとも1つが、腐食防止剤を含有する請求項2に記載の導電性転写材料。
  4. 前記密着層が、アルカリ可溶性樹脂を含有する請求項2又は請求項3に記載の導電性転写材料。
  5. 前記仮支持体と前記第1の樹脂層との間に、第2の樹脂層を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  6. 前記第1の樹脂層が、感光性樹脂層である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  7. 前記感光性樹脂層が、ネガ型の感光性樹脂層である請求項6に記載の導電性転写材料。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の導電性転写材料、及び基板を貼り合わせる工程と、
    前記導電性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
    前記パターン露光を経た導電性転写材料を現像してパターンを形成する工程と、
    をこの順に含む、パターンつき基板の製造方法。
  9. 基板と、
    銀ナノワイヤーを含む層と、
    厚さが1nm〜300nmである第1の樹脂層と、
    をこの順で有する積層体。
  10. 前記銀ナノワイヤーを含む層及び前記第1の樹脂層が、転写層である請求項9に記載の積層体。
  11. 前記基板と前記銀ナノワイヤーを含む層との間に、厚さが1nm〜250nmである密着層を有する請求項9又は請求項10に記載の積層体。
  12. 請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の積層体を有するタッチパネル。
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