JPWO2020100639A1 - ループ状係合素子を有する面ファスナー及びその製造方法 - Google Patents

ループ状係合素子を有する面ファスナー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

基布の表面にループ状係合素子が複数存在している面ファスナーにおいて、前記ループ状係合素子を構成している繊維が、1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートを含むポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなる面ファスナーは、優れた剥離・耐久性を有するループ面ファスナーを提供する。

Description

本発明は、ループ状係合素子を有する面ファスナー、特にループ状係合素子の剥離耐久性に優れたループ面ファスナー、あるいはループ状係合素子とフック状係合素子の両方が基布の同一面に混在しているフック・ループ並存面ファスナーに関する。
従来から、布製の織物基布を有する面ファスナーとして、モノフィラメント糸からなるフック状係合素子を基布の表面に有するフック面ファスナーと、該フック状係合素子と係合し得るマルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を基布の表面に有するループ面ファスナーの組み合わせが広く用いられている。
このようなループ状係合素子を基布の表面に有するループ面ファスナーにおいて、基布が、経糸、緯糸および係合素子用糸からなり、これら経糸、緯糸および係合素子用糸がともにポリエチレンテレフタレート系のマルチフィラメント糸で、緯糸が熱融着性マルチフィラメント糸であり、係合素子用糸がこの熱融着性マルチフィラメント糸により基布に固定されているポリエステル系面ファスナーが公知である(特許文献1)。
このポリエステル系ループ面ファスナーは、面ファスナー基布を構成する糸の溶融によりループ状係合素子用糸が基布に固定されていることから、従来のナイロン系やポリオレフィン系のループ面ファスナーのように裏面に係合素子固定用の接着剤層(いわゆるバックコート層)を設ける必要がなく、その結果、工程の簡略性や柔軟性に優れ、さらに得られる面ファスナーもポリエステル系繊維から形成されていることから寸法安定性や染色性に優れていることが知られている。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸をループ面ファスナーのループ状係合素子用糸として用いた場合には、ループを構成するマルチフィラメント糸の分割度合い(バラケ)が少なく、さらに繰り返し剥離によりループに変形(へたり)が生じやすく、これらのことから係合力および剥離耐久性が低下すること、また面ファスナーを縫製する際に、係合素子が縫糸により倒された場合に倒された係合素子部分を擦過しても係合素子が立ち上がらないという欠点を有している。
さらに係合素子の剛性が高く、肌触りが固く、衣料品や日用雑貨等の肌触り感が柔軟であることが求められる用途には必ずしも適したものではないこと等の問題点も有している。
このようなポリエチレンテレフタレート系ループ状係合素子の有する問題点を解決する方法として、ループ面ファスナーを構成するループ状係合素子用のマルチフィラメント糸を、ポリエチレンテレフタレート系のポリエステルからポリブチレンテレフタレート系のポリエステルに変更した、ループ面ファスナーが提案されている(特許文献2)。
確かにポリブチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を有するループ面ファスナーは、ポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を有するループ面ファスナーと比べて、ループ部でループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が分割し易く(バラけ易く)、その結果、係合力や剥離耐久性が向上し、係合素子が柔軟であることから肌触りに優れているという特長を有している。
しかしながら、このように優れた柔軟性や剥離耐久性を有するポリブチレンテレフタレート系ループ状係合素子を有する面ファスナーであるが、係合・剥離を5000回のように繰り返し行うと、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を構成する個々のフィラメントが徐々に傷つき、終には切断され、剥離耐久性に劣るという問題点を有していることを見出した。
特に、ポリブチレンテレフタレート系ループ状係合素子を有する面ファスナーの場合、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を分割させる(バラけさせる)処理を行なうと、ループ部でループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を形成する個々のフィラメントが一応は分割されて(バラけて)いるものの、十分には分割されて(バラけて)おらず、その結果、分割されて(バラけて)いることによる係合力の向上が不十分であることを見出した。さらに分割させる(バラけさせる)処理により、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を形成する個々のフィラメントの一部が切断され、その結果、係合強力の向上が不十分であることも見出した。
国際公開第2007/074791号 特開2014−27988号公報
本発明は、このようにポリブチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を有する面ファスナーよりも、さらに優れた剥離耐久性を有し、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を分割させる(バラけさせる)処理をした場合にポリブチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を有する面ファスナーよりもはるかに分割(バラケ)の程度が向上して、しかも分割させる(バラけさせる)処理によりマルチフィラメント糸を構成するフィラメントが切断され難く、その結果、係合強力が向上した面ファスナーを提供することを目的とするものである。
すなわち本発明は、基布の表面にループ状係合素子が複数存在している面ファスナーにおいて、前記ループ状係合素子を構成している繊維が、1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートを含むポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなることを特徴とする面ファスナーである。
そして、好ましくは、前記基布が、経糸、緯糸および前記ループ状係合素子用糸からなる織物である面ファスナーであって、前記経糸、前記緯糸および前記ループ状係合素子用糸がいずれもマルチフィラメント糸であり、前記緯糸が熱融着性を有しており、前記ループ状係合素子用糸が前記経糸に平行に前記織物中に織り込まれており、前記ループ状係合素子は、前記ループ状係合素子用糸が前記経糸を跨ぐことなく前記緯糸を1本跨ぐ箇所で形成され、且つ前記ループ状係合素子の根元が前記緯糸との融着により前記基布に固定されており、前記ループ状係合素子は、ループ面を経糸方向に向けて経糸方向に列をなして前記織物上に並んでおり、且つ前記列が緯糸方向に複数列平行に存在しており、前記列に存在しているループ状係合素子が跨ぐ緯糸が、前記列の隣の列のループ状係合素子が跨いでいる緯糸とは相違している上記の面ファスナーである。
さらに好ましくは、前記基布が平織構造であって、前記ループ状係合素子用糸は、前記経糸に平行に前記経糸4本毎に織物基布に織り込まれており、前記緯糸5本を浮沈して緯糸上に浮き上がった箇所で係合素子用ループを形成している上記の面ファスナーである。
また好ましくは、前記ループ状係合素子用糸が、32〜45dtexのフィラメントが6〜12本集束されたマルチフィラメント糸である上記の面ファスナーである。
また本発明は、上記の面ファスナーにおいて、前記ループ状係合素子用糸の一部がフック状係合素子用ポリエチレンテレフタレート系モノフィラメント糸に置き換えられて、前記フック状係合素子用ポリエチレンテレフタレート系モノフィラメント糸が前記経糸に平行に織物に織り込まれ、フック状係合素子は前記経糸および前記緯糸を跨ぐ箇所で形成され、前記ループ状係合素子と前記フック状係合素子が前記基布の表面に混在している面ファスナーである。
また好ましくは、前記ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、ループ部で分割されており、且つ、前記マルチフィラメント糸の各々は前記ループ部で切断されていない上記の面ファスナーである。
また本発明は、経糸、熱融着性緯糸およびループ状係合素子用糸からなり、前記経糸、前記熱融着性緯糸および前記係合素子用糸がともにマルチフィラメント糸であり、
前記ループ状係合素子用糸が、前記経糸に平行に織り込まれており、前記経糸を跨ぐことなく緯糸を1本跨ぐ箇所でループを形成しており、
前記ループは、経糸方向に列をなして織物上に並んでおり、且つ、前記列が緯糸方向に複数列平行に存在しており、前記列に存在しているループが跨ぐ緯糸が、前記列の隣の列のループが跨いでいる緯糸とは相違している織物を織った後に、前記熱融着性緯糸を加熱して、融着させて、前記ループ状係合素子用糸を前記織物に固定してループ状係合素子とする面ファスナーの製造方法において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートを含むポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸を用いることを特徴とする面ファスナーの製造方法である。
そして、好ましくは、上記の面ファスナーの製造方法において、前記ループ状係合素子用糸が25〜45%の破断伸度を有するマルチフィラメント糸である。
そして、好ましくは、上記の面ファスナーの製造方法において、前記ループ状係合素子用糸の一部をフック状係合素子用モノフィラメント糸に置き換えて、前記フック状係合素子用モノフィラメント糸を前記経糸に平行に前記織物に織り込み、前記フック状係合素子用モノフィラメント糸が前記経糸および前記熱融着性緯糸を跨ぐ箇所でループを形成し、前記熱融着性緯糸を加熱して融着させて、前記ループ状係合素子用糸および前記フック状係合素子用モノフィラメント糸を前記織物に固定した後に、前記フック状係合素子用モノフィラメント糸により形成されたループの片脚を切断することにより、フック状係合素子とする。
本発明では、ループ状係合素子を構成する繊維、好ましくはループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸として、1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされたポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸を用いている。通常、繊維を構成するポリマーに他のポリマーをブレンドすると2種のポリマーの相溶性等から繊維物性が大きく劣化することが多い。しかしながら、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルは、ポリトリメチレンテレフタレートをブレンドすると、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として使用する場合において、係合・剥離を繰り返しても、ポリブチレンテレフタレート単独からなるマルチフィラメント糸の場合と比べて、マルチフィラメント糸を構成する個々のフィラメントが傷つき難く、切断され難く、さらに整合素子が倒れ難く、その結果、剥離耐久性が大きく向上する。
また、ループ状係合素子を針布等で擦って、ループ状係合素子を構成しているマルチフィラメント糸を個々のフィラメントに分割させる(バラけさせる)処理を行った場合にも、同処理により、マルチフィラメント糸を構成するフィラメントが切断され難く、より完璧に個々のフィラメントまで分割させる(バラけさせる)ことが可能となり、係合強力の向上をもたらすこととなる。
本発明の面ファスナーの好適な一例を模式的に示す斜視図である。 本発明の面ファスナーの緯糸方向の断面を示す写真である。 従来のポリブチレンテレフタレート単独からなるマルチフィラメント糸から構成されたループ状係合素子を有する面ファスナーの緯糸方向の断面を示す写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で対象となる面ファスナーは、基布の表面にループ状係合素子が複数、好ましくは多数(約30個/cm〜120個/cm)存在している面ファスナーである。
基布は、織物、編物、不織布のいずれであってもよいが、好ましくは、経糸、緯糸および係合素子用糸から織られた織物の場合である。織物の場合には、本発明の特長が顕著となる。
不織布や編物の場合には、不織布や編物の表面を針布等で掻き、不織布や編物を構成している繊維をループ状に基布表面から引き出すことにより、ループ状係合素子を表面に有する布製の面ファスナーが得られる。
基布としては織物が好ましい。また、経糸、緯糸およびループ状係合素子用糸がともにマルチフィラメント糸であり、しかも緯糸が熱融着性を有しており、ループ状係合素子用糸が経糸に平行に織物中に織り込まれており、ループ状係合素子は、ループ状係合素子用糸が経糸を跨ぐことなく緯糸を1本跨ぐ箇所で形成され、且つループ状係合素子の根元が緯糸との融着により基布に固定されているのが特に好ましい。
なお、本発明において熱融着性とは、加熱によって軟化する性質のことであり、より詳細には、熱融着性繊維をある温度以上に加熱した際に軟化し、該繊維と密接に接触している、同素材または異素材からなる繊維と融着することが可能であることを意味する。
経糸は、熱や吸水・吸湿により波打ち(面ファスナーの基布面が不規則に上下して、水平な面とならない状態)を生じない点から、さらに緯糸の熱融着性を向上させる点から、実質的にポリエチレンテレフタレート系ポリエステルのポリマーから構成されているのが好ましい。ポリエチレンテレフタレートホモポリマーから形成されているのがより好ましい。
経糸として用いられるマルチフィラメント糸の太さとしては、20〜54本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100〜300デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、24〜48本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150〜250デシテックスであるマルチフィラメント糸が特に好ましい。
緯糸は熱融着性マルチフィラメント糸を含んでいるのが好ましい。熱融着性マルチフィラメント糸の好適な代表例として、鞘成分を熱融着成分とする芯鞘型の熱融着性フィラメントが集束したマルチフィラメント糸が挙げられる。
緯糸が熱融着性マルチフィラメント糸を含んでいることにより、係合素子用糸を基布に強固に固定することが可能となり、従来の面ファスナーのように係合素子用糸が基布から引き抜かれることを防ぐためにポリウレタン系やアクリル系のバックコート樹脂を面ファスナー基布裏面に塗布する必要もなくなり、工程を簡略化することができ、さらに基布裏面がバックコート樹脂で固められていないことから面ファスナーの柔軟性や通気性が得られる。さらにバックコート樹脂層が存在することにより面ファスナーの染色性が大きく損なわれることもない。
上記した芯鞘型の熱融着性マルチフィラメント糸としては、鞘成分が熱処理条件で溶融して、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸の根元を基布に強固に固定できるポリエステル系の樹脂からなり、芯成分が熱処理条件下では溶融しないポリエステル系の樹脂からなる芯鞘型フィラメントが複数本集束したマルチフィラメント糸が好適例として挙げられる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、イソフタル酸やアジピン酸等で代表される共重合成分を多量に共重合、例えば20〜30モル%共重合することにより融点又は軟化点を大きく低下させた共重合ポリエチレンテレフタレートを鞘成分とする芯鞘型ポリエステル系マルチフィラメント糸が代表例として挙げられる。鞘成分の融点または軟化点としては100〜200℃であり、かつ経糸や芯成分やループ状係合素子用マルチフィラメント糸の融点より20〜150℃低いのが好ましい。芯鞘型熱融着性繊維の断面形状としては、同心芯鞘であっても、偏心芯鞘であっても、あるいは1芯芯鞘であっても、多芯芯鞘であってもよい。
さらには、緯糸を構成するマルチフィラメント糸の全てが上記熱融着性マルチフィラメント糸であるのが、ループ状係合素子用糸が強固に基布に固定されることとなるため好ましい。緯糸を構成するマルチフィラメント糸が芯鞘断面形状ではなく、断面の全てが熱融着性のポリマーで形成されている場合には、溶けて再度固まった熱融着性ポリマーは脆く割れやすくなり、縫製した場合等は縫糸部分から基布が裂け易くなる。したがって、熱融着性マルチフィラメント糸は、熱融着されない樹脂を含んでいることが好ましく、芯鞘の断面形状を有していることがより好ましいということになる。そして、芯成分と鞘成分の質量比率は20:80〜80:20の範囲、特に75:25〜55:45の範囲が好ましい。
緯糸としてはマルチフィラメント糸が好ましく、緯糸を構成するマルチフィラメント糸の太さとしては、10〜72本のフィラメントからなるトータルデシテックスが80〜300デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、特に18〜36本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100〜240デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましい。
本発明において重要なことは、ループ状係合素子を構成している繊維としてのループ状係合素子用マルチフィラメント糸がポリブチレンテレフタレート系ポリエステルに対して1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされたポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなることである。
ポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされた(ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートとを含む)ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸は紡糸の際に、ポリブチレンテレフタレートチップにポリトリメチレンテレフタレートチップをブレンドして紡糸する、いわゆる混合紡糸により容易に得られる。
ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルに対して1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされていることにより、係合・剥離を繰り返しても、ポリブチレンテレフタレート単独(すなわちポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされていない)からなるマルチフィラメント糸の場合と比べて、マルチフィラメント糸を構成する個々のフィラメントが係合・剥離の繰り返しにより傷つき難く、切断され難く、その結果、剥離耐久性が大きく向上することとなる。なお、本発明で言う1〜8質量%のトリメチレンテレフタレートがブレンドされたとは、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルに対する値である。もちろん、ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレート以外の樹脂が僅かならば、他の任意成分として、性能を損なわない範囲でブレンドされていてもよく、さらに、他の任意成分として、各種安定剤や着色剤等が、性能を損なわない範囲で添加されていてもよい。ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレートの2成分の合計質量が、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル(「ポリブチレンテレフタレート」+「ポリトリメチレンテレフタレート」+「他の任意成分」)の質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であること(ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレートの2成分のみであること)が特に好ましい。
ブレンドする樹脂が、ポリトリメチレンテレフタレートではなく、ナイロン系樹脂やポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等である場合には、剥離耐久性の向上は得られず、係合・剥離を繰り返すことによりループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸がフィブリル化し易くなり、剥離耐久性の向上は得られない。したがって、ポリトリメチレンテレフタレートに特有の効果である。
ポリトリメチレンテレフタレートのブレンド量がポリブチレンテレフタレートに対して1質量%未満の場合には、ポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされている効果が殆ど発現しない。またブレンド量が8質量%を超えた場合には、本発明で好適とされる極めて太いフィラメントからなる均一太さのマルチフィラメント糸を工業的に安定的に製造することが難しくなる。好ましくは2〜7質量%、より好ましくは2〜5質量%、さらに好ましくは3〜5質量%のポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされている。
ループ状係合素子用糸の太さとしては、32〜45dtexのフィラメントが6〜12本、特に6〜9本集束されたマルチフィラメント糸が好ましい。この太さは、一般的にループ面ファスナーに用いられているループ状係合素子用マルチフィラメント糸が15〜30dtexのフィラメントが10〜20本集束したものであると比べて、構成する個々にフィラメントが太く、かつ集束本数も少ない。構成する個々のフィラメントが太いことにより係合・剥離の繰り返しによりループ状係合素子が傷つき難くなり、剥離耐久性が向上し、さらにこのような太いフィラメントの集束本数が少ないことから分割し易くなり(バラけ易くなり)係合強力の向上をもたらす。
さらに、本発明において、面ファスナー製造に使用するループ状係合素子用マルチフィラメント糸は25〜45%の破断伸度を有している場合が、ポリトリメチレンテレフタレートをブレンドする効果が最もよく発現することを見出した。この範囲を外れる場合には、効果は低下する。ループ状係合素子用マルチフィラメント糸の破断伸度は、主としてマルチフィラメント糸の製造時の延伸倍率により左右され、延伸倍率を2.5〜3.5倍程度に保つことにより破断伸度25〜45%の、ポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされたポリブチレンテレフタレート製のマルチフィラメント糸が得られる。
以上述べた経糸、緯糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸から、面ファスナー用織物を織成する。織物の織組織としては、図1に示すように、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸(3)を経糸(1)の一部とした平織が好ましく、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸は、経糸と平行に存在しつつ、組織の途中で基布面から立ち上がり、経糸をまたぐことなくループ(4)を形成している織組織が好ましい。
そして、経糸の織密度としては、熱処理後の織密度で50〜90本/cmが、また緯糸の織密度としては、熱処理後の織密度で15〜25本/cmが好ましい。そして、緯糸の質量割合としては、面ファスナーを構成するループ状係合素子用糸と経糸と緯糸の合計質量に対して10〜45%が好ましい。
そして、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸の打ち込み本数は、それぞれ、経糸20本(フック状係合素子用モノフィラメント糸またはループ状係合素子用マルチフィラメント糸を含む)に対して3〜6本程度が好ましい。特に好ましくは、経糸5本(ループ状係合素子用マルチフィラメント糸を含む)に対してループ状係合素子用マルチフィラメント糸1本の割合であり、ループ状係合素子用糸は経糸に対して偏ることなく均一に打ち込まれるのが好ましい。したがって経糸4本が連続するその両隣にループ状係合素子用糸が存在しているのが好ましい。
そして、本発明のループ面ファスナーにおいて、図1に示すように、ループ状係合素子は経糸方向(MD方向)に列をなして織物上に並んでおり、且つそのような列が緯糸方向(CD方向)に複数列平行に存在しており、列に存在しているループ状係合素子が跨ぐ緯糸が、その隣の列の係合素子が跨いでいる緯糸とは相違しているようにすることが、特定の緯糸に剥離の際の力が集中することを防ぐことができ、その結果、剥離耐久性を向上させることが出来ることから好ましい。
特に本発明において、係合素子用糸は、図1に示すように、経糸(1)に平行に経糸4本毎に織物基布に織り込まれており、緯糸(2)を5本を浮沈して緯糸上に浮き上がった箇所で係合素子用ループ(4)を形成しているものが係合強力と剥離耐久性の両方を満足できることから好ましい。
このようにして得られた面ファスナー用織物に、次に熱処理をして緯糸を構成する芯鞘型熱融着性マルチフィラメント糸の鞘成分を溶融させる。これにより、従来の面ファスナーで行われていたバックコート処理が不要となり、バックコート用樹脂液の溶剤の蒸散による職場環境の悪化やバックコート樹脂液が装置に付着する等の問題点、さらにバックコート樹脂層により面ファスナーの柔軟性が損なわれるという問題点が生じることを防ぐことができる。熱処理の際の温度としては、熱融着性マルチフィラメント糸の鞘成分が溶融または軟化するがそれ以外の糸は溶融しない温度である150〜220℃が一般的に用いられ、より好ましくは185〜210℃の範囲である。
さらに、この熱処理の際の熱によりループが自然に捩れてループ面を経糸方向に向けることとなる。特に、トリメチレンテレフタレートを含有するポリブチレンテレフタレートからマルチフィラメント糸の場合、中でも上記したような太いフィラメントが少数の本数で集束しているマルチフィラメント糸であって、ループの足元で経糸を跨がずに緯糸から立ち上がっている場合には、捩れてループ面を経糸方向に向け易い。特に、図1に示すように、ループ状係合素子用糸が経糸を跨ぐことなく緯糸を1本跨ぐ箇所でループを形成している場合には、捩れ易くループ面を経糸方向に向け易い。
ループ面が経糸方向を向いている場合には、フック状係合素子との均一な係合が起こり易く、さらにループ状係合素子の表面を針布等で撫でてループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を分割させる(バラけさせる)際に、個々のフィラメントに分割し易く(バラけ易く)、かつ分割させる(バラけさせる)際の処理により個々のフィラメントの一部が切断されることも殆どない。なお、本発明でいう、ループ面が経糸方向を向いているとは、ループ面が完全に経糸方向を向いている場合の他に、緯糸方向よりも経糸方向に近い方向を向いている場合も包含している。
図2は、本発明の面ファスナーのループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を針布で擦って構成するマルチフィラメント糸を分割させた(バラけさせた)場合の写真であり、図3は、従来のループ状係合素子用マルチフィラメント糸がポリブチレンテレフタレート単独からなる場合であり、この場合には同様に針布で擦っても構成するマルチフィラメント糸が個々のフィラメントまで分割していない(バラけていない)ことがこれら写真から分かる。
そして、ループ面ファスナーにおけるループ状係合素子の密度としては、係合素子が存在している基布部分基準で25〜125個/cmが好ましい。また、ループ状係合素子の高さとしては基布面から1.5〜3.5mmが好ましい。
そして、本発明のループ面ファスナーにおいて、ループ状係合素子の表面を針布等で擦って、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を個々のフィラメントに分割させる(バラけさせる)のが、剥離耐久性を高める上でより好ましい。前記したように、本発明の面ファスナーでは、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸には、ポリトリメチレンテレフタレートが添加されていることから、個々のフィラメントまで分割し易く(バラけ易く)、その結果、優れた係合強力と剥離耐久性が得られる。
以上、ループ面ファスナーの場合について詳細に説明してきたが、本発明は、面ファスナーの表面にループ状係合素子とフック状係合素子が混在している場合においても有効である。
その際のフック状係合素子には、軽い力ではフック形状が伸展されない、いわゆるフック形状保持性と剛直性が求められ、そのために太いモノフィラメント糸が用いられる。本発明では、このモノフィラメント糸として、特にフック形状保持性に優れたポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートから形成され、かつ上記熱融着性繊維を熱融着させる際の温度では溶融しないモノフィラメント糸が用いられる。フック状係合素子用モノフィラメント糸の太さとしては、直径0.12〜0.25mmのものが好ましい。
そして、フック状係合素子用モノフィラメント糸は経糸に平行に織り込まれ、フック状係合素子を形成するためのループを形成する箇所で経糸を1〜3本、緯糸1〜3本飛び越えて経糸間にもぐり込むような織組織が用いられる。
またフック状係合素子用モノフィラメント糸の打ち込み本数は、フック状係合素子用モノフィラメント糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸の合計で経糸20本(フック状係合素子用モノフィラメント糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸を含む)に対して3〜6本が好ましく、そしてフック状係合素子用モノフィラメント糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸の本数比が30:70〜70:30の範囲が好ましい。そして、経糸方向に複数のフック状係合素子が並ぶ列および複数のループ状係合素子が並ぶ列がそれぞれ2列単位で交互に織物表面に存在しているのが特に好ましい。
そして、フック・ループ混在型面ファスナーの場合には、熱処理した面ファスナー用織物の表面から突出しているフック状係合素子用ループの片脚側部を切断してフック状係合素子とする。フック状係合素子用ループは、上記したように地経糸をまたぐ場所で形成していると、ループの片足だけを容易に切断できることから好ましい。
またフック状係合素子の高さとしては基布面から1.5〜2.5mmで、かつループ状係合素子の高さより0.3〜0.8mm低いのが好ましく、特に本発明ではループ状係合素子を構成するポリブチレンテレフタレートにポリトリメチレンテレフタレートがブレンドされていることから柔軟性と風合いに優れているが、この効果が、ループ状係合素子がフック状係合素子よりも高いことにより、より一層顕著となる。
フック・ループ混在型面ファスナーにおけるフック状係合素子とループ状係合素子のそれぞれの密度としては、係合素子が存在している基布部分基準で、共に20〜40個/cmが好ましい。そして、フック状係合素子の個数とループ状係合素子の個数の比率としては、30:70〜70:30の範囲が好ましい。
そして、フック・ループ混在型面ファスナーの場合においても、ループ状係合素子の表面を針布等で擦って、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を個々のフィラメントに分割させる(バラけさせる)のが、剥離耐久性を高める上で好ましい。ループ状係合素子の高さがフック状係合素子の高さより高い場合には、針布等で擦ってもフック状係合素子が傷つき難く、係合強力および剥離耐久性を損なうことが少ない。
本発明のループ面ファスナー、またフック・ループ混在面ファスナーは、従来の一般的な面ファスナーが用いられている用途分野に用いることができるが、特に係合・剥離が繰り返し行われる用途に適しており、例えば、靴、バッグ、帽子、手袋等の他、衣類、血圧計、サポーター類、荷造りの縛りバンド、結束テープ、各種おもちゃ類、土木建築用シートの固定、組み立て・解体自在の収納箱や梱包ケース、小物類、カーテン等の幅広い分野に使用できる。
以下本発明を実施例により説明する。なお、実施例中、初期係合強力はJIS L3416:2000の方法に従って、また剥離耐久性もJIS L3416:2000に従って測定した。
破断伸度は、JIS L1096:2010(A法)に従って測定した。
なお、その際の係合相手として、面ファスナーがループ面ファスナーである場合には、クラレファスニング社製の織物製フック面ファスナーA8693Y.71を用い、また、面ファスナーがフック・ループ混在型面ファスナー(クラレファスニング社製:フック・ループ混在型面ファスナーF9820Y.12)である場合には、同フック・ループ混在型面ファスナーを用いた。
(実施例1)
面ファスナーの基布を構成する経糸、緯糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸として次の糸を用意した。
[経糸]
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:167dtexで30本
[緯糸(芯鞘型複合フィラメントからなるマルチフィラメント糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート
(軟化点:190℃)
・芯鞘比率(質量比): 70:30(芯成分:鞘成分)
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:110dtexで24本
[ループ状係合素子用マルチフィラメント糸]
・ポリトリメチレンテレフタレートを5質量%ブレンドしたポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸(融点:220℃)
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:265dtexで7本
・延伸倍率3.0倍で破断伸度は34.6%(10本の平均値)
[ループ面ファスナーの製造]
上記経糸、緯糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸を用いて、織組織として平織を用い、織密度(熱収縮処理後)が経糸55本/cm、緯糸22本/cmとなるように織った。そして、図1に示すように、経糸4本に1本の割合でループ状係合素子用マルチフィラメント糸を、経糸を跨ぐことなく経糸に平行に打ち込み、緯糸5本を浮沈したのちループを形成するように、かつループは、経糸方向に列をなして織物上に並んでおり、且つそのような列が緯糸方向に複数列平行に存在しており、列に存在しているループが跨ぐ緯糸が、その隣の列のループが跨いでいる緯糸とは相違しているように(具体的には、列に存在している前後2個のループの跨いでいる2本の緯糸の中間に位置している緯糸を、隣の列のループが跨いでいる)、基布上にループを形成した。
上記条件にて織成されたループ面ファスナー用テープを、緯糸の鞘成分のみが熱溶融し、なおかつ、経糸、ループ係合素子用マルチフィラメント、さらには緯糸の芯成分が熱溶融しない温度である200℃で熱処理を施した。その結果、鞘成分が溶融して近隣に存在する糸を緯糸の芯成分に融着させた。得られたループ面ファスナーのループ状係合素子密度は44個/cmであり、さらにループ状係合素子の基布面からの高さは2.4mmであり、そしてループ状係合素子は捩れてループ面の殆どが経糸方向を向いていた。
得られたループ面ファスナーの初期係合強力および5000回係合・剥離を繰り返したのちの剥離耐久性の結果を以下の表1に示す。
さらに、このループ係合素子用マルチフィラメントを用いて、ループ状係合素子糸が緯糸1本分沈んだのちにループを形成する、ループ状係合素子密度が120個/cmとなる起毛用組織のループ面ファスナーを織り、その後表面を針布で擦ってループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を分割させた(バラけさせた)。得られたループ面ファスナーの表面を顕微鏡で観察したところ、図2に示すように、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸はほぼ完全に個々のフィラメントに分かれて分割して(バラけて)おり、針布処理により破断されたフィラメントは見当たらなかった。
この針布で擦ったループ面ファスナーの初期係合強力及び5000回係合・剥離を繰り返したのちの剥離耐久性の結果を同表に併記した。
表1の結果から明らかなように、本実施例のループ面ファスナーは、針布で擦る処理なしのものおよび針布で擦る処理品のもの共に、初期係合強力に優れ、5000回係合・剥離を繰り返したのちの係合強力において極めて優れていることが分かる。
5000回係合・剥離を繰り返したのちのループ面ファスナーのループ状係合素子の状態を顕微鏡で拡大して観察したところ、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を形成しているフィラメントは一部破断しているものをあったが、殆ど破断しておらず、さらにマルチフィラメント糸はループ部で分割した(バラけた)状態で、倒れているループ状係合素子は全く見当たらなかった。
(実施例2〜3、比較例1〜3)
上記実施例1に使用したループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、ポリトリメチレンテレフタレートのブレンド量を、2質量%(実施例2)、7質量%(実施例3)、0質量%(比較例1)、10質量%(比較例2)に変更する以外は実施例1と同様の方法により、ループ面ファスナーを作製した。また、比較例3として、ポリトリメチレンテレフタレート単独からなるマルチフィラメント糸をループ状係合素子用マルチフィラメント糸として使用してループ面ファスナーを実施例1と同様にして作製した。
なお、ブレンド量が10質量%の場合(比較例2)の場合には、ループ面ファスナーのループ状係合素子として使用できるような均一な太さを有するマルチフィラメント糸を製造できず、したがって、ループ面ファスナーとして使用できなかった。
また、ポリトリメチレンテレフタレート単独(比較例3)の場合には、織成中にかかる張力により糸が伸び、ループ状係合素子を安定的に起き上がらせることが出来なかった。
したがって、フック状係合素子が引っ掛かるループ状係合素子にすることが出来ず、面ファスナーとすることは出来なかった。
なお、上記ブレンド量が2質量%のマルチフィラメント糸(実施例2)、上記ブレンド量が7質量のマルチフィラメント糸(実施例3)の延伸倍率は共に3倍であり、その結果、破断伸度はそれぞれ25%、40%であった。また、得られたループ面ファスナーのループ面はいずれも経糸方向を向いていたが、ポリメチレンテレフタレートのブレンド量が増加するにしたがって、ループ面が経糸方向に正確に向くようになっていた。
これら得られたループ面ファスナーの初期係合強力および5000回係合・剥離後の剥離耐久性の結果を下記表1に併記する。
さらにこれらループ面ファスナーの表面を針布で擦ってループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を分割させ(バラけさせ)、得られたループ面ファスナーの初期係合強力及び5000回係合・剥離を繰り返したのちの剥離耐久性を測定した。その結果を同表に併記した。
Figure 2020100639
さらに、これらのループ面ファスナーについて、ループ状係合素子のマルチフィラメント糸の状態を顕微鏡で観察したところ、比較例1のものは、針布で擦った状態で、図3に示すように、マルチフィラメント糸を構成する個々のフィラメントは、分割状態(バラけ状態)が少なく、集束した状態のものが多く観察された。それに対して、実施例2および実施例3のものは、共に、実施例1のもの同様に、マルチフィラメント糸を構成する個々のフィラメントは、ほぼ完全に分割している(バラけている)ことが観察された。ただし、実施例3のものは、分割した(バラけた)マルチフィラメント糸の中に、伸びている糸がいくつか観察された。
さらに、5000回係合・剥離を繰り返した後のループ面ファスナーのループ状係合素子の状態を顕微鏡で観察した結果、実施例2および実施例3のものは、実施例1のもの同様に、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を形成しているフィラメントはごく一部破断しているものもあったが、殆ど破断しておらず、さらにマルチフィラメント糸はループ部で分割した(バラけた)状態で、倒れているループ状係合素子は全く見当たらなかった。
ただし、実施例3のものは、一部破断しているマルチフィラメント糸は、伸びている糸が観察された。それに対して比較例1のものは、ループ状係合素子を構成しているマルチフィラメントを形成しているフィラメントのかなりが破断しており、さらにループ状係合素子が倒れ、係合能を消失しているものが見られた。また、ポリトリメチレンテレフタレート単独からなるマルチフィラメント糸の場合には、ループ形状の安定性に劣り、ループ面ファスナーの係合素子として使用できるようなものではなかった。
(実施例4、比較例4)
上記実施例1において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸2本単位毎に下記のフック状係合素子用モノフィラメント糸に代え、そして、面ファスナーの表面に2列のループ状係合素子列の隣に2列のフック状係合素子用ループ列が存在し、フック状係合素子用ループが形成されている箇所でフック状係合素子用マルチフィラメント糸は経糸3本、緯糸1本を跨ぐようにする以外は実施例1と同様に行い、フック・ループ混在型面ファスナー用織物を作製した(実施例4)。また、この実施例4において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、上記比較例1に使用した、ポリトリメチレンテレフタレートを全くブレンドしていないポリブチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を使用してフック・ループ混在型面ファスナー用織物を作製した(比較例4)。
[フック状係合素子用モノフィラメント]
・ポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント(融点:260℃)
・繊度:390デシテックス(直径:0.19mm)
得られた2種類の織物を実施例1と同様に熱処理し、さらに2列のフック状係合素子用ループの中央部に近い方の脚を切断して、ループをフック状係合素子とした。得られたフック・ループ混在型面ファスナーのループ状係合素子密度およびフック状係合素子密度は共に30個/cmであり、ループ状係合素子の高さは2.5mm、フック状係合素子の高さは2.0mmであった。なお、実施例4の面ファスナーではループ面が完全に経糸方向を向いていた。
得られた2種類のフック・ループ混在型面ファスナーの初期係合強力および5000回係合・剥離後の剥離耐久性の結果を下記表2に併記する。なお、係合相手として、それぞれのフック・ループ混在型面ファスナー同士を用いた。
Figure 2020100639
さらに、5000回係合・剥離を繰り返した後のループ状係合素子の状態を顕微鏡で観察した結果、実施例4のものは、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を形成しているフィラメントはごく一部破断しているものもあったが、殆ど破断しておらず、さらにマルチフィラメント糸はループ部で分割した(バラけた)状態で、倒れているループ状係合素子は全く見当たらなかった。それに対して比較例4のものは、ループ状係合素子を構成しているマルチフィラメントを形成しているフィラメントのかなりが破断しており、さらにループ状係合素子が倒れ、係合能を消失しているものが見られた。
1:経糸
2:緯糸
3:ループ状係合素子用糸
4:ループ状係合素子
MD:経糸方向
CD:緯糸方向

Claims (9)

  1. 基布の表面にループ状係合素子が複数存在している面ファスナーにおいて、
    前記ループ状係合素子を構成している繊維が、1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートを含むポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなることを特徴とする面ファスナー。
  2. 前記基布が、経糸、緯糸および前記ループ状係合素子用糸からなる織物である面ファスナーであって、
    前記経糸、前記緯糸および前記ループ状係合素子用糸がいずれもマルチフィラメント糸であり、
    前記緯糸が熱融着性を有しており、
    前記ループ状係合素子用糸が前記経糸に平行に前記織物中に織り込まれており、前記ループ状係合素子は、前記ループ状係合素子用糸が前記経糸を跨ぐことなく前記緯糸を1本跨ぐ箇所で形成され、且つ前記ループ状係合素子の根元が前記緯糸との融着により前記基布に固定されており、
    前記ループ状係合素子は、ループ面を経糸方向に向けて経糸方向に列をなして前記織物上に並んでおり、且つ前記列が緯糸方向に複数列平行に存在しており、前記列に存在しているループ状係合素子が跨ぐ緯糸が、その前記列の隣の列のループ状係合素子が跨いでいる緯糸とは相違している請求項1に記載の面ファスナー。
  3. 前記基布が平織構造であって、
    前記ループ状係合素子用糸は、前記経糸に平行に前記経糸4本毎に織物基布に織り込まれており、前記緯糸5本を浮沈して緯糸上に浮き上がった箇所で係合素子用ループを形成している請求項2に記載の面ファスナー。
  4. 前記ループ状係合素子用糸が、32〜45dtexのフィラメントが6〜12本集束されたマルチフィラメント糸である請求項1〜3のいずれかに記載の面ファスナー。
  5. 前記ループ状係合素子用糸の一部がフック状係合素子用ポリエチレンテレフタレート系モノフィラメント糸に置き換えられて、前記フック状係合素子用ポリエチレンテレフタレート系モノフィラメント糸が前記経糸に平行に織物に織り込まれ、フック状係合素子は前記経糸および前記緯糸を跨ぐ箇所で形成され、前記ループ状係合素子と前記フック状係合素子が前記基布の表面に混在している請求項2〜4のいずれかに記載の面ファスナー。
  6. 前記ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、ループ部で分割されており、且つ、前記マルチフィラメント糸の各々は前記ループ部で切断されていない請求項2〜5のいずれかに記載の面ファスナー。
  7. 経糸、熱融着性緯糸およびループ状係合素子用糸からなり、前記経糸、前記熱融着性緯糸および前記係合素子用糸がともにマルチフィラメント糸であり、
    前記ループ状係合素子用糸が、前記経糸に平行に織り込まれており、前記経糸を跨ぐことなく緯糸を1本跨ぐ箇所でループを形成しており、
    前記ループは、経糸方向に列をなして織物上に並んでおり、且つ、前記列が緯糸方向に複数列平行に存在しており、前記列に存在しているループが跨ぐ緯糸が、前記列の隣の列のループが跨いでいる緯糸とは相違している織物を織った後に、前記熱融着性緯糸を加熱して、融着させて、前記ループ状係合素子用糸を前記織物に固定してループ状係合素子とする面ファスナーの製造方法において、
    ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、1〜8質量%のポリトリメチレンテレフタレートを含むポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸を用いることを特徴とする面ファスナーの製造方法。
  8. 前記ループ状係合素子用糸が25〜45%の破断伸度を有するマルチフィラメント糸である請求項7に記載の面ファスナーの製造方法。
  9. 前記ループ状係合素子用糸の一部をフック状係合素子用モノフィラメント糸に置き換えて、前記フック状係合素子用モノフィラメント糸を前記経糸に平行に織物に織り込み、前記フック状係合素子用モノフィラメント糸が前記経糸および前記熱融着性緯糸を跨ぐ箇所でループを形成し、前記熱融着性緯糸を加熱して融着させて、前記ループ状係合素子用糸および前記フック状係合素子用モノフィラメント糸を前記織物に固定した後に、前記フック状係合素子用モノフィラメント糸により形成されたループの片脚を切断することにより、フック状係合素子とする請求項7または8に記載の面ファスナーの製造方法。

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