JPWO2020095543A1 - 電気化学式水素圧縮装置および電気化学式水素圧縮装置の運転方法 - Google Patents

電気化学式水素圧縮装置および電気化学式水素圧縮装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

電気化学式水素圧縮装置は、一対の主面を備えるプロトン伝導性の電解質膜、電解質膜の一方の主面に設けられたカソード、電解質膜の他方の主面に設けられたアノードを含むセルと、アノードとカソードとの間に電圧を印加する電圧印加器と、アノードに供給される水素含有ガスの露点を調整する露点調整器と、セルの温度が上昇すると、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を上げる制御器とを備える。

Description

本開示は、電気化学式水素圧縮装置および電気化学式水素圧縮装置の運転方法に関する。
近年、燃費向上、カーボンフリー燃料の利用の観点から、燃料電池により発電された電力でモーターを駆動して走行する燃料電池車が注目を集めており、発売が開始されている。
しかし、燃料電池車の普及にあたっては、燃料となる水素供給のインフラストラクチャを整え、全国に水素ステーションをいかに多く広範囲に設置できるかが課題となっている。これまで、水素ステーションとして、圧力スイング吸着法(PSA)で、水素を精製および圧縮する方法などが行われてきたが、装置の大型化および膨大な設置コストなどが、水素ステーションの全国展開の障害となっている。
来るべき水素社会では、水素を製造することに加えて、水素を高密度で貯蔵し、小容量かつ低コストで輸送または利用し得る技術開発が求められている。特に、分散型のエネルギー源となる燃料電池の普及の促進には、燃料供給インフラを整備する必要がある。また、燃料供給インフラに水素を安定的に供給するために、高純度の水素を精製および昇圧する様々な提案が行われている。
例えば、特許文献1には、電解質膜が挟持されたアノードとカソードとの間の電圧印加によって、水素の精製および昇圧が行われる水素精製昇圧システムが記載されている。具体的には、アノードとカソードとの間に電流が流れるとき、アノードの水素がプロトンになり、プロトンがアノードからカソードへと、水分子を同伴しながら電解質膜を移動し、カソードで水素に戻される。なお、アノード、電解質膜およびカソードの積層構造体を膜電極接合体(以下、MEA:Membrane Electrode Assembly)という。
また、定置用途の水素利用システムにおいて、P2G(Power to Gas)と呼ばれる再生可能エネルギーの余剰電力を用いて水電解で得られた水素を水素貯蔵器に貯蔵することにより、再生可能エネルギーで得られた電力と電力需要との時間的ズレへの対応などが可能となるシステムを構築することができる。この場合、例えば、特許文献1に開示された水素精製昇圧システムを用いて、水電解装置で得られた水素を高圧(例えば、約20MPa程度)で水素貯蔵器に貯蔵することができる。
また、例えば、電気化学式水素圧縮装置を用いて、都市ガスの改質などで得られた水素を高圧(例えば、40MPa程度)で水素貯蔵器に貯蔵することで、燃料電池搭載のフォークリフトの水素源として使用することができる。
特開2015−117139号公報
従来例では、電気化学式水素圧縮装置の水素圧縮動作の効率向上について十分検討されていない。
本開示の一態様(aspect)は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも水素圧縮動作の効率を向上し得る電気化学式水素圧縮装置および電気化学式水素圧縮装置の運転方法を提供する。
本開示の一態様の電気化学式水素圧縮装置は、一対の主面を備えるプロトン伝導性の電解質膜、前記電解質膜の一方の主面に設けられたカソード、前記電解質膜の他方の主面に設けられたアノードを含むセルと、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加する電圧印加器と、前記アノードに供給される水素含有ガスの露点を調整する露点調整器と、前記セルの温度が上昇すると、前記露点調整器を制御して、前記水素含有ガスの露点を上げる制御器とを備える。
また、本開示の一態様の電気化学式水素圧縮装置の運転方法は、一対の主面を備えるプロトン伝導性の電解質膜、前記電解質膜の一方の主面に設けられたカソード、前記電解質膜の他方の主面に設けられたアノードを含むセルの前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することにより、前記アノードから前記カソードに圧縮された水素を供給するステップ(a)と、前記ステップ(a)おいて、前記セルの温度が上昇すると、前記アノードに供給される水素含有ガスの露点を上げるステップ(b)とを備える。
本開示の一態様の電気化学式水素圧縮装置および電気化学式水素圧縮装置の運転方法は、従来よりも水素圧縮動作の効率を向上し得るという効果を奏する。
図1Aは、水素含有ガスの露点が調整される場合において、計算モデルの加熱量、昇温時間および潜熱の熱量の計算結果の一例を示す図である。 図1Bは、水素含有ガスの露点が固定される場合において、計算モデルの加熱量、昇温時間および潜熱の熱量の計算結果の一例を示す図である。 図2Aは、実施形態の電気化学式水素圧縮装置の一例を示す図である。 図2Bは、実施形態の電気化学式水素圧縮装置の一例を示す図である。 図3は、実施形態の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。 図4は、実施形態の変形例の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。 図5は、実施形態の第4実施例の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。 図6は、実施形態の第5実施例の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。
固体高分子電解質膜(以下、電解質膜)による電気化学式水素圧縮装置では、アノードの水素(H)をプロトン化してカソードに移動させ、プロトン(H)をカソードで水素(H)に戻すことで水素が高圧化される。このとき、一般に、電解質膜は、高温および高加湿の条件(例えば、約60℃程度)で、プロトン伝導率が上がり、電気化学式水素圧縮装置の水素圧縮動作の効率が向上する。
このような電気化学式水素圧縮装置では、高圧ガスの圧力に耐える設計が必要になるので、例えば、厚みが大きい高剛性の金属部材などによりMEAが覆われていることが多い。
ここで、複数のMEAを積層したスタックの場合、例えば、適宜の熱源でスタックを加熱するには、熱源に所望のエネルギーを付与する必要がある。特に、電気化学式水素圧縮装置の起動時には、熱源で消費するエネルギー量が増加する。
そこで、熱源のエネルギー消費量を低減して、MEAを加熱する技術について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。
電気化学式水素圧縮装置の水素源として、例えば、水電解で生成される高湿度状態の水素含有ガス、または、炭化水素化合物の改質反応で生成される高湿度状態の水素含有ガスなどが、電気化学式水素圧縮装置のアノードガスとして利用される。この場合、露点が約80℃程度の高湿度状態の水素含有ガスがMEAのアノードに供給される。
そして、このとき、仮に水素含有ガスの露点がMEAの温度より高すぎる場合、MEA内で水の凝縮が起き、MEAの触媒が水浸しになる可能性がある。すると、凝縮水によりMEAのアノードでフラディングが発生する可能性がある。
逆に、仮に水素含有ガスの露点がMEAの温度より低すぎる場合、電解質膜の高プロトン伝導度の確保に必要な電解質膜の湿潤状態を維持することが困難になる可能性がある。
以上により、MEAの温度に対してアノードに供給される水素含有ガスの露点を適切に調整することが、上記のアノードのフラディングの抑制および電解質膜のプロトン伝導率低下の抑制を図る視点で重要である。
例えば、露点が、MEAの温度にほぼ等しいか(フル加湿)、あるいは、MEAの温度よりも僅かに高い水素含有ガスがMEAのアノードに供給されることが望ましい。すると、電気化学式水素圧縮装置の水素圧縮動作の進行に伴い、MEAのアノードに存在する水素含有ガスの少なくとも一部の水素(プロトン)は、水分を同伴しながらカソードに移動するとき、水素含有ガスの水蒸気の一部が凝縮する。
以下、一例として、水素利用率が約70%程度で、アノードに存在する水素含有ガス中の水素をカソードに移動する場合の水蒸気の凝縮について説明する。
本例の場合、アノードから排出された水素含有ガス中の水素量は、アノードに供給された水素含有ガス中の水素量の約30%になる。また、MEAの温度が一定と仮定すると、アノードから排出される水素含有ガスはフル加湿状態であるので、アノードに供給される水素含有ガス中の水蒸気量もアノードに供給された水素含有ガス中の水蒸気量の約30%になる。残りの水蒸気は、アノードから凝縮水として排水されるか、電気浸透水としてプロトンに同伴してアノードからカソードに移動する。ここで、仮に、カソードが封止されている場合、温度が一定ならば、カソードで存在可能な飽和蒸気量が一定であるので、飽和水蒸気量を超えた分の水蒸気が凝縮する。つまり、アノードに供給された水素含有ガス中の水蒸気量の約70%程度が、MEAで凝縮すると考えられる。
そして、アノードおよびカソードにおいて、上記の水蒸気の凝縮が起きると、水蒸気凝縮時に発生する潜熱をMEAの温度上昇に利用することができる。また、電気化学式水素圧縮装置で水素圧縮動作が行われる場合、電解質膜を流れる電流に応じたIRロスで発生する熱についても、MEAの温度上昇に利用することができる。
そこで、以下、水蒸気凝縮時に発生する潜熱およびIRロスで発生する熱を利用することにより、MEAの温度を適切に昇温が可能かどうかについて検証した。
なお、電気化学式水素圧縮装置の起動時の温度(例えば、25℃)から所定の温度(例えば、65℃)までの熱収支シミュレーションは非定常解析である。よって、電気化学式水素圧縮装置を正確に再現した計算モデルにより数値解析シミュレーションを行うことは困難であることが多い。
よって、以下では、このような熱収支の計算を簡略化することで、MEAを昇温可能かどうかの検証が行われた。具体的には、67mm径の触媒層を有し、高さが150mmの電極(11段のスタックで、高さが150mmの電極に相当)が、肉厚が75mmのSUS316製の中空円筒体により覆われている場合の計算モデルを想定した。なお、このような簡易的な計算モデルであっても、電気化学式水素圧縮装置の熱収支の概算を知ることは可能であると考えられる。
<放熱量および外表面温度の導出>
以下、計算モデルの放熱計算および計算モデルの外表面温度TSURの導出について説明する。
まず、計算モデルで放熱量を導出した。なお、このとき、計算簡略化のため、円柱側面からの放熱のみを考慮し、円柱上下面からの放熱を無視した。
温度条件としては、電極の温度が30℃、周囲の環境温度が25℃であると仮定した。
物性条件としては、ステファンボルツマン定数として5.67×10−8W/m・Kを、SUS316の熱伝導率として16.7W/m・Kを、空冷が行われない場合のSUS316の対流熱伝達率として7.5W/m・Kを、SUS316の表面の放射率として0.5を、それぞれ使用した。
そして、上記の温度条件および物性条件のもとで、計算モデルの対流放熱量および放射放熱量を導出するとともに、対流放熱量および放射放熱量の和(以下、放熱量QRA)が、計算モデルを通過する熱量と等しくなるときの計算モデルの外表面温度TSUR(中空円筒体の外側の側面温度)を導出した。
<計算モデルの加熱に利用可能な加熱量の導出>
ここでは、露点が30℃である水素含有ガス(フル加湿)が計算モデルに供給される場合において、電流密度が1A/cmになるように面積が合計396cmの電極に電流が流れ、水素利用率が70%で水素含有ガス中の水蒸気の70%が凝縮すると仮定することで、水蒸気凝縮時に発生する潜熱の熱量QLAを導出した。そして、この潜熱の熱量QLAに、IRロスで発生する熱量QIRを足し合して得られる総熱量Q(=QLA+QIR)を導出した。なお、上記の熱量計算においては、水素含有ガスが持つ熱量は、水素含有ガスの流入出においてプラスマイナスゼロであると考え、無視した。
以上により、総熱量Qから放熱量QRAを差し引くことで、計算モデルの加熱に利用可能な加熱量Qを知ることができる(式(1))。
Q=Q−QRA=QLA+QIR−QRA・・・(1)
<昇温時間の導出>
次に、計算モデルの昇温時間の導出について説明する。
まず、計算モデルにおいて、中空円筒体内にスタックが配置されている場合の熱容量Cを、スタックの構成材料の割合から導出した。
そして、この熱容量Cをもとに、電極が、25℃から30℃まで、計算モデルを昇温するのに必要な昇温時間Tを導出した。つまり、昇温時間Tは、計算モデルの加熱で利用可能な加熱量Q(加熱量Qは時間の関数)と熱容量Cとから知ることができる。なお、熱伝達率をおおまかに見積もり、本計算の妥当性を確認した。
次いで、電極の温度を35℃、周囲の環境温度を25℃にそれぞれ設定して、露点が35℃である水素含有ガスが計算モデルに供給される場合について、上記と同様の計算を行った。
このように、電極の温度および水素含有ガスの露点を5℃ずつ上げて、これらの温度が65℃になるまで、30℃、35℃・・・65℃のそれぞれの温度における放熱量QRA、IRロスで発生する熱量QIR、潜熱の熱量QLA、昇温時間Tを導出した。
図1Aは、水素含有ガスの露点が調整される場合において、計算モデルの加熱量、昇温時間および潜熱の熱量の計算結果の一例を示す図である。具体的には、電極の温度および水素含有ガスの露点を5℃ずつ上げて、これらの温度が65℃になるまで、30℃、35℃・・・65℃のそれぞれの温度における、加熱量Q(黒丸印)、潜熱の熱量QLA(黒三角印)および昇温時間T(黒四角印)が、図1Aにプロットされている。なお、図1Aの横軸の数値は、電極の温度(℃)を表しており、図1Aの縦軸の数値は、時間(h)および熱量(W)の両者を表している。
図1Aから理解できるとおり、電極の温度が30℃〜65℃の全範囲において、加熱量Qがプラスの値を示している。つまり、潜熱の熱量QLAにIRロスで発生する熱量QIRを足し合して得られた総熱量Qが、電極の温度が30℃〜65℃の全範囲において、上記の放熱量QRAを上回るので(Q>QRA)、水蒸気凝縮時に発生する潜熱およびIRロスで発生する熱により計算モデルを適切に加熱できることが検証された。
<比較例>
比較例として、水素含有ガスの露点を30℃に固定した状態で、上記と同様の計算を行った。
図1Bは、水素含有ガスの露点が固定される場合において、計算モデルの加熱量、昇温時間および潜熱の熱量の計算結果の一例を示す図である。具体的には、水素含有ガスの露点を30℃に固定した状態で、電極の温度を5℃ずつ上げて、この温度が65℃になるまで、30℃、35℃・・・65℃のそれぞれの温度における、加熱量Q(黒丸印)、潜熱の熱量QLA(黒三角印)および昇温時間T(黒四角印)が、図1Bにプロットされている。なお、図1Bの横軸の数値は、電極の温度(℃)を表しており、図1Aの縦軸の数値は、時間(h)および熱量(W)の両者を表している。
図1Bから理解できるとおり、電極の温度が約50を超えると、加熱量Qがマイナスの値を示すことになる。つまり、潜熱の熱量QLAにIRロスで発生する熱量QIRを足し合して得られた総熱量Qが、電極の温度が約50℃を超えると放熱量QRAを下回るので(Q<QRA)、電極の温度が約50℃を超える温度範囲では、水蒸気凝縮時に発生する潜熱およびIRロスで発生する熱により計算モデルを加熱困難であると考えられる。なお、低加湿の水素含有ガスを用いて、高温の電気化学式水素圧縮装置で水素圧縮動作を行うことは、電解質膜のドライアップを招く可能性がある。よって、実際には、電極の温度を約40℃程度に制御する必要があると考えられる。
そして、以上の計算結果は、電解質膜が高温および高加湿の条件でプロトン伝導率が上がり、電気化学式水素圧縮装置の水素圧縮動作の効率が向上することを考慮すると、水素含有ガスの露点を調整する制御の技術的な意義を明確に示している。
以上のとおり、発明者らは、水蒸気凝縮時に発生する潜熱およびIRロスで発生する熱をMEAの加熱に利用することで、熱源のエネルギー消費量を低減して、MEAを適温にまで昇温できることを見出し、以下の本開示の一態様に想到した。
すなわち、本開示の第1態様の電気化学式水素圧縮装置は、一対の主面を備えるプロトン伝導性の電解質膜、電解質膜の一方の主面に設けられたカソード、電解質膜の他方の主面に設けられたアノードを含むセルと、アノードとカソードとの間に電圧を印加する電圧印加器と、アノードに供給される水素含有ガスの露点を調整する露点調整器と、セルの温度が上昇すると、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を上げる制御器とを備える。
かかる構成によると、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、従来よりも水素圧縮動作の効率を向上し得る。具体的には、水蒸気凝縮時に発生する潜熱およびIRロスで発生する熱を電気化学式水素圧縮装置のセル加熱に利用することができるので、電気化学式水素圧縮装置を効率的に、所望の温度まで昇温することができる。
また、電気化学式水素圧縮装置のセルの温度が上昇するとき、仮にアノードに供給される水素含有ガスの露点が一定であると、電解質膜のプロトン伝導率は、セルの温度上昇に伴いセル内の相対湿度が下がるので低下する。すると、電気化学式水素圧縮装置の水素圧縮動作に必要な電圧が上昇するので、電気化学式水素圧縮装置の水素圧縮動作の効率が低下する可能性がある。
しかし、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、セルの温度が上昇すると、露点調整器によりアノードに供給される水素含有ガスの露点を上げているので、上記の可能性を低減することができる。
また、本態様の電気化学式水素圧縮装置では、水素含有ガス中の水蒸気が凝縮する凝縮水の割合が、セルの温度が上昇しても、高い状態のまま維持される。よって、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、電気化学式水素圧縮装置のセルの温度が上昇しても、水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル加熱に効果的に利用することができる。
本開示の第2態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様の電気化学式水素圧縮装置において、起動時に、制御器は、加湿された水素含有ガスがアノードに供給されるよう露点調整器を制御してもよい。
電気化学式水素圧縮装置では、高圧ガスの圧力に耐える設計が必要になるので、例えば、厚みが大きい高剛性の金属部材などによりセルが覆われていることが多い。このため、電気化学式水素圧縮装置の熱容量が高いことから、電気化学式水素圧縮装置が高温化すると電気化学式水素圧縮装置は比較的冷めにくいと考えられる。これに対して、電気化学式水素圧縮装置の起動時は、セルの温度が室温であることが多い。よって、この場合、電気化学式水素圧縮装置のセルの昇温動作が必要となる。
そこで、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、起動時から加湿された水素含有ガスをアノードに供給することで、水蒸気凝縮時に発生する潜熱利用に基づいたセル加熱を、起動時において効果的に適用させることができる。
本開示の第3態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様または第2態様の電気化学式水素圧縮装置において、制御器は、電圧印加器を制御して、アノードに供給される水素含有ガス中の水素の一部を圧縮させ、残りを圧縮させなくてもよい。
ここで、仮に、水素含有ガス中の水素を全量、セルのアノードからカソードに圧縮する場合、アノード中に過剰な凝縮水が滞留することで、アノードでフラッディングが発生する可能性がある。すると、電気化学式水素圧縮装置のセルの拡散過電圧が上昇する恐れがある。
そこで、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、上記の制御の如く、アノードに供給される水素含有ガス中の水素の一部をリサイクルすることにより、アノード中に滞留する凝縮水を水素含有ガスの流れの作用によってアノード外に排水することができる。よって、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、水素含有ガス中の水素を全量、セルのアノードからカソードに圧縮する場合に比べて、アノードでフラッディングが発生する可能性を低減できる。
ところで、電気化学式水素圧縮装置の水素圧縮動作が進行すると、IRロスで発生するセルの発熱量が増加する。このとき、セル温度が過昇温とならないようにコントロールする必要がある。
そこで、電気化学式水素圧縮装置のセル温度を空冷でコントロール可能かどうかについて、上記の簡易的な計算モデルで検証した。
具体的には、計算モデルの電極の温度を65℃、周囲の環境温度を25℃にそれぞれ設定して、露点が65℃である水素含有ガス(フル加湿)が計算モデルに供給される場合において、上記と同様の条件で加熱量Qを導いた。そして、加熱量Qが放熱量QRAと等しくなる場合(Q=QRA)における、SUS316の対流熱伝達率を導いたところ、12W/m・Kであった。この数値は、強制空冷によるSUS316の対流熱伝達率は、約7.5〜100W/m・K程度であることを考慮すると、電気化学式水素圧縮装置のセル温度を空冷で十分にコントロール可能であることを意味する。
すなわち、本開示の第4態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様から第3態様のいずれか一つの電気化学式水素圧縮装置において、セルを冷却する冷却器を備え、制御器は、セルの発熱量が増加すると、冷却器を動作させてもよい。
なお、冷却器として空冷器を用いれば、セル内に冷却水などを流通する構成を取る場合に比べて、電気化学式水素圧縮装置のセル温度を空冷で簡便にコントロールすることができる。
本開示の第5態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様から第4態様のいずれか一つの電気化学式水素圧縮装置において、水素含有ガスが水電解により生成された水素含有ガスを含むものであってもよい。
水電解で生成される水素含有ガスは水蒸気を含む。例えば、水電解により生成された水素含有ガスは、露点が約80℃程度の高湿度状態である。よって、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、水電解により生成された水素含有ガスを、アノードに供給される水素含有ガスとして好適に使うことができる。
本開示の第6態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様から第5態様のいずれか一つの電気化学式水素圧縮装置において、水素含有ガスが炭化水素化合物の改質反応で生成された水素含有ガスを含むものであってもよい。
炭化水素化合物の改質反応で生成される水素含有ガスは水蒸気を含む。例えば、炭化水素化合物の改質反応で生成された水素含有ガスは、露点が約80℃程度の高湿度状態である。よって、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、炭化水素化合物の改質反応で生成された水素含有ガスを、アノードに供給される水素含有ガスとして好適に使うことができる。
本開示の第7態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様から第6態様のいずれか一つの電気化学式水素圧縮装置において、露点調整器が凝縮器を含み、制御器は、セルの温度が上昇すると、凝縮器を制御して、アノードに供給される水素含有ガスからの水の凝縮量を低下させてもよい。
かかる構成によると、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、セルの温度が上昇すると、凝縮器において水素含有ガスからの水の凝縮量を低下させることで、アノードに供給される水素含有ガスの露点を適切に上げることができる。
例えば、凝縮器の水凝縮量の増減により水素含有ガスの露点とセルの温度とを近接させることで、セルにおける水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル加熱に効果的に利用しながら、アノードでフラディングが発生すること、および、電解質膜がドライアップすることを抑制できる。なお、このとき、露点がセルの温度にほぼ等しいか、あるいは、セルの温度よりも僅かに高い水素含有ガスがセルのアノードに供給されることが望ましい。
本開示の第8態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様から第6態様のいずれか一つの電気化学式水素圧縮装置において、露点調整器が加湿器を含み、制御器は、セルの温度が上昇すると、加湿器を制御して、アノードに供給される水素含有ガスの加湿量を増加させてもよい。
かかる構成によると、本態様の電気化学式水素圧縮装置は、セルの温度が上昇すると、加湿器において水素含有ガスの加湿量を増加させることで、アノードに供給される水素含有ガスの露点を適切に上げることができる。
例えば、加湿器の加湿量の増減により水素含有ガスの露点とセルの温度とを近接させることで、セルにおける水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル加熱に効果的に利用しながら、アノードでフラディングが発生すること、および、電解質膜がドライアップすることを抑制できる。なお、このとき、露点がセルの温度にほぼ等しいか、あるいは、セルの温度よりも僅かに高い水素含有ガスがセルのアノードに供給されることが望ましい。
本開示の第9態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様から第8態様のいずれか一つの電気化学式水素圧縮装置において、制御器は、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を、セル温度+5℃以下に調整し、かつ、前記セルの温度が上昇すると、前記露点調整器を制御して、前記水素含有ガスの露点を上げる、請求項1−8のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置である。
かかる構成によると、セル内のフラッディングを効果的に抑制でき、安定な起動を実現できる。
本開示の第10態様の電気化学式水素圧縮装置は、第1態様から第8態様のいずれか一つの電気化学式水素圧縮装置において、制御器は、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を、セル温度以下に調整し、かつ、セルの温度が上昇すると、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を上げる電気化学式水素圧縮装置である。
かかる構成によると、セル内のフラッディングを効果的に抑制でき、より安定な起動を実現できる。
本開示の第11態様の電気化学式水素圧縮装置の運転方法は、一対の主面を備えるプロトン伝導性の電解質膜、電解質膜の一方の主面に設けられたカソード、電解質膜の他方の主面に設けられたアノードを含むセルのアノードとカソードとの間に電圧を印加することにより、アノードからカソードに圧縮された水素を供給するステップ(a)と、ステップ(a)おいて、セルの温度が上昇すると、アノードに供給される水素含有ガスの露点を上げるステップ(b)とを備える。
以上によると、本態様の電気化学式水素圧縮装置の運転方法は、従来よりも水素圧縮動作の効率を向上し得る。なお、本態様の電気化学式水素圧縮装置の運転方法が奏する作用効果は、第1態様の電気化学式水素圧縮装置が奏する作用効果と同様であるので詳細な説明は省略する。
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、本態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において同じ符号が付いたものは説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするためにそれぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。
(実施形態)
[電気化学式水素圧縮装置の構成]
図2Aおよび図2Bは、実施形態の電気化学式水素圧縮装置の一例を示す図である。図2Bには、電気化学式水素圧縮装置100のアノードガス拡散板31を平面視した図が示されている。
図2Aおよび図2Bに示す例では、電気化学式水素圧縮装置100は、セル40と、電圧印加器21と、露点調整器22と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素圧縮装置100のセル40は、電解質膜1と、アノードANと、カソードCAと、カソードセパレータ5Cと、アノードセパレータ5Aと、を備える。
電解質膜1は、一対の主面を備え、プロトン(H)伝導性を備える膜である。電解質膜1はプロトン伝導性を備える膜であれば、どのような構成であってもよい。例えば、電解質膜1として、フッ素系高分子電解質膜、炭化水素系電解質膜などを挙げることができる。具体的には、電解質膜1として、例えば、Nafion(登録商標、デュポン社製)、Aciplex(登録商標、旭化成株式会社製)などを用いることができるが、これらに限定されない。
カソードCAは、電解質膜1の一方の主面に設けられている。また、アノードANは、電解質膜1の他方の主面に設けられている。
図2Aに示すように、アノードANは、アノードガス拡散板31、アノード触媒層2Aおよびアノードガス拡散層3Aで構成されている。カソードCAは、カソード触媒層2Cおよびカソードガス拡散層3Cで構成されている。
カソード触媒層2Cは、電解質膜1の一方の主面に設けられている。カソード触媒層2Cは、例えば、触媒金属としてPtなどを含んでもよいが、これに限定されない。なお、図2Aおよび図2Bでは図示を省略しているが、平面視において、カソード触媒層2Cの周囲を囲むようにシール部材が設けられ、カソードCAの水素含有ガスが、このシール部材で適切にシールされている。
アノード触媒層2Aは、電解質膜1の他方の主面に設けられている。アノード触媒層2Aは、例えば、触媒金属として白金(Pt)などを含んでもよいが、これに限定されない。なお、図2Aおよび図2Bでは図示を省略しているが、平面視において、アノード触媒層2Aの周囲を囲むようにシール部材が設けられ、アノードANの水素含有ガスが、このシール部材で適切にシールされている。
カソード触媒層2Cもアノード触媒層2Aも、触媒の調製方法としては、種々の方法を挙げることができるが、特に限定されない。例えば、触媒の担体としては、導電性の酸化物粉末、炭素系粉末などを挙げることができる。炭素系粉末としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、電気導電性を有する活性炭などの粉末を挙げることができる。カーボンなどの担体に、白金若しくは他の触媒金属を担持する方法は、特に限定されない。例えば、粉末混合または液相混合などの方法を用いてもよい。後者の液相混合としては、例えば、触媒成分コロイド液にカーボンなどの担体を分散させ、吸着させる方法などが挙げられる。白金などの触媒金属の担体への担持状態は、特に限定されない。例えば、触媒金属を微粒子化し、高分散で担体に担持してもよい。
アノードガス拡散層3Aは、アノードガス拡散板31を介してアノード触媒層2A上に設けられている。アノードガス拡散層3Aは、例えば、多孔質体などで構成され、耐腐食性、導電性およびガス拡散性を備える。また、アノードガス拡散層3Aは、電気化学式水素圧縮装置100の水素圧縮動作時にアノードANおよびカソードCAの間の差圧で発生する構成部材の変位、変形を抑制し得る高剛性材料で構成する方が望ましい。
アノードセパレータ5Aは、アノードガス拡散層3Aの一方の主面および側面を覆うように設けられている。具体的には、アノードガス拡散層3Aは、アノードセパレータ5Aの中央部分の凹部内に収納されている。そして、アノードガス拡散層3Aが接するアノードセパレータ5Aの主面には、例えば、サーペンタイン状のアノード流路6が形成されている。これにより、アノードガス導入経路26を通じて外部からアノード入口6INに流入した水素含有ガスは、アノード入口6INとアノード出口6OUTとの間のアノード流路6を通過する。すると、このとき、アノード流路6を流れる水素含有ガスの一部がアノードガス拡散層3Aに供給される。アノード出口6OUTを通過した水素含有ガスは、アノードガス導出経路27を通じて外部に排出される。
なお、アノード流路6は、アノードセパレータ5Aとは別の板部材にサーペンタイン状のスリット孔に設け、両者を一体的に接合することで形成してもよいし、アノードセパレータ5Aの主面にサーペンタイン状の流路溝を加工することで形成してもよい。また、アノード流路6は、必ずしもサーペンタイン状の流路により構成されてなくてもよい。アノード流路6は、複数の直線状の流路により構成されていてもよい。
また、アノードセパレータ5Aは、例えば、金属部材などで構成され、耐腐食性および導電性を備える。アノードセパレータ5Aの材質として、例えば、白金メッキが施されたチタンなどを用いることができる。
図2Aおよび図2Bに示すように、電気化学式水素圧縮装置100には、円形のアノードガス拡散板31が設けられていてもよい。
アノードガス拡散板31は、アノードガス拡散層3Aの他方の主面およびアノード触媒層2Aに接触する円形の中央部分31Aと、アノードセパレータ5Aおよび電解質膜1に接触する円環状の周辺部分31Bと、を備える。
図2Bに示すように、アノードガス拡散板31の中央部分31Aには、複数の通気孔が形成されている。これにより、アノード触媒層2Aとアノードガス拡散層3Aとの間を水素含有ガスが、通気孔を通じて通過できる。通気孔は、例えば、数十ミクロンの間隔で開けて均等に設けられた数十ミクロン程度の開口であってもよいが、通気孔の大きさおよび間隔は、これに限定されない。なお、かかる通気孔は、例えば、レーザー加工などにより形成することができる。
これに対して、アノードガス拡散板31の周辺部分31Bには、通気孔が形成されておらず、平坦である。
アノードガス拡散板31は、例えば、金属板などで構成され、耐腐食性および導電性を備える。アノードガス拡散板31として、例えば、白金メッキが施されたチタン板を用いることができる。
なお、アノードガス拡散板31の周辺部分31B(平坦部)上に、電解質膜1を介して、図示しない円環状のシール部材が設けられている。よって、電解質膜1は、このシール部材によりアノードガス拡散板31の周辺部分31Bに押圧されている。シール部材として、例えば、Oリングなどを用いることができる。
以上のアノードガス拡散板31およびシール部材は例示であって、本例に限定されない。例えば、アノードガス拡散板31は円形プレートで構成されているが、これに限定されない。アノードガス拡散層3Aの平面視の形状が、例えば、矩形状の場合、アノードガス拡散板31の平面視の形状は矩形状であってもよいし、シール部材の平面視の形状が矩形環状であってもよい。
カソードガス拡散層3Cは、カソード触媒層2C上に設けられている。カソードガス拡散層3Cは、例えば、多孔質体などで構成され、耐腐食性、導電性およびガス拡散性を備える。例えば、カソードガス拡散層3Cは、白金メッキが施されたチタン繊維焼結体などの耐腐食性および導電性を備える多孔質体で構成されていてもよい。また、カソードガス拡散層3Cは、電気化学式水素圧縮装置100の水素圧縮動作時にアノードANおよびカソードCAの間の差圧で発生する構成部材の変位、変形に追従し得る座屈しにくい弾性材料で構成する方が望ましい。
カソードセパレータ5Cは、カソードガス拡散層3Cの主面および側面を覆うように設けられている。具体的には、カソードガス拡散層3Cは、カソードセパレータ5Cの中央部分の凹部内に収納されている。そして、カソードセパレータ5Cの適所には、カソードガス拡散層3Cに存在する高圧状態の水素含有ガスをカソードガス導出経路28を通じて外部へ導出するためのカソード流路7が設けられている。カソード流路7の個数は、図2Aに示す如く、1個でもよいし、複数個でもよい。
カソードセパレータ5Cは、例えば、金属部材などで構成され、耐腐食性および導電性を備える。カソードセパレータ5Cの材質として、例えば、白金メッキが施されたチタンなどを用いることができる。なお、カソードセパレータ5Cの外周部分は、電解質膜1に接触している。そして、この外周部分の適所に、円環溝が形成されており、上記のシール部材がこの円環溝に嵌めこまれていてもよい。
なお、カソードセパレータ5Cの形状は、有底の円筒体であってもよいし、有底の矩形筒体であってもよい。但し、カソードセパレータ5Cを円筒体で構成することにより、これを矩形筒体で構成する場合に比べ、カソードセパレータ5Cのガス圧力に対する耐性を向上させることができる。
電圧印加器21は、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加する装置である。電圧印加器21は、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加することができれば、どのような構成であってもよい。図2Aに示す例では、電圧印加器21の高電位側端子が、アノードANに接続され、電圧印加器21の低電位側端子が、カソードCAに接続されている。これにより、電圧印加器21を用いて、アノードANおよびカソードCAの間で通電が行われる。
電圧印加器21として、例えば、DC/DCコンバータ、AC/DCコンバータなどを挙げることができる。DC/DCコンバータは、電圧印加器21が、太陽電池、燃料電池、バッテリなどの直流電源と接続された場合に用いられる。AC/DCコンバータは、電圧印加器21が、商用電源などの交流電源と接続された場合に用いられる。
また、電圧印加器21は、例えば、電気化学式水素圧縮装置100に供給する電力が所定の設定値となるように、アノードANおよびカソードCA間に印加される電圧、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が調整される電力型電源であってもよい。
露点調整器22は、アノードANに供給される水素含有ガスの露点を調整する装置である。具体的には、露点調整器22は、アノード入口6INに水素含有ガスを導くためのアノードガス導入経路26上に設けられている。
露点調整器22は、アノードANに供給される水素含有ガスの露点を調整することができれば、どのような構成であってもよい。露点調整器22として、例えば、水素含有ガスを加湿する加湿器、水素含有ガス中の水蒸気を凝縮する凝縮器などを挙げることができる。
加湿器を用いた際の露点調整は、例えば、加湿器による加湿量の調整及び加湿器を通過する水素含有ガス量と加湿器をバイパスする水素含有ガス量との比率の調整のいずれかで実行される。なお、加湿器による加湿量の調整は、加湿器に設けられた加熱器の加熱量の調整、加湿器への水供給量の調整、及び加湿器への加湿ガス供給量の調整のいずれかにより実行される。また、加湿器をバイパスした水素含有ガスは、アノードANに導入される前に、加湿器を通過した水素含有ガスと合流する。
凝縮器を用いた際の露点調整は、例えば、凝縮器による凝縮量の調整及び凝縮器を通過する水素含有ガス量と凝縮器をバイパスする水素含有ガス量との比率の調整のいずれかで実行される。なお、凝縮器による凝縮量の調整は、凝縮器に設けられた冷却器の冷却量の調整で実行される。
これらの凝縮器および加湿器の詳細は実施例で説明する。
制御器50は、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の温度が上昇すると、露点調整器22を制御して、アノードANに供給される水素含有ガスの露点を上げる。例えば、起動時に、制御器50は、加湿された水素含有ガスがアノードANに供給されるよう露点調整器22を制御してもよい。
なお、上記の制御において、電気化学式水素圧縮装置100には、セル40の温度を検知する図示しない検知器が設けられていてもよい。かかる検知器として、例えば、熱電対などを挙げることができるが、これに限定されない。
制御器50は、例えば、演算回路(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶回路(図示せず)と、を備える。演算回路として、例えば、MPU、CPUなどを挙げることができる。記憶回路として、例えば、メモリなどを挙げることができる。制御器50は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
図2Aおよび図2Bには示されていないが、本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100の水素圧縮動作において必要となる部材などは適宜、設けられる。
例えば、電気化学式水素圧縮装置100は、MEA、アノードセパレータ5Aおよびカソードセパレータ5Cで構成されるセル40を10〜200個程度、積み重ねて積層体(スタック)を構成し、この積層体を、集電板および絶縁板を介して端板で挟み、両端板を締結ロッドなどで締結してもよい。なお、セル40の個数は、電気化学式水素圧縮装置100の運転条件をもとに適宜の数に設定することができる。このとき、高圧ガスが電気化学式水素圧縮装置から外部へリークしないように、MEAの両側からOリング、ガスケットなどのシール部材が設けられ、MEAと一体化して予め組み立てられていてもよい。そして、MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続するための上記の導電性のアノードセパレータ5Aおよびカソードセパレータ5Cが配置されている。
また、本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100は、セル40を加熱する加熱器を設けてなくもよいし、加熱器(図示せず)を設けてもよい。加熱器は、電気ヒータであってもよいし、加熱流体が流れる流路であってもよい。
なお、以上の図示しない様々な部材は例示であって、本例に限定されない。
[水素供給システムの構成]
以下、電気化学式水素圧縮装置100を備える水素供給システム200について説明する。
図3は、実施形態の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。
図3に示す例では、水素供給システム200は、電気化学式水素圧縮装置100と、ガス供給器23と、水素貯蔵器25と、を備える。なお、図3では、便宜上、図2Aの電気化学式水素圧縮装置100のセル40の図示が簡略化され、電圧印加器21の図示が省略されている。
また、図3に示す例では、図2Aの電気化学式水素圧縮装置100の露点調整器22は、アノードガス導出経路27を通じてアノード出口6OUTから排出される水素含有ガスと、アノードガス導入経路26を通じて水素源から供給される水素含有ガスとが混合された水素含有ガス(混合ガス)の露点を調整するように構成されている。つまり、アノードガス導出経路27は、アノード出口6OUTより排出される水素含有ガスを、露点調整器22およびガス供給器23よりも上流のアノードガス導入経路26内に供給するためのリサイクル流路である。そして、水素供給システム200では、露点調整器22により露点調整が行われた水素含有ガスが、アノードガス導入経路26を通じてアノード入口6INに供給される構成が取られている。ただし、このような水素含有ガスの再利用(リサイクル)の構成は、例示であって本例に限定されない。例えば、アノードガス導入経路26を通じてアノード入口6INに供給される水素含有ガスが全量、セル40のアノードANからカソードCAに圧縮されてもよい。
ガス供給器23は、アノードガス導入経路26上に設けられ、水素源からアノードANのアノード入口6INに水素含有ガスを供給する装置である。ガス供給器23は、このような水素含有ガスを供給することができれば、どのような構成であってもよい。
例えば、ガス供給器23は、アノードガス導入経路26を流れる水素含有ガスの流量を調整する機器であってもよい。この場合、ガス供給器23は、例えば、昇圧器と流量調整弁により構成されるが、これらのいずれか一方により構成されてもよい。昇圧器として、例えば、ポンプなどを挙げることができる。
水素貯蔵器25は、カソードガス導出経路28を通じてカソードCAのカソード流路7(図2A参照)より導出された高圧の水素(H)を貯蔵する機器である。水素貯蔵器25は、高圧の水素を貯蔵することができれば、どのような構成であってもよい。水素貯蔵器25として、例えば、タンクなどを挙げることができる。なお、水素貯蔵器25に貯蔵された水素は、図示しない開閉弁を開くことにより、適時に、図示しない水素消費体に供給することができる。水素消費体として、例えば、燃料電池などを挙げることができる。
図3には示されていないが、本実施形態の水素供給システム200の水素供給動作において必要となる部材および機器などは適宜、設けられる。
例えば、カソードCAのカソード流路7(図2A参照)より排出され、水素貯蔵器25に流入する前の高圧の水素含有ガス中の水分を除去する凝縮器が、カソードガス導出経路28上に設けられていてもよい。このとき、凝縮器とカソードCAのカソード流路7との間のカソードガス導出経路28に開閉弁が設けられていてもよい。
また、例えば、アノードガス導出経路27には、開閉弁および逆止弁が設けられていてもよい。このとき、逆止弁は、アノード出口6OUTより排出された水素含有ガスが、アノードガス導出経路27とアノードガス導入経路26との接続部に向かう方向を順方向に取るように配置されている。これにより、上記の開閉弁を開いたとき、アノードガス導出経路27内の水素含有ガスが逆流することが抑制される。
なお、以上の図示しない様々な部材および機器は例示であって、本例に限定されない。
[動作]
以下、電気化学式水素圧縮装置100の水素圧縮動作について図面を参照しながら説明する。
以下の動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
アノードガス導入経路26を通じて電気化学式水素圧縮装置100のアノードANに水素含有ガスが供給されるとともに、電圧印加器21の電力が電気化学式水素圧縮装置100に給電される。
すると、電気化学式水素圧縮装置100のアノード触媒層2Aにおいて、酸化反応で水素分子が水素イオン(プロトン)と電子とに分離する(式(2))。プロトンは、電解質膜1内を伝導してカソード触媒層2Cに移動する。電子は電圧印加器21を通じてカソードのカソード触媒層2Cに移動する。そして、カソード触媒層2Cにおいて、還元反応で水素分子が再び生成される(式(3))。
このとき、プロトンが電解質膜1中を伝導する際に、所定水量の水が、電気浸透水としてアノードANからカソードCAにプロトンと同伴して移動することが知られている。
ここで、図示しない開閉弁を用いて、カソードガス導出経路28の圧損を増加させることにより、カソードCAで生成された水素を昇圧することができる。よって、高圧状態の水素を、適時に電気化学式水素圧縮装置100から水素貯蔵器25に供給することができる。
アノード:H(低圧)→2H+2e ・・・(2)
カソード:2H+2e→H(高圧) ・・・(3)
このようにして、電気化学式水素圧縮装置100では、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加することにより、アノードANからCAカソードに圧縮された水素を供給する動作が行われる。これにより、カソードCAで圧縮された水素は、水素貯蔵器25に一時的に貯蔵される。また、水素貯蔵器25で貯蔵された水素は、適時に、燃料電池などの水素消費体に供給される。
また、電気化学式水素圧縮装置100では、アノードANからCAカソードに圧縮された水素を供給する動作において、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の温度が上昇すると、アノードANに供給される水素含有ガスの露点を上げる動作が行われる。
以上により、本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100および電気化学式水素圧縮装置100の運転方法は、従来よりも水素圧縮動作の効率を向上し得る。具体的には、水蒸気凝縮時に発生する潜熱およびIRロスで発生する熱を電気化学式水素圧縮装置100のセル加熱に利用することができるので、電気化学式水素圧縮装置100を効率的に、所望の温度まで昇温することができる。
以下、一例として、水素利用率が約70%程度で、アノードANに存在する水素含有ガス中の水素をカソードCAに移動する場合の水蒸気の凝縮について説明する。
本例の場合、アノードANから排出された水素含有ガス中の水素量は、アノードANに供給された水素含有ガス中の水素量の約30%になる。また、セル40の温度が一定と仮定すると、アノードANから排出される水素含有ガスはフル加湿状態であるので、アノードANに供給される水素含有ガス中の水蒸気量もアノードANに供給された水素含有ガス中の水蒸気量の約30%になる。残りの水蒸気は、アノードANから凝縮水として排水されるか、電気浸透水としてプロトンに同伴してアノードからカソードCAに移動する。ここで、仮に、カソードCAが封止されている場合、温度が一定ならば、カソードCAで存在可能な飽和蒸気量が一定であるので、飽和水蒸気量を超えた分の水蒸気が凝縮する。つまり、アノードANに供給された水素含有ガス中の水蒸気量の約70%程度が、セル40で凝縮すると考えられる。
そして、アノードANおよびカソードCAにおいて、上記の水蒸気の凝縮が起きると、水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル40の温度上昇に利用することができる。
なお、上記のとおり、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の温度が約30℃〜65℃の全範囲において、水蒸気凝縮時に発生する潜熱およびIRロスで発生する熱により電気化学式水素圧縮装置100のセル40を適切に加熱できることは、簡易的な計算モデルを用いた計算結果により検証されている。
ただし、水蒸気凝縮に関する以上の説明は、例示であって本例に限定されない。上記では、カソードCAが封止されている場合の水蒸気凝縮について説明したが、これに限定されない。例えば、セル40の温度が周囲の環境温度よりも高温であって、カソード流路7が、図2Aの如く、鉛直方向に延伸して、その排出口が上側に向かって開口するように設けられていれば、カソードCAが開放されている場合でも、カソード流路7から排出された水素中の水蒸気は、カソード流路7の排出口近傍で凝縮しやすい。よって、カソードCAが開放されている場合でも、アノードANに供給された水素含有ガス中の水蒸気量の約70%程度が、セル40内またはその近傍で凝縮するので、かかる水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル40の温度上昇に適切に利用することができる。
また、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の温度が上昇するとき、仮にアノードANに供給される水素含有ガスの露点が一定であると、電解質膜1のプロトン伝導率は、セル40の温度上昇に伴いセル40内の相対湿度が下がるので低下する。すると、電気化学式水素圧縮装置100の水素圧縮動作に必要な電圧が上昇するので、電気化学式水素圧縮装置100の水素圧縮動作の効率が低下する可能性がある。
しかし、本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100および電気化学式水素圧縮装置100の運転方法は、セル40の温度が上昇すると、露点調整器22によりアノードANに供給される水素含有ガスの露点を上げているので、上記の可能性を低減することができる。
また、本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100および電気化学式水素圧縮装置100の運転方法では、水素含有ガス中の水蒸気が凝縮する凝縮水の割合が、セル40の温度が上昇しても、高い状態のまま維持される。よって、本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100および電気化学式水素圧縮装置100の運転方法は、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の温度が上昇しても、水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル加熱に効果的に利用することができる。
また、本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100および電気化学式水素圧縮装置100の運転方法は、例えば、起動時から加湿された水素含有ガスをアノードANに供給することで、水蒸気凝縮時に発生する潜熱利用に基づいたセル加熱を、起動時において効果的に適用させることができる。
(第1実施例)
本実施形態の電気化学式水素圧縮装置100は、以下の制御器50の制御内容以外は、実施形態の電気化学式水素圧縮装置100と同様である。
制御器50は、電圧印加器21を制御して、アノードANに供給される水素含有ガス中の水素の一部を圧縮させ、残りを圧縮させない。
ここで、仮に、アノードANに供給される水素含有ガス中の水素を全量、セル40のアノードANからカソードCAに圧縮する場合、アノードAN中に過剰な凝縮水が滞留することで、アノードANでフラッディングが発生する可能性がある。すると、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の拡散過電圧が上昇する恐れがある。
そこで、本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、上記の制御の如く、アノードANに供給される水素含有ガス中の水素の一部をリサイクルすることにより、アノードAN中に滞留する凝縮水を水素含有ガスの流れの作用によってアノードAN外に排水することができる。よって、本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、水素含有ガス中の水素を全量、セル40のアノードANからカソードに圧縮する場合に比べて、アノードANでフラッディングが発生する可能性を低減できる。
本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、上記の特徴以外は、実施形態の電気化学式水素圧縮装置100と同様であってもよい。
(変形例)
図4は、実施形態の変形例の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。
図4に示す例では、電気化学式水素圧縮装置100が、空冷器30を備えること、および、以下の制御器50の制御内容以外は、図3の水素供給システム200と同様である。
空冷器30は、電気化学式水素圧縮装置100のセル40を冷却する装置である。空冷器30は、電気化学式水素圧縮装置100のセル40を空冷により冷却することができれば、どのような構成であってもよい。本例では、空冷器30は、送風ファン30Aを備え、送風ファン30Aからの空気(冷風)によりセル40を表面から冷却するように構成されている。
制御器50は、電気化学式水素圧縮装置100のセルの発熱量が増加すると、空冷器30を動作させる。
以上により、本変形例の電気化学式水素圧縮装置100は、例えば、セル40内に冷却水などを流通する構成を取る場合に比べて、電気化学式水素圧縮装置100のセル温度を空冷で簡便にコントロールすることができる。なお、上記のとおり、電気化学式水素圧縮装置100のセル温度を空冷でコントロール可能であることは、簡易的な計算モデルを用いた計算結果により検証されている。
また、電気化学式水素圧縮装置100の冬期停止時に、氷点下の環境で使用される場合、電気化学式水素圧縮装置100の凍結が懸念される。しかし、この場合、電気化学式水素圧縮装置100に、例えば、補助ヒータを設けること、または、送風ファン30Aからの冷風に代えて、電気化学式水素圧縮装置100のセル40に温風を送ることで、電気化学式水素圧縮装置100の凍結防止が可能になる。
本変形例の電気化学式水素圧縮装置100は、上記の特徴以外は、実施形態または実施形態の第1実施例の電気化学式水素圧縮装置100と同様であってもよい。
(第2実施例)
本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、アノードANに供給される水素含有ガスが水電解により生成された水素含有ガスを含むこと以外は、実施形態の電気化学式水素圧縮装置100と同様である。
つまり、本例の場合、図3の水素源の水素は、水電解装置(図示せず)で生成されている。なお、水電解装置は、例えば、太陽光などの再生可能エネルギーにより発電された電力を用いて、水素を生成してもよい。また、水電解装置の水電解の方式は、いずれの方式でもよい。水電解装置の水電解として、例えば、固体高分子形水電解などを挙げることができる。
ここで、水電解で生成される水素含有ガスは水蒸気を含む。例えば、かかる水素含有ガスは、露点が約80℃程度の高湿度状態である。よって、本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、水電解で生成される水素含有ガスをアノードANに供給される水素含有ガスとして好適に使うことができる。
本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、上記の特徴以外は、実施形態、実施形態の第1実施例および実施形態の変形例のいずれかの電気化学式水素圧縮装置100と同様であってもよい。
(第3実施例)
本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、アノードANに供給される水素含有ガスが炭化水素化合物の改質反応で生成された水素含有ガスを含むこと以外は、実施形態の電気化学式水素圧縮装置100と同様である。
つまり、本例の場合、図3の水素源の水素は、改質器(図示せず)で生成されている。なお、改質器の改質反応は、いずれの方式でもよい。改質器の改質反応として、例えば、水蒸気改質反応、部分酸化反応、オートサーマル反応などを挙げることができる。また、炭化水素化合物として、例えば、メタンが主成分の都市ガス、天然ガスなどを挙げることができる。
ここで、炭化水素化合物の改質反応で生成される水素含有ガスは水蒸気を含む。例えば、かかる水素含有ガスは、露点が約80℃程度の高湿度状態である。よって、本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、炭化水素化合物の改質反応で生成される水素含有ガスをアノードANに供給される水素含有ガスとして好適に使うことができる。
本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、上記の特徴以外は、実施形態、実施形態の第1実施例−第2実施例および実施形態の変形例のいずれかの電気化学式水素圧縮装置100と同様であってもよい。
(第4実施例)
図5は、実施形態の第4実施例の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。
図5に示す例では、電気化学式水素圧縮装置100の露点調整器22が凝縮器22Aを含むこと、および、以下の制御器50の制御内容以外は、図3の水素供給システム200と同様である。
凝縮器22Aは、アノードANに供給される水素含有ガス中の水蒸気を凝縮する装置である。凝縮器22Aは、アノードANに供給される水素含有ガス中の水蒸気を凝縮することができれば、どのような構成であってもよい。
例えば、凝縮器22Aは、凝縮タンク(図示せず)を備え、凝縮タンク内を水素含有ガスが通過するように構成されていてもよい。そして、凝縮器22Aは、温調機構(図示せず)により凝縮タンク内の水素含有ガスの温度が所望の温度にまで冷却されるように構成されるとよい。これにより、凝縮器22Aの凝縮タンクにおいて、水素含有ガス中の水蒸気を凝縮することができる。なお、水蒸気凝縮で発生した凝縮水は、凝縮水タンクの下方に溜まる。
また、例えば、凝縮器22Aは、バブリングタンク(図示せず)を備え、バブリングタンク内の水中を水素含有ガスが通過ように構成されていてもよい。そして、凝縮器22Aは、温調機構(図示せず)によりバブリングタンク内の水の温度を所望の温度に維持するように構成されるとよい。これにより、バブリングタンク内の水中を通過した水素含有ガスの露点が、バブリングタンク内の水の温度とほぼ等しくなるので、バブリングタンクに流入する前の水素含有ガスの露点より、上記の水温を低くすることで、凝縮器22Aのバブリングタンクにおいて、水素含有ガス中の水蒸気を凝縮することができる。
制御器50は、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の温度が上昇すると、凝縮器22Aを制御して、アノードANに供給される水素含有ガスからの水の凝縮量を低下させる。例えば、凝縮器22Aが凝縮タンクを備える場合、制御器50が、凝縮タンク内の水素含有ガスの温度を、温調機構により所望の温度にまで上げることで、水素含有ガスからの水の凝縮量を低下させることができる。
以上により、本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、セル40の温度が上昇すると、凝縮器において水素含有ガスからの水の凝縮量を低下させることで、アノードANに供給される水素含有ガスの露点を適切に上げることができる。
例えば、凝縮器22Aの水凝縮量の増減により水素含有ガスの露点とセル40の温度とを近接させることで、セル40における水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル加熱に効果的に利用しながら、アノードANでフラディングが発生すること、および、電解質膜1がドライアップすることを抑制できる。なお、このとき、露点がセル40の温度にほぼ等しいか、あるいは、セル40の温度よりも僅かに高い水素含有ガスがセル40のアノードANに供給されることが望ましい。
本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、上記の特徴以外は、実施形態、実施形態の第1実施例−第3実施例および実施形態の変形例のいずれかの電気化学式水素圧縮装置100と同様であってもよい。
(第5実施例)
図6は、実施形態の第5実施例の電気化学式水素圧縮装置を備える水素供給システムの一例を示す図である。
図6に示す例では、電気化学式水素圧縮装置100の露点調整器22が加湿器22Bを含むこと、および、以下の制御器50の制御内容以外は、図3の水素供給システム200と同様である。
加湿器22Bは、アノードANに供給される水素含有ガスを加湿する装置である。加湿器22Bは、アノードANに供給される水素含有ガスを加湿することができれば、どのような構成であってもよい。
例えば、加湿器22Bは、バブリングタンク(図示せず)を備え、バブリングタンク内の水中を水素含有ガスが通過ように構成されていてもよい。そして、加湿器22Bは、温調機構(図示せず)によりバブリングタンク内の水の温度を所望の温度に維持するように構成されるとよい。これにより、バブリングタンク内の水中を通過した水素含有ガスの露点が、バブリングタンク内の水の温度とほぼ等しくなるので、バブリングタンクに流入する前の水素含有ガスの露点より、上記の水温を高くすることで、加湿器22Bのバブリングタンクにおいて、水素含有ガスを加湿することができる。
制御器50は、電気化学式水素圧縮装置100のセル40の温度が上昇すると、加湿器22Bを制御して、アノードANに供給される水素含有ガスの加湿量を増加させる。例えば、加湿器22Bがバブリングタンクを備える場合、制御器50が、バブリングタンク内の水の温度を、温調機構により所望の温度にまで上げることで、水素含有ガスの加湿量を増加させることができる。
以上により、本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、セル40の温度が上昇すると、加湿器22Bにおいて水素含有ガスの加湿量を増加させることで、アノードANに供給される水素含有ガスの露点を適切に上げることができる。
例えば、加湿器22Bの加湿量の増減により水素含有ガスの露点とセル40の温度とを近接させることで、セル40における水蒸気凝縮時に発生する潜熱をセル加熱に効果的に利用しながら、アノードANでフラディングが発生すること、および、電解質膜1がドライアップすることを抑制できる。なお、このとき、露点がセル40の温度にほぼ等しいか、あるいは、セル40の温度よりも僅かに高い水素含有ガスがセル40のアノードANに供給されることが望ましい。すなはち、水素含有ガスの露点を、セル温度+5℃以下に調整し、かつ、セルの温度が上昇すると、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を上げることが望ましい。また、制御器は、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を、セル温度以下に調整し、かつ、セルの温度が上昇すると、露点調整器を制御して、水素含有ガスの露点を上げることがより望ましい。
本実施例の電気化学式水素圧縮装置100は、上記の特徴以外は、実施形態、実施形態の第1実施例−第3実施例および実施形態の変形例のいずれかの電気化学式水素圧縮装置100と同様であってもよい。
なお、実施形態、実施形態の第1実施例−第5実施例および実施形態の変形例は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。
また、上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
本開示の一態様は、例えば、従来よりも水素圧縮動作の効率を向上し得る電気化学式水素圧縮装置100および電気化学式水素圧縮装置100の運転方法に利用することができる。
1 :電解質膜
2A :アノード触媒層
2C :カソード触媒層
3A :アノードガス拡散層
3C :カソードガス拡散層
5A :アノードセパレータ
5C :カソードセパレータ
6 :アノード流路
IN :アノード入口
OUT :アノード出口
7 :カソード流路
21 :電圧印加器
22 :露点調整器
22A :凝縮器
22B :加湿器
23 :ガス供給器
25 :水素貯蔵器
26 :アノードガス導入経路
27 :アノードガス導出経路
28 :カソードガス導出経路
30 :空冷器
30A :送風ファン
31 :アノードガス拡散板
31A :中央部分
31B :周辺部分
40 :セル
50 :制御器
100 :電気化学式水素圧縮装置
200 :水素供給システム
AN :アノード
CA :カソード

Claims (11)

  1. 一対の主面を備えるプロトン伝導性の電解質膜、前記電解質膜の一方の主面に設けられたカソード、前記電解質膜の他方の主面に設けられたアノードを含むセルと、
    前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加する電圧印加器と、
    前記アノードに供給される水素含有ガスの露点を調整する露点調整器と、
    前記セルの温度が上昇すると、前記露点調整器を制御して、前記水素含有ガスの露点を上げる制御器とを備える電気化学式水素圧縮装置。
  2. 起動時に、前記制御器は、加湿された前記水素含有ガスが前記アノードに供給されるよう前記露点調整器を制御する請求項1に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  3. 前記制御器は、前記電圧印加器を制御して、前記水素含有ガス中の水素の一部を圧縮させ、残りを圧縮させない請求項1または2に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  4. 前記セルを冷却する冷却器を備え、前記制御器は、前記セルの発熱量が増加すると、前記冷却器を動作させる請求項1−3のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  5. 前記水素含有ガスが水電解により生成された水素含有ガスを含む請求項1−4のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  6. 前記水素含有ガスが炭化水素化合物の改質反応で生成された水素含有ガスを含む請求項1−5のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  7. 前記露点調整器が凝縮器を含み、前記制御器は、前記セルの温度が上昇すると、前記凝縮器を制御して、前記水素含有ガスからの水の凝縮量を低下させる請求項1−6のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  8. 前記露点調整器が加湿器を含み、前記制御器は、前記セルの温度が上昇すると、前記加湿器を制御して、前記水素含有ガスの加湿量を増加させる請求項1−6のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  9. 前記制御器は、前記露点調整器を制御して、前記水素含有ガスの露点を、前記セル温度+5℃以下に調整し、かつ、前記セルの温度が上昇すると、前記露点調整器を制御して、前記水素含有ガスの露点を上げる、請求項1−8のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  10. 前記制御器は、前記露点調整器を制御して、前記水素含有ガスの露点を、前記セル温度以下に調整し、かつ、前記セルの温度が上昇すると、前記露点調整器を制御して、前記水素含有ガスの露点を上げる、請求項1−8のいずれか1項に記載の電気化学式水素圧縮装置。
  11. 一対の主面を備えるプロトン伝導性の電解質膜、前記電解質膜の一方の主面に設けられたカソード、前記電解質膜の他方の主面に設けられたアノードを含むセルの前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することにより、前記アノードから前記カソードに圧縮された水素を供給するステップ(a)と、
    前記ステップ(a)おいて、前記セルの温度が上昇すると、前記アノードに供給される水素含有ガスの露点を上げるステップ(b)とを備える、電気化学式水素圧縮装置の運転方法。
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