JPWO2020090137A1 - 容器詰飲料 - Google Patents

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Abstract

フラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料であって、前記フラボノイド包接化合物が、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を経て得られたものである、容器詰飲料。本発明によれば、容器詰飲料の加工および保存における品質劣化を抑制することができ食品分野において好適に利用することができる。

Description

本発明は、容器詰飲料及びその製造方法に関する。
フラボノイドには、酸化防止効果があることから、食品の香味劣化防止、色素の退色防止等に使用されており、日本の食品添加物、既存添加物、酸化防止剤リストには、フラボノイドを有効成分としているカテキン、酵素処理ルチン、ルチン抽出物、茶抽出物、ヤマモモ抽出物等が数多く報告されている。
フラボノイドは、野菜、果実、お茶等に含まれ約3000種類以上が知られているが、水難溶解性のものが多いため、清涼飲料水、水剤等、水易溶性が必要となる食品、飲料、医薬品に使用することが難しい。例えば、フラボノイドで代表的なヘスペリジンや、ルチンの水への溶解度は、0.01%以下のため、飲料等への使用は困難である。
難溶性フラボノイドの溶解性を改善する方法として、難溶性フラボノイドと水易溶性フラボノイド配糖体を組み合わせることを特徴とする水溶性改善方法(特許文献1〜2、特許文献3)、難溶性フラボノイド−β−シクロデキストリンと、グリコシルヘスペリジンを含有することを特徴とする水溶性フラボノイドが開示されている(特許文献4)。
清涼飲料水の中でも茶系飲料の場合は、他の飲料と比べて問題となる品質劣化の種類が早く、劣化は商品価値及び商品寿命を低下させるため、品質維持に対応することが必要となる。
茶系飲料の品質劣化を抑制するには、アスコルビン酸のような抗酸化剤を用いる方法が開示されている。例えば、茶系飲料にアスコルビン酸またはアスコルビン酸塩を添加したり、またシクロデキストリンとアスコルビン酸との併用技術(特許文献5)、火入れした緑茶葉とアスコルビン酸を含む水性の抽出溶媒で抽出することにより、光酸化による劣化、変質が抑制されたインスタント緑茶(特許文献6)、粉末茶を抗酸化処理することによって得られた抗酸化処理粉末茶を茶抽出液に添加することにより、光劣化による退色や変質臭の発生を抑制したインスタント緑茶(特許文献7)、アスコルビン酸や、アスコルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤を含む水溶液中で、茶葉を粉砕抽出及び微粒化した水中粉砕茶葉微粒化液を用いることにより、光劣化抑制効果を有する分散茶を製造する方法(特許文献8)が開示されている。
また、茶飲料においては、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの容器詰めの茶飲料の流通、保存中の香味劣化抑制技術として、従来より、多くの劣化抑制方法が開示されている。例えば、茶抽出の工程において100℃以下の低温で約300MPaの高圧条件下で抽出を行うことにより風味等の品質を長期保存できるようにした茶飲料の製造方法(特許文献9)、常在量を超える茶飲料抽出残渣を茶抽出液中に混在させることで、茶本来の風味を長期間にわたって保持することのできる茶飲料(特許文献10)、紅茶抽出液にトレハロースを配合することで保存中の褐変や風味劣化等の熱劣化を防止した紅茶抽出液(特許文献11)が開示されている。
更には、pH3.0〜5.0の酸性に調製したあと、再度pH5.5〜7.0に調製した透明容器入りの茶飲料とすることにより、長期加温によっても、オリの発生がなく、色劣化も少ないばかりでなく、茶抽出液本来の味、香りを保持している透明容器充填茶飲料が(特許文献12)、エキナセア・プルプレア、エキナセア・アングスティフォリア及びエキナセア・パリダの抽出物を1種または2種以上含有する香味劣化抑制剤を添加した、長期保存による異臭の生成が抑制された容器詰めの発酵茶飲料や半発酵茶飲料(特許文献13)が開示している。しかし、これらはいずれも茶飲料の劣化を抑制するために充分なものではない。
容器詰飲料においては、殺菌時や製造後販売されるまでの保存中に内容物の劣化した風味が生じるために、飲料全体の保存後の風味が著しく低下する。例えば、スポーツドリンク等の非茶系飲料に緑茶抽出物を含有させた場合、製造後の飲料の保管中に緑茶抽出物由来の劣化した風味が発生し、非茶系飲料としてふさわしくない風味となってしまう。さらに、冬季にホットベンダーで茶系飲料を販売するケースが増えている。温度の高い条件下での長時間の保管は、飲料の保管においてはかなり過酷な条件である。このため、容器詰飲料がホットベンダーに保管されて販売されるまでの間に、飲料中の風味は劣化してしまうといった問題がある。
野菜や果実を加工した飲料においても、野菜や果実を加工した飲料を容器詰飲料に加工する際には加熱等の殺菌工程を経るが、加熱殺菌工程においては野菜や果物のえぐみ、苦味、酸味、収斂味や土臭さ等の本来の風味を劣化させるといった問題が起こる。更には、保存時における経時的に風味が劣化するといった問題がある。
コーヒーは、焙煎されたコーヒー豆を、コーヒーミル等で挽いた後、ドリップ式、サイフォン式等の方法により、熱水又は水で抽出することにより得られる。抽出直後のコーヒーは香り高く美味であるが、コーヒーの香り、風味はとても繊細、不安定なものであり、抽出直後の香り、風味は時間の経過とともに変化していき、長時間保持できるものではない。工業的なコーヒー飲料の製造ではコーヒー豆と加熱水が接触する時間が長く、また、保存のために加熱殺菌がなされることから、コーヒーの重要な香りが消失し、風味も大きく変化する。そのため、工業的に製造される容器詰めコーヒー飲料は、家庭等で淹れたレギュラーコーヒーと香りや風味の点で顕著な差があった。
そこで、レギュラーコーヒーの味わいを、缶等に充填された容器詰飲料で実現するための工夫が種々提案されている。例えば、L−アスコルビン酸及び炭酸アルカリ金属塩を添加することによりコーヒー抽出液の酸化を抑制し風味安定化を図る方法(特許文献14)、ルチン、ローズマリー抽出物、セージ抽出物及び/又はクエン酸ナトリウムを添加することによりコーヒー抽出液の品質を安定化する方法(特許文献15)、糖類の少なくとも一部としてトレハロースを用いることで、加熱殺菌後、pHが変化せず、低甘味で、香味がよく、コーヒー豆のえぐみが残らず、すっきりとした後味の缶コーヒーを得る方法(特許文献16)、ペプチド及び/又はアミノ酸から選ばれた1種又は2種以上の混合物とトコフェロール及びポリフェノールを含有させて、コーヒー抽出液の風味を安定化する方法(特許文献17)、L−ヒスチジン塩酸塩をコーヒー飲料に対し0.01〜1.5質量%添加したことを特徴とする、レトルト臭やイモ臭などの異風味を改善した加熱殺菌処理コーヒー(特許文献18)などがある。また、コーヒー豆を一旦高温(50℃〜90℃)の温水にて抽出した後に、低温水(0℃〜40℃)にて抽出する2段階抽出法により、味および香りに優れた良質のコーヒー飲料を得る方法(特許文献19)など、抽出条件や殺菌条件等の製造条件を工夫することにより工業的なコーヒー飲料の風味を向上させる工夫も試みられている。
さらに、コーヒー風味を増強しうるコーヒー飲料用添加剤も開発されている。例えば、焙煎し粉砕されたコーヒー豆を、水−エタノール混合溶媒を用いて、10〜40℃において、10〜60日間抽出して得られる抽出液からなり、飲料用コーヒーベースに添加して優れた香り、味、コク、苦味、後切れを付与することができる、コーヒー飲料等及び乳飲料の味覚向上剤(特許文献20)がある。
一方、イソ吉草酸エチル(Ethyl Isovalerate)は、リンゴの香りの様な果実様の芳香があり、シトラス香料など香料用途として食品に添加することが知られている(特許文献21)が、コーヒーの風味を増強する作用を有することは知られていない。
また乳入りコーヒー飲料を含む乳入り飲料の製造において品質上重要な工程として、「殺菌」工程がある。殺菌工程においては、通常、250g缶で125℃、20分間の加熱殺菌がなされているが、加熱殺菌後に特有の風味劣化が発生する。しかしながらコーヒー分に、塩基性物質および/または塩基性アミノ酸を添加し、乳分と混合した後に加熱殺菌することで、沈殿物の発生を防止し、風味を改善した経済的な製造方法が知られている(特許文献22)。
特許第4902151号公報 特許第3833775号公報 特開平7−10898号公報 特許第5000373号公報 特開2004−73057号公報 特開2005−58142号公報 特開2006−254819号公報 特開2007−289115号公報 特開平5−49401号公報 特開平7−59513号公報 特開2001−245592号公報 特開2005−198531号公報 特開2015−80436号公報 特公平6−28542号公報 特公平6−75470号公報 特開平8−298932号公報 特開2002−119210号公報 特開2005−137266号公報 特開平6−70682号公報 特開2003−116464号公報 特開2005−15686号公報 特開2002−186425号公報
しかしながら、容器詰飲料において、前記先行技術文献に開示される品質劣化防止方法では十分に満足できるものではなく、さらなる改良が望まれるところである。
本発明の課題は、品質の劣化を抑制した容器詰飲料及びその製造方法を提供することである。
本発明は、下記[1]〜[23]に関する。
[1]フラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料であって、前記フラボノイド包接化合物が、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を経て得られたものである、容器詰飲料。
[2]さらにラムノースを含む、[1]記載の容器詰飲料。
[3]前記ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドが、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジン、ジオスミン、エリオシトリン、ミリシトリン、ネオヘスペリジン、ルテオリン−7−ルチノシド、デルフィニジン−3−ルチノシド、シアニジン−3−ルチノシド、イソラムネチン−3−ルチノシド、ケンペロール−3−ルチノシド、及びアカセチン−7−ルチノシドからなる群より選択される1種以上である、[1]又は[2]記載の容器詰飲料。
[4]前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリン、分枝β−シクロデキストリン、及びγ−シクロデキストリンからなる群より選択される1種以上である、[1]〜[3]いずれか記載の容器詰飲料。
[5]フラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料であって、前記フラボノイド包接化合物が、ラムノシド構造を持たないフラボノイドがシクロデキストリンに包接された化合物であり、前記フラボノイド包接化合物におけるフラボノイドとシクロデキストリンとのモル比(シクロデキストリン/フラボノイド)が0.01〜10.0である、容器詰飲料。
[6]前記フラボノイド包接化合物におけるフラボノイドが、イソクエルシトリン、ヘスペレチン−7−グルコシド、ナリンゲニン−7−グルコシド(プルニン)、ジオスメチン−7−グルコシド、ミリセチン、エリオジクチオール−7−グルコシド、ルテオリン−7−グルコシド、デルフィニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、イソラムネチン−3−グルコシド、ケンペロ−ル−3−グルコシド、アピゲニン−7−グルコシド、ケルセチン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、アカセチン−7−グルコシド、及びこれらの誘導体からなる群より選択される1種以上を含む、[5]記載の容器詰飲料。
[7]前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリン、分岐−β−シクロデキストリン、及びγ−シクロデキストリンからなる群より選択される1種以上を含む、[5]又は[6]記載の容器詰飲料。
[8]前記フラボノイド包接化合物が、イソクエルシトリンがγ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記イソクエルシトリンと前記γ−シクロデキストリンとのモル比(γ−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が1.0〜3.0であり、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上である、[5]〜[7]いずれか記載の容器詰飲料。
[9]前記フラボノイド包接化合物が、イソクエルシトリンがγ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記イソクエルシトリンと前記γ−シクロデキストリンとのモル比(γ−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が0.9〜4.0であり、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上である、[5]〜[7]いずれか記載の容器詰飲料。
[10]前記フラボノイド包接化合物が、イソクエルシトリンがβ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記イソクエルシトリンと前記β−シクロデキストリンとのモル比(β−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が1.0〜3.0であり、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上である、[5]〜[7]いずれか記載の容器詰飲料。
[11]前記フラボノイド包接化合物が、ヘスペレチン−7−グルコシドがシクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記ヘスペレチン−7−グルコシドと前記シクロデキストリンとのモル比(シクロデキストリン/ヘスペレチン−7−グルコシド)が1.0〜3.0であり、前記ヘスペレチン−7−グルコシドの水への溶解度が0.01%以上である、[5]〜[7]いずれか記載の容器詰飲料。
[12]さらにラムノースを含み、前記フラボノイド包接化合物中のフラボノイドと前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.1〜10である、[5]〜[11]いずれか記載の容器詰飲料。
[13]前記フラボノイド包接化合物中のフラボノイドと前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.8〜1.2である、[12]記載の容器詰飲料。
[14]フラボノイド配糖体組成物を含む容器詰飲料であって、前記フラボノイド配糖体組成物が、フラボノイド包接化合物を、糖転移酵素で処理して配糖体化する配糖体化工程を経て得られたものであり、前記フラボノイド包接化合物が、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を経て得られたものである、容器詰飲料。
[15]前記配糖体化工程がpH3〜7の水媒体において行われる、[14]記載の容器詰飲料。
[16]前記配糖体組成物が、下記一般式(1)で示されるイソクエルシトリン配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、[14]又は[15]記載の容器詰飲料。
Figure 2020090137
(一般式(1)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
[17]前記配糖体組成物が、下記一般式(2)で示されるヘスペレチン−7−グルコシド配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、[14]又は[15]記載の容器詰飲料。
Figure 2020090137
(一般式(2)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
[18]前記配糖体組成物が、下記一般式(3)で示されるアグリゴン配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、[14]又は[15]記載の容器詰飲料。
Figure 2020090137
(一般式(3)中、R1〜R9は、それぞれ独立して、−H、−OH、−OCH、−O−Glc−(Glc)nであり、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味し、R1〜R9のうち少なくとも1以上の置換基が−O−Glc−(Glc)nである。)
[19]さらにラムノースを含み、前記フラボノイド配糖体組成物をフラボノイド換算したモル数と前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.1〜10である、[14]〜[18]いずれか記載の容器詰飲料。
[20]前記フラボノイド配糖体組成物をフラボノイド換算したモル数と前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.8〜1.2である、[19]記載の容器詰飲料。
[21]茶系飲料、コーヒー系飲料、ココア系飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料、果汁飲料、野菜飲料、炭酸飲料、機能性飲料、ミネラルウォーター、酒類、乳性飲料、又はスープ系飲料である、[1]〜[20]いずれか記載の容器詰飲料。
[22]フラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料の製造方法であって、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を含む、製造方法。
[23]フラボノイド配糖体組成物を含む容器詰飲料の製造方法であって、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程、及び前記脱離工程を経て得られたフラボノイド包接化合物を、糖転移酵素で処理して配糖体化する配糖体化工程を含む、製造方法。
本発明によれば、品質の劣化を抑制した容器詰飲料及びその製造方法を提供することができる。
本発明者らが前記課題を検討したところ、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドをシクロデキストリンの存在下で、酵素を使用すること(酵素法)で、ラムノースを脱離することで得られたフラボノイド化合物や、当該フラボノイド化合物に糖を付加したフラボノイド配糖体組成物を容器詰飲料に配合することにより、容器詰飲料の品質劣化を著しく抑制することを見出した。このメカニズムは不明であるが、例えば溶解法や混合法で得られたフラボノイド配糖体(例えばルチン等)が、シクロデキストリンと包接する箇所は、フラボノイド配糖体のA−C環、B環、及び糖部分とランダムに包接されるが(PLOS ONE, 10(3), e0120858, 2015)、酵素法により包接化合物を作製した場合、シクロデキストリンと包接するフラボノイド配糖体の接合箇所及び比率が、一定の規則性をもって、一定の部位が強固に包接されることが予想され、又当該包接化合物より作製したフラボノイド配糖体組成物は、特異なフラボノイド配糖体のモル組成比となるため、フラボノイドの安定性が高くなり、容器詰飲料の品質劣化の抑制効果、風味劣化の防止効果、酸化防止効果等が、非常に強くなるものと推定している。なお、以下の説明では、シクロデキストリンを用いた態様を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の環状オリゴ糖も同様に用いることができる。ここで、環状オリゴ糖とは、単糖が環状につながった化合物を示し、より具体的には、シクロデキストリン、サイクロデキストラン、サイクロフルクタン、サイクロアルタナンなどが例示される。
本発明の容器詰飲料は、後述する製造方法で得られたフラボノイド包接化合物及び/又はフラボノイド配糖体組成物を含む。
フラボノイド包接化合物の含有量は、フラボノイド包接化合物におけるフラボノイドの含有量を基準として表示すると、本発明の容器詰飲料中、フラボノイドとしての含量が好ましくは0.001質量%以上となる量であり、より好ましくは0.005質量%以上となる量であり、さらに好ましくは0.01質量%以上となる量であり、容器詰飲料の風味劣化、及び品質劣化を抑制する観点から、及び経済的な観点から、好ましくは1質量%以下となる量であり、さらに好ましくは0.1質量%以下となる量である。なお、フラボノイド包接化合物を2種以上含有する場合における含有量は、それらの合計量を指す。
フラボノイド配糖体組成物の含有量は、フラボノイド配糖体組成物におけるフラボノイドの含有量を基準として表示すると、本発明の容器詰飲料中、フラボノイドとしての含量が好ましくは0.001質量%以上となる量であり、より好ましくは0.005質量%以上となる量であり、さらに好ましくは0.01質量%以上となる量であり、容器詰飲料の風味劣化、及び品質劣化を抑制する観点から、及び経済的な観点から、好ましくは1質量%以下となる量であり、さらに好ましくは0.1質量%以下となる量である。なお、フラボノイド配糖体組成物を2種以上含有する場合における含有量は、それらの合計量を指す。
なお、フラボノイド包接化合物及びフラボノイド配糖体組成物を併用する場合には、これらの合計含有量が、フラボノイドの含有量を基準として表示すると、容器詰飲料中、0.001〜1質量%であることが好ましい。
本発明の容器詰飲料に用いられるフラボノイド包接化合物の製造方法は、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を含む。
従って、本発明のフラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料の製造方法としては、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を含む、製造方法が挙げられる。
脱離工程は、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドからラムノースを脱離して、ラムノシド構造をもたないフラボノイドとシクロデキストリンとの包接化合物(「フラボノイド包接化合物」とも称す)を得る工程である。脱離工程は、水などの溶媒中で静置、又は攪拌しながら行うことができ、反応中の酸化、又は褐変を防止するために、反応系のヘッドスペースの空気を窒素等の不活性ガスで置換してもよく、またアスコルビン酸等の酸化防止剤を反応系に添加することも可能である。脱離工程は、反応液を加熱により酵素失活させる方法など公知の方法により終了することができる。
尚、本明細書において、脱離工程後の調製液をろ過した液、さらにその後スプレードライヤー、凍結乾燥等で粉末化したものは、ラムノースを含有する「フラボノイド包接化合物含有組成物」と称し、更に、ラムノースを透析、樹脂等により除去した液、あるいは乾燥物を「フラボノイド包接化合物」として記載した。
ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドとしては、フラボノイド骨格のベンゼン環にヒドロキシ基が1個以上、好ましくは、2個以上結合し、かつラムノースを保有する構造を有するものを使用することができる。ここで「難溶性」とは、25℃での水への溶解度が0.01質量%以下であることをいう。具体的には、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジン、ジオスミン、エリオシトリン、ミリシトリン、ネオヘスペリジン、ルテオリン−7−ルチノシド、デルフィニジン−3−ルチノシド、シアニジン−3−ルチノシド、イソラムネチン−3−ルチノシド、ケンペロール−3−ルチノシド、アカセチン−7−ルチノシド及びこれらの誘導体などが挙げられる。誘導体としては、アセチル化物、マロニル化物、メチル化物などが挙げられる。
ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドの使用量は、特に限定されるものではないが、反応系中、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは2〜14質量%とすることができる。ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを2種以上使用する場合の使用量は、その合計量を指す。
ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを含有する原料は、特に精製される必要はないが、精製されることが好ましい。前記原料中のラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドの含量に関しては、特に制限がなく、好ましくは20%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上のものを使用することができる。
脱離工程において存在させるシクロデキストリンは、D−グルコースが、α−1,4グリコシド結合によって結合し環状構造をとった環状オリゴ糖の一種で、7個結合しているものがβ−シクロデキストリン、8個結合しているものがγ−シクロデキストリンとなる。シクロデキストリン(CD)としては、特に限定するものではないが、好ましくはβ−シクロデキストリン(β−CD)、分枝β−シクロデキストリン(分岐β−CD)、及びγ−シクロデキストリン(γ−CD)からなる群より選択される1種以上を使用することができる。分枝β−CDは、β−CDに1個以上のグルコ-ス残基、ガラクトシル基、又はヒドロキシプロピル基が側鎖として連結したもので、マルトシルβ−CD(G2−β−CD)、ヒドロキシプロピル−β−CD(HP−β−CD)等がある。なお、「シクロデキストリンの存在下」とは、脱離反応系中にシクロデキストリンが含まれた状態であることを指す。
存在させるシクロデキストリンの量は、特に限定されるものではないが、反応系中、好ましくは0.01〜60質量%、より好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは3〜40質量%とすることができる。シクロデキストリンを2種以上使用する場合の量は、その合計量を指す。
ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドに対する、シクロデキストリンのモル比(シクロデキストリン/フラボノイド)は、効率性の観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.1以上であり、さらに好ましくは0.9以上であり、経済性の観点から、好ましくは10以下であり、より好ましくは6以下であり、さらに好ましくは4以下である。
ラムノシダーゼ活性を有する酵素としては、その起源に限定はなく、動物由来、植物由来、微生物由来等のすべての由来のもので使用できる。さらに、遺伝子組み換え酵素であってもよい。また当該酵素の形態は特に限定されない。
ラムノシダーゼ活性を有する酵素の具体例としては、ヘスペリジナーゼ、ナリンギナーゼ、及びβ−グルコシダーゼ、ペクチナーゼなどが挙げられる。
ラムノシダーゼ活性を有する酵素の使用量は、用いる酵素の種類、反応条件、原料のラムノシド構造をもつ難溶解性フラボノイド類の種類などによって異なるが、例えば、ヘスペリジナーゼ、ナリンギナーゼ、及びβ−グルコシダーゼの場合、ラムノシド構造をもつ難溶解性フラボノイド類1gに対し0.01〜1000Uであることが好ましい。反応条件は、使用する酵素の特性に合わせ反応温度や反応液のpHを選択できるが、pH3〜7とすることが好ましく、pH3.5〜6.5とすることがさらに好ましい。また、ラムノシド構造をもつ難溶解性フラボノイド類をアルカリ域で溶解後にpH7以下で酵素反応することもできる。反応系に使用される溶媒としては水媒体が挙げられる。本明細書において水性媒体とは、水、又は有機溶媒の水溶液を云う。水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、精製水が例示される。有機溶媒としては、水と均一に混合するものであれば特に限定されない。有機溶媒としては食品に適用可能であるという観点よりエタノールが好ましい。また反応温度は好ましくは10〜80℃であり、より好ましくは40〜75℃である。また、反応時間は、酵素の種類等によって異なるが、例えば、1〜100時間とすることができ、2〜24時間が好ましい。
ラムノシダーゼ活性を有する酵素は、グルコシダーゼ活性を有することもあり、グルコシダーゼ活性により、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイド(ヘスペリジン、ルチン、ナリンジン、ミリシトリン等)から、アグリコン包接化合物(ケルセチン包接化合物、ヘスペレチン包接化合物、ナリンゲニン包接化合物、ミリセチン包接化合物等)を得ることも制限はなく、これらも本発明に係るフラボノイド包接化合物に含まれる。
生成したフラボノイド包接化合物は、前記のとおりラムノシド構造をもたないフラボノイドとシクロデキストリンとの包接化合物である。ここで、包接化合物とは、一方の化学種が、分子規模の空間をつくり、その空間に形状と寸法が適合することで、他方の化学種を包接することによって生じる化合物のことを示す。
ラムノシド構造をもたないフラボノイドとしては、イソクエルシトリン、ヘスペレチン−7−グルコシド、ナリンゲニン−7−グルコシド(プルニン)、ジオスメチン−7−グルコシド、ミリセチン、エリオジクチオール−7−グルコシド、ルテオリン−7−グルコシド、デルフィニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、イソラムネチン−3−グルコシド、ケンペロ−ル−3−グルコシド、アピゲニン−7−グルコシド、ケルセチン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、アカセチン−7−グルコシド、及びこれらの誘導体などが挙げられる。
ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドと、ラムノシド構造をもたないフラボノイドの構造式の具体例を以下に示す。ラムノシド構造をもつルチン(RTN)、ヘスペリジン(HSP)、ナリンジン(NRG)、及びラムノシド構造をもたないイソクエルシトリン(IQC)、ケルセチン(QCT)、ヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)、ヘスペレチン(HPT)、ナリンゲニン−7−グルコシド(プルニン)(NGN−7G,prunin)、ナリンゲニン(NGN)の構造式は下記式となる。
Figure 2020090137
ラムノシド構造をもたないフラボノイドに対する、シクロデキストリンの包接体でのモル比(シクロデキストリン/フラボノイド)は、効率性の観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.1以上であり、さらに好ましくは0.9以上であり、さらに好ましくは1.0以上であり、経済性の観点から、好ましくは10.0以下であり、より好ましくは6.0以下であり、さらに好ましくは4.0以下である。
生成したフラボノイド包接化合物の収率は、好ましくは40〜100%であり、より好ましくは70〜100%であり、さらに好ましくは90〜100%である。収率は、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドからラムノシド構造をもたないフラボノイドへの転化率であり、後述の実施例に記載する方法により算出することができる。
生成したフラボノイド包接化合物又はフラボノイド包接化合物含有組成物(両者を「フラボノイド包接化合物等」と称す場合がある)において、フラボノイド部分の水への溶解度は、使用するラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイド及びシクロデキストリンの種類や量にもよるが、0.001%以上、好ましくは0.015%以上であり、より好ましくは0.02%以上であり、さらに好ましくは1.0%以上であり、さらに好ましくは2.0%以上であり、さらに好ましくは2.5%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。上限は特に限定されるものではないが、例えば20%以下とすることができる。本明細書においてフラボノイド部分の水への溶解度は、25℃における質量パーセント濃度であり、後述の実施例に記載する方法で測定することができる。
具体的な態様を以下に示す。
態様1−1
イソクエルシトリンがγ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であって、前記イソクエルシトリンと前記γ−シクロデキストリンとの包接体でのモル比(γ−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が、生産コストを抑える観点から、好ましくは0.9〜4.0である場合、より好ましくは1.0〜3.0である場合、さらに好ましくは1.0〜1.8である場合には、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上、好ましくは2%以上であり、より好ましくは2.5%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。
態様1−2
イソクエルシトリンがβ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であって、前記イソクエルシトリンと前記β−シクロデキストリンとの包接体でのモル比(β−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が1.0〜3.0である場合には、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上、好ましくは0.02%以上であり、より好ましくは0.03%以上であり、さらに好ましくは0.05%以上である。
態様1−3
ヘスペレチン−7−グルコシドがシクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であって、前記ヘスペレチン−7−グルコシドと前記シクロデキストリンとの包接体でのモル比(シクロデキストリン/ヘスペレチン−7−グルコシド)が1.0〜3.0である場合には、前記ヘスペレチン−7−グルコシドの水への溶解度が好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは0.02%以上であり、さらに好ましくは0.03%以上である。
上記のフラボノイド包接化合物の製造方法によれば、未精製の場合、フラボノイド包接化合物とラムノースとを含むフラボノイド包接化合物含有組成物が得られる。この場合において前記フラボノイド包接化合物中のフラボノイドと脱離したラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)は0.8〜1.2となる。
上記のフラボノイド包接化合物の製造方法は、脱離工程以外に、必要に応じて精製をすることには特に制限がなく、樹脂処理工程( 吸着法、イオン交換法等)、膜処理工程(限外濾過膜処理法、逆浸透膜処理法、ゼータ電位膜処理法等)、及び電気透析法、塩析、酸析、再結晶、溶媒分画法等で精製することができる。例えば、脱離工程で得られたラムノースが含有するフラボノイド包接化合物含有組成物を、多孔性合成吸着剤により、吸着させ、水洗により、ラムノース等を除去後、アルコール溶出し、噴霧乾燥することで精製されたフラボノイド包接化合物の粉末を得ることができ、またアルコール溶出後、当該組成物以外の成分として、希釈素材、またはその他の添加剤を含有しても良い。なお、ラムノース等を分画し、食品分野、医薬品、医薬部外品分野、及び香粧品分野などで利用することもできる。
希釈素材としては、特に制限されず、例えば、砂糖、グルコース、デキストリン、澱粉類、トレハロース、乳糖、マルトース、水飴、液糖などの糖類;エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、還元水あめ、マンニット等の糖アルコール;または水を挙げることができる。また添加剤としては、リン酸塩類、有機酸類、キレ-ト剤等の助剤、アスコルビン酸等の酸化防止剤などを挙げることができる。
次に、本発明の容器詰飲料に用いられるフラボノイド配糖体組成物の製造方法について説明する。
フラボノイド配糖体組成物の製造方法は、上記フラボノイド包接化合物の製造方法により得られたフラボノイド包接化合物を糖転移酵素で処理して配糖体化する配糖体化工程を含む。即ち、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程、及び前記脱離工程を経て得られたフラボノイド包接化合物を糖転移酵素で処理して配糖体化する配糖体化工程を含むものである。
従って、本発明のフラボノイド配糖体組成物を含む容器詰飲料の製造方法としては、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程、及び前記脱離工程を経て得られたフラボノイド包接化合物を、糖転移酵素で処理して配糖体化する配糖体化工程を含む、製造方法が挙げられる。
脱離工程及び脱離工程を経て得られたフラボノイド包接化合物については前記のとおりである。なお、脱離工程を経て得られたとは、脱離工程以外の工程を含むものを排除する趣旨ではなく、任意に精製工程等を経て得られたものについても含むものである。
配糖体化工程は、脱離工程を経て得られたフラボノイド包接化合物に糖転移酵素を作用させて配糖体化し、フラボノイド配糖体組成物を得る工程である。また、配糖体化工程は、脱離工程と同様、水などの溶媒中で静置、又は攪拌しながら行うことができ、反応中の酸化、又は褐変を防止するために、反応系のヘッドスペースの空気を窒素等の不活性ガスで置換してもよく、またアスコルビン酸等の酸化防止剤を反応系に添加することも可能である。配糖化工程は、反応液を加熱により酵素失活させる方法など公知の方法により終了することができる。
配糖体化工程では、フラボノイド包接化合物のシクロデキストリンが糖供与体となり、フラボノイド配糖体組成物を製造できるが、糖供与体を追加供与することに制限はない。追加供与される糖供与体の具体例としては、澱粉、デキストリン、マルトオリゴ糖等の澱粉部分加水分解物、キシロオリゴ糖、及びこれらの含有物等が挙げられる。
糖転移酵素としては、脱離工程を経て得られたフラボノイド包接化合物に対して糖の転移活性を有する酵素であれば特に制限はない。糖転移酵素は、その起源に限定はなく、動物由来、植物由来、微生物由来等のすべての由来のものを使用することができる。さらに、遺伝子組み換え技術、部分加水分解等による人工酵素であってもよい。また、糖転移酵素の形態は特に限定されず、酵素蛋白質の乾燥物、不溶性担体で固定化された酵素、及び酵素蛋白質を含む液体等を用いることができる。
糖転移酵素の具体例としては、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−アミラーゼ、キシラナーゼ、プルラナーゼ、アラビノフラノシダーゼ等が挙げられる。
糖転移酵素の使用量は、用いる酵素の種類、糖転移反応の条件、糖の種類等によって異なるが、例えば、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼの場合、フラボノイド包接化合物1gに対し1〜10000Uが好ましい。難溶性フラボノイドを配糖化する場合、難溶性フラボノイドを可溶化させるため、アルカリ側にして酵素反応をさせるのが一般的ではあるが、pH7を超えるアルカリ域では、フラボノイドの安定性が悪くなり、分解・褐色化されやすい上に、褐色物の除去工程が必要となり、かつアルカリ中和による脱塩工程も必要となる。しかし、本発明の製造方法で得られるフラボノイド包接化合物は、難溶性フラボノイドがpH7以下でも高濃度で可溶化しているため、酵素反応はpH7以下でも効率良く配糖体化する。従って、生産効率や品質の観点から、pH3〜7とすることが好ましく、pH6〜6.8とすることがさらに好ましい。但し、アルカリ域で糖転移することや、アルカリ域に調製した後にpH7以下に調製して糖転移することもできる。反応系に使用される溶媒としては水媒体が挙げられる。また反応温度は好ましくは40〜70℃であり、より好ましくは50〜65℃である。また、反応時間は、酵素の種類等によって異なるが、例えば、0.5〜120時間とすることができ、1〜30時間が好ましい。また、生産効率の観点から、脱離工程後、連続して、温度、pHを至適に変更し、糖転移酵素を添加して配糖体化工程を行うことが好ましい。
フラボノイドに結合する糖の結合様式はα−結合又はβ−結合のいずれであってもよい。結合する糖の種類は、特に制限されないが、グルコース、ガラクトース、フルクトース等の5〜6単糖から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。また、糖の結合数は、好ましくは1〜30個であり、より好ましくは1〜25個であり、さらに好ましくは1〜20個であり、さらに好ましくは1〜15個であり、さらに好ましくは1〜10個である。フラボノイド配糖体組成物は、フラボノイドに上記糖類が結合した配糖体の混合物を含むものをいい、各配糖体の結合数割合に制限はないが、飲食品等の香味を損なわない観点から、以下の態様が好ましい。
態様2−1
下記一般式(1)で示されるイソクエルシトリン配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、イソクエルシトリン配糖体組成物。好ましくは、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が35モル%以上45モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上50モル%以下である。
Figure 2020090137
(一般式(1)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
態様2−2
下記一般式(2)で示されるヘスペレチン−7−グルコシド配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、ヘスペレチン−7−グルコシド配糖体組成物。好ましくは、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上25モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が35モル%以上50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上50モル%以下である。
Figure 2020090137
(一般式(2)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
態様2−3
下記一般式(3)で示されるアグリゴン配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、アグリゴン配糖体組成物。好ましくは、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上25モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が35モル%以上50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上50モル%以下である。
Figure 2020090137
(一般式(3)中、R1〜R9は、それぞれ独立して、−H、−OH、−OCH、−O−Glc−(Glc)nであり、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味し、R1〜R9のうち少なくとも1以上の置換基が−O−Glc−(Glc)nである。)
なお、グルコース基の結合数(n数)は、任意に調製することができる。例えば、フラボノイド配糖体組成物生成後に、各種のアミラ-ゼ(α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ等)を単独もしくは複数組み合わせて処理することにより、フラボノイド配糖体組成物分子中のグルコース糖鎖数を減少させて、任意のグルコース糖鎖長を持つフラボノイド配糖体組成物を得ることもできる。
上記のフラボノイド配糖体組成物の製造方法によれば、未精製の場合、フラボノイド配糖体とラムノースとを含むフラボノイド配糖体組成物が得られる。この場合において前記フラボノイド配糖体中のフラボノイドとラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)は0.8〜1.2となる。
上記のフラボノイド配糖体組成物の製造方法は、脱離工程、配糖体化工程以外に、必要に応じて精製をすることには特に制限がなく、樹脂処理工程(吸着法、イオン交換法等)、膜処理工程(限外濾過膜処理法、逆浸透膜処理法、ゼータ電位膜処理法等)、及び電気透析法、塩析、酸析、再結晶、溶媒分画法等で精製することができる。例えば、配糖体化工程で得られたフラボノイド配糖体組成物を、多孔性合成吸着剤により、配糖体組成物を吸着、水洗、アルコール溶出後、噴霧乾燥することで精製された粉末を得ることができる。またアルコール溶出後、当該組成物以外の成分として、希釈素材、またはその他の添加剤を含有しても良い。
希釈素材の具体例としては、フラボノイド包接化合物の製造方法で記載したものと同様である。
上記の製造方法で得られるフラボノイド配糖体組成物における水への溶解度は、フラボノイド換算値で、好ましくは0.015%以上であり、より好ましくは0.02%以上であり、さらに好ましくは0.1%以上であり、さらに好ましくは0.5%以上である。上限は特に限定されるものではないが、例えば20%以下とすることができる。
本発明の容器詰飲料は、風味劣化防止、及び品質劣化防止の観点から、さらにラムノースを含むことができる。本発明の容器詰飲料がラムノースを含む場合には、上記のフラボノイド包接化合物含有組成物や、当該組成物に糖付加をしたフラボノイド配糖体組成物を配合することが好ましい。
本発明の容器詰飲料がラムノースを含む場合において、フラボノイド包接化合物とラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)又はフラボノイド配糖体組成物とラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)は、風味劣化防止、及び品質劣化防止の観点から、好ましくは0.1〜10.0であり、より好ましくは0.8〜1.2である。
本発明の容器詰飲料は、その他、糖類、塩類、酸味料、甘味料、香料、酸化防止剤、乳化材、着色料、強化剤、増粘安定剤、苦味料、グリセリン、プロピレングリコールなどの食品添加物や、柑橘類エキス、野菜エキス、果物エキス、漢方エキス等、食品や漢方などの成分を任意に含むことができる。
本発明の容器詰飲料は、品質の劣化を好適に抑制することができるため、茶系飲料、コーヒー系飲料、ココア系飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料、果汁飲料、野菜飲料、炭酸飲料、機能性飲料、ミネラルウォーター、酒類、乳性飲料、スープ系飲料など、各種の容器詰飲料に好適に使用することができる。
本発明における茶系飲料とは、茶樹(ツバキ科、ツバキ属)の葉を原料としたものが挙げられるが、特に限定されるものではなく、茶樹(学名:Camellia sinensis)の主に葉や茎を用いて製造された緑茶、紅茶、ウーロン茶、プアール茶などの茶、これら茶にさらに玄米、麦類、その他各種植物原料をブレンドしたもの、或いは、茶樹以外の各種植物の主に葉や茎、地下茎、根、花、果実などの原料や、それらをブレンドしたものを、水系溶媒で抽出して得られた液体の飲料をいう。
本発明の茶系飲料は、不発酵茶である緑茶、発酵茶としては半発酵茶であるウーロン茶、発酵茶の紅茶など、微生物発酵茶である漬物茶や後発酵茶、加工茶などを含む。具体的には、不発酵茶である緑茶としては蒸製緑茶である抹茶、碾茶、玉露、かぶせ茶、煎茶、玉露茶、番茶である日本茶、及び釜炒製緑茶であるロンチン茶、珠茶、眉茶、玉緑茶(嬉野茶、青柳茶)、番茶である中国茶などを挙げることができる。半発酵としては萎凋である白茶、及び萎凋・半発酵である青茶(包種茶及び鉄観音、武夷岩茶、赤烏龍である烏龍茶)などを挙げることができる。発酵茶としては祁門、てん江といった中国紅茶、ダージリン、アッサム、スリランカといったイギリス紅茶、日本紅茶、阿波番茶、プアール茶などを挙げることができる。微生物発酵茶である漬物茶としてはかみ茶といったニイエン、ミエン(ミアン)、ペレットなど、碁石茶、阿波番茶など、及び後発酵茶としては中国や日本の黒茶を挙げることができる。加工茶としては焙じ茶、磚茶である緑磚茶、紅磚茶、黒磚茶など、着香茶(花茶)であるジャスミン茶、桂花茶、米蘭茶等が挙げられる。フレーバリングティーなど、茶にさらに玄米、麦類、その他各種植物原料をブレンドしたもの、或いは、茶樹以外の各種植物の主に葉や茎、地下茎、根、花、果実などの原料や,それらをブレンドしたものを、水系溶媒で抽出して得られた液体の飲料などを挙げることができる。また、茶葉としては、抽出して飲用可能な部位であれば何ら制限されず、葉、茎など適宜使用することができる。また、その形態も大葉、粉状など制限されない。
本発明の茶飲料に用いる茶葉は、必要に応じてカットもしくは粉末にしたものを水、有機溶媒又はこれらの混合物などを混ぜ合わせて抽出したものである。抽出する有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、プロパノール等の低級アルコール類やアセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられるが、風味の観点から温水で抽出することが望ましい。
本発明におけるコーヒー系飲料とは、コーヒー分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造される飲料製品のことをいう。製品の種類は特に限定されないが、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」、「コーヒー飲料」、「コーヒー入り清涼飲料」が主に挙げられる。また、コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0質量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これも、便宜上、本発明におけるコーヒー飲料に含まれるものとする。
ここで、コーヒー分とは、コーヒー豆由来の成分を含有する溶液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した溶液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調製した溶液も、コーヒー分として挙げられる。
なお、本明細書中、乳成分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造されるコーヒー飲料を、「ミルク入りコーヒー飲料」と表すこともある。ここで、乳成分とは、コーヒー飲料にミルク風味やミルク感を付与するために添加される成分を指し、主に乳、牛乳及び乳製品のことをいい、例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料などが挙げられ、乳製品としては、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調製粉乳などが挙げられる。
本発明のココア系飲料とは、粉末ココアパウダーや、ココアパウダーを溶かした飲料であり、ココア、チョコレート飲料などが挙げられる。ココア系飲料には嗜好に合わせて、乳を添加したり、粉末ココアパウダーの分散性を向上させる目的で乳化剤、安定剤などを添加したものも含まれる。
本発明における、ノンアルコールビールテイスト飲料とは、実質的にアルコールを含まず、ビールのような味及び香りを呈するものであって、飲用の際にビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール濃度は、1体積%未満であり、例えば0.5体積%以下、0.1体積%以下、0.005体積%未満であってよく、アルコールを全く含まないものとしてもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
ノンアルコールビールテイスト飲料は、発泡性であってもよく、非発泡性であってもよい。非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm2)程度としてもよい。
本発明における果汁飲料とは、100%果汁飲料、果汁入り飲料、低果汁入清涼飲料、果粒含有果実飲料、果肉飲料などが挙げられるが特に限定するものではない。本発明における果汁飲料は、通常知られているとおりの果実の搾汁をそのままで、もしくはこの搾汁を濃縮して得られる濃縮果汁の状態で、もしくはこの濃縮果汁を希釈して得られる濃縮還元果汁の状態で、糖類、香料、酸味料などの他の原料と混合し、その後、殺菌処理などを施すことにより製造されやものである。このようにして得られた果汁飲料は、通常、原料に用いた果実由来の風味を呈する。
果汁飲料は、果汁と、果実由来の粒子とを含んでもよく、果汁とは、たとえば、果実を破砕して搾汁し得られた汁である。また、果実由来の粒子とは、たとえば、果実に破砕等の処理をすることにより得られるものである。具体的には果実が柑橘類の果実の場合、果皮、さのう、じょうのう、じょうのう膜等を破砕して得られるパルプ成分等が挙げられる。
果汁および果実由来の粒子の原料となる果実の種類としては、特に限定されるものではないが、たとえば、マスカット、巨峰等のぶどう類;みかん、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、シークワーサー、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー、デコポン、ポンカン、イヨカン、バンペイユ等の柑橘類;イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、アサイー、キウイフルーツ、モモ、リンゴ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、スイカ、サクランボ、西洋ナシ、スモモ類等が挙げられる。
本発明における野菜飲料とは、トマト飲料、野菜飲料、果実野菜混合飲料、スムージーなどがあげられるが特に限定するものではない。
本発明において、野菜飲料とは、野菜汁を含む飲料をいう。本発明において、野菜汁とは、野菜の搾汁液、野菜の破砕物(野菜ピューレ)又はこれらの混合物をいう。野菜汁は、公知の製造方法で得ることができる。本発明の製造方法に用いる野菜汁の原料となる野菜は制限されず、任意のものを選択することができ、果菜類、葉菜類、根菜類の1種以上を用いることができる。中でも、特有の青臭さ、苦み、渋み、エグ味の少なくとも何れかの風味を有する野菜汁を原料に用いる野菜飲料の製造において、本発明の製造方法の効果が顕著となる。例えば、クレソン、ブロッコリー、キャベツ、ルッコラ、小松菜、ケール、ダイコン、カイワレダイコン、ラディッシュ等のアブラナ科に属する野菜、人参、セロリ、パセリ、明日葉等のセリ科に属する野菜、カボチャ、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、へちま等のウリ科に属する野菜、オクラ等のアオイ科に属する野菜、ほうれん草等のアカザ科の野菜、アーティチョーク、ゴボウ、レタス等のキク科に属する野菜、アスパラガス等のクサスギカズラ科に属する野菜、モロヘイヤ等のシナノキ科に属する野菜、ツルムラサキ等のツルムラサキ科に属する野菜、トマト、シシトウ、ナス、ピーマン、パプリカ等のナス科に属する野菜、ニラ、ネギ等のユリ科に属する野菜、インゲン、エダマメ、エンドウ、ソラマメ等のマメ科に属する野菜、シソ、セージ、バジル等のシソ科に属する野菜は、特有の香りが強いため、これらの何れかの野菜から得られる野菜汁を用いた場合に本発明の製造方法の効果が顕著となる。例えば、これらの何れかの野菜から得られる野菜汁を合計で、野菜飲料全量に対して、ストレート換算で、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上、中でも1質量%以上含む形態が挙げられる。
本発明において、野菜汁に果汁を混合しても良い。本発明において、果汁とは、果実の搾汁液、果実の破砕物(果実ピューレ)又はこれらの混合物をいう。果汁は、公知の製造方法で得ることができる。本発明の製造方法に用いる果汁の原料は制限されない。例えば、ミカンやオレンジ等のかんきつ類、リンゴ等の果汁が挙げられる。
本発明における炭酸飲料は、コーラフレーバー飲料、透明炭酸飲料、果汁系炭酸飲料、乳類入炭酸飲料、ジンジャエール、無糖炭酸飲料などが挙げられる。本発明における炭酸飲料は、飲料液に炭酸ガス(二酸化炭素)を圧入し、飲料液中に炭酸ガスを含む清涼飲料であり、炭酸ガスが溶解している飲料をいう。炭酸飲料は、飲用した際、飲料中の炭酸ガスが口腔内及び喉通過の時に発泡することで得られる刺激感等によって生じ、かかる炭酸感によって、飲用した者に爽快感やリフレッシュ感を感じさせる。
また、炭酸飲料には果糖ブドウ糖液糖や砂糖などの糖類を含有するもの加糖タイプ、含まない無糖タイプについては限定されない。なお、特に限定されないが、糖類以外の甘味料、例えばアスパルテームなどの高感度甘味料についても含有してもかまわない。
また、炭酸飲料には香料を付加することもできる。香料の種類は特に限定されず、動植物等から抽出された天然香料、化学的に合成された合成香料、複数種類の香料を調合した調合香料などのいずれであってもよい。また、本実施形態において、添加される香料の飲料における割合などは飲料の想定される香味等に応じて当業者が適宜設定でき、特に限定されない。
使用される香料として、例えば、レモンフレーバー、ライムフレーバー、グレープフルーツフレーバー、オレンジフレーバー、スウィーティーフレーバー、シークァーサーフレーバー、ゆずフレーバー、みかんフレーバー、スダチフレーバー、カリンフレーバー、シソフレーバー、アップルフレーバー、クリームフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、ミルク系フレーバー、メロンフレーバー、ミントフレーバー、ハニーフレーバー、ヨーグルトフレーバー、ベリーフレーバー、グレープフレーバー、アセロラフレーバー、アボカドフレーバー、あんずフレーバー、イチゴフレーバー、いちじくフレーバー、柿フレーバー、キウイフレーバー、カシスフレーバー、クランベリーフレーバー、さくらんぼフレーバー、スイカフレーバー、すももフレーバー、ヤマモモフレーバー、ドリアンフレーバー、パイナップルフレーバー、パパイヤフレーバー、バナナフレーバー、ブルーベリーフレーバー、マスカットフレーバー、マンゴーフレーバー、桃フレーバー、洋ナシフレーバー、ライチフレーバー、ラズベリーフレーバー、ストロベリーフレーバー、ウメフレーバー、緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバー、カシアフレーバー、ローズマリーフレーバー、モミノキフレーバー、マツブサフレーバー、モロヘイヤフレーバー、ヤクチフレーバー、ユーカリフレーバー、シナモンフレーバー、ジンジャーフレーバー、タイムフレーバー、ナツメグフレーバー、ハッカフレーバー、マタタビフレーバー、マチコフレーバー、マツフレーバー、マツオウジフレーバー、マッシュルームフレーバー、マツタケフレーバー、マメフレーバー、マリーゴールドフレーバー、バニラフレーバー、スパイス系フレーバー、ナッツ系フレーバー、洋酒系フレーバー、フラワー系フレーバー、野菜系フレーバー等が挙げられる。
また、機能性飲料とすることもでき、例えばエンハンスドウォーター、スポーツドリンク、ニアウォーター等の非茶系飲料とすることもできる。
また、本発明における機能性飲料とは、健康の保持、増進に役立つとされている成分を含む飲料のことをいい、特に限定されないが食系ドリンク、健康サポート飲料、機能性清涼飲料、パウチゼリー飲料、スポーツドリンク、エナジードリンクなどが挙げられる。
本発明における食系ドリンクとは、特に限定されないが清涼飲料規格の栄養ドリンクの中で、医薬品及び、医薬部外品である薬系ドリンクと類似した味覚を持ち、滋養強壮機能を期待する飲料等である。本発明における機能性清涼飲料とは、特に限定されないが生体活動を調節する機能をもつとされる成分を配合した清涼飲料水であり、カテキン、各種アミノ酸、コラーゲン、カルシウム、オリゴ糖、食物繊維、各種ビタミンなど、健康を維持するのに役立つ素材を配合した飲料等である。本発明におけるスポーツドリンクとは、特に限定されないが、塩化ナトリウム・塩化マグネシウム等でイオン濃度を調節して水分吸収の促進を図り、糖類でエネルギーの補給を期待する飲料等である。本発明におけるパウチゼリー飲料とは、特に限定されないがスパウト付きパウチに封入されたパウチゼリー飲料等である。本発明におけるパウチゼリー飲料は、ゲル化剤とベース配合を混合し、容器内に充填し、必要に応じてこれを冷却することによって得る。本発明のゼリー飲料において、専ら口当たりに大きく影響するゲル化剤としては以下の、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、寒天、高強度寒天、カラギーナン、グルコマンナン、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アミロース、アミロペクチン、アガロース、アガロペクチン、ファーセレラン、アルギン酸、ペクチン、デキストラン、プルラン、セルロース、カードラン、ゼラチン等を使用することができる。これらのゲル化剤のなかでも、好ましくはジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム及び寒天から選ばれる1種以上を使用することであり、より好ましくは寒天とジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガムから選ばれる1種以上を使用すること、さらに好ましくはジェランガム、キサンタンガム、ローストビーンガム及び寒天を全て使用することである。
本発明におけるミネラルウォーターとは、特に限定されないが農林水産省によって1990年に制定された「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」に沿った飲料のことをいう。本発明において、ミネラルウォーターとは、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーターをいう。ナチュラルウォーターとは、地層からくみ上げられた地下水を指し、ナチュラルミネラルウォーターはその中でも特に無機塩が水中に溶けだしたものをいう。いずれも、化学的な殺菌処理などを行わず、自然ろ過や加熱殺菌をした水のことを示す。本発明におけるミネラルウォーターとは、ナチュラルミネラルウォーターの中でも特に人工的な殺菌処理や浄水処理、または成分調製したものであり、製品としての品質を安定させる目的で手を加えることができる。本発明におけるボトルドウォーターとは、地下水以外に、河川などの水源から採水したものや蒸留水なども含め、飲料水として適用される。
これらのミネラルウォーターは、公知の製造方法で得ることができる。本発明におけるミネラルウォーターにおいては、必要により、1種またはそれ以上の香料改良剤を添加することができる。使用される香料として、例えば、レモンフレーバー、ライムフレーバー、グレープフルーツフレーバー、オレンジフレーバー、スウィーティーフレーバー、シークァーサーフレーバー、ゆずフレーバー、みかんフレーバー、スダチフレーバー、カリンフレーバー、シソフレーバー、アップルフレーバー、クリームフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、ミルク系フレーバー、メロンフレーバー、ミントフレーバー、ハニーフレーバー、ヨーグルトフレーバー、ベリーフレーバー、グレープフレーバー、アセロラフレーバー、アボカドフレーバー、あんずフレーバー、イチゴフレーバー、いちじくフレーバー、柿フレーバー、キウイフレーバー、カシスフレーバー、クランベリーフレーバー、さくらんぼフレーバー、スイカフレーバー、すももフレーバー、ヤマモモフレーバー、ドリアンフレーバー、パイナップルフレーバー、パパイヤフレーバー、バナナフレーバー、ブルーベリーフレーバー、マスカットフレーバー、マンゴーフレーバー、桃フレーバー、洋ナシフレーバー、ライチフレーバー、ラズベリーフレーバー、ストロベリーフレーバー、ウメフレーバー、緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバー、カシアフレーバー、ローズマリーフレーバー、モミノキフレーバー、マツブサフレーバー、モロヘイヤフレーバー、ヤクチフレーバー、ユーカリフレーバー、シナモンフレーバー、ジンジャーフレーバー、タイムフレーバー、ナツメグフレーバー、ハッカフレーバー、マタタビフレーバー、マチコフレーバー、マツフレーバー、マツオウジフレーバー、マッシュルームフレーバー、マツタケフレーバー、マメフレーバー、マリーゴールドフレーバー、バニラフレーバー、スパイス系フレーバー、ナッツ系フレーバー、洋酒系フレーバー、フラワー系フレーバー、野菜系フレーバー等が挙げられる。
本発明における酒類とは、特に限定されないが、酒税法においてアルコール分1度以上の飲料(飲用に供し得る程度まで水等を混和してそのアルコール分を薄めて1度以上の飲料とすることができるものや水等で溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます。)が挙げられる。種類は、酒類の製法や性状において、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類及び混成酒類の4種類に分類されるものをいう。
たとえば、発泡性酒類には特に限定されないがビール、発泡酒、その他の発泡性酒類等が挙げられる。本発明におけるビールとは、麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもので、アルコール分が20度未満のものであり、 麦芽、ホップ、水及び麦その他政令で定める物品を原料として発酵させたもので、アルコール分が20度未満のものも含まれる。本発明における発泡酒とは、麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもので、アルコール分が20度未満のものをいう。本発明におけるその他の発泡性酒類とは、ビール及び発泡酒以外の酒類のうちアルコール分が10度未満で発泡性を有するものである。
たとえば、醸造酒類には特に限定されないが清酒、果実酒、その他の醸造酒等が挙げられる。本発明における清酒とは、米、米こうじ及び水を原料として発酵させてこしたもので、アルコール分が22度未満のものであり、米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させてこしたもので、アルコール分が22度未満のものも含まれる。本発明における果実酒とは、果実を原料として発酵させたもので、アルコール分が20度未満のものや果実に糖類を加えて発酵させたもので、アルコール分が15度未満のものが挙げられる。本発明におけるその他の醸造酒とは、穀類、糖類等を原料として発酵させたもので、アルコール分が20度未満でエキス分が2度以上のものをいう。
たとえば、蒸留酒類には特に限定されないが連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ等が挙げられる。本発明における連続式蒸留焼酎とは、アルコール含有物を連続式蒸留機により蒸留したもので、アルコール分が36度未満のものをいう。本発明における単式蒸留焼酎とは、アルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機により蒸留したものであり、アルコール分が45度以下のものをいう。本発明におけるウイスキーとは、発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて発酵させたアルコール含有物を蒸留したものをいう。本発明におけるブランデーとは、果実若しくは果実及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留したものをいう。本発明における原料用アルコールとは、アルコール含有物を蒸留したもので、アルコール分が45度を超えるものをいう。本発明におけるスピリッツとは、清酒、合成清酒、連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、みりん、ビール、果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、発泡酒、その他の醸造酒のいずれにも該当しない酒類でエキス分が2度未満のものをいう。
たとえば、混成酒類には特に限定されないが合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒等が挙げられる。本発明における合成清酒とは、アルコール、焼酎又は清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類で、その香味、色沢その他の性状が清酒に類似するものであり、アルコール分が16度未満でエキス分が5度以上等のものをいう。本発明におけるみりんとは、米、米こうじに焼酎又はアルコールを加えてこしたもので、アルコール分が15度未満でエキス分が40度以上等のものをいう。本発明における甘味果実酒とは、果実酒に糖類又はブランデー等を混和したものをいう。本発明におけるリキュールとは、酒類と糖類等を原料とした酒類でエキス分が2度以上のものをいう。本発明における粉末酒とは、溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものをいう。本発明における雑酒とは、清酒、合成清酒、連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、みりん、ビール、果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、発泡酒、その他の醸造酒、スピリッツ、リキュール、粉末酒のいずれにも該当しない酒類をいう。なお、上記酒類については、酒税法における酒類の分類及び定義に変更がなされた場合、その法律に沿って変更される。
本発明における乳性飲料とは、特に限定されないが、牛乳または乳製品を主原料あるいは副原料として加工した製品を総称するが、関係法令ならびに公正競争規約により乳成分が3%以上含まれている(乳酸菌飲料の1部を除く)ものに限り乳類の範囲になる。この乳性飲料を大別すると、乳飲料、発酵乳、乳酸菌飲料の3つがあり、これらは厚生省令によって規定されている。乳飲料は、牛乳、生乳もしくは特別牛乳またはこれらを原料として製造した食品を加工し、または主要原料とした飲料で、例えばコーヒー乳飲料、フルーツ乳飲料がある。発酵乳は、乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌または酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもので、その1ml当りの乳酸菌または酵母数は1000万以上であって、例えばヨーグルト類などがある。乳酸菌飲料は、乳等を乳酸菌または酵母で発酵させたものを加工し、または主要原料とした飲料で、無脂乳固形分3.0%以上である乳製品の場合は、その1ml当りの乳酸菌または酵母数は1000万以上であって、例えばヤクルトなどがある。また無脂乳固形分3.0%未満である非乳製品の場合は、その1ml当りの乳酸菌または酵母数は100万以上であって、例えばサワーミルクなどがある。 加えて発酵乳及び乳酸菌飲料は原則として一定数以上の乳酸菌または酵母が生存していなければならないが、例外承認を受け、しかも製品に表示すれば乳酸発酵後殺菌し保存性をもたせた形での供給も可能である。
本発明におけるスープ系飲料とは、特に限定されないが、豆乳類、 スープ、味噌汁、甘酒、おしるこなど等が挙げられる。
たとえば、豆乳類には特に限定されないが豆乳、調製豆乳、豆乳飲料等が挙げられる。本発明における豆乳とは、粉末状のもの及び脱脂したものを除く大豆から熱水等によりたん白質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料であって大豆固形分が8%以上のものをいう。本発明における調製豆乳とは、豆乳液に大豆油その他の植物油脂及び砂糖類、食塩等の調味料を加えた乳状の飲料であり、大豆固形分が6%以上のものや、脱脂加工大豆(大豆を加えたものを含む。)から熱水等によりたん白質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られたものに大豆油その他の植物油脂及び砂糖類、食塩等の調味料を加えた乳状の飲料(以下「調製脱脂大豆豆乳液」という。)であつて大豆固形分が6%以上のものが挙げられる。本発明における豆乳飲料とは、調製豆乳液又は調製脱脂大豆豆乳液に粉末大豆たん白(大豆豆乳液、調製豆乳液若しくは調製脱脂大豆豆乳液を乾燥して粉末状にしたもの又は大豆を原料とした粉末状植物性たん白のうち繊維質を除去して得られたものをいう。以下同じ。)を加えた乳状の飲料(調製豆乳液又は調製脱脂大豆豆乳液を主原料としたものに限る。以下「調製粉末大豆豆乳液」という。)であつて大豆固形分が4%以上のものや、調製豆乳液、調製脱脂大豆豆乳液又は調製粉末大豆豆乳液に果実の搾汁(果実ピユーレー及び果実の搾汁と果実ピユーレーとを混合したものを含む。以下同じ。)、野菜の搾汁、乳又は乳製品、殻類粉末等の風味原料を加えた乳状の飲料(風味原料の固形分が大豆固形分より少なく、かつ、果実の搾汁を加えたものにあつては果実の搾汁の原材料に占める質量の割合が10%未満であり、乳又は乳製品を加えたものにあつては乳固形分が3%未満であり、かつ、乳酸菌飲料でないものに限る。)であつて大豆固形分が4%以上(果実の搾汁の原材料に占める質量の割合が5%以上10%未満のものにあっては2%以上)のものが挙げられる。なお、上記豆乳類については、豆乳類の日本農林規格における規格及び定義に変更がなされた場合、その基準に沿って変更される。
本発明におけるスープとは、特に限定されないが肉・魚・野菜などの具材が味付けされた汁の中に入った料理であり、肉や野菜から抽出した出汁に味付けしたものも含まれる。本発明におけるスープは、例えば、コンソメ、ポタージュ、チャウダー、ミネストローネ、ガスパッチョ、味噌汁などが挙げられる。
本発明における甘酒とは、特に限定されないが甘酒とは米糀と米を原料とし,蒸米と米糀に温湯を加えて糖化させたものをいう。
本発明におけるおしることは、特に限定されないが小豆などを砂糖で甘く煮た汁の中に、餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れた食べ物をいう。
本発明の容器詰飲料の容器の形態には、缶等の金属容器、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶、パウチ瓶等の通常の包装容器に充填して提供されるものが含まれるが、これらに限定されない。例えば、本発明の飲料を容器に充填した後にレトルト殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌して容器に充填する方法を通じて、殺菌された容器詰製品を製造することができる。本発明の容器詰飲料は容器から直接飲用するものだけではなく、たとえばバックインボックスなどのバルク容器、あるいはポーション容器などに充填したものを飲用時に別容器に注ぐことによって飲用に供することもできる。また、濃縮液を飲用に供する際に希釈することもできる。その場合、飲用に供する際の各種成分濃度が本発明の濃度範囲にあれば本発明の効果が得られることは言うまでもない。従って、これらの飲料も本発明の態様である。
また、本発明の容器詰飲料は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器詰飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、特に記載のない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
フラボノイド包接化合物含有組成物の調製
調製例1〜3
1000m1容量のビーカーに、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイド(ルチン又はヘスペリジン)とシクロデキストリンを表1に示すように添加し、水を加えて1000gにし、70℃、pH4.5に調整した。その後撹拌しながら、ナリンギナーゼ(天野エンザイム(株)155u/g)を3〜30g添加し、24時間反応させた後、室温ろ過後、スプレードライヤーの噴霧乾燥により粉末化を行い、ラムノースを含有するフラボノイド包接含有組成物を得た。得られたフラボノイド包接含有組成物における、ラムノース含量を測定(HPLC分析法、ラムノース(Wako)で検量線作成、検出:示唆屈折計 RID−10A(SHIMADZU))後、ラムノースのモル濃度を算出し、包接化合物のフラボノイドのモル濃度(吸光度分析法)より、ラムノースとフラボノイドのモル比(ラムノース/フラボノイド)を算出したところ、0.8〜1.2であった。
調製例4〜6
シクロデキストリンを添加せず、ルチン、及びヘスペリジンを表1に示す濃度を添加し、容量100kgにて、酵素反応後、ろ過、冷却し、沈殿したイソクエルシトリン、及びヘスペレチン−7−グルコシドを回収乾燥することで調製例4、5の粉末(含量96%以上)を調製した。また調製例6として、ラムノシド構造をもたないフラボノイド(イソクエルシトリン又はヘスペレチン−7−グルコシド)を含まないシクロデキストリンのみの組成物を調製した。β−シクロデキストリンを15%、γ−シクロデキストリンを15%にて溶解し、調製液(1kg)の一部をスプレードライヤーにより粉末化(β−シクロデキストリン50%、γ−シクロデキストリン50%)した。
ラムノースとフラボノイド包接化合物中のフラボノイドとのモル比(ラムノース/(フラボノイド包接化合物のフラボノイド))、ラムノースとフラボノイド配糖体組成物中のフラボノイドとのモル比(ラムノース/(フラボノイド配糖体組成物のフラボノイド))
ラムノース含量を測定(HPLC分析法、ラムノース(Wako)で検量線作成、検出:示唆屈折計 RID−10A(SHIMADZU))後、ラムノースのモル濃度を算出し、包接化合物のフラボノイドのモル濃度(吸光度分析法)、フラボノイド配糖体組成物(HPLC法)のフラボノイド換算モル濃度より、ラムノースとフラボノイドのモル比(ラムノース/フラボノイド)を算出した。
表1で使用した詳細を以下に示す。
RTN:下記で調製したルチン
マメ科植物であるエンジュのつぼみ50kgを500Lの熱水に3時間浸漬した後、濾別した濾液を取得した。その後、室温まで冷却して沈殿した成分を濾別し、沈殿部を水洗、再結晶、及び乾燥することにより、含量96%以上のルチン3190gを得た。試薬ルチン(Wako)を用いてHPLCにて同一ピークであることを確認した。
HSP:ヘスペリジン(含量97%以上、浜理薬品工業株式会社製)
β−CD:β−シクロデキストリン(パールエース社製)
γ−CD:γ−シクロデキストリン(パールエース社製)
ルチンからイソクエルシトリンへの転化率
HPLC(SHIMADZU)の面積比(イソクエルシトリンのピーク面積/ルチンのピーク面積)<HPLC条件;カラム:CAPCELL PAK C18 SIZE 4.6mm×250mm(SHISEIDO)、溶離液:20%(v/v)アセトニトリル/0.1%リン酸水溶液、検出:351nm、流速:0.4ml/min、カラム温度:70℃>より算出した。イソクエルシトリンは、試薬イソクエルシトリン(Wako)を用いてHPLCにて同一のピークであることで確認した。調製例1、2、4における転化率はいずれも96%以上であった。
ヘスペリジンからヘスペレチン−7−グルコシドへの転化率
HPLC(SHIMADZU)の面積比(ヘスペレチン−7−グルコシドのピーク面積/ヘスペリジンのピーク面積)<HPLC条件;カラム:CAPCELL PAK C18 SIZE 4.6mm×250mm(SHISEIDO)、溶離液:40%(v/v)アセトニトリル/0.1%リン酸水溶液、検出:280nm、流速:0.4ml/min、カラム温度:70℃>より算出した。ヘスペレチン−7−グルコシドは、NMRによりヘスペレチン−7−グルコシドであることを確認した乾燥品を用いて、HPLCにて同一のピークであることで確認した。調製例3、5における転化率はいずれも96%以上であった。
イソクエルシトリン(IQC)濃度(吸光度分析法)
調製例1、2、4の反応終了液を、室温静置後に、上清液1mlをフィルター濾過し、測定サンプルとした。試薬ルチン(Wako)を使用し吸光度351nm(0.1%リン酸溶液)で検量線を作成後、測定サンプルの吸光度よりルチン濃度を算出し、転化率で補正後0.761(イソクエルシトリン/ルチンの分子量比(464.38/610.52=0.761))を乗じたものをイソクエルシトリン濃度として算出した。結果を表1に示す。
ヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)濃度(吸光度分析法)
調製例3、5の反応終了液を、室温静置後に、上清液1mlをフィルター濾過し、測定サンプルとした。試薬ヘスペリジン(Wako)を使用した吸光度280nm(0.1%リン酸溶液)で検量線を作成後、測定サンプルの吸光度よりヘスペリジン濃度を算出し、HPLC分析の転化率で補正後、0.761(ヘスペレチン−7−グルコシド/ヘスペリジンの分子量比(464.42/610.56=0.761))を乗じたものをヘスペレチン−7−グルコシド濃度として算出した。結果を表1に示す。
溶解度(IQC溶解度、HPT−7G溶解度)
水を50ml入れた100ml容量のビーカーの中に、上記で調製した乾燥物を、50℃で、撹拌しながら、溶解しきれず析出するまで添加した。室温(25℃)静置後、上清液1mlをフィルター濾過し、吸光度分析法にてイソクエルシトリン濃度、ヘスペレチン−7−グルコシド濃度を算出し、溶解度とした。但し、溶解度測定の際、乾燥物量が不充分である場合、同調製例実験を繰り返すことで必要量を取得し、溶解度を測定した。なお、HPLCの条件は前記転化率の条件と同じである。また、調製例1〜3でフラボノイドがシクロデキストリンと包接されていること、調製例4、5がイソクエルシトリン、ヘスペレチン−7−グルコシドであることを、示差走査熱量計(DSC)、核磁気共鳴(NMR)、及びフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)より確認した。結果を表1に示す。
Figure 2020090137
表1の注釈
(1)反応開始時のβ−シクロデキストリン濃度(質量%)
(2)反応開始時のγ−シクロデキストリン濃度(質量%)
(3)反応開始時のルチン濃度(質量%)
(4)反応開始時のシクロデキストリン/ルチン(モル比)
(5)反応終了後濾過液のイソクエルシトリン濃度(質量%)
(6)反応終了後濾過液のシクロデキストリン/イソクエルシトリン(モル比)
(7)反応終了後濾過液乾燥物のイソクエルシトリン溶解度(質量%)
(8)反応終了後濾過液乾燥物のイソクエルシトリン含量(質量%)
(9)反応開始時のヘスペリジン濃度(質量%)
(10)加熱撹拌開始時のシクロデキストリン/ヘスペリジン(モル比)
(11)加熱撹拌後濾過液のヘスペレチン−7−グルコシド濃度(質量%)
(12)加熱撹拌後濾過液のシクロデキストリン/ヘスペレチン-7-グルコシド(モル比)
(13)加熱撹拌後濾過液乾燥物のヘスペレチン−7−グルコシド溶解度(質量%)
(14)反応終了後濾過液乾燥物のヘスペレチン−7−グルコシド含量(質量%)
<風味評価>
風味の評価は、10名の熟練したパネラーにより官能評価(味及び香りの変化)を実施した。下記で調製された各実施例・比較例の容器詰飲料を、4℃および37℃にて1週間および4週間、3,000ルクスの明所に保管し、同期間保管したサンプルについて4℃の調製飲料に対する37℃の調製飲料の変化を下記の評価基準に従い、それぞれの平均点を算出した。同期間冷蔵保存したものと同等の味、臭いのものを評価5、また無添加品を同期間50度で3000ルクスの明所に保管したものは、最も異味、異臭が強かったことからその評価を1とした。味は、酸味、苦味、渋味、旨味、塩味を総合的に「異味」として判定し、臭いは、酸臭、発酵臭、酸化臭、及び異臭の強さ等を総合的に「異臭」として判定した。結果を表2〜23に示す。
異味の評価基準
1:異味の変化を強く感じる
2:異味の変化をやや強く感じる
3:異味の変化を感じる
4:異味の変化をかすかに感じる
5:異味の変化を感じない
異臭の評価基準
1:異臭を強く感じる
2:異臭をやや強く感じる
3:異臭を感じる
4:異臭をかすかに感じる
5:異臭を感じない
緑茶容器詰飲料の調製
実施例1〜9、比較例1〜3
市販の乾燥煎茶葉1kgに約70℃の温水10kgを添加して10分間攪拌した後濾布でろ過を行い、煎茶抽出物90kgを調製し、表2に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填して、緑茶容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
表2〜表23の注釈
(15)容器詰飲料製造時に使用した組成物の種類
(16)容器詰飲料製造時に使用した組成物の配合量(%)
(17)容器詰飲料中のイソクエルシトリン濃度(%)
(18)容器詰飲料中のヘスペレチン−7−グルコシド濃度(%)
ウーロン茶容器詰飲料の調製
実施例10〜18、比較例4〜6
市販の乾燥ウーロン茶葉1kgに約70℃の温水10kgを添加して10分間攪拌した後濾布でろ過を行い、ウーロン茶抽出物92kgを調製し、表3に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填してウーロン茶容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
紅茶容器詰飲料の調製
実施例19〜27、比較例7〜9
市販の乾燥紅茶葉1kgに約70℃の温水10kgを添加して10分間攪拌した後濾布でろ過を行い、紅茶抽出物92kgを調製し、表4に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填して紅茶容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
微生物発酵茶容器詰飲料の調製
実施例28〜29、比較例10〜12
市販の乾燥阿波番茶葉1kgに約70℃の温水10kgを添加して10分間攪拌した後濾布でろ過を行い、阿波番茶抽出物90kgを調製し、表5に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填して微生物発酵茶容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
花茶容器詰飲料の調製
実施例31〜33、比較例13〜15
50kgの花茶葉および1500kgの脱酸素および脱イオンされた逆浸透水(80℃、溶存酸素量1mg/L以下)を閉鎖された抽出タンクに添加した。抽出を20分間実施し、花茶抽出液を得た。抽出液をプレート冷却器により冷却し、その後閉鎖された保持タンクに移し、7分間遠心分離した。遠心分離後、茶抽出液をろ布でろ過し茶清澄化液または汁を得た。茶清澄化液または汁を閉鎖された混合タンクに混合のために移し、脱酸素および脱イオンされた逆浸透水を最終質量10トンとなるように添加し、その後5.0kgのアスコルビン酸を加えた。得られた混合物を均一に攪拌して混合液を得た。表6に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填して花茶容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
コーヒー容器詰飲料の調製
実施例34〜36、比較例16〜18
焙煎コーヒー豆600gを用いて熱水抽出(抽出効率28%)したBx3.0のコーヒー抽出液に、グラニュー糖47gを加え、重曹にてpH7.4に調製後、更に水を加え全量を10kgとした。質量調製したコーヒーミックスは高圧型均質機を用い65〜75℃の温度で15MPaの圧力で均質化し、表7に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、コーヒー容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
ミルクコーヒー容器詰飲料の調製
実施例37〜45、比較例19〜21
焙煎コーヒー豆600gを用いて熱水抽出(抽出効率28%)したBx3.0のコーヒー抽出液に、牛乳1500g、グラニュー糖47gを加え、重曹にてpH7.4に調製後、更に水を加え全量を10kgとした。質量調製したコーヒーミックスは高圧型均質機を用い65〜75℃の温度で15MPaの圧力で均質化し、表8に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、ミルクコーヒー容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
ココア容器詰飲料の調製
実施例46〜48、比較例22〜24
ココアパウダー150gを少量の水に溶かしてグラニュー糖300g、脱脂粉乳150gと水を加えてココア成分が1.5%のココア飲料10kgを調合した。調製したココアミックスは高圧型均質機を用い65〜75℃の温度で15MPaの圧力で均質化し、表9に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、ココア容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
ノンアルコールビールテイスト容器詰飲料の調製
実施例49〜51、比較例25〜27
収穫された大麦を水に浸けて適度に発芽させた後、熱風により焙燥して、麦芽を製造した。該麦芽は常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。マイシェの調製は、50℃で30分間保持することにより行った。その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理は、64.5℃にて10分間、70℃にて10分間保持することにより行った。糖化処理後、78℃で5分間保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な麦汁を得た。 得られた麦汁に麦芽糖を添加してBrix値を35.07(麦芽糖濃度46.3質量%)に調節した。更に、これに塩酸を添加してpHを3.5に調節した。Brix値及びpHを調製した麦汁800mlを5℃に冷却した。冷却した麦汁を三角フラスコに移し、麦汁1mlあたり1×10個の泥状酵母(ビール酵母)を添加した。発酵液の温度を5℃に維持し、2日間静置発酵させた。発酵液のエタノール濃度を測定したところ、発酵液はエタノール濃度が0.0035体積%であった。表10に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、孔サイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過し、缶容器に充填を行い、ノンアルコールビールテイスト容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
麦茶容器詰飲料の調製
実施例52〜54、比較例28〜30
市販の未焙煎大麦1kgを用い、10kgの水を添加して水分を浸透しやすくするため爆ぜ処理を行って麦を膨化させ、約90℃まで昇温して20分間攪拌した後濾布でろ過を行い、麦茶抽出物92kgを調製し、表11に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填して麦茶容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
トマトジュース容器詰飲料の調製
実施例55〜57、比較例31〜33
市販のトマトジュース(カゴメトマトジュース:カゴメ株式会社製)を用い、表12に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、90℃達温にて殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填してトマトジュース容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
野菜ジュース容器詰飲料の調製
実施例58〜60、比較例34〜36
市販の野菜ジュース(1日分の野菜:株式会社伊藤園社製)を用い、表13に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、90℃達温にて殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填して野菜ジュース容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
炭酸容器詰飲料の調製
実施例61〜63、比較例37〜39
グレープフルーツ濃縮果汁10.0%、ブドウ糖果糖混合液糖1.9%、マルチトール4.0%、酸味料0.6%、香料0.2%のベース濃縮液を用い、表14に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、90℃達温にて殺菌処理した後、炭酸水を等量添加して500mlのPET容器に充填して炭酸容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
機能性容器詰飲料の調製
実施例64〜66、比較例40〜42
市販のスポーツドリンク粉末(コカ・コーラ社製 アクエリアスパウダー)を用いて所定の容量の水で溶解し、表15に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、90℃達温にて殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填して機能性容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
ミネラルウォーター容器詰飲料の調製
実施例67〜69、比較例43〜45
レモン濃縮果汁0.05%、香料0.01%のミネラルウォーターを用い、表16に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に充填してミネラルウォーター容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
アルコール容器詰飲料の調製
実施例70〜72、比較例46〜48
収穫された大麦を水に浸けて適度に発芽させた後、熱風により焙燥して、麦芽を製造した。該麦芽は常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。マイシェの調製は、50℃で30分間保持することにより行った。その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理は、64.5℃にて10分間、70℃にて10分間保持することにより行った。糖化処理後、78℃で5分間保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な麦汁を得た。 得られた麦汁に麦芽糖を添加してBrix値を35.07(麦芽糖濃度46.3質量%)に調節した。更に、これに塩酸を添加してpHを3.5に調節した。Brix値及びpHを調製した麦汁800mlを5℃に冷却した。冷却した麦汁を三角フラスコに移し、麦汁1mlあたり1×10個の泥状酵母(ビール酵母)を添加した。発酵液の温度を20℃に維持し、11日間静置発酵させた。発酵液のエタノール濃度を測定したところ、発酵液はエタノール濃度が4.7体積%であった。表17に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、孔サイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過し、缶容器に充填を行い、アルコール容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
乳性容器詰飲料の調製
実施例73〜75、比較例49〜51
市販のリンゴ酢(酸度4.5%)を用いて乳性飲料の製品を得た。脱脂粉乳10kg、牛乳50kg、リンゴ酢40kg、液糖100kg、ステビア糖転移品0.4kg、ペクチン2kgに水を添加し溶解してベース溶液を作成し、全量を1000kgとなるように表18に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、これをホモゲナイザーで均一化した後85℃で30分間殺菌して冷却後、500mlのPET容器に充填して乳性容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
豆乳容器詰飲料の調製
実施例76〜78、比較例52〜54
市販の豆乳(おいしい無調製豆乳:キッコーマン株式会社製)を用い、表19に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、豆乳容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
スープ容器詰飲料の調製
実施例79〜81、比較例55〜57
市販のスープ(コーンポタージュ:キャンベル製)30kg、牛乳30kg、食塩20gを混合したコーンスープを用い、表20に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、スープ容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
味噌汁容器詰飲料の調製
実施例82〜84、比較例58〜60
市販の味噌(だし入り料亭合わせ:サンジルシ醸造株式会社製)30kgに水330kgを混合した味噌汁を用い、表21に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、味噌汁容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
甘酒容器詰飲料の調製
実施例85〜87、比較例61〜63
市販の甘酒(あま酒:ヤマク食品株式会社製)30kgを用い、表22に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、甘酒容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
おしるこ容器詰飲料の調製
実施例88〜90、比較例64〜66
市販の小豆25kgに水50kgを加え炊き、お湯を捨てた後再度水50kgを加えて煮た。小豆の擦りきりまでお湯を捨てた後に砂糖20kgおよび塩20gを添加して小豆粒をつぶしながら加熱溶解したおしるこ液を用い、表23に示す配合により調製例1〜6で得られた組成物を添加し、缶容器に充填後121℃、30分間レトルト殺菌を行い、おしるこ容器詰飲料を得た。
Figure 2020090137
表2〜23から明らかなように、調製例1〜3で得られたフラボノイド包接化合物含有組成物を含有した実施例1〜90の容器詰飲料は、フラボノイド包接化合物含有組成物を含有していない比較例1〜66と比較して、風味劣化が抑えられた。特に、フラボノイド化合物が配合されていない調製例6を配合した容器詰飲料は、風味の劣化が激しかった。
なお、表2〜23には示していないが、調製例1〜3のフラボノイド包接化合物含有組成物に代えて、調製例1〜3を透析によりラムノースを除去したフラボノイド包接化合物で容器詰飲料を作製し、同条件(容器詰飲料中のIQC濃度(質量%)、HPT-7G濃度(質量%)が同じ等)で官能評価を実施した結果、ラムノースを含有するフラボノイド包接化合物含有組成物に比較して、官能評価の値が0.2〜0.4程度低くなったが、比較例1〜66と比較すると風味劣化が抑制されていた。
フラボノイド配糖体組成物の調製
調製例10
1000m1容量のビーカーに、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイド(ルチン又はヘスペリジン)とシクロデキストリンを表24に示すように添加し、水を加えて1000gにし、70℃、pH4.5に調整した。その後撹拌しながら、ナリンギナーゼ(天野エンザイム(株)155u/g)を3〜30g添加し、24時間反応させ、反応液を得た。得られた反応液(70℃、pH4.5、イソクエルシトリン濃度2.3質量%)に、少量のアルカリを加えて60℃、pH6.5に調整後、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase :天野エンザイム(株)、商品名「コンチザイム」、600U/ml)20gを添加して反応を開始し、24時間保持した。得られた反応液を、加熱殺菌、濾過後、凍結乾燥して、一般式(1)で示される化合物を含むイソクエルシトリン配糖体組成物158gを得た。HPLC分析(SHIMADZU)した結果、下記式n=0の配糖体:16.2モル%、n=1〜3の総和:40.7モル%、n=4以上:43.1モル%となり、ラムノースとイソクエルシトリン換算モル数との比(ラムノース/イソクエルシトリン)は1.05であった。
Figure 2020090137
(一般式(1)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
イソクエルシトリン配糖体組成物のイソクエルシトリン換算値(HPLC法)
HPLC分析(イソクエルシトリン濃度分析と同条件)による各ピーク面積の総和と、試薬イソクエルシトリン(Wako)による検量線のピーク面積比較によりイソクエルシトリン換算値を算出した。
Figure 2020090137
また、表24に示す組成とした以外は調製例10と同様にして、調製例7〜9、11〜22の組成物を調製したところ、一般式(1)で示される化合物を含むイソクエルシトリン配糖体組成物が得られ、n=0が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上であり、ラムノースとイソクエルシトリン換算モル数との比(ラムノース/イソクエルシトリン)が0.8〜1.2であった。
調製例28
表24に示す組成とした以外は調製例10と同様にして調製した反応液(70℃、pH4.5、ヘスペレチン−7−グルコシド濃度2.9質量%)に、少量のアルカリを加えて60℃、pH6.5に調整後、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase :天野エンザイム(株)、商品名「コンチザイム」、600U/ml)5gを添加して反応を開始し、24時間保持した。得られた反応液を、加熱殺菌、濾過後、噴霧乾燥して、一般式(2)で示される化合物を含むヘスペレチン−7−グルコシド配糖体組成物136gを得た。HPLC分析(SHIMADZU)した結果、記配糖体組成物中、下記式n=0の配糖体:19.5モル%、n=1〜3の総和:40.9モル%、n=4以上:39.6モル%となり、ラムノースとヘスペレチン−7−グルコシド換算モル数との比(ラムノース/ヘスペレチン−7−グルコシド)は0.98であった。
Figure 2020090137
(一般式(2)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
ヘスペレチン−7−グルコシド配糖体組成物のヘスペレチン−7−グルコシド換算値(HPLC法)
HPLC分析(ヘスペレチン−7−グルコシド濃度分析と同条件)による各ピーク面積の総和と、試薬ヘスペレチン−7−グルコシド(Chem Faces)による検量線のピーク面積比較によりヘスペレチン−7−グルコシド換算値を算出した。
また、表24に示す組成とした以外は調製例28と同様にして、調製例23〜27、29〜37の組成物を調製したところ、一般式(2)で示される化合物を含むヘスペレチン−7−グルコシド配糖体組成物が得られ、n=0が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上であり、ラムノースとヘスペレリン−7−グルコシド換算モル数との比(ラムノース/ヘスペレリン−7−グルコシド)が0.8〜1.2であった。
フラボノイド配糖体組成物による品質劣化防止効果
表2〜23における、調製例2、3を用いた各実施例に代えて、調製例10、28のフラボノイド配糖体組成物を用いて、イソクエルシトリン換算値としての濃度、及びヘスペレチン−7−グルコシド換算値としての濃度を等量にした容器詰飲料を調製した。各実施例と同様にして風味評価を行い、比較した結果、ほぼ同等の官能評価であった。また、ラムノースを含有するフラボノイド配糖体より、透析によりラムノースを除去したものも作成し同条件(容器詰飲料中のIQC濃度(質量%)、HPT-7G濃度(質量%)が同じ等)で官能評価を実施した結果、ラムノースを含有するフラボノイド配糖体組成物に比較して、官能評価の値が0.1〜0.2程度低くなったが、比較例1〜66と比較すると風味劣化が抑制されていた。
包接化合物含有容器詰飲料組成物の処方例
処方例1:緑茶系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販緑茶(株式会社伊藤園:おーいお茶)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例2:紅茶系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販紅茶(株式会社キリン:午後の紅茶 レモンティー)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例3:ウーロン茶系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販ウーロン茶(サントリー食品インターナショナル株式会社:サントリー烏龍茶)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例4:ジャスミン茶系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販ジャスミン茶(株式会社伊藤園:リラックスジャスミンティー)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例5:コーヒー系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販コーヒー(日本コカ・コーラ株式会社:ジョージアエメラルドマウンテンブレンド)(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例6:ミルクコーヒー系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販ミルクコーヒー(UCC上島珈琲株式会社:ミルクコーヒー)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例7:ココア系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販ミルクココア(森永製菓株式会社:ミルクココア190g缶)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例8:ノンアルコールワイン系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販ノンアルコールワイン(シャトー勝沼株式会社:シャトー勝沼 カツヌマグレープ)(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例9:麦茶系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販麦茶(株式会社伊藤園:健康ミネラル麦茶)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例10:トマトジュース系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販トマトジュース(カゴメ株式会社:カゴメトマトジュース)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例11:野菜系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販野菜ジュース(伊藤園株式会社:1日分の野菜)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例12:炭酸系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販炭酸飲料(アサヒ飲料株式会社:三ツ矢サイダー)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例13:ノンアルコールビール系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。
収穫された大麦を水に浸けて適度に発芽させた後、熱風により焙燥して、麦芽を製造した。該麦芽は常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。マイシェの調製は、50℃で30分間保持することにより行った。その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理は、64.5℃にて10分間、70℃にて10分間保持することにより行った。糖化処理後、78℃で5分間保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な麦汁を得た。 得られた麦汁に麦芽糖を添加してBrix値を35.07(麦芽糖濃度46.3質量%)に調節した。更に、これに塩酸を添加してpHを3.5に調節した。Brix値及びpHを調製した麦汁800mlを5℃に冷却した。冷却した麦汁を三角フラスコに移し、麦汁1mlあたり1×10個の泥状酵母(ビール酵母)を添加した。発酵液の温度を5℃に維持し、2日間静置発酵させた。発酵液のエタノール濃度を測定したところ、発酵液はエタノール濃度が0.0035体積%で、ノンアルコール飲料ベースとした。

ノンアルコールビールテイスト飲料ベース
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例14:機能性飲料容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販機能性飲料(大塚製薬株式会社:ポカリスエット)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例15:ミネラルウォーター容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販ミネラルウォーター(サントリー食品インターナショナル株式会社:朝摘みオレンジ&サントリー天然水)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例16:アルコールビール系容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。
収穫された大麦を水に浸けて適度に発芽させた後、熱風により焙燥して、麦芽を製造した。該麦芽は常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。マイシェの調製は、50℃で30分間保持することにより行った。その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理は、64.5℃にて10分間、70℃にて10分間保持することにより行った。糖化処理後、78℃で5分間保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な麦汁を得た。 得られた麦汁に麦芽糖を添加してBrix値を35.07(麦芽糖濃度46.3質量%)に調節した。更に、これに塩酸を添加してpHを3.5に調節した。Brix値及びpHを調製した麦汁800mlを5℃に冷却した。冷却した麦汁を三角フラスコに移し、麦汁1mlあたり1×10個の泥状酵母(ビール酵母)を添加した。発酵液の温度を5℃に維持し、11日間静置発酵させた。発酵液のエタノール濃度を測定したところ、発酵液はエタノール濃度が4.8体積%で、アルコール飲料ベースとした。

アルコールビールテイスト飲料ベース
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例17:ワイン容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販ワイン(株式会社シャトー勝沼:勝沼産100%赤)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例18:乳性飲料容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販乳性飲料(アサヒ飲料株式会社:カルピス)5倍希釈液
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例19:豆乳飲料容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販豆乳飲料(キッコーマン株式会社製:おいしい無調製豆乳)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例20:スープ容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販スープ(ポッカサッポロフードアンドビバレッジ株式会社製:じっくりコトコトコーンポタージュ)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例21:味噌汁容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販味噌汁(サンジルシ醸造株式会社製:だし入り料亭合わせ)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例22:甘酒容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販甘酒(ヤマク食品株式会社製:あま酒)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
処方例23:おしるこ容器詰飲料
風味劣化防止の為、調製例1のイソクエルシトリン(IQC)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例2のイソクエルシトリン(IQC)・γ−シクロデキストリン包接化合物含有組成物、調製例3のヘスペレチン−7−グルコシド(HPT−7G)・β−シクロデキストリン包接化合物含有組成物の乾燥物を含有する容器詰飲料を調製した。本品は、容器詰飲料として、好適に利用できる。

市販おしるこ(アサヒ飲料式会社製:アサヒ おしるこ缶)
(成分) (質量%)
調製例1の乾燥物(IQC質量) 0.0094(0.015)
調製例2の乾燥物(IQC質量) 0.006(0.015)
調製例3の乾燥物(HPT−7G質量) 0.078(0.015)
本発明によれば、容器詰飲料の加工および保存における品質劣化を抑制することができ食品分野において好適に利用することができる。

Claims (23)

  1. フラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料であって、前記フラボノイド包接化合物が、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を経て得られたものである、容器詰飲料。
  2. さらにラムノースを含む、請求項1記載の容器詰飲料。
  3. 前記ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドが、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジン、ジオスミン、エリオシトリン、ミリシトリン、ネオヘスペリジン、ルテオリン−7−ルチノシド、デルフィニジン−3−ルチノシド、シアニジン−3−ルチノシド、イソラムネチン−3−ルチノシド、ケンペロール−3−ルチノシド、及びアカセチン−7−ルチノシドからなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2記載の容器詰飲料。
  4. 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリン、分枝β−シクロデキストリン、及びγ−シクロデキストリンからなる群より選択される1種以上である、請求項1〜3いずれか記載の容器詰飲料。
  5. フラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料であって、前記フラボノイド包接化合物が、ラムノシド構造を持たないフラボノイドがシクロデキストリンに包接された化合物であり、前記フラボノイド包接化合物におけるフラボノイドとシクロデキストリンとのモル比(シクロデキストリン/フラボノイド)が0.01〜10.0である、容器詰飲料。
  6. 前記フラボノイド包接化合物におけるフラボノイドが、イソクエルシトリン、ヘスペレチン−7−グルコシド、ナリンゲニン−7−グルコシド(プルニン)、ジオスメチン−7−グルコシド、ミリセチン、エリオジクチオール−7−グルコシド、ルテオリン−7−グルコシド、デルフィニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、イソラムネチン−3−グルコシド、ケンペロ−ル−3−グルコシド、アピゲニン−7−グルコシド、ケルセチン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、アカセチン−7−グルコシド、及びこれらの誘導体からなる群より選択される1種以上を含む、請求項5記載の容器詰飲料。
  7. 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリン、分岐−β−シクロデキストリン、及びγ−シクロデキストリンからなる群より選択される1種以上を含む、請求項5又は6記載の容器詰飲料。
  8. 前記フラボノイド包接化合物が、イソクエルシトリンがγ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記イソクエルシトリンと前記γ−シクロデキストリンとのモル比(γ−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が1.0〜3.0であり、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上である、請求項5〜7いずれか記載の容器詰飲料。
  9. 前記フラボノイド包接化合物が、イソクエルシトリンがγ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記イソクエルシトリンと前記γ−シクロデキストリンとのモル比(γ−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が0.9〜4.0であり、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上である、請求項5〜7いずれか記載の容器詰飲料。
  10. 前記フラボノイド包接化合物が、イソクエルシトリンがβ−シクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記イソクエルシトリンと前記β−シクロデキストリンとのモル比(β−シクロデキストリン/イソクエルシトリン)が1.0〜3.0であり、前記イソクエルシトリンの水への溶解度が0.01%以上である、請求項5〜7いずれか記載の容器詰飲料。
  11. 前記フラボノイド包接化合物が、ヘスペレチン−7−グルコシドがシクロデキストリンに包接されたフラボノイド包接化合物であり、前記ヘスペレチン−7−グルコシドと前記シクロデキストリンとのモル比(シクロデキストリン/ヘスペレチン−7−グルコシド)が1.0〜3.0であり、前記ヘスペレチン−7−グルコシドの水への溶解度が0.01%以上である、請求項5〜7いずれか記載の容器詰飲料。
  12. さらにラムノースを含み、前記フラボノイド包接化合物中のフラボノイドと前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.1〜10である、請求項5〜11いずれか記載の容器詰飲料。
  13. 前記フラボノイド包接化合物中のフラボノイドと前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.8〜1.2である、請求項12記載の容器詰飲料。
  14. フラボノイド配糖体組成物を含む容器詰飲料であって、前記フラボノイド配糖体組成物が、フラボノイド包接化合物を、糖転移酵素で処理して配糖体化する配糖体化工程を経て得られたものであり、前記フラボノイド包接化合物が、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を経て得られたものである、容器詰飲料。
  15. 前記配糖体化工程がpH3〜7の水媒体において行われる、請求項14記載の容器詰飲料。
  16. 前記配糖体組成物が、下記一般式(1)で示されるイソクエルシトリン配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、請求項14又は15記載の容器詰飲料。
    Figure 2020090137
    (一般式(1)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
  17. 前記配糖体組成物が、下記一般式(2)で示されるヘスペレチン−7−グルコシド配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、請求項14又は15記載の容器詰飲料。
    Figure 2020090137
    (一般式(2)中、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味する)
  18. 前記配糖体組成物が、下記一般式(3)で示されるアグリゴン配糖体組成物であって、前記配糖体組成物中、n=0の配糖体の含有量が10モル%以上30モル%以下であり、n=1〜3の配糖体の含有量が50モル%以下であり、n=4以上の配糖体の含有量が30モル%以上である、請求項14又は15記載の容器詰飲料。
    Figure 2020090137
    (一般式(3)中、R1〜R9は、それぞれ独立して、−H、−OH、−OCH、−O−Glc−(Glc)nであり、Glcはグルコース残基を、nは0または1以上の整数を意味し、R1〜R9のうち少なくとも1以上の置換基が−O−Glc−(Glc)nである。)
  19. さらにラムノースを含み、前記フラボノイド配糖体組成物をフラボノイド換算したモル数と前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.1〜10である、請求項14〜18いずれか記載の容器詰飲料。
  20. 前記フラボノイド配糖体組成物をフラボノイド換算したモル数と前記ラムノースとのモル比(ラムノース/フラボノイド)が0.8〜1.2である、請求項19記載の容器詰飲料。
  21. 茶系飲料、コーヒー系飲料、ココア系飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料、果汁飲料、野菜飲料、炭酸飲料、機能性飲料、ミネラルウォーター、酒類、乳性飲料、又はスープ系飲料である、請求項1〜20いずれか記載の容器詰飲料。
  22. フラボノイド包接化合物を含む容器詰飲料の製造方法であって、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程を含む、製造方法。
  23. フラボノイド配糖体組成物を含む容器詰飲料の製造方法であって、ラムノシド構造をもつ難溶性フラボノイドを、シクロデキストリンの存在下、ラムノシダーゼ活性を有する酵素で処理してラムノースを脱離する脱離工程、及び前記脱離工程を経て得られたフラボノイド包接化合物を、糖転移酵素で処理して配糖体化する配糖体化工程を含む、製造方法。
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