JPWO2020084891A1 - 医療用双方向縫合システム - Google Patents

医療用双方向縫合システム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020084891A1
JPWO2020084891A1 JP2020552564A JP2020552564A JPWO2020084891A1 JP WO2020084891 A1 JPWO2020084891 A1 JP WO2020084891A1 JP 2020552564 A JP2020552564 A JP 2020552564A JP 2020552564 A JP2020552564 A JP 2020552564A JP WO2020084891 A1 JPWO2020084891 A1 JP WO2020084891A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
objective lens
needle member
needle
suture
perspective direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020552564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7320523B2 (ja
Inventor
祥平 鈴木
祥平 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Publication of JPWO2020084891A1 publication Critical patent/JPWO2020084891A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7320523B2 publication Critical patent/JP7320523B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/04Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for suturing wounds; Holders or packages for needles or suture materials
    • A61B17/06Needles ; Sutures; Needle-suture combinations; Holders or packages for needles or suture materials
    • A61B17/062Needle manipulators

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

遠近方向に延在するシャフト(12)と、遠近方向に移動可能であり、先端が遠位側を向いている第1針部材(16)と、遠近方向に移動可能であり、第1針部材(16)よりも遠位側に配置され、先端が近位側を向いている第2針部材(17)と、第1対物レンズ(18)および第2対物レンズ(19)を含む対物レンズ群を有する医療用双方向縫合システムであって、第1対物レンズ(18)は、第1針部材(16)の先端の移動可能区間の最遠位端よりも近位側に配置され、かつ遠位側を向いており、第2対物レンズ(19)は、第2針部材(17)の先端の移動可能区間の最近位端よりも遠位側に配置され、かつ近位側を向いている。

Description

本発明は、近位側から遠位側および遠位側から近位側の双方向に糸による対象物の縫合が可能な縫合機構を備えた医療用双方向縫合システムに関するものである。
脳下垂体にできた腫瘍を摘出するために、しばしば経蝶形骨洞下垂体腫瘍摘出術(TSS;Trans−Sphenoidal Surgery)が行われる。TSSは、一般的に以下の手順で行われる。まず、術者は患者の鼻中隔に沿って鼻粘膜を剥離しながら進展し、蝶形骨を開窓し硬膜を開くことで下垂体に到達する。次いで下垂体腫瘍を摘出し、最後に硬膜を縫合して蝶形骨や鼻粘膜を再建する。硬膜を縫合するための装置としては、硬膜の遠位側から近位側および近位側から遠位側の双方向に縫合糸を通す縫合装置が提案されている(例えば、特許文献1〜7)。このような双方向縫合装置では、硬膜等の縫合対象物の適切な位置に縫合糸を通すことが望まれる。例えば特許文献1、2には内視鏡を備えた縫合装置が開示されており、当該縫合装置によれば、内視鏡により得られた画像を見ながら縫合操作を行うことができる。一方、内視鏡として、遠近方向に対して垂直な方向に複数の対物レンズが配置されたものが知られている(例えば、特許文献8〜10)。
特表2011−509121号公報 国際公開第2009/089101号 特表2014−528768号公報 国際公開第2013/024466号 特開2011−72790号公報 特表2012−515636号公報 国際公開第2010/085793号 特開2014−230788号公報 特開2013−253797号公報 特表平11−503844号公報
双方向縫合装置を用いて硬膜等を縫合する場合、硬膜等の縫合対象物の形状をより正確に把握して、縫合対象物の適切な箇所に縫合糸を通すことが望まれる。例えば、特許文献1、2に開示された縫合装置では、縫合対象物を2次元的にしか把握できないのに対し、特許文献8〜10に開示されるように、遠近方向に対して垂直な方向に複数の対物レンズが配置された内視鏡を用いた場合は、3次元的な画像把握が可能となる。しかし、遠近方向に対して垂直な方向に複数の対物レンズを配置した場合は、遠近方向に垂直な方向、すなわち径方向の大きさが大きくなるため、双方向縫合装置にとっては好ましい態様とはいえない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、縫合対象物を3次元的に把握することができるとともに、縫合を行う処置部の径方向の大きさをコンパクトに形成することができる医療用双方向縫合システムを提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の医療用双方向縫合システムとは、遠近方向に延在するシャフトと、遠近方向に移動可能であり、先端が遠位側を向いている第1針部材と、遠近方向に移動可能であり、第1針部材よりも遠位側に配置され、先端が近位側を向いている第2針部材と、第1対物レンズおよび第2対物レンズを含む対物レンズ群を有する医療用双方向縫合システムであって、第1対物レンズは、第1針部材の先端の移動可能区間の最遠位端よりも近位側に配置され、かつ遠位側を向いており、第2対物レンズは、第2針部材の先端の移動可能区間の最近位端よりも遠位側に配置され、かつ近位側を向いているところに特徴を有する。
本発明の医療用双方向縫合システムによれば、第1対物レンズと第2対物レンズにより縫合対象物を画像認識することができるとともに、縫合対象物を挟んで第1対物レンズと第2対物レンズを設置することにより、第1対物レンズと第2対物レンズによる画像のデフォーカスの度合いにより、縫合対象物の遠近方向の位置を把握することができるため、縫合対象物を3次元的に把握することが可能となる。また、第1対物レンズと第2対物レンズを遠近方向に並べて配置しているため、第1対物レンズと第2対物レンズを遠近方向と垂直な方向に並べて配置する場合と比べて、縫合を行う処置部の径方向の大きさをコンパクトに形成することができる。
第1対物レンズは、第1針部材の先端の移動可能区間の最近位端よりも近位側に配置され、第2対物レンズは、第2針部材の先端の移動可能区間の最遠位端よりも遠位側に配置されていてもよい。また、第1対物レンズおよび第2対物レンズは、シャフトの遠近方向から見て、少なくとも一部が互いに重なって配置されていてもよい。
医療用双方向縫合システムには照明器が設けられていてもよい。これにより、第1対物レンズおよび/または第2対物レンズを通してより鮮明な画像を取得できるようになる。照明器は、例えば、第1対物レンズよりも近位側および第2対物レンズよりも遠位側の少なくとも一方に配置することができる。また、第1対物レンズよりも遠位側かつ第2対物レンズよりも近位側に照明器が配置され、該照明器は、その出射光が第1対物レンズまたは第2対物レンズに直接入射しないように遮蔽されているものであってもよい。
第1対物レンズの光軸と第2対物レンズの光軸が遠近方向に平行であることが好ましい。第1対物レンズは、シャフトに対して遠近方向に移動可能であってもよい。第1対物レンズの開口数は、第2対物レンズの開口数よりも大きいことが好ましい。
医療用双方向縫合システムは、縫合対象物への第1刺針位置を特定するための情報を保持する記憶部と、第1針部材の先端が第1刺針位置を経由して縫合対象物の近位側から遠位側に移動するように第1針部材を制御する制御部をさらに有するものであってもよい。医療用双方向縫合システムはまた、縫合対象物への第2刺針位置を特定するための情報を保持する記憶部と、第2針部材の先端が第2刺針位置を経由して縫合対象物の遠位側から近位側に移動するように第2針部材を制御する制御部をさらに有するものであってもよい。
医療用双方向縫合システムは、第1対物レンズを通して得られる画像または第2対物レンズを通して得られる画像を表示する表示装置をさらに有しており、表示装置に、第1刺針位置または第2刺針位置に対応する位置において標識が表示されるものであってもよい。医療用双方向縫合システムはまた、第1対物レンズを通して得られる画像および第2対物レンズを通して得られる画像をもとに縫合対象物の3次元像データを生成するものであってもよい。
医療用双方向縫合システムは、シャフトを、遠近方向とは異なる方向に移動させる機構を有していてもよい。
医療用双方向縫合システムは、遠近方向に垂直である2次元座標の特定位置を示す位置決めマーカーであって、第1対物レンズにより撮影される画像および第2対物レンズにより撮影される画像の少なくとも一方に表示される位置決めマーカーを有するものであってもよい。
本発明の医療用双方向縫合システムによれば、第1対物レンズと第2対物レンズにより縫合対象物を画像認識することができるとともに、縫合対象物を挟んで第1対物レンズと第2対物レンズを設置することにより、第1対物レンズと第2対物レンズによる画像のデフォーカスの度合いにより、縫合対象物の遠近方向の位置を把握することができるため、縫合対象物を3次元的に把握することが可能となる。また、第1対物レンズと第2対物レンズを遠近方向に並べて配置しているため、第1対物レンズと第2対物レンズを遠近方向と垂直な方向に並べて配置する場合と比べて、縫合を行う処置部の径方向の大きさをコンパクトに形成することができる。
医療用双方向縫合システムに備えられる縫合器の側面図の一例を表す。 縫合器の遠位側の処置部の断面図の一例を表す。 図2に示した縫合器の処置部において、針部材により縫合対象物を刺針した状態の断面図を表す。 縫合器の遠位側の処置部の断面図の他の一例を表し、縫合対象物の固定部材が設けられた処置部の構成例を表す。 図4に示した縫合器の処置部において、固定部材により縫合対象物を挟んだ状態の断面図を表す。 縫合器の遠位側の処置部の断面図の他の一例を表し、規制部材が設けられた処置部であって、規制部材が針部材の移動の妨げとならない位置にある状態の処置部の構成例を表す。 図6に示した縫合器の処置部において、規制部材が針部材の移動の妨げとなる位置にある状態の断面図を表す。 縫合器の遠位側の処置部の断面図の一例を表し、規制部材の下側にスペーサー部材が設けられた処置部の構成例を表す。 縫合器の遠位側の処置部の断面図の一例を表し、縫合対象物の固定部材と規制部材が設けられた処置部の構成例を表す。 医療用双方向縫合システムのブロック構成図の一例を表す。
本発明は、生体膜等の縫合対象物に、一方側から他方側および他方側から一方側の双方向に向かって糸を通すことができる双方向縫合機構を備えた医療用双方向縫合システムに関するものである。本発明の医療用双方向縫合システムは、近位側から遠位側に糸を送り出す第1針部材と、遠位側から近位側に糸を送り出す第2針部材と、第1針部材側に設けられ遠位側を向いた第1対物レンズと、第2針部材側に設けられ近位側を向いた第2対物レンズとを有するものである。本発明の医療用双方向縫合システムによれば、第1対物レンズと第2対物レンズにより縫合対象物を画像認識することができるともに、縫合対象物の遠近方向の位置が適切かどうかを把握することができ、第1針部材と第2針部材による縫合対象物の刺針位置を適切に設定することができる。
以下、下記実施の形態に基づき本発明の医療用双方向縫合システムを具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
図1には、医療用双方向縫合システムに備えられる縫合器の側面図の一例を示し、図2および図3には、縫合器の遠位側に設けられる処置部の断面図の一例を示した。図2には、縫合対象物に針部材が刺針される前の状態が示されており、図3には、縫合対象物に針部材が刺針された状態が示されている。なお本明細書では、「医療用双方向縫合システム」を単に「縫合システム」と称することがある。
縫合システムは、第1針部材16と第2針部材17による縫合機構を備えた縫合器11を有する。縫合器11は、遠近方向に延在するシャフト12を有し、シャフト12の遠位部には生体膜等の縫合対象物を縫合するための処置部13が設けられる。処置部13には第1針部材16と第2針部材17が含まれ、これらの部材を操作することによって縫合対象物を縫合することができる。
シャフト12の近位側にはハンドル部15が設けられることが好ましい。ハンドル部15は、施術の際に単にシャフト12を保持したり固定するものであってもよく、処置部13を操作するための操作部が設けられるものであってもよい。処置部13の操作は、術者がハンドル部15を手に持って操作することにより行ってもよく、術者がハンドル部15から離れた場所からモニター等を見ながら遠隔操作により行ってもよい。後者の場合、縫合システムは、縫合器とは別に操作部を有することが好ましく、操作部には、例えば第1針部材や第2針部材を操作する入力部等が備えられる。また、操作者を介さずに、定められたプロトコルによって機械的に処置部13が操作されてもよい。
本発明において、遠近方向はシャフト12の延在方向に基づき定められる。シャフト12の近位側とはハンドル部15側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向、すなわち処置対象物側の方向を指す。図1〜図3では、図面の左側が遠位側となり、図面の右側が近位側となる。また、近位側と遠位側の一方から他方への方向を遠近方向と称する。
縫合器11の遠近方向の大きさとしては、術者の手元から縫合対象物までの距離を目安に設定すればよく、例えば5cm以上80cm以下にすることができる。TSS(経蝶形骨洞下垂体腫瘍摘出術)においては、下垂体から鼻穴までの距離を参考にして設定すればよく、例えば20cm以上50cm以下が好ましい。
縫合器11の各部は、生体適合性を有する材料から構成されることが好ましい。そのような材料としては、例えば、ステンレス等の金属材料や樹脂材料を挙げることができる。特に、体内に挿入される部分は、生体適合性を有する材料から構成されることや生体適合性を有するコーティング層を備えることが好ましい。
図2および図3に示すように、第1針部材16は、先端が遠位側を向き、遠近方向に移動可能となっている。第2針部材17は、第1針部材16よりも遠位側に配置され、先端が近位側を向き、遠近方向に移動可能となっている。図3に示すように、第1針部材16の先端と第2針部材17の先端の間に縫合対象物31を配置し、第1針部材16に糸をかけて遠位側に移動させることで、第1針部材16が縫合対象物31を貫き、縫合対象物31に近位側から遠位側に糸を通すことができる。また、第2針部材17に糸をかけて近位側に移動させることで、同様に縫合対象物31に遠位側から近位側に糸を通すことができる。この際、第1針部材16によって近位側から縫合対象物31を通過して遠位側に送られた糸は第2針部材17側に移動し、第2針部材17によって遠位側から縫合対象物31を通過して近位側に送られた糸は第1針部材16側に移動する。これにより、糸を遠近方向に移動させることが可能となり、縫合対象物31を縫合することができる。縫合は、例えば、生体膜等の切開部の切開線を挟んだ一方側の部分に第1針部材16によって近位側から遠位側に糸を通し、他方側の部分に第2針部材17によって遠位側から近位側に糸を通すことより行うことができる。
シャフト12は内腔を有し、第1針部材16と第2針部材17はシャフト12の内腔内に配置されることが好ましい。シャフト12にはまた、施術の際に縫合対象物31が配置される切欠き部14が設けられることが好ましい。切欠き部14は、第1針部材16の先端と第2針部材17の先端の間の少なくとも一部に設けられればよい。詳細には、切欠き部14は、第1針部材16が最も近位側に位置し、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態で、シャフト12の第1針部材16の先端より遠位側かつ第2針部材17の先端より近位側の部分の少なくとも一部に設けられればよい。切欠き部14は、第1針部材16の先端より近位側および/または第2針部材17の先端より遠位側に延在して形成されてもよい。
シャフト12の内部には、第1針部材16が通る挿通路および/または第2針部材17が通る挿通路が設けられることが好ましい。これらの挿通路を設けることにより、第1針部材16や第2針部材17を安定して遠近方向に移動させやすくなる。
第1針部材16は、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態で、第2針部材17の先端よりも近位側の位置まで移動可能であることが好ましく、第2針部材17の先端よりも遠位側に到達しないことが好ましい。すなわち、第1針部材16の先端の移動可能区間の最遠位端は、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態で、第2針部材17の先端よりも近位側に位置することが好ましい。第2針部材17の先端は、第1針部材16が最も近位側に位置する状態で、第1針部材16の先端よりも遠位側の位置まで移動可能であることが好ましく、第1針部材16の先端よりも近位側に到達しないことが好ましい。すなわち、第2針部材17の先端の移動可能区間の最近位端は、第1針部材16が最も近位側に位置する状態で、第1針部材16の先端よりも遠位側に位置することが好ましい。これにより、第1針部材16または第2針部材17に糸をかけて遠近方向に移動させたときに、第1針部材16と第2針部材17の間で糸の移動を行いやすくなる。
第1針部材16と第2針部材17は、シャフト12の遠近方向から見て、少なくとも一部が互いに重なって配置されていることが好ましく、第1針部材16の軸中心と第2針部材17の軸中心とが一致することがより好ましい。第1針部材16と第2針部材17が遠位側から見て互いに重なっているとは、第1針部材16と第2針部材17とが、遠近方向において、略同一直線上にあることを意味する。この場合、少なくとも第1針部材16の先端の部分と第2針部材17の先端の部分が、遠位側から見て、互いに重なって配置されていることが好ましい。このように第1針部材16と第2針部材17を配置することにより、第1針部材16によって遠位側に移動した糸が第2針部材17の先端付近に配置されやすくなり、第2針部材17によって近位側に移動した糸が第1針部材16の先端付近に配置されやすくなる。そのため、第1針部材16と第2針部材17の間で糸の移動を好適に行いやすくなる。また、第1針部材16と第2針部材17のうち、糸をかけた方の針部材で縫合対象物を刺針しにくい場合は、糸をかけていない方の針部材で縫合対象物に孔を開けることで、縫合対象物の縫合を容易にすることも可能となる。
糸は、医療用として使用される縫合糸であれば特に限定されず、単糸、編糸であってもよい。糸の径は、一般的に縫合糸で使用される径であれば適宜選択可能である。糸の材料は、分解性材料であってもよい。糸の長さは、手術の邪魔にならない程度に十分に長いことが望ましく、20cm以上200cm以下が好ましい。例えば、TSSでは、縫合糸が体外から硬膜まで往復できる長さに、医師が患者の体外で縫合糸にノットを作製するのに十分な長さを加えた長さが好まれ、TSSにおける好ましい糸の長さは40cm以上150cm以下である。
第1および第2針部材16,17は、生体適合性を有し、生体膜等の縫合対象物を刺針可能な強度を有する材料から構成されることが好ましい。第1および第2針部材16,17は、例えば、ステンレス等の金属材料や樹脂材料から構成されることが好ましく、安全性や加工の容易性の観点からステンレスから構成されることがより好ましい。
第1および第2針部材16,17は、中実状であってもよく中空状であってもよい。なお、製造容易性および高強度化の観点から、第1および第2針部材16,17は中実状であることが好ましい。
第1および第2針部材16,17の外径は、一般的な縫合針で使用される径であれば特に限定されないが、例えば0.05mm以上1.5mm以下であることが好ましい。第1および第2針部材16,17が中空状である場合、その肉厚は、例えば0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
第1および第2針部材16,17の長さは、例えばTSS用の場合では、鼻腔から下垂体までの距離である1.5mm以上40cm以下の範囲で適宜設定することができる。
第1針部材16と第2針部材17は直接または間接的にハンドル部15に接続していることが好ましい。これにより、第1針部材16と第2針部材17の遠近方向への移動を縫合器の近位側から操作して行うことができる。第1針部材16または第2針部材17が間接的にハンドル部15に接続する場合、第1針部材16または第2針部材17は1または複数の接続部材を介してハンドル部15に接続していればよい。
第1および第2針部材16,17の先端部分は、先端に向かって断面積が小さくなるように形成されていることが好ましく、これにより第1および第2針部材16,17を縫合対象物に刺針しやすくなる。
第1および第2針部材16,17は、先端が少なくとも第1端部と第2端部の二又に分かれていることが好ましい。第1および第2針部材16,17は、先端に3以上の端部を備えていてもよい。これにより、第1針部材16を遠位側に移動または第2針部材17を近位側に移動させた際に、第1針部材16または第2針部材17の分岐した部分に糸をかけることができる。各針部材の分岐した部分は、針部材の進行方向、つまり遠近方向に対して所定角度を有する溝状であることが好ましく、例えば遠近方向に対して垂直に配置される。このような分岐した部分に糸がかかっていると、第1針部材16、第2針部材17の遠近方向への移動とともに糸を移動させることができ、糸を縫合対象物に通しやすくなる。分岐した各端部の先端位置は、遠近方向に対して互いに同一であっても異なっていてもよい。
第1および第2針部材16,17の全体形状は、直線状であってもよく、曲線状であってもよく、またこれらの組み合わせによる形状であってもよい。第1および第2針部材16,17は折り曲げ部を有していてもよい。図面では、第2針部材17に折り曲げ部が設けられている。第2針部材17に折り曲げ部が設けられることにより、第2針部材17の先端が近位側を向くとともに、第2針部材17の基端側も近位側を向くように形成され、これにより、第2針部材17をハンドル部15に接続することができる。また、第2針部材17の先端側の遠近方向に延びる部分と基端側の遠近方向に延びる部分を繋ぐ接続部分が遠近方向に移動できるようにするために、シャフト12内の切欠き部14よりも遠位側に、当該接続部分が通るための溝20が形成されている。なお図面に示されていないが、第2針部材17には折り曲げ部が設けられず、第2針部材17の遠位端部に遠近方向に延在する接続部材が設けられて、この接続部材を介して第2針部材17がハンドル部15に接続されてもよい。
図面には示されていないが、シャフト12には切欠き部14を覆う保護蓋が取り付けられてもよい。これにより、縫合の前後にシャフト12を体内で移動させるときに、切欠き部14から第1針部材16と第2針部材17の先端が露出しないようにすることができる。保護蓋は、遠近方向に移動可能に取り付けられていることが好ましい。また、保護蓋の開閉は、手元側のハンドル部15で操作できることが好ましい。これにより、縫合時には保護蓋を移動させて切欠き部14を露出させ、非縫合時には保護蓋によって切欠き部14を覆うことができる。
縫合システムは、第1対物レンズ18および第2対物レンズ19を含む対物レンズ群を有する。第1対物レンズ18は、第1針部材16の先端の移動可能区間の最遠位端よりも近位側に配置され、かつ遠位側を向いており、第2対物レンズ19は、第2針部材17の先端の移動可能区間の最近位端よりも遠位側に配置され、かつ近位側を向いている。縫合システムは、第1対物レンズ18、第2対物レンズ19について、レンズを通して得られた画像を電気信号に変換する撮像素子が設けられていることが好ましい。第1対物レンズ18と第2対物レンズ19によって縫合対象物31を画像認識することができ、第1針部材16と第2針部材17による縫合対象物31の刺針位置を適切に設定することができる。また、縫合対象物31を挟んで第1対物レンズ18と第2対物レンズ19を設置することにより、第1対物レンズ18と第2対物レンズ19による画像のデフォーカスの度合い、言い換えればピントのボケ具合により、縫合対象物31の遠近方向の位置が適切かどうかを把握することができる。さらに、第1対物レンズ18と第2対物レンズ19を遠近方向に並べて配置しているため、処置部13の大きさを小さくすることができ、そのように第1対物レンズ18と第2対物レンズ19を配置しながら、縫合対象物31を3次元的に把握することが可能となる。第1対物レンズ18と第2対物レンズ19は、シャフト12の遠近方向から見て、少なくとも一部が互いに重なって配置されていることが好ましい。このように第1対物レンズ18と第2対物レンズ19が配置されていれば、シャフト12の径方向に対する処置部13の大きさをコンパクトに形成することができる。
第1対物レンズ18が遠位側を向く方向、すなわち第1対物レンズ18よりも縫合対象物31側であって、第1対物レンズ18を起点として第1対物レンズ18の光軸が延びる方向は、遠位方向に対して±30°以内が好ましく、±20°以内がより好ましく、±10°以内がさらに好ましい。第2対物レンズ19が近位側を向く方向、すなわち第2対物レンズ19よりも縫合対象物31側であって、第2対物レンズ19を起点として第2対物レンズ19の光軸が延びる方向は、近位方向に対して±30°以内が好ましく、±20°以内がより好ましく、±10°以内がさらに好ましい。このように第1対物レンズ18と第2対物レンズ19が設置されていれば、縫合対象物31を第1針部材16と第2針部材17によって刺針可能な位置に配置した際に、縫合対象物31を第1対物レンズ18と第2対物レンズ19により好適に画像認識しやすくなる。縫合対象物31の遠近方向の位置をより正確に把握することが容易な点からは、第1対物レンズ18の光軸と第2対物レンズ19の光軸がシャフト12の遠近方向に平行であることが好ましい。特に、第1対物レンズ18と第2対物レンズ19は、レンズ面が、遠近方向に延びる直線に対して垂直に配置されることが好ましい。さらに、第1対物レンズ18と第2対物レンズ19を、遠近方向に延びる同一直線上に配置することが好ましい。
第1対物レンズ18は切欠き部14の近位端またはそれよりも近位側に配置され、第2対物レンズ19は切欠き部14の遠位端またはそれよりも遠位側に配置されることが好ましい。この場合、縫合対象物31が切欠き部14に配置されることにより、第1対物レンズ18と第2対物レンズ19によって縫合対象物31を確実に画像の中に収めることができる。
図面には示されていないが、第1対物レンズ18は、第1針部材16の先端の移動可能区間の最近位端よりも近位側に配置されていてもよく、第2対物レンズ19は、第2針部材17の先端の移動可能区間の最遠位端よりも遠位側に配置されていてもよい。このように第1対物レンズ18と第2対物レンズ19が配置されていれば、縫合対象物31とともに第1針部材16の先端または第2針部材17の先端を画像の中に収めやすくなり、より正確に第1針部材16と第2針部材17による縫合対象物31の刺針位置を設定することが容易になる。
第1対物レンズ18は、第1針部材16の先端の移動可能区間の最遠位端よりも近位側に配置される限り、シャフト12に設けられてもよく、シャフト12以外の任意の部材に設けられてもよい。第2対物レンズ19は、第2針部材17の先端の移動可能区間の最近位端よりも遠位側に配置される限り、シャフト12に設けられてもよく、シャフト12以外の任意の部材に設けられてもよい。第1対物レンズ18または第2対物レンズ19がシャフト12に設けられる場合、第1対物レンズ18または第2対物レンズ19はシャフト12内に配置されてもよく、シャフト12の外側に配置されてもよい。図面では、第1対物レンズ18と第2対物レンズ19がシャフト12内に設けられた構成例が示されている。一方、図面には示されていないが、第1対物レンズ18または第2対物レンズ19がシャフト12以外の部材に設けられる場合は、例えば縫合システムが内視鏡を含んで構成され、当該内視鏡に備えられたレンズを第1対物レンズ18または第2対物レンズ19としてもよい。この場合、特に第1対物レンズ18を内視鏡のレンズから構成することが簡便である。一方、第2対物レンズ19はシャフト12に設けられることが好ましく、これにより処置部13をコンパクトに形成することができる。
第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19は、シャフト12に対して固定されてもよく、移動可能に設けられてもよい。例えば、第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19はシャフト12に対して遠近方向に移動可能であってもよく、特に第1対物レンズ18はシャフト12に対して遠近方向に移動可能であってもよい。この場合、シャフト12に配置された第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19を移動可能にするために、シャフト12にレンズ駆動機構を配置することができる。第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19を遠近方向に移動することにより、レンズの焦点位置を調整することができる。第1対物レンズ18を内視鏡のレンズから構成する場合は、第1対物レンズ18がシャフト12に対して遠近方向に移動可能に形成されることとなる。第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19はシャフト12に対して垂直な方向を軸として回転移動可能であってもよい。第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19を回転移動することにより、より広域を観察することができる。
第1対物レンズ18の開口数は、第2対物レンズ19の開口数よりも大きいことが好ましい。開口数はレンズの分解能を表す指標の一つであり、開口数の値が大きいほど明るさをより多く取り込むことができる。縫合対象物31を縫合する場合、通常最初のステップとして、第1針部材16によって縫合対象物31の近位側から遠位側に糸を通すため、第1対物レンズ18の開口数が第2対物レンズ19の開口数よりも大きければ、第1対物レンズ18を通して取得した画像をもとに、第1針部材16による刺針位置をより正確に定めることができる。
図面には示されていないが、縫合システムには照明器が設けられていてもよい。これにより、第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19によってより鮮明な画像を取得できるようになる。照明器は縫合対象物31を照らすように設けられ、例えば第1対物レンズ18よりも近位側および第2対物レンズ19よりも遠位側の少なくとも一方に配置されることが好ましく、第1対物レンズ18よりも近位側と第2対物レンズ19よりも遠位側のそれぞれに配置されることがより好ましい。このような位置に照明器を設けることにより、縫合対象物31の広い範囲を照らすことができる。
照明器は、第1対物レンズ18よりも遠位側かつ第2対物レンズ19よりも近位側に配置されていてもよい。このような位置に照明器を設けることにより、縫合対象物31をより明るく照らすことができ、また縫合対象物31に影ができにくくすることができる。この場合、照明器は、第1対物レンズ18よりも遠位側かつ第2対物レンズ19よりも近位側であって、縫合対象物31が配置される位置よりも遠位側と近位側の少なくとも一方に配置されればよく、縫合対象物31が配置される位置よりも近位側と遠位側にそれぞれ配置されることがより好ましい。
照明器は、遠近方向に対して、第1対物レンズ18と同位置に設けられてもよく、また第2対物レンズ19と同位置に設けられてもよい。このような位置に照明器を設けても、縫合対象物31に影ができにくくすることができる。この場合、照明器は、縫合対象物31が配置される位置よりも遠位側と近位側の少なくとも一方に配置されればよく、縫合対象物31が配置される位置よりも近位側と遠位側にそれぞれ配置されることがより好ましい。
照明器は、その出射光が第1対物レンズ18または第2対物レンズ19に直接入射しないように遮蔽されていることが好ましい。具体的には、縫合対象物31が配置される位置よりも近位側に照明器が配置される場合は、当該照明器の出射光が第1対物レンズ18に直接入射しないように遮蔽されていることが好ましく、縫合対象物31が配置される位置よりも遠位側に照明器が配置される場合は、当該照明器の出射光が第2対物レンズ19に直接入射しないように遮蔽されていることが好ましい。これにより、第1対物レンズ18または第2対物レンズ19により得られた画像にハレーションが起こりにくくなる。
照明器は、シャフト12に設けられてもよく、シャフト12以外の任意の部材に設けられてもよい。シャフト12に照明器が設けられる場合、照明器はシャフト12の内腔内に配置されてもよく、シャフト12の外側に配置されてもよい。シャフト12以外の任意の部材に照明器が設けられる場合は、例えば縫合システムが内視鏡を含んで構成され、当該内視鏡に備えられた照明器を第1対物レンズ18の近位側または遠位側に設けられる照明器または第2対物レンズ19の近位側または遠位側に設けられる照明器として用いてもよい。
照明器の光源としては、例えばLED、キセノンランプ、有機EL、レーザー光などを用いることができる。
縫合器には、縫合対象物である生体膜等を固定するための固定部材が設けられることが好ましい。図4および図5には、固定部材21が設けられた縫合器の処置部の構成例を示した。固定部材21は遠近方向に移動可能に形成され、遠近方向に移動させることで、縫合対象物31を挟んで固定することができる。これにより、第1針部材16と第2針部材17による刺針が容易となる。
固定部材21はシャフト12内に配置され、切欠き部14に遠近方向に隣接して配されることが好ましい。この場合、固定部材21を遠近方向に移動させると、切欠き部14の遠近方向の長さを変更することができる。
図4には、縫合対象物31を挟む前の状態の処置部13が示されており、図5には、縫合対象物31を挟んだ状態の処置部13が示されている。図4および図5には、固定部材21を遠位側に移動させたときに縫合対象物31を挟むことができる処置部13の構成例が示されており、この場合、固定部材21の遠位端は、第1針部材16が最も近位側に位置し、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態で、第1針部材16の先端よりも遠位側かつ第2針部材17の先端よりも近位側に位置することが好ましい。この場合、固定部材21に第1対物レンズ18を設けることができ、また第1対物レンズ18用の照明器を固定部材21に設けることもできる。
図面には示していないが、固定部材21は近位側に移動させたときに縫合対象物31を挟むことができるものであってもよい。この場合、固定部材21の近位端が、第1針部材16が最も近位側に位置し、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態で、第1針部材16の先端よりも遠位側かつ第2針部材17の先端よりも近位側に位置することが好ましい。この場合、固定部材21に第2対物レンズ19を設けることができ、また第2対物レンズ19用の照明器を固定部材21に設けることもできる。
固定部材21は、遠近方向に延びる第1挿通路22を有し、第1挿通路22に第1針部材16および/または第2針部材17が挿通されることが好ましい。第1挿通路22は、固定部材21を遠近方向に貫通して設けられる。このように固定部材21に第1挿通路22を設けることにより、第1針部材16または第2針部材17によって縫合対象物31を刺針する地点の周囲を固定部材21によって固定することができ、第1針部材16や第2針部材17による刺針が容易となる。また、第1針部材16や第2針部材17の遠近方向へ移動する軌跡が安定化する。
固定部材21は直接または間接的にハンドル部15に接続していることが好ましい。これにより、固定部材21の遠近方向への移動を縫合器の近位側から操作して行うことができる。固定部材21が間接的にハンドル部15に接続する場合、固定部材21は1または複数の接続部材を介してハンドル部15に接続していればよい。
縫合器には、第1針部材16が最も近位側に位置し、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態で、第1針部材16よりも遠位側および/または第2針部材17よりも近位側の位置に規制部材が設けられることが好ましい。図6および図7には、図2および図3に示した処置部13に対して規制部材24を設けた構成例を示した。規制部材24を設けることにより、第1針部材16によって縫合対象物31の近位側から糸を送り出す際、あるいは第2針部材17によって縫合対象物31の遠位側から糸を送り出す際に、糸が縫合器から抜け落ちないように、糸の動きを規制することができる。図6および図7では、規制部材24として第1規制部材24Aと第2規制部材24Bが設けられ、第2規制部材24Bは、少なくとも一部が、第1規制部材24Aよりも遠位側に位置するように設けられている。規制部材24は、シャフト12内に配置されることが好ましい。
規制部材24は、第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動可能に形成される。具体的には、規制部材24は保持部25を有し、保持部25が、第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動するように形成される。第1針部材16の移動の妨げとなる位置とは、第1針部材16を遠近方向に移動させたときの第1針部材16の軌跡上であって、第1針部材16が最も近位側に位置する状態において、第1針部材16の先端より遠位側の任意の位置を意味する。第2針部材17の移動の妨げとなる位置とは、第2針部材17を遠近方向に移動させたときの第2針部材17の軌跡上であって、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態において、第2針部材17の先端より近位側の任意の位置を意味する。
規制部材24としては、好ましくは第1規制部材24Aと第2規制部材24Bが設けられ、第1規制部材24Aが第1針部材16の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動可能であり、第2規制部材24Bが第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動可能に形成される。より好ましくは、第1規制部材24Aと第2規制部材24Bの両方が第1針部材16と第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動可能に形成される。
保持部25は、第1針部材16が最も近位側に位置し、第2針部材17が最も遠位側に位置する状態で、第1針部材16よりも遠位側かつ第2針部材17よりも近位側に位置することが好ましい。規制部材24として第1規制部材24Aと第2規制部材24Bが設けられる場合は、第1規制部材24Aの保持部25は第2規制部材24Bの保持部25よりも近位側に位置するように設けられることが好ましい。この場合、第1規制部材24Aの保持部25と第2規制部材24Bの保持部25の間に縫合対象物31が配置されることが好ましく、従って、第1規制部材24Aの保持部25は、シャフト12において切欠き部14よりも近位側に設けられ、第2規制部材24Bの保持部25は切欠き部14よりも遠位側に設けられることが好ましい。
保持部25は、遠近方向とは異なる方向に移動することによって、第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動することが好ましい。遠近方向と異なる方向としては、遠近方向とは異なる方向への平行移動であることが好ましい。図6および図7には、保持部25が遠近方向とは異なる方向に平行移動する態様として、保持部25が遠近方向に垂直な方向に移動する規制部材24の構成例が示されている。図6では、保持部25が第1針部材16と第2針部材17の移動の妨げとならない位置にあり、図7では、保持部25が第1針部材16と第2針部材17の移動の妨げとなる位置にある。保持部25が第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置に移動することにより、第1針部材16または第2針部材17によって送り出される予定の糸が容易に抜け落ちないようにすることができる。一方、保持部25が第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとならない位置にある場合は、第1針部材16または第2針部材17を遠近方向に移動させることによって糸を送り出すことができる。保持部25は、糸に直接接触することによって糸の抜け落ちを防ぐものであってもよく、糸が抜け落ちる際に邪魔になる位置に移動することによって糸の抜け落ちを防ぐものであってもよい。
保持部25の移動方向は、遠近方向に対して45°以上90°以下の方向が好ましく、60°以上90°以下の方向がより好ましく、75°以上90°以下の方向がさらに好ましい。保持部25は、特に遠近方向に垂直な方向に移動可能であることが好ましく、これにより、保持部25を移動させた際に保持部25が糸に接触しても糸が遠近方向にずれにくくなる。図6および図7では、規制部材24は遠近方向に沿った断面でL字状に形成されており、その遠位部分である遠近方向に対して垂直に延びる部分の先端部が保持部25となっている。保持部25は、遠近方向に垂直な方向に移動可能となっている。
シャフト12の内部には、保持部25が通る挿通路が設けられることが好ましい。保持部25が通る挿通路は、保持部25の移動方向に沿って延びていることが好ましい。このような挿通路を設けることにより、保持部25を所望の方向に平行移動させて、第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置に正確に移動させやすくなる。保持部25が通る挿通路は第1針部材16または第2針部材17が通る挿通路の途中に接続していることが好ましい。また、第1規制部材24Aの保持部25が通る挿通路よりも遠位側かつ第2規制部材24Bの保持部25が通る挿通路よりも近位側にシャフト12の切欠き部14が設けられることが好ましい。
保持部25の形状は特に限定されない。なお、シャフト12内で保持部25が移動するスペースを小さくし、また保持部25の移動によって糸の抜け落ちを防ぎやすくする点から、保持部25は遠近方向とは異なる方向に延びる棒状または板状に形成され、かつ当該方向に移動可能であることが好ましい。
規制部材24は、縫合器の近位側からの操作によって、第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動するように形成されていることが好ましい。この点から、規制部材24は、保持部25よりも近位側に、遠近方向に延びる支持部26を有することが好ましい。この場合、縫合器の近位側から操作することにより支持部26の動きを直接または間接的に制御して、保持部25を、第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間で移動させることができる。
規制部材24の保持部25と支持部26は、1つの部材から一体的に構成されていてもよく、複数の部材を組み合わせて構成されていてもよい。図6および図7では、線材をL字状に折り曲げることにより規制部材24が形成され、L字状に折り曲げた遠位側の先端部分を保持部25とし、それより近位側の部分を支持部26としている。
規制部材24は、保持部25と支持部26が遠近方向に垂直な方向に移動可能に形成されていることが好ましい。保持部25と支持部26が一体的に遠近方向に垂直な方向に移動可能であれば、保持部25を安定して遠近方向に垂直な方向に移動させることができる。この場合、規制部材24は、次のようにして、遠近方向に垂直な方向に移動可能に形成されていることが好ましい。すなわち、保持部25が移動可能な遠近方向に垂直な方向を上下方向と規定し、保持部25が第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置から妨げとならない位置に移動する方向を下方向、その反対方向を上方向としたとき、規制部材24の支持部26の下側に遠近方向に移動可能なスペーサー部材が設けられ、スペーサー部材を遠位側に移動させたときに、保持部25と支持部26が上方向に移動し、スペーサー部材を近位側に移動させたときに、保持部25と支持部26が下方向に移動することが好ましい。
図8には、規制部材24の支持部26の下側に、遠近方向に移動可能なスペーサー部材27を設けた構成例を示した。図8に示すように、スペーサー部材27を遠位側に移動させたときに、第1規制部材24Aの保持部25と支持部26が上方向に移動するとともに、第2規制部材24Bの保持部25と支持部26が上方向に移動する。一方、図6に示した状態は、スペーサー部材27を近位側に移動させた状態と見なすことができるが、スペーサー部材27を近位側に移動させると、第1規制部材24Aの保持部25と支持部26が下方向に移動するとともに、第2規制部材24Bの保持部25と支持部26が下方向に移動する。
スペーサー部材27は、直接または間接的にハンドル部15に接続していることが好ましい。これにより縫合器の近位側から操作してスペーサー部材27を遠近方向に移動させることができ、規制部材24を、第1針部材16および/または第2針部材17の移動の妨げとなる位置と妨げとならない位置との間を移動させることができる。スペーサー部材27としては、遠近方向に延在する棒状または板状の部材を用いることが好ましい。このようなスペーサー部材27を用いることにより、シャフト12内の狭い空間でもスペーサー部材27を配置して、遠近方向に動かすことができる。
規制部材24の支持部26の下側にスペーサー部材27を設ける場合、規制部材24は、スペーサー部材27を近位側に移動させたときに、下方向への力が作用することが好ましい。これにより、スペーサー部材27を近位側に移動させた際に、規制部材24が下方向に移動しやすくなる。そのために、支持部26はバネやゴムなどの弾性部材と接していることが好ましい。例えば、支持部26の上側に圧縮コイルバネやねじりバネや板バネを設置したり、支持部26の下側に引張コイルバネを設置したり、あるいは支持部26をその下側にあるシャフト12とゴムや弾性のある紐や弾性のある糸で繋いだりすることで、支持部26に下向きの力を作用させることができる。さらに別の例として、ゴムや弾性のある紐や弾性のある糸を、支持部26を内包し、かつ、切欠き部14を含む部分のシャフト12の遠近方向から見た断面を周回するように設けることで、支持部26に下向きの力を作用させることができる。これにより、スペーサー部材27を近位側に移動させた際に、規制部材24が下方向に移動しやすくなる。
縫合器は、上記に説明した縫合対象物を固定するための固定部材と、糸が縫合器から抜け落ちないように糸の動きを規制する規制部材の両方を備えるものであってもよい。図9には、図4および図5に示した固定部材21が設けられた処置部13に対して、図6および図7に示した規制部材24を設けた構成例を示した。なお、図9の構成例に関して、上記の説明と重複する部分の説明は省略する。
固定部材21には、遠近方向とは異なる方向に延びる第2挿通路23が設けられ、第2挿通路23に規制部材24の保持部25の少なくとも一部が挿通されていることが好ましい。第2挿通路23は、第1針部材16または第2針部材17が通る第1挿通路22の途中に接続していることが好ましい。図9に示した処置部13では、第2挿通路23に第1規制部材24Aの保持部25が挿通されている。なお、第2挿通路23には、第2規制部材24Bの保持部25が挿通されてもよく、この場合、固定部材21を近位側に移動させたときに縫合対象物31を挟むことができる。固定部材21に第2挿通路23を設けることにより、規制部材24の保持部25を遠近方向とは異なる方向へ正確に移動させることができる。第2挿通路23は、好ましくは、遠近方向に垂直な方向に延びるように形成される。
固定部材21の第2挿通路23に規制部材24の保持部25の少なくとも一部が挿通されている場合は、例えば図8に説明したように、規制部材24の支持部26の下側に遠近方向に移動可能なスペーサー部材27を設け、スペーサー部材27を遠位側に移動させたときに、保持部25と支持部26が上方向に移動し、スペーサー部材27を近位側に移動させたときに、保持部25と支持部26が下方向に移動するように構成することができる。
縫合システムは、第1対物レンズ18を通して得られる画像または第2対物レンズ19を通して得られる画像を表示する表示装置を有することが好ましい。表示装置は、第1対物レンズ18を通して得られる画像と第2対物レンズ19を通して得られる画像の両方を表示するものであってもよい。術者は、表示装置に映し出された画像を見ながら、縫合対象物31の縫合操作を行ったり、第1針部材16または第2針部材17による刺針位置を決定することができる。
縫合システムは、第1対物レンズ18を通して得られる画像および第2対物レンズ19を通して得られる画像をもとに縫合対象物31の3次元像データを生成するものであってもよい。術者は得られた3次元像データを見ながら、縫合対象物31の縫合操作を行ったり、第1針部材16または第2針部材17による刺針位置を決定することができる。
縫合システムは、遠近方向に垂直である2次元座標の特定位置を示す位置決めマーカーを有していてもよい。位置決めマーカーは、第1対物レンズ18により撮影される画像および第2対物レンズ19により撮影される画像の少なくとも一方に表示される。位置決めマーカーは縫合対象物31の面方向の基準となる位置を示し、術者は、位置決めマーカーを目安として、第1針部材16または第2針部材17による刺針位置を適切に設定することができる。位置決めマーカーとしては、例えば、縫合器に取り付けられたマーカー部材であってもよく、表示装置の画像上に表示される印であってもよい。前者の場合、マーカー部材は、第1対物レンズ18または第2対物レンズ19により撮影される画像に映り込む位置に設けられ、例えばシャフト12の切欠き部14に設けられることが好ましい。
位置決めマーカーの別の利用方法として、次のように位置決めマーカーを用いることもできる。すなわち、第1対物レンズ18により撮影される画像および第2対物レンズ19により撮影される画像の両方に位置決めマーカーを表示させ、第1対物レンズ18により撮影される画像および第2対物レンズ19により撮影される画像のピントが位置決めマーカーと合った場合に、第1対物レンズ18と第2対物レンズ19がともに同一の遠近方向に垂直である2次元平面を観察していることを判別することができる。さらに位置決めマーカーの位置を原点とすることで、前記平面の座標位置を第1対物レンズ18および第2対物レンズ19で一致させることができるので、縫合対象物31の3次元像データ生成に有利となる。
縫合システムは、第1対物レンズ18を通して得られる画像または第2対物レンズ19を通して得られる画像を表示する表示装置上の縫合対象物の位置を指定することにより、第1針部材16または第2針部材17の刺針位置を制御する、刺針位置制御部を有していてもよい。術者は、第1対物レンズ18を通して得られる画像または第2対物レンズ19を通して得られる画像を見て、次に刺針する位置を特定し、それを表示装置上または別体の指定装置にその位置情報を入力することができる。位置情報が入力された刺針位置制御部は、第1針部材16または第2針部材17を制御して、第1針部材16または第2針部材17を当該位置まで誘導または刺針する。
縫合システムは、第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19を通して取得した縫合対象物31の画像情報や遠近方向の位置情報に基づき、術者が縫合器11のハンドル部15を直接操作して縫合対象物31の縫合を行うものであってもよく、第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19を通して取得した縫合対象物31の画像情報や遠近方向の位置情報に基づき、縫合対象物31の縫合を自動的または半自動的に行うものであってもよい。後者の場合、縫合システムは、縫合対象物31への刺針位置を特定するための情報を保持する記憶部と、第1針部材16および/または第2針部材17の遠近方向への動きを制御する制御部を有することが好ましい。これについて、図10を参照して説明する。なお、針部材の縫合対象物への刺針位置に関し、第1針部材の刺針位置を「第1刺針位置」と称し、第2針部材の刺針位置を「第2刺針位置」と称する。
第1針部材16の遠近方向への動きの制御に関して、記憶部と制御部は次のように構成されることが好ましい。すなわち、記憶部は、縫合対象物31への第1刺針位置を特定するための情報を保持し、制御部は、第1針部材16の先端が第1刺針位置を経由して縫合対象物31の近位側から遠位側に移動するように第1針部材16を制御するものであることが好ましい。第1刺針位置の特定は、第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19を通して得られる画像情報に基づき、術者が表示装置に映し出された画像情報を見ながら第1刺針位置を決定し、記憶部に入力するものであってもよく、縫合システムに演算部を設け、演算部が第1刺針位置を決定し、記憶部に入力するものであってもよい。制御部は、記憶部に保持された第1刺針位置の情報に基づき、第1針部材16を縫合対象物31の第1刺針位置に近位側から移動させ、縫合対象物31を刺針する。
第2針部材17の遠近方向への動きの制御に関して、記憶部と制御部は次のように構成されることが好ましい。すなわち、記憶部は、縫合対象物31への第2刺針位置を特定するための情報を保持し、制御部は、第2針部材17の先端が第2刺針位置を経由して縫合対象物31の遠位側から近位側に移動するように第2針部材17を制御するものであることが好ましい。第2刺針位置の特定は、第1対物レンズ18および/または第2対物レンズ19を通して得られる画像情報に基づき、術者が表示装置に映し出された画像情報を見ながら第2刺針位置を決定し、記憶部に入力するものであってもよく、縫合システムに演算部を設け、演算部が第2刺針位置を決定し、記憶部に入力するものであってもよい。制御部は、記憶部に保持された第2刺針位置の情報に基づき、第2針部材17を縫合対象物31の第2刺針位置に遠位側から移動させ、縫合対象物31を刺針する。
表示装置は、第1刺針位置または第2刺針位置に対応する位置において標識を表示するものであることが好ましい。縫合システムが縫合対象物の3次元像データを生成する場合は、3次元像データの第1刺針位置または第2刺針位置に対応する位置に標識を表示するものであることが好ましい。当該標識は、術者が第1刺針位置または第2刺針位置を入力することにより表示されるものであってもよく、演算部が決定した第1刺針位置または第2刺針位置が表示されるものであってもよい。いずれの場合も、表示画面上で第1刺針位置または第2刺針位置を確認することができる。
縫合器11は、シャフト12を、遠近方向とは異なる方向に移動させる機構を有することが好ましい。例えばシャフト12は、シャフト12の近位部を支点として、シャフト12の遠位部が遠近方向とは異なる方向に移動可能に形成されていることが好ましい。また、シャフト12の遠近方向を軸にして、シャフト12を軸回転できるように形成されていることが好ましい。これにより、記憶部に保持された第1刺針位置または第2刺針位置の情報に基づき、第1針部材16の先端を第1刺針位置に移動させたり、第2針部材17の先端を第2刺針位置に移動させることができる。この場合、制御部は、シャフト12を遠近方向とは異なる方向に移動させて、第1針部材16の先端を第1刺針位置に対向する位置または第2針部材17の先端を第2刺針位置に対向する位置に移動させるように、シャフト12の動きを制御する機能を有することが好ましい。これにより、縫合操作の省人化あるいは自動化を図ることができる。
本願は、2018年10月24日に出願された日本国特許出願第2018−200351号に基づく優先権の利益を主張するものである。2018年10月24日に出願された日本国特許出願第2018−200351号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
11:縫合器
12:シャフト
13:処置部
14:切欠き部
15:ハンドル部
16:第1針部材
17:第2針部材
18:第1対物レンズ
19:第2対物レンズ
21:固定部材
22:第1挿通路
23:第2挿通路
24:規制部材、24A:第1規制部材、24B:第2規制部材
25:保持部
26:支持部
27:スペーサー部材
31:縫合対象物

Claims (14)

  1. 遠近方向に延在するシャフトと、
    遠近方向に移動可能であり、先端が遠位側を向いている第1針部材と、
    遠近方向に移動可能であり、前記第1針部材よりも遠位側に配置され、先端が近位側を向いている第2針部材と、
    第1対物レンズおよび第2対物レンズを含む対物レンズ群を有する医療用双方向縫合システムであって、
    前記第1対物レンズは、前記第1針部材の先端の移動可能区間の最遠位端よりも近位側に配置され、かつ遠位側を向いており、
    前記第2対物レンズは、前記第2針部材の先端の移動可能区間の最近位端よりも遠位側に配置され、かつ近位側を向いていることを特徴とする医療用双方向縫合システム。
  2. 前記第1対物レンズは、前記第1針部材の先端の移動可能区間の最近位端よりも近位側に配置され、
    前記第2対物レンズは、前記第2針部材の先端の移動可能区間の最遠位端よりも遠位側に配置されている請求項1に記載の医療用双方向縫合システム。
  3. 前記第1対物レンズおよび前記第2対物レンズは、前記シャフトの遠近方向から見て、少なくとも一部が互いに重なって配置されている請求項1または2に記載の医療用双方向縫合システム。
  4. 前記第1対物レンズよりも近位側および前記第2対物レンズよりも遠位側の少なくとも一方に照明器が配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  5. 前記第1対物レンズよりも遠位側かつ前記第2対物レンズよりも近位側に照明器が配置されており、該照明器は、その出射光が前記第1対物レンズまたは前記第2対物レンズに直接入射しないように遮蔽されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  6. 前記第1対物レンズの光軸と前記第2対物レンズの光軸が遠近方向に平行である請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  7. 前記第1対物レンズは、前記シャフトに対して遠近方向に移動可能である請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  8. 前記第1対物レンズの開口数は、前記第2対物レンズの開口数よりも大きい請求項1〜7のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  9. 縫合対象物への第1刺針位置を特定するための情報を保持する記憶部と、
    前記第1針部材の先端が前記第1刺針位置を経由して縫合対象物の近位側から遠位側に移動するように前記第1針部材を制御する制御部をさらに有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  10. 縫合対象物への第2刺針位置を特定するための情報を保持する記憶部と、
    前記第2針部材の先端が前記第2刺針位置を経由して縫合対象物の遠位側から近位側に移動するように前記第2針部材を制御する制御部をさらに有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  11. 前記第1対物レンズを通して得られる画像または前記第2対物レンズを通して得られる画像を表示する表示装置をさらに有しており、
    前記表示装置に、第1刺針位置または第2刺針位置に対応する位置において標識が表示される請求項9または10に記載の医療用双方向縫合システム。
  12. 前記第1対物レンズを通して得られる画像および前記第2対物レンズを通して得られる画像をもとに縫合対象物の3次元像データを生成する請求項9または10に記載の医療用双方向縫合システム。
  13. 前記シャフトを、遠近方向とは異なる方向に移動させる機構を有する請求項9〜12のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
  14. 前記遠近方向に垂直である2次元座標の特定位置を示す位置決めマーカーであって、前記第1対物レンズにより撮影される画像および前記第2対物レンズにより撮影される画像の少なくとも一方に表示される位置決めマーカーを有する請求項1〜13のいずれか一項に記載の医療用双方向縫合システム。
JP2020552564A 2018-10-24 2019-08-27 医療用双方向縫合システム Active JP7320523B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018200351 2018-10-24
JP2018200351 2018-10-24
PCT/JP2019/033414 WO2020084891A1 (ja) 2018-10-24 2019-08-27 医療用双方向縫合システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020084891A1 true JPWO2020084891A1 (ja) 2021-09-09
JP7320523B2 JP7320523B2 (ja) 2023-08-03

Family

ID=70331357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020552564A Active JP7320523B2 (ja) 2018-10-24 2019-08-27 医療用双方向縫合システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7320523B2 (ja)
WO (1) WO2020084891A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003159254A (ja) * 2001-11-26 2003-06-03 Olympus Optical Co Ltd 組織穿刺用システム
JP2012525224A (ja) * 2009-04-28 2012-10-22 ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 双方向的な縫合糸挿通器具

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003272289A1 (en) * 2002-09-06 2004-03-29 C.R. Bard, Inc. Integrated endoscope and accessory treatment device
US20130012964A1 (en) * 2011-07-07 2013-01-10 Steven Warnock Port closure device and method

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003159254A (ja) * 2001-11-26 2003-06-03 Olympus Optical Co Ltd 組織穿刺用システム
JP2012525224A (ja) * 2009-04-28 2012-10-22 ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 双方向的な縫合糸挿通器具

Also Published As

Publication number Publication date
JP7320523B2 (ja) 2023-08-03
WO2020084891A1 (ja) 2020-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5976075A (en) Endoscope deployment apparatus
EP2514357B1 (en) Exoscope
JP5702028B2 (ja) 内視鏡
JP4533695B2 (ja) 処置用内視鏡
EP1854420B1 (en) Treatment system and trocar
KR20190117016A (ko) 최소 침습 봉합을 위한 장치 및 방법
US20060009682A1 (en) In-vivo examination apparatus
EP2373007B1 (en) Videosystem for clip applier
JP6449782B2 (ja) ロボティックイントロデューサシステム
EP2243435A2 (en) Visual veress needle assembly
JP7200939B2 (ja) 手術システム、制御方法、手術機器、並びにプログラム
JP5866162B2 (ja) 外科用内視鏡及び外科用内視鏡の外科器具を交換する方法
JP5259167B2 (ja) 光源装置および内視鏡装置
JP4179798B2 (ja) 内視鏡手術装置
WO2017082047A1 (ja) 内視鏡システム
JPH0928713A (ja) 内視鏡下外科手術装置
JPWO2020084891A1 (ja) 医療用双方向縫合システム
JP2002204773A (ja) 体腔内観察用テレビカメラ
JP2021525613A (ja) 自動駆動式内視鏡を有する外科用ナビゲーションシステム
WO1994010920A1 (en) Surgical instrument incorporating fiber optic viewing systems
US11812926B2 (en) Medical device tracking systems and methods of using the same
KR101698574B1 (ko) 내시경용 카테터
JP2023508208A (ja) 傾斜視野角を与える内部カメラを備えたトロカール
JP2004121487A (ja) 医療器具
US20120221023A1 (en) Suture apparatus having sewing function

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230724

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7320523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150