JPWO2020075390A1 - 回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機および回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機および回転電機の製造方法 Download PDF

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Abstract

導線(1)を環状となるように複数回巻回して導線を複数層積層して形成するとともに、コイルエンド部(71、72)は積層方向(H)において外形を階段状に積層して、収納部(6)は積層方向(H)において外形を直線状に積層して、単位コイル(5)の中間体(50)を形成し、両コイルエンド部(71、72)間の軸方向(Y)の長さが大きく形成されている層において収納部(6)から軸方向(Y)に最も突出するコイルエンド部(71、72))の位置が、前状態から比較して積層方向(H)において収納部(6)の位置よりも離れる方向に、中間体(50)のコイルエンド部(71、72)を屈曲して、コイルエンド部(71、72)の環状の内側の軸方向(Y)の位置を積層毎に揃えるように成形して単位コイル(5)を形成する。

Description

本願は、回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機に関するものである。
電車用の電動機において、さらに小型化、高出力化が求められている。そこで矩形断面を有する導線が複数回、巻回される、分布巻によってコイルが形成されるインナーローター型の回転電機において、コイルのコイルエンド部の長さを短くすることが可能な、単位コイルの製造方法および単位コイルの形状の開発が望まれている。
また、分布巻のコイルを組み込む工程は、ステータコアに単位コイルを挿入し、周方向において隣り合う単位コイルのコイルエンド部の径方向の重なりを極力抑えるよう成形しながら人手で組み込んでいく(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
国際公開番号WO2011/111682号公報 特許第4234749号公報
従来の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置では、ステータの作成において、労力と技能とが必要となる作業であり、生産性が低いという問題点があった。また、コイルを成形する際に木槌、へらなどの工具を用いて作業するためコイルの絶縁皮膜に傷を付け、絶縁性能が劣化するという品質に対する問題点もあった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、絶縁性能の劣化の防止、かつ、高生産性となる回転電機を得るための回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機を提供することを目的とする。
本願に開示される回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法は、
環状のステータコアの内周側に、周方向に間隔を隔てて複数個形成されたスロットに挿入されるとともに、複数個が環状に並べられステータコイルを構成する回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法において、
前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
導線を環状となるように複数回巻回して前記導線を複数層積層して形成するとともに、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層して、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層して、前記単位コイルの中間体を形成する巻回工程と、
両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、前記巻回工程の状態から比較して積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記中間体の前記コイルエンド部を屈曲して、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置を積層毎に揃えるように成形して前記単位コイルを形成する成形工程とを備えたものである。
また、本願に開示される回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置は、
前記回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法の前記巻回工程に用いられる回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置において、
基板と、前記基板上であって前記中間体の前記コイルエンド部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が階段状の筒状の第一軸体および第二軸体と、
前記基板上であって前記中間体の前記収納部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が直線状の筒状の第三軸体、第四軸体、第五軸体、第六軸体と、
前記第一軸体、前記第二軸体、前記第三軸体、前記第四軸体、前記第五軸体、前記第六軸体の外形に沿うように前記導線を巻回する巻回部とを備えたものである。
また、本願に開示される回転電機は、
内周側において周方向に間隔を隔てて複数個のスロットが形成された環状のステータコア、および、前記スロットに挿入されるとともに、単位コイルが複数個環状に並べられて構成されたステータコイルを有するステータと、
前記ステータの内周側に空隙を介して対向して回転可能に配置されたロータとを備えた回転電機において、
前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
前記単位コイルは、導線が環状となるように複数回巻回されて前記導線が複数層積層されて形成されるとともに、前記コイルエンド部の位置が積層方向において前記収納部の位置に一致するように変形された場合に、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層されて、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層されており、
両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記コイルエンド部が屈曲されて、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置が積層毎に揃っている。
本願に開示される回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機によれば、絶縁性能の劣化の防止、かつ、高生産性となる回転電機を得ることができる。
実施の形態1による回転電機のステータの構成を示す斜視図である。 図1Aに示したステータのステータコアに挿入後の単位コイルの構成を示す斜視図である。 図1Bに示した単位コイルのステータコアに挿入前の構成を示す上面図である。 図1Bに示した単位コイルのステータコアに挿入前の構成を示す正面図である。 図1Bに示した単位コイルのステータコアに挿入前の構成を示す側面図である。 図2Bに示した単位コイルの点線の丸にて囲まれた部分の構成を示す部分拡大図である。 図2に示した単位コイルを形成する矩形形状導線の構成を示す断面図である。 図2に示した単位コイルの中間体の構成を示す斜視図である。 図4に示した単位コイルの中間体の構成を示す上面図である。 図4に示した単位コイルの中間体の構成を示す正面図である。 図4に示した単位コイルの中間体の構成を示す側面図である。 図4に示した単位コイルの中間体の点線の丸にて囲まれた部分の構成を示す部分拡大図である。 図4に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の構成の一部を示す斜視図である。 図6に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の構成を示す上面図である。 図7に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の使用方法を説明する上面図である。 図8に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第一ガイド部の構成を示す側面図である。 図9Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第一ガイド部の使用方法を示す側面図である。 図9Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第一ガイド部の使用方法を示す側面図である。 図8に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第二ガイド部の構成を示す側面図である。 図10Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第二ガイド部の使用方法を示す側面図である。 図10Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第二ガイド部の使用方法を示す側面図である。 図2に示した単位コイルを製造する成形装置の構成を示す斜視図である。 図11に示した単位コイルを製造する成形装置の構成を示す上面斜視図である。 図11に示した単位コイルを製造する成形装置の製造方法を示す斜視図である。 図11に示した単位コイルを製造する成形装置の製造方法を示す側面図である。 図11に示した単位コイルを製造する成形装置の製造方法を示す側面図である。 図2に示した単位コイルおよび中間体の構成を比較する上面図である。 図16Aに示した単位コイルとスロットとの関係を示す上面図である。 図2に示した単位コイルをスロットに設置する製造方法を示す断面斜視図である。 図17Aの次工程の単位コイルをスロットに設置する製造方法を示す断面斜視図である。 図17Bの次工程の単位コイルをスロットに設置する製造方法を示す断面斜視図である。 図17Cに示した1個の単位コイルをスロットに設置した状態を示す上面図である。 図17Cに示した1個の単位コイルをスロットに設置した状態を示す側面図である。 図18Aに示した状態からさらに単位コイルをスロットに設置した状態を示す上面図である。 図19Aに示した単位コイルを二個設置した状態を示す断面斜視図である。 図19Aに示した状態からさらに複数個の単位コイルをスロットに設置した状態を示す上面図である。 図20Aに示した単位コイルを複数個設置した状態を示す断面斜視図である。 図2に示した単位コイルを2個環状に配置する場合の単位コイルの間隔を説明するための図である。 比較例の回転電機のステータの構成を示す斜視図である。 図22Aに示した比較例のステータのステータコアに挿入後の単位コイルの構成を示す斜視図である。 図22に示した比較例の単位コイルのステータコアに挿入前の構成を示す正面図である。 図23Aに示した単位コイルの点線の丸にて囲まれた部分の構成を示す部分拡大図である。 図23Aに示した単位コイルの中間体の構成を示す上面図である。 図23Aに示した単位コイルの中間体の構成を示す正面図である。 図22Aに示した単位コイルの中間体の構成を示す側面図である。 図22Aに示した単位コイルの中間体の製造方法を示す斜視図である。 図23に示した単位コイルを2個環状に配置する場合の単位コイルの間隔を説明するための図である。 他の比較例の回転電機のステータの構成を示す斜視図である。 図27Aに示した他の比較例のステータのステータコアに挿入後の単位コイルの構成を示す斜視図である。 本願における図1Bにて示した単位コイルの構成を示す図である。 図27Bに示した他の比較例の単位コイルの構成を示す図である。 実施の形態1による単位コイルを用いたステータにて構成された回転電機の構成を示す斜視図である。 図29Aに示した回転電機の軸方向の断面の構成を示す斜視図である。 図29に示した回転電機のロータの構成を示す斜視図である。 実施の形態2による回転電機のステータの単位コイルの製造方法を示す斜視図である。 図31Aに示した単位コイルの製造方法の後の単位コイルの構成を示す斜視図である。 他の比較例による回転電機のステータの単位コイルの製造方法を示す斜視図である。 図32Aに示した単位コイルの製造方法の後の単位コイルの構成を示す斜視図である。
実施の形態1.
本願は、回転電機のステータを形成するために用いられる回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置について説明する。以下の説明において、回転電機のステータ用の単位コイルは、“単位コイル”と略す場合もある。単位コイルは、環状のステータコアの内周側に、周方向に間隔を隔てて複数個形成されたスロットに挿入される。さらに、当該単位コイルが複数個、環状に並べられてステータコイルが形成される。
また、単位コイルは、環状に形成され、各スロットの内の所定の2つのスロットにそれぞれ収納される収納部と、各収納部の回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備える。
図1Aは実施の形態1による回転電機のステータの構成を示す斜視図である。
図1Bは図1Aに示したステータを構成する複数の単位コイルの内、1つの単位コイルの構成を示す斜視図である。
図2Aは図1Bに示した単位コイルの構成を示す上面図である。
図2Bは図1Bに示した単位コイルの構成を示す正面図である。
図2Cは図1Bに示した単位コイルの構成を示す側面図である。
図2Dは図2Bに示した単位コイルの点線の丸にて囲まれた部分の構成を示す部分拡大図である。
図3は図2に示した単位コイルを形成する矩形形状導線の構成を示す断面図である。
図4は図2に示した単位コイルの中間体の構成を示す斜視図である。
図5Aは図4に示した単位コイルの中間体の構成を示す上面図である。
図5Bは図4に示した単位コイルの中間体の構成を示す正面図である。
図5Cは図4に示した単位コイルの中間体の構成を示す側面図である。
図5Dは図4に示した単位コイルの中間体の点線の丸にて囲まれた部分の構成を示す部分拡大図である。
図6は図4に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部を除いた構成を示す斜視図である。
図7は図6に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の構成を示す上面図である。
図8は図7に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の使用方法を説明する上面図である。
図9Aは図8に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第一ガイド部の構成を示す側面図である。
図9Bは図9Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第一ガイド部の使用方法を示す側面図である。
図9Cは図9Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第一ガイド部の使用方法を示す側面図である。
図10Aは図8に示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第二ガイド部の構成を示す側面図である。
図10Bは図10Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第二ガイド部の使用方法を示す側面図である。
図10Cは図10Aに示した単位コイルの中間体を製造する巻回装置の巻回部の第二ガイド部の使用方法を示す側面図である。
図11は図2に示した単位コイルを製造する成形装置の構成を示す斜視図である。
図12は図11に示した単位コイルを製造する成形装置の下部ユニットの構成を示す上面斜視図である。
図13は図11に示した単位コイルを製造する成形装置の製造方法を示す斜視図である。
図14は図11に示した単位コイルを製造する成形装置の製造方法を示す側面図である。
図15は図11に示した単位コイルを製造する成形装置の製造方法を示す側面図である。
図16Aは図2に示した単位コイルおよび中間体の構成を比較する上面図である。
図16Bは図16Aに示した単位コイルとスロットとの関係を示す上面図である。
図17Aは図2に示した単位コイルをスロットに設置する製造方法を示す断面斜視図である。
図17Bは図17Aの次工程の単位コイルをスロットに設置する製造方法を示す断面斜視図である。
図17Cは図17Bの次工程の単位コイルをスロットに設置する製造方法を示す断面斜視図である。
図18Aは図17Cに示した1個の単位コイルをスロットに設置した状態を示す上面図である。
図18Bは図17Cに示した1個の単位コイルをスロットに設置した状態を示す側面図である。
図19Aは図18Aに示した状態からさらに単位コイルをスロットに設置した状態を示す上面図である。
図19Bは図19Aに示した単位コイルを二個設置した状態を示す断面斜視図である。
図20Aは図19Aに示した状態からさらに複数個の単位コイルをスロットに設置した状態を示す上面図である。
図20Bは図20Aに示した単位コイルを複数個設置した状態を示す断面斜視図である。
図21は図2に示した単位コイルを2個環状に配置する場合の単位コイルの間隔を説明するための図である。
図22Aは比較例の回転電機のステータの構成を示す斜視図である。
図22Bは図22Aに示した比較例のステータのステータコアに挿入後の単位コイルの構成を示す斜視図である。
図23Aは図22に示した比較例の単位コイルのステータコアに挿入前の構成を示す正面図である。
図23Bは図23Aに示した単位コイルの点線の丸にて囲まれた部分の構成を示す部分拡大図である。
図24Aは図23Aに示した単位コイルの中間体の構成を示す上面図である。
図24Bは図23Aに示した単位コイルの中間体の構成を示す正面図である。
図24Cは図22Aに示した単位コイルの中間体の構成を示す側面図である。
図25は図22に示した単位コイルの中間体の製造方法を示す斜視図である。
図26は図23に示した単位コイルを2個環状に配置する場合の単位コイルの間隔を説明するための図である。
以下の説明において、回転電機のステータ10における各方向を、周方向Z、軸方向Yとしてそれぞれ示す。また、単位コイル5を形成する導線1を積層する方向を積層方向Hとして示す。よって、他の部分においても、これらの方向を基準として各方向を示して説明する。
図1Aにおいて、インナーロータ型の回転電機のステータ10は、ステータコア2とステータコイル4とにて構成される。ステータコア2は、円環状に形成され、内周側に周方向Zに所定の間隔を隔てて複数個のスロット3が形成される。ステータコイル4は、分布巻の3相で、2極、48個のスロット3の例で示しており、複数個の単位コイル5が環状に並べられて形成される。各単位コイル5は、所定のスロット3に挿入されて設置される。尚、本実施の形態1における、ステータ10の極数およびスロット3の数は一例であり適宜増減可能である。
次に単位コイル5の構成について図1Bおよび図2を用いて説明する。単位コイル5は、環状に形成される。単位コイル5は各スロット3の内の所定の2つのスロット3にそれぞれ収納される収納部6と、各収納部6の回転電機の軸方向Yの両側をそれぞれ接続するコイルエンド部71、コイルエンド部72と、単位コイル5の両端となり他の部分と電気的に接続するための結線部8とを備える。
図3に示すように、単位コイル5を形成するための導線1は、長方形断面形状を有する矩形形状導線にて形成される。導線1は、導体11に絶縁膜12が被覆されて形成される。導線1の寸法は、積層方向Hとなる縦寸法W1(厚みW1)が2.0mm、横寸法W2が8.7mmであり、縦横比が大きく形成される。尚、当該寸法は一例であり、ここでは本願の理解を助けるために使用する値である。
次に、単位コイル5を形成するための前段階の状態である、単位コイル5の中間体50について図4および図5を用いて説明する。以下、単位コイル5の中間体50は、“中間体”と略す場合もある。中間体50とは、導線1を環状となるように複数回巻回して導線1を積層方向Hに複数層積層した状態のものを示す。ここでは、中間体50を六角形の環状にて形成する。中間体50においても、単位コイル5と同様に、スロット3の内の所定の2つのスロット3にそれぞれ収納される収納部6と、各収納部6の回転電機の軸方向Yの両側をそれぞれ接続するコイルエンド部71、72と、中間体50の両端である結線部8とを備える。
中間体50のコイルエンド部71、72は積層方向Hにおいて外形が階段状に積層される(図5B、図5C、図5D参照)。このように、コイルエンド部71、72が階段状に積層されているため、両コイルエンド部71、72間の軸方向Yの長さW5、W6は、積層方向Hの一方の長さW5よりも他方の長さW6の方が大きく(長く)形成されることとなる。
また、コイルエンド部71、72は、一方の収納部6から他方の収納部6に至る長さTが、コイルエンド部71、72の収納部6の位置よりも離れる方向に屈曲される側の層、ここでは、積層方向Hの他方側(長さW6を有する側)が、収納部6の位置に近い側の層、ここでは、積層方向Hの一方側(長さW5を有する側)よりも長く形成される。
また、中間体50の収納部6は積層方向Hにおいて外形が直線状に積層される。
また、当該中間体50は、言い換えれば、単位コイル5をコイルエンド部71、72の位置が積層方向Hにおいて収納部6の位置と一致するような位置に変形したものである。
このような導線1を用いて単位コイル5を製造する製造装置について図に基づいて説明する。まず、単位コイル5の中間体50を形成する巻回工程に用いる製造装置である巻回装置20について図6から図10を用いて説明する。導線1を巻回して中間体50を形成するためには、導線1を曲げる、エッジワイズ曲げ、すなわち導線1を長方形断面の短辺を含む面が曲がる方向に曲げることを行う必要があり、特殊な巻回装置20が必要となる。
巻回装置20は、基板28と、基板28上であって中間体50のコイルエンド部71、72の形成位置の軸方向Yの両端に設置された外形が階段状の筒状の第一軸体211および第二軸体212と、基板28上であって中間体50の収納部6の形成位置の軸方向Yの両端に設置された外形が直線状の筒状の第三軸体213、第四軸体214、第五軸体215、第六軸体216とを備える。第一軸体211、第二軸体212、第三軸体213、第四軸体214、第五軸体215、および第六軸体216はそれぞれ六角形の頂点の位置であり、これにより六角形の環状の中間体50が形成可能となる。
第一軸体211および第二軸体212の外形の階段状は、例えば図9Bに示すように、積層方向Hの幅W4は、導線1の縦寸法W1と同一の2.0mm、階段状の段差の幅W3(段差量W3)は、導線1の縦寸法W1の1/2を最大寸法とする値、1.0mmにて形成される。さらに、第一軸体211、第二軸体212、第三軸体213、第四軸体214、第五軸体215、第六軸体216の外形に沿うように導線1を巻回する巻回部23とを備える。
巻回部23は、図9に示すように、第一軸体211および第二軸体212の階段状の外形に導線1を沿わした状態で、当該外形が沿う逆階段状の形状を有する第一ガイド部241と、図10に示すように、第三軸体213、第四軸体214、第五軸体215、第六軸体216の直線状の外形に導線1を沿わした状態で、当該外形が沿う直線状の形状を有する第二ガイド部242とを備える。
さらに巻回部23は、図8に示すように、導線1を第一軸体211、または、第二軸体212と、第一ガイド部241との間に沿わせた状態にて曲げるため、または、導線1を各第三軸体213、または、第四軸体214、または、第五軸体215、または、第六軸体216と、第二ガイド部242との間に沿わせた状態にて曲げるため、第一ガイド部241または第二ガイド部242を各軸体211〜216の軸の周りを回転させるハンドル25を有する。
次に、中間体50を所定のスロット3に収納するための形状である単位コイル5に成形する、すなわち、図5に示した中間体50の状態から、図2に示した単位コイル5の状態に成形するための成形工程に用いる製造装置である成形装置40について図11および図12に基づいて説明する。成形装置40は、上部ユニット48と、載置台30上に設置された下部ユニット44と、上部ユニット48を下部ユニット44に対して上下に離合可能に案内するガイド棒47とから構成される。
ガイド棒47は、載置台30の対角線上の隅に一対設けられている。下部ユニット44は一対の第一保持部421と、スライド部43と、回転軸46と、一対の下型441と、一対の第二保持部491とを備える(図12参照)。一対の第一保持部421は、中間体50の収納部6を保持するための溝部422がそれぞれ形成される。一対の第二保持部491は、中間体50のコイルエンド部71、72の軸方向Yの両端を保持する。スライド部43は、一対の第一保持部421を載置台30上において平行にかつ、相互に、独立して接近可能にスライドさせる。
スライド部43のスライド方向と、溝部422が延びている方向とは垂直の方向である。回転軸46は、一対の第一保持部421をそれぞれ独立して軸方向Yと垂直方向に回転させ、よって、溝部422は回転軸46を中心に回転する。一対の下型441は、中間体50のコイルエンド部71、72の成形に利用する。一対の下型441は、載置台30上にスライド部43と平行に、スライド部43を間に挟んで配置される。
上部ユニット48は、平面状の可動プレート41と、可動プレート41の下面に取り付けられ、上述の一対の下型441と共に中間体50のコイルエンド部71、72の成形に利用する一対の上型481とを備える。一対の上型481の下面は下方突出し、一対の下型441の上面の窪みに沿う形状である。可動プレート41はガイド棒47をガイドとして載置台30上を上下動する。
次に、上記のように構成された実施の形態1の回転電機のステータ用の単位コイル5の製造装置を用いた、単位コイル5の製造方法について説明する。まず、単位コイル5を形成するための中間体50の製造方法である巻回工程について説明する。巻回装置20の基板28上の各第一軸体211、第二軸体212、第三軸体213、第四軸体214、第五軸体215、第六軸体216の外形に沿うように導線1を巻回する。
その際、各軸体211〜216の外形と、巻回部23の第一ガイド部241または第二ガイド部242の外形とにおいて導線1を挟み込む。そして、ハンドル25を図7または図8に示すように、矢印D1の方向に一定角度、軸の周りを回転させる。すると、導線1は矢印D2の方向に曲げられて、各第一軸体211〜第六軸体216の外形に巻回され、導線1は所望の曲げ形状を得る。
この際、第一軸体211および第二軸体212のように外形が階段状の場合には、第一ガイド部241に挟持されながら、図9に示すように、導線1が積層方向Hにおいて階段状となるように積層される。よって、中間体50のコイルエンド部71、72は、外形が階段状に形成される。また、第三軸体213から第六軸体216のように外形が直線状の場合には、第二ガイド部242に挟持されながら、図10に示すように、導線1は積層方向Hにおいて直線状となるように積層される。よって、中間体50の収納部6は、外形が直線状に形成される。
この巻回工程にて、中間体50のコイルエンド部71、72が階段状であり、その幅W3として1.0mmずつずらして積層するのは、次の成形工程で成形したときのずれ量から推定して求めた値である。積層毎に中間体50のコイルエンド部71、72に1.0mmの段差を付けて巻回すると、後工程の成形工程でコイルエンド部71、72を屈曲させて、立体波形形状に成形した際、コイルエンド部71、72が軸方向Yにおいてずれがなく揃うように形成するためである。
すなわち、成形工程において予め積層毎に発生するずれ量を見込んで巻回工程でコイルエンド部71、72の軸方向Yの長さW5、W6を変える。これにより、単位コイル5をステータコア2の所定のスロット3に組み込んだ際、周方向Zの隣接する単位コイル5のコイルエンド部71、72同士が干渉せず、理想状態の単位コイル5の配列が可能となる。上記巻回工程を繰り返し、略六角形状の中間体50を今回の場合は6周(6層積層)して完成する。
次に、導線1の巻回工程が終了し、図5に示すように中間体50を巻回装置20から取り外す。次に、図5に示した中間体50を図2に示した単位コイル5に成形する成形工程を行う。まず、図12に示す成形装置40の下部ユニット44に、中間体50を設置し、上部ユニット48を図13および図14に示すように設置する。この際、単位コイル5の両コイルエンド部71、72間の軸方向Yの長さW6が大きい方が下側となるように設置される。次に、可動プレート41をガイド棒47をガイドとして下降させ、下部ユニット44の一対の下型441と、上部ユニット48の一対の上型481との間に、中間体50のコイルエンド部71、72を挟んで加圧し、中間体50を単位コイル5に成形する(図15)。
よって、両コイルエンド部71、72間の軸方向Yの長さW6が大きく形成されている層において収納部6から軸方向Yに最も突出するコイルエンド部71、72の位置が、巻回工程の状態から比較して積層方向Hにおいて収納部6の位置よりも離れる方向に、中間体50のコイルエンド部71、72が屈曲される。この際、コイルエンド部71、72の積層された導線1同士が軸方向Yの中央側にずれないよう一対の第二保持部491にて規制する。よって、コイルエンド部71、72の環状の内側の軸方向Yの位置が、積層毎に揃えるように成形される(図2D)。
また、中間体50のコイルエンド部71、72を平面形状から、単位コイル5の立体波形形状へ変形させる際には、中間体50の2つの収納部6は、上部ユニット48の下降に従って徐々に、一対の第一保持部421を、互いにスライド部43にて平行移動させつつ、回転軸46を中心に回転させながら、収納部6の間隔が狭く、かつ、収納部6の角度を変える。そして、中間体50の各収納部6の間隔と、各収納部6を挿入する所定の2つのスロット3の間隔とが同一になるとともに、中間体50の各収納部6の周方向Zの中心点M、すなわち、ステータ10の周方向Zの中心点Mからの角度α、角度βと、所定の2つのスロット3の周方向Zの中心点Mからの角度α、βとが同一になるように成形する。
具体的には、図16に示すように、中間体50の収納部6の間隔W7よりも単位コイル5の収納部6の間隔W8が短くなるように、一対の第一保持部421を平行移動させる。さらに、中間体50の収納部6の角度α、βが、所定のスロット3の角度α、βつまり挿入角度となるよう、一対の第一保持部421を、回転軸46を中心に回転させる。次に、単位コイル5の成形が完了したら、上部ユニット48の可動プレート41を、ガイド棒47をガイドとして上昇させて、単位コイル5を一対の第一保持部421から取り外す。
次に、当該単位コイル5を用いた、回転電機のステータ10の製造方法について図17から図20を用いて説明する。ここでは、スロット3が48個あり、3相の回転電機の場合を示しているため、48個の単位コイル5が、9個のティースを跨いで順にステータコア2に収納される。次に、単位コイル5のステータコア2への挿入であるが、単位コイル5の収納部6の角度α、βは、先に示したように、所定のスロット3へ挿入する角度α、βにて成形されているため、図17Aに示すように、単位コイル5をステータコア2の内側に、軸方向Yの矢印D3の方向に挿入する。
次に、図17Bに示すように、単位コイル5の一方の収納部6を矢印D4の方向であって、所定のスロット3に収納する。次に、図17Cに示すように、先ほど収納した一方の収納部6を収納したスロット3から周方向Zに10個離れたスロット3に、他方の収納部6を収納する。このとき、単位コイル5の弾性変形量の範囲内で、若干、2つのスロット3の間隔を周方向Zに伸ばしつつ、先に収納したスロット3を中心として、図17Cの矢印D5に示す方向に単位コイル5を回転させながら、他方の収納部6をスロット3に収納し、1個の単位コイル5のステータコア2への収納が完了する(図18A、図18B)。
同様にして、2個目の単位コイル5を収納する(図19A、図19B)。さらに、同様の動作を繰り返し行い、10個目の単位コイル5を収納する(図20A、図20B)。そして、48個の全ての単位コイル5のステータコア2への収納を完了すると、図1に示すように構成される。その後、各単位コイル5の結線部8を結線して、ステータコイル4を形成して、ステータ10が形成される。
このように、ステータ10が形成されるため、図2に示したような形状の単位コイル5はステータコア2のスロット3に、ほぼそのままの形状にて挿入できる。よって、図1Bに示すようにステータコア2に挿入後の単位コイル5の形状は、図2に示した単位コイル5の形状とほぼ同一である。このことからも単位コイル5のステータコア2のスロット3への装着性の向上、および、絶縁性能の維持が明らかである。
次に、本願と比較例との違いについて図を用いて説明する。比較例のステータは図22Aに示すように構成される。ステータのステータコアに挿入された単位コイルは図22Bに示すように構成される。ステータのステータコアに挿入される前の単位コイルは図23Aに示すように構成される。また、単位コイルの中間体は図24に示すように構成される。比較例の製造方法は、図25に示すように、外形が六角形の巻枠に、導線を巻回して、単位コイルの中間体を形成する。このため、図24に示すように、積層方向Hに対して単位コイルの中間体は、全ての箇所、コイルエンド部および収納部において、積層方向Hに直線状に形成される。
そして、中間体のコイルエンド部を屈曲して単位コイルを形成すると、図23Aに示すように構成される。そして、図23Aにように成形された単位コイルを図22に示すようにステータコアに装着する。この際、図23Bに示したように単位コイルのコイルエンド部は軸方向Yにおいてその位置にばらつきが生じているため、このままの形状で、周方向Zにおいて単位コイルを配置する場合、図26に示したように、単位コイル間の距離W10が長く必要となる。よって、この形状のままでは、周方向Zにおいて単位コイルを所定の位置に設置することが難しい、よって、周方向Zにおいて隣接する単位コイルのコイルエンド部同士の重なりを避けるように木槌、へらなどを用いて成形しながら、順々に組み込んでいく作業を行う。その結果、ステータのステータコアに挿入後の単位コイルの形状は図22Bに示すように、図23Aに示した挿入前の単位コイルの形状から変形している。
これに対し、本実施の形態1においては、図21に示したように、コイルエンド部71、72の軸方向Yの位置が揃っているため、周方向Zにおいて隣接する単位コイル5間の距離W9が短く設定でき、所定のスロット3に装着し易い。
次に、本願と他の比較例との違いについて図を用いて説明する。
図27Aは他の比較例の回転電機のステータの構成を示す斜視図である。
図27Bは図27Aに示した他の比較例のステータのステータコアに挿入後の単位コイルの構成を示す斜視図である。当該他の比較例の単位コイルはコイルエンド部の軸方向Yの端部がループ形状Rにて形成される。
このように形成された他の比較例と、本願の単位コイルとの差について図28を用いて説明する。図28Aは本願における図1Bにて示した単位コイル5の構成を示す図である。図28Bは他の比較例の単位コイルの構成を示す図である。図28は、図28A、28Bの双方の単位コイルを軸方向Yの長さL2、および、コイルエンド部の軸方向Yの長さL1を同一に形成した時の、コイルエンド部の斜辺の角度γ1、γ2の大きさの関係を説明するための図である。
図28Aに示すように、実施の形態1における単位コイル5では、コイルエンド部71、72の軸方向Yの端部がループ形状に形成されないため、他の比較例に示す単位コイルよりもコイルエンド部の軸方向Yの寸法を短くできる。そこで、図28で示すように、単位コイルの軸方向Yの長さL2およびコイルエンド部の軸方向Yの長さL1を、実施の形態1の単位コイル5と他の比較例の単位コイルとを同一寸法に製作した場合、コイルエンド部71、72の斜辺の角度γ1は、他の比較例のコイルエンド部の斜辺の角度γ2よりも大きく形成される。このように、本願の単位コイル5の角度γ1が他の比較例の単位コイルの角度γ2よりも大きくなることは、幾何学的に明らかである。
本願のように、コイルエンド部71、72の斜辺の角度γ1が大きくなると、単位コイル5をステータコア2に組付けたときに、コイルエンド部71、72の斜辺の隣接する単位コイル5同士の隙間が大きくなる。また、コイルエンド部71、72の斜辺の隙間を通る空気量が増えることで、コイルエンド部71、72の温度上昇を抑え、結果、回転電機としての性能向上に繋がる。
そして、本願の単位コイル5において、コイルエンド部71、72の長さL1を変更するには、先に示した図7に示す単位コイル5の中間体50を製造する巻回装置20の第三軸体213と第六軸体216とに対する第二軸体212、および、第四軸体214と第五軸体215とに対する第一軸体211の軸方向Yの寸法を変化させることで容易に可能となる。
次に、上記のように製造された単位コイル5を用いたステータ10にて構成される回転電機100について図29および図30を用いて説明する。図29Aは本願の単位コイルを用いたステータとロータとにより構成される回転電機の構成を示す斜視図である。図29Bは、図29Aに示した回転電機の軸方向の断面を示す断面図である。図30は図29Aに示した回転電機のロータの構成を示す斜視図である。図29に示すようにステータ10の内周側に空隙を介して対向して回転可能にロータ101が配置され回転電機100が形成される。
上記のような実施の形態1の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法によれば、
環状のステータコアの内周側に、周方向に間隔を隔てて複数個形成されたスロットに挿入されるとともに、複数個が環状に並べられステータコイルを構成する回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法において、
前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
導線を環状となるように複数回巻回して前記導線を複数層積層して形成するとともに、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層して、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層して、前記単位コイルの中間体を形成する巻回工程と、
両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、前記巻回工程の状態から比較して積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記中間体の前記コイルエンド部を屈曲して、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置を積層毎に揃えるように成形して前記単位コイルを形成する成形工程とを備え、
また、実施の形態1の回転電機によれば、
内周側において周方向に間隔を隔てて複数個のスロットが形成された環状のステータコア、および、前記スロットに挿入されるとともに、単位コイルが複数個環状に並べられて構成されたステータコイルを有するステータと、
前記ステータの内周側に空隙を介して対向して回転可能に配置されたロータとを備えた回転電機において、
前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
前記単位コイルは、導線が環状となるように複数回巻回されて前記導線が複数層積層されて形成されるとともに、前記コイルエンド部の位置が積層方向において前記収納部の位置に一致するように変形された場合に、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層されて、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層されており、
両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記コイルエンド部が屈曲されて、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置が積層毎に揃っているので、
単位コイルのコイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置が、積層毎に揃えられて形成されるため、複数の単位コイルを周方向に間隔を隔てて設置する場合において、単位コイルの周方向の間隔の距離が短く設定できるため、絶縁性能の劣化の防止、かつ、高生産性となる回転電機を得ることができる。
例えば具体的には、特許文献1の場合では、巻取り工程と、1部曲げ工程と、2部ねじり工程、コイルエンドR成形工程を経て最終形状が作られているが、本願では、積層毎に階段状に段差を付けて巻回する巻回工程と、コイルエンド部を曲げて単位コイルを形成する成形工程との2工程で単位コイルを形成できるため、工程数を削減できる。
また、実施の形態1の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機によれば、
前記回転電機の軸方向の両側のそれぞれの前記コイルエンド部は、一方の前記収納部から他方の前記収納部に至る長さが、
前記コイルエンド部の前記収納部の位置よりも離れる方向に屈曲される側の層が、前記収納部の位置に近い側の層よりも長く形成されるので、
ステータコアのスロットに単位コイルを設置すると、コイルエンド部の軸方向の位置が揃うため、周方向において隣接する単位コイル間の距離が短く設定でき、所定のスロットへの装着がし易くなる。
また、実施の形態1の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法によれば、
前記巻回工程において、前記コイルエンド部の外形を階段状の積層は、前記導線の積層方向の厚みの1/2を最大とする積層方向の段差量を設けて行い、
また、実施の形態1の回転電機によれば、
前記コイルエンド部は、前記コイルエンド部の位置が積層方向において前記収納部の位置に一致するように変形された場合に、前記コイルエンド部の外形が前記導線の積層方向の厚みの1/2を最大とする積層方向の段差量が設けられた階段状に積層されているので、
ステータコアのスロットに単位コイルを設置すると、コイルエンド部の軸方向の位置うを確実に揃えることができるため、周方向において隣接する単位コイル間の距離が確実に短く設定でき、所定のスロットへの装着がさらにし易くなる。
また、実施の形態1の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法によれば、
前記成形工程において、前記中間体の各前記収納部の間隔と、各前記収納部を挿入する所定の2つの前記スロットの間隔とが同一になるとともに、前記中間体の各前記収納部の周方向の角度と、所定の2つの前記スロットの周方向の角度とが同一になるように成形するので、
単位コイルを所定の2つのスロットに容易に挿入できるため、さらに高生産性となる。
また、実施の形態1の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法によれば、
前記巻回工程において、前記中間体は前記導線の長方形断面の短辺を含む面が曲がる方向に曲げて六角形の環状に積層されるので、
巻回工程を容易に行うことができるため、さらに高生産性となる。
また、実施の形態1の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法によれば、
前記導線は、長方形断面形状を有するので、回転電機の小型化、および、高出力化が可能となる。
また、回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法の前記巻回工程に用いられる回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置によれば、
基板と、前記基板上であって前記中間体の前記コイルエンド部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が階段状の筒状の第一軸体および第二軸体と、
前記基板上であって前記中間体の前記収納部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が直線状の筒状の第三軸体、第四軸体、第五軸体、第六軸体と、
前記第一軸体、前記第二軸体、前記第三軸体、前記第四軸体、前記第五軸体、前記第六軸体の外形に沿うように前記導線を巻回する巻回部とを備えたので、
導線を環状となるように複数回巻回して導線を複数層積層して形成して、コイルエンド部を積層方向において外形を階段状に積層する、および、収納部を積層方向において外形を直線状に積層することが容易に実現できる。
例えば、具体的には、特許文献2で示す巻回工程では、フォームドコイルで必要とするテーパ角度を巻線コイルの段階で成形しており、テーパ角度が付いた巻き付け面に張力を掛けた矩形断面の導線を巻取る方式となっている。本願では、導線の矩形形状導線であり、断面形状の縦横比が大きくエッジワイズ曲げとなるため、特許文献2のような正方形に近い断面の導線を巻取る方式では、正確に略六角柱形状に曲げることは不可能である。そのため別の巻回装置を開発した。この巻回装置によると所定の形状に導線の曲げ加工が行えると共に、コイルエンド部の曲げ形状後の単位コイルの形状は設計通りの形状にて形成できる。
また、回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法の前記巻回工程に用いられる回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置によれば、
前記巻回部は、前記第一軸体および前記第二軸体の階段状の外形に前記導線を沿わした状態で外形が沿う逆階段状の形状を有する第一ガイド部と、前記第三軸体、前記第四軸体、前記第五軸体、前記第六軸体の外形に沿う直線状の外形に前記導線を沿わした状態で外形が沿う直線状の形状を有する第二ガイド部とを備えるので、
コイルエンド部の積層方向における外形の階段状の積層、および、収納部の積層方向における外形を直線状の積層を、確実に実現できる。
また、中間体から単位コイルへの成形は、成形装置を用いて行うので、単位コイルの一対の収納部をステータコアのスロットに収納するだけで、単位コイルの設置が完了できる。このように、従来、単位コイルのステータコアに装着後に行っていた、コイルエンド部の曲げ作業を省くことが可能となり、生産性が向上する。また、2箇所のコイルエンド部を同時にプレス成形して完了できるので、単位コイルの生産性が向上する。また、単位コイルを順々にステータコアに収納するだけで、ステータコイルを形成できるので、ステータコイルの成形過程において導線の絶縁被膜にダメージを与えることがなくなり、絶縁品質が向上する。また、回転電機を構成する単位コイルを、予め理想形状に成形できるので、周方向に隣接する単位コイル同士の干渉を極力抑えることができる。その結果、コイルエンド部の軸方向の高さが低くなり、ステータ、回転電機の小型化を実現できる。これによりコイルに用いる銅の使用量を削減できるため、回転電機としての性能向上できる。
実施の形態2.
図31Aは上記実施の形態1と同様の製造方法で製作された単位コイルに絶縁テープを巻き付ける動作を示した図である。図31Bは図31Aの単位コイルの製造方法で製作された単位コイルに絶縁テープを巻き付け終えた状態を示した図である。図32Aは上記実施の形態1にて示した他の比較例と同様の単位コイルに絶縁テープを巻き付ける動作を示した図である。図32Bは図32Aの単位コイルの製造方法で製作された他の比較例と同様の単位コイルに絶縁テープを巻き付け終えた状態を示した図である。
本実施の形態2では、単位コイル5に、ステータコア2と単位コイル5との間、または、単位コイル5同士の電気絶縁を目的として、単位コイル5に絶縁テープ9を巻き付ける場合について説明する。絶縁テープ9は、当該幅Jの1/3から1/2の重なり代を持たせ、単位コイル5の全周に等間隔に巻き付ける。図31Aおよび図31Bに示すように、本実施の形態2の単位コイル5のコイルエンド部71、72は波型形状であるため、絶縁テープボビン91をコイルエンド部71、72の環状の内側に通すことが容易であり、絶縁テープ9を一定間隔で容易に巻き付けることができる。
これに対し、他の比較例の場合には、図32Aおよび図32Bに示すように、他の比較例の単位コイルに絶縁テープを巻き付ける際、コイルエンド部の軸方向Yの端部がループ形状Rで形成されているため、コイルエンド部の軸方向Yの端部の幅J0が絶縁テープボビン91の幅Jより小さく、絶縁テープボビン91をループ形状Rの内側に通しながら等間隔で巻き付けることは、非常に困難な作業である。そのためかなりの工数を要し、生産性が悪いという問題点があった。
さらに、他の比較例の単位コイルの場合は、コイルエンド部の軸方向Yの端部がループ形状Rにて形成されているため、絶縁テープのテーピングを人手で巻き付けていたが、本実施の形態2の単位コイル5によれば、絶縁テープボビン91をコイルエンド部71、72の内側に容易に通すことが可能となるため、例えばテーピング装置により自動巻き付けが可能となり、大幅な生産性向上を実現できる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 導線、10 ステータ、100 回転電機、101 ロータ、11 導体、12 絶縁膜、2 ステータコア、20 巻回装置、211 第一軸体、212 第二軸体、213 第三軸体、214 第四軸体、215 第五軸体、216 第六軸体、23 巻回部、241 第一ガイド部、242 第二ガイド部、25 ハンドル、28 基板、3 スロット、30 載置台、4 ステータコイル、40 成形装置、41 可動プレート、421 第一保持部、422 溝部、43 スライド部、44 下部ユニット、441 下型、46 回転軸、47 ガイド棒、48 上部ユニット、481 上型、491 第二保持部、5 単位コイル、50 中間体、6 収納部、71 コイルエンド部、72 コイルエンド部、8 結線部、 H 積層方向、J 幅、J0 幅、M 中心点、R ループ形状、W1 縦寸法、W1 厚み、W2 横寸法、W3 幅、W3 段差量、W4 幅、W5 長さ、W6 長さ、W7 間隔、W8 間隔、W9 距離、W10 距離、Y 軸方向、Z 周方向、α 角度、β 角度、γ1 角度、γ2 角度。
本願は、回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機および回転電機の製造方法に関するものである。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、絶縁性能の劣化の防止、かつ、高生産性となる回転電機を得るための回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機および回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
本願に開示される回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法は、
環状のステータコアの内周側に、周方向に間隔を隔てて複数個形成されたスロットに挿入されるとともに、複数個が環状に並べられステータコイルを構成する回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法において、
前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
導線を環状となるように複数回巻回して前記導線を複数層積層して形成するとともに、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層して、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層して、前記単位コイルの中間体を形成する巻回工程と、
両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、前記巻回工程の状態から比較して積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記中間体の前記コイルエンド部を屈曲して、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置を積層毎に揃えるように成形して前記単位コイルを形成する成形工程とを備えたものである。
また、本願に開示される回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置は、
前記回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法の前記巻回工程に用いられる回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置において、
基板と、前記基板上であって前記中間体の前記コイルエンド部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が階段状の筒状の第一軸体および第二軸体と、
前記基板上であって前記中間体の前記収納部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が直線状の筒状の第三軸体、第四軸体、第五軸体、第六軸体と、
前記第一軸体、前記第二軸体、前記第三軸体、前記第四軸体、前記第五軸体、前記第六軸体の外形に沿うように前記導線を巻回する巻回部とを備え
前記巻回部は、前記第三軸体、前記第四軸体、前記第五軸体、前記第六軸体の外形に沿う直線状の外形に前記導線を沿わした状態で外形が沿う直線状の形状を有する第二ガイド部とを備えるものである。
また、本願に開示される回転電機は、
内周側において周方向に間隔を隔てて複数個のスロットが形成された環状のステータコア、および、前記スロットに挿入されるとともに、単位コイルが複数個環状に並べられて構成されたステータコイルを有するステータと、
前記ステータの内周側に空隙を介して対向して回転可能に配置されたロータとを備えた回転電機において、
前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
前記単位コイルは、導線が環状となるように複数回巻回されて前記導線が複数層積層されて形成されるとともに、前記コイルエンド部の位置が積層方向において前記収納部の位置に一致するように変形された場合に、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層されて、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層されており、
両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記コイルエンド部が屈曲されて、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置が積層毎に揃っている。
また、本願に開示される回転電機の製造方法は、
前記記載の単位コイルの製造方法を用いて製造された単位コイルを有する回転電機を製造するものである。
本願に開示される回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法および回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置および回転電機および回転電機の製造方法によれば、絶縁性能の劣化の防止、かつ、高生産性となる回転電機を得ることができる。

Claims (11)

  1. 環状のステータコアの内周側に、周方向に間隔を隔てて複数個形成されたスロットに挿入されるとともに、複数個が環状に並べられステータコイルを構成する回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法において、
    前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
    導線を環状となるように複数回巻回して前記導線を複数層積層して形成するとともに、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層して、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層して、前記単位コイルの中間体を形成する巻回工程と、
    両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、前記巻回工程の状態から比較して積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記中間体の前記コイルエンド部を屈曲して、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置を積層毎に揃えるように成形して前記単位コイルを形成する成形工程とを備える回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法。
  2. 前記回転電機の軸方向の両側のそれぞれの前記コイルエンド部は、一方の前記収納部から他方の前記収納部に至る長さが、
    前記コイルエンド部の前記収納部の位置よりも離れる方向に屈曲される側の層が、前記収納部の位置に近い側の層よりも長く形成される請求項1に記載の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法。
  3. 前記巻回工程において、前記コイルエンド部の外形を階段状の積層は、前記導線の積層方向の厚みの1/2を最大とする積層方向の段差量を設けて行う請求項1または請求項2に記載の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法。
  4. 前記成形工程において、前記中間体の各前記収納部の間隔と、各前記収納部を挿入する所定の2つの前記スロットの間隔とが同一になるとともに、前記中間体の各前記収納部の周方向の角度と、所定の2つの前記スロットの周方向の角度とが同一になるように成形する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法。
  5. 前記導線は、長方形断面形状を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法。
  6. 前記巻回工程において、前記中間体は前記導線の長方形断面の短辺を含む面が曲がる方向に曲げて六角形の環状に積層される請求項5に記載の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転電機のステータ用の単位コイルの製造方法の前記巻回工程に用いられる回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置において、
    基板と、前記基板上であって前記中間体の前記コイルエンド部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が階段状の筒状の第一軸体および第二軸体と、
    前記基板上であって前記中間体の前記収納部の形成位置の軸方向の両端に設置された外形が直線状の筒状の第三軸体、第四軸体、第五軸体、第六軸体と、
    前記第一軸体、前記第二軸体、前記第三軸体、前記第四軸体、前記第五軸体、前記第六軸体の外形に沿うように前記導線を巻回する巻回部とを備えた回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置。
  8. 前記巻回部は、前記第一軸体および前記第二軸体の階段状の外形に前記導線を沿わした状態で外形が沿う逆階段状の形状を有する第一ガイド部と、前記第三軸体、前記第四軸体、前記第五軸体、前記第六軸体の外形に沿う直線状の外形に前記導線を沿わした状態で外形が沿う直線状の形状を有する第二ガイド部とを備える請求項7に記載の回転電機のステータ用の単位コイルの製造装置。
  9. 内周側において周方向に間隔を隔てて複数個のスロットが形成された環状のステータコア、および、前記スロットに挿入されるとともに、単位コイルが複数個環状に並べられて構成されたステータコイルを有するステータと、
    前記ステータの内周側に空隙を介して対向して回転可能に配置されたロータとを備えた回転電機において、
    前記単位コイルは、環状に形成され、各前記スロットの内の所定の2つの前記スロットにそれぞれ収納される収納部と、各前記収納部の前記回転電機の軸方向の両側をそれぞれ接続するコイルエンド部とを備え、
    前記単位コイルは、導線が環状となるように複数回巻回されて前記導線が複数層積層されて形成されるとともに、前記コイルエンド部の位置が積層方向において前記収納部の位置に一致するように変形された場合に、前記コイルエンド部は積層方向において外形を階段状に積層されて、前記収納部は積層方向において外形を直線状に積層されており、
    両前記コイルエンド部間の軸方向の長さが大きく形成されている層において前記収納部から軸方向に最も突出する前記コイルエンド部の位置が、積層方向において前記収納部の位置よりも離れる方向に、前記コイルエンド部が屈曲されて、前記コイルエンド部の環状の内側の軸方向の位置が積層毎に揃っている回転電機。
  10. 前記回転電機の軸方向の両側のそれぞれの前記コイルエンド部は、一方の前記収納部から他方の前記収納部に至る長さが、
    前記コイルエンド部の前記収納部の位置よりも離れる方向に屈曲される側の層が、前記収納部の位置に近い側の層よりも長く形成される請求項9に記載の回転電機。
  11. 前記コイルエンド部は、前記コイルエンド部の位置が積層方向において前記収納部の位置に一致するように変形された場合に、前記コイルエンド部の外形が前記導線の積層方向の厚みの1/2を最大とする積層方向の段差量が設けられた階段状に積層されている請求項9または請求項10に記載の回転電機。
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