JPWO2020071532A1 - コイル部品の製造方法、電気機械の製造方法、コイル部品及び電気機械 - Google Patents

コイル部品の製造方法、電気機械の製造方法、コイル部品及び電気機械 Download PDF

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Abstract

コイル部品の製造方法は、型に溶融金属を注入する注入工程を備えている。型は、特定の軸交差方向へ相対的に移動可能な第1型及び第2型を有している。コイル部品は、第1コイル線部と、第2コイル線部と、第3コイル線部とを有している。軸交差方向に沿ってコイル部品を見たとき、第1コイル線部の領域が第2コイル線部の領域から外れている。第1コイル線部及び第2コイル線部のそれぞれに形成された面のうち、第1型側に向いた面は、第1型によって成型される。第1コイル線部及び第2コイル線部のそれぞれに形成された面のうち、第2型側に向いた面は、第2型によって成型される。

Description

本発明は、コイルを構成するコイル部品を製造するコイル部品の製造方法、電気機械の製造方法、コイル部品及び電気機械に関する。
従来、電動機に使用されるコイルは、絶縁体を取り付けたコア、または絶縁塗料を塗布したコアに導線を巻き付けて形成される。コアに巻き付けることが難しい例えば平角線は、予め曲げ加工を施してコイル状に形成した状態でコアのスロットに挿入される(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−038474号公報
特許文献1に記載された従来の方法では、導線をコイル状に形成するために複数の曲げ加工工程が必要である。このため、曲げ加工を施した部分の残留応力によって、コイル状に形成した後にコイル部品の形状が変化するおそれがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、形状精度の高いコイル部品を製造することのできるコイル部品の製造方法、電気機械の製造方法、コイル部品及び電気機械を得るものである。
本発明に係るコイル部品の製造方法は、型に溶融金属を注入する注入工程と、注入工程の後、型において溶融金属が硬化してできた成型品を前記型から外す型外し工程とを備え、成型品の少なくとも一部をコイル部品とし、型は、特定の軸交差方向へ相対的に移動可能な第1型及び第2型を有しており、コイル部品は、第1コイル線部と、第2コイル線部と、第1コイル線部及び第2コイル線部のそれぞれの端部同士を繋いでいる直線状の第3コイル線部とを有しており、第1コイル線部及び第2コイル線部のそれぞれは、軸交差方向に交差しており、第3コイル線部は、軸交差方向に沿って配置されており、軸交差方向に沿ってコイル部品を見たとき、第1コイル線部の領域が第2コイル線部の領域から外れており、第1コイル線部及び第2コイル線部のそれぞれに形成された面のうち、第1型側に向いた面は、第1型によって成型され、第1コイル線部及び第2コイル線部のそれぞれに形成された面のうち、第2型側に向いた面は、第2型によって成型される。
また、本発明に係るコイル部品は、第1コイル線部と、第2コイル線部と、第1コイル線部及び第2コイル線部のそれぞれの端部同士を繋いでいる直線状の第3コイル線部とを備え、第1コイル線部と第2コイル線部とは、第3コイル線部に沿った軸交差方向に互いに離れて配置されており、軸交差方向に沿って第1コイル線部及び第2コイル線部を見たとき、第1コイル線部の領域は、第2コイル線部の領域から外れている。
本発明に係るコイル部品の製造方法、電気機械の製造方法、コイル部品及び電気機械によれば、形状精度の高いコイル部品を製造することができる。
本発明の実施の形態1によるコイル部品の製造方法を用いて製造されるコイル部品の例を示す斜視図である。 図1のコイル部品の製造に用いられる型の例を示す斜視図である。 図2の型を示す断面斜視図である。 図2の型が閉じた状態を示す断面斜視図である。 図1のコイル部品を製造するときの手順を示すフローチャートである。 図4の型が開いた状態を示す断面図である。 図6の状態から、成型品を押し出した状態を示す断面図である。 図7の状態を示す斜視図である。 図8の状態から取り出された成型品を示す斜視図である。 図9の成型品から、不要部分を分離した状態を示す斜視図である。 図9の成型品にバリが形成された状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2によるコイル部品の製造方法で使用される型を示す断面図である。 図12の型のプランジャを前進させた状態を示す断面図である。 図13の状態からプランジャを後退させた後、型を開いた状態を示す断面図である。 図14の状態から押し出しピンによって成型品を押し出した状態を示す断面図である。 図15の状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3によるコイル部品の製造方法で使用される型を示す斜視図である。 図17の型を成型後に開いた状態を示す斜視図である。 図18の状態から押し出しピンによって成型品を押し出した状態を示す斜視図である。 図19の状態の型から取り出された成型品を示す斜視図である。 図20の成型品から不要部分を分離した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1〜3のコイル部品の製造方法によって製造される他のコイル部品の例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4のコイル部品の製造方法で使用される型を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4のコイル部品の製造方法によって製造されるコイル部品の他の例を示す斜視図である。 図24のコイル部品の変形例としてのコイル部品を示す斜視図である。 図25の矢印XXVIに沿って見たときのコイル部品を示す上面図である。 図25の矢印XXVIIに沿って見たときのコイル部品を示す下面図である。 図25のコイル部品を製造するときの型を示す斜視図である。 図28の型を別の方向から見たときの状態を示す斜視図である。 図28の固定型からコイル部品が外れている状態を示す斜視図である。 図28の可動型からコイル部品が外れている状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1〜3のコイル部品の製造方法によって製造されるコイル部品の他の例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5のコイル部品の製造方法を示す概略図である。 実施の形態6による電気機械としての回転電機を示す一部断面図である。 実施の形態6による回転電機を示す斜視図である。 実施の形態6による回転電機の固定子鉄心を示す斜視図である。 実施の形態6による回転電機の固定子を示す一部破断拡大図である。 実施の形態7による電気機械としてのリニアモータを示す斜視図である。 実施の形態8による電気機械としての変圧器を示す模式的な一部断面図である。 図39のタンク、鉄心用スペーサ及びコイル用スペーサを除いた変圧器の要部を示す斜視図である。 図40の変圧器の要部を異なる方向から見たときの状態を示す斜視図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるコイル部品の製造方法を用いて製造されるコイル部品を示す斜視図である。コイル部品10は、電動機、発電機などの電気機械に用いられるコイルを構成するコイル要素である。この例では、電動機の電機子コイルを構成するコイル要素がコイル部品10とされている。また、コイル部品10は、導電性を持つ金属によって構成されている。
コイル部品10は、複数の直線部12と、複数の直線部12の端部間に個別に形成された複数の角部11とを有している。この例では、6個の直線部12と6個の角部11とによってコイル部品10の形状が六角形の環状になっている。また、この例では、直線部12の断面形状が長方形になっている。なお、直線部12の断面形状は、円形、正方形などでもよい。コイル部品10は、型を用いた鋳造によって製造されている。
コイル部品10の材料の性質としては、導電率が高いほど良く、流動性が良好なほど良い。従って、例えば、鋳造用の銅、鋳造用のアルミニウム等がコイル部品10の材料として用いられる。銅系の材料をコイル部品10の材料とする場合、軟銅に対して導電率が60%〜85%となる材料をコイル部品10の材料として用いるのが望ましい。具体的には、CAC101、CAC103等をコイル部品10の材料とするのが望ましい。アルミニウム系の材料をコイル部品10の材料とする場合、軟銅に対して導電率が20%〜40%となる材料をコイル部品10の材料として用いるのが望ましい。具体的には、ADC1、ADC3、ADC5、ADC6、ADC10、ADC10Z、ADC12、ADC12Z、ADC14等をコイル部品10の材料とするのが望ましい。
従って、鋳造用の銅、又は鋳造用のアルミニウムをコイル部品10の材料とすることにより、鋳造時におけるコイル部品10の材料の流動性を向上させることができる。このため、複雑な形状を持つコイル部品10であっても、コイル部品10を容易に製造することができる。また、コイル部品10の電気抵抗も低くすることができる。従って、電気機械に含まれているコイルにコイル部品10を用いることにより、コイルの電気抵抗を抑制することができ、電気機械の高効率化を図ることができる。コイル部品10が用いられる電気機械としては、例えば、電動機、発電機等として用いられる回転電機が挙げられる。
図2は、図1のコイル部品10の製造方法で用いられる型を示す斜視図である。また、図3は、図2の型を示す断面斜視図である。この例では、コイル部品10の製造に用いられる型1が金型とされている。また、この例では、コイル部品10がダイカストによって製造される。従って、型1は、ダイカスト型である。また、型1は、第1型としての固定型20と、第2型としての可動型30とを有している。
固定型20には、平面である固定側合わせ面21が形成されている。また、固定型20には、エアベント22及び固定側凹部23が設けられている。エアベント22は、固定側合わせ面21から固定型20の外面に達する貫通孔である。固定側凹部23は、固定型20の上面と固定側合わせ面21との境界に位置する凹部である。
可動型30には、固定型20の固定側合わせ面21に対向する平面である可動側合わせ面31が形成されている。また、可動型30は、可動側合わせ面31が固定側合わせ面21に接触する作動位置と、可動側合わせ面31が固定側合わせ面21から離れる開放位置との間で固定型20に対して移動可能になっている。可動型30は、固定側合わせ面21及び可動側合わせ面31のそれぞれに交差する特定の軸交差方向へ固定型20に対して移動可能になっている。即ち、型1は、軸交差方向へ相対的に移動可能な固定型20及び可動型30を有している。型1は、可動型30が作動位置に達することにより閉じる。また、型1は、可動型30が開放位置に達することにより開く。
可動型30には、キャビティ32、可動側凹部33及び注入路34が設けられている。
キャビティ32は、可動側合わせ面31に形成された溝である。キャビティ32は、固定型20側に開放されている。この例では、キャビティ32の形状が六角形の環状になっている。
可動側凹部33は、可動型30の上面と可動側合わせ面31との境界に位置する凹部である。注入路34は、可動側合わせ面31に形成された溝である。従って、注入路34も、キャビティ32と同様に、固定型20側に開放されている。可動側凹部33は、注入路34を介してキャビティ32に繋がっている。
図4は、図3の型1が閉じた状態を示す断面斜視図である。キャビティ32及び注入路34のそれぞれの開放部は、型1が閉じることにより固定側合わせ面21によって塞がれる。また、型1には、型1が閉じることにより、固定側凹部23及び可動側凹部33によって構成された湯口1Aが形成される。型1に形成された湯口1Aは、上方へ開放されている。
可動型30には、複数のピン35を有する押出部材36が取り付けられている。複数のピン35は、可動型30を貫通している。また、各ピン35は、押出部材36が可動型30に対して移動することにより、キャビティ32内の空間に突出したりキャビティ32内の空間から退避したりする。
次に、コイル部品10の製造方法について説明する。図5は、図1のコイル部品10を製造するときの手順を示すフローチャートである。コイル部品10を製造するときには、まず、溶融工程としてのステップS1において、コイル部品10の材料となる金属を溶融することにより溶融金属を作製する。コイル部品10の材料となる金属としては、アルミニウム、銅、これらの金属を含む合金などが挙げられる。このように、コイル部品10の材料となる金属としては、種々の金属を用いることができる。このため、電気機械の能力又はコストに応じてコイル部品10の材料となる金属の種類を使い分けることができる。
この後、注入工程としてのステップS2において、型1を閉じた状態で型1に湯口1Aから溶融金属を注入する。これにより、溶融金属は、注入路34を通って型1のキャビティ32に充填される。このとき、注入路34及びエアベント22には、余剰分の溶融金属がキャビティ32から溢れる。
この後、冷却工程としてのステップS3において、型1を冷却する。これにより、型1では、溶融金属が硬化して成型品2ができる。成型品2は、キャビティ32だけでなく注入路34及びエアベント22にも及んでいる。
この後、型外し工程としてのステップS4において、型1から成型品2を外す。型1から成型品2を外すときには、まず可動型30を開放位置へ移動させて型1を開く。図6は、図4の型1が開いた状態を示す断面斜視図である。型1に成型品2が成型された状態で型1を開くと、成型品2が可動型30と一体になって固定型20から外れる。
この後、各ピン35がキャビティ32内に突出する方向へ、可動型30に対して押出部材36を移動させる。これにより、成型品2が各ピン35によってキャビティ32から押し出される。図7は、図6の複数のピン35によって成型品2が押し出された状態を示す断面斜視図である。また、図8は、図7の型1及び成型品2を示す斜視図である。成型品2は、複数のピン35によって押し出されることにより可動型30から外れる。このようにして、成型品2が型1から外れる。
図9は、図8の型1から外された成型品2を示す斜視図である。型1から外された成型品2には、コイル部品10だけでなく、注入路34及びエアベント22のそれぞれで成型された複数の突起部2Aが含まれている。各突起部2Aは、コイル部品10にとって不要部分である。
従って、型1から成型品2を外した後、除去工程としてのステップS5において、不要部分である各突起部2Aを成型品2から除去する。図10は、図9の成型品2から各突起部2Aを除去した状態を示す斜視図である。各突起部2Aが成型品2から除去されると、コイル部品10が得られる。即ち、成型品2の一部がコイル部品10となる。各突起部2Aは、例えば裁断機によって成型品2から除去される。
この後、絶縁工程としてのステップS6において、コイル部品10に絶縁加工を施す。絶縁加工としては、絶縁材料を用いためっき、絶縁材料を用いた塗装などが挙げられる。このようにして、コイル部品10が製造される。
このようなコイル部品10の製造方法では、型1において溶融金属が硬化してできた成型品2の一部がコイル部品10になっている。このため、曲げ加工を行うことなくコイル部品10を製造することができる。これにより、コイル部品10に残留応力が生じることを抑制することができる。従って、残留応力によるコイル部品10の形状の変化を小さくすることができ、形状精度の高いコイル部品10を製造することができる。また、型1を用いて大量の成型品2を製造することができる。このため、コイル部品10の生産性を向上させることができる。さらに、コイル部品10の材料となる金属があれば、導線を入手しなくてもコイル部品10を製造することができる。
ここで、型1が閉じている状態では、可動側合わせ面31と固定側合わせ面21との間に隙間が部分的に生じることがある。この場合、注入工程としてのステップS2では、キャビティ32に充填された溶融金属の一部が可動側合わせ面31と固定側合わせ面21との間の隙間に流れやすくなる。従って、可動側合わせ面31と固定側合わせ面21との間の隙間に溶融金属が部分的に介在した状態で溶融金属が冷却されると、型外し工程としてのステップS4において型1から外された成型品2に板状のバリが形成される。
図11は、図9の成型品2にバリ90が形成された状態を示す斜視図である。成型品2に含まれているコイル部品10には、固定側合わせ面21によって成型された型合わせ位置形成面100が形成されている。バリ90は、型合わせ位置形成面100の内周辺及び外周辺のそれぞれに形成されている。型合わせ位置形成面100の内周辺に形成されたバリ90は、型合わせ位置形成面100からコイル部品10の内側へ張り出している。型合わせ位置形成面100の外周辺に形成されたバリ90は、型合わせ位置形成面100からコイル部品10の外側へ張り出している。バリ90は、コイル部品10にとって不要部分である。
従って、除去工程としてのステップS5では、バリ90を削って成型品2から除去するようにしてもよい。このようにすれば、コイル部品10の形状の精度の向上をさらに図ることができる。また、バリ90だけでなく成型品2の表面を削ることによりコイル部品10の形状をさらに精度よく決めることができる。
成型品2においてバリ90が形成されている部分の表面は、鋳肌である。鋳肌の面粗度は、一般的にRz80程度である。これに対して、除去工程において成型品2の表面を削ると、コイル部品10の表面の面粗度は例えばRz10程度になる。このように、除去工程において成型品2の表面を削ることにより、コイル部品10の表面の面粗度を小さくすることができる。
また、キャビティ32を構成する溝の両側面を可動側合わせ面31に対して傾斜させることにより、キャビティ32の底部からキャビティ32の開放部に向かってキャビティ32の溝幅を連続的に大きくしてもよい。即ち、可動側合わせ面31に対するキャビティ32の両側面の勾配を抜き勾配としてもよい。この場合、成型品2に含まれているコイル部品10の各直線部12の幅もキャビティ32の溝幅に合わせてキャビティ32の底部側からキャビティ32の開放部側に向かって連続的に大きくなる。このようにすれば、型外し工程においてキャビティ32から成型品2を外しやすくすることができる。従って、成型品2が型1に引っ掛かったり、成型品2が落下したりすることを防止することができ、製造設備の運転が停止してしまう不具合の防止を図ることができる。さらに、この場合、コイル部品10では、各直線部12の幅がコイル部品10の厚さ方向において変化している。これにより、例えば、コイル部品10を含むコイルを電気機械のコアのスロットに配置した場合、コイル部品10の側面とスロットの内面との間に隙間を生じさせることができる。従って、コイル部品10の側面とスロットの内面との間の隙間に冷却風を通過させやすくすることができ、電気機械の冷却効率を向上させることができる。
なお、上記の例では、コイル部品10の製造方法で用いられる型1がダイカスト型とされている。しかし、コイル部品10の製造方法に用いられる型1は、これに限定されない。例えば、コイル部品10の製造方法に用いられる型1を砂型又は石膏型にしてもよい。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2によるコイル部品の製造方法について説明する。
図12は、本発明の実施の形態2によるコイル部品の製造方法で用いられる型1を示す断面斜視図である。実施の形態2の型1は、固定型20に湯口1Aと湯道24とが設けられている点が、実施の形態1の型1とは異なる。また、実施の形態2の型1は、可動型30にエアベント37が設けられている点が、実施の形態1の型1とは異なる。さらに、実施の形態2の型1は、固定型20にプランジャ25が取り付けられている点が、実施の形態1の型1とは異なる。他の構成は、実施の形態1と同様である。
図12に示すように、実施の形態2の型1では、固定型20の上面に湯口1Aが設けられている。湯口1Aの下部には、湯口1Aとキャビティ32とをつなぐ湯道24が設けられている。湯道24には、プランジャ25が挿入されている。プランジャ25は、湯道24に沿って進退移動可能になっている。プランジャ25は、湯道24に沿って前進移動することにより、湯道24内に充填された溶融金属をキャビティ32内に押し込む。
次に、実施の形態2によるコイル部品の製造方法について、図12から図16を用いて説明する。実施の形態2において、コイル部品10を製造するときには、実施の形態1と同様に溶融金属を作成した後、注入工程において型1に溶融金属を注入する。
型1に溶融金属を注入するときには、まず、図12の型1が閉じた状態で湯口1Aから湯道24内に溶融金属を流し込む。
次に、プランジャ25を前進移動させて可動型30のキャビティ32内に湯道24から溶融金属を充填する。
図13は、図12の型1においてプランジャ25が前進移動した状態を示す断面斜視図である。プランジャ25は、図13に矢印Aで示す方向に前進移動して、湯道24内の溶融金属を可動型30のキャビティ32内に押し込む。これにより、キャビティ32には、溶融金属が充填される。このとき、余剰分の溶融金属がキャビティ32内からエアベント37内に溢れる。
この後、冷却工程において、型1を冷却して、型1における溶融金属を硬化させる。これにより、型1には成型品2ができる。成型品2は、キャビティ32だけでなく湯道24及びエアベント37にも及んでいる。
次に、型外し工程において、型1から成型品を外す。型1から成型品を外すときには、まずプランジャ25を後退させる。次に可動型30を開放位置へ移動させて型1を開く。図14は、図13の型1が開いた状態を示す断面斜視図である。型1に成型品2が成型された状態で型1を開くと、成型品2が可動型30と一体になって固定型20から外れる。
この後、可動型30に対して押出部材36を移動させて複数のピン35によって成型品2を押し出す。図15は、図14の複数のピン35によって成型品2が押し出された状態を示す断面斜視図である。また、図16は、図15の型1及び成型品2を示す斜視図である。成型品2は、複数のピン35によって押し出されることにより可動型30から外れる。このようにして、成型品2が型1から外れる。
型1から外された成型品2には、実施の形態1の成型品2と同様に、コイル部品10だけでなく、湯道24及びエアベント37のそれぞれで成型された複数の突起部2Aが含まれている。従って、型1から成型品2を外した後、除去工程において不要部分である各突起部2Aを成型品2から除去する。各突起部2Aが成型品2から除去されると、コイル部品10が得られる。即ち、成型品2の一部がコイル部品10となる。各突起部2Aは、例えば裁断機によって成型品2から除去される。この後の工程は、実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3によるコイル部品の製造方法について説明する。
実施の形態3によるコイル部品の製造方法で用いられる型1は、可動型30に、溶融金属が充填される複数のキャビティ32が設けられている点が、実施の形態1とは異なる。他の構成は、実施の形態1と同様である。
図17は、本発明の実施の形態3によるコイル部品の製造方法で使用される型1を示す斜視図である。図17に示すように、実施の形態3の型1は、実施の形態1の型1を複数個接続したような形状を有している。
この例では、可動型30の可動側合わせ面31には、溶融金属が注入される1つの湯口1Aと複数のキャビティ32とが設けられている。複数のキャビティ32のそれぞれには、注入路34が設けられている。各注入路34は、湯道38を介して互いに繋がっている。湯口1Aから注入された溶融金属は、湯道38を介して各キャビティ32内に充填される。この例では、複数のキャビティ32の形状が全て同一の形状である。
次に、実施の形態3によるコイル部品の製造方法について、図17から図21を用いて説明する。
実施の形態3でも、実施の形態1と同様にして溶融金属を作成する。この後、図17の型1が開いた状態から型1を閉じて、注入工程において湯口1Aから溶融金属を注入する。これにより、溶融金属は、注入路34及び湯道38を介して型1の各キャビティ32に充填される。このとき、注入路34及びエアベント22には、余剰分の溶融金属がキャビティ32から溢れる。
次に、冷却工程において、型1を冷却する。これにより、型1では、溶融金属が硬化して成型品2ができる。成型品2は、各キャビティ32だけでなく注入路34、湯道38及びエアベント22にも及んでいる。
この後、型外し工程において、型1から成型品を外す。型1から成型品を外すときには、まず可動型30を開放位置へ移動させて型1を開く。図18は、図17の可動型30と成型品2とが一体になったまま型1が開いた状態を示す断面斜視図である。型1に成型品2が成型された状態で型1を開くと、成型品2が可動型30と一体になって固定型20から外れる。
この後、可動型30に対して図示しない押出部材36を移動させて複数のピン35によって成型品2を押し出す。図19は、複数のピン35によって成型品2が押し出された状態を示す断面斜視図である。成型品2は、複数のピン35によって押し出されることにより可動型30から外れる。このようにして、成型品2が型1から外れる。
図20は、図19の型1から外された成型品2を示す斜視図である。型1から外された成型品2には、コイル部品10だけでなく、注入路34、湯道38及びエアベント22のそれぞれで成型された複数の突起部2Aが含まれている。各突起部2Aは、コイル部品10にとって不要部分である。
従って、型1から成型品2を外した後、除去工程において、不要部分である各突起部2Aを成型品2から除去する。図21は、図20の成型品2から各突起部2Aを除去した状態を示す斜視図である。各突起部2Aが成型品2から除去されると、複数のコイル部品10が得られる。即ち、成型品2の一部が複数のコイル部品10となる。各突起部2Aは、例えば裁断機によって成型品2から除去される。この後の工程は、実施の形態1と同様である。
なお、実施の形態3では、型1に6つのキャビティ32を設けている。しかし、型1の構成は、これに限るものではない。例えば、型1に設けられるキャビティ32の数は、6つよりも少なくてもよいし、7つ以上であってもよい。
また、実施の形態1〜3では、コイル部品10の形状は、段差のない環状になっている。しかし、コイル部品10の形状は、これに限るものではない。例えば、コイル部品10の形状は、図22に示すコイル部品10Aのような形状であってもよい。
図22の例では、コイル部品10Aは、3つの直線部12Aと各直線部12Aの間に形成された2つの角部11Aとを有する2つの部分を、2つの端部16において軸方向に位置をずらして接続した形状を有している。このような形状のコイル部品10Aであっても、1回の成型によってコイル部品10Aを製造することができる。
なお、上記の例では、複数のキャビティ32の形状が全て同一の形状になっている。しかし、複数のキャビティ32の形状を互いに異なる形状としてもよい。この場合、キャビティ32ごとの形状に合わせて成型された複数のコイル部品10が含まれた成型品2ができる。このようにすれば、互いに異なる形状のコイル部品10を同時に製造することができる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4によるコイル部品の製造方法について説明する。実施の形態4によるコイルの製造方法では、成型品2の全部がコイル部品10Bである点が、実施の形態1〜3とは異なる。また、実施の形態4によるコイル部品の製造方法で用いられる型1は、可動型30が、固定型20に対して、上下方向に移動して型1を開閉する点が、実施の形態1とは異なる。
図23は、実施の形態4によるコイル部品の製造方法で用いられる型1を示す斜視図である。図23に示す型1では、例えば、環状とは異なる形状のコイル部品10Bを成型することが可能である。
コイル部品10Bは、連続して配置された複数の直線部12Bと、複数の直線部12Bの端部間に形成された複数の角部11Bと、両端に配置された2つの直線部12Bに設けられた2つの端子部18とを有している。コイル部品10Bは、軸方向に沿ってみたときに、全体としてδ形状となっている。この例では、コイル部品10Bは、1つの直線部12Bが、間隔を空けて他の直線部12Bと重なっている。他の構成及び製造方法は、実施の形態1と同様である。
なお、図23に示すような型1に、水平方向に移動するスライド型を追加することによって、図24に示すような、らせん状のコイル部品10Cを成型することも可能である。また、コイル部品10Cは、砂型を用いることによっても成型することが可能である。
らせん状のコイル部品10Cは、連続して配置された複数の直線部12Cと、複数の直線部12Cの端部間に形成された複数の角部11Cと、両端に配置された2つの直線部12Cに設けられた2つの端子部18とを有している。各角部11Cを介して連結された2つの直線部12Cは、互いに直交している。
各直線部12Cのそれぞれには、コイル部品10Cの外側に面する平面がコイル外周面121として形成されている。各角部11Cのそれぞれには、コイル部品10Cの軸線に沿った稜線122が形成されている。稜線122は、角部11Cを介して互いに隣り合う2つの直線部12Cのそれぞれのコイル外周面121同士が交わって形成された境界線である。
このように、角部11Cには、2つの直線部12Cのそれぞれのコイル外周面121同士が交わって形成された稜線122が設けられている。このため、コイル部品10Cの角部11Cが丸まらないようにすることができる。これにより、コイル部品10Cが配置される空間を有効に利用することができる。
また、型1が閉じた状態で固定型20と可動型30との間にらせん状の空間部がキャビティとして形成されるようにしてもよい。
即ち、図25は、図24のコイル部品10Cの変形例としてのコイル部品10Dを示す斜視図である。また、図26は、図25の矢印XXVIに沿って見たときのコイル部品10Dを示す上面図である。さらに、図27は、図25の矢印XXVIIに沿って見たときのコイル部品10Dを示す下面図である。コイル部品10Dは、コイル軸線Pを持つらせん状のコイル部品である。コイル部品10Dは、複数の第1コイル線部101と、複数の第2コイル線部102と、複数の第3コイル線部103と、複数の第4コイル線部104とを有している。コイル部品10Dは、第1コイル線部101、第2コイル線部102、第3コイル線部103及び第4コイル線部104が連続して繋がることによりらせん状に形成されている。
各第3コイル線部103は、コイル軸線Pに交差する特定の軸交差方向Qに沿った直線状のコイル線部である。図25の例では、コイル軸線Pに直交する方向が軸交差方向Qとなっている。複数の第3コイル線部103は、コイル軸線Pに沿った方向へ互いに間隔をあけて並んでいる。
各第4コイル線部104は、コイル軸線P及び軸交差方向Qのそれぞれに直交する方向へ各第3コイル線部103から離れた位置に配置されている。各第4コイル線部104は、軸交差方向Qに沿った直線状のコイル線部である。即ち、各第4コイル線部104は、各第3コイル線部103と平行に配置されている。また、複数の第4コイル線部104は、コイル軸線Pに沿った方向へ互いに間隔をあけて並んでいる。
各第3コイル線部103及び各第4コイル線部104のそれぞれには、コイル部品10Dの内側に面するコイル内周面と、コイル部品10Dの外側に面するコイル外周面とが形成されている。
複数の第1コイル線部101は、コイル軸線Pに沿った方向へ互いに間隔をあけて並んでいる。各第1コイル線部101は、コイル軸線P及び軸交差方向Qのそれぞれに交差するコイル線部である。この例では、コイル軸線P及び軸交差方向Qのそれぞれに直交する直線状のコイル線部が第1コイル線部101となっている。軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、図26及び図27に示すように、複数の第1コイル線部101は、コイル軸線Pに対して同じ方向へ傾斜している。
各第2コイル線部102は、各第1コイル線部101から軸交差方向Qへ離れた位置に配置されている。即ち、複数の第1コイル線部101と、複数の第2コイル線部102とは、軸交差方向Qにおいて互いに離して配置されている。また、複数の第2コイル線部102は、コイル軸線Pに沿った方向へ互いに間隔をあけて並んでいる。
各第2コイル線部102は、コイル軸線P及び軸交差方向Qのそれぞれに交差するコイル線部である。この例では、コイル軸線P及び軸交差方向Qのそれぞれに直交する直線状のコイル線部が第2コイル線部102となっている。軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、図26及び図27に示すように、複数の第2コイル線部102は、各第1コイル線部101とは逆方向へコイル軸線Pに対して傾斜している。
各第3コイル線部103は、第1コイル線部101及び第2コイル線部102のそれぞれの一端部同士を繋いでいる。軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、図26及び図27に示すように、各第3コイル線部103は、互いに隣り合う第1コイル線部101及び第2コイル線部102のそれぞれの一端部同士を繋いでいる。
各第4コイル線部104は、第1コイル線部101及び第2コイル線部102のそれぞれの他端部同士を繋いでいる。軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、図26及び図27に示すように、各第4コイル線部104は、互いに隣り合う第1コイル線部101及び第2コイル線部102のそれぞれの他端部同士を繋いでいる。
軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、第1コイル線部101と第2コイル線部102とは、コイル軸線Pに沿った方向へ交互に並んでいる。また、軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、図26及び図27に示すように、各第1コイル線部101の領域は、各第2コイル線部102の領域から外れている。
各第1コイル線部101には、図25に示すように、コイル部品10Dの内側に面するコイル内周面としての第1コイル内面101aと、コイル部品10Dの外側に面するコイル外周面としての第1コイル外面101bとが形成されている。各第2コイル線部102には、コイル部品10Dの内側に面するコイル内周面としての第2コイル内面102aと、コイル部品10Dの外側に面するコイル外周面としての第2コイル外面102bとが形成されている。
第3コイル線部103を介して互いに繋がっている第1コイル線部101及び第2コイル線部102では、軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、図26及び図27に示すように、第1コイル線部101における第2コイル線部102側の辺101cと、第2コイル線部102における第1コイル線部101側の辺102cとが第3コイル線部103の位置で互いに交差している。
第4コイル線部104を介して互いに繋がっている第1コイル線部101及び第2コイル線部102では、軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、図26及び図27に示すように、第1コイル線部101における第2コイル線部102側の辺101dと、第2コイル線部102における第1コイル線部101側の辺102dとが第4コイル線部104の位置で互いに交差している。
図25の例では、各第1コイル線部101、各第2コイル線部102、各第3コイル線部103及び各第4コイル線部104が複数の直線部となっている。また、図25の例では、各第1コイル線部101、各第2コイル線部102、各第3コイル線部103及び各第4コイル線部104のそれぞれの端部間に角部が形成されている。各角部には、角部を介して互いに隣り合う2つの直線部のそれぞれのコイル外周面同士が交わる境界線が稜線として形成されている。
図28は、図25のコイル部品10Dを製造するときの型1を示す斜視図である。また、図29は、図28の型1を別の方向から見たときの状態を示す斜視図である。さらに、図30は、図28の固定型20からコイル部品10Dが外れている状態を示す斜視図である。また、図31は、図28の可動型30からコイル部品10Dが外れている状態を示す斜視図である。
固定型20及び可動型30は、軸交差方向Qへ相対的に移動可能になっている。図28の例では、可動型30が固定型20に対して上下方向へ移動することにより、固定型20及び可動型30が相対的に移動する。型1は、固定型20と可動型30とが互いに接触することにより閉じる。また、型1は、固定型20と可動型30とが互いに離れることにより開く。
固定型20は、第1型本体201と、第1型本体201に設けられた複数の第1歯202とを有している。
第1型本体201には、複数の第1歯202が配置された第1型凹部が形成されている。また、第1型本体201には、可動型30に面する固定側合わせ面205が第1合わせ面として形成されている。固定側合わせ面205は、第1型凹部の周囲に形成されている。
複数の第1歯202は、コイル軸線Pに沿った方向へ互いに間隔をあけて並んでいる。また、複数の第1歯202は、コイル軸線Pに交差する軸交差方向Qに沿ってそれぞれ配置されている。
可動型30は、第2型本体301と、第2型本体301に設けられた複数の第2歯302とを有している。
図28の例では、第2型本体301が板状部材となっている。第2型本体301からは、固定型20に向けて複数の第2歯302が突出している。第2型本体301には、固定型20に面する可動側合わせ面305が第2合わせ面として形成されている。可動側合わせ面305は、複数の第2歯302が設けられた領域の周囲に形成されている。
複数の第2歯302は、コイル軸線Pに沿った方向へ互いに間隔をあけて並んでいる。また、複数の第2歯302は、軸交差方向Qに沿ってそれぞれ配置されている。
固定側合わせ面205及び可動側合わせ面305のそれぞれは、軸交差方向Qに交差する面である。図28の例では、固定側合わせ面205及び可動側合わせ面305が軸交差方向Qに直交している。
型1が閉じた状態では、複数の第1歯202と複数の第2歯302とが交互に噛み合っている。また、型1が閉じた状態では、固定側合わせ面205と可動側合わせ面305とが互いに接触している。さらに、型1が閉じた状態では、各第1歯202と第2型本体301との間、及び各第2歯302と第1型本体201との間に、空間部がキャビティとして形成されている。型1に形成されたキャビティの形状は、第1歯202の外周面に沿った形状と、第2歯302の外周面に沿った形状とが交互に連続するらせん状となっている。
各第1歯202の外周面には、図28に示すように、軸交差方向Qに沿った第1平行面203と、軸交差方向Qに交差する第1交差面204とが含まれている。第1平行面203は、複数の第1歯202の同じ側の端部に形成されている。第1交差面204は、可動型30に向けて形成されている。
各第2歯302の外周面には、図29に示すように、軸交差方向Qに沿った第2平行面303と、軸交差方向Qに交差する第2交差面304とが含まれている。第2平行面303は、複数の第2歯302の同じ側の端部に形成されている。第2平行面303が形成された第2歯302の端部は、第1平行面203が形成された第1歯202の端部とは反対側の端部となっている。第2交差面304は、固定型20に向けて形成されている。
コイル部品10Dは、実施の形態1の各工程と同様の工程によって製造される。従って、コイル部品10Dの製造方法には、実施の形態1におけるステップS1〜ステップS6の各工程が含まれている。注入工程としてのステップS2では、型1が閉じた状態で型1に形成されたらせん状のキャビティに溶融金属が充填される。型外し工程としてのステップS4では、型1が開くことによりらせん状の成型品2がコイル部品10Dとして成型される。
型外し工程としてのステップS4においてコイル部品10Dが型1から外れるときには、図30の第1型抜きの向きQ1へ固定型20がコイル部品10Dに対して移動し、図31の第2型抜きの向きQ2へ可動型30がコイル部品10Dに対して移動する。ここで、第1型抜きの向きQ1及び第2型抜きの向きQ2は、軸交差方向Qに沿った直線上において互いに離れる逆の向きである。
各第1コイル線部101は、第1歯202の第1交差面204と第2型本体301との間で成型される。各第2コイル線部102は、第2歯302の第2交差面304と第1型本体201との間で成型される。
各第1コイル線部101及び各第2コイル線部102のそれぞれに形成された面のうち、固定型20側に向いた面、即ち第1コイル内面101a及び第2コイル外面102bは、固定型20によって成型される。具体的には、第1コイル内面101aが第1歯202の第1交差面204によって成型され、第2コイル外面102bが第1型本体201によって成型される。
また、各第1コイル線部101及び各第2コイル線部102のそれぞれに形成された面のうち、可動型30側に向いた面、即ち第1コイル外面101b及び第2コイル内面102aは、可動型30によって成型される。具体的には、第2コイル内面102aが第2歯302の第2交差面304によって成型され、第1コイル外面101bが第2型本体301によって成型される。
さらに、各第3コイル線部103は、第2歯302の第2平行面303と、第1型本体201の第1型凹部の内面との間で成型される。各第4コイル線部104は、第1歯202の第1平行面203と、第1型本体201の第1型凹部の内面との間で成型される。
型外し工程としてのステップS4では、固定型20がコイル部品10Dに掛かることなく固定型20がコイル部品10Dに対して第1型抜きの向きQ1へ移動する。また、型外し工程では、可動型30がコイル部品10Dに掛かることなく可動型30がコイル部品10Dに対して第2型抜きの向きQ2へ移動する。
このようなコイル部品10Dの製造方法では、軸交差方向Qに沿ってコイル部品10Dを見たとき、第1コイル線部101の領域が第2コイル線部102の領域から外れている。このため、コイル部品10Dに対して固定型20及び可動型30のそれぞれを軸交差方向Qに沿って移動させることができる。これにより、固定型20及び可動型30のそれぞれにコイル部品10Dが干渉することなく、固定型20及び可動型30のそれぞれからコイル部品10Dを外すことができる。従って、コイル部品10Dの形状が、らせん状のような複雑な形状であっても、導線の曲げ加工を行うことなくコイル部品10Dを製造することができる。これにより、コイル部品10Dの形状精度の向上を図ることができる。また、成型品2の全部をコイル部品10Dとして用いることができ、コイル部品10Dの生産性の向上も図ることができる。
また、コイル部品10Dの角部には、コイル外周面同士が交わって形成された稜線が設けられている。このため、実施の形態4と同様に、コイル部品10Dが配置される空間を有効に利用することができる。
また、コイル部品10Dは、鋳造用の銅又は鋳造用のアルミニウムによって構成されている。このため、コイル部品10Dの形状が複雑な形状であっても、コイル部品10Dを容易に製造することができる。
なお、図28の型1を複数個接続したような形状を持つ連結タイプの型をコイル部品の製造に用いてもよい。この場合、閉じた状態の型には、1つの湯口に湯道を介して繋がった複数のキャビティが形成される。また、この場合、湯口から注入された溶融金属は、湯道を介して各キャビティ内に充填される。さらに、この場合、連結タイプの型によって成型された成型品には、キャビティごとの形状に合わせて成型された複数のコイル部品10Dが含まれる。これにより、除去工程としてのステップS5では、連結タイプの型によって成型された成型品における不要部分が除去され、複数のコイル部品10Dが得られる。このようにすれば、複数のコイル部品10Dを同時に製造することができ、コイル部品10Dの生産性の向上をさらに図ることができる。
また、連結タイプの型をコイル部品の製造に用いる場合、型に形成されている複数のキャビティの形状を互いに異なる形状にしてもよい。このようにすれば、互いに異なる形状の複数のコイル部品10Dを同時に製造することができ、コイル部品10Dの生産性の向上をさらに図ることができる。
また、図28の型1では、第1型本体201に第1型凹部が形成されており、第2型本体301が板状部材となっている。しかし、第1型本体201を板状部材とし、第2型本体301に第2型凹部を形成してもよい。この場合、第1型本体201から可動型30に向けて複数の第2歯302が突出する。また、この場合、第2型本体301の第2型凹部に複数の第2歯302が配置される。このようにしても、閉じた状態の型1にらせん状のキャビティを形成することができ、らせん状のコイル部品10Dを成型することができる。
また、第1型本体201に第1型凹部を形成するとともに、第2型本体301に第2型凹部を形成してもよい。この場合、第1型凹部に配置された複数の第1歯202のそれぞれの一部が第1型凹部から突出する。また、この場合、第2型凹部に配置された複数の第2歯302のそれぞれの一部が第2型凹部から突出する。さらに、この場合、固定側合わせ面205が第1型凹部の周囲に形成され、可動側合わせ面305が第2型凹部の周囲に形成される。型1が閉じた状態では、第2型凹部から突出した各第2歯302の部分が第1型凹部に挿入され、かつ第1型凹部から突出した各第1歯202の部分が第2型凹部に挿入される。このようにしても、閉じた状態の型1にらせん状のキャビティを形成することができ、らせん状のコイル部品10Dを成型することができる。
第1型本体201に第1型凹部を形成するとともに、第2型本体301に第2型凹部を形成した場合には、コイル部品10Dの各第3コイル線部103及び各第4コイル線部104のそれぞれに型1の割面の跡が形成される。型1が閉じると、第1型本体201と第2型本体301との境界に型1の割面が形成される。型1の割面は、コイル部品10Dの各第3コイル線部103及び各第4コイル線部104のそれぞれに対応する位置に形成される。従って、この場合、各第3コイル線部103及び各第4コイル線部104のそれぞれには、第1型本体201と第2型本体301との境界の形状に合わせた跡が形成される。このようにすれば、固定型20及び可動型30のそれぞれに対するコイル部品10Dの外しやすさを同程度にすることができ、型外し工程において固定型20及び可動型30のそれぞれからコイル部品10Dを外しやすくすることができる。
また、実施の形態1〜3によるコイル部品の製造方法で用いられる型1を用いて、図32に示すようなコイル部品10を成型することも可能である。コイル部品10は、6つの直線部12と、6つの直線部12の端部間に個別に形成された6つの角部11とを有しており、六角形の環状になっている。コイル部品10の6つの角部11には、稜線122が形成されている。
実施の形態5.
次に、実施の形態5によるコイル部品の製造方法について説明する。図33は、本発明の実施の形態5によるコイル部品の製造方法を実施する製造装置を示す概略図である。
図33に示すように、実施の形態5のコイル部品の製造方法では、型1と、型1に溶融金属を供給するホットチャンバー式ダイカスト装置80とを用いている。
型1には、固定型20の下部に、側方から溶融金属を注入する湯口1Aが設けられている。ホットチャンバー式ダイカスト装置80は、溶融金属が蓄えられたポット81と、ポット81内に配置される配管82と、配管82の先端に設けられたノズル83と、配管82内の溶融金属をノズル83から押し出すプランジャ84とを有している。配管82には、湯口82Aが設けられている。
次に、実施の形態5によるコイル部品の製造方法について説明する。
まず、図33に示すように、固定型20の湯口1Aに、ホットチャンバー式ダイカスト装置80のノズル83を取り付ける。
次に、ポット81を溶融金属で満たす。ポット81に蓄えられた溶融金属は、配管82の湯口82Aを介して、配管82内に自動的に流し込まれる。配管82内の溶融金属は、ノズル83の近くまで到達する。
次に、注入工程において、プランジャ84を下降させて、配管82内の溶融金属を、ノズル83から吐出させる。ノズル83から吐出した溶融金属は、固定型20の湯口1Aに注入される。湯口1Aに注入された溶融金属は、可動型30のキャビティ32内に充填される。
この後の手順は、実施の形態1〜3と同様である。
このように、実施の形態5のコイル部品の製造方法によれば、ホットチャンバー式ダイカスト装置80を用いることによって、配管82内に自動的に溶融金属を供給することができる。これにより、コイル部品10の成型を、速やかに連続して行うことが可能となる。
実施の形態6.
図34は、実施の形態6による電気機械としての回転電機を示す一部断面図である。また、図35は、実施の形態6による回転電機を示す斜視図である。回転電機110は、回転磁界を発生する環状の固定子111と、固定子111の内側に空隙を介して回転可能に設けられた回転子112と、固定子111および回転子112を支持するハウジング113とを有している。
固定子111は、磁束を通す環状の固定子鉄心111aと、固定子鉄心111aに設けられた固定子コイル111bとを有している。固定子鉄心111aと固定子コイル111bとの間には、固定子鉄心111aと固定子コイル111bとを電気的に絶縁する図示しない絶縁紙が設けられている。固定子コイル111bへの通電が行われると、固定子コイル111bが磁界を発生する。
回転子112は、固定子111の内側で回転自在となるように軸受114を介してハウジング113に支持されている。回転子112は、磁束を通す回転子鉄心112bと、回転子鉄心112bに固定された回転子シャフト112aと、回転子鉄心112bの中に埋め込まれた複数の永久磁石112cとを有している。回転子シャフト112aは、固定子コイル111bへの通電により、回転子鉄心112bと一体に回転する。これにより、回転子シャフト112aは、トルクを外部に伝達する。
なお、回転子112は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない複数の回転子導体を回転子鉄心のスロットに収納して各回転子導体の両端部を短絡環で短絡したかご形回転子、又は絶縁した導線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
次に、固定子111について具体的に説明する。なお、説明の便宜上、回転子シャフト112aの長手方向を軸線方向、回転子シャフト112aの半径方向を径方向、回転子シャフト112aの軸心を中心とする回転方向を周方向とする。
図36は、実施の形態6による回転電機の固定子鉄心111aを示す斜視図である。また、図37は、実施の形態6による回転電機の固定子111を示す一部破断拡大図である。固定子鉄心111aは、円環状に並べられた複数の磁極片1111を有している。実施の形態6では、48個の磁極片1111から固定子鉄心111aが構成されている。各磁極片1111は、複数の薄板を軸線方向に積層して一体化された積層体である。磁極片1111を構成する薄板は、電磁鋼板からT字状に打ち抜かれることにより形成されている。電磁鋼板の板厚は、例えば0.1mmから1.0mmの範囲に設定される。
磁極片1111は、バックヨーク部1111aと、バックヨーク部1111aから固定子111の径方向内側に向けて突出しているティース部1111bとを有している。固定子鉄心111aは、バックヨーク部1111aの周方向の側面同士を突き合わせて複数の磁極片1111を円環状に配列した状態で、圧入、焼き嵌めなどによってハウジング113内に挿入されている。これにより、固定子鉄心111aは、ハウジング113内に保持されている。互いに隣り合うティース部1111b間には、スロット111cとしての空間が形成されている。固定子コイル111bは、スロット111c内に配置されている。
実施の形態6では、説明の便宜上、回転子112の極数を8、固定子鉄心111aにおけるスロット111cの数を48、固定子コイル111bを三相巻線とする。即ち、スロット111cは、毎極毎相当たり2個の割合で固定子鉄心111aに形成されている。
ハウジング113は、鉄系材料により円筒形に形成されている。ハウジング113には、ハウジング113の取付部を軸線方向に貫通しているボルト挿通穴115が形成されている。
なお、実施の形態6では、ハウジング113の材料として鉄が用いられている。しかし、アルミニウム、ステンレスなどの非磁性材料によってハウジング113を構成してもよい。また、実施の形態6では、磁極片1111の材料として電磁鋼板が用いられている。しかし、他の磁性薄板を用いてもよい。例えばSPCCを磁極片1111の材料としてもよい。さらに、実施の形態6では、ティース部1111bが円弧状のバックヨーク部1111aの周方向の中央部に配置されている。しかし、ティース部1111bは、バックヨーク部1111aの周方向の中央部から周方向の端部にシフトして配置されてもよい。
固定子鉄心111aは、複数の磁極片1111を環状に固定することにより得られる。実施の形態6では、48個の磁極片1111を環状に固定する。複数の磁極片1111を環状化する方法としては、環状に並べられた複数の磁極片1111同士を溶接、接着、樹脂成形などによって固定することが考えられる。
固定子コイル111bは、実施の形態1〜5において説明した製造方法のいずれかによって得られた複数のコイル部品同士を接続することにより得られる。固定子111は、固定子鉄心111aを作製した後、複数のコイル部品をスロット111c内に入れるとともに複数のコイル部品同士を接続することにより得られる。
なお、複数の磁極片1111を環状に並べて固定子鉄心111aを作製する前にコイル部品を各磁極片1111に配置させ、その後、複数の磁極片1111を環状に並べて固定子鉄心111aを作製することによっても固定子111を得ることができる。
回転電機110は、ハウジング113内に固定された固定子111の内側に回転子112を配置することによって得られる。
このように、コイル部品を含む電気機械として回転電機110が用いられている。また、回転電機110の製造方法は、実施の形態1〜5のいずれかにおけるコイル部品の製造方法を有している。このため、実施の形態1〜5のいずれかの効果に加え、固定子コイル111bの形状が複雑であっても、固定子コイル111bを容易に製造することができる。これにより、回転電機110を容易に製造することができ、回転電機110のコストの低減化を図ることができる。
実施の形態7.
図38は、実施の形態7による電気機械としてのリニアモータ120を示す斜視図である。リニアモータ120は、固定子120aと、一対の可動子120bとを備えている。なお、図38では、構成の理解を容易にするために、固定子120a及び可動子120bのそれぞれの一部の構成要素のみを図示している。
固定子120aは、予め設定された進行方向A1に沿って配置されている。固定子120aは、複数の第1磁石123及び複数の第2磁石124を有している。第1磁石123及び第2磁石124は、進行方向A1へ交互に並べられている。第1磁石123の磁極の向きと、第2磁石124の磁極の向きとは、互いに逆になっている。
一対の可動子120bは、固定子120aの幅方向両側に配置されている。固定子120aの幅方向は、進行方向A1に直交する方向である。一対の可動子120bのそれぞれは、固定子120aと隙間を介して対向している。一対の可動子120bは、進行方向A1に沿って固定子120aに対して一体に移動可能となっている。
一対の可動子120bのそれぞれは、進行方向A1に沿ったコア125と、コア125に設けられた複数の巻線126とを有している。コア125は、磁性体によって構成されている。コア125としては、例えば電磁鋼板の積層鉄心が用いられる。コア125の電磁鋼板の積層方向は、進行方向A1及び固定子120aの幅方向の両方に直交する厚さ方向B1となっている。
コア125は、進行方向A1に沿って直線状に並べられた複数の磁極片127を有している。各磁極片127は、コアバック127aと、歯部127bとを有している。コアバック127aは、固定子120aの幅方向外側に配置されている。歯部127bは、コアバック127aから固定子120aに向けて突出している。
互いに隣り合う2つのコアバック127a同士は、接触している。複数の歯部127bは、進行方向A1に沿って互いに間隔をあけて配置されている。各巻線126には、実施の形態1〜5において説明した製造方法のいずれかによって得られた複数のコイル部品が含まれている。各巻線126は、図示しない絶縁部材としてのインシュレータを介して各歯部127bに個別に設けられている。
リニアモータ120では、固定子120aの軸線を通りかつ固定子120aの幅方向に直交する平面に関して対称となる位置に一対の可動子120bが配置されている。即ち、一対の可動子120bは、固定子120aに関して面対称となる位置に配置されている。
一対の可動子120bの一方と他方とを比べると、進行方向A1の同じ位置にそれぞれ配置された2つの歯部127bに設けられた巻線126の位相は、同位相となっている。
巻線126は、実施の形態1〜5において説明した製造方法のいずれかによって得られた複数のコイル部品同士を接続することにより得られる。可動子120bは、コア125を作製した後、コア125の複数の歯部127bに巻線126を設けることにより得られる。
なお、複数の磁極片127を直線状に並べてコア125を作製する前に巻線126を各歯部127bに配置させ、その後、複数の磁極片127を直線状に並べてコア125を作製することによっても可動子120bを得ることができる。
リニアモータ120は、固定子120aの幅方向両側に一対の可動子120bを配置することによって得られる。
このように、コイル部品を含む電気機械としてリニアモータ120が用いられている。また、リニアモータ120の製造方法は、実施の形態1〜5のいずれかにおけるコイル部品の製造方法を有している。このため、実施の形態1〜5のいずれかの効果に加え、リニアモータ120を容易に製造することができる。これにより、リニアモータ120のコストの低減化を図ることができる。
実施の形態8.
図39は、実施の形態8による電気機械としての変圧器を示す模式的な一部断面図である。本実施の形態による変圧器130は、2つの鉄心131と、2つの鉄心131に設けられたコイル132と、2つの鉄心131及びコイル132を密閉収納するタンク133とを有している。タンク133の内部には、絶縁油134が充填されている。絶縁油134は、鉄心131及びコイル132を冷却するとともにタンク133に対する電気的絶縁を保つ油である。
各鉄心131は、複数の薄板が積層されることによって構成されている。鉄心131を構成する薄板は、例えば珪素鋼板を打ち抜くことによって得られる。図39において、鉄心131の積層方向をx軸方向とする。コイル132は、複数のコイル層135と、複数の絶縁性スペーサ136とが交互に積層されることによって構成されている。
コイル層135は、渦巻状の導体によって構成されている。コイル層135としては、例えば渦巻状に形成された帯状の銅板を用いることができる。また、絶縁性スペーサ136としては、ブレスボードと呼ばれる絶縁紙、強化木と呼ばれるベニヤ合板等を用いることができる。
コイル132では、電気機械を変圧器として機能させるための高電圧側のコイル及び低電圧側のコイルがコイル層135として交互に積層されている。コイル層135には、実施の形態1〜5において説明した製造方法のいずれかによって得られた複数のコイル部品が含まれている。コイル132は、実施の形態1〜5において説明した製造方法のいずれかによって得られた複数のコイル部品同士を接続することにより得られる。
なお、コイル132において高電圧側のコイルと低電圧側のコイルとが同芯軸状に配置されていてもよい。図39では、コイル132におけるコイル層135の積層方向をy軸方向とする。y軸方向は、x軸方向に直交している。また、図39では、x軸方向およびy軸方向のそれぞれと直交する方向をz軸方向とする。
2つの鉄心131は、鉄心131の薄板の積層方向、即ちx軸方向へ並んで配置されている。2つの鉄心131は、図示しないボルトによって鉄心131の薄板の積層方向に締め付けられることにより、複数の鉄心用スペーサ137を介してタンク133に固定されている。コイル132は、図示しないボルトによってコイル層135の積層方向、即ちy軸方向に締め付けられることにより、複数のコイル用スペーサ138を介してタンク133に固定されている。
本実施の形態では、複数の第1コイル保持部材139、複数の第2コイル保持部材140及びガイド141が2つの鉄心131の間に配置されている。複数の第1コイル保持部材139は、コイル132からみてコイル層135の積層方向、即ちy軸方向の一方側に配置されている。複数の第2コイル保持部材140は、コイル132からみてコイル層135の積層方向、即ちy軸方向の他方側に配置されている。
タンク133の内側には、コイル層135の積層方向、即ちy軸方向に鉄心131を介して互いに対向する第1対向面133a及び第2対向面133bが形成されている。各第1コイル保持部材139は、タンク133の第1対向面133aとコイル132との間に配置された板状部材である。第1コイル保持部材139の一端部は、コイル132に接触している。第1コイル保持部材139の他端部は、タンク133の第1対向面133aに接触している。各第2コイル保持部材140は、タンク133の第2対向面133bとコイル132との間に配置された板状部材である。第2コイル保持部材140の一端部は、コイル132に接触している。第2コイル保持部材140の他端部は、タンク133の第2対向面133bから離れている。
ガイド141は、2つの鉄心131の間に挟まれている。ガイド141は、各鉄心131に固定されている。第2コイル保持部材140は、ガイド141を貫通している。第2コイル保持部材140は、ガイド141に対してy軸方向へ移動可能となっている。
タンク133には、複数の第2コイル保持部材140をコイル132に押し付ける押付機構142が設けられている。コイル132は、押付機構142の押し付け力によって第1コイル保持部材139と第2コイル保持部材140との間に保持されている。
押付機構142は、ねじ143と、押付板144とを有している。押付板144は、タンク133の内部において第2対向面133bと平行に配置されている。タンク133の壁のうち、第2対向面133bが形成された壁には、ねじ穴145が設けられている。ねじ143は、ねじ穴145に挿入されている。ねじ143は、ガイド141と同軸に配置されている。ねじ143の一端部は押付板144に接触しており、ねじ143の他端部はタンク133の外部に突出している。
図40は、図39のタンク133、鉄心用スペーサ137及びコイル用スペーサ138を除いた変圧器130の要部を示す斜視図である。また、図41は、図40の変圧器130の要部を異なる方向から見たときの状態を示す斜視図である。図41では、押付機構142の表示も省略している。本実施の形態では、2つの第1コイル保持部材139がz軸方向へ並んでいる。また、本実施の形態では、2つの第2コイル保持部材140が第1コイル保持部材139の位置に合わせてz軸方向へ並んでいる。本実施の形態では、2つの第2コイル保持部材140が1つの押付板144に接触している。
本実施の形態では、タンク133内の空間のうち、押付板144よりもコイル132側の空間に絶縁油134が充填されている。また、本実施の形態では、図39に示すように、押付板144の外周部がタンク133の内面に気密に固定されている。これにより、押付板144の外周部とタンク133の内面との間から絶縁油134が漏れないようになっている。従って、タンク133内の空間のうち、押付板144よりも第2対向面133b側の空間には、大気が充填されている。
押付板144の剛性は、タンク133及びねじ143のそれぞれの剛性に比べて小さくなっている。また、押付板144は、弾性変形可能になっている。ねじ143を締めると、押付板144が弾性変形しながらコイル132に向けて撓む。これにより、第2コイル保持部材140が押付板144によってコイル132に押し付けられる。即ち、押付機構142は、ねじ143を締め付けることにより、押付板144を介してコイル132に複数の第2コイル保持部材140を押し付ける。コイル132は、各第1コイル保持部材139と各第2コイル保持部材140との間でコイル132の積層方向に圧縮されている。
このように、コイル部品を含む電気機械として変圧器130が用いられている。また、変圧器130の製造方法は、実施の形態1〜5のいずれかにおけるコイル部品の製造方法を有している。このため、実施の形態1〜5のいずれかの効果に加え、変圧器130を容易に製造することができる。これにより、変圧器130のコストの低減化を図ることができる。
1 型、1A 湯口、2 成型品、2A 突起部、10,10A〜10D コイル部品、11,11A〜11C 角部、12,12A〜12C 直線部、16 端部、18 端子部、20 固定型(第1型)、21 固定側合わせ面、22 エアベント、23 固定側凹部、24 湯道、25 プランジャ、30 可動型(第2型)、31 可動側合わせ面、32 キャビティ、33 可動側凹部、34 注入路、35 ピン、36 押出部材、37 エアベント、38 湯道、80 ホットチャンバー式ダイカスト装置、101 第1コイル線部、102 第2コイル線部、103 第3コイル線部、101a 第1コイル内面、101b 第1コイル外面、102a 第2コイル内面、102b 第2コイル外面、121 コイル外周面、122 稜線。

Claims (9)

  1. 型に溶融金属を注入する注入工程と、
    前記注入工程の後、前記型において溶融金属が硬化してできた成型品を前記型から外す型外し工程と
    を備え、
    前記成型品の少なくとも一部をコイル部品とし、
    前記型は、特定の軸交差方向へ相対的に移動可能な第1型及び第2型を有しており、
    前記コイル部品は、第1コイル線部と、第2コイル線部と、前記第1コイル線部及び前記第2コイル線部のそれぞれの端部同士を繋いでいる直線状の第3コイル線部とを有しており、
    前記第1コイル線部及び前記第2コイル線部のそれぞれは、前記軸交差方向に交差しており、
    前記第3コイル線部は、前記軸交差方向に沿って配置されており、
    前記軸交差方向に沿って前記コイル部品を見たとき、前記第1コイル線部の領域が前記第2コイル線部の領域から外れており、
    前記第1コイル線部及び前記第2コイル線部のそれぞれに形成された面のうち、前記第1型側に向いた面は、前記第1型によって成型され、
    前記第1コイル線部及び前記第2コイル線部のそれぞれに形成された面のうち、前記第2型側に向いた面は、前記第2型によって成型されるコイル部品の製造方法。
  2. 前記型には、湯道を介して繋がった複数のキャビティが設けられており、
    前記成型品は、前記キャビティごとの形状に合わせて成型された複数の前記コイル部品を有している請求項1に記載のコイル部品の製造方法。
  3. 前記複数のキャビティのそれぞれの形状は、互いに異なっている請求項2に記載のコイル部品の製造方法。
  4. 前記第1コイル線部、前記第2コイル線部及び前記第3コイル線部のそれぞれは、複数の直線部として前記コイル部品に含まれており、
    前記複数の直線部の端部間には、角部が形成されており、
    前記複数の直線部のそれぞれには、前記コイル部品の外側に面するコイル外周面が形成されており、
    前記角部には、前記角部を介して互いに隣り合う2つの前記直線部のそれぞれの前記コイル外周面同士が交わる境界線が稜線として形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法を有する電気機械の製造方法。
  6. 第1コイル線部と、
    第2コイル線部と、
    前記第1コイル線部及び前記第2コイル線部のそれぞれの端部同士を繋いでいる直線状の第3コイル線部と
    を備え、
    前記第1コイル線部と前記第2コイル線部とは、前記第3コイル線部に沿った軸交差方向に互いに離れて配置されており、
    前記軸交差方向に沿って前記第1コイル線部及び前記第2コイル線部を見たとき、前記第1コイル線部の領域は、前記第2コイル線部の領域から外れているコイル部品。
  7. 前記第3コイル線部には、型の割面の跡が形成されている請求項6に記載のコイル部品。
  8. 鋳造用の銅又は鋳造用のアルミニウムによって構成されている請求項6又は請求項7に記載のコイル部品。
  9. 請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のコイル部品を有する電気機械。
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