JPWO2020066770A1 - ニトリルゴム組成物およびニトリルゴム組成物の製造方法 - Google Patents

ニトリルゴム組成物およびニトリルゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50であるニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と、分子量が500〜2000である可塑剤(C)と、を含有するニトリルゴム組成物を提供する。

Description

本発明は、加工性に優れ、かつ、耐圧縮永久歪み性、圧縮応力保持率および耐寒性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物、ならびに、このようなニトリルゴム組成物を用いて得られる架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物に関する。また、本発明は、このようなニトリルゴム組成物を製造するための方法にも関する。
従来から、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、および共役ジエン単量体単位を含有するゴム(ニトリル基含有共重合体ゴム)は、耐燃料油性に優れるゴムとして知られており、主に燃料ホース、ガスケット、パッキン、オイルシールなど自動車の各種油類まわりのゴム製品の材料として用いられている。
たとえば、ニトリル基含有共重合体ゴムに、塩化ビニル樹脂を配合することで、耐燃料油性に優れることに加えて、耐オゾン性などを向上させることができることから、燃料ホース用途に好適に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
特開昭58−178083号公報
一方で、燃料ホースなど自動車の各種油類まわりのゴム製品においては、さらなる耐燃料油性や耐熱性が求められており、耐燃料油性および耐熱性のさらなる向上という観点からは、ニトリル基含有共重合体ゴム中におけるニトリル基含有単量体量を増加させるとともに、ニトリル基含有共重合体ゴムを水素化することが有効である。しかしながら、ニトリル基含有共重合体ゴム中におけるニトリル基含有単量体量を増加させたり、水素化した場合には、塩化ビニル樹脂とブレンドした際に硬くなり、加工性が低下してしまうという課題があった。
これに対し、本発明者等が検討したところ、耐燃料油性および耐熱性のさらなる向上を実現するために、ニトリル基含有共重合体ゴムとして、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%と比較的高い割合で含有し、かつ、ヨウ素価が5〜50の範囲にあるものを用いた場合でも、塩化ビニル樹脂に加えて、分子量が500〜2000である可塑剤を組み合わせることで、硬くなることにより加工性が低下してしまうことを有効に防止できること、さらには、このようなゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物が、耐圧縮永久歪み性、圧縮応力保持率および耐寒性に優れたものであることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50であるニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と、分子量が500〜2000である可塑剤(C)と、を含有するニトリルゴム組成物が提供される。
本発明のニトリルゴム組成物において、前記可塑剤(C)が、下記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)であることが好ましい。
Figure 2020066770
(上記一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは1〜40の整数である。)
本発明のニトリルゴム組成物において、前記可塑剤(C)が、分子量が800〜2000であり、温度25℃における粘度が50〜1500mPa・sであるアジピン酸系ポリエステル(c2)であることが好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物において、前記ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対する、前記可塑剤(C)の含有量が1〜60重量部であることが好ましい。
本発明によれば、上記本発明のニトリルゴム組成物と、架橋剤とを含有する架橋性ニトリルゴム組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、上記本発明の架橋性ニトリルゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
また、本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50であるニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と、分子量が500〜2000である可塑剤(C)と、配合剤とを含有するニトリルゴム組成物を製造する方法であって、
前記ニトリルゴム組成物中に含有させる前記可塑剤(C)の全量のうち一部を、前記ニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、前記塩化ビニル樹脂(B)と混合する第1の混合工程と、
前記第1の混合工程において得られた組成物に、前記ニトリルゴム組成物に含有させる前記可塑剤(C)の全量のうち残部と、前記配合剤とを配合し、混合する第2混合工程とを備えるニトリルゴム組成物の製造方法が提供される。
本発明のニトリルゴム組成物の製造方法において、前記第1混合工程における前記可塑剤(C)の配合量を、前記ニトリルゴム組成物中に含有させる前記可塑剤(C)の全量のうち、10〜90重量%とすることが好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物の製造方法において、前記配合剤が、少なくとも充填剤を含むものであることが好ましい。
本発明によれば、加工性に優れ、かつ、耐圧縮永久歪み性、圧縮応力保持率および耐寒性に優れたゴム架橋物を与えることのできるニトリルゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、このようなニトリルゴム組成物を用いて得られる架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物、ならびに、このようなニトリルゴム組成物を製造するための方法を提供することもできる。
本発明のニトリルゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50であるニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と、分子量が500〜2000である可塑剤(C)と、を含有する。
<ニトリル基含有共重合体ゴム(A)>
本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50の範囲にあるものである。
本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)中に含有される、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成するα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、特に限定されず、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルが特に好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)中における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、40〜50重量%であり、好ましくは42〜50重量%、より好ましくは44〜50重量%、さらに好ましくは44〜49重量%、さらにより好ましくは44〜48重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を耐燃料油性に優れるものとすることができる。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると、得られるゴム架橋物が耐燃料油性に劣るものとなるおそれがあり、逆に多すぎると耐寒性が低下する可能性がある。なお、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)として、単量体組成の異なるゴムを組み合わせて用いる場合には、単量体組成の異なるゴムの混合物全体における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすればよい(後述する、ジエン単量体単位および/またはα−オレフィン単量体単位を含む、共重合可能な単量体の単位においても同様。)。
また、本発明のニトリル基含有共重合体ゴムは、ゴム弾性による機械的特性の向上の観点から、ジエン単量体単位および/またはα−オレフィン単量体単位をさらに含有していることが好ましい。
ジエン単量体単位を形成するジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の炭素数が4以上の共役ジエン;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の炭素数が5〜12の非共役ジエンが挙げられる。これらの中では共役ジエンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。α−オレフィン単量体単位を形成するα−オレフィン単量体としては、好ましくは炭素数が2〜12のものであり、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が例示される。これらのジエン単量体、α−オレフィン単量体は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)中における、ジエン単量体単位および/またはα−オレフィン単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、その下限が、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは51重量%以上、さらにより好ましくは52重量%以上であり、その上限が、好ましくは60重量%以下、より好ましくは58重量%以下、さらに好ましくは56重量%以下である。ジエン単量体単位および/またはα−オレフィン単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、耐熱性や耐化学的安定性を良好に保ちながら、ゴム弾性に優れたものとすることができる。
また、本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)は、上記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、およびジエン単量体単位またはα−オレフィン単量体単位以外に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能な他の単量体の単位を含有していてもよい。このような他の単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
このような共重合可能な他の単量体としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o-トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ビニル化合物;エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびその無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル;マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸ジシクロヘキシル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエステルおよびジエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;などの多官能エチレン性不飽和単量体のほか、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチロール(メタ)アクリルアミドなどの自己架橋性化合物;などが挙げられる。これらの共重合可能な他の単量体は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)のヨウ素価は、5〜50であり、好ましくは8〜45、より好ましくは10〜40、さらに好ましくは18〜30である。ニトリル基含有共重合体ゴム(A)のヨウ素価が高すぎると、得られるゴム架橋物の耐熱性および耐オゾン性が低下するおそれがあり、ヨウ素価が低すぎると、得られるゴム架橋物の機械特性が低下するおそれがある。特に、架橋剤として、硫黄系架橋剤を用いた場合には、ヨウ素価を上記範囲とすることにより、加硫を良好かつ適切なものとすることができるため、得られるゴム架橋物を、優れた耐熱性を維持しつつ、耐圧縮永久歪み性、および圧縮応力保持率により優れたものとすることができる。なお、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)として、ヨウ素価の異なるゴムを組み合わせて用いる場合には、ヨウ素価の異なるゴムの混合物全体における、ヨウ素価を上記範囲とすればよい。
本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)のポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜200、より好ましくは15〜150、さらに好ましくは15〜100である。ニトリル基含有共重合体ゴム(A)のポリマー・ムーニー粘度を上記範囲とすることにより、ニトリルゴム組成物の加工性を良好に保ちながら、得られるゴム架橋物の機械特性をより高めることができる。
なお、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)としては、一種のゴムを用いてもよいし、あるいは、二種以上のゴムを併用してもよいが、二種以上のゴムを併用する場合には、それらの特性値の平均値(その使用量を加味した、特性値の平均値)が上記した範囲内にあればよいが、使用する二種以上のゴムのぞれぞれの特性値が、上記した範囲にあることが好ましい。
本発明で用いるニトリル基含有共重合体ゴム(A)の製造方法は、特に限定されないが、上述した単量体を共重合し、必要に応じて、得られる共重合体中の炭素−炭素二重結合を水素化することによって製造することができる。重合方法は、特に限定されず公知の乳化重合法や溶液重合法によればよいが、工業的生産性の観点から乳化重合法が好ましい。乳化重合に際しては、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤に加えて、通常用いられる重合副資材を使用することができる。
<塩化ビニル樹脂(B)>
本発明で用いる塩化ビニル樹脂(B)は、樹脂を構成する主構成単量体が塩化ビニルであるものであればよいが、塩化ビニル単量体単位の含有量が50〜100重量%であるものが好ましく、60〜100重量%であるものがより好ましく、70〜100重量%であるものがさらに好ましい。塩化ビニル樹脂(B)を配合することで、得られるゴム架橋物を、耐オゾン性、耐燃料油膨潤性、および耐燃料油透過性に優れたものとすることができる。
塩化ビニル樹脂(B)の重合度は、特に限定されないが、JIS K6720−2:1999に規定の溶液粘度法によって測定した平均重合度が、好ましくは400〜3000、より好ましくは600〜2000である。平均重合度が上記範囲にあると、ニトリルゴム組成物の加工性を良好なものとしながら、得られるゴム架橋物の耐オゾン性、耐燃料油膨潤性、および耐燃料油透過性をより高めることができる。
本発明のニトリルゴム組成物中における、塩化ビニル樹脂(B)の含有量は、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対し、好ましくは5〜120重量部、より好ましくは10〜110重量部、さらに好ましくは20〜100重量部、さらにより好ましくは25〜80重量部、特に好ましくは40〜70重量部である。塩化ビニル樹脂(B)の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物の耐寒性をより良好なものとしながら、耐オゾン性、耐燃料油膨潤性、および耐燃料油透過性をより高めることができる。
<可塑剤(C)>
本発明のニトリルゴム組成物は、上述したニトリル基含有共重合体ゴム(A)および塩化ビニル樹脂(B)に加えて、分子量が500〜2000である可塑剤(C)を含有する。分子量が500〜2000である可塑剤(C)(以下、適宜、「可塑剤(C)」とする。)を、上述したニトリル基含有共重合体ゴム(A)および塩化ビニル樹脂(B)を組み合わせて用いることで、硬くなることにより加工性が低下してしまうことを有効に防止でき、これにより、ニトリルゴム組成物を優れた加工性を有するものとすることができ、しかも、得られるゴム架橋物を、耐圧縮永久歪み性、圧縮応力保持率および耐寒性に優れたものとすることができるものである。また、本発明においては、上述したニトリル基含有共重合体ゴム(A)および塩化ビニル樹脂(B)を用いるものであるため、これらに由来する効果、すなわち、得られるゴム架橋物を耐燃料油膨潤性、耐燃料油透過性、耐オゾン性および耐熱性に優れたものとすることができるという効果をも奏することができるものである。特に、本発明によれば、得られるゴム架橋物を、耐圧縮永久歪み性に加え、圧縮応力保持率にも優れるものとすることができるため、圧縮して用いられる用途、特に金属接合部品とゴム架橋物との加締め部分を有する燃料ホース用途などに好適に用いることができる。
可塑剤(C)としては、分子量が500〜2000の範囲にあるものであればよく、特に限定されないが、得られるゴム架橋物の圧縮応力保持率をより高めることができるという観点より、下記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)、または、分子量が800〜2000であり、温度25℃における粘度が50〜1500mPa・sであるアジピン酸系ポリエステル(c2)が好ましい。
Figure 2020066770
上記一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは水素原子、または炭素数1〜15の炭化水素基であり、特に好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基である。また、上記一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜8の炭化水素基であり、好ましくは水素原子、または炭素数1〜7の炭化水素基であり、より好ましくは水素原子である。また、上記一般式(1)中、nは1〜40の整数であり、好ましくは2〜30の整数、より好ましくは3〜30の整数である。
なお、上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)は、たとえば、対応するアルキレンオキサイドの重合体を得て、得られた重合体の末端水酸基と、対応するカルボン酸を反応させることで、エステル化することにより製造することができる。
また、上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)としては、得られるゴム架橋物の圧縮応力保持率をより高めることができるという観点より、分子量が500〜1200の範囲にあるものがより好ましく、分子量が520〜900の範囲にあるものがさらに好ましい。また、同様に、得られるゴム架橋物の圧縮応力保持率をより高めることができるという観点より、上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)としては、温度25℃における粘度が15〜300mPa・sの範囲にあるものが好ましく、22〜150mPa・sの範囲にあるものがより好ましく、25〜100mPa・sの範囲にあるものが特に好ましい。また、上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)としては、引火点が216〜300℃の範囲にあるものが好ましく、引火点が220〜260℃の範囲にあるものがより好ましい。
あるいは、可塑剤(C)としては、分子量が800〜2000であり、温度25℃における粘度が50〜1500mPa・sであるアジピン酸系ポリエステル(c2)(以下、適宜、「アジピン酸系ポリエステル(c2)」とする。)も好適に用いることができ、アジピン酸系ポリエステル(c2)としては、分子量および温度25℃における粘度が上記範囲にある、ジカルボン酸であるアジピン酸とアルコールとの反応物であればよく特に限定されない。アジピン酸系ポリエステル(c2)としては、たとえば、アジピン酸および多価アルコールとの反応物や、アジピン酸および多価アルコールに加えて、1価アルコールまたは1価カルボン酸をさらに反応させたものであってもよい。
2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、プタンジオール、1.6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。1価アルコールとしては、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどが挙げられる。また、1価カルボン酸としては、ノナン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸などが挙げられる。
アジピン酸系ポリエステル(c2)としては、分子量が800〜2000であり、温度25℃における粘度が50〜1500mPa・sであるものであればよいが、得られるゴム架橋物の圧縮応力保持率をより高めることができるという観点より、分子量が900〜1600の範囲にあるものが好ましく、分子量が1000〜1300の範囲にあるものがより好ましい。また、得られるゴム架橋物の圧縮応力保持率をより高めることができるという観点より、温度25℃における粘度が500〜1200mPa・sの範囲にあるものが好ましく、650〜1000mPa・sの範囲にあるものがより好ましい。また、アジピン酸系ポリエステル(c2)としては、引火点が216〜300℃の範囲にあるものが好ましく、引火点が220〜260℃の範囲にあるものがより好ましい。
なお、可塑剤(C)としては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。たとえば、可塑剤(C)として、二種以上を併用する場合には、二種以上の上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)を用いてもよいし、二種以上のアジピン酸系ポリエステル(c2)を用いてもよいし、さらには、上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)と、アジピン酸系ポリエステル(c2)とを組み合わせて用いてもよい。
本発明のニトリルゴム組成物中における、可塑剤(C)の含有量は、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対し、好ましくは1〜60重量部、より好ましくは3〜55重量部、さらに好ましくは5〜50重量部であり、さらにより好ましくは8〜40重量部であり、特に好ましくは10〜40重量部であり、最も好ましくは15〜30重量部である。可塑剤(C)の含有量を上記範囲とすることにより、ブリードの発生を抑制しながら、得られるゴム架橋物の圧縮応力保持率をより高めることができる。
<安定剤>
また、本発明のニトリルゴム組成物は、安定剤をさらに含有していることが好ましい。安定剤としては、塩化ビニル樹脂の安定剤として作用する化合物であればよく、特に限定されず、カルシウム−亜鉛系安定剤、カルシウム−マグネシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、スズ系安定剤、鉛系安定剤、ハイドロタルサイト系安定剤、ゼオライト系安定剤などが挙げられるが、これらのなかでも、カルシウム−マグネシウム−亜鉛系安定剤、ハイドロタルサイト系安定剤が好ましく、カルシウム−マグネシウム−亜鉛系安定剤がより好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物中における、安定剤の含有量は、塩化ビニル樹脂(B)100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜45重量部、さらに好ましくは5〜45重量部である。安定剤の含有量を上記範囲とすることにより、色調の悪化を有効に抑制しながら、塩化ビニル樹脂(B)の安定化効果を十分なものとすることができる。
<配合剤>
また、本発明のニトリルゴム組成物は、ゴム分野において用いられる各種配合剤を含有していてもよい。このような配合剤としては、代表的には、充填剤が挙げられる。
充填剤としては、カーボンブラックや、シリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、短繊維、(メタ)アクリル酸亜鉛や(メタ)アクリル酸マグネシウムなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸金属塩などが挙げられる。これらのなかでも、機械的強度をより高めることができるという観点より、カーボンブラックおよびシリカが好ましく、カーボンブラックがより好ましい。なお、充填剤としては、その表面を表面処理剤などで表面処理されたものを用いてもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられる。これらのなかでも、ファーネスブラックを用いることが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEF、SRF、FT、MTなどが挙げられる。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
シリカとしては、特に限定されないが、たとえば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカ、表面処理シリカなどを用いることができる。また、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラーを用いてもよい。
本発明のニトリルゴム組成物中における、充填剤の含有量は、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対し、好ましくは10〜80重量部、より好ましくは15〜75重量部、さらに好ましくは20〜70重量部である。充填剤の含有量を上記範囲とすることにより、ニトリルゴム組成物の加工性を良好に保ちながら、得られるゴム架橋物の機械的強度を適切に高めることができる。
また、本発明のニトリルゴム組成物は、さらに架橋剤を含有していることが好ましく、架橋剤を含有させることにより、本発明のニトリルゴム組成物を、架橋性の組成物、すなわち、架橋性ニトリルゴム組成物とすることができる。
架橋剤としては、特に限定されないが、たとえば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物架橋剤などが挙げられるが、これらのなかでも、硫黄系架橋剤が好ましい。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降性硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、4,4’−ジチオジモルホリン、4,4’−テトラチオジモルホリン、モルホリノジチオ蟻酸4−モルホリニル、アルキルフェノールジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、カプロラクタムジスルフィド、含リンポリスルフィド、高分子多硫化物などの含硫黄化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどの硫黄供与性化合物;などが挙げられる。これらのなかでも、得られる架橋性のゴム組成物を、架橋安定性により優れたものとすることができるという点より、4,4’−ジチオジモルホリン、4,4’−テトラチオジモルホリン、モルホリノジチオ蟻酸4−モルホリニルなどのモルホリン構造を有する含硫黄化合物が好ましく、4,4’−ジチオジモルホリンが特に好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)中における、架橋剤の含有量は、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対し、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜6重量部である。架橋剤の含有量を上記範囲とすることにより、架橋安定性を良好なものとしながら、得られるゴム架橋物の機械的特性をより良好なものとすることができる。
また、上記した硫黄系架橋剤を用いる場合には、活性亜鉛華、亜鉛華、カルシウム−マグネシウム−亜鉛系化合物などの亜鉛含有化合物、ステアリン酸などの架橋助剤;グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系などの架橋促進剤;を併用することが好ましい。これらの架橋助剤および架橋促進剤の使用量は、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部の範囲である。
さらに、本発明のニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)には、上記以外の配合剤、たとえば、架橋遅延剤、老化防止剤、補強剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、加工助剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。
さらに、本発明のニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)には、本発明の効果が阻害されない範囲で、配合剤として、上記ニトリル基含有共重合体ゴム(A)以外のゴムを配合してもよい。ニトリル基含有共重合体ゴム(A)以外のゴムとしては、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴムなどを挙げることができる。ニトリル基含有共重合体ゴム(A)以外のゴムを配合する場合における配合量は、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましく、10重量部以下が特に好ましい。
本発明のニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)のコンパウンド・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは20〜150、より好ましくは30〜120、さらに好ましくは40〜100である。本発明よれば、分子量が500〜2000である可塑剤(C)を配合するものであるため、ニトリル基含有共重合体ゴムとして、上述したように、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位が比較的高く、ヨウ素価が比較的低いニトリル基含有共重合体ゴム(A)を用いた場合でも、上記のようにコンパウンド・ムーニー粘度が低く抑えられ、加工性に優れたものとすることができるものである。
<ニトリルゴム組成物、架橋性ニトリルゴム組成物の製造方法>
本発明のニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)は、上述したニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と、可塑剤(C)とを混合することにより製造することができる。
また、本発明のニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)を、充填剤や架橋剤などの配合剤を含有するものとする場合には、次のような工程を採用することが好ましい。
すなわち、ニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)中に含有させる可塑剤(C)の全量のうち一部を、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と混合する第1の混合工程と、
第1の混合工程において得られた組成物に、ニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)に含有させる可塑剤(C)の全量のうち残部と、配合剤とを配合し、混合する第2混合工程とを備えるものとすることが好ましい。
このように、ニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)中に含有させる可塑剤(C)の全量のうち一部を、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)および塩化ビニル樹脂(B)と予め混合した後、充填剤や架橋剤などの配合剤を、残部の可塑剤(C)とともに添加し、混合する工程を採用することにより、可塑剤(C)のブリードを適切に抑制しながら、所望の量にて含有させることができるものである。具体的には、可塑剤(C)を、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対し、好ましくは1〜60重量部、より好ましくは3〜55重量部、さらに好ましくは5〜50重量部、さらにより好ましくは8〜40重量部であり、特に好ましくは10〜40重量部であり、最も好ましくは15〜30重量部の範囲で含有させることができるものである。
この際においては、第1混合工程における可塑剤(C)の配合量を、ニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)中に含有させる可塑剤(C)の全量のうち、10〜90重量%とすることが好ましく、20〜90重量%とすることがより好ましく、25〜85重量%とすることがさらに好ましく、55〜75重量%とすることが特に好ましい。第1混合工程における可塑剤(C)の配合量を、このような割合とすることで、ブリードの発生を適切に防止しながら、生産効率をより高めることができる。
なお、第1混合工程における混合においては、第1混合工程において得られる組成物中の大部分が、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)、塩化ビニル樹脂(B)、および可塑剤(C)から構成されているといえる割合、具体的には、これらの成分の合計の含有割合が、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上となるように混合することが好ましい。すなわち、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下であれば、安定剤などの配合剤等を含有するような態様としてもよい。
第1混合工程における混合方法としては、特に限定されないが、ニトリル基含有共重合体ゴム(A)、塩化ビニル樹脂(B)、および可塑剤(C)をバンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダ、ロールなどを用いて混練する方法などが挙げられる。第1混合工程における混合温度は、特に限定されないが、好ましくは40〜200℃、より好ましくは50〜190℃である。また、第1混合工程における混合時間も、特に限定されないが、好ましくは3〜20分、より好ましくは5〜15分である。
また、第2混合工程における混合方法としては、特に限定されないが、第1混合工程において得られた組成物、可塑剤(C)および充填剤や架橋剤などの配合剤を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダ、ロールなどで混合する方法が挙げられるが、この際においては、架橋剤や熱に不安定な成分(たとえば、架橋促進剤など)を除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で一次混合した後、ロールなどに移して架橋剤や熱に不安定な成分などを加えて二次混合する方法が好ましい。第2混合工程における混合温度(一次混合および二次混合における混合温度)は、特に限定されないが、好ましくは40〜100℃、より好ましくは40〜80℃である。また、第2混合工程における混合時間(一次混合および二次混合の合計の混合時間)も、特に限定されないが、好ましくは3〜20分、より好ましくは3〜15分である。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ニトリルゴム組成物(すなわち、本発明のニトリルゴム組成物に、架橋剤を配合してなる組成物)を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性ニトリルゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。
また、架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ニトリルゴム組成物を用いて得られるものであり、上述したα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位が比較的高く、ヨウ素価が比較的低いニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)とに由来する特性、すなわち、得られるゴム架橋物を耐燃料油膨潤性、耐燃料油透過性、耐オゾン性、および耐熱性に優れているという特性に加え、耐圧縮永久歪み性、圧縮応力保持率および耐寒性に優れるものである。このため、本発明のゴム架橋物は、このような特性を活かし、O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、ウェルヘッドシール、ショックアブソーバシール、空気圧機器用シール、エアコンディショナの冷却装置や空調装置の冷凍機用コンプレッサに使用されるフロン若しくはフルオロ炭化水素または二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄の洗浄媒体に使用される超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置(転がり軸受、自動車用ハブユニット、自動車用ウォーターポンプ、リニアガイド装置およびボールねじ等)用のシール、バルブおよびバルブシート、BOP(Blow Out Preventer)、プラターなどの各種シール材;インテークマニホールドとシリンダヘッドとの連接部に装着されるインテークマニホールドガスケット、シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;印刷用ロール、製鉄用ロール、製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロール;平ベルト(フィルムコア平ベルト、コード平ベルト、積層式平ベルト、単体式平ベルト等)、Vベルト(ラップドVベルト、ローエッジVベルト等)、Vリブドベルト(シングルVリブドベルト、ダブルVリブドベルト、ラップドVリブドベルト、背面ゴムVリブドベルト、上コグVリブドベルト等)、CVT用ベルト、タイミングベルト、歯付ベルト、コンベアーベルト、などの各種ベルト;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジェターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホースなど幅広い用途に使用することができる。
特に、本発明のゴム架橋物は、上述したα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位が比較的高く、ヨウ素価が比較的低いニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)とに由来する特性、すなわち、得られるゴム架橋物を耐燃料油膨潤性、耐燃料油透過性、耐オゾン性および耐熱性に優れているという特性に加え、耐圧縮永久歪み性、圧縮応力保持率および耐寒性に優れるものであるため、燃料ホース用途に好適に用いることができ、たとえば、本発明のゴム架橋物からなる層を少なくとも1つの層とする2層以上の積層体からなる燃料ホースとして好適に用いることができる。なお、この際において、積層体を形成する他の層としては、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、ブチルゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限られるものではない。以下において、特記しない限り、「部」は重量基準である。物性および特性の試験または評価方法は以下のとおりである。
<ムーニー粘度(コンパウンド・ムーニー)>
架橋性ニトリルゴム組成物のムーニー粘度(コンパウンド・ムーニー)は、JIS K6300−1に従って測定した(単位は〔ML1+4、100℃〕)。
<架橋速度>
架橋性ニトリルゴム組成物について、ゴム架橋試験機(RPA2000、アルファテクノロジーズ社製)を用い、160℃、30分の条件で架橋性試験を行った。そして、架橋性試験の結果から、T10(単位は、min.)を測定した。なお、T10は、「最大トルクMH−最小トルクML」を100%としたときに、トルクが最小トルクMLから、10%上昇するのに要する時間を意味し、T10の値が大きいほど、架橋速度が緩慢であり、架橋安定性に優れると判断できる。
<常態物性(引張強度、伸び、硬さ)>
架橋性ニトリルゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら160℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。得られたシート状のゴム架橋物をJIS3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の引張強度、および破断時の伸びを、また、JIS K6253−3:2012に従い、デュロメータ硬さ試験機(タイプA)を用いてゴム架橋物の硬さを、それぞれ測定した。
<圧縮永久歪み試験>
架橋性ニトリルゴム組成物を、金型を用いて、加圧しながら温度160℃で30分間プレスすることにより、直径29mm、高さ12.5mmの円柱型のゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物を用いて、JIS K6262に従い、ゴム架橋物を25%圧縮させた状態で、100℃の環境下に70時間置いた後、圧縮永久歪みを測定した。この値が小さいほど、耐圧縮永久歪み性に優れる。
<圧縮応力緩和試験>
架橋性ニトリルゴム組成物を、金型を用いて、加圧しながら温度160℃で30分間プレスすることにより、直径29mm、高さ12.5mmの円柱型のゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物を25%圧縮させた状態で、125℃の環境下に保持することで、圧縮応力緩和試験を行った。そして、試験開始から30分後に、ゴム架橋物の圧縮応力を測定し、これを初期応力とし、試験開始後72時間後の圧縮応力を測定し、下記式にしたがって、圧縮応力保持率を求めた。
圧縮応力保持率[%]=(72時間後の圧縮応力[MPa]/初期応力[MPa])×100
本実施例においては、上記式に従って求めた圧縮応力保持率が30%以上であった場合には「〇」と評価し、上記式に従って求めた圧縮応力保持率が30%未満であった場合には「×」と評価した。
<ゲーマン捻り試験(耐寒性)>
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、得られたシート状のゴム架橋物について、JIS K6261−3:2017に準拠して、ゲーマン捻り試験を行い、室温(23℃)のモジュラスに対する比モジュラスが10倍になる温度T10を測定した。T10の値が低いほど耐寒性に優れると判断できる。
<実施例1>
(第1の混合工程)
バンバリーミキサを用いて、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(A−1)(商品名「Zetpol 0020」、アクリロニトリル単量体単位49重量%、ヨウ素価23)30部、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(A−2)(商品名「Zetpol 1020」、アクリロニトリル単量体単位44重量%、ヨウ素価24)30部、塩化ビニル樹脂(商品名「TK1300」、信越化学工業社製、平均重合度1300)40部、カルシウム−マグネシウム−亜鉛系安定剤(商品名「アデカスタブRUP−110」、ADEKA社製)0.5部、および、ポリエーテルエステル(c1−1)(商品名「アデカサイザー RS−700」、ADEKA社製、分子量:550、25℃における粘度:30mPa・s、引火点:221℃、上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1))10部を投入し、50℃で5分間混練し、さらにロールにて175℃で5分混合することにより、第1の混合工程による組成物を得た。なお、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(A−1)と、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(A−2)との混合物は、混合物としてのアクリロニトリル単量体単位量が46.5重量%、ヨウ素価が23.5であった。
(第2の混合工程)
次いで、バンバリーミキサを用いて、上記にて得られた第1の混合工程による組成物の全量110.5部、カーボンブラック(商品名「シーストS」、東海カーボン社製)30部、ポリエーテルエステル(c1−1)(商品名「アデカサイザー RS−700」、ADEKA社製)5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラック CD」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部、2−メルカプトベンゾイミダゾール(法品名「ノクラックMB」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1部、ステアリン酸1部、酸化亜鉛(商品名「酸化亜鉛2種」、正同化学工業社製)5部、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(商品名「ノクラック810NA」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン(商品名「ノクラック224」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部、およびワックス(商品名「サンタイトS」、精工化学社製)0.5部を配合して、50℃で5分間混練した。次いで、得られた混合物を50℃のロールに移して、4,4’−ジチオジモルホリン(商品名「バルノックR」、大内新興化学工業社製、架橋剤)2部、テトラメチルチウラムジスルフィド(商品名「ノクセラーTT」、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)1.5部、およびN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)1.5部を配合して、混練することにより、架橋性ニトリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性ニトリルゴム組成物を用いて、ムーニー粘度(コンパウンド・ムーニー)、架橋速度、および常態物性(引張強度、伸び、硬さ)の測定、ならびに、圧縮永久歪み試験、圧縮応力緩和試験、およびゲーマン捻り試験の各試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
第1混合工程および第2混合工程において、可塑剤として、ポリエーテルエステル(c1−1)(商品名「アデカサイザー RS−700」、ADEKA社製)に代えて、いずれも、ポリエーテルエステル(c1−2)(商品名「アデカサイザー RS−735」、ADEKA社製、分子量:850、25℃における粘度:80mPa・s、引火点:252℃、上記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1))を同じ量使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ニトリルゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
第1混合工程および第2混合工程において、可塑剤として、ポリエーテルエステル(c1−1)(商品名「アデカサイザー RS−700」、ADEKA社製)に代えて、いずれも、アジピン酸系ポリエステル(c2−1)(商品名「アデカサイザー PN−170」、ADEKA社製、分子量:1100、25℃における粘度:800mPa・s、引火点:244℃、アジピン酸系ポリエステル(c2))を同じ量使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ニトリルゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
第2混合工程において、酸化亜鉛5部に代えて、カルシウム−マグネシウム−亜鉛系安定剤(商品名「アデカスタブRUP−110」、ADEKA社製)を15部使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ニトリルゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
第1混合工程および第2混合工程において、可塑剤として、ポリエーテルエステル(c1−1)(商品名「アデカサイザー RS−700」、ADEKA社製)に代えて、いずれも、アジピン酸ポリエーテルエステル(商品名「アデカサイザー RS−107」、ADEKA社製、分子量:434、25℃における粘度:20mPa・s、引火点:215℃、)を同じ量使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ニトリルゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
第2混合工程において、架橋剤として、4,4’−ジチオジモルホリン2部に代えて、硫黄0.5部を使用した以外は、比較例1と同様にして、架橋性ニトリルゴム組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020066770
表1に示すように、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50であるニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と、分子量が500〜2000である可塑剤(C)と、を含有するニトリルゴム組成物(架橋性ニトリルゴム組成物)によれば、コンパウンド・ムーニー粘度の上昇が抑えられており、加工性に優れ、粘度が10%上昇する時間T10が長く、架橋安定性に優れ、得られるゴム架橋物は、常態物性が良好であり、圧縮永久歪みが小さく、圧縮応力保持率が高く、耐寒性に優れるものであった(実施例1〜4)。
一方、分子量が500〜2000である可塑剤(C)に代えて、分子量が500未満であるアジピン酸ポリエーテルエステル系可塑剤を使用した場合には、得られるゴム架橋物は、圧縮永久歪が大きく、圧縮応力保持率に劣るものであった(比較例1,2)。

Claims (9)

  1. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50であるニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、
    塩化ビニル樹脂(B)と、
    分子量が500〜2000である可塑剤(C)と、を含有するニトリルゴム組成物。
  2. 前記可塑剤(C)が、下記一般式(1)で表されるポリエーテルエステル(c1)である請求項1に記載のニトリルゴム組成物。
    Figure 2020066770
    (上記一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜8の炭化水素基であり、nは1〜40の整数である。)
  3. 前記可塑剤(C)が、分子量が800〜2000であり、温度25℃における粘度が50〜1500mPa・sであるアジピン酸系ポリエステル(c2)である請求項1に記載のニトリルゴム組成物。
  4. 前記ニトリル基含有共重合体ゴム(A)100重量部に対する、前記可塑剤(C)の含有量が1〜60重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のニトリルゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のニトリルゴム組成物と、架橋剤とを含有する架橋性ニトリルゴム組成物。
  6. 請求項5に記載の架橋性ニトリルゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  7. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40〜50重量%の割合で含有し、ヨウ素価が5〜50であるニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、塩化ビニル樹脂(B)と、分子量が500〜2000である可塑剤(C)と、配合剤とを含有するニトリルゴム組成物を製造する方法であって、
    前記ニトリルゴム組成物中に含有させる前記可塑剤(C)の全量のうち一部を、前記ニトリル基含有共重合体ゴム(A)と、前記塩化ビニル樹脂(B)と混合する第1の混合工程と、
    前記第1の混合工程において得られた組成物に、前記ニトリルゴム組成物に含有させる前記可塑剤(C)の全量のうち残部と、前記配合剤とを配合し、混合する第2混合工程とを備えるニトリルゴム組成物の製造方法。
  8. 前記第1混合工程における前記可塑剤(C)の配合量を、前記ニトリルゴム組成物中に含有させる前記可塑剤(C)の全量のうち、10〜90重量%とする請求項7に記載のニトリルゴム組成物の製造方法。
  9. 前記配合剤が、少なくとも充填剤を含む請求項7または8に記載のニトリルゴム組成物の製造方法。
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