JPWO2020059101A1 - ステントおよび医療機器 - Google Patents

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Abstract

治療の際の位置ずれを抑制することが可能なステント等を提供する。ステント11は、1または複数の線材W1を用いて形成され、このステント11の軸方向Zに沿って延在する筒状構造を有する網目状構造体111を備えている。この網目状構造体111では、軸方向Zに沿った双方の端部領域(端部領域Aea,Aeb)および非端部領域Amの各々において、複数の単位構造(単位構造U1,U2)が並んで配置されている。非端部領域Amにおける単位構造U1の軸方向Zに沿った長さである第1軸方向長(軸方向長L1)と比べて、双方の端部領域のうちの少なくとも一方の端部領域における、単位構造U2の軸方向Zに沿った長さである第2軸方向長(軸方向長L2)が、相対的に短くなっている。

Description

本発明は、例えば消化管や血管などの体内の管状器官に適用されるステント、およびそのようなステントを備えた、カバードステントまたはステントグラフトなどの医療機器に関する。
消化管に適用(留置)されるステント(消化管ステント)は、腫瘍によって狭窄した消化管の内腔を押し開けるために使用される。また、ステントは、消化管の他にも、血管などの体内の他の管状器官にも使用される。このような体内の管状器官に適用されるステントは、一般に、1または複数の線材を用いた網目状構造を有している(例えば、特許文献1参照)。
特表2009−501049号公報
ところで、このようなステントでは一般に、治療の際(上記した体内の管状器官内にステントを留置する際)の位置ずれを抑制することが求められている。治療の際の位置ずれを抑制することが可能なステント、およびそのようなステントを備えた医療機器を提供することが望ましい。
本発明の一実施の形態に係るステントは、1または複数の線材を用いて形成され、このステントの軸方向に沿って延在する筒状構造を有する網目状構造体を備えたものである。この網目状構造体では、上記軸方向に沿った双方の端部領域および非端部領域の各々において、複数の単位構造が並んで配置されている。また、上記非端部領域における単位構造の上記軸方向に沿った長さである第1軸方向長と比べて、上記双方の端部領域のうちの少なくとも一方の端部領域における、単位構造の上記軸方向に沿った長さである第2軸方向長が、相対的に短くなっている。
本発明の一実施の形態に係る医療機器は、筒状部材と、この筒状部材の少なくとも一部分に配置された、少なくとも1つの上記本発明の一実施の形態に係るステントと、を備えたものである。
本発明の一実施の形態に係るステントおよび医療機器では、上記非端部領域における上記第1軸方向長と比べ、上記双方の端部領域のうちの少なくとも一方の端部領域における上記第2軸方向長が、相対的に短くなっている(上記第1軸方向長>上記第2軸方向長)。これにより、例えば、このステントが所定のデリバリーシース内に縮径された状態で挿入されて、このデリバリーシースが管状器官内の患部(治療対象の部位)付近まで運ばれた後、ステントがデリバリーシース内から展開されて拡径する際に、以下のようになる。すなわち、上記少なくとも一方の端部領域において上記第2軸方向長が相対的に短くなっていることから、上記軸方向に沿った一列分の単位構造がデリバリーシース内から外部へと突出するまでの時間が、相対的に短くなる。その結果、例えば、上記少なくとも一方の端部領域においても上記非端部領域と同様に、単位構造が上記第1軸方向長を有するような場合と比べ、ステントの端部領域が、早期に(短い突出長にて)拡径し易くなる。
本発明の一実施の形態に係るステントおよび医療機器では、上記少なくとも一方の端部領域において、上記第2軸方向長を有する単位構造の上記軸方向に沿って並んで配置された列数が、複数であってもよい。このようにした場合、上記少なくとも一方の端部領域内に、上記第2軸方向長を有する単位構造が複数列存在することから、このステントが上記デリバリーシース内から展開される際に、以下のようになる。すなわち、上記少なくとも一方の端部領域全体として、徐々に(連続的に)拡径する傾向となることから、このステントの端部領域が、より早期に拡径し易くなる結果、治療の際のステントの位置ずれが更に抑制される。
また、本発明の一実施の形態に係るステントおよび医療機器では、上記網目状構造体における線材の編み組みパターンが、上記非端部領域と、上記少なくとも一方の端部領域とで、互いに異なっているようにしてもよい。このようにした場合、例えば、上記少なくとも一方の端部領域における編み組みパターンを、上記非端部領域における編み組みパターンと比べて相対的に拡径し易いパターンとすることで、このステントが上記デリバリーシース内から展開される際に、より早期に拡径させることができる。その結果、治療の際のステントの位置ずれが、更に抑制されることになる。
更に、本発明の一実施の形態に係るステントおよび医療機器では、上記双方の端部領域において、上記第1軸方向長と比べて上記第2軸方向長が相対的に短くなっていると共に、上記第2軸方向長を有する単位構造の上記軸方向に沿って並んで配置された列数と、上記第2軸方向長の大きさと、のうちの少なくとも一方が、上記双方の端部領域のうちの一方の端部領域と他方の端部領域とで、互いに異なっているようにしてもよい(互いに非対称となっていてもよい)。このようにした場合、ステントの特性(展開プロファイル等)を、上記一方の端部領域と上記他方の端部領域とで互いに異ならせることができることから、例えばステントの用途や使用状況等に応じて、その特性を選択的に設定することができる。その結果、ステントを使用する際の利便性が、向上することになる。
本発明の一実施の形態に係るステントおよび医療機器によれば、上記第1軸方向長と比べて上記第2軸方向長が相対的に短くなっているようにしたので、以下のようになる。すなわち、例えば、このステントが所定のデリバリーシース内で縮径された状態から展開されて拡径する際に、ステントの端部領域が早期に拡径し易くなる。よって、ステントを患部(治療対象の部位)に留置する際に、その患部に対してステントが迅速に固定されるようになる結果、治療の際のステントの位置ずれを抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係るステントの概略構成例を表す模式斜視図である。 図1に示したステントにおける要部の詳細構成例を表す模式展開図である。 比較例に係るステントにおける要部の構成例を表す模式展開図である。 変形例1に係るステントにおける要部の構成例を表す模式展開図である。 変形例2に係るステントにおける要部の構成例を表す模式展開図である。 変形例3に係るステントにおける要部の構成例を表す模式展開図である。 変形例4に係るステントにおける要部の構成例を表す模式展開図である。 適用例に係る医療機器の概略構成例を表す模式斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(双方の端部領域の複数列において、(L2<L1)を満たす場合の例)
2.変形例
変形例1(双方の端部領域の1列において、(L2<L1)を満たす場合の例)
変形例2(双方の端部領域同士で、列数やL2の大きさが非対称である場合の例)
変形例3(非端部領域と端部領域とで線材の編み組みパターンが異なる場合の例)
変形例4(一方の端部領域のみにおいて、(L2<L1)を満たす場合の例)
3.適用例(実施の形態および各変形例のステントを医療機器に適用した場合の例)
4.その他の変形例
<1.実施の形態>
[概略構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るステント(ステント11)の概略構成例を、模式的に斜視図で表したものである。ステント11は、例えば体内の管状器官としての消化管に適用される器具であり、後述するように、腫瘍によって狭窄した消化管の内腔を押し開けるために使用されるものである。具体的には、ステント11は、治療対象の部位(例えば大腸等の消化管内)に留置されるようになっている。なお、このステント11は、本発明における「ステント」の一具体例に対応している。
このステント11は、図1に示したように、その軸方向Z(Z軸方向)に沿って延在する筒状(円筒状)構造を有している。また、ステント11はその軸方向Zに沿って、双方の端部領域(端部領域Aea,Aeb)と、非端部領域Am(双方の端部領域の間に位置する中間領域)と、を有している(図1参照)。なお、ステント11全体の軸方向Zに沿った長さは、例えば3〜20cm程度であり、端部領域Aea,Aebの長さは、それぞれ、例えば3〜40mm程度である。一方、ステント11の拡張時の外径は、例えば10〜50mm程度である。
ステント11は、図1に示した例では、1種類の線材W1(素線)を用いて構成されており、上記したように筒状構造を有している。具体的には、本実施の形態では、この筒状構造が網目状構造により構成されていると共に、このような筒状の網目状構造が、所定のパターン(後述する網目パターン)で線材W1をそれぞれ編み組むことにより形成されている。なお、このステント11における網目状構造(線材W1の編み組みパターン)等の詳細については、後述する(図2)。
ここで、このような線材W1の材料としては、金属線材が好ましく、特に熱処理による形状記憶効果や超弾性が付与される、形状記憶合金が好ましく採用される。ただし、用途によっては、線材W1の材料として、ステンレス、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)等を用いてもよい。上記した形状記憶合金としては、例えば、ニッケル(Ni)−Ti合金、銅(Cu)−亜鉛(Zn)−X(X=アルミニウム(Al),鉄(Fe)等)合金、Ni−Ti−X(X=Fe,Cu,バナジウム(V),コバルト(Co)等)合金などが好ましく使用される。なお、このような線材W1として、例えば合成樹脂などを用いるようにしてもよい。また、金属線材の表面にAu,Ptなどをメッキ等の手段で被覆したもの、あるいは、Au,Ptなどの放射線不透過性の素材からなる芯材を合金で覆った複合的な線材を、線材W1として用いるようにしてもよい。
[詳細構成]
続いて、図2を参照して、図1に示したステント11の詳細構成例(上記した網目状構造等の構成例)について説明する。図2は、ステント11における要部(前述した端部領域Aea,Aeb付近)の詳細構成例を、模式的に展開図で表したものであり、図1に示した軸方向Zおよび周方向Rの各方向に沿って表している。
このステント11では、まず、図2に示したように、1種類の網目状構造体111を用いて構成されている。すなわち、このステント11は、上記した線材W1を用いて形成された網目状構造体111により構成されている。この網目状構造体111は、上記した筒状構造を構成しており、ステント11の軸方向Zに沿って(全長に亘って)延在している。なお、このような線材W1の線径としては、例えば、0.18mm程度が挙げられる。
網目状構造体111は、図2に示したように、直線部s1および屈曲部b1を含んで波形形状(ジグザグ形状)を成す線材W1が、その直線部s1において交差することにより形成されている。したがって、この網目状構造体111では、線材W1の直線部s1同士が交差する部分である交差部(線材交差部)が形成されている。
また、この網目状構造体111では、図2に示したように、線材W1同士が屈曲部b1において互いに連結(係合)されてなる、連結部C11(掛け合い部)が形成されている。すなわち、網目状構造体111は、直線部s1および屈曲部b1を含んで波形形状を成す線材W1を周方向Rに沿って進行させて形成した網目パターンが、軸方向Zに沿って連結することで構成されている。
このような各列(1列分)の網目パターンは、具体的には、線材W1が上記した波形形状を成しながら周方向Rに沿って2回周回することによって形成されている。詳細には、1周目のループと2周目のループとでは、各列の網目パターン内において、波形形状の位相が周方向Rに沿って、互いに半ピッチ(1/2ピッチ)分だけずれた状態となっている。これにより、各列の網目パターンにおいて、上記した交差部が周方向Rに沿って並設されるようになっている。なお、このような交差部では、上記した1周目のループと2周目のループとが、交互に上下するようにして交差するようになっている。
また、図2においては省略しているが、線材W1を周方向Rに沿って2回周回させて、1列分(N列目)の網目パターン(N:1以上の整数)が形成された後、2周目のループの端部は、以下のようになっている。すなわち、次列((N+1)列目)の網目パターンの形成位置まで、軸方向Zに沿って進行し、上記と同様にして、網目パターンが形成される。なお、(N+1)列目の屈曲部は、N列目の屈曲部と互いに連結するように編まれている。
このようにして、網目パターンが軸方向Zに沿って設けられてなる網目状構造体111が形成され、ステント11が構成されるようになっている。
このような網目状構造体111は、図2に示したように、軸方向Zおよび周方向Rの各々に沿って並んで2次元配置された、複数の単位構造(単位構造U1,U2)により構成されている。具体的には、この網目状構造体111において、前述した非端部領域Am(中間領域)では、複数の単位構造U1が2次元配置されていると共に、前述した端部領域Aea,Aebではそれぞれ、複数の単位構造U2が2次元配置されている(図2参照)。換言すると、端部領域Aea,Aebを構成する網目パターンの各列は、単位構造U2が周方向Rに沿って複数個並んで配置されることで、形成されている。一方、非端部領域Amを構成する網目パターンの各列は、単位構造U1が周方向Rに沿って複数個並んで配置されることで、形成されている。
各単位構造U1は、図2に示した例では、軸方向Zを長軸方向とすると共に周方向Rを短軸方向とし、2つの屈曲部b1と2つの線材交差部(上記した線材W1同士の交差部)とを頂点とする、略菱形状となっている。したがってこの例では、各単位構造U1における軸方向Zに沿った長さ(軸方向長L1)は、非端部領域Amにおける各線材W1の波高(前述した波形形状における軸方向Zの長さ)と、一致している(図2参照)。
各単位構造U2は、図2に示した例では、軸方向Zおよび周方向Rをそれぞれ軸方向とし、2つの屈曲部b1と2つの線材交差部とを頂点とする、略菱形状となっている。したがってこの例では、各単位構造U2における軸方向Zに沿った長さ(軸方向長L2)は、端部領域Aea,Aebにおける各線材W1の波高と、一致している(図2参照)。
また、特に本実施の形態では、図2に示したように、双方の端部領域Aea,Aebにおいて、このような軸方向長L2を有する単位構造U2が、軸方向Zに沿って、複数列並んで配置されている。つまり、これらの端部領域Aea,Aebにはそれぞれ、単位構造U2における軸方向Zに沿った列数が、複数(この例では2列ずつ)となっている(図2参照)。
なお、上記した軸方向長L1は、本発明における「第1軸方向長」の一具体例に対応し、軸方向長L2は、本発明における「第2軸方向長」の一具体例に対応している。
ここで、本実施の形態のステント11における網目状構造体111では、このような非端部領域Amにおける各単位構造U1の軸方向長L1と、端部領域Aea,Aebにおける各単位構造U2の軸方向長L2との間の大小関係が、以下のようになっている。すなわち、図2に示したように、非端部領域Amにおける軸方向長L1と比べ、端部領域Aea,Aebにおける軸方向長L2が、相対的に短くなっている。つまり、(軸方向長L2<軸方向長L1)という大小関係を満たすようになっている。
言い換えると、このステント11では、端部領域Aea,Aebを構成する網目パターンと、非端部領域Amを構成する網目パターンとで、波高値が異なるように形成されている(図2参照)。この図2に示したように、非端部領域Amを構成する網目パターンにおける波高値は、端部領域Aea,Aebを構成する網目パターンにおける波高値よりも、大きくなっている。
なお、軸方向長L1は、例えば8〜24mm程度であり、軸方向長L2は、例えば1〜18mm程度である。また、軸方向長L1に対する軸方向長L2の割合((L2/L1)×100)の数値範囲としては、例えば12.5〜75%であることが好ましく、より好ましくは、30〜60%である。
[作用・効果]
(A.基本動作)
このステント11は、患者における消化管付近の腫瘍等の治療の際に、その治療対象の部位(例えば大腸等の消化管内)に留置されることで、腫瘍によって狭窄した消化管の内腔を押し開けることが可能となる。
このとき、具体的にはまず、所定のデリバリーシース内にステント11が縮径された状態で挿入され、このデリバリーシースが消化管内に挿入されることで、ステント11が患部付近まで運ばれる。そして、ステント11がデリバリーシース内から展開されて拡径されることで、ステント11が患部(治療対象の部位)に留置されることになる。
(B.ステント11における作用・効果)
次いで、図1,図2に加えて図3を参照して、ステント11における作用および効果について、比較例と比較しつつ、詳細に説明する。
(B−1.比較例)
図3は、比較例に係るステント(ステント100)における要部(端部領域Aea,Aeb付近)の構成例を、模式的に展開図で表したものであり、軸方向Zおよび周方向Rの各方向に沿って表している。
この比較例のステント100は、図3に示したように、線材W1を用いて形成された網目状構造体101により構成されている。この比較例の網目状構造体101では、双方の端部領域Aea,Aebについても、本実施の形態の網目状構造体111における非端部領域Amを構成する網目パターン(図2参照)によって形成している点で、本実施の形態の網目状構造体111とは異なっている。つまり、この網目状構造体101の全体において、1種類の単位構造U1のみが、2次元配置されている。したがって、網目状構造体101では、これらの端部領域Aea,Aebにおける単位構造(単位構造U1)の軸方向長と、非端部領域Amにおける単位構造(単位構造U1)の軸方向長とは、ともにL1となっている(図3参照)。
このような構成の比較例のステント100では、例えば上記したように、所定のデリバリーシース内に縮径された状態で挿入されて、このデリバリーシースが消化管内の患部付近まで運ばれた後、デリバリーシース内から展開されて拡径する際に、以下のようになる。
すなわち、このステント100(網目状構造体101)では、端部領域Aea,Aeb(および非端部領域Am)における各単位構造U1の軸方向長L1が長いことから、端部領域(端部領域Aeaまたは端部領域Aeb)が拡径する(元の径に戻る)までの突出長が、長くなってしまう。したがって、軸方向Zに沿った一列分の単位構造U1が、デリバリーシース内から外部へと突出するまでに、時間を要することになる。
ここで、この比較例のステント100において、上記したように、軸方向Zに沿った一列分の単位構造U1が(デリバリーシース内から)外部へと突出するまでに時間を要する要因について、以下の問題点(A),(B)を例示して、具体的に説明する。なお、ここでは説明の便宜上、1列目,2列目を例に挙げて説明するが、N列目,(N+1)列目として一般化した場合も、同様のことが言える。
(A)1列目が突出し始めたとき
端部領域(端部領域Aeaまたは端部領域Aeb)内における1列目(最端列目)が、デリバリーシース内から展開して拡径する際に、この1列目が突出し始めても、端部領域における各単位構造U1の一部が、デリバリーシース内に収納されている状態となる。このような状態では、端部領域における1列目は、十分には拡径できないことになる。
(B)1列目の全領域が突出し、2列目はまだ収納されているとき
端部領域内における1列目の全領域が、デリバリーシース内から外部へと突出し、2列目はまだデリバリーシース内に収納されている場合、以下のようになる。すなわち、この場合、1列目における遠位端は、拡径して元の径に戻る一方、1列目における近位端は、2列目における遠位端の径と同じになるため、元の径には戻らない(1列目の全領域が突出した段階では、1列目における近位端の径は、デリバリーシースの内径と同一となる)。これは、1列目における近位側の屈曲部b1と、2列目における遠位側の屈曲部b1とが、前述したようにして連結している(掛け合っている)ためである。するとこの場合、1列目における近位端は十分には拡径せず、1列目が斜めに拡径する状態(テーパ状態)となってしまう。
このようにして比較例のステント100では、その端部領域が十分に拡径するまでに時間を要することから、このステント100を患部に留置する際(治療の際)に、その患部に対してステント100が十分に固定されるまでに、時間がかかってしまう。その結果、この比較例では、ステント100の留置位置にずれ(位置ずれ)が生じるおそれがある。
なお、このような比較例では、ステント100の留置後においても、例えば、以下の問題点(C)が生じるおそれがあると言える。
(C)ステント100の留置後
一般に、治療対象となる狭窄部に対してステントを留置する場合には、その狭窄部を跨ぐようにして、ステントが留置される。具体的には、例えば狭窄部の両側にそれぞれ、所定の長さ(例えば2cm以上)のステントが留置されているようにする。ここで、例えば、留置時のもたつきなどにより、ステント100の留置位置がずれている場合や、ステント100の留置後に位置ずれ(マイグレーション)が生じた場合、以下のようになる。すなわち、デリバリーシースが狭窄部に変更されただけで、例えば、1列目の一部が腫瘍によって押されて縮径した場合、上記問題点(A)と同様の状況となってしまい、例えば、2列目の一部が腫瘍によって押されて縮径した場合、上記問題点(B)と同様の状況となってしまう。
なお、このような比較例と逆に、端部領域Aea,Aebおよび非端部領域Amともに、単位構造U2を用いて構成した場合(単位構造の軸方向長を、ともにL2とした場合)には、例えば、以下のような問題が生じるおそれがある。すなわち、この場合、本実施の形態のステント11と比較して、屈曲部b1の数や、屈曲部b1同士の連結部の数が多くなるため、ステントにおける縮径性が低下したり、デリバリーシースからステントを引き抜くときの抵抗が大きくなってしまうおそれがあると言える。
(B−2.本実施の形態)
これに対して本実施の形態のステント11では、図2に示したように、非端部領域Amにおける各単位構造U1の軸方向長L1と比べ、端部領域Aea,Aebにおける各単位構造U2の軸方向長L2が、相対的に短くなっている(軸方向長L2<軸方向長L1)。これにより、例えば上記したように、ステント11が所定のデリバリーシース内に縮径された状態で挿入されて、このデリバリーシースが消化管内の患部付近まで運ばれた後、ステント11がデリバリーシース内から展開されて拡径する際に、以下のようになる。
すなわち、端部領域Aea,Aebにおいて軸方向長L2が相対的に短くなっていることから、軸方向Zに沿った一列分の単位構造U2が、デリバリーシース内から外部へと突出するまでの時間(突出する部分のステント11の長さ)が、上記比較例の場合(端部領域Aea,Aebが単位構造U1を用いて構成される場合)と比べ、相対的に短くなる。その結果、本実施の形態では、例えば上記比較例のように、端部領域Aea,Aebにおいても非端部領域Amと同様に、単位構造(単位構造U1)が軸方向長L1(>軸方向長L2)を有するような場合(図3参照)と比べ、以下のようになる。すなわち、本実施の形態では上記比較例等と比べ、ステント11の端部領域(端部領域Aeaまたは端部領域Aeb)が、早期に(短い突出長にて)拡径し易くなる。
このようにして本実施の形態では、例えば、ステント11がデリバリーシース内で縮径された状態から展開されて拡径する際に、ステント11の端部領域が、早期に拡径し易くなる(元の径に早期に戻り易くなる)結果、以下のようになる。すなわち、ステント11の端部領域が早期に拡径し易くなることから、ステント11を患部に留置する際に、その患部に対してステント11が迅速に固定されるようになる。具体的には、端部領域内における1列目(最端列目)の軸方向長L2が相対的に短くなっていることから、例えば、前述した問題点(A)が生じるおそれを回避することができる結果、上記したように、患部に対してステント11が迅速に固定されるようになる。よって、本実施の形態では上記比較例等と比べ、治療の際のステント11の位置ずれを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態では、上記したように、ステント11の端部領域が早期に拡径し易くなる(元の径に早期に戻り易くなる)ことから、例えば以下のような効果も得られる。
すなわち、まず、端部領域における拡径した部分に、治療対象となる狭窄部を引っ掛けて留置することができ、より正確に留置し易くすることが可能となる。
また、仮に、短い突出長にて拡径できないと、例えば以下のようなおそれが生じるのに対し、本実施の形態では、そのようなおそれを回避することが可能となる。すなわち、短い突出長にて拡径できないと、例えば、狭窄部からずれた場合(留置ミスやマイグレーションが生じた場合等)や、医師によるステントサイズの選択ミスなどによって短い突出長となってしまった場合などに、ステントの端部領域が拡径しないおそれがある。
更に、本実施の形態では上記したように、端部領域Aea,Aebにおいて軸方向長L2が相対的に短くなっていることから、比較例等とは異なり、前述した問題点(C)が生じるおそれも、回避することも可能となる。特に、本実施の形態のステント11では、双方の端部領域Aea,Aebにおいて、軸方向長L2が軸方向長L1と比べて相対的に短くなっていることから、この問題点(C)が生じるおそれを回避できることは、利点が大きいと言える。
また、本実施の形態では、端部領域Aea,Aebにおいて、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、複数(2列ずつ)となっているようにしたので(図2参照)、以下のようになる。すなわち、端部領域Aea,Aeb内では、軸方向長L2を有する単位構造U2が複数列存在することから、ステント11がデリバリーシース内から展開される際に、端部領域(端部領域Aeaまたは端部領域Aeb)全体として、徐々に(連続的に)拡径する傾向となる。
具体的には、例えば、まず、端部領域内における1列目(最端列目)の全領域が、デリバリーシース内から外部へと突出し、2列目がデリバリーシース内に収納されている場合、以下のようになる。すなわち、この場合、1列目における遠位端は、拡径して元の径に戻る一方、1列目における近位端は、前述したように、2列目における遠位端の径と同じになるため、元の径には戻らない。次いで、この2列目が突出するのに従って、1列目における近位端も拡径していき、2列目の全領域が突出すると、この2列目における遠位端が元の径に戻るとともに、1列目における近位端も、元の径に戻ることになる。
このように、端部領域内における1列目(最端列目)の軸方向長L2に加え、2列目の軸方向長L2も相対的に短くなっていることから、例えば、前述した問題点(B)が生じるおそれも回避することができる。すなわち、前述したように、1列目における近位端が十分には拡径せずに1列目が斜めに拡径してしまう状態(テーパ状態)を回避することができ、1列目の近位端側も迅速に拡径するようになる。
なお、ここでも説明の便宜上、1列目,2列目を例に挙げて説明したが、前述した場合と同様に、N列目,(N+1)列目として一般化した場合も、同様のことが言える。
このようにして、端部領域Aea,Aebにおける複数列(少なくとも2列)を、軸方向長L2(相対的に小さい波高値)を有する単位構造U2とすることで、ステント11の端部領域が、より早期に拡径し易くなる。その結果、本実施の形態では、上記した治療の際のステント11の位置ずれを、更に抑制することが可能となる。
<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1〜4)について説明する。なお、これらの変形例1〜4において、実施の形態等における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[変形例1]
図4は、変形例1に係るステント(ステント11A)における要部(端部領域Aea,Aeb付近)の構成例を、模式的に展開図で表したものであり、軸方向Zおよび周方向Rの各方向に沿って表している。なお、この変形例1のステント11Aも、本発明における「ステント」の一具体例に対応している。
このステント11Aは、図4に示したように、線材W1を用いて形成された網目状構造体111Aにより構成されている。この網目状構造体111Aは、実施の形態の網目状構造体111(図2参照)において、各端部領域Aea,Aeb内における単位構造U2の列数を変更したものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
具体的には図4に示したように、網目状構造体111Aにおける端部領域Aea,Aebでは、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、1つ(1列ずつ)となっている。換言すると、この網目状構造体111Aにおける端部領域Aea,Aebでは、単位構造U2が周方向Rに沿って複数個並んで配置されて形成された網目パターンが、1列形成されている。
このような構成の本変形例のステント11Aにおいても、基本的には、実施の形態のステント11と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
[変形例2]
図5は、変形例2に係るステント(ステント11B)における要部(端部領域Aea,Aeb付近)の構成例を、模式的に展開図で表したものであり、軸方向Zおよび周方向Rの各方向に沿って表している。なお、この変形例2のステント11Bも、本発明における「ステント」の一具体例に対応している。
このステント11Bは、図5に示したように、線材W1を用いて形成された網目状構造体111Bにより構成されている。この網目状構造体111Bは、実施の形態の網目状構造体111(図2参照)において、端部領域Aeb内における単位構造U2の列数を変更したものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
具体的には図5に示したように、網目状構造体111Bにおける端部領域Aebでは、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、1つ(1列)となっている。一方、端部領域Aeaでは、網目状構造体111の場合と同様に、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、2つ(2列)となっている(図5参照)。つまり、この網目状構造体111Bでは、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、一方の端部領域Aeaと他方の端部領域Aebとで、互いに異なっている(互いに非対称となっている)。換言すると、網目状構造体111Bでは、単位構造U2が周方向Rに沿って複数個並んで配置されて形成された網目パターンが、端部領域Aeaにおいては2列形成され、端部領域Aebにおいては1列形成されている。
このような構成の本変形例のステント11Bにおいても、基本的には、実施の形態のステント11と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
また、特に本変形例のステント11Bでは、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、一方の端部領域Aeaと他方の端部領域Aebとで、互いに異なっているようにしたので、以下のようになる。すなわち、このステント11Bの特性(展開プロファイル等)を、一方の端部領域Aeaと他方の端部領域Aebとで互いに異ならせることができることから、例えばステント11Bの用途や使用状況等に応じて、その特性を選択的に設定することができる。その結果、ステント11Bを使用する際の利便性を、向上させることが可能となる。
なお、本変形例では、一方の端部領域Aeaと他方の端部領域Aebとで、軸方向長L2を有する単位構造U2の列数が、互いに異なっている(互いに非対称となっている)場合を例に挙げて説明したが、例えば、以下のようになっていてもよい。すなわち、例えば、一方の端部領域Aeaと他方の端部領域Aebとで、軸方向長L2の大きさ(長さ)が、互いに異なっているようにしてもよい。また、例えば、一方の端部領域Aeaと他方の端部領域Aebとで、軸方向長L2を有する単位構造U2の列数、および、軸方向長L2の大きさの双方が、互いに異なっているようにしてもよい。
[変形例3]
図6は、変形例3に係るステント(ステント11C)における要部(端部領域Aea,Aeb付近)の構成例を、模式的に展開図で表したものであり、軸方向Zおよび周方向Rの各方向に沿って表している。なお、この変形例3のステント11Cも、本発明における「ステント」の一具体例に対応している。
このステント11Cは、図6に示したように、線材W1を用いて形成された網目状構造体111Cにより構成されている。この網目状構造体111Cは、実施の形態の網目状構造体111(図2参照)において、非端部領域Amにおける線材W1の編み組みパターンを変更したものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
一方、各端部領域Aea,Aebにおける線材W1の編み組みパターンは、網目状構造体111における前述した編み組みパターンと、同様となっている(図6参照)。つまり、この網目状構造体111Cでは、線材W1の編み組みパターンが、非端部領域Amと端部領域Aea,Aebとで、互いに異なっている。
(非端部領域Amにおける編み組みパターンの構成例)
ここで図6を参照して、本変形例の網目状構造体111Cにおける、非端部領域Amでの編み組みパターンの構成例について、詳細に説明する。
この網目状構造体111Cにおける非端部領域Amでの編み組みパターンは、図6に示したように、直線部s1および屈曲部b1を含んで波形形状を成す、線材W1によって形成されている。具体的には、この非端部領域Amでの編み組みパターンは、端部領域Aea側の1列目〜3列目における編み組みパターンについて例示して説明すると、以下のようになる。すなわち、この端部領域Aea側の1列目〜3列目における編み組みパターンは、図6に示したように、線材W11a,W11b同士の交差と、線材W12a,W12b同士の交差と、線材W13a,W13b同士の交差と、を用いて形成されている。
より具体的には、図6に示したように、線材W11aと線材W11bとが、それらの直線部s1において互いに交差する(線材交差部を形成する)ように配置されている。線材W13aと線材W13bとが、それらの直線部s1において互いに交差するように配置されている。線材W12aと線材W12bとが、それらの直線部s1において互いに交差するように配置されている。
また、図6に示したように、線材W11a,W11b同士の交差部(線材交差部)と、線材W12aまたは線材W12bの屈曲部b1とが、互いに連結されることで、連結部C12が形成されている。線材W13a,W13b同士の交差部(線材交差部)と、線材W12aまたは線材W12bの屈曲部b1とが、互いに連結されることで、連結部C14が形成されている。線材W12a,W12b同士の交差部(線材交差部)と、線材W11a,W13aの屈曲部b1、または、線材W11b,W13bの屈曲部b1とが、互いに連結されることで、連結部C13が形成されている。
このように、この非端部領域Amでの編み組みパターンは、直線部s1および屈曲部b1を含んで波形形状を成す線材W1(上記した線材W11a,W11b,W12a,W12b,W13a,W13b等)を周方向Rに沿って進行させて形成した網目パターンが、軸方向Zに沿って連結することで構成されている。なお、線材W11aにおける屈曲部b1と、線材W13aにおける屈曲部b1とは、互いに隣接するように配置されている。同様に、線材W11bにおける屈曲部b1と、線材W13bにおける屈曲部b1とは、互いに隣接するように配置されている。
また、このような非端部領域Amにおける各単位構造U1は、図6に示したように、6つの線材W1(線材W11a,W11b,W12a,W12b,W13a,W13b等)によって囲まれた領域により構成されている。具体的には、各単位構造U1は、軸方向Zを長軸方向とすると共に周方向Rを短軸方向とし、2つの屈曲部b1と2つの線材交差部とを頂点とする、略菱形状となっている。したがって本変形例においても、各単位構造U1における軸方向長L1は、非端部領域Amにおける各線材W11a,W11b,W12a,W12b,W13a,W13bの波高と、一致している(図6参照)。
ここで、本変形例のステント11Cにおける網目状構造体111Cにおいても、このような非端部領域Amにおける各単位構造U1の軸方向長L1と、端部領域Aea,Aebにおける各単位構造U2の軸方向長L2との間の大小関係が、以下のようになっている。すなわち、図6に示したように、非端部領域Amにおける軸方向長L1と比べ、端部領域Aea,Aebにおける軸方向長L2が、相対的に短くなっている。つまり、(軸方向長L2<軸方向長L1)という大小関係を満たすようになっている。
(作用・効果)
このような構成の本変形例のステント11Cにおいても、基本的には、実施の形態のステント11と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
また、特に本変形例のステント11Cでは、網目状構造体111Cにおける線材W1の編み組みパターンが、非端部領域Amと端部領域Aea,Aebとで、互いに異なっているようにしたので、以下のようになる。
すなわち、まず、この網目状構造体111Cにおける非端部領域Amでの編み組みパターンでは、網目状構造体111,111A,111Bにおける非端部領域Amでの編み組みパターンと比べ、ステント(ステント11C)における拡径力を向上させることができる。したがって、本変形例のステント11Cでは、非端部領域Amでの拡径力を向上させつつ、端部領域Aea,Aebではこれまでに説明したように、展開される際に早期に拡径し易い構造となっている。このようにして本変形例では、端部領域Aea,Aebにおける編み組みパターンを、非端部領域Amにおける編み組みパターンと比べて相対的に拡径し易いパターンとすることで、このステント11Cがデリバリーシース内から展開される際に、より早期に拡径させることができる。その結果、本変形例のステント11Cでは、前述した治療の際の位置ずれを、更に抑制することが可能となる。
[変形例4]
図7は、変形例4に係るステント(ステント11D)における要部(端部領域Aea,Aeb付近)の構成例を、模式的に展開図で表したものであり、軸方向Zおよび周方向Rの各方向に沿って表している。なお、この変形例4のステント11Dも、本発明における「ステント」の一具体例に対応している。
このステント11Dは、図7に示したように、線材W1を用いて形成された網目状構造体111Dにより構成されている。この網目状構造体111Dは、実施の形態の網目状構造体111(図2参照)において、端部領域Aeb内における単位構造U2を単位構造U1に変更したものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
具体的には図7に示したように、網目状構造体111Dにおける端部領域Aebは、軸方向長L1を有する単位構造U1が周方向Rに沿って複数個並んで配置されて形成された網目パターンにより構成されている。換言すると、このステント11Dの網目状構造体111Dにおいては、Aebを構成する網目パターンは、非端部領域Amを構成する網目パターンと同様になっている。一方、端部領域Aeaでは、網目状構造体111の場合と同様に、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、2つ(2列)となっている(図7参照)。つまり、この網目状構造体111Dでは、軸方向長L2を有する単位構造U2が周方向Rに沿って複数個並んで配置されて形成された網目パターンは、一方の端部領域Aeaのみに形成されている。
このように、本変形例のステント11Dでは、これまでに説明したステント11,11A〜11Cとは異なり、以下のようになっている。すなわち、ステント11Dにおける双方の端部領域Aea,Aebのうちの、一方の端部領域のみで、軸方向長L2が軸方向長L1と比べて相対的に短くなっている((L2<L1)を満たしている)。
このような構成の本変形例のステント11Dにおいても、基本的には、実施の形態のステント11と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
<3.適用例>
続いて、上記した実施の形態および変形例1〜4に係るステント(ステント11,11A〜11D)の、医療機器への適用例について説明する。
図8は、本適用例に係る医療機器(医療機器1)の概略構成例を、模式的に斜視図で表したものである。医療機器1は、上記したステント11,11A,11B,11C,11Dのいずれかと、以下説明する筒状部材12とを備えている。この医療機器1は、例えば消化管や血管などの体内の管状器官に適用される機器である。具体的には、医療機器1は、例えば、カバードステントや、大動脈解離の処置用などで血管に適応されるステントグラフトなどの、医療機器である。
(筒状部材12)
筒状部材12は、図8に示したように筒状(円筒状)の形状を有しており、ステント11(11A〜11D)の少なくとも一部分を覆う(被覆する)ように配置されている。具体的には、この例では、筒状部材12がステント11(11A〜11D)の外周側を覆うように配置されている。
また、この筒状部材12は、例えば縫着や接着、溶着等の手段によってステント11(11A〜11D)に連結されており、このステント11(11A〜11D)を被覆するようになっている。なお、このような筒状部材12とステント11(11A〜11D)との連結部は、例えば、ステント11(11A〜11D)における端部領域Aea,Aebや非端部領域Am(中間領域)などに、適宜設けられている。
ここで、この図8の例では、筒状部材12の軸方向Zに沿った全ての領域(端部領域Aea,Aebおよび非端部領域Am)に、ステント11(11A〜11D)が配置されている。ただし、この例には限られず、筒状部材12の軸方向Zに沿った一部の領域にのみ、ステント11(11A〜11D)が配置されているようにしてもよい。つまり、医療機器1がその軸方向Zに沿って、ステント11(11A〜11D)が配置された領域(ステント配置領域)と、ステント11(11A〜11D)が配置されていない領域(ステント非配置領域)と、を有しているようにしてもよい。
このような筒状部材12としては、例えば、樹脂を押出し成形やブロー成形などの成形方法で筒状に形成したもの、筒状に形成した樹脂製繊維や極細な金属線からなる編織物、筒状に形成した樹脂や極細な金属からなる不織布、筒状に形成した樹脂製シートや多孔質シート、溶剤に溶解された樹脂を用いて肉薄の筒状に形成した構造体、などを用いることができる。
ここで、上記した編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。また、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。
また、上記した樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル樹脂、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマ―、ポリウレタン、シリコーン樹脂、天然ゴム等、耐久性および組織反応の少ない樹脂などを用いることができる。なお、これらのうち、特に、化学的に安定で耐久性が大きく、かつ組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂を好ましく用いることができる。
本適用例の医療機器1においても、基本的には、実施の形態および変形例1〜4と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
また、特に、大動脈瘤や大動脈解離の処置用などで血管に適用されるステントグラフトの場合には、例えば以下のような効果が得られる。すなわち、このような血管に適用されるステントグラフトでは、場合によっては留置時に正確な操作ができず、目的の部位からずれてしまうケースがある。また、マイグレーションによって、留置した部位から、ステントグラフトが移動してしまうケースがある。すると、瘤内に血液が流入して破裂したり、また、偽腔内に血液が流入し、血管の外膜まで裂け、出血してしまうおそれがある。これらのことから、本適用例の医療機器1のように、治療の際の位置ずれを抑制することは、臨床上の効果が大きいと言える。
<4.その他の変形例>
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等において説明した各部材の形状や配置位置、サイズ、個数、材料等は限定されるものではなく、他の形状や配置位置、サイズ、個数、材料等としてもよい。具体的には、例えば、上記実施の形態等では、端部領域Aea,Aebにおいて、軸方向長L2を有する単位構造U2の軸方向Zに沿った列数が、1つ(1列)または2つ(2列)である場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、このような列数が、ステント全体の長さや、軸方向長L2の長さに応じて、1〜10列程度であってもよい。また、筒状部材が、ステントの内周側を覆っていたり、ステントの内周側および外周側の双方を覆っていたりするようにしてもよい。
また、ステントにおける各線材の配置形状(編み組みパターン)は、上記実施の形態で挙げたものには限られず、他の配置形状としてもよい。
更に、上記適用例では、医療機器内に1つのステントのみが配置されている場合を例に挙げて説明したが、これには限られず、医療機器内に2つ以上のステントが個別に(例えば、軸方向Zに沿って互いに分離した状態で)配置されているようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態等では、1種類の線材(素線)を用いてステントを構成した場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、例えば、線径が互いに異なる複数種類(2種類以上)の線材(素線)を用いて、ステントを構成するようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、主に、大腸等の消化管についての治療に適用されるステントおよび医療機器を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、本発明のステントおよび医療機器はそれぞれ、大腸以外の他の消化管や、例えば大動脈等の血管などの消化管以外の体内の管状器官についての治療にも、適用することが可能である。

Claims (5)

  1. 体内の管状器官に適用されるステントであって、
    1または複数の線材を用いて形成され、前記ステントの軸方向に沿って延在する筒状構造を有する網目状構造体を備え、
    前記網目状構造体では、前記軸方向に沿った双方の端部領域および非端部領域の各々において、複数の単位構造が並んで配置されており、
    前記非端部領域における前記単位構造の前記軸方向に沿った長さである第1軸方向長と比べて、前記双方の端部領域のうちの少なくとも一方の端部領域における、前記単位構造の前記軸方向に沿った長さである第2軸方向長が、相対的に短くなっている
    ステント。
  2. 前記少なくとも一方の端部領域において、
    前記第2軸方向長を有する前記単位構造の、前記軸方向に沿って並んで配置された列数が、複数である
    請求項1に記載のステント。
  3. 前記網目状構造体における前記線材の編み組みパターンが、
    前記非端部領域と、前記少なくとも一方の端部領域とで、互いに異なっている
    請求項1または請求項2に記載のステント。
  4. 前記双方の端部領域において、前記第1軸方向長と比べて前記第2軸方向長が相対的に短くなっていると共に、
    前記第2軸方向長を有する前記単位構造の、前記軸方向に沿って並んで配置された列数と、前記第2軸方向長の大きさと、のうちの少なくとも一方が、
    前記双方の端部領域のうちの一方の端部領域と他方の端部領域とで、互いに異なっている
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のステント。
  5. 筒状部材と、
    前記筒状部材の少なくとも一部分に配置された、少なくとも1つのステントと
    を備え、
    前記ステントは、
    1または複数の線材を用いて形成され、前記ステントの軸方向に沿って延在する筒状構造を有する網目状構造体を有しており、
    前記網目状構造体では、前記軸方向に沿った双方の端部領域および非端部領域の各々において、複数の単位構造が並んで配置されており、
    前記非端部領域における前記単位構造の前記軸方向に沿った長さである第1軸方向長と比べて、前記双方の端部領域のうちの少なくとも一方の端部領域における、前記単位構造の前記軸方向に沿った長さである第2軸方向長が、相対的に短くなっている
    医療機器。
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