JPWO2020017624A1 - 抗がん剤 - Google Patents

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Abstract

テロメスタチンと同等であるか、又はそれ以上の腫瘍増殖抑制効果を有し、且つ大量合成が可能で、化学的な安定性、物性に優れた誘導体を有効成分とする抗がん剤を提供すること。本発明の抗がん剤は、下記一般式(1)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする。(式中、Meは、メチル基を表し、R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R7及びR8の少なくとも一方は、p−NO2−C6H4−又はp−NR3R4−C6H4−であり、R3及びR4は、それぞれ独立してH等であり、R7及びR8の他方は、−NH2等である。)

Description

本発明は、抗がん剤に関する。
膵がんは、難治性がんの一つであり、消化器系のがんの中で最も予後が悪い。一般に膵がんの早期発見は難しく、発見されたときには外科的切除が困難な場合が多い。この場合、抗がん剤による治療が行われるが、膵がんに対する化学療法として、ゲムシタビン(Gemcitabine)やS1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムの合剤)の単独使用が標準となっていた。現在では、フルオロウラシル・レボホリナート・イリノテカン・オキサリプラチン(FOLFIRINOX)療法、ゲムシタビン・ナブパクリタキセル(Gem/nabPTX)療法、ゲムシタビンとエルロチニブ(erlotinib)もしくはS1の併用療法等の多剤併用療法も行われており、特にFOLFIRINOX療法の優位性を示した報告(非特許文献1)もあるが、いずれも膵がんを治癒に導く治療法として確立するには至っていない。そもそも、薬剤添付文書によれば、ゲムシタビンは、膵がんの症状の緩和に用いられ、膵がんに対する腫瘍縮小効果に関する記載はない(非特許文献2)。
がん細胞においては、テロメア領域を伸長するテロメアーゼ酵素が高発現しており、細胞分裂においてもテロメアは短縮されることなく維持される。このためがん細胞は無制限に増殖し不老不死化すると考えられている。このとき、テロメア領域で過渡的に形成される高次構造の一つであるグアニン四重鎖を安定化すると、テロメアーゼが不活性化され、がん細胞がアポトーシスに誘導されることが考えられる。
本発明者らはこれまで、テロメア1本鎖領域で形成されるDNAの高次構造の一つであるグアニン四重鎖を安定化する低分子化合物の創製研究を行ってきている。具体的には、放線菌の二次代謝産物から単離された天然物テロメスタチン(Telomestatin、TMS)が、強力な抗腫瘍効果を示すことを見出している。特に難治性がんの一つである脳腫瘍グリオーマに対して、異種移植マウスのレベルで抗腫瘍効果を示すことを報告している(非特許文献3)。
Figure 2020017624
最近、本発明者らは、膵がん細胞株MIA Paca-2においても、テロメスタチンがゲムシタビンと同程度の増殖抑制効果を示す予備的な知見を得ている。また、その増殖抑制効果は、グリオーマ細胞に対する効果よりもIC50値の濃度標準で、一桁強力である。一方、テロメスタチンは、天然からの単離抽出が極めて困難であること、また、当該放線菌からの産生も極微量であり、大量供給が困難であるという問題点がある。さらに、テロメスタチンは、化学的に不安定であり、水、DMSOを含む様々な溶媒に難溶である(非特許文献4及び5)。
K. Chan et al., PLoS ONE, 2014, 9, e108749. 代謝拮抗性悪性腫瘍剤 ゲムシタビン点滴静注用200mg「TYK」/ゲムシタビン点滴静注用1g「TYK」/注射用ゲムシタビン塩酸塩、武田薬品工業株式会社、2016年10月改訂 D. Hasegawa, S. Okabe, K. Okamoto, I. Nakano, K. Sin-ya, and H. Seimiya, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2016, 471, 75-81. K. Shin-ya and H. Seto et al., J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 1262-1263. T. Doi, T. Takahashi et al., Org. Biomol. Chem., 2011, 9, 387.
そこで本発明は、テロメスタチンと同等であるか、又はそれ以上の腫瘍増殖抑制効果を有し、且つ大量合成が可能で、化学的な安定性、物性に優れた誘導体を有効成分とする抗膵がん剤等の抗がん剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、窒素が置換した芳香族側鎖を有する、大環状ヘキサオキサゾール誘導体を合成し、代表的な各種のがん細胞を用い活性評価を行ったところ、特定の誘導体ががん細胞に対し顕著な細胞増殖抑制活性を示すことを見出し、発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)次の一般式(1)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩。
Figure 2020017624

(式中、Meは、メチル基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R及びRの少なくとも一方は、p−NO−C−又はp−NR−C−であり、R及びRは、それぞれ独立してH、
Figure 2020017624

であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基又は−CFであり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はp−Me−C−であり、R及びRの他方は、−NH、−OH、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基又はp−OH−C−であってもよく、ただし、Rが、それぞれ独立して、炭素数3以上のアルキレン基であって、且つR及びRがともに
Figure 2020017624

である場合を除く。)
(2)一般式(1)で示される化合物が、次の一般式(2)で示される化合物である、上記(1)に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
Figure 2020017624

(式中、Meは、メチル基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、−NO又は−NRであり、R及びRは、それぞれ独立してH、
Figure 2020017624

であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基又は−CFであり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はp−Me−C−であり、ただし、Rが、それぞれ独立して、炭素数3以上のアルキレン基であって、且つR及びRがともに
Figure 2020017624

である場合を除く。)
(3)上記(1)に記載の一般式(1)で示される化合物、上記(2)に記載の一般式(2)に示される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする、抗がん剤。
(4)一般式(2)中、Rは、それぞれ独立して、メチレン基であり、Rは、それぞれ独立して、−NO又は−NRであり、R及びRは、それぞれ独立してH、又は
Figure 2020017624

であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である、上記(3)に記載の抗がん剤。
(5)がんが、膵がんである、上記(3)又は(4)に記載の抗がん剤。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2018−136579号の開示内容を包含する。
本発明の抗がん剤は、テロメスタチンと同等か、又はそれを超える腫瘍増殖抑制効果を持つ大環状ヘキサオキサゾール誘導体を有効成分とする。これらの誘導体は、人工的に合成することができ、また、安定性にも優れ、DMSO等への溶解性もテロメスタチンと比較して改善されている。
化合物1の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物2の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物3の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物4の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物5の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物7の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物8の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物9の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物10の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物11の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物12の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物13の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物14の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物15の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物16の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 D2H4−6M(4)OTDの濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 テロメスタチンの濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物6の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物5、6、7及び8のTRAPアッセイの結果を示す電気泳動図である。 化合物34の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物35の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物36の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物42の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物43の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物44の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物49の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物50の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物51の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物52の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物53の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物54の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物34の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物35の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物36の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物42の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物43の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物44の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物49の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物50の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物51の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物52の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物53の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。 化合物54の濃度に対する細胞生存率の変化を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。本発明に係る抗がん剤は、特定の構造を有する化合物を有効成分とするものであり、上記有効成分によるがん細胞に対する細胞増殖抑制作用及び/又は細胞死誘導作用に基づいて抗腫瘍活性を示すことができる。
[1.本発明の化合物]
本発明に係る抗がん剤は、下記の一般式(1)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする。なお、本明細書に記載する一般式及び構造式においては、光学異性体が存在する場合には、その全ての光学異性体を含むものである。
Figure 2020017624

式中、Meは、メチル基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R及びRの少なくとも一方は、p−NO−C−又はp−NR−C−であり、R及びRは、それぞれ独立してH、
Figure 2020017624

であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基又は−CFであり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はp−Me−C−であり、R及びRの他方は、−NH、−OH、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基又はp−OH−C−であってもよく、ただし、Rが、それぞれ独立して、炭素数3以上のアルキレン基であって、且つR及びRがともに
Figure 2020017624

である場合を除く。なお、本明細書において、「−C−」は、フェニレン基を指す。
好ましくは、本発明に係る抗がん剤は、下記の一般式(2)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする。
Figure 2020017624

式中、Meは、メチル基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、−NO又は−NRであり、R及びRは、それぞれ独立してH、
Figure 2020017624

であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基又は−CFであり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はp−Me−C−である。ただし、Rが、それぞれ独立して、炭素数3以上のアルキレン基であって、且つR及びRがともに
Figure 2020017624

である場合を除く。
上記一般式(1)及び(2)で示される化合物において、Rとしての炭素数1〜5のアルキレン基は、直鎖状のもののみならず、分岐鎖を有するアルキレン基も含まれる。炭素数1〜5のアルキレン基としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン,テトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、2,3−ジメチルテトラメチレン、ペンタメチレン基が挙げられる。
及びRとしての炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖を有するものであっても良い。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
また、Rとしての炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ基を挙げることができる。
特に、好ましい実施形態として、上記一般式(2)において、Rは、それぞれ独立して、メチレン基であり、Rは、それぞれ独立して、−NO又は−NRであり、R及びRは、それぞれ独立してH、又は
Figure 2020017624

であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である化合物が挙げられる。その中でも、Rがともにメチレン基であり、Rがともにニトロ基(−NO)である化合物が最も好ましい。
上記一般式(1)及び(2)で示される化合物は、塩とすることができる。例えば、上記一般式(1)で示される化合物に酸を付加することにより塩とすることができる。酸としてはこれらに限定されるわけではないが、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
[2.上記化合物の製造方法]
上記化合物の合成は、当業者に知られた有機化学における一般的な反応方法を適宜採用して行うことができる。一例として、上記一般式(2)において、Rがメチレンである化合物は、まず、一般式(2)のRがニトロ基である化合物を合成し、その化合物を還元してRがアミノ基である化合物に変換し、得られた化合物を出発物質として、各置換基を有する他の誘導体を合成することができる。
具体的には次のように行う。まず、市販のパラニトロフェニルアラニン(A)を原料とし、アミンをBocで保護し、加水分解後カルボン酸(C)を得る。次いで、スレオニンメチルエステル(I)と縮合を行い、化合物(D)を得る。化合物(D)に対しDASTを用いオキサゾリンを構築後、DBU存在下BrCClを反応させることでオキサゾールとし、メチルエステルを加水分解することでカルボン酸(F)を得る。カルボン酸(F)に対し、スレオニンとセリンから別途合成したオキサゾールアミン(J)をDMT−MMを縮合剤としてアミド化を行い化合物(G)を得る。化合物(G)に対し、先と同様にDASTによる環化反応、BrCClを用いたオキサゾール骨格の構築を行うことで、オキサゾールが3環連続して結合した化合物(H)を製造することができる。この反応は、再現性良く、大量に合成することができる(スキーム1)。
Figure 2020017624
三環性オキサゾール(H)をそれぞれBoc基の脱保護、及びメチルエステルの加水分解を行い、アミン(K)、カルボン酸(L)を得る。これらをDMT−MMを縮合剤としてアミド化を行い化合物(M)とし、化合物(M)のBoc基の脱保護、エステルの加水分解を順次行うことで、化合物(N)を得る。化合物(N)に対し、高希釈度条件下、DPPAを縮合剤として分子内マクロラクタム化を行うことで、目的とするテロメスタチン誘導体(O)を合成することができる。そして、化合物(O)のニトロ基を還元することで、テロメスタチン誘導体(P)を得ることができる(スキーム2)。本合成ルートを適用することで、化合物(O)及び化合物(P)を大量に合成することが可能である。また、得られる化合物(O)及び化合物(P)は化学的にも安定で、DMSO等への溶解性もテロメスタチンと比較して大幅に改善されている。
Figure 2020017624
上記一般式(2)において、Rが炭素数2〜5のアルキレン基である化合物は、スキーム3に示すとおり、上記合成ルート中(スキーム1)の化合物(C)を化合物(Q)等に変えて反応を行うことにより、化合物Wを経て、同様に合成できる。例えば、Rがトリメチレン基である化合物(Wb)の場合は、市販のアミノ酸誘導体(Qb)と化合物(I)をNMM、DMT−MM存在下で縮合し化合物(Rb)とし、ついでDAST、DBU−BrCClを順次反応させることでオキサゾール(Sb)を得る。オキサゾール(Sb)を加水分解しカルボン酸とした後、化合物(J)と脱水縮合することで化合物(Tb)を得、DAST、DBU−BrCClを順次反応させることでオキサゾール(Ub)を得る。オキサゾール(Ub)に対し、Grubbs第2世代触媒存在下パラニトロスチレンを反応させることでオレフィンメタセシス反応を行い、化合物(Vb)を得る。ついで、2重結合をL−Selectrideにより還元し、化合物(Wb)を得ることができる。
Figure 2020017624
[3.本発明の抗がん剤]
上記一般式(1)及び(2)で示される化合物は、各種のがん細胞に対して、優れた細胞増殖抑制効果を有する。すなわち、上記一般式(1)もしくは(2)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩は、抗がん剤における有効成分となる。
対象となるがんの種類としては、特に限定されることなく、種々のがん細胞に対して効果を発揮する。例として、肺がん、膵がん、乳がん、卵巣がん、肝がん、胃がん、大腸がん、神経膠芽腫、神経膠腫、腎臓がん、黒色腫、前立腺がん等が挙げられる。一態様において、対象とするがんは、膵がんである。
上記一般式(1)もしくは(2)の化合物又はその塩を有効成分として含有する抗がん剤を使用する際の薬学的投与形態としては、目的に応じて各種の薬学的投与形態を採用でき、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、液剤、丸剤、乳剤、懸濁剤等の経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、硬膏剤、貼付剤、エアゾール剤、点眼剤等の非経口剤のいずれでもよく、これら投与形態は、それぞれ当業者に公知慣用の製造方法により製造できる。
経口用固形製剤を調製する場合には、有効成分(すなわち、一般式(1)もしくは(2)の化合物)に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤等を製造することができる。賦形剤としては、例えば乳糖、蔗糖、澱粉、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等が、結合剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、アラビアゴム、シェラック、白糖等が、崩壊剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が、滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、タルク等が、矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が使用できる。その他、着色剤、矯臭剤等は通常公知のものを用いることができる。なお、錠剤は、必要に応じ周知の方法により通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠、その他、二重錠、多層錠とすることができる。
経口用液体製剤を調製する場合は、有効成分に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて、常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合、矯味剤としては上記に挙げられたもので良く、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が使用できる。
注射剤を調製する場合には、有効成分に、希釈剤、pH調製剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により静脈内、筋肉内、皮下、皮内並びに腹腔内用注射剤を製造できる。希釈剤としては、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。pH調製剤及び緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸、チオ乳酸等が使用できる。等張化剤としては塩化ナトリウム、ブドウ糖等が、局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が使用できる。
坐剤を調製する場合には、有効成分に基剤、さらに必要に応じて界面活性剤等を加えた後、常法により坐剤を製造することができる。基剤としては、例えばマクロゴール、ラノリン、カカオ油、脂肪酸トリグリセライド、ウィテップゾール(ダイナマイトノーベルズ社製)等の油性基剤を用いることができる。
軟膏剤を調製する場合は、有効成分に通常使用される基剤、安定化剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が、保存剤としてはパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が使用できる。
貼付剤を製造する場合は、通常の支持体に有効成分と前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すれば良い。支持体としては綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが使用できる。
さらに、上記各製剤には、必要に応じて、着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有せしめてもよい。
本発明の抗がん剤に含有されるべき有効成分(すなわち、上記一般式(1)もしくは(2)の化合物)の量は、特に限定されず広範囲より適宜選択されるが、通常それらの抗がん剤中1〜70重量%とするのが良い。
かくして得られる本発明の抗がん剤の投与方法は、特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別、その他の条件、疾患の程度等に応じて適宜決定される。例えば、注射剤形態の医薬製剤は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内投与等により投与され得る。これは必要に応じてブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与することもできる。錠剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤等の固剤形態や経口投与用液剤形態の本発明の抗がん剤は、経口投与又は経腸投与され得る。坐剤は直腸内投与できる。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき有効成分の量は、これを適用すべき患者の症状によりあるいはその剤型等により適宜設定できるが、一般に投与単位形態あたり経口剤では約1〜1000mg、注射剤では約0.1〜500mg、坐剤では約5〜1000mgとすることが望ましい。
また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別、その他の条件等に応じて適宜選択されるが、通常成人1日あたり約0.1〜1000mg/kg、好ましくは約1〜100mg/kgとすれば良く、これを1日1回又は2〜4回程度に分けて投与することができる。
次に、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.測定機器
フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル60(球形、粒径40〜100μm、関東化学)を用いた。分取薄層クロマトグラフィーは、PLCシリカゲル60F254(20×20cmガラスプレート、層厚0.5mm、Merck KGaA)、NH分取薄層クロマトグラフィーは、アミノ修飾型薄層クロマトグラフィープレート(20×20cmガラスプレート、層厚0.25mm、F254、富士シリシア)を用いた。旋光度は、ナトリウムD線を用いてJASCO P−2200偏光計で測定した。H及び13C NMRスペクトルは、JEOL JNM−AL 300、JNM−ECX 400又はJNM−ECA 500で測定し、溶媒として用いたCDClH NMR;δ=7.26ppm、13C NMR;δ=77.0ppm)又はDMSO−dH NMR;δ=2.50ppm、13C NMR;δ=39.5ppm)のシグナルを基準とした。H NMRのデータは以下のように報告する[化学シフト(δ,ppm)、多重度(s,シングレット;d,ダブレット;t,トリプレット;q,カルテット(化合物13、14);m,マルチプレット;br,ブロード)、積分値、カップリング定数(Hz)]。13C NMRのデータは、化学シフト(δ,ppm)に関して報告する。質量スペクトルは、JEOL JMS−T100LC分光計を用い、ESI−MSモードにてメタノール溶媒で測定した。
2.合成
実施例1:NO2Bn2−6M(4)OTD(化合物1)の合成
Figure 2020017624
Boc保護アミン18:非天然アミノ酸メチルエステル17(3.00g、11.5mmol)のジクロロメタン溶液(30mL)に、0℃下、トリエチルアミン(4.85mL、34.5mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.76g、12.7mmol)を加え、室温に昇温し、5時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5:1)にて精製し、Boc保護アミン18(3.65g、98%)を白色粉末として得た。
化合物データ18: [α]25 D = +58.2 (c 0.22, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.16 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.06-5.04 (br, 1H), 4.67-4.60 (br, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.27 (dd, J = 13.6, 5.9 Hz, 1H), 3.12 (dd, J = 13.8, 6.2 Hz, 1H), 1.41 (s, 9H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.6, 154.9, 147.1, 144.0, 130.2, 123.6, 80.3, 54.0, 52.5, 38.3, 28.3; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C15H20N2O6Na 347.1219, found 347.1189.
Figure 2020017624
アミド20:アミン18(3.42g、10.6mmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、40mL)に、水酸化リチウム一水和物(664mg、15.8mmol)を加え、室温で30分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整し、カルボン酸を得た。得られたカルボン酸の混合溶液に、4−メチルモルフォリン(2.33mL、21.1mmol)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(9.32g、31.7mmol)、スレオニンメチルエステル19(2.10g、15.8mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=5:1)にて精製し、アミド20(3.62g、81%、2工程)を白色粉末として得た。
化合物データ20: [α]25 D = -1.7 (c 0.36, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.16 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.57-4.54 (m, 1H), 4.45 (dt, J = 7.8, 6.9 Hz, 1H), 4.34 (br, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.28 (dd, J = 13.7, 6.4 Hz, 1H), 3.12 (dd, J = 14.0, 6.9 Hz, 1H), 1.40 (s, 9H), 1.18 (d, J = 6.4 Hz, 3H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.4, 171.2, 155.5, 146.9, 144.4, 130.3, 123.5, 80.5, 77.2, 68.0, 57.3, 55.0, 52.6, 38.1, 28.1, 19.7; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C19H27N3O8Na 448.1696, found 448.1685.
Figure 2020017624
モノオキサゾール21:アルゴン雰囲気下、アミド20(4.25g、10.0mmol)の脱水ジクロロメタン溶液(100mL)に、0℃下、炭酸ナトリウム(3.18g、30.0mmol)、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(1.60mL、12.0mmol)を加え、1時間撹拌した。飽和重曹水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をアルゴン雰囲気下、脱水ジクロロメタン溶液(100mL)に溶解させ、0℃下、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(2.24mL、15.0mmol)、ブロモトリクロロメタン(1.98mL、20.0mmol)を加え、16時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3:1)にて精製し、モノオキサゾール21(3.27g、81%、2工程)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ21: [α]25 D = -26.9 (c 0.52, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.28-5.13 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.37 (dd, J = 13.6, 6.5 Hz, 1H), 3.23 (dd, , J = 13.8, 6.9 Hz, 1H), 2.57 (s, 3H), 1.37 (s, 9H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 162.2, 160.7, 156.6, 154.6, 146.9, 143.6, 130.2, 127.3, 123.6, 80.4, 52.0, 49.4, 40.0, 28.1, 11.9; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C19H23N3O7Na 428.1434, found 428.1443.
Figure 2020017624
アミド23:モノオキサゾール21(450mg、1.11mmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、5.6mL)に、水酸化リチウム一水和物(70.0mg、1.66mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整し、カルボン酸を得た。得られたカルボン酸の混合溶液に、4−メチルモルフォリン(250μL、2.22mmol)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(980mg、3.33mmol)、アミン22(334mg、1.67mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=5:1)にて精製し、アミド23(510mg、80%、2工程)を黄色粉末として得た。
化合物データ23: [α]25 D = -53.5 (c 0.46, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.19 (s, 1H), 8.14 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.69 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.32-5.28 (m, 1H), 5.21-5.12 (m, 2H), 4.59-4.54 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.34 (dd, J = 13.8, 5.9 Hz, 1H), 3.19-3.15 (m, 2H), 2.60 (s, 3H), 1.40 (s, 9H), 1.27 (d, J = 6.5 Hz, 3H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 168.2, 164.0, 162.1, 161.4, 159.6, 154.7, 154.1, 146.9, 144.1, 144.0, 132.9, 130.3, 128.4, 123.5, 80.3, 77.2, 67.5, 54.7, 54.2, 52.3, 49.1, 39.5, 28.1, 19.3, 11.6; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C26H31N5O10Na 596.1969, found 596.1995.
Figure 2020017624
トリオキサゾール24:アルゴン雰囲気下、アミド23(510mg、890μmol)の脱水ジクロロメタン溶液(20mL)に、0℃下、炭酸ナトリウム(280mg、2.67mmol)、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(140μL、1.07mmol)を加え、45分撹拌した。飽和重曹水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をアルゴン雰囲気下、脱水ジクロロメタン溶液(10mL)に溶解させ、0℃下、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(1.33mL、8.90mmol)、ブロモトリクロロメタン(880μL、8.90mmol)を加え、14時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=7:1)にて精製し、トリオキサゾール24(390mg、79%、2工程)を黄色粉末として得た。
化合物データ24: [α]25 D = -11.4 (c 0.35, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.30 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 5.31-5.22 (m, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.42 (dd, J = 13.7, 6.4 Hz, 1H), 3.29 (dd, J = 13.5, 6.0 Hz, 1H), 2.80 (s, 3H), 2.69 (s, 3H), 1.41 (s, 9H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 161.5, 156.6, 154.7, 154.5, 151.1, 150.9, 147.0, 143.7, 143.4, 134.2, 130.3, 125.5, 124.7, 123.6, 80.5, 52.2, 49.6, 40.1, 28.2, 11.9, 11.8; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C26H27N5O9Na 576.1707, found 576.1671.
Figure 2020017624
ビストリオキサゾール27:トリオキサゾール24(860mg、1.55mmol)をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、140mL)に溶解させ、室温で1時間撹拌した後に、溶媒留去し、アミン25を得た。また、トリオキサゾール24(890mg、1.61mmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、160mL)に、水酸化リチウム一水和物(135mg、3.22mmol)を加え、室温で5分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整し、カルボン酸26を得た。得られたカルボン酸26の混合溶液に、4−メチルモルフォリン(1.10mL、9.66mmol)、DMT−MM(1.90g、6.44mmol)、アミン25を加え、室温で3.5時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=200:1)にて精製し、ビストリオキサゾール27(1.40g、89%、2工程)を黄色粉末として得た。
化合物データ27: [α]25 D = -5.3 (c 0.15, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.11 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.97 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.19-8.14 (m, 4H), 7.68-7.57 (m, 5H), 5.64-5.58 (m, 1H), 5.01-4.98 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.69-3.18 (m, 4H), 2.79 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.69 (s, 3H), 2.66 (s, 3H), 1.27 (s, 9H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 162.5, 161.9, 161.0, 159.7, 155.8, 155.2, 155.0, 154.2, 150.8, 150.5, 146.4, 145.8, 145.2, 142.2, 136.1, 133.2, 130.7, 130.7, 124.8, 124.7, 123.8, 123.7, 123.3, 123.2, 79.2, 78.5, 51.9, 49.2, 47.2, 37.6, 36.8, 28.0, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C46H42N10O15Na 997.2729, found 997.2685.
Figure 2020017624
アミン28:ビストリオキサゾール27(724mg、740μmol)をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、72mL)に溶解させ、室温で4.5時間撹拌した後に、溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=200:3)にて精製し、アミン28(493mg、75%)を黄色粉末として得た。
化合物データ28: [α]25 D = +44.6 (c 0.35, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.09 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.77 (br, 2H), 8.69 (s, 1H), 8.21-8.13 (m, 4H), 7.64 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.65-5.57 (m, 1H), 5.05 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.65-3.35 (m, 4H), 2.78 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.69 (s, 3H), 2.66 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 162.9, 161.9, 161.0, 159.7, 155.8, 155.1, 154.2, 154.1, 150.8, 150.8. 150.6, 146.4, 146.4, 145.8, 145.2, 142.2, 136.1, 133.2, 130.8, 130.7, 124.8, 124.7, 123.8, 123.7, 123.3, 123.3, 69.8, 51.9, 49.7, 47.2, 36.8, 31.3, 29.0, 23.6, 22.1, 13.9, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C41H34N10O13Na 897.2205, found 897.2167.
Figure 2020017624
NO2Bn2−6M(4)OTD(化合物1):アミン28(600mg、690μmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、240mL)に、水酸化リチウム一水和物(58.0mg、1.38mmol)を加え、室温で40分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整した後に、溶媒留去し、カルボン酸を得た。残渣をアルゴン雰囲気下、脱水ジメチルホルムアミド−ジクロロメタン(1:2、180mL)に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(469μL、2.76mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(169mg、1.38mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(1.50mL、6.90mmol)を加え、室温で10分撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=3:2)にて精製し、NO2Bn2−6M(4)OTD(化合物1)(440mg、76%、2工程)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ1: [α]25 D = +20.0 (c 0.25, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.86 (s, 2H), 8.22 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 8.08 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 7.29 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.66 (dt, J = 6.9, 5.5 Hz, 2H), 3.53-3.28 (m, 4H), 2.72 (s, 12H); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 162.3, 161.0, 158.9, 155.5, 154.1, 151.2, 150.9, 146.5, 144.0, 142.3, 135. 7, 130.9, 124.6, 123.7, 123.2, 79.2, 47.9, 35.8, 30.7, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C40H30N10O12Na 865.1942, found 865.1969.
実施例2:Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)の合成
Figure 2020017624
Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2):水素雰囲気下、NO2Bn2−6M(4)OTD(化合物1)(11.0mg、11.3μmol)のメタノール−テトラヒドロフラン−ジクロロメタンの混合溶液(3:1:1、5mL)に、10% Pd/C(11.0mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をセライトろ過(クロロホルム/メタノール=9:1)した後に溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=75:1)にて精製し、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(8.20mg、86%)を淡桃色粉末として得た。
化合物データ2: [α]25 D = +48.8 (c 0.16, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.85 (s, 2H), 8.25 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 6.36 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.42 (dt, J = 7.6, 5.2 Hz, 2H), 4.84 (br, 4H), 3.16 (dd, J = 13.6, 5.5 Hz, 2H), 3.05 (dd, J = 13.9, 5.5 Hz, 2H), 2.73 (s, 6H), 2.70 (s, 6H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 161.8, 158.8, 155.5, 155.5, 154.3, 150.8, 150.7, 147.3, 142.1, 136.0, 129.7, 124.7, 123.6, 122.4, 114.0, 79.2, 48.8, 38.5, 11.5, 11.4: HRMS (ESI, M+Na) calcd for C40H34N10O8Na 805.2459, found 805.2433.
実施例3:Ani Deriv.−Ac(化合物3)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−Ac(化合物3):Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(15.0mg、19.2μmol)をピリジン−無水酢酸の混合溶液(2:1、60μL)に溶解させ、室温で5時間攪拌した後に、溶媒留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:0.5)にて精製し、Ani Deriv.−Ac(化合物3)(16.0mg、96%)を白色粉末として得た。
化合物データ3: [α]25 D = +75.5 (c 0.75, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.83 (s, 2H), 8.83 (s, 2H), 8.22 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 6.86 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 5.51 (dt, J = 7.2, 5.2 Hz, 2H), 3.24 (br, 4H), 2.71 (s, 6H), 2.70 (s, 6H), 1.99 (s, 6H); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 168.1, 161.5, 158.8, 155.5, 154.2, 150.9, 142.2, 138.1, 135.9, 130.0, 129.5, 124.7, 123.6, 118.6, 79.2, 48.5, 24.0, 11.5; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C44H38N10O10Na 889.2670, found 889.2696.
実施例4:Ani Deriv.−Boc(化合物4)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−Boc(化合物4):Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(20.0mg、25.6μmol)のジクロロメタン溶液(500μL)に、0℃下、トリエチルアミン(14.4μL、102μmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(6.23mg、51.2μmol)、2−(tert−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル(63.0mg、256μmol)を加え、室温に昇温し、48時間攪拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:0.5)にて精製し、Ani Deriv.−Boc(化合物4)(4.6mg、18%)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ4: [α]25 D = +15.2 (c 0.46, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.24 (s, 2H), 8.83 (s, 2H), 8.36 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.88 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.51 (dt, J = 7.6, 5.9 Hz, 2H), 3.19 (br, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.70 (s, 6H), 1.43 (s, 18H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 162.3, 159.3, 156.0, 154.8, 153.2, 151.3, 142.7, 138.7, 136.5, 130.1, 129.7, 125.3, 124.2, 118.3, 79.7, 48.9, 29.5, 28.7, 12.0; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C50H50N10O12Na 1005.3507, found 1005.3466.
比較例1:Ani Deriv.−Cbz(化合物5)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−Cbz(化合物5):Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(20.0mg、25.6μmol)の水溶液(500μL)に、炭酸ナトリウム(5.42mg、51.1μmol)、クロロぎ酸ベンジル(10.8μL、76.7μmol)を加え、18.5時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=1:1)にて精製し、Ani Deriv.−Cbz(化合物5)(16.5mg、60%)を白色粉末として得た。
化合物データ5: [α]25 D = +63.3 (c 1.10, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.68 (s, 2H), 8.82 (s, 2H), 8.35 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.33 (m, 14H), 6.92 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.51 (dt, J = 7.8, 5.5 Hz, 2H), 5.10 (s, 4H), 3.22 (br, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.70 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 161.7, 158.8, 155.4, 154.3, 153.2, 150.8, 150.7, 142.1, 137.7, 136.6, 135.9, 129.7, 128.4, 127.9, 128.0, 124.7, 123.7, 117.8, 79.2, 65.6, 59.7, 48.3, 20.7, 14.1, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C56H46N10O12Na 1073.3194, found 1073.3213.
実施例5:Ani Deriv.−Ms(化合物6)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−Ms(化合物6):アルゴン雰囲気下、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(27.5mg、35.1μmol)のジクロロメタン溶液(500μL)に、0℃下、トリエチルアミン(31.4μL、224μmol)、メタンスルホニルクロリド(10.4μL、134μmol)を加え、24時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:1.5)にて精製し、Ani Deriv.−Ms(化合物6)(14.0mg、42%)を白色粉末として得た。
化合物データ6: [α]25 D = +28.8 (c 0.25, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.58 (s, 2H), 8.85 (s, 2H), 8.20 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.93 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.52 (dt, J = 7.5, 5.7 Hz, 2H), 3.20 (br, 4H), 2.91 (s, 6H), 2.74 (s, 6H), 2.71 (s, 6H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 161.4, 158.9, 155.5, 154.2, 151.0, 150.9, 142.2, 137.1, 135.8, 131.0, 130.2, 128.9, 124.7, 123.6, 119.6, 79.2, 48.5, 38.3, 11.5, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C42H38N10O12S2Na 961.2010, found 961.2059.
実施例6:Ani Deriv.−2Ms(化合物7)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−2Ms(化合物7):アルゴン雰囲気下、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(27.5mg、35.1μmol)のジクロロメタン溶液(500μL)に、0℃下、トリエチルアミン(31.4μL、224μmol)、メタンスルホニルクロリド(10.4μL、134μmol)を加え、24時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:1.5)にて精製し、Ani Deriv.−2Ms(化合物7)(7.0mg、18%)を白色粉末として得た。
化合物データ7: [α]25 D = +26.5 (c 0.34, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) 8.86 (s, 2H), 8.36 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 7.19 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.57 (dt, J = 6.9, 6.3 Hz, 2H), 3.48 (s, 12H), 3.43 (br, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.61 (s, 6H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 161.6, 159.0, 155.5, 154.2, 150.9, 142.2, 138.3, 135.8, 132.5, 130.8, 130.3, 124.7, 123.7, 69.8, 48.3, 42.9, 36.8, 25.1, 11.5, 11.3; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C44H42N10O16S4Na 1117.1561, found 1117.1582.
比較例2:Ani Deriv.−SCF3Bz(化合物8)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−SCF3Bz(化合物8):アルゴン雰囲気下、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(6.5mg、8.31μmol)のジクロロメタン溶液(200μL)に、0℃下、トリエチルアミン(4.00μL、40.0μmol)、4−(トリフルオロメチルチオ)ベンゾイルクロリド(3.19μL、19.2μmol)を加え、4時間撹拌した。蒸留水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:1)にて精製し、Ani Deriv.−SCF3Bz(化合物8)(5.0mg、53%)を白色粉末として得た。
化合物データ8: [α]25 D = +23.8 (c 0.37, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.3 (s, 2H), 8.85 (s, 2H), 8.24 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.97 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 7.59 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.97 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 5.55 (dt, J = 7.3, 5.5 Hz, 2H), 3.15 (br, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.71 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 164.4, 161.5, 158.8, 155.5, 154.2, 150.9, 142.2, 137.7, 137.6, 135.9, 135.8, 131.3, 129.6, 128.9, 126.3, 124.7, 123.6, 120.1, 79.2, 48.4, 29.0, 28.2, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C56H40F6N10O10S2Na 1213.2172, found 1213.2207.
実施例7:n−3 Ani2H4−6M(4)OTD(化合物9)の合成
Figure 2020017624
上述のスキーム3に従って化合物(Wb)を合成した後、実施例1及び2における化合物24を出発物質とする合成ルートに準じて、化合物9を得た。
化合物データ9: [α]25 D = +13.0 (c 0.75, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.86 (s, 2H), 8.30 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.77 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 6.44 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 5.34 (dt, J = 7.2, 5.5 Hz, 2H), 4.80 (s, 4H), 2.74 (s, 6H), 2.68 (s, 6H), 2.39 (br, 4H), 1.94 (br, 4H), 1.50 (br, 4H); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 162.2, 158.9, 155.5, 154.4, 151.1, 150.9, 146.4, 142.2, 135.9, 128.5, 128.4, 124.7, 123.7, 113.9, 79.2, 47.0, 33.8, 26.3, 11.5, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C44H42N10O8Na 861.3085, found 861.3097.
実施例8:n−3 Ani Deriv.−Ms(化合物10)の合成
Figure 2020017624
n−3 Ani Deriv.−Ms(化合物10):アルゴン雰囲気下、n−3 Ani2H4−6M(4)OTD(化合物9)(21.5mg、25.6μmol)のジクロロメタン溶液(500μL)に、0℃下、トリエチルアミン(13.0μL、128μmol)、メタンスルホニルクロリド(8.8μL、127μmol)を加え、24時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=50:1)にて精製し、n−3 Ani Deriv.−Ms(化合物10)(7.5mg、29%)を白色粉末として得た。
化合物データ10: [α]25 D = +8.00 (c 0.25, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.49 (s, 2H), 8.86 (s, 2H), 8.23 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 7.07 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.36 (dt, J = 6.9, 5.7 Hz, 2H), 2.90 (s, 6H), 2.74 (s, 6H), 2.69 (s, 6H), 1.96 (br, 4H), 1.57 (br, 2H), 1.55 (br, 4H), 1.31 (br, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 162.2, 158.9, 155.5, 154.3, 151.1, 151.0, 142.2, 137.0, 136.5, 135.8, 129.0, 124.7, 123.6, 120.3, 69.8, 57.5, 46.9, 33.8, 33.4, 26.0, 23.0, 19.2, 13.5, 11.5, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C46H46N10O12S2Na 1017.2636, found 1017.2636.
比較例4:n−3 Ani Deriv.−2Ms(化合物11)の合成
Figure 2020017624
n−3 Ani Deriv.−2Ms(化合物11):アルゴン雰囲気下、n−3 Ani2H4−6M(4)OTD(化合物9)(21.5mg、25.6μmol)のジクロロメタン溶液(500μL)に、0℃下、トリエチルアミン(25.9μL、256μmol)、メタンスルホニルクロリド(17.6μL、154μmol)を加え、24時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:1.5)にて精製し、n−3 Ani Deriv.−2Ms(化合物11)(21.5mg、73%)を白色粉末として得た。
化合物データ11: [α]25 D = +8.89 (c 0.27, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (s, 2H), 8.33 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 7.27 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 5.40 (dt, J = 7.5, 5.7 Hz, 2H), 3.48 (s, 12H), 2.74 (s, 6H), 2.69 (s, 6H), 2.65 (br, 4H), 2.01 (br, 4H), 1.61 (br, 4H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 162.2, 158.9, 155.5, 154.3, 151.1, 150.9, 144.0, 142.2, 135.8, 131.5, 130.8, 129.2, 124.7, 123.7, 79.2, 46.9, 42.9, 34.1, 33.8, 25.9, 11.5, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C48H50N10O16S4Na 1173.2187, found 1173.2226.
実施例9:Ani Deriv.−Ts(化合物12)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−Ts(化合物12):アルゴン雰囲気下、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(26.0mg、33.2μmol)のジクロロメタン溶液(200μL)に、0℃下、トリエチルアミン(18.6μL、133μmol)、p−TsCl(63.3mg、332μmol)を加え、4時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:0.5)にて精製し、Ani Deriv.−Ts(化合物12)(9.3mg、26%)を白色粉末として得た。
化合物データ12:[α]25 D = +30.4 (c 1.08, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.18 (s, 2H), 8.82 (s, 2H), 8.25 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 7.9 Hz, 4H), 7.28 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 6.90 (d, J = 7.6 Hz, 4H), 6.85 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 5.47 (dt, J = 5.9, 5.2 Hz, 2H), 3.18 (br, 4H), 2.72 (s, 6H), 2.64 (s, 6H), 2.27 (s, 6H); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 161.5, 158.8, 155.5, 154.2, 150.9, 143.1, 142.2, 136.7, 136.6, 135.9, 131.3, 130.0, 129.6, 124.7, 123.6, 119.9, 79.2, 48.4, 20.9, 11.5, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C54H46N10O12S2Na 1113.2636, found 1113.2623.
実施例10:Ani Deriv.−2EtSO(化合物13)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−2EtSO(化合物13):アルゴン雰囲気下、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(18.0mg、23.0μmol)のジクロロメタン溶液(400μL)に、0℃下、トリエチルアミン(32.3μL、230μmol)、EtSOCl(21.7μL、230μmol)を加え16時間攪拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:0.3)にて精製し、Ani Deriv.−2EtSO(化合物13)(15.2mg、45%)を白色粉末として得た。
化合物データ13[α]25 D = +100.8 (c 0.77, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.86 (s, 2H), 8.36 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 7.19 (d, J = 8.3 Hz, 4H), 5.57 (dt, J = 6.5, 6.5 Hz, 2H), 3.59 (q, J = 7.2 Hz, 8H), 3.3 (m, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.60 (s, 6H), 1.30 (t, J = 7.2 Hz, 12H); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 161.5, 159.0, 155.5, 154.2, 151.0, 142.3, 138.3, 135.8, 132.4, 131.3, 130.3, 124.7, 123.7, 79.2, 49.2, 48.4, 11.5, 11.3, 7.7; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C48H50N10O16S4Na 1173.2187, found 1173.2193.
実施例11:Ani Deriv.−EtSO(化合物14)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−EtSO(化合物14):Ani Deriv.−2EtSO(化合物13)(17.8mg、16.8μmol)の水溶液(300μL)に、TBAFのTHF溶液(18.5μL、18.5μmol)を滴下し、室温で8時間撹拌した。蒸留水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をNH分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:0.5)にて精製し、Ani Deriv.−EtSO(化合物14)(4.2mg、26%)を白色粉末として得た。
化合物データ14:[α]25 D = +59.1 (c 0.42, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.55 (s, 2H), 8.85 (s, 2H), 8.25 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.93 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 5.52 (dt, J = 5.7, 5.7 Hz, 2H), 3.24 (br, 4H), 3.00 (q, J = 6.9 Hz, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.70 (s, 6H), 1.13 (t, J = 6.9 Hz, 6H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 161.5, 158.8, 155.5, 154.2, 151.0, 142.2, 135.8, 131.0, 130.2, 124.7, 123.6, 119.4, 79.2, 48.5, 45.0, 11.5, 8.0; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C44H42N10O12S2Na 989.2323, found 989.2275.
比較例5:Ani Deriv.−Tf(化合物15)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−Tf(化合物15):アルゴン雰囲気下、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(10.0mg、12.8μmol)のジクロロメタン溶液(250μL)に、0℃下、トリエチルアミン(18.0μL、128μmol)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(12.6μL、76.7μmol)を加え、24時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:0.75)にて精製し、Ani Deriv.−Tf(化合物15)(6.7mg、50%)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ15:[α]25 D = +87.8 (c 0.67, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.64 (s, 2H), 8.84 (s, 2H), 8.26 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 7.04 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.54 (dt, J = 6.3, 5.7 Hz, 2H), 3.28 (br, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.67 (s, 6H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 161.5, 158.8, 155.5, 154.2, 150.9, 142.2, 135.8, 130.4, 128.4, 127.9, 124.7, 123.7, 122.9, 79.2, 48.3, 25.7, 11.5, 11.4; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C42H32F6N10O12S2Na 1069.1445, found 1069.1427.
実施例12:Ani Deriv.−COCF(化合物16)の合成
Figure 2020017624
Ani Deriv.−COCF(化合物16):アルゴン雰囲気下、Ani2H4−6M(4)OTD(化合物2)(20.0mg、25.6μmol)のアセトニトリル溶液(500μL)に、0℃下、トリエチルアミン(14.4μL、102.2μmol)、無水トリフルオロ酢酸(10.6μL、76.7μmol)を加え、5時間撹拌した後に溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:0.5)にて精製しAni Deriv.−COCF(化合物16)(18.5mg、74%)を白色粉末として得た。
化合物データ16:[α]25 D = +136 (c 1.89, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.15 (s, 2H), 8.85 (s, 2H), 8.15 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.97 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 5.55 (dt, J = 7.5, 5.7 Hz, 2H), 3.29 (br, 4H), 2.72 (s, 6H), 2.71 (s, 6H); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 161.3, 158.8, 155.5, 154.2, 151.2, 151.0, 142.2, 135.8, 135.1, 133.0, 129.9, 124.7, 123.6, 120.8, 117.6, 113.8, 79.2, 48.4, 11.5; HRMS (ESI, M+Na) calcd for C44H32F6N10O10Na 997.2105, found 997.2134.
実施例13:化合物34の合成
Figure 2020017624
ビストリオキサゾール31:トリオキサゾール29(258mg、480μmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、4.8mL)に、水酸化リチウム一水和物(30.2mg、720μmol)を加え、室温で50分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整し、カルボン酸を得た。得られたカルボン酸の混合溶液に、NMM(110μL、960μmol)、DMT−MM(424mg、1.44mmol)、アミン30(235mg、480μmol)を加え、室温で48時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=10:1)にて精製し、ビストリオキサゾール31(311mg、65%、2工程)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ31:[α]25 D = -30.7 (c 0.90, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.94 (s, 2H), 8.88 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 6.41 (m, 1H), 5.85-5.77 (m, 4H), 4.40 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.48-3.22 (m, 2H), 2.94-2.90 (m, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.67 (s, 3H), 2.65 (s, 3H), 2.11-2.01 (m, 2H), 1.96-1.90 (m, 2H), 1.41-1.38 (m, 2H), 1.34 (s, 9H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C47H50N10O15Na 1017.3354, found 1017.3326.
Figure 2020017624
アミン32:アルゴン雰囲気下、ビストリオキサゾール31(302mg、303μmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液(6mL)に、モルホリン(264μL、3.03mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(35.0mg、30.3μmol)を加え、室温で40分攪拌した後に媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:1)にて精製し、アミン32(212mg、77%)を黄色粉末として得た。
化合物データ32:[α]25 D = +37.7 (c 0.86, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.95 (s, 1H), 8.89 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.13 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.78 (m, J = 5.7 Hz, 1H), 5.21 (dt, J = 8.6, 5.7 Hz, 1H), 4.23 (dt, J = 7.5, 6.9 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.28-3.10 (m, 2H), 2.92 (m, 2H), 2.78 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.67 (s, 3H), 2.66 (s, 3H), 2.27 (br, 2H), 2.11-1.99 (m, 2H), 1.46-1.37 (m, 2H), 1.33 (s, 9H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C43H46N10O13Na 933.3143, found 933.3116.
Figure 2020017624
6OTD33(PhNO2-NHBoc):アミン32(150mg、165μmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、1.6mL)に、水酸化リチウム一水和物(10.4mg、248μmol)を加え、室温で30分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整した後に、溶媒留去し、カルボン酸を得た。残渣をアルゴン雰囲気下、脱水ジメチルホルムアミド−ジクロロメタン(1:2、54mL)に溶解させ、PrNEt(112μL、660μmol)、DMAP(40.3mg、330μmol)、DPPA(358μL、1.65mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=200:1)にて精製し、6OTD33(68.6mg、47%、2工程)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ33:[α]25 D = +2.73 (c 0.44, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.93 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.26 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.74 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 5.69 (dt, J = 6.9, 5.2 Hz, 1H), 5.31 (dt, J = 8.0, 5.2 Hz, 1H), 3.59-3.39 (m, 2H), 2.84-2.82 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.74 (d, J = 1.7 Hz, 6H), 2.70 (s, 3H), 2.02-1.97 (m, 2H), 1.88-1.82 (m, 2H), 1.30 (s, 9H), 1.10-0.82 (m, 2H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C42H42N10O12Na 901.2881, found 901.2883.
Figure 2020017624
化合物34:水素雰囲気下、6OTD33(5.05mg、5.75μmol)のメタノール−テトラヒドロフランの混合溶液(3:1、4mL)に、10%Pd/C(0.51mg)を加え、室温で6.5時間撹拌した。反応液をセライトろ過(クロロホルム/メタノール=9:1)した後に溶媒留去した。残渣をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、120μL)に溶解させ、室温で5分撹拌した後に、溶媒留去し、化合物34(4.30mg、99%)を白色粉末として得た。
化合物データ34:[α]25 D = +40.0 (c 0.23, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.92 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.22 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.67 (br. 2H), 6.99 (br, 2H), 6.89 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.59 (dt, J = 6.9, 5.2 Hz, 1H), 5.34 (dt, J = 7.5, 5.2 Hz, 1H), 3.66 (br, 2H), 3.41-3.22 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.74 (d, J = 2.3 Hz, 6H), 2.70 (s, 3H), 2.06-1.98 (m, 1H), 1.90-1.85 (m, 1H), 1.53-1.49 (m, 2H), 1.42-1.40 (m, 2H), 1.25-1.17 (m, 2H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C37H36N10O8Na 771.2615, found 771.2658.
実施例14:化合物35の合成
Figure 2020017624
化合物35:水素雰囲気下、6OTD33(25.7mg、29.2μmol)のメタノール−テトラヒドロフランの混合溶液(3:1、4mL)に、10%Pd/C(2.57mg)を加え、室温で6.5時間撹拌した。反応液をセライトろ過(クロロホルム/メタノール=9:1)した後に溶媒留去した。アルゴン雰囲気下、残渣をジクロロメタン溶液(600μL)に溶解させ、0℃下、トリエチルアミン(85.2μL、606μmol)、メタンスルホニルクロリド(23.5μL、303μmol)を加え、4.5時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、600μL)に溶解させ、室温で15分撹拌した後に、溶媒留去し、化合物35(26.4mg、98%)を白色粉末として得た。
化合物データ35:[α]25 D = +33.1 (c 0.29, MeOH); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.90 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.29 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.23 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.61 (br, 2H), 7.39 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.59 (dt, J = 6.9, 6.3 Hz, 1H), 5.37 (dt, J = 7.5, 5.2 Hz, 1H), 3.47 (s, 6H), 3.45-3.33 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.71 (s, 3H), 2.63 (s, 3H), 2.10-2.04 (m, 1H), 1.93-1.86 (m, 1H), 1.55-1.35 (m, 4H), 1.26-1.11 (m, 2H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C39H40N10O12S2Na 927.2166, found 927.2169.
実施例15:化合物36の合成
Figure 2020017624
化合物36:化合物35(10.8mg、10.7μmol)のテトラヒドロフラン溶液(200μL)に、TBAFのTHF溶液(11.8μL、11.8μmol)を滴下し、室温で20時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をNH分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:0.5)にて精製し、化合物36(4.50mg、51%)を白色粉末として得た。
化合物データ36:[α]25 D = +75.9 (c 0.29, MeOH); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.62 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.37 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.60 (br, 2H), 7.01 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.56 (dt, J = 6.3, 5.2 Hz, 1H), 5.36 (dt, J = 7.5, 5.2 Hz, 1H), 3.39-3.21 (m, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.74 (d, J = 1.7 Hz, 6H), 2.70 (s, 3H), 2.08-2.04 (m, 1H), 1.91-1.85 (m, 1H), 1.53-1.44 (m, 2H), 1.40-1.37 (m, 2H), 1.16-1.15 (m, 2H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C38H38N10O10SNa 849.2390 found 849.2402.
実施例16:化合物42の合成
Figure 2020017624
ビストリオキサゾール39:トリオキサゾール37(200mg、362μmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、8mL)に、水酸化リチウム一水和物(30.4mg、724μmol)を加え、室温で40分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整し、カルボン酸を得た。得られたカルボン酸の混合溶液に、NMM(79.6μL、724μmol)、DMT−MM(320mg、1.09mmol)、アミン38(177mg、362μmol)を加え、室温で48時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=9:1)にて精製し、ビストリオキサゾール39(266mg、74%、2工程)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ39:[α]25 D = -17.7 (c 1.13, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.11 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.14 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 8.06 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.90-5.78 (m, 1H), 5.65-5.57 (m, 1H), 5.23-5.17 (m, 2H), 5.14 (s, 2H), 4.88 (dt, J = 8.9, 5.9 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.66-3.52 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.22-2.99 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.68 (s, 3H), 2.64 (s, 3H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C47H43N9O15Na 996.2776, found 996.2758.
Figure 2020017624
アミン40:アルゴン雰囲気下、ビストリオキサゾール39(394mg、405μmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液(4mL)に、モルホリン(353μL、4.05mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(46.8mg、40.5μmol)を加え、室温で20分攪拌した後に媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=200:1)にて精製し、アミン40(302mg、83%)を黄色粉末として得た。
化合物データ40:[α]25 D = +13.1 (c 0.58, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.10 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.97 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.15 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.62-5.56 (m, 1H), 5.12 (s, 2H), 4.11 (dt, J = 7.2, 6.9 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.73-3.56 (m, 2H), 3.34 (s, 3H), 3.07-2.88 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.67 (s, 3H), 2.64 (s, 3H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C43H39N9O13Na 912.2565, found 912.2557.
Figure 2020017624
6OTD41(PhNO2-PhOMOM):アミン40(302mg、339μmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、4mL)に、水酸化リチウム一水和物(21.3mg、509μmol)を加え、室温で20分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整した後に、溶媒留去し、カルボン酸を得た。残渣をアルゴン雰囲気下、脱水ジメチルホルムアミド−ジクロロメタン(1:2、120mL)に溶解させ、PrNEt(231μL、1.36mmol)、DMAP(82.8mg、678μmol)、DPPA(735μL、3.39mmol)を加え、室温で5.5時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=200:1)にて精製し、6OTD41(207mg、71%、2工程)を黄色粉末として得た。
化合物データ41:[α]25 D = +92.0 (c 0.61, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.89 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.19 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.00 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.80 (s, 2H), 5.66 (dt, J = 6.9, 5.5 Hz, 1H), 5.52 (dt, J = 6.9, 5.0 Hz, 1H), 5.10-5.05 (m, 2H), 3.56-3.51 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.20-3.16 (m, 2H), 2.73 (s, 6H), 2.72 (s, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C42H35N9O12Na 880.2302, found 880.2284.
Figure 2020017624
化合物42:水素雰囲気下、6OTD41(15.6mg、19.9μmol)のメタノール−テトラヒドロフランの混合溶液(1:1、7mL)に、10%Pd/C(1.56mg)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液をセライトろ過(クロロホルム/メタノール=9:1)した後に溶媒留去した。残渣をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、200μL)に溶解させ、室温で1時間撹拌した後に、溶媒留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:1)にて精製し、化合物42(7.60mg、49%)を白色粉末として得た。
化合物データ42:[α]25 D = +68.7 (c 0.60, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.18 (br, 1H), 8.83 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 8.28 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.59 (dd, J = 8.6, 8.0 Hz, 4H), 6.37 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.48-5.41 (m, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.25-3.05 (m, 4H), 2.73 (s, 6H), 2.69 (s, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C40H33N9O9Na 806.2298, found 806.2273.
実施例17:化合物43の合成
Figure 2020017624
化合物43:水素雰囲気下、6OTD41(193mg、225μmol)のメタノール−テトラヒドロフランの混合溶液(1:1、7mL)に、10%Pd/C(19.3mg)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液をセライトろ過(クロロホルム/メタノール=9:1)した後に溶媒留去した。アルゴン雰囲気下、残渣をジクロロメタン溶液(4.5mL)に溶解させ、0℃下、トリエチルアミン(632μL、4.50mmol)、メタンスルホニルクロリド(174μL、2.25mmol)を加え、9時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、1.1mL)に溶解させ、室温で40分撹拌した後に、溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=200:1)にて精製し、化合物43(158mg、75%)を白色粉末として得た。
化合物データ43:[α]25 D = +27.9 (c 1.45, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.21 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.64 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.67 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.55 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.58 (dt, J = 7.8, 6.9 Hz, 1H), 5.51 (dt, J = 7.3, 4.6 Hz, 1H), 3.49 (s, 6H), 3.43-3.12 (m, 4H), 2.73 (s, 3H), 2.720 (s, 3H), 2.716 (s, 3H), 2.59 (s, 3H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C42H37N9O13S2Na 962.1849, found 962.1850.
実施例18:化合物44の合成
Figure 2020017624
化合物44:化合物43(93.0mg、94.5μmol)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)に、TBAFのTHF溶液(104μL、104μmol)を滴下し、室温で4時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=400:3)にて精製し、化合物44(70.0mg、98%)を白色粉末として得た。
化合物データ44:[α]25 D = +136 (c 0.55, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.20 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.33 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.56 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.54-5.45 (m, 2H), 3.40-3.10 (m, 4H), 2.91 (s, 3H), 2.73-2.68 (m, 13H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C41H35N9O11SNa 884.2074, found 884.2072.
実施例19:化合物49の合成
Figure 2020017624
ビストリオキサゾール46:トリオキサゾール29(1.63g、3.03mmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、60mL)に、水酸化リチウム一水和物(191mg、4.55mmol)を加え、室温で20分撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整し、カルボン酸を得た。得られたカルボン酸の混合溶液に、NMM(693μL、6.06mmol)、DMT−MM(2.68g、9.09mmol)、アミン45(1.40g、3.03mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2:3)にて精製し、ビストリオキサゾール46(2.18g、90%、2工程)を黄色粉末として得た。
化合物データ46:[α]25 D = +28.2 (c 0.22, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.97 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.63 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 8.12 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.84-5.77 (m, 1H), 5.36-5.32 (m, 1H), 5.19-5.06 (m, 3H), 4.40 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 4.20-4.09 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.52-3.31 (m, 2H), 2.79 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.68 (s, 6H), 0.82 (s, 9H), 0.03 (d, J = 9.3 Hz, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C45H49N9O14SiNa 990.3065, found 990.3036.
Figure 2020017624
アミン47:アルゴン雰囲気下、ビストリオキサゾール46(108mg、112μmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液(2mL)に、モルホリン(97.6μL、1.12mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(38.8mg、33.6μmol)を加え、室温で10分攪拌した後に溶媒留去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=500:4)にて精製し、アミン47(62.0mg、63%)を黄色粉末として得た。
化合物データ47:[α]25 D = +60.0 (c 0.49, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.95 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.58 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.35 (dt, J = 8.2, 6.0 Hz, 1H), 4.26-4.10 (m, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.16-3.10 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.68 (s, 3H), 2.66 (s, 3H), 0.82 (s, 9H), 0.03 (d, J = 11.9 Hz, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C41H45N9O12SiNa 906.2854, found 906.2831.
Figure 2020017624
6OTD48(PhNO2-OTBS):アミン47(1.22g、1.38mmol)のテトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1、28mL)に、水酸化リチウム一水和物(86.9mg、2.07mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。0℃下、3N塩酸にて中性に調整した後に、溶媒留去し、カルボン酸を得た。残渣をアルゴン雰囲気下、脱水ジメチルホルムアミド−ジクロロメタン(1:2、450mL)に溶解させ、PrNEt(939μL、5.52mmol)、DMAP(337mg、2.76mmol)、DPPA(2.99mL、13.8mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。1.2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:1)にて精製し、6OTD48(735mg、54%、2工程)を淡黄色粉末として得た。
化合物データ48:[α]25 D = +19.5 (c 0.41, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.90 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.25 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.68 (dt, J = 7.2, 5.2 Hz, 1H), 5.31 (dt, J = 6.9, 4.1 Hz, 1H), 4.06 (br, 2H), 3.56-3.41 (m, 2H), 2.75 (s, 9H), 2.70 (s, 3H), 0.75 (s, 9H), -0.07 (d, J = 6.9 Hz, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C40H41N9O11SiNa 874.2592, found 874.2571.
Figure 2020017624
化合物49:水素雰囲気下、6OTD48(60.0mg、70.4μmol)のメタノール−テトラヒドロフランの混合溶液(3:1、1.2mL)に、10%Pd/C(6.0mg)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液をセライトろ過(クロロホルム/メタノール=9:1)した後に溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=150:1)にて精製し、化合物49(37.0mg、71%)を淡桃色粉末として得た。
化合物データ49:[α]25 D = +18.0 (c 0.69, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.88 (s, 2H), 8.30 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.36 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.44 (dt, J = 7.2, 4.8 Hz, 1H), 5.31 (dt, J = 7.6, 4.1 Hz, 1H), 4.94 (br, 2H), 4.05 (br, 2H), 3.24-3.05 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 2.71 (s, 3H), 2.69 (s, 3H), 0.77 (s, 9H), -0.06 (d, J = 7.9 Hz, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C40H43N9O9SiNa 844.2850, found 844.2839.
実施例20:化合物50の合成
Figure 2020017624
化合物50:化合物49(8.5mg、10.3μmol)をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、200μL)に溶解させ、室温で1.5時間撹拌した後に、溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:2)にて精製し、化合物50(7.30mg、99%)を淡桃色粉末として得た。
化合物データ50:[α]25 D = +229 (c 0.63, MeOH); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.89 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.39 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.35 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.45 (dt, J = 7.3, 4.6 Hz, 1H), 5.29 (dt, J = 7.8, 4.1 Hz, 1H), 5.23 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 4.82 (br, 2H), 3.88-3.81 (m, 2H), 3.23-3.05 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.72 (s, 3H), 2.69 (s, 3H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C34H29N9O9Na 730.1985, found 730.1971.
実施例21:化合物51の合成
Figure 2020017624
化合物51:アルゴン雰囲気下、化合物49(12.0mg、11.9μmol)のジクロロメタン溶液(200μL)に、0℃下、トリエチルアミン(7.22μL、71.4μmol)、メタンスルホニルクロリド(2.76μL、35.7μmol)を加え、30分撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:1)にて精製し、化合物51(11.6mg、81%)を白色粉末として得た。
化合物データ51:[α]25 D = +50.1 (c 0.87, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.91 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.54 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.15 (d, J =6.9 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.58 (dt, J = 7.2, 6.5 Hz, 1H), 5.33 (dt, J = 3.4, 3.1 Hz, 1H), 4.09 (br, 2H), 3.48 (s, 6H), 3.29-2.85 (m, 2H), 2.74 (s, 6H), 2.71 (s, 3H), 2.61 (s, 3H), 0.76 (s, 9H), -0.06 (s, J = 5.5 Hz, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C47H47N9O13S2SiNa 1000.2401, found 1000.2373.
実施例22:化合物52の合成
Figure 2020017624
化合物52:化合物51(8.20mg、8.38μmol)をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合溶液(5:1、180μL)に溶解させ、室温で3時間撹拌した後に、溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:1)にて精製し、化合物52(4.60mg、64%)を白色粉末として得た。
化合物データ52:[α]25 D = +276.5 (c 0.34, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.89 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.39 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.60 (dt, J = 7.2, 6.2 Hz, 1H), 5.27 (dt, J = 6.9, 5.5 Hz, 1H), 5.26 (br, 1H), 3.87 (br, 2H), 3.47 (s, 6H), 3.50-3.42 (m, 2H), 2.74 (s, 6H), 2.70 (s, 3H), 2.62 (s, 3H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C36H33N9O13S2Na 886.1536, found 886.1527.
実施例23:化合物53の合成
Figure 2020017624
化合物53:アルゴン雰囲気下、化合物49(32.9mg、40.0μmol)のジクロロメタン溶液(400μL)に、0℃下、トリエチルアミン(112μL、800μmol)、メタンスルホニルクロリド(31.0μL、400μmol)を加え、3.5時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をNH分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル/メタノール=3:2:0.5)にて精製し、化合物53(3.70mg、10%)を白色粉末として得た。
化合物データ53:[α]25 D = +30.2 (c 0.37, CHCl3); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.60 (br, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.21 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 5.54 (dt, J = 6.2, 5.9 Hz, 1H), 5.32 (br, 1H), 4.06 (br, 2H), 3.29-3.16 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 2.91 (s, 3H), 2.75 (s, 3H), 2.72 (s, 3H), 2.70 (s, 3H), 0.76 (s, 9H), -0.06 (d, J = 7.2 Hz, 6H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C41H45N9O11SSiNa 922.2626, found 922.2610.
実施例24:実施例54の合成
Figure 2020017624
化合物54:化合物51(8.70mg、8.89μmol)のテトラヒドロフラン溶液(180μL)に、TBAFのTHF溶液(9.78μL、9.78μmol)を滴下し、室温で5時間撹拌した。蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後溶媒留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=150:1)にて精製し、化合物54(3.30mg、47%)を白色粉末として得た。
化合物データ54:[α]25 D = +146 (c 0.64, MeOH); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.61 (br, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.55 (dt, J = 6.9, 4.8 Hz, 1H), 5.27 (br, 1H), 5.25 (dt, J = 7.6, 7.2 Hz, 1H), 3.85 (br, 2H), 3.30-3.16 (m, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.75 (s, 6H), 2.73 (s, 3H), 2.70 (s, 3H); HRMS (ESI, M+Na) calcd for C35H31N9O11SNa 808.1761, found 808.1744.
3−1.活性評価(1)
膵がん細胞3種(MIA Paca2、NOR-P1、PANC1)に対する増殖抑制効果について調べた。具体的には、膵がん細胞を、下記のテロメスタチン及びD2H4−6M(4)OTD、並びに上記で合成したテロメスタチン誘導体(化合物1〜16)で処理し、6日間培養を行った後、これらの増殖抑制効果をIC50値として算出した。各化合物についての濃度に対する細胞生存率の変化を図1〜18に示す。また、IC50値の算出結果を表1に示す。なお、DMSOでのみ処理した細胞をコントロールとして算出を行った。また、表1において、IC50値を算出できなかったものは、最大濃度(10.000μM)を記載している。
Figure 2020017624
Figure 2020017624
評価を行った結果、テロメスタチンはMIA Paca2、NOR-P1に対して増殖抑制活性が強いものの、PANC1には強い増殖抑制効果を示さなかった。一方、実施例1〜12で合成した化合物1〜4、6、7、9、10、12〜14及び16は、一種以上の膵がん細胞に対して強い増殖抑制活性を有していた。特に、化合物1、2、6、7、13、14及び16は、テロメスタチンと同等以上の活性を有していた。また、化合物1及び2は、がん細胞株非特異的に極めて強い増殖抑制効果を有することが明らかとなった。
3−2.活性評価(2)
肺がん細胞7種(NCI-H23、NCI-H226、NCI-H522、NCI-460、A549、DMS273、DMS114)、大腸がん細胞5種(HCC2998、KM-12、HT-29、HCT-15、HCT-116)、胃がん細胞6種(St-4、MKN1、MKN7、MKN28、MKN45、MKN74)、乳がん細胞5種(HBC-4、BSY-1、HBC-5、MCF-7、MDA-MB-231)、卵巣がん細胞5種(OVCAR-3、OVCAR-4、OVCAR-6、OVCAR-8、SK-OV-3)、神経膠芽腫細胞6種(U-251、SF-268、SF295、SF-539、SNB-75、SNB-78)、腎臓がん細胞2種(RXF-631L、ACHN)、黒色腫細胞1種(LOX-IMV1)、前立腺がん細胞2種(DU145、PC-3)、膵がん細胞9種(PK1、PK8、PK-45H、PK-45P、PK-59、KML-1、NOR-P1、PANC1、MIA Paca2)に対する増殖抑制効果について調べた。具体的には、上記がん細胞を、上記で合成したテロメスタチン誘導体(化合物6)で処理し、6日間培養を行った後、これらの増殖抑制効果をIC50値として算出した。各化合物についての濃度に対する細胞生存率の変化を図19〜38に示す。
図19〜38に示すように、化合物6は、各種がん細胞に対して増殖抑制効果を示すことが明らかとなった。
3−3.テロメラーゼ阻害活性評価
テロメア配列が形成するグアニン4重鎖の安定化は、テロメラーゼ活性を阻害する。したがって、化合物のテロメラーゼの阻害活性を評価することにより、当該化合物のグアニン4重鎖安定化活性を検証することが可能である。本実施例では、TRAP(telomeric repeat amplification protocol)アッセイにより、前立腺がん細胞株PC3の抽出液におけるテロメラーゼ活性に対する化合物の影響を評価した。
まず、100,000個の前立腺がん細胞株PC3を200μLのTRAPライシスバッファーにて溶解させた後、30分間氷上に静置した。4℃において15,000rpmで遠心し、上清をTRAP溶解液とした。このTRAP溶解液(2.0μL)に、10×PCRバッファー(10μL)、dNTP(2.5mM、1.0μL)、TSプライマー(5’-d[AAT CCG TCG AGC AGA GTT]-3’(配列番号1)、50ng/μL、2.0μL)、TSNTプライマー(5’-d[AAT CCG TCG AGC GAG TTA AAA GGC CGA GAA GCG AT]-3’(配列番号2)、0.2pM、0.5μL)、DEPC(ジエチルピロカーボネート)処理したMilliQ(30μL)、種々の濃度(1μM及び10μM)の化合物5、6、7及び8(DMSO溶液、5.0μL)を加え、氷上で30分間静置した。テロメラーゼ反応を20℃、30分間行った後、この反応物にNTプライマー(5’-d[ATC GCT TCT CGG CCT TTT]-3’(配列番号3)、10μM、2.0μL)、ACXプライマー(5’-d[GCG CGG CTT ACC CTT ACC CTT ACC CTA ACC]-3’(配列番号4)、10μM、2.0μL)、Gene Taq(0.5μL)を加えた。この混合物を、以下のプロトコールでPCRを27サイクル行った(1サイクル:94℃、25秒→50℃、25秒→72℃、45秒)。それぞれのPCR反応物5.0μLと10×ローディングバッファー1.0μLを混合し、10%非変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した(100V、10分→200V、55分)。ゲルをSYBR Green Iで染色し、バンドを検出した。
その結果、図39に示すように、化合物5及び8と比較して、本発明に係る化合物6及び7は、前立腺がん細胞株PC3におけるテロメラーゼ活性を阻害していることが明らかとなった。この結果とFRET融解アッセイの結果から、化合物6及び7は、テロメア等のグアニン4重鎖を安定化することで、がんに対する治療効果を発揮すると推察された。
3−4.活性評価(3)
化合物34〜36、42〜44及び49〜54について、神経膠腫幹細胞GSC157、非幹神経膠腫細胞NSGC157、膵がん細胞3種(MIA Paca2、NOR-P1、PANC1)に対する増殖抑制効果を調べた。具体的には、上記がん細胞を、上記で合成したテロメスタチン誘導体(化合物34〜36、42〜44及び49〜54)で処理し、6日間培養を行った後、これらの増殖抑制効果をIC50値として算出した。各化合物についての濃度に対する細胞生存率の変化を図40〜63に示す。また、IC50値の算出結果を表2に示す。表2において、IC50値を算出できなかったものは、最大濃度(10.000μM)を記載している。
Figure 2020017624
図40〜63及び表2に示すように、化合物34〜36、42〜44及び49〜54は、各種がん細胞に対して増殖抑制効果を示した。また、本発明に係るG4リガンドにより、がん幹細胞性を消失させたNSGC157に比べて、がん幹細胞性を保持したGSC157の方が細胞増殖がより強く抑制されることが明らかとなった。
3−5.テロメラーゼ阻害活性評価
TRAPアッセイにより、前立腺がん細胞株PC3の抽出液におけるテロメラーゼ活性に対する化合物の影響を評価した。
まず、100,000個の前立腺がん細胞株PC3を200μLのTRAPライシスバッファーにて溶解させた後、30分間氷上に静置した。4℃において15,000rpmで遠心し、上清をTRAP溶解液とした。このTRAP溶解液(2.0μL)に、10×PCRバッファー(10μL)、dNTP(2.5mM、1.0μL)、TSプライマー(5’-d[AAT CCG TCG AGC AGA GTT]-3’(配列番号1)、50ng/μL、2.0μL)、TSNTプライマー(5’-d[AAT CCG TCG AGC GAG TTA AAA GGC CGA GAA GCG AT]-3’(配列番号2)、0.2pM、0.5μL)、DEPC(ジエチルピロカーボネート)処理したMilliQ(30μL)、種々の濃度の化合物(化合物34〜36、42〜44及び49〜54、DMSO溶液、5.0μL)を加え、氷上で30分間静置した。テロメラーゼ反応を20℃、30分間行った後、この反応物にNTプライマー(5’-d[ATC GCT TCT CGG CCT TTT]-3’(配列番号3)、10μM、2.0μL)、ACXプライマー(5’-d[GCG CGG CTT ACC CTT ACC CTT ACC CTA ACC]-3’(配列番号4)、10μM、2.0μL)、Gene Taq(0.5μL)を加えた。この混合物を、以下のプロトコールでPCRを27サイクル行った(1サイクル:94℃、25秒→50℃、25秒→72℃、45秒)。それぞれのPCR反応物5.0μLと10×ローディングバッファー1.0μLを混合し、10%非変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した(100V、10分→200V、55分)。ゲルをSYBR Green Iで染色し、バンドを検出した。
前立腺がん細胞株PC3におけるテロメラーゼ活性の阻害に関して、各化合物について求めたIC50値を表3に示す。表3の結果とFRET融解アッセイの結果から、特に化合物34〜36、42〜44、50、52及び54は、テロメア等のグアニン4重鎖を安定化することで、がんに対する治療効果を発揮すると推察された。
Figure 2020017624
3−6.溶解性評価
特開2016−94415号公報に開示される化合物Y2H2−6M(4)OTD(本願の一般式(2)において、Rがメチレン基であり、Rが−OHである化合物)、化合物43及び化合物50に関して、溶解性を評価した。上記3化合物はいずれも、10mMのジメチルスルホキシド溶液で保存する。この際、Y2H2−6M(4)OTDは白濁し完全に溶解しないが、化合物43及び化合物50は容易に溶解する。また、1mMのジメチルスルホキシド溶液では、3化合物とも溶解する。なお、化合物は−20℃にて保存するが、Y2H2−6M(4)OTDは冷凍及び解凍を繰り返すことにより、ジメチルスルホキシドに対する溶解度は低下する。
また、合成過程において、Y2H2−6M(4)OTDはアルコール溶媒(メタノールやエタノール)や酢酸エチル等に難溶であり、反応系濃度の低下や使用する溶媒の限定が難点である。一方、化合物43及び化合物50は、種々有機溶媒に対する溶解性が高く、合成における溶解性の問題は特にない。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (5)

  1. 次の一般式(1)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2020017624

    (式中、Meは、メチル基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R及びRの少なくとも一方は、p−NO−C−又はp−NR−C−であり、R及びRは、それぞれ独立してH、
    Figure 2020017624

    であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基又は−CFであり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はp−Me−C−であり、R及びRの他方は、−NH、−OH、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基又はp−OH−C−であってもよく、ただし、Rが、それぞれ独立して、炭素数3以上のアルキレン基であって、且つR及びRがともに
    Figure 2020017624

    である場合を除く。)
  2. 一般式(1)で示される化合物が、次の一般式(2)で示される化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2020017624

    (式中、Meは、メチル基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、−NO又は−NRであり、R及びRは、それぞれ独立してH、
    Figure 2020017624

    であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基又は−CFであり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はp−Me−C−であり、ただし、Rが、それぞれ独立して、炭素数3以上のアルキレン基であって、且つR及びRがともに
    Figure 2020017624

    である場合を除く。)
  3. 請求項1に記載の一般式(1)で示される化合物、請求項2に記載の一般式(2)に示される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩を有効成分とする、抗がん剤。
  4. 一般式(2)中、Rは、それぞれ独立して、メチレン基であり、Rは、それぞれ独立して、−NO又は−NRであり、R及びRは、それぞれ独立してH、又は
    Figure 2020017624

    であり、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である、請求項3に記載の抗がん剤。
  5. がんが、膵がんである、請求項3又は4に記載の抗がん剤。
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