JPWO2020012821A1 - 複合部材 - Google Patents

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Abstract

複数のダイヤモンド粒子と前記ダイヤモンド粒子同士を結合する金属マトリクスとを有する複合材料と、前記複合材料の表面の少なくとも一部を覆う金属めっき層とを備え、前記ダイヤモンド粒子における前記金属めっき層に接する表面に、アモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層を有する複合部材。

Description

本開示は、複合部材に関する。本出願は、2018年7月12日に出願した日本特許出願である特願2018−132580号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
特許文献1,2は、半導体素子の放熱部材として、Ag,Cuなどの金属マトリクス中に、ダイヤモンド粒子を分散させ複合した複合材料を開示する。特許文献1,2には、複合材料の表面にめっきや真空蒸着などによって金属層を形成することが開示されている。
特開2004−197153号公報 国際公開第2016/035795号
本開示の一態様に係る複合部材は、
複数のダイヤモンド粒子と前記ダイヤモンド粒子同士を結合する金属マトリクスとを有する複合材料と、
前記複合材料の表面の少なくとも一部を覆う金属めっき層とを備え、
前記ダイヤモンド粒子における前記金属めっき層に接する表面に、アモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層を有する。
実施形態に係る複合部材を模式的に示す概略部分断面図である。 実施形態に係る複合部材に備える複合材料の表層に存在するダイヤモンド粒子表面のC−K端XAFSスペクトルの一例を示す図である。 実施形態に係る複合部材に備える複合材料の表層に存在するダイヤモンド粒子表面のC−K端XAFSスペクトルの一例を示す図である。
[本開示が解決しようとする課題]
一般に、半導体素子と放熱部材とは半田によって接合される。放熱部材がダイヤモンド粒子と金属マトリクスとの複合材料からなる場合、複合材料の表層にダイヤモンド粒子が露出していることがある。ダイヤモンドは半田との濡れ性に劣る。そのため、複合材料を放熱部材に用いる場合、複合材料の表面に半田の下地層として金属層を形成する必要がある。
複合材料の表面に金属層を形成する方法の1つとして、複合材料の表面にめっきを行って、金属めっき層を形成することが挙げられる。しかしながら、複合材料の表層にダイヤモンド粒子が露出していると、ダイヤモンド粒子とめっきとの密着性が低い。よって、半田付け時や耐熱試験において、ダイヤモンド粒子とめっきとの界面に膨れが発生する場合がある。したがって、複合材料と金属めっき層との密着性を向上することが望まれる。
複合材料とめっきとの密着性を向上する方法の1つとして、複合材料の表面にシランカップリング処理を行い、複合材料の表層におけるダイヤモンド粒子の表面を改質して、ダイヤモンド粒子とめっきとの密着性を改善することが考えられる。しかし、この場合、シランカップリングの前処理として、ダイヤモンド粒子の表面を酸化処理する必要がある。この酸化処理で使用される酸の影響で金属マトリクスがダメージを受ける。そのため、複合材料の表層が荒れ、金属マトリクスとめっきとの密着性が低下する虞がある。
そこで、本開示は、複合材料と金属めっき層との密着性に優れる複合部材を提供することを目的の一つとする。
[本開示の効果]
本開示の複合部材は、複合材料と金属めっき層との密着性に優れる。
[本開示の実施形態の説明]
本発明者らは、ダイヤモンド粒子と金属マトリクスとの複合材料の表面に密着性の高い金属めっき層を形成する技術について種々検討した結果、以下の知見を得た。複合材料の表面をイオンエッチングして、複合材料の表層におけるダイヤモンド粒子の表面をアモルファス化、或いは、複合材料の表面を放電加工して、複合材料の表層におけるダイヤモンド粒子の表面をグラファイト化する。これにより、ダイヤモンド粒子とめっきとの密着性を改善でき、金属めっき層の密着性が向上することを見出した。また、イオンエッチングや放電加工によって、複合材料の表層の金属マトリクスがダメージを受けることはほとんどなく、金属マトリクスとめっきとの密着性が低下したり、複合材料の表面粗さが悪化することも実質的にないとの知見を得た。最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る複合部材は、
複数のダイヤモンド粒子と前記ダイヤモンド粒子同士を結合する金属マトリクスとを有する複合材料と、
前記複合材料の表面の少なくとも一部を覆う金属めっき層とを備え、
前記ダイヤモンド粒子における前記金属めっき層に接する表面に、アモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層を有する。
上記複合部材は、ダイヤモンド粒子における金属めっき層に接する表面に、ダイヤモンドをアモルファス化したアモルファス層又はダイヤモンドをグラファイト化したグラファイト層で形成された改質層を有する。金属めっき層に接するダイヤモンド粒子の表面に上記改質層を有することで、ダイヤモンド粒子と金属めっき層との密着性を改善でき、複合材料と金属めっき層との密着性が向上する。したがって、上記複合部材は、複合材料と金属めっき層との密着性に優れることから、半田付け時や耐熱試験において、金属めっき層に膨れが発生したり、金属めっき層が剥離したりすることを低減できる。
(2)上記の複合部材の一例として、
前記改質層の厚さが5nm以上であることが挙げられる。
上記改質層の厚さが5nm以上であることで、ダイヤモンド粒子と金属めっき層との密着性を効果的に改善できる。
(3)上記の複合部材の一例として、
前記金属マトリクスを構成する金属がAg又はAg合金であることが挙げられる。
金属マトリクスを構成する金属としては、高い熱伝導率(例、120W/m・K以上、特に200W/m・K以上)を有する金属、例えば、Ag,Cu,Al,Mg又はこれらの合金などが挙げられる。中でも、Ag又はAg合金は、熱伝導率が高く、複合材料の熱伝導性を高めることができるので、好適である。
(4)上記の複合部材の一例として、
前記金属めっき層の表面粗さが算術平均粗さRaで2.0μm未満であることが挙げられる。
金属めっき層の表面の算術平均粗さRaが2.0μm未満であることで、金属めっき層の表面に半導体素子などを半田付けする際に半田の厚さを極力薄くすることが可能である。よって、半田を薄く且つ均一に形成し易く、半田が局所的に厚く形成されることによる熱抵抗の増大を抑制できる。上記複合部材を半導体素子の放熱部材に利用する場合、半導体素子の熱を複合部材に効率よく伝え易くなる。
(5)上記の複合部材の一例として、前記金属めっき層を構成する金属がNi又はNi合金であることが挙げられる。
ダイヤモンドは非導電性であるため、金属めっき層の形成には、無電解めっきを利用することが挙げられる。金属めっき層を構成する金属は、適宜選択でき、例えば、Ni,Cu,Au,Ag又はこれらの合金などが挙げられる。中でも、Ni又はNi合金からなる金属めっき層は、無電解めっきにより低コストで形成できる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施形態に係る複合部材の具体例を説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<複合部材>
図1は、複合部材1を厚さ方向(複合材料10と金属めっき層40との積層方向。図1では上下方向)に切断した断面において、複合材料10の表層近傍を模式的に示す部分断面図である。図1では、説明の便宜上、ダイヤモンド粒子20を模式的に誇張して示している。図1を参照して、実施形態の複合部材1を説明する。
実施形態の複合部材1は、図1に示すように、複数のダイヤモンド粒子20とダイヤモンド粒子20同士を結合する金属マトリクス30とを備える複合材料10と、複合材料10の表面の少なくとも一部を覆う金属めっき層40とを備える。実施形態の複合部材1の特徴の1つは、ダイヤモンド粒子20における金属めっき層40に接する表面に、アモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層21を有する点にある。以下、各要素について詳細に説明する。
(複合材料)
複合材料10は、ダイヤモンド粒子20と金属マトリクス30とを主体とし、ダイヤモンドと金属とを複合化したものである。複合材料10には、公知のものを利用でき、複合材料10は、例えば溶浸法や焼結法などの公知の製造方法で製造できる。複合材料10の形状は、複合部材1の用途に応じて、板状やブロック状など適宜な形状を選択できる。例えば、複合部材1を半導体素子の放熱部材に用いる場合、複合材料10を平坦で、且つ半導体素子などの部品を搭載可能な面積を有する表面を持つ板状の形状としてもよい。このような用途では、複合部材1の厚さが薄いほど、半導体素子の熱を冷却装置などの設置対象に伝え易いため、複合材料10の厚さを例えば5mm以下、更に2mm以下とすることが挙げられる。複合材料10の表面粗さは、例えば、算術平均粗さRaで2.0μm未満、更に1.0μm未満であることが挙げられる。複合材料10の表面粗さは、金属めっき層40の形成前に複合材料10の表面を研磨することによって、ある程度小さくすることが可能である。
(ダイヤモンド粒子)
ダイヤモンドは高い熱伝導率(代表的には1500W/m・K以上)を有するため、ダイヤモンド粒子20を含有する複合材料10を備える複合部材1は放熱部材に好適に利用できる。複数のダイヤモンド粒子20は、金属マトリクス30中に分散して存在しており、複合材料10の表層には、ダイヤモンド粒子20の一部が金属マトリクス30から露出した状態で存在している。つまり、複合材料10の表面は、主として、複合材料10の表層に存在するダイヤモンド粒子20の表面と金属マトリクス30の表面によって構成されている。複合材料10の表層に位置するダイヤモンド粒子20の表面は、金属めっき層40に接し、金属めっき層40との接触面に改質層21を有する。ダイヤモンド粒子20の表面に有する改質層21については後述する。
ダイヤモンド粒子20の形状、粒径、含有量などの仕様は適宜選択できる。上記仕様は代表的には原料に用いたダイヤモンド粉末の仕様を実質的に維持するため、所望の仕様となるように、原料のダイヤモンド粉末の仕様を選択するとよい。
ダイヤモンド粒子20の形状は、特に問わない。図1では、ダイヤモンド粒子20の断面形状を多角形としているが、ダイヤモンド粒子20は種々の断面形状をとり得る。
ダイヤモンド粒子20の平均粒径は、例えば10μm以上100μm以下であることが挙げられる。ダイヤモンド粒子20の含有量が同じであれば、ダイヤモンド粒子20の粒径が大きい方が小さい場合に比べて、複合材料10の単位体積あたりのダイヤモンド粒子20の数が少なくなり、ダイヤモンド粒子20の界面の存在割合が減少する。よって、ダイヤモンド粒子20の界面熱抵抗が減少し、複合材料10の熱伝導性が向上する。ダイヤモンド粒子20の粒径が小さいほど、複合材料10の表面に露出するダイヤモンド粒子20による凹凸が小さくなり、複合材料10の表面を平滑化し易い。よって、複合材料10の表面粗さを小さくできる。このような観点から、ダイヤモンド粒子20の平均粒径は、例えば15μm以上90μm以下、更に20μm以上50μm以下とすることが挙げられる。その他、ダイヤモンド粒子20が、相対的に微細な粒子と相対的に粗大な粒子とを含む場合、複合材料10の製造過程で複合材料10を緻密化し易く、複合材料10の熱伝導性を高めることが可能である。
ダイヤモンド粒子20の平均粒径の測定においては、複合材料10の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)などで観察して、所定の測定視野(例、0.3mm×0.2mm)内に存在するダイヤモンド粒子を抽出し、各粒子の等価面積円の直径を粒径とする。例えば20個以上の粒径の平均値を平均粒径とすることができる。
複合材料10におけるダイヤモンド粒子20の含有量は、例えば40体積%以上85体積%以下であることが挙げられる。ダイヤモンド粒子20の含有量が多いほど、熱伝導性が高く、線膨張係数が小さい複合材料10が得られ易い。ダイヤモンド粒子20の含有量が85体積%以下であれば、金属マトリクス30をある程度含むことでダイヤモンド粒子20同士を確実に結合できる上、線膨張係数が過度に小さくなることを防止できる。このような観点から、ダイヤモンド粒子20の含有量は、例えば45体積%以上80体積%以下、更に50体積%以上75体積%以下とすることが挙げられる。
金属マトリクス30中のダイヤモンド粒子20は、その表面に金属の炭化物からなる被覆膜(図示せず)が形成された被覆粒子であってもよい。被覆膜を構成する金属炭化物としては、例えばTi,Hf,Zrから選択される1種以上の金属の炭化物が挙げられる。上記被覆膜は、複合材料10の製造過程で、最終的に金属マトリクス30となる溶融金属とダイヤモンド粒子20との濡れ性を高めることに寄与する。ダイヤモンド粒子20の表面に上記被覆膜を有することで、ダイヤモンド粒子20と金属マトリクス30との密着性を向上させることができる。特に、上記炭化物をなす炭素成分がダイヤモンド粒子20に由来するものであると、ダイヤモンド粒子20と被覆膜との密着性が高い。ダイヤモンド粒子20が被覆膜を介して金属マトリクス30と密着することで、気孔が少なく、緻密な複合材料10が得られる。このような複合材料10は、気孔に起因する熱伝導性の低下が少なく、熱伝導性に優れる。また、このような複合材料10は、冷熱サイクルを受けても上記三者(ダイヤモンド粒子20、被覆膜及び金属マトリクス30)のうちの二者同士の界面状態が変化し難いため、冷熱サイクル特性にも優れる。被覆膜は、金属マトリクスとの濡れ性を改善する効果が得られる範囲で薄いことが好ましい。上記炭化物は、ダイヤモンド粒子20や金属マトリクス30を構成する金属に比較して熱伝導率が低く、熱伝導性に劣るからである。
(金属マトリクス)
金属マトリクス30を構成する金属は、例えば、銀(Ag),銅(Cu),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg)から選択される1種以上の純金属、又はこれらの合金などが挙げられる。中でも、Ag又はAg合金は熱伝導率が高く、金属マトリクス30がAg又はAg合金である場合、複合材料10の熱伝導性を高めることができるので、好適である。
(金属めっき層)
金属めっき層40は、複合材料10の表面の少なくとも一部を覆い、複合材料10の表層に存在するダイヤモンド粒子20及び金属マトリクス30上に形成されている。金属めっき層40は、半田との濡れ性が高い金属からなるため、複合部材1に半導体素子などを半田付けする際の半田の下地層として機能する。また、金属めっき層40によって、複合材料10の外部環境からの保護や機械的保護、外観の向上などを図ることができる。金属めっき層40は、複合部材1における半田の形成範囲に設けられることが挙げられる。金属めっき層40を形成する際に複合材料10の表面にマスキングを適宜施すことで、複合材料10の所望の範囲に金属めっき層40を形成できる。
金属めっき層40は、無電解めっきにより形成することが挙げられる。金属めっき層40を構成する金属は、例えば、ニッケル(Ni),銅(Cu),金(Au),銀(Ag)から選択される1種以上の純金属、又はこれらの合金などが挙げられる。中でも、金属めっき層40がNi又はNi合金からなるNiめっき層である場合、無電解めっきにより低コストで形成できる。Niめっき層を構成するNi合金としては、例えば、リン(P)を含むNi合金(Ni−P合金)、硼素(B)を含むNi合金(Ni−B合金)が挙げられる。
金属めっき層40の表面粗さは、例えば、算術平均粗さRaで2.0μm未満であることが挙げられる。金属めっき層40の表面粗さ(Ra)が小さいほど、表面が平滑であり、金属めっき層40の表面に半導体素子などを半田付けする際に半田の厚さを極力薄くすることが可能である。よって、半田を薄く且つ均一に形成し易く、半田が局所的に厚く形成されることによる熱抵抗の増大を抑制できる。複合部材1を半導体素子の放熱部材に利用する場合、半導体素子の熱を複合部材1に効率よく伝え易くなる。金属めっき層40の表面粗さ(Ra)は、例えば1.8μm以下、更に1.5μm以下が好ましく、より好ましくは1.0μm以下である。
金属めっき層40の厚さは、適宜選択でき、例えば1μm以上20μm以下、更に10μm以下であることが挙げられる。金属めっき層40の厚さが1μm以上であることで、半田との濡れ性を十分に確保でき、半田の下地層として十分に機能する。金属めっき層40の厚さが薄いほど、半導体素子の熱を複合材料10に伝え易く、複合部材1全体としての熱伝導性を高め易い。
金属めっき層40の厚さは、複合部材1を厚さ方向に切断した断面をSEMなどで観察する。そして、金属めっき層40の10ヶ所以上の厚さを測定し、その平均値を金属めっき層40の厚さとすることが挙げられる。
(改質層)
複合材料10の表層に位置し、金属めっき層40に接するダイヤモンド粒子20の表面には、改質層21を有している。改質層21は、ダイヤモンド粒子20の表面のうち、金属めっき層40との接触面に設けられており、アモルファス層又はグラファイト層で形成されている。アモルファス層は、ダイヤモンド粒子20の表面の一部がアモルファス化して形成されたものであることが挙げられる。グラファイト層は、ダイヤモンド粒子20の表面の一部がグラファイト化して形成されたものであることが挙げられる。改質層21は、ダイヤモンド粒子20と金属めっき層40との密着性を改善し、複合材料10と金属めっき層40との密着性を向上させる。改質層21がアモルファス層である場合、例えば、複合材料10の表面をイオンエッチングして、複合材料10表層のダイヤモンド粒子20表面をイオンエッチングによりアモルファス化することで形成することが挙げられる。一方、グラファイト層の場合は、例えば、複合材料10の表面を放電加工して、複合材料10表層のダイヤモンド粒子20表面を放電加工によりグラファイト化することで形成することが挙げられる。
ダイヤモンド粒子20表面の改質層21の有無は、ダイヤモンド粒子20表面の炭素(C)の状態を分析することにより調べることができる。具体的な分析方法としては、X線吸収分光(XAFS)が挙げられる。XAFSは、X線光電子分光(XPS)などの他の分析方法に比べて、アモルファス化又はグラファイト化していることを比較的容易に判別でき、好適である。ダイヤモンド粒子20表面の分析は、複合部材1から金属めっき層40を除去した状態で、複合材料10表層を観測することによって行うことができる。金属めっき層40の除去は、金属めっき層40を溶かしたり、剥がしたりすればよい。
図2A及び図2Bは、本実施形態でのダイヤモンド粒子表面のC−K端XAFSスペクトルの一例を示している。図2Aは全電子収量法(TEY)で測定した表面近傍(深さ1nm以上5nm未満)のCのK吸収端スペクトルを示し、図2Bは部分蛍光収量法(PFY)で測定した比較的深い位置(深さ10nm以上20nm未満)のCのK吸収端スペクトルを示す。図2A及び図2Bの各図では、アルゴン(Ar)イオンエッチングによりダイヤモンド粒子の表面を改質(アモルファス化)した場合(試料A)のXAFSスペクトルを実線、放電加工によりダイヤモンド粒子の表面を改質(グラファイト化)した場合(試料B)のXAFSスペクトルを破線でそれぞれ示している。また、参考として、各図において、ダイヤモンド粒子の表面を改質していない場合(試料C)のXAFSスペクトルを太線で示している。各図に示すXAFSスペクトルは、縦軸が強度(任意単位)、横軸が吸収端エネルギー(eV)である。
図2Aに示すXAFSスペクトルから、試料Cは、303eV付近にダイヤモンド構造特有の凹のピークが認められ、表面から1nm〜5nmの範囲でダイヤモンド構造を有することが分かる。試料A及び試料Bは、303eV付近に凹のピークがなく、且つ約285eV付近にsp2成分に対応するピークが認められ、表面から1nm〜5nmの範囲でsp2成分を主体とするアモルファス構造又はグラファイト構造を有することが分かる。よって、試料A及び試料Bの場合、ダイヤモンド粒子の表面にアモルファス層又はグラファイト層が形成されていると考えられる。
また、図2Bに示すように、試料Aにおいて、表面から10nm〜20nmの範囲では、試料Cと同じようなXAFSスペクトルになっており、ダイヤモンド構造を有している。そのため、試料Aの場合、ダイヤモンド粒子の表面近傍にのみアモルファス層が形成されていると考えられる。一方、試料Bでは、表面から10nm〜20nmの範囲においても、303eV付近に凹のピークがなく、且つsp2成分に対応するピークが認められることから、グラファイト構造になっている。よって、試料Bの場合、ダイヤモンド粒子の表面から比較的深い位置までグラファイト層が形成されていると考えられる。
改質層21の厚さは、特に問わないが、アモルファス層及びグラファイト層共に、5nm以上であることが挙げられる。改質層21の厚さが5nm以上であることで、ダイヤモンド粒子20と金属めっき層40との密着性を効果的に改善できる。また、改質層21の厚さの上限は、アモルファス層及びグラファイト層共に、1.5μm以下であることが挙げられる。改質層21が厚くなり過ぎると、ダイヤモンド粒子20の熱伝導率が低下するためである。
改質層21の厚さの測定方法について説明する。改質層21の厚さが20nm未満の範囲であれば、ダイヤモンド粒子20表面のC−K端XAFSスペクトルをTEYとPFYで測定し、それぞれのXAFSスペクトルから、303eV付近の凹のピークの有無により判断する。即ち、TEYで303eV付近に凹のピークが観測される場合は改質層21の厚さを5nm未満とする。303eV付近に凹のピークがTEYで観測されず、PFYで観測される場合は改質層21の厚さが5nm以上20nm未満であり、ここでは厚さを5nmとする。TEY、PFYの両方で303eV付近に凹のピークが観測されない場合は改質層21の厚さが20nm以上である。改質層21の厚さが20nm以上の場合は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)による断面観察を行い、電子エネルギー損失分光(EELS)によりダイヤモンド粒子20の表面から深さ方向にライン分析する。EELSで分析すると、C−K端ELNESスペクトルにおいて、XAFSと同様に、ダイヤモンド構造の場合は303eV付近に凹のピークが観測される。ライン分析により、303eV付近に凹のピークが出現する直前の深さを改質層21の厚さとする。
<複合部材の製造方法>
上述した実施形態の複合部材1の製造方法の一例を説明する。複合部材1は、複合材料10を用意する工程(以下、準備工程という)と、複合材料10の表面をイオンエッチング又は放電加工する工程(以下、改質工程という)と、複合材料10の表面に金属めっき層40を形成する工程(以下、めっき工程という)とを備える製造方法により製造できる。以下、各工程について詳細に説明する。
(準備工程)
準備工程は、複数のダイヤモンド粒子20とダイヤモンド粒子20同士を結合する金属マトリクス30とを有する複合材料10を用意する工程である。
複合材料10は、原料にダイヤモンド粉末と金属マトリクス30をなす金属粉末や金属片、金属塊などを用いて、公知の製造方法、例えば特許文献1,2に記載されるような溶浸法などにより製造できる。ダイヤモンド粒子20表面に上述の金属炭化物からなる被覆膜を形成して被覆粒子とする場合は、被覆膜の原料として、特許文献1,2に記載されるような化合物の粉末を用いるとよい。
(改質工程)
改質工程は、複合材料10の表面をArイオンエッチング又は放電加工して、ダイヤモンド粒子20表面を改質する工程である。これにより、複合材料10の表層に存在するダイヤモンド粒子20の表面に、アモルファス層又はグラファイト層からなる改質層21を形成する。
複合材料10の表面をArイオンエッチング又は放電加工することにより、複合材料10表層のダイヤモンド粒子20表面をアモルファス化又はグラファイト化して、ダイヤモンド粒子20表面にアモルファス層又はグラファイト層からなる改質層21を形成できる。Arイオンエッチング又は放電加工には、市販のイオンミリング装置又は放電加工機を使用できる。
改質層21の厚さは、Arイオンエッチングや放電加工の各種条件を変えることによって、制御することが可能である。Arイオンエッチングの場合、例えば、処理時間、加速電圧などの条件を変えることが挙げられる。Arイオンエッチングの処理時間を長くしたり、加速電圧が高いほど、ダイヤモンド粒子20表面のアモルファス化が進行し、改質層21をなすアモルファス層が厚くなる傾向がある。例えば、Arイオンエッチングの処理時間は60秒以上600秒以下、加速電圧は0.3kV以上10.0kV以下とすることが挙げられる。放電加工の場合、加工電流などの条件を変えることが挙げられる。放電加工の加工電流が大きいほど、ダイヤモンド粒子20表面のグラファイト化が進行し、改質層21をなすグラファイト層が厚くなる傾向がある。例えば、放電加工のピーク電流は0A超100A以下とすることが挙げられる。
(めっき工程)
めっき工程は、上記改質工程の後、複合材料10の表面に無電解めっきを行い、複合材料10の表面の少なくとも一部に金属めっき層40を形成する工程である。
上記改質工程において、複合材料10表層のダイヤモンド粒子20表面を改質し、金属めっき層40に接するダイヤモンド粒子20表面にアモルファス層又はグラファイト層からなる改質層21を形成している。そのため、ダイヤモンド粒子20と金属めっき層40との密着性が高い。金属めっき層40の形成には、公知の無電解めっきを利用できる。金属めっき層40としては、例えば、無電解Ni合金めっきにより、Ni合金からなるNiめっき層を形成することが挙げられる。また、無電解めっきの処理時間やめっき液の温度などの条件を変えることによって、金属めっき層40の厚さを調整することが可能である。無電解めっきに使用するめっき液は市販品を使用できる。
その他、無電解めっきの前処理として、脱スマット(表面調整)、Pdなどの触媒付与、触媒活性化(アクセラレーター)を行うことが挙げられる。これらの処理に用いる薬品としては市販品を利用できる。その他、脱脂やプリディップなどを行ってもよい。
(その他の工程)
上記めっき工程の前に、複合材料10の表面を研磨する工程(以下、研磨工程という)や、複合材料10の表面をエッチングする工程(以下、エッチング工程という)を備えることができる。研磨工程により、複合材料10の表面を研磨することで、表面を平坦にし易く、複合材料10の表面粗さを小さくできる。複合材料10の表面研磨は、適宜な砥石などを用いて行うことができる。エッチング工程では、ダイヤモンドと実質的に反応せず、金属マトリクス30のみを除去可能な酸又はアルカリによって、複合材料10表層の金属マトリクス30表面をエッチングする。エッチング工程でのエッチング深さが大き過ぎると、複合材料10の表面粗さが悪化するため、エッチング深さは、例えば5μm以下とすることが挙げられる。上記研磨工程やエッチング工程は、上記改質工程の前に行ってもよい。
上記改質工程において、複合材料10の表面を放電加工した場合、複合材料10表層の金属マトリクス30表面が酸化する場合がある。上記研磨工程やエッチング工程を備える場合、放電加工により生じた金属マトリクス30表面の酸化膜を研磨やエッチングによって除去できる。
〈実施形態の主な効果〉
実施形態の複合部材1は、高い熱伝導率を有するダイヤモンド粒子20を含有する複合材料10を備えるため、熱伝導性に優れる。この点から、複合部材1は、各種の放熱部材に好適に利用できる。特に、複合材料10の線膨張係数は、ダイヤモンド粒子20と金属マトリクス30とが複合することにより、半導体素子やその周辺部品の線膨張係数と近い。また、複合部材1は、複合材料10の表面に金属めっき層40を備えることで、半田との濡れ性も良好で、複合材料10(金属めっき層40)上に半導体素子を半田によって良好に接合できる。これらの点から、複合部材1は、半導体素子の放熱部材に好適に利用できる。
特に、実施形態の複合部材1は、ダイヤモンド粒子20の表面における金属めっき層40との接触面にアモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層21を有する。金属めっき層40に接するダイヤモンド粒子20の表面に改質層21を有することで、ダイヤモンド粒子20と金属めっき層40との密着性を改善でき、複合材料10と金属めっき層40との密着性を向上する。よって、複合部材1は、複合材料10と金属めっき層40との密着性に優れており、半田付け時や耐熱試験において、金属めっき層40に膨れが発生したり、金属めっき層40が剥離したりすることを低減できる。
[試験例1]
ダイヤモンド粒子とAgの金属マトリクスとを有する複合材料の表面に無電解めっきを行って、複合材料と金属めっき層(Niめっき層)とを備える複合部材の試料を作製し、金属めっき層の密着性を評価した。
複合材料は、特許文献2に記載の製造方法に基づいて作製したものを用意した。用意された複合材料は、一辺の長さが50mm、厚さが1.4mmの正方形状の平板材で、ダイヤモンド粒子の含有量が60体積%、Agの金属マトリクスの含有量が40体積%程度であり、ダイヤモンド粒子の平均粒径が20μmである。ここでは、複合材料の表面を研磨した。
研磨後、複合材料の表面をArイオンエッチングして、複合材料の表層に存在するダイヤモンド粒子の表面をアモルファス化することにより改質した試料を作製した。ここでは、Arイオンエッチングの条件を変更して試料を作製し、それぞれ試料No.1,No.2とする。また、複合材料の表面を放電加工して、複合材料の表層に存在するダイヤモンド粒子の表面をグラファイト化することにより改質した試料を作製した。この試料を試料No.3とする。Arイオンエッチングは、株式会社日立ハイテクソリューションズ製バッチ式イオンミリング装置(IML−580−LL)で行った。放電加工は、株式会社ソディック製形彫り放電加工機(AG40L)で行った。
試料No.1のArイオンエッチングの条件を以下に示す。
ホルダ傾斜:−30°
処理時間:1分
加速電圧:500V、加速電流:1600A、減速電圧:−200V
バイアス電圧:20V
μ波入射電力:600W
プロセスガス流量:30sccm
ミリング圧力:3×10−2Pa(3E−2Pa)
ホルダ回転速度:3rpm
試料No.2のArイオンエッチングの条件を以下に示す。
ホルダ傾斜:−30°
処理時間:1分
加速電圧:700V、加速電流:1600A、減速電圧:−200V
バイアス電圧:20V
μ波入射電力:600W
プロセスガス流量:30sccm
ミリング圧力:3×10−2Pa(3E−2Pa)
ホルダ回転速度:3rpm
試料No.3の放電加工の条件を以下に示す。
加工液:VITOL−2
液処理:噴射
液圧:0.03MPa
設定深さ:0.20mm
ピーク電流:7.0A
Arイオンエッチング又は放電加工によるダイヤモンド粒子表面の改質後、各試料の複合材料の表面をエッチングした。ここでは、シアン系のエッチング液を用いて、複合材料の表層に存在するAgの金属マトリクスの表面をエッチングした。エッチングの条件は、エッチング液の組成:シアン化カリウム濃度50g/L、温度:30℃、処理時間:1分とし、エッチング深さが1μm〜3μmとなるように調整した。
エッチング後、各試料の複合材料の表面に無電解めっきを行って、金属めっき層を形成することにより、複合部材を作製した。ここでは、前処理として触媒付与処理した後、無電解Ni−P合金めっきにより、Ni−P合金からなるNiめっき層を形成した。触媒付与処理液には、Pd−Snコロイド溶液を用いた。無電解めっきの条件は、めっき液の組成:硫酸ニッケル20g/L、次亜リン酸ナトリウム24g/L、乳酸27g/L、プロピオン酸2.0g/L、温度:85℃、処理時間:30分とし、Niめっき層の厚さが5.5μmとなるように調整した。
以上のようにして、試料No.1〜No.3の複合部材を作製した。各試料の複合部材の仕様を表1に示す。
比較として、複合材料の表面を改質しなかった以外は、試料No.1〜No.3と同じようにして、表1に示す試料No.10の複合部材を作製した。なお、試料No.10では、無電解めっきの前にエッチングを行っていない。
各試料の複合部材について、金属めっき層(Niめっき層)の表面粗さを測定した。その結果を表1に示す。ここでは、株式会社キーエンス製のレーザー顕微鏡VK−X100の50倍の対物レンズを用いて算術平均粗さRa(μm)を測定した。
(金属めっき層の密着性の評価)
各試料の複合部材について、複合材料と金属めっき層(Niめっき層)との密着性を評価した。密着性の評価は、各試料の複合部材をそれぞれ複数作製し、耐熱試験を行い、Niめっき層の膨れ発生率で評価した。Niめっき層の膨れ発生率が低いほど、Niめっき層の密着性が高いことを意味する。Niめっき層の膨れ発生率は、耐熱試験後にNiめっき層を目視して、Niめっき層の膨れの有無を観察し、100個中、Niめっき層に膨れが発生した複合部材の個数を求めることにより算出した。また、耐熱試験は、400℃と780℃でそれぞれ40分間行い、それぞれの温度での膨れ発生率を調べた。その結果を表1に示す。
(金属めっき層の剥離)
各試料の複合部材について、複合材料の表面に形成した金属めっき層を剥離液により剥離した。剥離液には、奥野製薬工業株式会社製のNiめっき剥離剤「トップリップF−85」と「トップリップPF−X」とをそれぞれ、80g/L、200mL/Lの濃度で純水に溶解させた混合液を用いた。そして、各試料の複合部材を85℃の剥離液に1時間浸漬した後、純水で超音波洗浄した。洗浄後、各試料の表面をSEMで観察して、複合材料の表面にNiが残留していないことを確認した。
金属めっき層の剥離後、各試料の複合材料の表面をTEYとPFYでXAFS測定し、各複合材料の表層に存在するダイヤモンド粒子表面のC−K端XAFSスペクトルを取得した。取得したそれぞれのC−K端XAFSスペクトルの分析結果から、試料No.1,No.2では、ダイヤモンド粒子の表面にArイオンエッチングによるアモルファス層が確認された。試料No.3では、ダイヤモンド粒子の表面に放電加工によるグラファイト層が確認された。また、各試料について、アモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層の厚さを求めた。その結果を表1に示す。試料No.1では、TEYで測定したC−K端XAFSスペクトルにおいて303eV付近に凹のピークが観測されず、PFYで測定したC−K端XAFSスペクトルにおいて303eV付近に凹のピークが観測された。よって、試料No.1では、ダイヤモンド粒子の表面から少なくとも深さ5nmまでアモルファス化していることを確認した。試料No.2,No.3については、複合材料を厚さ方向に切断した断面をSTEMで観察し、EELSによりダイヤモンド粒子の表面から深さ方向にライン分析した。取得したC−K端ELNESスペクトルから、試料No.2では、ダイヤモンド粒子の表面から深さ50nmまでアモルファス化していることを確認した。試料No.3では、ダイヤモンド粒子の表面から深さ300nmまでグラファイト化していることを確認した。
XAFS測定は、佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターのBL17(軟X線)にて行い、その光電子分光装置にはVGシエンタ株式会社製R3000を使用した。測定条件は、入射エネルギー:350eV,600eV、入射角度:45°、検出角度:45°とした。
Figure 2020012821
金属めっき層(Niめっき層)に接するダイヤモンド粒子の表面に改質層を有していない試料No.10では、耐熱試験後の膨れ発生率が100%であった。これに対し、金属めっき層(Niめっき層)に接するダイヤモンド粒子の表面にアモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層を有する試料No.1〜No.3では、試料No.10に比較して、耐熱試験後の膨れ発生率を低減できていることが分かる。よって、試料No.1〜No.3は、複合材料と金属めっき層との密着性が向上していることが分かる。
1 複合部材
10 複合材料
20 ダイヤモンド粒子
21 改質層
30 金属マトリクス
40 金属めっき層

Claims (5)

  1. 複数のダイヤモンド粒子と前記ダイヤモンド粒子同士を結合する金属マトリクスとを有する複合材料と、
    前記複合材料の表面の少なくとも一部を覆う金属めっき層とを備え、
    前記ダイヤモンド粒子における前記金属めっき層に接する表面に、アモルファス層又はグラファイト層で形成された改質層を有する複合部材。
  2. 前記改質層の厚さが5nm以上である請求項1に記載の複合部材。
  3. 前記金属マトリクスを構成する金属がAg又はAg合金である請求項1又は請求項2に記載の複合部材。
  4. 前記金属めっき層の表面粗さが算術平均粗さRaで2.0μm未満である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合部材。
  5. 前記金属めっき層を構成する金属がNi又はNi合金である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合部材。
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