JP2013532227A - 被覆された物体及び物体の被覆方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、基材(1)と、その上に適用された中間層(2)と、中間層に適用されたCVDダイアモンド層(3)を備えた物体に関し、種々の機械的付加の下で増加した耐付加容量を有する物体であって、CVDダイアモンドで被覆された物体及び製造方法を提供するために、主に金属である中間層であり、中間層の金属破片は主にタングステン及び/又はクロムから成り、又、0.5μm〜3.0μmのRz値で規定される面粗度をもつように中間層の準備がなされる。
Description
本発明は、被覆された物体(body,ボデー)及び物体の被覆方法に関する。
物体(ボデー)又は物体の部分に対し、その特性を改善するために表面被覆(コーティング)を付与することが知られる。特に、摩耗を受けるツール及び部品については、ダイアモンド層を有する機能的表面を付与することが知られている。その際、公知の方法は、CVD(化学気相成長)方法によってダイアモンド層を適用する(設ける)ことである。
被覆された物体は、基材(substrate)の材料、及びその上に適用されるダイアモンド層を含む。特に、本発明に関連して言えば、基材の材料は、硬金属、及びサーメット、すなわち、硬い材料粒子と結合材料、特に、Co含有の物体中にWC粒子を有する材料から構成される焼結材料である。一方では、本発明はさらに、他の全ての基材の材料、例えば、スチール、チタン材料、セラミックスなどにも関わる。
削り加工(chipping)において、特に、ダイアモンド被覆の硬金属又は個々にサーメットのツールが使用される。特に、ダイアモンドの高い硬度は、ツールの摩耗保護に積極的な影響を及ぼす。もう一つの重要な利点は、対抗する物体(counter body)の材料の接着傾向が低いことである、すなわち、ダイアモンド層を有するツールの場合、構成刃先(built−up edge)の形での削られた材料(chipped materials)の接着が阻止されることである。
しかしながら、ダイアモンドコーティングは、多くの基材の材料に適用することができないか又はかろうじてごく僅かな接着度で適用されるにすぎない。そのようなものとして、特に、Fe、Co、及びNiを含む材料が挙げられる。それにも拘わらず、そのような基材に対するダイアモンドコーティングの良好な接着を獲得するため、種々の前処理法が知られている。
従来技術、例えば、US6096377(特許文献1)又はDE19522372(特許文献2)においては、破壊的な(危害を加える)基材の成分、特にコバルトが硬金属の基材から選択的に除去される方法が記載されている。この場合、化学的エッチングがもっとも多く使用される。これらの公知の方法で決着されるべきことは、基材の成分の除去が基材の高負荷の加わる領域において正に基材の組成を弱めることである。これにより、境界面又は表面近傍の化学浸食された基材において、遅れ破壊(later failure)が生じる。
WO03/020997(特許文献3)及びEP1291450A2(特許文献4)等の他の公報では、破壊的な(destructive)基材の相状態を、拡散又は焼結プロセスを通して変えるか又は減少させる熱的前処理が記載されている。これらの方法(プロセス)も、製品品質の良否を左右する、基材の臨界表面近傍域において脆弱化をもたらす。その場合、コーティングの接着に否定的な(悪い)影響を及ぼすだけでなく、物体全体の耐破損性にも悪影響を及ぼす。また、耐破損性の低下は、影響を受けていてない基材の材料に対する脆弱化された基材の材料の比にも依存し、物体の断面積が小さくなればなるほどそれだけ顕著になる。この脆弱化は、特に、小型の物体、及び、マイクロツールのような細い回転ツール、例えば、ボード穴開け機にとって、不利である。何故ならば、この場合、上述の比が比較的に好ましくないからである。これらのツールの場合、前処理による脆弱化が無くても、ツールの破壊は、既に重要な破壊要因となっている。これらの場合、特にツールの靭性を増加させるために、高いコバルト含量及び小さい粒径を有する硬金属が用いられる。まさにこの点において、この現状の前処理法は、特に破壊的である。何故ならば、例えば、より高い量のコバルトを除去しなければならず、又、小さな炭化物粒子の場合、それら粒子同士の結合は、エッチングの際どちらかというと損なわれるからである。
脆弱化を回避するためには、さらに、基材に対してはもちろんダイアモンドに対しても良好な接着性を有する中間層を適用することが示唆されている。いずれの場合も、主要な着想は、ダイアモンド形成にとって破壊的な基材の成分との炭素の直接的接触を防ぐことである。複数の材料及び実施形態が示唆されかつ列挙されているが、例えばDE68904314T2(特許文献5)、US4734339(特許文献6)において、その記載には標準傾向が特定されず、実施形態そのものも市場において実証されていない。その理由は、中間層の基材に対する接着性、又は、負荷が及ぼされた際の中間層に対するダイアモンド層の接着性が依然として不足しているためと考えられる。
したがって、本発明の目的は、種々の機械的負荷の下での増加した耐負荷容量を有する物体であって、CVDダイアモンドによって被覆(コート)される物体及びそのような物体の製造方法を提供することである。
この課題は、請求項1及びそれとは別に請求項34による物体、及び、請求項27による方法によって解決される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態に関する。
本発明によれば、物体は、基材とCVDダイアモンド層との間において、特殊な性質をもつ中間層を有する。
本発明によれば、この中間層は主に(predominantly)金属性のものである。この場合、主に金属性の中間層は、この中間層の主要体積部分において、原子同士が金属的に結合されるものと理解される。ここで、「主に」とは、体積の50%よりも大きい、好ましくは体積の70%よりも大きい、より好ましくは体積の90%よりも大きいことを意味する。
さらに、本発明によれば、中間層の金属部分は、主にすなわち50at.−%を超える、元素W及び/又はCrから成る。より好ましくは、中間層の金属部分は、少なくとも70at.−%、さらに好ましくは90at.−%のタングステン及びクロムから成る。
この場合、「主に」とは原子の部分を指すものである。金属元素の金属部分とは、中間層における全ての金属原子に関してその元素の原子の部分として理解される。
特に良好な結果は、避けがたい不純物を除いた金属部分が完全にタングステン及び/又はクロムから成る中間層において達成される。
その場合、物体は、その全表面において、中間層によってコートされ、CVDダイアモンド層によって接着及び/又は被覆される必要はなく、むしろ、従来の物体に比べて摩耗が物体の寿命を短くする部位においてのみコートされることが好ましい。特許請求される特徴もまた、各部位において充足する必要は無い。
最終的に本発明に導いた一連の複雑な試験において、元素クロム(Cr)及びタングステン(W)を有する、主に金属性の中間層が、はるかに最良の結果を示すと結論付けされた。この試験は、例えば、炭素及び他の炭化物形成金属を含んでいた。
ここで、タングステン及び/又はクロムが、元素として基材に既に含まれているか否かは重要ではない。
本発明によれば、中間層はさらにある規定された面粗度(面粗さ)を有する。ここでは、Rz値が面粗度の尺度と見なされる。
請求項1による物体の場合、本発明によれば、それは、最小値0.5μmと最大値3.0μmの間にある。Rz値は、好ましくは少なくとも1.0μmであり、より好ましくは少なくとも1.5μmである。その上限は、好ましくは2.5μmであり、より好ましくは2.0μmである。
請求項34による物体の場合、本発明によれば、中間層(2)の面粗度は、基材(1)の面粗度及びダイアモンド層の面粗度よりも大きい。
本発明による中間層が設けられる、基材及びCVDダイアモンド層を有する物体は、従来型のダイアモンド被覆の物体に対して相当な利点を示す。従来の前処理法の欠点、特に、基材の弱体化又は脆弱化は回避される。同時に、中間層の面粗さによって、特に優れた接着性がもたらされる。
本発明のさらに他の実施形態によれば、中間層は少なくとも0.5μmの厚さとされる。好ましくは1.0μmの層厚であり、さらに好ましくは少なくとも1.5μmの層厚である。本発明のさらに他の実施形態によれば、中間層の厚みの上限は10μmである。5.0μm以下の厚みが好ましく、より好ましくは3μm以下である。
本発明による方法の場合、先ず、中間層が、少なくとも主に金属から成る状態で、好ましくは純粋に金属から成る状態で、基材上に適用される。これは、PVDプロセスによって、好ましくはマグネトロンスパッタリングによって行われる。その後、このようにして形成された中間層の上に、ダイアモンド層がCVDプロセスによって適用される。これによって、CVDダイアモンドプロセスの際に、金属の部分的な増炭(carburation)がもたらされ得る。実験から、これは、ダイアモンド層の接着に有利であることが示された。この増炭は、別の上流プロセスとして、又は、別の処理ステップとして、又はそのままの処理工程として実行することが可能である。CVDダイアモンドコーティングは、増炭条件の下に実行されるので、増炭はさらに、ダイアモンドコーティングの際に、又は、ダイアモンド層がまだ完全には終了していないコーティング相において起こり得る。一度炭化物層が形成されると、それ以上の増炭の進行は相当ゆっくり起こる。さらに、本発明の一実施態様から、増炭は、好ましくは金属層における粒子境界拡散を介して起こり得るものであり、これにより、部分的な組成構造が、混入金属結晶を含む増炭網状組織から形成されることが示されている。有利には、基材の温度は、600から1000℃の範囲、好ましくは700から900℃の範囲、より好ましくは750から850℃の範囲に選択され得る。中間層の一部は金属状態を維持すること、好ましくは、中間層の主要部分が金属状態を維持すると有利であることが示されている。これにより、平均して、金属部分が、増炭部分よりも基材に近くなる。
クロム含有の中間層の場合、炭化結合剤は、好ましくは、Cr7C3及び/又はCr3C2であり、タングステン含有の中間層の場合は、W2C及び/又はWCである。
結合剤生地(母材)の中に硬い材料粒子を含む材料の場合、例えば、硬金属の場合、中間層元素から成り、結合剤生地の金属と合金形成する接着層を、基材と中間層の間に適用することが可能である。
本発明の利点は、特に、10wt.−%以上の高いコバルト含量の場合の外、1μm以下の、好ましくは0.7μm以下の、すなわち、微細粒子、超微細粒子、及びナノ粒子タイプの小型又は中間の炭化物粒径の場合に、発揮される。この場合、従来公知の方法での上述の欠点は、特に、小型の物体及び細い回転ツール、例えば、ボード穴開け機のようなマイクロツールの場合に、回避される。
本発明の実施形態が、図面に基づいて、以下により詳細に説明される。
図1は、基材1、中間層2、ダイアモンド層3、及び接着層4を備えた第1実施形態に係る物体の模式断面図を示す。接着層4は任意であり、別の形態では省略することが可能である。中間層もまた任意に増炭部分を有することが可能である。図面は原理だけを示すものであって実尺に合致するものではなく、長さ/幅の比、及び種々の層厚の比もまた、実尺に合致するものではない。
図2は、部分的に増炭された中間層を切断する冠状顕微切片のエッジ(縁)を示す。見易くするため、事前の粗面化は行わなかった。薄黒い部分は、部分的に編み目状のひび割れが入った増炭化表面を示す。薄明るい部分は、中間層の金属部分の研磨された部分である。転移領域において、三次元の網状組成構造6を認識することができる。
図3は、炭化結合剤Cr7C3及びCr3C2の証拠と共に本発明の実施形態に係る部分的に増炭された中間層のXRDスペクトラムを示す。
図4は、図2と比較して、粗い面をなす基材を備えた類似の層システムを示す。
名前を挙げた特性は、物体の全体に亘って存在する必要はなく、むしろとりわけ高負荷の加わる位置、すなわち、物体の早期の破壊を招くと考えられる位置において存在することが必要とされる。チッピング(削り)用の切削工具の場合、これは、刃先の領域、特に、使用時に最も多くの材料を削る刃先又は刃先領域であると考えられる。
本発明の実施形態の場合、中間層は、Rz値で測定される一定の面粗度を有する。この面粗度は、主に接着性の向上に貢献する。なぜならば、これによって、中間層とダイアモンド層との間においてより大きな表面及び機械的な締付け(クランピング)が実現されるからである。接着性の向上についてはさらに、中間層の炭化物部分におけるひび割れの防止又は低減もその理由ではないかと考えられている。緻密で滑らかな中間層の場合、ひび割れ(クラック)は増炭の際に形成され、これは、負荷を受ける際に、層システム全体に広がり、それ故に、ダイアモンド層の分離を引き起こす。ひび割れは、図2においても確認することができる。
使用及び摩耗試験において種々の厚みの中間層がテストされた。僅か0.5μmという低い厚みの中間層においても、既に接着性の向上が観察された。1.0μmの厚みではさらに良好な結果が見られ、1.5μmでは特に良好な結果が得られた。したがって、中間層の厚みは大きくなり過ぎてはならず、特に、10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。
中間層の面粗さは、凹部(陥凹)及び凸部(隆起)によって形成される。したがって、中間層の厚みは、基材と凸部の平均高さとの間の距離と理解される。これは、特に、SEMでの例えば5000倍の倍率での断面研磨又は破断部の精査によって定量することが可能であるか、又は、SEM画像に基づいて推定することが可能である。面粗度のパラメータRa,Rmax,Rzは、表面のために定義され、一般にスキャン法によって測定される。その定量は、物体の外部形状に寄与する長波部分は観察されない、DIN EN ISO 4287の方法により行われる。ここでは、観察される被覆された物体のために、例えばSEM画像による、断面上の数値の決定が同様に成され得る。このように、研磨パターンにおける平均面粗さの深さRzは、「ピーク」と「谷」の間の水平距離から同様に導き出されるべきである。この測定断面は、相応じて短くなるように選択されなければならない。
従来から、中間層の面粗さRzが、層厚の相当部分を占めること、即ち、それが、層厚の少なくとも15%、好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも50%を占める場合、最良の結果がもたらされることが試験で示されている。
中間層の適用には、いずれのコーティング法も好適である。CVD法は、中間層及びダイアモンドが、ある一定条件下で同じプロセスでまたはシステムもそのままで適用可能であるという利点を有する。PVD法、特にマグネトロンスパッタリングでは、極めて良好な結果が得られる。利点は、コーティングの際、常例に従って適用される基材のバイアスを通して、層にイオンが打ち込まれることである。これは層を圧縮し、さらに、層の中に好都合の圧縮強度を引き起こす。
中間層を「高出力パルスマグネトロンスパッタリング」(HPPMS)によって生成すると、さらなる改善が見られる。この方法は、V.Kouznetsov (WO98/040532)の発明に帰せられる。この方法では、800W/cm2を超えるパワー密度をもつ、短いが、極めて高エネルギーのインパルスによって、非常に高い比率の標的イオンが生成される。この技術では、パルス時間は周期の10%未満を占めるので、平均的に導入されるパワーがマグネトロンに過負荷を与えることは無い。
これによって、層は、より強く、より忠実に基材表面の輪郭に追随するようになる。さらに、基材は、基材のプレストレスの付与(バイアス)を通してイオンエネルギーが増加させられるという点において、この方法で前処理され得る。これにより、層の蓄積は起こらず、むしろ表面が極度に浄化される。例えば800V以上のバイアスにさらなる増加を行った場合、イオンは、基材の中にまで注入される可能性があり、これは、その後に正常のバイアスによって適用される中間層の接着性を増加させる。
中間層を適用した後、基材は一般的にシステムから取り外され、さらなる処理工程を受ける。この工程は、中間層の粗面化を含む。原理的には、この面粗さを如何にして形成するかは重要ではない。また、それ(面粗さ)は、例えば、粗い基材が選択されかつ中間層が形状適合法(フォームフィッティング法)によって適用され、又は、それに応じて、中間層による均一化作用が所望の面粗度を実現するように考慮されるという点において、基材の面粗度(面粗さ)を通して決定されることも可能である。しかしながら、その後に中間層の粗面化を行うことが好ましい。
それ(中間層の面粗度)は、種々のプロセスを通して所望の範囲内に収められ得る。そのようなものとして、当業者に周知の全ての方法、例えば、化学的又は電気化学的エッチング、研磨粒子による超音波処理、サンドブラスト又はショットブラスト、又はレーザー(LASER)粗面化処理が挙げられる。一般に、所望のRz値を実現するためには、面粗度(面粗さ)は、これらの方法の一つによって増加させなければならないが、あるいはまた、ある状況下では低減させなければならない。後者の場合、その方法としては、例えば、ショットブラスト、機械的又は化学的研磨、あるいはレーザー平滑処理である。
本発明によれば、通常の粗面化では、機械的プロセス、特にビームプロセスが好ましい。この場合、例えば、コランダム(鋼玉)又は炭化珪素から成る研磨粒子を表面に向けて加速し、それを所望の面粗度が実現されるまで続ける。ブラスト処理には、サンドブラストが含まれるが、それだけでなくウェットブラスト、ショットブラスト、又はドライアイスブラストも含まれる。
研磨物質としては、好ましくは炭化物粒子であり、特に、100μm未満、好ましくは70μm、より好ましくは30μm未満の粒径をもつSiC粒子である。
多くの場合、基材はすでにある程度の面粗度(面粗さ)を有する。この面粗度は、ダイアモンド層3にも転写されるので、中間層2は、基材と同じ面粗度か又は基材の面粗度よりもやや低い面粗度を有するようになる。したがって、原理的には、本発明による面粗度は、基材の面粗度を介して設定される。しかしながら、中間層の面粗度は、前述のように規定されるのが好ましい。また、中間層の面粗度は、基材の面粗度よりも高いことが好ましい。さらに、中間層の場合の面粗さ先端間の平均距離は、基材の場合よりも小さいことが好ましい。
また、中間層の面粗度は、完全に又は部分的にダイアモンド層にも転写され得る。しかしながら、特に滑らかなダイアモンド層を形成し、基材の面粗度又はダイアモンド層の下部に位置する層の面粗度を均すことができる少なくとも一つの被覆処理(コーティングプロセス)が存在する。これは、本出願人によるWO2004/083484(の国際公開公報)に記載されている。したがって、この書類は、本文書内で引用文献として含まれている。そのような方法がコーティングのために好ましく使用されるべきである。
特に、粗面化のための好ましい機械的方法の場合には、純粋に金属性の中間層又はそれぞれの接着層を適用することが好ましい。これらは、比較的に展性が高く、又、セラミック層又は硬い材料層の場合よりも、欠陥やひび割れ(クラック)が少ない。
面粗度の設定後に、次の工程を実行することが可能である。そのようなものとしては、例えば、研磨及び/又はダイアモンド粒子による核形成前処理(種蒔き/seeding)が挙げられ、これによって、核形成部位の密度及びCVDダイアモンドコーティングの接着強度を高めることが可能である。ここでは、超音波懸濁液、例えば、0.25μmの平均粒径をもつダイアモンド粉末を有するアルコール懸濁液における処理が最も有効であることが判明している。さらに、既にこの工程において、中間層の表面が増炭される増炭処理を実行することが可能である。この工程では、原理的に、当業者に公知の全てのプロセスの使用が可能である。
個々の処理工程間での洗浄手順は、次のプロセス工程の前に基材の表面上の汚染物を除去し、個々の装置間における材料の持ち越しを防止するという点で、有意義であると考えられる。
CVDダイアモンド層は、公知のプロセスによって適用される。削り用工具の場合は、熱フィラメント法(ホットフィラメント法)が好ましい。DLCのような他のカーボン層と対照的に、CVDダイアモンド層は、主に結晶性のsp3−結合炭素を含む。好ましい実施形態では、それは、ナノ結晶ダイアモンドを含み、さらに好ましくは多層から成る。ナノ結晶層は比較的滑らかであり、刃先に使用されると、切断されるべき加工材料を、より効果的に、より低い切断力で切り裂く。異なる結晶サイズ及び/又は非ダイアモンド構成で炭素の異なる部分を含むいくつかの個別層から構成される層は、特に有利である。なぜならば、負荷時に見られる個々の層の境界部におけるひび割れ(クラック)が逸らされて、重要な基材層の界面には到達しないからである。マイクロ結晶層及びナノ結晶層又はそれぞれの複数層の形成は、例えば、DE19914585C1に記載されている。複数層ダイアモンド層は、好ましくはナノ結晶層によって完成される。さらに、それは、好ましくはマイクロ結晶層から始められる。
ナノ結晶ダイアモンドは、主にダイアモンド結晶から成る。それらは、ナノメータ範囲の直径を有する。このダイアモンド結晶の平均直径は、好ましくは、10−100nmの範囲に、より好ましくは20−80nmの範囲にある。それ故、ナノ結晶ダイアモンドは、DLC層のグループとは異なる。後者は、主に非晶質結合の炭素を含み、さらに多くの場合水素を含む。
物体は、好ましくは材料を削るための、ツール(工具)又はツールの一部である。基材の材料としては、硬い材料が好ましく、特に、主にWC及びCoから成る硬い金属が好ましい。
ダイアモンド層全体の厚みは、原則的には、0.5から50μmであってもよいが、好ましくは1から20μmである。それよりも厚い層は、より大きい摩耗体積をもつことになる。しかしながら、より厚い層は、加工時間が長くなるのでより不経済であり、刃先の面取りが増えることになる。さらに、層のひび割れに対する感度がより高くなる。したがって、特定ブレードをもつ切断工具の場合、6から15μmの層厚が好ましい。8から10μmの層厚では、特に良好な結果が得られる。この場合、特に負荷を受ける刃先の領域における層の厚みが特に重要である。
既に述べたように、本発明は、小さい直径をもつツールの場合に特に有利である。そのようなものとしては、GRP及びCFRPのような繊維強化材料を加工するための穴開け機及び粉砕機が挙げられるが、例えば、ボード加工用のボード穴開け機又はミラー(miller)のようなマイクロツール(いわゆるえぐり機)が特に挙げられる。この場合、損傷に対する感度は既に増しており、それは、CVDダイアモンドコーティングのための従来の前処理によってさらに悪化させられる。それに比べて、好ましい処理によって形成された、6mm未満、好ましくは3mm未満、より好ましくは1mm未満の直径を有する回転ツールは、特に優れた使用期間(耐用年数)を示す。
本発明のさらに有利な変形例が、下記に記載される。
一つの変形例では、硬金属から成る結合金属の部分を含む接着層が、硬金属から形成される基材の場合において、基材と中間層の間に配置される。これは、硬金属表面の展性(延性)を増加させ、中間層の接着を促進する。これによって、使用時の負荷及びコーティング又は使用によって熱的に誘発される張力が、より良く許容され得る。接着層は、好ましくは中間層よりも薄く形成される。
一つの変形例では、中間層の金属部分は、避け難い不純物を除いて、Crから成る。
さらなる変形例では、接着層は、Cr及びCoから成る。
さらなる変形例では、中間層は、基材の比較的近くに位置する(横たわる)部分において主にWから成り、それよりもさらに外側に位置する(横たわる)部分において主にCrから成る。
物体を製造するための好ましい方法では、基材は、従来の処理によって洗浄され、次いで、Cr、W、又は合金から成る中間層が、好ましくはPVDプロセスによって適用される。この層の所望の面粗度(面粗さ)は、その後に、この層を例えば硬い材料粒子を用いたサンドブラスト処理によって設定し、次いでCVDダイアモンドコーティングを施す。
中間層表面の部分的増炭は、好ましくは、ダイアモンドコーティングの前又はその最中に実行する。必要に応じて、核形成前処理を、増炭及び/又はダイアモンドコーティングの前に実行してもよい。各工程の間に、洗浄工程を実行するのが好ましい。
中間層表面の部分的増炭は、好ましくは、ダイアモンドコーティングの前又はその最中に実行する。必要に応じて、核形成前処理を、増炭及び/又はダイアモンドコーティングの前に実行してもよい。各工程の間に、洗浄工程を実行するのが好ましい。
また、基材には、PVDコーティングの前にブラスト処理を施すことができる。これによって、例えば、焼結プロセスの際に生じる不均一性は均一化され、及び/又は、もしかすると存在するかも知れないあらい肌は摩耗される。これによって、より優れた接着性のベースが中間層のために形成される。さらに、面粗度を増すことも可能である。基材の事前のブラストには、好ましくはウェットブラストプロセスが使用される。
特に、硬金属の基材の場合、中間層の下部に接着層を設けることができる。これは、中間層が適用され得るのと同じプロセスによって実行してもよいし、或いは、中間層を適用した後に、後続の処理工程において、結合材料が中間層の中に拡散するようにプロセス条件を選択することによって実行してもよい。この拡散は、例えば、ダイアモンドコーティングの開始時又はその最中、例えば、水素雰囲気下900℃のダイアモンドプラントにおいてその場でのアニーリング処理によって実行してもよい。
金属組織学的研磨に加えて、層厚は、図5に示すように、冠状顕微切片(calotte microsection)によって定量することも可能である。このプロセスは、例えば、DIN technical report39,“Charakterisierung du(ウームラウト)nner Schichten”(Characterization of Thin Layers),(ISSN 0179−275X),page21 ff.に示されている。さらに、この領域は、粗面の頂部及び谷部を有する層厚として理解することができ、冠状研磨切片では孔縁として示されるので、Rz又はRmaxのような面粗度(面粗さ)の値も推定することが可能である。
図5は、そのような冠状研磨切片を示す。外側リング10、ダイアモンド層3、孔縁を有する内側リング11、クロム層2、硬金属の基材1を視認することができる。
いくつかの詳細な適用例が、下記に説明される。
CFRPの穴開けのために、0.7μm未満の平均粒径をもつWC−Co微細粒子硬金属及び12wt.−%のコバルト結合剤部分から成る4.5mm直径の穴開け機は、接着性の高いダイアモンド層によって被覆されるべきである。このために、混入の恐れのあるオイル残留物を除去するよう洗浄した後、先ず、ツールに中間層が適用される(設けられる)。HPPMS(高出力パルスマグネトロンスパッタリング)技術によって堆積させられ、処理後にツールの機能領域の全表面を覆うクロム金属層が、適当な層として選択される。このクロム層の厚みは2.1μmである。次に、このCr層に対し、硬い材料粒子による機械的ブラスト処理を実施し、このCr層について、Rz 1.7μmの面粗度(面粗さ)が設定される。次に、超音波ダイアモンド懸濁液において核形成前処理を実行する。超音波中でさらに洗浄した後、800℃のホットフィラメントシステムにおいてダイアモンドコーティングを実行する。コーティングの初期相において、薄いCr炭化物中間層が形成され、その形成は、ダイアモンド層が完成した時点でほぼ完了する。全体として、マイクロ結晶とナノ結晶コーティング層が交互に重畳する、8.0μmの多層ダイアモンド層が堆積される。この中間層によって、従来型のエッチング前処理が施されたツールに比べて、ダイアモンド層の接着度及びそれ故の使用寿命(耐用年数)が相当に増加した。
8wt.−%の結合剤部分をもつ硬金属微粒子から構成される、0.5mmの機能直径を有するボールノーズミル(ball nose mill)を、先ず、DCスパッタリングによって、2.2μm厚のタングステン金属層によってコートする。次に、このタングステン層に対して電気化学的エッチングプロセスを施し、これによってRz=1.95μmの面粗度を設定する。次に、CVDシステムにおいてさらに処理を施す。このシステムでは、基材上において水素雰囲気下900℃の予備的加熱処理によって、先ずCoがW層の中に約0.2μmの深さまで拡散する。次に、ホットフィラメントプロセスにおいて、6μm厚の微細結晶ダイアモンド層の堆積が行われる。ツールの損傷感度及び使用寿命は、従来技術により前処理されたツールに比べ、その他の点では同じであるが、相当に改善される。
Claims (36)
- 基材(1)と、その上に適用された中間層(2)と、前記中間層に適用されたCVDダイアモンド層(3)を備えた物体であって、
前記中間層は、主に金属を含んだものであり、
前記中間層の金属部分は、主にタングステン及び/又はクロムから成り、
前記中間層は、0.5μm−3.0μmのRz値によって規定される面粗度を有する、
ことを特徴とする物体。 - 前記中間層の面粗度のRz値は、少なくとも1.0μm、好ましくは少なくとも1.5μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の物体。 - 前記中間層の面粗度のRz値は、2.5μm以下、好ましくは2.0μm以下である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の物体。 - 前記中間層(2)の厚さは、少なくとも0.5μmであり、10.0μm以下である、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層(2)の厚さは、少なくとも1.0μm、好ましくは少なくとも1.5μmであり、5.0μm以下、好ましくは3.0μm以下である、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層の金属部分は、70at.%のタングステン及びクロム、好ましくは90at.%、より好ましくは不可避の不純物を除き、完全にこれらの元素から成る、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層(2)の面粗度Rzは、層厚の少なくとも15%、より好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも50%である、
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層(2)の金属部分は、不可避の不純物を除き、クロムから成る、
ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層は、前記ダイアモンド層のより近くに配置される領域において、前記中間層の炭化物を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一つに記載の物体。 - クロム含有の中間層の場合において、炭化結合剤Cr7C3及び/又はCr3C2が含まれる、
ことを特徴とする請求項9に記載の物体。 - タングステン含有の中間層の場合において、炭化結合剤W2C及び/又はWCが含まれる、
ことを特徴とする請求項9に記載の物体。 - 炭化物を含む前記中間層の領域は、炭化物を含まない領域よりも小さい体積を有する、
ことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層に形成される炭化物は、少なくとも部分的に、三次元の網状組成構造(6)を形成する、
ことを特徴とする請求項9ないし12いずれか一つに記載の物体。 - 前記網状組成構造は、前記炭化物の領域が主に前記金属の領域を包囲するように設計されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の物体。 - 前記基材(1)と前記中間層(2)の間に接着層(4)が配置され、
前記接着層は、前記中間層(2)から選択された金属元素に加えて、前記基材(1)のの金属元素、硬金属の場合に好ましくは結合材料の元素、もっとも好ましくはコバルトを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし14いずれか一つに記載の物体。 - 前記接着層(4)の金属部分は、不可避の不純物を除き、コバルト及びクロムから成る、
ことを特徴とする請求項15に記載の物体。 - 前記中間層(2)及び/又は前記接着層(4)は、複数層をなすように設計されている、
ることを特徴とする請求項1ないし16いずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層(2)及び接着層(4)の組成は、互いに漸次的に浸入するか、及び/又は、前記中間層(2)及び接着層(4)の個々の層の組成は、互いに漸次的に浸入する、
ことを特徴とする請求項1ないし17いずれか一つに記載の物体。 - 前記中間層(2)は、前記ダイアモンド層(3)直接隣接する領域において前記金属元素として主にクロムを含み、前記基材に近接して位置付けられる領域において主にタングステンを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし18いずれか一つに記載の物体。 - 前記基材(1)は、硬金属、好ましくは1wt.−%よりも少ない他の元素を含むWC−Co硬金属である、
ことを特徴とする請求項1ないし19いずれか一つに記載の物体。 - 前記物体は、10wt.−%以上のCo含量量を有する、
ことを特徴とする請求項20に記載の物体。 - 前記WC粒子の平均直径は、0.7μm以下である、
ことを特徴とする請求項20又は21に記載の物体。 - 前記物体は、削り加工を行うためのツール又はツールの一部である、
ことを特徴とする請求項1ないし22いずれか一つに記載の物体。 - 前記物体は、繊維強化材料の削り加工を行うための回転ツールである、
ことを特徴とする請求項1ないし23いずれか一つに記載の物体。 - 前記物体は、マイクロツールである、
ことを特徴とする請求項1ないし24いずれか一つに記載の物体。 - 前記物体は、6mm未満の、好ましくは3mm未満の、より好ましくは1mm未満の実用直径を有する回転ツールである、
ことを特徴とする請求項1ないし25いずれか一つに記載の物体。 - 被覆された物体の製造方法であって、
少なくとも主に金属性の中間層(2)が、PVDによって基材(1)に適用され、
前記中間層(2)は、主にタングステン及び/又はクロムからなり、
ダイアモンド層(3)が、CVDによって前記中間層(2)に適用される、
ことを特徴とする物体の製造方法。 - 前記中間層(2)は、PVDによって、純粋に金属のみから成るように適用される、
ことを特徴とする請求項27に記載の物体の製造方法。 - 前記中間層(2)の適用時及び/又は前記中間層(2)の適用のための前記前処理時の少なくともその一部分で、HPPMSプロセスにおいて、少なくとも一つのマグネトロンカソードが作動される、
ことを特徴とする請求項27又は28に記載の物体の製造方法。 - 前記中間層(2)の面粗度は、サンドブラスト、好ましくは炭化物ブラスト手段、より好ましくは炭化珪素を用いたサンドブラストにより形成される、
ことを特徴とする請求項27ないし29いずれか一つに記載の物体の製造方法。 - 前記中間層(2)の粗面化の後であるがCVDダイアモンド層(3)が適用される前、すなわち、好ましくはダイアモンド粉末の助けによる核形成前処理が成される前に、少なくとも一つの他の処理工程が行われる、
ことを特徴とする請求項27ないし30いずれか一つに記載の物体の製造方法。 - 前記ダイアモンド層は前記ホットフィラメントプロセスによって適用され、前記基材の温度は、少なくとも前記ダイアモンド層が完成していないコーティング相において、600から1000℃の範囲、好ましくは700から900℃の範囲、より好ましくは750から850℃の範囲に、維持される、
ことを特徴とする請求項27ないし31いずれか一つに記載の物体の製造方法。 - 前記増炭時に、粒子制限拡散プロセスによって支援されて、三次元の網状組成構造が前記中間層(4)中に形成される、
ことを特徴とする請求項27ないし32いずれか一つに記載の物体の製造方法。 - 基材(1)と、その上に適用された中間層(2)と、前記中間層に適用されたCVDダイアモンド層(3)を備えた物体であって、
前記中間層(2)は、主に金属を含んだものであり、
前記中間層(2)の金属部分は、主にタングステン及び/又はクロムから成り、
前記中間層(2)の面粗度は、前記基材(1)のそれよりも大きく、かつ、前記ダイアモンド層(3)の面粗度よりも大きい、
ことを特徴とする物体。 - 前記ダイアモンド層(3)の面粗度は、前記基材(1)のそれよりも小さい、
ことを特徴とする請求項34に記載のダイアモンド被覆物体。 - 前記ダイアモンド層(3)は、前記中間層(2)の上に直接配置される、
ことを特徴とする請求項34又は35に記載のダイアモンド被覆物体。
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