JPWO2020004040A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

空気入りタイヤは、タイヤケースとトレッドとの間に、コードを樹脂で被覆して構成された樹脂被覆コードが螺旋状に巻回されていると共に、タイヤ幅方向に互いに隣接する一方の樹脂被覆コードの樹脂と他方の樹脂被覆コードの樹脂とが一体的に接合されている単層のベルトを有し、トレッドの溝は、溝底面と、溝壁面とを備え、溝の長さ方向に直交する溝の断面では、溝底面と溝壁面との角部がタイヤ径方向内側に凸となるように湾曲した円弧により形成され、円弧の曲率半径は1.2mm以下、且つ、0.6mm以上である。

Description

本開示は、螺旋状に巻回したコードを含んで構成されたベルトを備えた空気入りタイヤに関する。
自動車に装着する空気入りタイヤとしては、カーカスのタイヤ径方向外側にタイヤ周方向に対して傾斜したコードを含んで構成された2枚以上の傾斜ベルトプライと、傾斜ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置された補強層等を備えた複数層からなるベルトを備えた構造が一般的である(例えば、特開2013−244930号公報、特開2013−220741号公報参照)。
上記の空気入りタイヤは、2枚以上の傾斜ベルトプライと、補強層を備えているため、カーカスのクラウン部の補強として必要な面内剪断剛性等を確保することは可能であるが、プライや補強層の層数が多いためタイヤの軽量化は困難となっている。
近年では、空気入りタイヤの軽量化等のニーズが高まっており、それに対応した空気入りタイヤが要望されている。
また近年、トレッドにおける耐摩耗性に優れた材料開発によりトレッドの厚さを薄くすることが可能になり、軽量化を図ることができるようになっており、トレッドの厚さ減少や、軽量化に伴って、トレッドの表面の溝のボリュームも減少化する傾向にあり、従来の溝のボリュームでは、充分の排水性を有していたのに対して、溝ボリューム減少により、従来の排水性を確保することが難しくなってきている。
一方、溝の溝底面と溝壁面との角部の円弧形状の曲率半径が小さくなると、溝断面積を増加させることができ、溝のボリュームを増加させることができるが、溝底面側には、走行時に応力が集中しやすく、当該円弧の曲率半径を小さくすると、当該箇所に応力集中し、溝底クラックが発生しやすくなるという問題があった。
本開示は上記事実を考慮し、樹脂被覆コードを螺旋状に巻回されているベルトを有することにより、走行時の変形が抑制されることで、面内剪断剛性の確保と軽量化の両立を図るとともに、さらに溝の角部の円弧の曲率半径を調整することで溝底面への応力集中を避けて溝底クラックの発生を抑制すると共にトレッドの溝ボリュームを増加することができて、排水性を向上させることが可能な空気入りタイヤの提供を目的とする。
本開示に係る空気入りタイヤは、一方のビード部から他方のビード部に跨るカーカスを含んで構成され、少なくとも前記カーカスのタイヤ幅方向の外側部が第1のゴム材料で被覆されたタイヤケースと、表面に溝が設けられ、前記タイヤケースのタイヤ径方向外側に配置され第2のゴム材料からなるトレッドと、前記タイヤケースと前記トレッドとの間に配置され、コードを前記第1のゴム材料及び前記第2のゴム材料よりも引張弾性率が大きい樹脂で被覆して構成された樹脂被覆コードが螺旋状に巻回されていると共に、タイヤ幅方向断面で見てタイヤ幅方向に互いに隣接する一方の前記樹脂被覆コードの前記樹脂と他方の前記樹脂被覆コードの前記樹脂とが一体的に接合されている単層のベルトとを有し、前記トレッドの前記溝は、前記溝の最深部に位置する溝底面と、前記溝底面の幅方向の両端からタイヤ径方向外側に配置された溝壁面とを備え、前記溝の長さ方向に直交する前記溝の断面では、前記溝底面と前記溝壁面との角部がタイヤ径方向内側に凸となるように湾曲した円弧により形成され、前記円弧の曲率半径を1.2(R4)mm以下、且つ、0.6(R2)mm以上にした。
の空気入りタイヤのベルトは、樹脂で被覆されたコードが螺旋状に巻回されていると共に、タイヤ幅方向に隣接する一方のコードを被覆した樹脂と他方のコードを被覆した樹脂とが一体的に接合された構成である。
また、ベルトは、カーカスの外側部を被覆する第1のゴム材料、及びトレッドを構成する第2のゴム材料よりも引張弾性率が大きい樹脂がタイヤ幅方向に連続しているので、コード間にゴムが配置されたベルトに比較して高い面内剪断剛性を得ることができる。
また、溝底面と溝壁面との角部にはタイヤ径方向内側に凸となるように湾曲した円弧により形成され、前記円弧の曲率半径を1.2(R4)mm以下、且つ、0.6(R2)mm以上にしているので、溝底にクラックが発生することを抑制することができる。また、曲率半径を上記範囲に設定することにより、上記範囲の上限を超えるような場合と比較して溝ボリュームを増加させることができるので、排水性を向上させることができる。
なお、前記円弧の曲率半径を0.6(R2)mm以上が好ましいとしたのは、これ未満だと溝底面にクラックが発生しやすくなるからであり、前記円弧の曲率半径を1.2(R4)mm以下としたのは、これを超えると、溝の断面積が小さくなって溝ボリュームが減少し、水を排除する能力、いわゆる排水性が十分でなくなるからである。
本開示の空気入りタイヤによれば、ベルトの面内剪断剛性の確保及び軽量化を図ることができるとともに、さらに溝の角部の曲率半径を調整することで溝底面への応力集中を避けて溝底クラックの発生を抑制すると共に、溝ボリュームを増加させることができて、良好な排水性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤのショルダー付近を示す拡大断面図である。 (A)(B)は、本発明の実施形態に係るトレッドの溝の円弧の曲率半径を示す溝の長さ方向に直交する断面図である。 円弧の曲率半径を複数種類設けた場合の溝底クラックの発生評価と排水性評価を示す説明図である。
図1、及び図2を用いて、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、例えば、乗用車に用いられる所謂ラジアルタイヤであり、ビードコア12が埋設された一対のビード部20を備え、一方のビード部20と他方のビード部20との間に、1枚のカーカスプライ14からなるカーカス16が跨っている。なお、図1は、空気入りタイヤ10の空気充填前の自然状態の形状を示している。
カーカスプライ14は、空気入りタイヤ10のラジアル方向に延びる複数本のコード(図示せず)をコーティングゴム(図示せず)で被覆して形成されている。即ち、本実施形態の空気入りタイヤ10は、所謂ラジアルタイヤである。カーカスプライ14のコードの材料は、例えば、PETであるが、従来公知の他の材料であっても良い。
カーカスプライ14は、タイヤ幅方向の端部分がビードコア12をタイヤ径方向外側に折り返されている。カーカスプライ14は、一方のビードコア12から他方のビードコア12に跨る部分が本体部14Aと呼ばれ、ビードコア12から折り返されている部分が折り返し部14Bと呼ばれる。
カーカスプライ14の本体部14Aと折返し部14Bとの間には、ビードコア12からタイヤ径方向外側に向けて厚さが漸減するビードフィラー18が配置されている。なお、空気入りタイヤ10において、ビードフィラー18のタイヤ径方向外側端18Aからタイヤ径方向内側の部分がビード部20とされている。
カーカス16のタイヤ内側にはゴムからなるインナーライナー22が配置されており、カーカス16のタイヤ幅方向外側には、第1のゴム材料からなるサイドゴム層24が配置されている。
なお、本実施形態では、ビードコア12、カーカス16、ビードフィラー18、インナーライナー22、及びサイドゴム層24によってタイヤケース25が構成されている。タイヤケース25は、言い換えれば、空気入りタイヤ10の骨格を成すタイヤ骨格部材のことである。
カーカス16のクラウン部の外側、言い換えればカーカス16のタイヤ径方向外側には、ベルト26が配置されており、ベルト26はカーカス16の外周面に密着している。ベルト26は、複数本(本実施形態では2本)の補強コード30を樹脂32で被覆した樹脂被覆コード34に巻回することで形成されている。
ベルト26は、2本の補強コード30を被覆用の樹脂32で被覆した樹脂被覆コード34(図2において、2点鎖線で図示。)を螺旋状に巻回して形成する。この樹脂被覆コード34の断面形状は矩形(横幅の長方形)である。
具体的には、樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム(図示せず)の外周面に螺旋状に巻き付けると共に該外周面に押し付けていくことで、ベルト成形ドラムの外周面にベルト26が形成される。
樹脂被覆コード34のタイヤ径方向の内周部分の被覆樹脂は、カーカス16の外周面にゴムや接着剤を介して接合されて構成されている。また、樹脂被覆コード34のタイヤ幅方向に互いに隣接する被覆樹脂同士は、熱溶着や接着剤などで一体的に接合されている。これにより、被覆樹脂にて被覆された補強コード30からなるベルト26(樹脂被覆ベルト)が形成されている。
ベルト26の補強コード30は、カーカスプライ14のコードよりも太く、かつ、引張強度が大きいものを用いることが好ましい。ベルト26の補強コード30は、金属繊維や有機繊維等のモノフィラメント(単線)、又はこれらの繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)で構成することができる。本実施形態の補強コード30は、スチールコードである。補強コード30としては、例えば、直径が0.225mmの“1×5”のスチールコードを用いることができるが、従来公知の他の構造のスチールコードを用いることもできる。
補強コード30を被覆する樹脂32には、サイドゴム層24を構成するゴム、及び後述するトレッド36を構成する第2のゴム材料よりも引張弾性率の高い樹脂材料が用いられている。補強コード30を被覆する樹脂32としては、弾性を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)、及び熱硬化性樹脂等を用いることができる。走行時の弾性と製造時の成形性を考慮すると、熱可塑性エラストマーを用いることが望ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。さらに、熱可塑性樹脂材料としては、例えば、ISO75−2又はASTM D648に規定されている荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78度以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸びが50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130°C以上であるものを用いることができる。
補強コード30を被覆する樹脂32の引張弾性率(JIS K7113:1995に規定される)は、100MPa以上が好ましい。また、補強コード30を被覆する樹脂32の引張弾性率の上限は、1000MPa以下とすることが好ましい。なお、補強コード30を被覆する樹脂32の引張弾性率は、200〜700MPaの範囲内が特に好ましい。
図1に示すように、本実施形態のベルト26の厚さ寸法tは、補強コード30の直径寸法よりも大きくすることが好ましい、言い換えれば、補強コード30が完全に樹脂32に埋設されていることが好ましい。ベルト26の厚さ寸法tは、空気入りタイヤ10が乗用車用の場合、具体的には、0.70mm以上とすることが好ましい。
ベルト26のタイヤ径方向外側には、第2のゴム材料からなるトレッド36が配置されている。トレッド36に用いる第2のゴム材料は、従来一般公知のものが用いられる。トレッド36には、排水用の溝37が形成されている。
タイヤ軸方向に沿って計測するベルト26の幅BWは、タイヤ軸方向に沿って計測するトレッド36の接地幅TWに対して75%以上とすることが好ましい。なお、ベルト26の幅BWの上限は、接地幅TWに対して110%とすることが好ましい。
ここで、トレッド36の接地幅TWとは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(2018年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、静止した状態で水平な平板に対して回転軸が平行となるように配置し、最大の負荷能力に対応する質量を加えたときのものである。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
また、ベルト26の面内剪断剛性は、ゴム被覆で形成されたベルト以上であることが好ましい。
また、トレッド36の溝37において、溝37の長さ方向に直交する溝37の断面では、図3に示すように溝底面41と溝底面41の幅方向の両端からタイヤ径方向外側に配置された溝壁面42とが設けられている。
トレッド36の溝37の長さ方向に直交する溝37の断面では、溝底面41と溝壁面42との角部には、タイヤ径方向内側に凸となるように湾曲した円弧が形成されている。
この円弧の曲率半径Rは、溝37の断面積(溝37のボリューム)に左右される排水性を考慮すると1.2(R4)mm以下とすることが好ましい。
さらに、この円弧の曲率半径Rは、溝37の溝底面41への走行時の応力集中による溝底クラックの発生を考慮すると、0.6(R2)mm以上とすることが好ましい。
(作用、効果)
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用、効果を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、カーカス16のクラウン部が、螺旋状に巻回された補強コード30が樹脂32で被覆されたベルト26で補強されているため、従来タイヤの2枚以上のベルトプライから構成された複数層からなるベルトに比較して軽量となり、製造も簡単になる。
本実施形態のベルト26は、補強コード30を被覆している樹脂32の引張弾性率が100MPa以上とされ、厚みも0.7mm以上確保されているので、ベルト26のタイヤ幅方向の面内剪断剛性を十分に確保することができる。
ベルト26の面内剪断剛性が確保されることで、空気入りタイヤ10にスリップ角を付与した場合の横力を十分に発生させることができ、操縦安定性を確保することができ、また、応答性も向上させることができる。
また、ベルト26の面外曲げ剛性が確保されることで、空気入りタイヤ10に大きな横力が入力した際、トレッド36のバックリング(トレッド36の表面が波打って、一部が路面から離間する現象)を抑制することができる。
さらに、本実施形態の空気入りタイヤ10では、面内剪断剛性が高いベルト26を用いており、ベルト26の幅BWをトレッド36の接地幅TWの75%以上としているので、ショルダー39付近の剛性を高めることができる。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、ベルト26が1層構造であるため、従来の2枚以上のベルトプライで構成した場合に比較して、ベルト26の厚みを薄くでき、その分トレッド36の厚みを厚くすることができ、かつ溝37の深さを深くすることができる。これにより、空気入りタイヤ10の寿命を延ばすことも可能となる。
空気入りタイヤ10におけるベルト26は、補強コード30が螺旋状に巻回され、周上で補強コード30がタイヤ径方向に重なる部分が無く、タイヤ周方向に厚さが均一となっているので、空気入りタイヤ10はユニフォミティーに優れたものとなる。
ベルト26の厚みt、言い換えれば樹脂32の厚みが0.7mm未満になると、樹脂32中に埋設する補強コード30を太くしてタガ効果を得ることができなくなる虞がある。
また、ベルト26の幅BWがトレッド36の接地幅TWに対して75%未満となると、ベルト26のタガ効果が不十分となったり、ショルダー39付近の騒音の発生を抑制することが困難になったりする虞がある。一方、ベルト26の幅BWがトレッド36の接地幅TWに対して100%を超えると、タガ効果としては頭打ち状態となり、ベルト26が必要以上となり、空気入りタイヤ10の重量増加を招く。
本実施の形態の空気入りタイヤ10では、溝底面41と溝壁面42との角部にはタイヤ径方向内側に凸となるように湾曲した円弧が形成され、この円弧の曲率半径を1.2(R4)mm以下、且つ、0.6(R2)mm以上にしている。
この円弧の曲率半径を0.6(R2)mm以上としているので、当該数値未満となるようなものと比較して、溝底面41にクラックが発生することを抑制することができる。
さらに、前記円弧の曲率半径を1.2(R4)mm以下としているので、これを超えるような場合と比較して、溝37の断面積を大きくすることができ、溝37のボリュームを増加させることができ、十分な排水性を確保することができる。
以上説明したように本開示の空気入りタイヤ10よれば、溝37の角部の円弧の曲率半径を上述したように調整することで溝底面41への応力集中を避けて溝底クラックの発生を抑制すると共に、溝37のボリュームを増加させることができて、良好な排水性を確保することができるという優れた効果を有する。
なお、特に図示しないが、本実施形態の空気入りタイヤ10では、ベルト26のタイヤ幅方向の端部付近が、帯状のレイヤーでタイヤ径方向外側から覆われているようにしてもよい。このようにすると、剛性分布をタイヤ幅方向に見て、補強コード30が埋設されたベルト26とゴムのみからなるトレッド36との間では、剛性段差が大きい、言い換えれば、剛性の差が大きい。ベルト26の端部付近等、剛性が大きく変化する部位では、応力が集中し易い。このため、レイヤーで覆うことで、タイヤ幅方向に見て、ベルト26の端部からトレッド36にかけて剛性を徐々に変化させることができ、ベルト端付近の応力の集中を抑制することができる。
また、特に図示しないが、本実施形態の空気入りタイヤ10では、ベルト26とカーカス16との間に、樹脂材料のみからなる樹脂層を設けてもよい。当該樹脂層を構成する樹脂材料とベルト26の樹脂32とは溶着により接合されて一体化している。
このようにすると、ベルト26に樹脂層が一体化しており、樹脂部分が厚くなっているので、ベルト26の面内剪断剛性を更に高くすることができる。また、互いに隣接する樹脂被覆コード34が、側面同士のみが溶着で接合されているような場合と比較して、互いに隣接する樹脂被覆コード34が、側面同士のみならず、樹脂層を介しても溶着で接合されているので、高い接合強度を得ることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態のベルト26は、タイヤ軸方向に一定径、一定厚さで形成されていた、言い換えれば、タイヤ軸線に沿った断面で見たときに一直線状であったが、これに限らず、タイヤ幅方向中央部の外径をタイヤ幅方向両端部の外径よりも大径とし、タイヤ軸線に沿った断面で見たときに、タイヤ幅方向中央部がタイヤ径方向外側へ凸となる円弧状であってもよい。
上記実施形態では、ベルト26を製造する際に用いた樹脂被覆コード34が、2本の補強コード30を樹脂32で被覆したものであったが、樹脂被覆コード34は1本の補強コード30を樹脂32で被覆したものであってもよく、3本以上の補強コード30を樹脂32で被覆したものであってもよい。
また、上記実施形態の樹脂被覆コード34は断面形状が矩形であり、図2に示すように、カーカス16側(図面下方側)の内周面34Aと、トレッド36側(図面上方側)の外周面34Bとが、ベルト幅方向に変位していないが、樹脂被覆コード34は断面形状は矩形に限らず、カーカス側(図面下方側)の内周面34Aと、トレッド側(図面上方側)の外周面34Bとが、ベルト幅方向に変位していてもよい。
本実施形態のベルト26は、一般的な空気入りタイヤに限らず、サイド部を補強ゴムで補強したランフラットタイヤに用いることもできる。
上記実施形態のベルト26では、ベルト幅方向に隣接する樹脂被覆コード34のタイヤ幅方向の側面同士が溶着により接合されていたが、接着剤を用いて接合されていてもよい。
本開示の効果を確かめるために、幅7mmの主溝の溝底底面と溝壁面との角部の円弧の曲率半径を図4に示すように、R1〜R5のタイヤモデルを作成した。前述の本発明の実施の形態に係るタイヤモデル(R2〜R4、実施例1〜3)と、溝の溝底深さを同一にして、溝の円弧の曲率半径のみ異なる溝を有するタイヤモデル(R1、R5、比較例1、2)とについてシミュレーションによる検証を行った。
前記タイヤモデルのシミュレーションによるトレッド溝底の耐クラック性能結果を図4に示す。
A:クラック発生せず
B:1mm未満のクラック発生
F:1mm以上のクラック発生
また、同様に上述した前記タイヤモデルのシミュレーションによる排水性評価結果を図4に示す。
A:排水性良好
B:排水性普通
C:排水性やや不良
具体的には実施例3の空気入りタイヤの限界速度をINDEX:100としたときのR1〜R5の各指標(R1〜R5の結果が、110、110、110、100、95)のような排水性の指標になった。
図4から明らかなように、本発明の実施例1〜3は、比較例1よりもトレッド溝底のクラック発生が少なく、クラック発生が抑制されている。
また、本発明の実施例1〜3は、比較例2よりも排水性に優れていることがわかる。
2018年6月25日に出願された日本国特許出願2018−120277号の開示は、その全体が参照される。
本明細書に記載されたすべての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照されることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照される。

Claims (1)

  1. 一方のビード部から他方のビード部に跨るカーカスを含んで構成され、少なくとも前記カーカスのタイヤ幅方向の外側部が第1のゴム材料で被覆されたタイヤケースと、
    表面に溝が設けられ、前記タイヤケースのタイヤ径方向外側に配置され第2のゴム材料からなるトレッドと、
    前記タイヤケースと前記トレッドとの間に配置され、コードを前記第1のゴム材料及び前記第2のゴム材料よりも引張弾性率が大きい樹脂で被覆して構成された樹脂被覆コードが螺旋状に巻回されていると共に、タイヤ幅方向断面で見てタイヤ幅方向に互いに隣接する一方の前記樹脂被覆コードの前記樹脂と他方の前記樹脂被覆コードの前記樹脂とが一体的に接合されている単層のベルトとを有し、
    前記トレッドの前記溝は、前記溝の最深部に位置する溝底面と、前記溝底面の幅方向の両端からタイヤ径方向外側に配置された溝壁面とを備え、
    前記溝の長さ方向に直交する前記溝の断面では、前記溝底面と前記溝壁面との角部がタイヤ径方向内側に凸となるように湾曲した円弧により形成され、
    前記円弧の曲率半径を1.2mm以下、且つ、0.6mm以上にしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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