JPWO2020003824A1 - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

優れた耐熱性、密着性を有するとともに誘電正接がより低い硬化物を得ることができるエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供する。具体的には、α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、及び硬化剤を含有し、硬化剤が活性エステル構造を含有する、エポキシ樹脂組成物とする。α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が、式(1)で表される構造を有することが好ましい。硬化剤が、式(2)で表される構造を有することが好ましい。硬化剤が、フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物と芳香族モノカルボン酸またはその酸ハロゲン化物とを必須の反応原料とする活性エステル化合物又は樹脂であることが好ましい。

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
エポキシ樹脂及びその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、その硬化物において優れた耐熱性と絶縁性を発現することから、半導体や多層プリント基板などの電子部品用途において広く用いられている。特許文献1には、高耐熱性、低吸水性、高接着性を兼ね備えた樹脂組成物として、所定の構造を有するエポキシ樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、難燃性に優れるとともに、耐湿性、耐熱性、低熱膨張性、金属基材との接着性にも優れた性能を有する樹脂として、所定の構造を有するエポキシ樹脂が開示されている。
電子部品用途のなかでもプリント配線板材料の技術分野では、情報の高速処理に適応するために、誘電特性の向上が必要とされている。誘電特性に優れる材料として、エポキシ樹脂及び活性エステル樹脂からなる硬化系樹脂組成物が検討されている。例えば、特許文献3には、連鎖末端にアリールオキシカルボニル基を有する、芳香族多価カルボン酸と芳香族多価ヒドロキシ化合物との重縮合体をエポキシ樹脂の硬化剤として使用したエポキシ樹脂組成物が提案されている。このエポキシ樹脂組成物は、耐熱性に優れ、誘電正接の低いエポキシ樹脂硬化物を与えることができる。また基板の誘電特性を向上させるために使用される銅箔の表面粗度を低下させる検討も行われているが、この場合、誘電特性が向上する一方で、樹脂層との密着性は低下し、各種不良が発生しやすくなる。以上のことから、電子部品市場では耐熱性、誘電特性、密着性の良好な樹脂が求められている。
特開平6−271654号公報 特開2006−160868号公報 特開2008−291279号公報
本発明は、上記技術をさらに進めたものであり、優れた耐熱性、密着性を有するとともに誘電正接がより低い硬化物を得ることができるエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂と、フェノール基及び芳香族カルボン酸基から生成するエステル構造(以下、「活性エステル構造」ともいう。)を有する硬化剤とを組み合わせて用いることで上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[8]に関する。
[1]α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、及び硬化剤を含有し、前記硬化剤が、活性エステル構造を有する、エポキシ樹脂組成物。
[2]前記α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が、以下の式(1)で表される構造を有する、[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 2020003824
(式(1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基、アリル基、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を示す。nは1〜20の整数である。)
[3]前記硬化剤が、以下の式(2)で表される構造を有する、[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 2020003824
(式(2)中、Xは1価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表し、Yは2価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表す。nは0〜20の整数である。)
[4]前記硬化剤が、フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物と芳香族モノカルボン酸またはその酸ハロゲン化物とを必須の反応原料とする活性エステル化合物又は樹脂である[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[5]さらに硬化促進剤を含有する、[1]から[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[6][1]から[5]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
[7][1]から[5]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いたプリント配線基板。
[8][1]から[5]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いた半導体封止材料。
本発明によれば、優れた耐熱性、密着性を有するとともに誘電正接がより低い硬化物を得ることができるエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することができる。
合成例2で得られたα−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(A−2)のGPCチャートである。 比較合成例2で得られたα−ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(B−2)のGPCチャートである。 比較合成例4で得られたβ−ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(B−4)のGPCチャートである。 比較合成例6で得られたメトキシ変性α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(B−6)のGPCチャートである。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
[エポキシ樹脂組成物]
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する。
(エポキシ樹脂)
α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂は、分子主骨格にα−ナフトール由来の官能基とビフェニル基とを有するエポキシ樹脂である。こうした分子主骨格を有するエポキシ樹脂と、後述する活性エステル構造を有する硬化剤とを組み合わせることで、優れた耐熱性及び密着性を有するとともに、従来よりも優れた誘電特性を有する硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂としては、以下の式(1)で表される構造を有するエポキシ樹脂を用いることができる。
Figure 2020003824
但し、式(1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基、アリル基、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を示す。nは1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜12の整数である。ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、ブロモ原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。アルキル基としては、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基を挙げることができる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜6のアルコキシ基を挙げることができる。炭素原子数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、メトキシナフチル基等を挙げることができる。中でも、強化繊維等の基材への含浸性、硬化物における耐熱性及び靱性のバランスに優れることから、Rは水素原子であることが好ましい。
α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の軟化点は、特に限定されないが、溶剤溶解性と硬化物の耐熱性が良好となることから、70℃〜140℃であることが好ましく、75℃〜130℃であることがより好ましく、80℃〜120℃であることがさらに好ましい。なお、軟化点は、JIS K7234に準拠して測定する。
α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、硬化物における耐熱性と強化繊維等の基材への含浸性との両方に優れることから、280〜450g/当量の範囲であることが好ましい。
α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の製法は、特に限定されず、α−ナフトールとビスクロロメチルビフェニル等のビフェニル化合物との重縮合物を、エピクロルヒドリン等を用いてポリグリシジルエーテル化して得ることができる。
(硬化剤)
硬化剤は、活性エステル構造を有する。「活性エステル構造」とは、フェノール基及び芳香族カルボン酸基に由来するエステル構造を意味している。硬化剤は、活性エステル構造を有する化合物又は樹脂(以下、単に「活性エステル樹脂」ともいう。)で構成することができる。活性エステル樹脂の具体的な例としては、フェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)、フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a2)及び芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a3)から選択される化合物を反応原料とする活性エステル樹脂(I)、フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(b1)、芳香族モノカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(b2)及び芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(b3)から選択される化合物を反応原料とする活性エステル樹脂(II)が挙げられる。これらは単独で使用しても、併用しても良い。
フェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,6−キシレノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、4−ベンジルフェノール、4−(α−クミル)フェノール、α−ナフトール、β−ナフトールなどの芳香族モノヒドロキシ化合物を挙げることができる。中でも、硬化剤がα−ナフトール、β−ナフトールo−フェニルフェノール、及び/又はp−フェニルフェノールの残基を有することでより低い誘電正接の硬化物を得ることができる。
フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a2)、(b1)としては、芳香族多価ヒドロキシ化合物を挙げることができる。芳香族多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、レゾルシノール、ヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1,6−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、3,3',5,5'−テトラメチルビスフェノールF、3,3',5,5'−テトラメチルビフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物;1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、トリフェノールメタン等の芳香族トリヒドロキシ化合物;2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,2,2−テトラフェノールエタン等を挙げることができる。
また、化合物(a2)、(b1)は、下記式(4)で表される化合物でもよい。
Figure 2020003824
(但し、式(4)中、mは0〜20の整数である)
上記式(4)において、Arはそれぞれ独立して、フェノール性水酸基を含有する置換基を表し、Zは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキレン、置換若しくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキレン、炭素原子数6〜20のアリーレン、又は炭素原子数8〜20のアラルキレンである。
Arとしては、特に制限されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,6−キシレノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、4−ベンジルフェノール、4−(α−クミル)フェノール、α−ナフトール、β−ナフトールなどの芳香族モノヒドロキシ化合物の残基を挙げることができる。
前記炭素原子数1〜20のアルキレンとしては、特に制限されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、1−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン、ヘキシレン等が挙げられる。
前記炭素原子数3〜20のシクロアルキレンとしては、特に制限されないが、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、シクロへプチレン、および下記式(5−1)〜(5−4)で表されるシクロアルキレン等が挙げられる。
Figure 2020003824
なお、上記式(5−1)〜(5−4)において、「*」はArと結合する部位を表す。
前記炭素原子数6〜20のアリーレンとしては、特に制限されないが、下記式(6−1)で表されるアリーレン等が挙げられる。
Figure 2020003824
なお、上記式(6−1)において、「*」はArと結合する部位を表す。
前記炭素原子数8〜20のアラルキレンとしては、特に制限されないが、下記式(7−1)〜(7−5)で表されるアラルキレン等が挙げられる。
Figure 2020003824
なお、式(7−1)〜(7−5)において、「*」はArと結合する部位を表す。
上述のうち、式(4)中のZは、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン、炭素原子数6〜20のアリーレン、炭素原子数8〜20のアラルキレンであることが好ましく、式(5−3)、(5−4)、(6−1)、(7−1)〜(7−5)で表されるものであることが、密着性と誘電特性の観点からより好ましい。式(4)におけるmは、0または1〜10の整数であり、好ましくは0〜8であり、溶剤溶解性の観点から、好ましくは0〜5である。
また、化合物(a2)、(b1)は下記式(8)記載の構造でも良い。
Figure 2020003824
・・・(8)
(但し式(8)中、lは1以上の整数、Rは水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
式(8)において、lは好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12の整数である。アルキル基としては、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基を挙げることができる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。アリール基としては、ベンジル基、ナフチル基、メトキシナフチル基等を挙げることができる。
化合物(a2)、(b1)は、上述した中でも、反応生成物の溶剤溶解性と誘電特性の点で、式(4)、(8)で表される化合物が好ましく、更に、式(4)の内、Arがフェノール、オルソクレゾール、又はα−ナフトール、β−ナフトールの残基であり、かつZが式(5−3)、(6−1)、(7−1)〜(7−5)であるもの、及び、式(8)であるものがより好ましい。
芳香族モノカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(b2)としては、具体的には、安息香酸、安息香酸クロリドを挙げることができる。
芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a3)、(b3)としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−、2,3−、あるいは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;トリメシン酸、トリメリット酸等の芳香族トリカルボン酸;ピロメリット酸;およびこれらの酸塩化物等を挙げることができる。中でも、反応物の融点や溶剤溶解性が優れる点で、イソフタル酸、あるいはイソフタル酸とテレフタル酸との混合物が好ましい。
上記構造を有する活性エステル樹脂としては、例えば、以下の活性エステル樹脂(I)及び(II)を挙げることができる。
活性エステル樹脂(I)としては、例えば、以下の式(2)で表される構造を有する活性エステル樹脂を挙げることができる。
Figure 2020003824
式(2)中、Xは1価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表し、Yは2価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表す。nは0〜20、好ましくは0〜15、より好ましくは0〜10の整数である。
活性エステル樹脂(II)としては、例えば、以下の式(3)で表される構造を有する活性エステル樹脂を挙げることができる。
Figure 2020003824
式(3)中、Yは2価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表し、Rは水素原子、アルキル基を表す。nは0〜20、好ましくは0〜15、より好ましくは0〜10の整数である。アルキル基としては、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基を挙げることができる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
この中でも、耐湿熱性に優れる点で、式(2)で表される活性エステル樹脂(I)であることが好ましい。
活性エステル樹脂のエステル化当量は、150〜400g/eqであることが好ましく、160〜350g/eqであることがより好ましく、170〜300g/eqであることがさらに好ましい。活性エステル樹脂のエステル化当量を上記範囲とすることで、耐熱性と誘電特性を良好なバランスとすることができる。
活性エステル樹脂の溶融粘度は、200℃、ICI粘度計により測定した値として0.01〜500dPa・sであることが好ましく、0.01〜400dPa・sであることがより好ましく、0.01〜300dPa・sであることがさらに好ましい。活性エステル樹脂の溶融粘度を上記範囲とすることで、成形性と硬化物の耐熱性を良好なバランスとすることができる。
活性エステル樹脂の軟化点は、特に限定されないが、溶剤溶解性の点で、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましく、170℃以下であることがさらに好ましい。なお、軟化点は上記のとおりである。
活性エステル樹脂の製法は、特に限定されず、無水酢酸法、界面重合法、溶液法などの公知慣用の合成法により製造することができる。
硬化剤は、活性エステル樹脂の他に、他のエポキシ樹脂用硬化剤をさらに含有していてもよい。ここで用いることのできるエポキシ樹脂用硬化剤としては、例えばアミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノール系化合物などの硬化剤を挙げることができる。エポキシ樹脂用硬化剤を併用する場合、その使用量は全樹脂組成物中1質量%〜30質量%の範囲であることが好ましい。
(配合量)
樹脂組成物中のα−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及び活性エステル樹脂の配合量は、α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対して、活性エステル樹脂中のアリールオキシカルボニル基が0.15〜5モルとなる配合量が好ましく、0.9〜2.0モルとなる配合量がさらに好ましい。上記配合量とするとα−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の硬化が十分に行われ、誘電正接の低い硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を容易に得ることができる。
(硬化促進剤)
樹脂組成物は、必要に応じて、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等を挙げることができる。特にビルドアップ材料用途や回路基板用途として使用する場合には、耐熱性、誘電特性、耐ハンダ性等に優れる点から、ジメチルアミノピリジンやイミダゾールが好ましい。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。硬化促進剤の使用量は、α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜5.0質量部の範囲であることが好ましく、0.01〜2.0質量部の範囲であることがより好ましい。上記範囲にすることで、十分な硬化反応速度が得られるとともに、より耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物を得ることができる。
(他の添加成分)
樹脂組成物は、更にその他の樹脂成分を含有しても良い。その他の樹脂成分としては、例えば、シアン酸エステル樹脂;ビスマレイミド樹脂;ベンゾオキサジン樹脂;ジアリルビスフェノールやトリアリルイソシアヌレートに代表されるアリル基含有樹脂;ポリリン酸エステルやリン酸エステル−カーボネート共重合体等を挙げることができる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
これらその他の樹脂成分の配合割合は特に限定されず、所望の硬化物性能等に応じて適宜調整することができる。配合割合の一例としては、全樹脂組成物中1〜50質量%の範囲とすることができる。
樹脂組成物は、必要に応じて、難燃剤、無機質充填材、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の各種添加剤を含有してもよい。難燃剤としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸アミド等の無機リン化合物;リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等の有機リン化合物;トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等の窒素系難燃剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系難燃剤;金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等の無機難燃剤等を挙げることができる。これら難燃剤を用いる場合は、全樹脂組成物中0.1〜20質量%の範囲であることが好ましい。
無機質充填材は、例えば、樹脂組成物を半導体封止材料用途に用いる場合などに配合される。無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等を挙げることができる。中でも、無機質充填材をより多く配合することが可能となることから、溶融シリカが好ましい。溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつ、樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いることが好ましい。更に、球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は樹脂成分100質量部に対して、0.5〜95質量部の範囲で配合することが好ましい。
樹脂組成物の製法は、特に限定されず、例えば、上記した各成分を撹拌装置や3本ロール等を用いて、例えば0℃〜200℃で均一に混合することにより得ることができる。
[硬化物]
樹脂組成物は、公知慣用の熱硬化法により、例えば、20〜250℃程度の温度範囲で加熱硬化させ、成型することができる。
本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物は、140℃以上のガラス転移温度を有し耐熱性に優れているとともに、1GHzにおける誘電正接が2.0×10−3未満という低い誘電正接を示すことができ、密着性も従来材料と同等以上である。以上のことから、プリント配線基板や半導体封止材料、レジスト材料等の電子材料用途に好ましく用いることができる。
[プリント配線基板等]
樹脂組成物をプリント配線基板用途やビルドアップ接着フィルム用途に用いる場合、一般には有機溶剤を配合して希釈して用いることが好ましい。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。有機溶剤の種類や配合量は樹脂組成物の使用環境に応じて適宜調整できるが、例えば、プリント配線基板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、不揮発分が40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。ビルドアップ接着フィルム用途では、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル溶剤、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、不揮発分が30〜70質量%となる割合で使用することが好ましい。
樹脂組成物を用いてプリント配線基板を製造する方法は、例えば、樹脂組成物を補強基材に含浸し硬化させてプリプレグを得、これと銅箔とを重ねて加熱圧着させる方法を挙げることができる。補強基材としては、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布等を挙げることができる。樹脂組成物の含浸量は特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜80質量%となるように調製することが好ましい。
[半導体封止材料]
樹脂組成物を半導体封止材料用途に用いる場合、一般には上記のような無機質充填材を配合することが好ましい。半導体封止材料は、例えば、押出機、ニーダー、ロール等を用いて配合物を混合して調製することができる。得られた半導体封止材料を用いて半導体パッケージを成型する方法は、例えば、該半導体封止材料を注型或いはトランスファー成形機、射出成型機などを用いて成形し、更に50〜200℃の温度条件下で2〜10時間加熱する方法を挙げることができ、このような方法により、成形物である半導体装置を得ることができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。以下において「部」、「%」は特に断りがない限り質量基準である。なお、軟化点測定、GPC測定及び溶融粘度は以下の条件にて測定した。
(1)軟化点測定
JIS K7234に準拠した。
(2)GPC測定
装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」により下記の条件下に測定した。
・カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
・カラム温度: 40℃、
・溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1mL/min
・検出器:RI
(3)溶融粘度測定
(東亜工業株式会社)製「コーンプレート粘度計CV−1S」により測定した。
<エポキシ樹脂の合成>
[合成例1]α−ナフトールビフェニルアラルキル型樹脂(A−1)の合成
撹拌機、冷却管、及び窒素封入口が備わったフラスコに、窒素ガスを吹き込みながら、α−ナフトール360部、トルエン586部、ビスクロロメチルビフェニル377部を仕込み、80℃に加熱した。ここに、49%水酸化ナトリウム水溶液245部を1時間かけて滴下したのち、90℃に加熱して11時間ホールドした。85%リン酸を使用してpHが中性になるまで中和し、撹拌を停止し下層を抜き出した。パラトルエンスルホン酸15部を添加し、揮発成分を留去しながら2時間かけて180℃まで加熱したのち、49%水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHが中性になるまで中和し、内温を維持しながら減圧し、揮発分を留去したのち、得られた樹脂を取り出してα−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(A−1)を得た。水酸基当量は272g/eqであった。
[合成例2]α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(A−2)の合成
温度計、冷却管、及び撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、合成例1−1で得られたα−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(A−1)272g(水酸基当量1.0g/eq)、エピクロルヒドリン740g(8.0モル)、n−ブタノール53gを仕込み溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220g(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。次に、得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン600gとn−ブタノール100gとを加え溶解した。更にこの溶液に10重量%水酸化ナトリウム水溶液15部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水200gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(A−2)を得た。得られたエポキシ樹脂(A−2)の軟化点は100℃であり、エポキシ当量は325g/eqであった。図1に、得られたエポキシ樹脂(A−2)のGPCチャートを示す。
[比較合成例1]α−ナフトールアラルキル樹脂(B−1)の合成
ビスクロロメチルビフェニルをパラキシレンジクロリド263部に変更した以外は合成例1−1と同様に操作して、α−ナフトールアラルキル樹脂(B−1)を得た。水酸基当量は224g/eqであった。
[比較合成例2]α−ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(B−2)の合成
α−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(A−1)を比較合成例1で得られたα−ナフトールアラルキル樹脂(B−1)224部に変更した以外は、合成例2と同様の操作を行い、エポキシ樹脂(B−2)を得た。得られたエポキシ樹脂(B−2)の軟化点は83℃、エポキシ当量は274g/eqであった。図2に、得られたエポキシ樹脂(B−2)のGPCチャートを示す。
[比較合成例3]β−ナフトールアラルキル樹脂(B−3)の合成
ビスクロロメチルビフェニルをパラキシレンジクロリド263部に変更し、α−ナフトールをβ―ナフトール360部に変更した以外は合成例1と同様に操作して、β−ナフトールアラルキル樹脂(B−3)を得た。水酸基当量は224g/eqであった。
[比較合成例4]β−ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(B−4)の合成
α−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(A−1)を比較合成例3で得られたβ−ナフトールアラルキル樹脂(B−3)224部に変更した以外は合成例2と同様の操作を行い、エポキシ樹脂(B−4)を得た。得られたエポキシ樹脂(B−4)の軟化点は95℃、エポキシ当量は292g/eqであった。図3に、得られたエポキシ樹脂(B−4)のGPCチャートを示す。
[比較合成例5]メトキシ変性α−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(B−5)の合成
撹拌機、冷却管、及び窒素封入口が備わったフラスコに、窒素ガスを吹き込みながら、α−ナフトール360部、パラキシレングリコールジメチルエーテル208部、パラトルエンスルホン酸11部を仕込み、揮発分を留去しながら内温180℃まで加熱した。そのまま2時間ホールドしたのち、49%水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHが中性になるまで中和した。190℃まで加熱後、内温を維持しながら減圧、水蒸気蒸留を行い、揮発分を留去した。得られた樹脂を取り出してメトキシ変性α−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(B−5)を得た。水酸基当量は298g/eqであった。GPCの2核体ピークから計算したメトキシ化率は20%であった。
[比較合成例6]メトキシ変性α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(B−6)の合成
α−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(A−1)を比較合成例5で得られたメトキシ変性α−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(B−5)298部に変更した以外は、合成例2と同様の操作を行い、エポキシ樹脂(B−6)を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は96℃、エポキシ当量は357g/eqであった。図4に、得られたエポキシ樹脂(B−6)のGPCチャートを示す。
<活性エステル樹脂の合成>
[合成例3]活性エステル樹脂(C−1)の合成
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、及び攪拌器を取り付けたフラスコにイソフタル酸クロリド202.0g(酸クロリド基のモル数:2.0モル)及びトルエン1250gを仕込み、系内を減圧窒素置換し、溶解させた。次いで、α−ナフトール288.0g(2.0モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.63gを溶解させ、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液420gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間攪拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン層に水を投入して約15分間攪拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、熱減圧下乾燥して活性エステル樹脂(C−1)を得た。この活性エステル樹脂1のエステル化当量は209g/eq、溶融粘度は0.04dPa・s(200℃)であった。軟化点は79℃であった。なお、活性エステル樹脂C−1は、上記した式(2)においてXがα―ナフトール残基であり、nが0である示す構造を有する活性エステル樹脂に相当する。
[合成例4]活性エステル樹脂(C−2)の合成
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコにジシクロペンタジエンとフェノールとの重付加反応樹脂(水酸基当量:165g/eq、軟化点85℃)165g、α−ナフトール72g(0.5モル)、及びトルエン630gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、イソフタル酸クロライド152g(0.75モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液210gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン層に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、熱減圧下乾燥して活性エステル樹脂(C−2)を合成した。この活性エステル樹脂(C−2)のエステル化当量は223g/eq、軟化点は150℃であった。溶融粘度は100dPa・s(200℃)であった。なお、活性エステル樹脂(C−2)は、上記した式(2)においてXがα―ナフトール残基であり、nが平均して2であり、Yが化学式(4)で表され、Zが(5−3)、Arがフェノール残基である構造を有する活性エステル樹脂に相当する。
[実施例1]
α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(A−2)、活性エステル(C−1)、及び硬化促進剤(N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、和光純薬工業株式会社製、特級)を、表1に示す配合で、熱風乾燥機を用いて150℃で加熱混合した後、冷却して固形化してエポキシ樹脂組成物を得た。
[比較例1〜4]
表1に示す配合とした以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。なお、比較例4では、エポキシ樹脂として、日本化薬株式会社製のフェノール・ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ当量278g/eq)を用いた。
<評価>
実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物を用いて、以下の方法で作製した試験片について、以下の方法で耐熱性及び誘電特性を評価した。結果を表1に示した。
[試験片の作成]
実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物を150℃プレスにて10分間プレスして、硬化させ、成形した後、更に175℃で5時間加熱して、80mm×100mm×厚さ1.6mmの試験片を得た。
[耐熱性(ガラス転移温度)]
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置RSAII、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδが最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
[誘電正接]
JIS−C−6481に準拠し、アジレント・テクノロジー株式会社製インピーダンス・マテリアル・アナライザ「HP4291B」により、絶乾後23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の試験片の1GHzでの値を測定した。実施例1のエポキシ樹脂組成物は、硬化物の誘電正接が0.0020以下であり、優れた誘電特性を有する硬化物を得ることができる。
Figure 2020003824
[実施例2]
エポキシ樹脂(A−2)及び活性エステル樹脂(C−2)を、表2に示す配合で計量したのち、メチルエチルケトン(MEK)にて不揮発分60%に調整し自転公転ミキサーを使用して溶解した。触媒であるN,N−ジメチル−4−アミノピリジンをゲルタイムが5〜7分以内となるように調整して配合した後、下記の通りの条件でガラスクロス積層板を作成した。
(積層板の作成条件)
基材:日東紡績株式会社製ガラスクロス「#2116」(210×280mm)
銅箔:JX日鉱日石金属株式会社製「JTC箔」(18μm)
プライ数:6
プリプレグ化条件:160℃
硬化条件:200℃、40kg/cmで1.5時間
成型後板厚:0.8mm
[比較例5,6]
表2の配合とした以外は、実施例2と同様にして、積層板を作成した。
<評価>
[ピール強度]
実施例及び比較例の積層板について、JIS−6911に準拠し、先で得た積層板を幅10mm、長さ200mmのサイズに切り出し、これを試験片として銅箔のピール強度を測定した結果を表2に示した。実施例の積層板は従来と同等かそれ以上のピール強度を有している。
Figure 2020003824

Claims (8)

  1. α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、及び硬化剤を含有し、前記硬化剤が、活性エステル構造を有する、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記α−ナフトールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が、以下の式(1)で表される構造を有する、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2020003824
    (式(1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基、アリル基、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を示す。nは1〜20の整数である。)
  3. 前記硬化剤が、以下の式(2)で表される構造を有する、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2020003824
    (式(2)中、Xは1価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表し、Yは2価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表す。nは0〜20の整数である。)
  4. 前記硬化剤が、フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物と芳香族モノカルボン酸またはその酸ハロゲン化物とを必須の反応原料とする活性エステル化合物又は樹脂である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. さらに硬化促進剤を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いたプリント配線基板。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いた半導体封止材料。
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