JPWO2019239735A1 - 生型造型センサー、及び、生型造型性の評価方法 - Google Patents
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Abstract
Description
第1の実施の形態について、添付図を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態に係る生型造型センサーを用いた鋳型造型装置の構造の概略を表す図であり、図2は、鋳型造型装置の中で、鋳型品質を評価する部分の構成を表す図である。本実施の形態に係る鋳型造型装置は、生型(鋳型)を造型後も鋳枠(金枠)が生型を内蔵したまま次工程へ移送する枠付造型機である。
生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、生型の造型時に、鋳型造型空間内の生型砂とスクイズボード8との押圧面に加わる圧力値(ピーク圧力)を測定する。生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、圧力センサーである。本実施の形態では、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、スクイズボード8の4隅に埋め込まれている。後述するが、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dがこのように埋め込まれている理由は、スクイズボード8の押圧面に加わる圧力のばらつきを考慮した結果である。生型造型センサー10A、10B、10C、10Dをスクイズボード8の4隅に埋め込むことにより、鋳型全体の強度分布を見ることができる。
鋳型品質評価装置12は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(圧力値データ)から鋳型造型装置1により造型された生型の品質を評価する。図5は、有線通信データに対する鋳型品質評価装置12の機能構成を表すブロック図である。鋳型品質評価装置12は、受信部15、増幅部16、入力部17、鋳型強度算出部18、鋳型品質判定部19、表示部20、送信部21、及び、記録部22を備えている。
次に、生型造型センサーが測定したスクイズボードの押圧面に加わる圧力値(ピーク圧力)と、造型された生型の鋳型強度との関係について説明する。これらの関係を調べるため、造型機を用いて実験を行った。図7は、今回実施した実験の構成を表す概略図で、(a)が断面図、(b)がスクイズボードの平面図を示す。図7(a)に示す断面図には、模型3が配置されているが、実験は模型3を取り付けた場合と、取り付けない場合について行った。また、図7(b)のスクイズボード8の平面図には、スクイズボードとセンサーの位置関係と、圧力センサーからの信号を増幅し記録する増幅器一体型記録計25、増幅器一体型記録計25に接続してセンサー測定値のグラフ化などの解析を行うパソコン26も併せて表す。実験は次のように行った。
そして、複数の生型に対して、上記2及び3を行い、データを収集した。
図8は、スクイズ工程における生型造型センサーの圧力の経時変化を示す一例を表すグラフである。なお、本図は、模型が無い場合の、スクイズ圧力を0.6MPaに設定した場合を表し、3箇所のセンサーで測定されたものである。図8に示すように、今回の造型機では、スクイズ工程において、スクイズを開始してから約3秒後にピーク圧力に達した。
スクイズボードに埋め込まれた生型造型センサーに伝わる圧力は、前述の要因により変化するため、生型造型センサーの埋め込み位置は、これらの状況が把握できる場所でなければならない。従って、多数の生型造型センサーを設置すれば、より多くの状態の不具合を検出できるが、スペースの制約と経済面から実際的ではなく、より少ない個数での圧力検出と評価ができることが望ましい。
次に、鋳型強度算出部18による鋳型強度の算出方法を説明する。上述したように、鋳型強度と生型造型センサーの圧力のピーク値との間に相関関係があることが判明している。鋳型強度算出部18は、この関係を利用して、入力部17に入力された鋳型強度と、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(ピーク圧力)から鋳型強度を算出する。
−ステップ1
予め、所定の数の生型を造型し、スクイズ時に生型造型センサー10A、10B、10C、10Dで圧力値(ピーク圧力)を測定する。さらに、造型された各生型において生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが圧力を測定した位置に対向する見切り面の鋳型強度を作業者が測定し、入力部17に入力する。そして、鋳型強度と圧力値(ピーク圧力)の関係から作業者が式y=ax+bを決定する。
式y=ax+bの決定後、生型の造型を開始する。開始後は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(ピーク圧力)から、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度を式y=ax+bを用いて自動的に算出する。そのため、別途、鋳型強度を作業者が測定する必要はない。
次に、鋳型品質判定部19による鋳型品質の判定方法を説明する。鋳型品質判定部19は、入力部17に入力された鋳型強度の閾値と、鋳型強度算出部18が算出した鋳型強度から生型の品質を判定する。
−ステップ1
初めに、作業者が造型する生型の鋳型強度の閾値を入力する。図11は、表示部20に表示された画面の一例を表示する図である。本例では、作業者が入力した具体的な閾値が表示されている。ここで、図の表中の「センサーA強度正常範囲」は、生型造型センサー10Aの位置における鋳型強度の下限値と上限値であり、図の表中の「センサーB強度正常範囲」は、生型造型センサー10Bの位置における鋳型強度の下限値と上限値であり、図の表中の「センサーC強度正常範囲」は、生型造型センサー10Cの位置における鋳型強度の下限値と上限値であり、図の表中の「センサーD強度正常範囲」は、生型造型センサー10Dの位置における鋳型強度の下限値と上限値である。また、図の表中の「鋳型強度差(Max.−Min.)異常値」は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの圧力値から求めた鋳型強度の最大、最小値の差の異常値とする閾値である。本例では、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度の下限値は、10.0(N/cm2)、上限値は、20.0(N/cm2)、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度の最大値と最小値の差の異常値とする閾値は、5.0(N/cm2)に設定されている。
鋳型強度算出部18により式y=ax+bが決定され、鋳型強度の閾値が入力された後、生型の造型を開始する。開始後は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(ピーク圧力)から、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度が自動的に算出される。そして、入力された鋳型強度の閾値と算出された鋳型強度から生型の品質を判定する。ここで、生型の品質の判定は、次のように行われる。
またこの実施の形態においては、OK(正常)とNG(不良)の判定等には計算された鋳型強度の値を使用しているが、これに限定されず、生型造型センサーの圧力値と鋳型強度の間には、正の相関関係が確認されているので、生型造型センサーの圧力値から鋳型強度計算をおこなわず、生型造型センサーの圧力値を直接鋳型品質判定の基準としてよい。例えば、鋳型品質の判定基準となる図11の閾値表の値は、それぞれ、生型造型センサーの圧力値を所定の閾値とし、測定された生型造型センサーの圧力値をこの表に照らして、OK(正常)とNG(不良)を判定してよい。
次に、鋳型造型装置1を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)について説明する。図13は、第1の実施の形態に係る鋳型造型装置1を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)の工程を示す図である。なお、図13では、図1に示す鋳型造型装置1のスクイズヘッド7にルーバーホッパ27が連結されている。ルーバーホッパ27は、図示しない生型砂搬送装置から所定量の生砂が投入され、一旦貯留された後、ルーバーホッパ27の下部のルーバー28が開いて鋳型造型空間に生型砂が投入される構造となっている。
1.造型を開始すると、テーブル9の上昇により、図13(a)の状態になる。この時ルーバーホッパ27内には、図示しない生型砂搬送装置から所定量の生砂が投入されている。
2.続いて、図13(b)に示すように、ルーバーホッパ27下部のルーバー28が開いて、ルーバーホッパ27内の生型砂がプレート2、金枠5および盛枠6により画成された鋳型造型空間に生型砂が投入される。
3.続いて、図13(C)に示すように、連結されたスクイズヘッド7とルーバーホッパ27が移動して、スクイズボード8が鋳型造型空間の直上に配置され、次いで、テーブル9の上昇により、鋳型造型空間内の生型砂をスクイズ(圧縮)する。この時、スクイズボードの押圧面の圧力値(ピーク圧力)を生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定する。なお、本工程で鋳型が造型される。この時、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、スクイズボード8の金枠5の壁と模型3との間にある。
4.スクイズボードの押圧面の圧力値(ピーク圧力)が鋳型品質評価装置12に送信され、造型されたばかりの生型の品質を評価する。
6.次の造型に向けて金枠5が搬入され、ルーバーホッパ27への生型砂供給が完了すると、連結されたスクイズヘッド7とルーバーホッパ27が移動して、ルーバーホッパ27が鋳型造型空間の直上に配置された状態でテーブル9が上昇して次の生型の造型が開始される。
生型造型センサーの埋め込まれる位置は、いずれの場合も、鋳型造型空間において、金枠5と模型3との間に対応する位置、すなわち、模型3の取り付けられたプレート2上の模型3と金枠5との間であって、かつ、プレート2上の模型がない部分に対向するスクイズボード又はスクイズフット側である。
次に、本発明に係る生型造型センサー、及び、生型造型性の評価方法の第2の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第2の実施の形態では、枠付造型機ではなく抜枠造型機を使用している。
生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、生型の造型時に、上枠31内に充填された生型砂と、上スクイズボード33の押圧面に加わる圧力値(ピーク圧力)を測定する。生型造型センサー10E、10F、10G、10Hは、生型の造型時に、下枠32内に充填された生型砂と、下スクイズボード34の押圧面に加わる圧力値(ピーク圧力)を測定する。生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hは、圧力センサーである。本実施の形態では、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、上スクイズボード33の押圧面の4隅に埋め込まれている。生型造型センサー10E、10F、10G、10Hは、下スクイズボード34の押圧面の4隅に埋め込まれている。生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hがこのように埋め込まれている理由は、第1の実施の形態で説明した理由と同じである。
次に、鋳型造型装置29を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)について説明する。図18は、第2の実施の形態に係る鋳型造型装置29を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)の工程を示す図である。なお、図18は、図16に示す鋳型造型装置29にサンドタンク36が隣接している。サンドタンク36は、図示しない生型砂搬送装置から所定量の生型砂が投入され、一旦貯留された後、投入孔が閉じられ、サンドタンク36内に圧縮空気が供給されると、上下鋳枠31、32の生型砂吹込み口35、35を介して上下鋳型造型空間に生型砂が吹き込まれて充填されるものとなっている。
1.造型を開始すると、図18(a)の状態から、模型3、3が取り付けられたプレート2を載置したシャトル台車30が上枠31と下枠32の間に移動する。
2.次いで、生型造型センサー10E、10F、10G、10Hが埋め込まれた下スクイズボード34と下枠32が上昇し、シャトル台車30からプレート2を持ち上げ、図18(b)の状態にセットされると、サンドタンク36に圧縮空気が供給され、上下鋳枠31、32の生型砂吹込み口35、35を介して上下鋳型造型空間に生型砂が吹き込まれて充填される。
3.次いで、生型造型センサー10A、10B、10C、10D及び10E、10F、10G、10Hが埋め込まれた上下スクイズボード33、34が図示しないシリンダの動作により、上下鋳枠31、32内の生型砂をスクイズ(圧縮)して、図18(c)の状態となる。この時、上下スクイズボード33、34の押圧面の圧力値(ピーク圧力)を生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hが測定する。なお、本工程で生型が造型される。この時、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hは、上スクイズボード33と下スクイズボード34のそれぞれ上鋳枠31、下鋳枠32の壁と模型3との間にある。この時、測定された圧力値(ピーク圧力)は、鋳型品質評価装置12に送信され造型されたばかりの生型の品質を評価する。
5.型合わせされた上下生型は、鋳型造型装置29から次工程のラインに搬送される。
第1及び第2の実施の形態では、鋳型品質評価装置12は、測定した鋳型強度と、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、(及び、10E、10F、10G、10H)が測定した圧力値(ピーク圧力)から鋳型強度と圧力値(ピーク圧力)の関係を求めた後、別途、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、(及び、10E、10F、10G、10H)が測定した圧力値(ピーク圧力)から鋳型強度を算出している。そして、あらかじめ設定した鋳型強度の閾値と、算出された鋳型強度から造型された生型の品質を判定している。
図21(a)は、本発明の第3の実施形態である生型造型センサーを用いた鋳型造型装置の縦断面図である。図21(b)は、D−D線視したときのスクイズフットを示している。なお、以下に説明する第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第3の実施の形態では、スクイズボードではなくスクイズフットを使用している。図において、符号300はスクイズフットである。スクイズフット300は、矩形状に配列しており、鋳型造型装置1での生型造型時に金枠5とによって画成される造型空間の境界の一部を構成する部材である。生型造型センサー10I、10J、10K、10Lは、図21(b)に示すように個々のスクイズフットに埋め込まれている。
この圧力値のバラツキが大きくなった場合を、特異なバラツキが生じたとして、鋳型品質評価装置において、その鋳型をNGと判断し、処理をする。
また、それより以前に造型された10枠の鋳型で計測された圧力値の標準偏差の平均値より20%以上大きい場合に特異なバラツキとしてもよい。ここにおいて、平均値計算の対象となる、以前に造型された鋳型の枠数や、特異なバラツキの判断基準である、平均値よりどれだけ大きいかという比率は、適宜に選択できる。
以上、本発明の様々な実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
2 プレート
2a 中央部プレート
2b 外周部プレート
3 模型
4 キャリア
5 金枠
6 盛枠
7 スクイズヘッド
8 スクイズボード
9 テーブル
10A〜10L 生型造型センサー
11 配線
12 鋳型品質評価装置
13 ライナー
14 ボルト
15、15’ 受信部
16、16’ 増幅部
17 入力部
18 鋳型強度算出部
19 鋳型品質判定部
20 表示部
21 送信部
22 記録部
23 パトライト
24 圧力値送信部
25 増幅器一体型記録計
26 パソコン
27 ルーバーホッパ
28 ルーバー
29 鋳型造型機(抜枠造型機)
30 シャトル台車
31 上枠
32 下枠
33 上スクイズボード
34 下スクイズボード
35 生型砂吹込み口
36 サンドタンク
300、300a〜300e スクイズフット
Claims (10)
- 鋳型造型機で造型される生型の造型性を評価する圧力センサーを備えた生型造型センサーであって、
生型砂を圧縮するスクイズボード又はスクイズフットに前記圧力センサーが埋め込まれたこと、を特徴とする生型造型センサー。 - 前記スクイズボード又はスクイズフットは、前記鋳型造型機での生型造型時に金枠とによって画成される造型空間の境界の一部を構成する部材であること、を特徴とする請求項1に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーの受圧面と前記スクイズボード又はスクイズフットの表面は、面一状態にあること、を特徴とする請求項1または2に記載の生型造型センサー。
- 前記鋳型造型機での生型造型時に金枠とによって画成される造型空間の境界の一部を構成する部材として、前記スクイズボード又はスクイズフットと、このスクイズボード又はスクイズフットに対向して配置される模型が取り付けられたプレートが設けられ、前記圧力センサーは、前記スクイズボード又はスクイズフットにおける前記金枠と前記模型との間に対応する位置に埋め込まれていること、を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記スクイズボードは矩形状とされ、前記圧力センサーは複数設けられ、これら圧力センサーは前記スクイズボードの4隅に埋め込まれていること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記スクイズフットの配列は矩形状とされ、前記圧力センサーは複数設けられ、これら圧力センサーは4隅を含む任意の前記スクイズフットに埋め込まれていること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーが螺着手段により前記スクイズボード又はスクイズフットに固定されていること、を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーが流体センサーであること、を特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーの受圧面の大きさは、直径5〜30mmであること、を特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 生型砂を圧縮するスクイズボード又はスクイズフットに埋め込まれた圧力センサーを備えた生型造型センサーを用いて、鋳型造型機で造型される生型の造型性を評価すること、を特徴とする生型造型性の評価方法。
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