JPWO2019225540A1 - ポリカーボネートジオール - Google Patents

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康文 川合
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
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Abstract

特定の式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、特定の式(A)で繰り返される繰り返し単位は特定の式(b)及び(c)で表される繰り返し単位であり、特定の式(b)で表される繰り返し単位の量が、特定の式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、末端基総量の90モル%以上は特定の式(b−e)及び/又は(c−e)で表される末端基であり、下記式(i−2)を満たす、ポリカーボネートジオール。(NMR算出(c−e)/(b−e))>(アルカリ加水分解HMD/LMD)・・・(i−2)

Description

本発明は、ポリカーボネートジオールに関する。
従来、例えば、ポリウレタンや、ウレタン系、エステル系、アミド系などの熱可塑性エラストマーに用いられるソフトセグメントとして、優れた耐熱性、耐候性、耐加水分解性、耐油性、及び耐薬品性を付与できるポリカーボネートジオールを用いることが提案されている。
このようなポリカーボネートジオールとしては、一般的には、ジオール成分として1,6−ヘキサンジオールを単独で用いたポリカーボネートジオールが使われている。しかしながら、このようなポリカーボネートジオールは、結晶性であるため常温で固体であり、取扱いが困難であるという問題がある。
これらの問題を解決するため、2種類以上のジオールを用いてポリカーボネートジオールを製造することが提案されている。例えば、特許文献1には、ジオール成分として1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを用いたポリカーボネートジオールが開示されている。
特許第5123950号
しかしながら、ポリカーボネートジオールは、常温では固体又は粘性の液体である場合が多い。そのため、取り扱い性を良くするために高温で貯蔵されることがある。この場合、製造直後におけるポリカーボネートジオールの反応性が、高温で貯蔵すると経時的に変化するという問題がある。そして、上記特許文献1に記載のポリカーボネートジオールによっても、高温貯蔵時の安定性には、なお改善の余地を有している。
そこで、本発明は、高温貯蔵時の安定性に優れるポリカーボネートジオールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するポリカーボネートジオールが高温貯蔵時の安定性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の構成は以下のとおりである。
[1]
下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
式(A)で繰り返される繰り返し単位の90〜100モル%は下記式(B)及び/又は(C)で表される繰り返し単位であり、
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
末端基総量の90モル%以上は下記式(B−E)及び/又は(C−E)で表される末端基であり、
下記式(i)を満たす、ポリカーボネートジオール。
Figure 2019225540
(式(A)中、Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
Figure 2019225540
Figure 2019225540
(式(B−E)中、Aは、式(A)を意味する。)
Figure 2019225540
(式(C−E)中、Aは、式(A)を意味する。)
(NMR算出(C−E)/(B−E))>(アルカリ加水分解HDL/BDL)・・・(i)
(式(i)中、NMR算出(C−E)/(B−E)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HDL/BDLは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比である。)
[2]
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、[1]に記載のポリカーボネートジオール。
[3]
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、[1]に記載のポリカーボネートジオール。
[4]
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、[1]に記載のポリカーボネートジオール。
[5]
下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
式(A)で繰り返される繰り返し単位は下記式(b)及び(c)で表される繰り返し単位であり、
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
末端基総量の90モル%以上は下記式(b−e)及び/又は(c−e)で表される末端基であり、
下記式(i−2)を満たす、ポリカーボネートジオール。
Figure 2019225540
(式(A)中、Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(b)中、Rは、炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(c)中、R2は、炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(b−e)中、Aは、式(A)を意味し、R11は炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(c−e)中、Aは、式(A)を意味し、R22は炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
(NMR算出(c−e)/(b−e))>(アルカリ加水分解HMD/LMD)・・・(i−2)
(式(i−2)中、NMR算出(c−e)/(b−e)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HMD/LMDは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比である。)
[6]
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、[5]に記載のポリカーボネートジオール。
[7]
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、[5]に記載のポリカーボネートジオール。
[8]
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、[5]に記載のポリカーボネートジオール。
[9]
式(b)中のRが炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(b−e)中のR11が炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基である、[5]〜[8]のいずれかに記載のポリカーボネートジオール。
[10]
式(c)中のRが炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(c−e)中のR22が炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基である、[5]〜[9]のいずれかに記載のポリカーボネートジオール。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに記載のポリカーボネートジオールを貯蔵する方法であって、前記ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する、貯蔵方法。
[12]
貯蔵中にポリカーボネートの温度を50℃以上に加温、又は維持する工程を含む、[11]に記載の貯蔵方法。
本発明によれば、高温貯蔵時の安定性に優れるポリカーボネートジオールを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[ポリカーボネートジオール]
本実施形態のポリカーボネートジオールは、第一の実施形態のポリカーボネートジオールと、第二の実施形態のポリカーボネートジオールとがある。
[第一の実施形態のポリカーボネートジオール]
第一の実施形態のポリカーボネートジオールは、下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、式(A)で繰り返される繰り返し単位の90〜100モル%が下記式(B)及び/又は(C)で表される繰り返し単位であり、式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、末端基総量の90モル%以上が下記式(B−E)及び/又は(C−E)で表される末端基であり、下記式(i)を満たす。
Figure 2019225540
(式(A)中のRは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
Figure 2019225540
Figure 2019225540
(式(B−E)中のAは、式(A)を意味する。)
Figure 2019225540
(式(C−E)中のAは、式(A)を意味する。)
(NMR算出(C−E)/(B−E))>(アルカリ加水分解HDL/BDL)・・・(i)
(式(i)中、NMR算出(C−E)/(B−E)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HDL/BDLは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比である。)
なお、本実施形態において、式(C−E)及び式(B−E)で表される末端基量、並びにアルカリ加水分解物中の、1,6−ヘキサンジオール(HDL)及び1,4−ブタンジオール(BDL)の量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
第一の実施形態のポリカーボネートジオールは、式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、10〜90モル%であり、好ましくは30〜80モル%であり、より好ましくは30〜70モル%、さらに好ましくは40〜60モル%である。前記割合が10モル%以上、90モル%以下であることにより、得られるポリカーボネートジオールが液状となり取り扱い性に優れる。また、第一の実施形態のポリカーボネートジオールは、末端基総量の90モル%以上が式(B−E)及び/又は(C−E)で表される末端基であり、式(i)を満たすことにより高温貯蔵時の安定性に優れる。
(アルカリ加水分解HDL/BDL)
アルカリ加水分解HDL/BDLとは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比(HDL/BDL)のことである。アルカリ加水分解HDL/BDLの範囲は1/9〜9/1が好ましく、2/8〜7/3がより好ましく、2/8〜6/4がさらに好ましく、4/6〜6/4が特に好ましい。
(NMR算出(C−E)/(B−E))
NMR算出(C−E)/(B−E)とは、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比((C−E)/(B−E))である。NMR算出(C−E)/(B−E)の範囲は9.00〜0.10が好ましく、2.50〜0.20がより好ましく、2.0〜0.20がさらに好ましく、2.0〜0.5が特に好ましい。
式(i)は、(NMR算出(C−E)/(B−E))>(アルカリ加水分解HDL/BDL)を満たす式であるが、下記式(ii)を満たす場合がより好ましい。
(NMR算出(C−E)/(B−E))―(アルカリ加水分解HDL/BDL)≧0.001・・・(ii)
式(ii)における「(NMR算出(C−E)/(B−E))―(アルカリ加水分解HDL/BDL)」は0.005以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。式(ii)における「(NMR算出(C−E)/(B−E))―(アルカリ加水分解HDL/BDL)」の上限は特に限定されないが、例えば、9以下である。
[第二の実施形態のポリカーボネートジオール]
第二の実施形態のポリカーボネートジオールについて以下に説明する。第二の実施形態のポリカーボネートジオールは、上述した第一の実施形態のポリカーボネートジオールを一般化したものである。
すなわち、第二の実施形態のポリカーボネートジオールは、下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、式(A)で繰り返される繰り返し単位が下記式(b)及び(c)で表される繰り返し単位であり、式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、末端基総量の90モル%以上が下記式(b−e)及び/又は(c−e)で表される末端基であり、下記式(i−2)を満たす。
Figure 2019225540
(式(A)中、Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(b)中、Rは、炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(c)中、R2は、炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(b−e)中、Aは、式(A)を意味し、R11は炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2019225540
(式(c−e)中、Aは、式(A)を意味し、R22は炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
(NMR算出(c−e)/(b−e))>(アルカリ加水分解HMD/LMD)・・・(i−2)
(式(i−2)中、NMR算出(c−e)/(b−e)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HMD/LMDは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比である。)
式(b)中のRは、炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、式(b−e)中のR11は、炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基であるが好ましい。また式(c)中のRは、炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、式(c−e)中のR22は、炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
式(i−2)中、炭素数5〜15の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)としては、特に限定されないが、例えば、1,5-ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。
式(i−2)中、炭素数2〜4の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
なお、本実施形態において、式(c−e)及び式(b−e)で表される末端基量、並びにアルカリ加水分解物中の、HMD及びLMDの量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のポリカーボネートジオールは、式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、好ましくは30〜80モル%であり、より好ましくは30〜70モル%、さらに好ましくは40〜60モル%である。前記割合が10モル%以上、90モル%以下であることにより、得られるポリカーボネートジオールが液状となり取り扱い性に優れる。また、本実施形態のポリカーボネートジオールは、末端基総量の90モル%以上が式(b−e)及び/又は(c−e)で表される末端基であり、式(i−2)を満たすことにより高温貯蔵時の安定性に優れる。
(アルカリ加水分解HMD/LMD)
アルカリ加水分解HMD/LMDとは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比(HMD/LMD)のことである。アルカリ加水分解HMD/LMDの範囲は1/9〜9/1が好ましく、2/8〜7/3がより好ましく、2/8〜6/4がさらに好ましく、4/6〜6/4が特に好ましい。
(NMR算出(c−e)/(b−e))
NMR算出(c−e)/(b−e)とは、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比((c−e)/(b−e))である。NMR算出(c−e)/(b−e)の範囲は9.00〜0.10が好ましく、2.50〜0.20がより好ましく、2.0〜0.20がさらに好ましく、2.0〜0.5が特に好ましい。
式(i−2)は、(NMR算出(c−e)/(b−e))>(アルカリ加水分解HMD/LMD)を満たす式であるが、下記式(ii−2)を満たす場合がより好ましい。
(NMR算出(c−e)/(b−e))―(アルカリ加水分解HMD/LMD)≧0.001・・・(ii−2)
式(ii−2)における「(NMR算出(c−e)/(b−e))−(アルカリ加水分解HMD/LMD)」は、0.005以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。式(ii−2)における「(NMR算出(c−e)/(b−e))−(アルカリ加水分解HMD/LMD)」の上限は特に限定されないが、例えば、9以下である。
[数平均分子量]
本実施形態のポリカーボネートジオールの数平均分子量は、300以上10000以下が好ましく、400以上5000以下がより好ましく、500以上3000以下がさらに好ましい。
当該数平均分子量が上記下限値以上であることで、ポリカーボネートジオールから得られる熱可塑性ウレタンの柔軟性、及び低温特性がより良好となる傾向がある。一方、当該数平均分子量が上記上限値以下であることで、ポリカーボネートジオールから得られる熱可塑性ウレタンの成型加工性がより良好となる傾向がある。
本実施形態において、ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、後述する実施例に記載の方法を用いて、ポリカーボネートジオールの水酸基価から算出することができる。
次いで、式(A)で表される繰り返し単位(「ポリカーボネート構造」とも記す)の詳細について、以下に説明する。
式(A)で表されるポリカーボネート構造中、Rは炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素である。複数あるRは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
Rにおける2価の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が2以上15以下であり、3以上12以下であることが好ましく、4以上10以下であることがより好ましい。
Rにおける炭素数2以上15以下の2価の直鎖状脂肪族炭化水素基の具体例は、特に限定されないが、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられる。中でも、汎用性の観点から、トリメチレン基、ブチレン基、ペンチレン基又はヘキシレン基が好ましい。
Rにおける2価の分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3以上15以下であり、3以上12以下であることが好ましく、3以上10以下であることがより好ましい。
Rにおける2価の分岐鎖状肪族炭化水素基の具体例は、特に限定されないが、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、イソヘキシレン基、イソヘプチレン基、イソオクチレン基等が挙げられる。中でも、汎用性の観点から、イソペンチレン基又はイソヘキシレン基が好ましい。
Rにおける2価の環状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3以上15以下であり、6以上15以下であることが好ましく、6以上10以下であることがより好ましい。
Rにおける2価の環状の脂肪族炭化水素基の具体例は、特に限定されないが、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等が挙げられる。中でも、汎用性の観点から、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基が好ましい。
中でも、Rとしては、炭素数2以上10以下の2価の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3以上10以下の2価の分岐鎖状肪族炭化水素基が好ましく、炭素数3以上10以下の2価の直鎖状脂肪族炭化水素基がより好ましい。
[ポリカーボネートジオールの製造方法]
本実施形態のポリカーボネートジオールは、例えば、カーボネート化合物と、ジオール化合物とをエステル交換触媒の存在下で反応させて得ることができる。
(カーボネート化合物)
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造に用いられるカーボネート化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート等が挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。
ジアリールカーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
中でも、ポリカーボネートジオールの製造に用いられるカーボネート化合物としては、アルキレンカーボネートが好ましく、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネートがより好ましい。
(ジオール化合物)
ポリカーボネートジオールの製造に用いられるジオール化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、直鎖状ジオール、分岐鎖状ジオール、環状ジオール、芳香環を有するジオールが挙げられる。
直鎖状ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。
分岐鎖状ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
環状ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。
[ポリカーボネートジオールの製造条件]
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造に際しては、エステル交換反応触媒を用いることができる。
エステル交換反応触媒としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、並びに、そのアルコラート、その水素化物、そのオキシト゛、そのアミド、その水酸化物及びその塩等が挙げられる。
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩としては、特に限定されないが、例えば、炭酸塩、窒素含有ホウ酸塩、有機酸との塩基性塩等が挙げられる。
アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属以外の金属を用いたエステル交換触媒としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属以外の金属、並びに、その塩、そのアルコラート、及び、該金属を含む有機化合物等が挙げられる。
アルカリ金属及びアルカリ土類金属以外の金属の具体例は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、イッテルビウム等が挙げられる。
これらエステル交換触媒を1種単独で、又は、2種以上組み合わせて、使用することができる。
中でも、エステル交換反応触媒としては、ポリカーボネートジオールを得るエステル交換反応がより良好に行われ、得られるポリカーボネートジオールを用いた場合にウレタン反応に対する影響もより少ないことから、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カリウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛及びイッテルビウムからなる群より選択される1種以上の金属、又は、それらの塩、それらのアルコキシド、若しくはそれら金属を含む有機化合物が好ましい。
また、エステル交換反応触媒としては、マグネシウム、チタン、イッテルビウム、スズ及びジルコニウムからなる群より選択される1種以上の金属がより好ましい。
好ましいエステル交換触媒の具体例は、例えば、鉛の有機化合物、チタンの有機化合物等が挙げられる。
鉛の有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、酢酸鉛三水和物、テトラフェニル鉛、ステアリン酸鉛等が挙げられる。
チタンの有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド等が挙げられる。
エステル交換反応触媒の使用量は、原料の総質量に対して、0.00001質量%以上0.1質量%以下が好ましく、0.0001質量%以上0.05質量%以下がより好ましい。
エステル交換反応に用いたエステル交換触媒は、ポリカーボネートジオールの製造に引き続き加熱処理を行う場合は、エステル交換反応で消費されていないため、エステル交換反応触媒の使用量を元に算出できる。市販のポリカーボネートジオールを用いる場合等においては、ポリカーボネートジオールに含まれるエステル交換反応触媒の金属量を、ICP(発光分光分析法、Inductively Coupled Plasma)により測定して求められる。
また、本実施形態のポリカーボネートジオールは、ポリカーボネートジオールとジオール化合物、又は2種類以上のポリカーボネートジオールのエステル交換反応により製造することも可能である。
原料であるポリカーボネートジオール中に、その製造時に用いられたエステル交換反応触媒の触媒毒等が含まれている場合、通常、エステル交換反応が進み難くなる傾向にある。そのため、ポリカーボネートジオールの製造に際しては、新たに上記したエステル交換反応触媒を必要量添加することができる。
一方、原料であるポリカーボネートジオール中に、エステル交換反応触媒の触媒毒が含まれていない場合は、通常、本実施形態におけるエステル交換反応は進み易い傾向にある。しかしながら、ポリカーボネートジオールの製造工程における反応温度をより下げたい場合や反応時間をより短くしたい場合等にも、新たにエステル交換反応触媒を必要量添加することができる。その場合、原料であるポリカーボネートジオールの製造において用いるエステル交換反応触媒と同様のものを採用することができる。
エステル交換反応は、具体的には、原料を混合し、加熱しながら撹拌することにより、実施できる。
エステル交換反応の温度は、特に限定されないが、120℃以上250℃以下が好ましく、140℃以上200℃以下より好ましい。
反応温度を上記下限値以上とすることで、エステル交換反応をより短時間で行うことができ経済性に優れる。反応温度を上記上限値以下とすることで、得られるポリカーボネートジオールの着色をより効果的に防止することができる。
エステル交換反応の反応圧力は、特に限定されないが、常圧以上1MPa以下が好ましい。反応圧力を上記範囲とすることで、反応をより簡便に実施できる。また、副原料を用いる場合、これらの蒸気圧等を考慮して、ある程度加圧することでエステル交換反応をより効率よく促進させるができる。
エステル交換反応の進行及び完了は、GPC測定によって確認することができる。エステル交換反応の進行に伴い、原料に由来するピークは経時的に小さくなっていき、該ピークが消失したことにより確認できる。
ポリカーボネートジオールの製造方法では、上記したエステル交換反応の前に、前処理として、使用する原料の脱水処理を行う工程等を行ってよい。
ポリカーボネートジオールの製造方法では、上記したエステル交換反応の後に、後処理として、エステル交換反応触媒に対する前述の触媒毒を添加する工程等を行ってもよい。
(第一の実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法)
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法は、ポリカーボネートジオールの末端構造を調整する工程を含む。
第一の実施形態のポリカーボネートジオールを製造する場合、この工程は、式(B−E)で表される末端基を減少させる工程(X)、式(C−E)で表される末端基を増加される工程(Y)のいずれの行程であってもよい。具体的に調整する方法としては下記方法が挙げられ、下記の方法を単独で、又は2つ以上組み合わせてもよい。これにより式(i)を満たすポリカーボネートジオールに調製できる。
工程(X):得られたポリカーボネートジオールを減圧下180℃以上250℃以下縮重合させることによりカーボネートジオールの末端から1,4−ブタンジオールを優先的に抜き出すことで式(B−E)で表される末端基を減少させる方法。
工程(Y):得られたポリカーボネートジオールと1,6−ヘキサンジオールもしくは、1,6−ヘキサンジオールを単独で用いたポリカーボネートジオールとをエステル交換反応させることにより式(C−E)で表される末端基を増加させる方法。
また、工程(X)及び(Y)以外に、原料の種類、反応温度、反応圧力及び反応時間を適宜調整することによっても式(i)を満たすポリカーボネートジオールに調製できる。
なお、末端基総量に対する式(B−E)及び式(C−E)で表される末端基の割合は、H−NMRにて算出可能である。より具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(第二の実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法)
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法は、ポリカーボネートジオールの末端構造を調整する工程を含む。
第二の実施形態のポリカーボネートジオールを製造する場合、この工程は、式(b−e)で表される末端基を減少させる工程(x)、式(c−e)で表される末端基を増加される工程(y)のいずれの行程であってもよい。具体的に調整する方法としては下記方法が挙げられ、下記の方法を単独で、又は2つ以上組み合わせてもよい。これにより式(i−2)を満たすポリカーボネートジオールに調製できる。
工程(x):得られたポリカーボネートジオールを減圧下180℃以上250℃以下で縮重合させることによりカーボネートジオールの末端から炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族ジオール(以下「LMD」とも記す)を優先的に抜き出すことにより、式(b−e)で表される末端基を減少させる方法。カーボネートジオールの末端からLMDを優先的に抜き出す方法としては、特に限定されないが、例えば、減圧下におけるLMDの沸点よりも、温度を80℃以上高くして重合反応を行う方法などが挙げられる。
工程(y):得られたポリカーボネートジオールと炭素数5〜15の二価の脂肪族若しくは脂環族ジオール(HMD)又は、炭素数5〜15の二価の脂肪族若しくは脂環族ジオール(HMD)を単独若しくは共重合で用いたポリカーボネートジオールとをエステル交換反応させることにより式(c−e)で表される末端基を増加させる方法。
また、工程(x)及び(y)以外に、原料の種類、反応温度、反応圧力及び反応時間を適宜調整することによっても式(i−2)を満たすポリカーボネートジオールに調製できる。
なお、末端基総量に対する式(b−e)及び式(c−e)で表される末端基の割合は、H−NMRにて算出可能である。より具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
[ポリカーボネートジオールの貯蔵方法]
本実施形態の貯蔵方法は、上述のポリカーボネートジオールを貯蔵する方法であって、前記ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する。ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存することにより、ポリカーボネートの取り扱い性に優れる。「ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する」方法としては、特に限定されないが、例えば、前記ポリカーボネートが流動化する温度に加温、又は維持して貯蔵することが挙げられる。前記ポリカーボネートの加温又は貯蔵温度としては、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。当該温度の上限は特に限定されないが、ポリカーボネートジオールの分解抑制の観点から、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における評価及び物性は、以下の方法により評価及び測定された。本実施例中、特に断りがない限り、「部」及び「%」は質量基準に基づくものである。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は、後述するように、水酸基価より求めた。
(水酸基価の測定)
水酸基価は、以下の方法で測定した。
メスフラスコを用い、無水酢酸12.5gにピリジンを加えて50mLとし、アセチル化試薬を調製した。100mLのナスフラスコに、サンプルを2.5〜5.0g精秤して入れた。前記ナスフラスコに、アセチル化試薬5mLとトルエン10mLとをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間撹拌加熱した。前記ナスフラスコに、蒸留水2.5mLをホールピペットで添加し、さらに10分加熱撹拌した。2〜3分冷却後、前記ナスフラスコに、エタノールを12.5mL添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5モル/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。アセチル化試薬5mL、トルエン10mL及び蒸留水2.5mLを100mLナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行った(空試験)。この結果をもとに、下記式(I)で水酸基価を計算した。
水酸基価(mg−KOH/g)={(b−a)×28.05×f}/e・・・(I)
aはサンプルの滴定量(mL)を表し、bは空試験の滴定量(mL)を表し、eはサンプル量(g)を表し、fは滴定液のファクターを表す。
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、下記式(II)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10−3/56.11)・・・(II)
OH価は水酸基価(mg−KOH/g)を表す。
(アルカリ加水分解HDL/BDL)
アルカリ加水分解HDL/BDLを以下の通り求めた。
100mLのナスフラスコにサンプルを1g取り入れ、さらにエタノール30g及び水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応した。室温まで冷却後、前記ナスフラスコに、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和した。前記ナスフラスコを冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。各ジヒドロキシ化合物の濃度は予め標準物質として既知の各ジヒドロキシ化合物より検量線を作成し、ガスクロマトグラフィー(GC)にて得られた面積比から重量%を算出した。分析は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、検出器として水素炎イオン化型検出器(FID)を用いて行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/分で250℃まで昇温した。得られた面積値から1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールとのモル比を算出することによりアルカリ加水分解HDL/BDLを求めた。
例えば、アルカリ加水分解の結果、ジオールとして1,6−ヘキサンジオール(52モル%)、1,4−ブタンジオール(48モル%)である場合、アルカリ加水分解HDL/BDLは、52÷48=1.08となる。
(NMR算出(C−E)/(B−E))
本実施形態のポリカーボネートジオールにおいて、式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比(C−E)/(B−E)は、以下のように核磁気共鳴(NMR)により測定した。
H−NMR装置:ECS400(JEOL RESONANCE社製)
観測核(周波数):1H(400MHz)
溶媒:CDCl
濃度:5wt/vol%
シフト基準:TMS(0.00ppm)
積算回数:256回
なお、上記測定においては、以下のシグナルの積分値を、水素の数で除し、その値から各モル比率を求めた。
具体的な算出方法は以下の通りとした。
式(B−E)で表される末端基量:3.65〜3.70ppm付近(下記式B−1のbbのピーク)の積分値÷2
式(C−E)で表される末端基量:3.60〜3.65ppm付近(下記式C−1のccのピーク)の積分値÷2
Figure 2019225540
(式(B−1)中のAは、式(A)を意味する。)
Figure 2019225540
(式(C−1)中のAは、式(A)を意味する。)
例えば、NMR測定の結果、式(B−E)で表される末端基量が1.00、式(C−E)で表される末端基量が0.87である場合、NMR算出(C−E)/(B−E)は0.87÷1.00=0.87となる。
(アルカリ加水分解HMD/LMD)
上述したアルカリ加水分解HDL/BDLの測定と同様の条件でガスクロマトグラフィーにより分析を行い、HMDとLMDとのピーク面積値を得た。得られた面積値からHMDとLMDとのモル比を算出することによりアルカリ加水分解HMD/LMDを求めた。
(NMR算出(c−e)/(b−e))
上述したNMR算出(C−E)/(B−E)の測定と同様の条件でNMR測定を行った。
得られたNMRチャートから、末端OH基に隣接した炭素に結合した水素に由来するピークの積分値を読み取り、当該積分値を水素数で除することで、式(c−e)で示される末端基と、式(b−e)で示される末端基量を算出した。式(c−e)で示される末端基を式(b−e)で示される末端基量で除することで、NMR算出(c−e)/(b−e)を算出した。
(高温貯蔵安定性)
実施例及び比較例で得られたポリカーボネートジオールを試料として、高温貯蔵安定試験前のポリカーボネートジオールの反応速度を下記に示す(反応速度の測定)により求めた。さらに60℃で1〜5か月間保管した後の試料の反応速度を再度測定した。
反応速度の変化量の絶対値が1.0%未満を◎、1.0%以上2.0%未満を○、2.0%以上3.0%未満を△、3.0%以上を×として評価した。
例えば、試験前の反応速度が35.2%、60℃で1か月間保管した後の反応速度が35.4%である場合、反応速度の変化量の絶対値は、|35.4−35.2|÷35.2=0.57%となる。
(反応速度の測定)
[アミン液の準備]
ジブチルアミン25,85g、トルエン865gを用いて、0.2Nジブチルアミン液を調整した。次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)10gに0.2Nジブチルアミン液10mLを加えて均一になるまで撹拌することで、アミン液を準備した。
[ブランクの滴定]
指示薬としてブロモクレゾールグリーンを用いて上記のアミン液を0.1モル/L2−プロパノール塩酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)で滴定した。
[反応速度評価]
200mLの4つ口ナスフラスコにサンプルを20g、固形分が30%になるようにトルエンを入れた後、冷却管を取り付けて80℃で加温撹拌した。次いで、前記ナスフラスコに、NCO/OH=2.00となるように、予め80℃で加温しておいた4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートを加えて反応を開始した。反応開始40分後の反応液を約5mLサンプリングし、素早くアミン液に投入した後、3分間撹拌を行った。次いで、指示薬としてブロモクレゾールグリーン用いて、反応液を0.1モル/L2−プロパノール塩酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)により滴定した。この結果をもとに、下記式で求められるOH反応率を反応速度として算出した。
残NCO(モル/g)=(H−J)/1000×0.1×F×/W
H:ブランク滴定量(mL)
J:反応液の滴定量(mL)
W:サンプリング量(g)
F:滴定液のファクター
OH反応率(%)=((N1−Ns)/O1)×100
N1:仕込みの4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのNCO基(モル/g)
Ns:上記式で求めた残NCO(モル/g)
O1:仕込みのポリカーボネートジオールの水酸基価
[実施例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール245g、1,6−ヘキサンジオール240g、及び、エチレンカーボネート420gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.11g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を185℃に上げた後、圧力を徐々に0.6kPaまで下げて、さらに5時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−1(431g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−1は、水酸基価が、53.6mgKOH/gであり、数平均分子量が、2094であった。また、得られたPC−1において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が48.9モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が51.1モル%であった。さらに、得られたPC−1において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が47.6モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が52.4モル%であった。
得られたPC−1の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
[比較例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール245g、1,6−ヘキサンジオール240g、及び、エチレンカーボネート420gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.13g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を170℃に上げた後、圧力を徐々に1.0kPaまで下げて、さらに10時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−2(422g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−2の水酸基価は、54.3mgKOH/gであった。数平均分子量は、2067であった。また、得られたPC−2において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が49.3モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が50.7モル%であった。さらに、得られたPC−2において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が53.8モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が46.2モル%であった。
得られたPC−2の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
[実施例2]
攪拌装置を備えた3.0Lのガラス製フラスコ(反応器)に、デュラノールT4692(旭化成株式会社製、ジオールとして1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000の共重合系ポリカーボネートジオール。ジオール組成比;1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90モル%/10モル%)を1487g、及び、デュラノールT6002(旭化成株式会社製、ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000のポリカーボネートジオール。)を513g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.13g入れた。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約145℃で3時間維持した。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することによりポリカーボネートジオールPC−3を得た。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。
得られたポリカーボネートジオールPC−3は、水酸基価が、55.7mgKOH/gであり、数平均分子量は、2015であった。また、得られたPC−3において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が68.0モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が32.0モル%であった。さらに、得られたPC−3において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が63.2モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が36.8モル%であった。
得られたPC−3の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
[比較例2]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール330g、1,6−ヘキサンジオール142g、及び、エチレンカーボネート430gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.13g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を170℃に上げた後、圧力を徐々に1.0kPaまで下げて、さらに10時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−4(412g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−4は、水酸基価が、55.8mgKOH/gであり、数平均分子量が、2011であった。また、得られたPC−4において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が68.2モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が31.8モル%であった。さらに、得られたPC−4において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が71.4モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が28.6モル%であった。
得られたPC−4の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
[実施例3]
攪拌装置を備えた1.0Lのガラス製フラスコ(反応器)に、デュラノールT4692(旭化成株式会社製、ジオールとして1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000の共重合系ポリカーボネートジオール。ジオール組成比;1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90モル%/10モル%)を358g、及び、デュラノールT6002(旭化成株式会社製、ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000のポリカーボネートジオール。)を542g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.10g入れた。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約145℃で3時間維持した。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することによりポリカーボネートジオールPC−5を得た。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。
得られたポリカーボネートジオールPC−5は、水酸基価が、55.9mgKOH/gであり、数平均分子量は、2007であった。また、得られたPC−5において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が39.8モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が60.2モル%であった。さらに、得られたPC−5において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が37.7モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が62.3モル%であった。
得られたPC−5の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
[実施例4]
攪拌装置を備えた1.0Lのガラス製フラスコ(反応器)に、デュラノールT4692(旭化成株式会社製、ジオールとして1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000の共重合系ポリカーボネートジオール。ジオール組成比;1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90モル%/10モル%)を561g、及び、デュラノールT6002(旭化成株式会社製、ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000のポリカーボネートジオール。)を339g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.11g入れた。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約145℃で3時間維持した。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することによりポリカーボネートジオールPC−6を得た。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。
得られたポリカーボネートジオールPC−6は、水酸基価が、55.5mgKOH/gであり、数平均分子量は、2022であった。また、得られたPC−6において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が60.0モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が40.0モル%であった。さらに、得られたPC−6において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が55.0モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が45.0モル%であった。
得られたPC−6の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
[実施例5]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,3−プロパンジオール200g、1,10−デカンジオール230g、及び、エチレンカーボネート380gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.18g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を185℃に上げた後、圧力を徐々に0.6kPaまで下げて、さらに5時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−7(388g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−7は、水酸基価が、54.8mgKOH/gであり、数平均分子量が、2048であった。また、得られたPC−7において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(b)で表される繰り返し単位の量が45.7モル%であり、式(c)で表される繰り返し単位の量が54.3モル%であった。さらに、得られたPC−7において、末端基総量に対して、式(b−e)で表される末端基量が43.3モル%であり、式(c−e)で表される末端基量が56.7モル%であった。
得られたPC−7の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
[比較例3]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた3Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール550g、1,6−ヘキサンジオール650g、及び、エチレンカーボネート970gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.10g入れた。20torr(約2.67kPa)の減圧下、反応温度が150℃になるように調整し、留出液の一部を抜き出しながら、20時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を190℃に上げた後、圧力を徐々に7torr(約0.93kPa)まで下げて、さらに4時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−8(684g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−8は、水酸基価が、55.4mgKOH/gであり、数平均分子量が、2025であった。また、得られたPC−8において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が46.6モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が53.4モル%であった。さらに、得られたPC−8において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が47.9モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が52.1モル%であった。
得られたPC−8の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
Figure 2019225540
以上より、本実施例のポリカーボネートジオールは高温貯蔵安定性に優れていることが確認された。
本発明のポリカーボネートジオールは、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床や壁や屋根、金属製品、モルタルやコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板や石膏ボード等の窯業系建材等への塗料といった幅広い分野で好適に利用できる。

Claims (12)

  1. 下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
    式(A)で繰り返される繰り返し単位の90〜100モル%は下記式(B)及び/又は(C)で表される繰り返し単位であり、
    式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
    末端基総量の90モル%以上は下記式(B−E)及び/又は(C−E)で表される末端基であり、
    下記式(i)を満たす、ポリカーボネートジオール。
    Figure 2019225540
    (式(A)中、Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
    Figure 2019225540
    Figure 2019225540
    Figure 2019225540
    (式(B−E)中、Aは、式(A)を意味する。)
    Figure 2019225540
    (式(C−E)中、Aは、式(A)を意味する。)
    (NMR算出(C−E)/(B−E))>(アルカリ加水分解HDL/BDL)・・・(i)
    (式(i)中、NMR算出(C−E)/(B−E)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HDL/BDLは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比である。)
  2. 式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
  3. 式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
  4. 式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
  5. 下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
    式(A)で繰り返される繰り返し単位は下記式(b)及び(c)で表される繰り返し単位であり、
    式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
    末端基総量の90モル%以上は下記式(b−e)及び/又は(c−e)で表される末端基であり、
    下記式(i−2)を満たす、ポリカーボネートジオール。
    Figure 2019225540
    (式(A)中、Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
    Figure 2019225540
    (式(b)中、Rは、炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
    Figure 2019225540
    (式(c)中、R2は、炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
    Figure 2019225540
    (式(b−e)中、Aは、式(A)を意味し、R11は炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
    Figure 2019225540
    (式(c−e)中、Aは、式(A)を意味し、R22は炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
    (NMR算出(c−e)/(b−e))>(アルカリ加水分解HMD/LMD)・・・(i−2)
    (式(i−2)中、NMR算出(c−e)/(b−e)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HMD/LMDは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比である。)
  6. 式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、請求項5に記載のポリカーボネートジオール。
  7. 式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、請求項5に記載のポリカーボネートジオール。
  8. 式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、請求項5に記載のポリカーボネートジオール。
  9. 式(b)中のRが炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(b−e)中のR11が炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基である、請求項5〜8のいずれか一項に記載のポリカーボネートジオール。
  10. 式(c)中のRが炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(c−e)中のR22が炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基である、請求項5〜9のいずれか一項に記載のポリカーボネートジオール。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリカーボネートジオールを貯蔵する方法であって、前記ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する、貯蔵方法。
  12. 貯蔵中にポリカーボネートの温度を50℃以上に加温、又は維持する工程を含む、請求項11に記載の貯蔵方法。
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