JPWO2019225540A1 - ポリカーボネートジオール - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
式(A)で繰り返される繰り返し単位の90〜100モル%は下記式(B)及び/又は(C)で表される繰り返し単位であり、
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
末端基総量の90モル%以上は下記式(B−E)及び/又は(C−E)で表される末端基であり、
下記式(i)を満たす、ポリカーボネートジオール。
(NMR算出(C−E)/(B−E))>(アルカリ加水分解HDL/BDL)・・・(i)
(式(i)中、NMR算出(C−E)/(B−E)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HDL/BDLは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比である。)
[2]
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、[1]に記載のポリカーボネートジオール。
[3]
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、[1]に記載のポリカーボネートジオール。
[4]
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、[1]に記載のポリカーボネートジオール。
[5]
下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
式(A)で繰り返される繰り返し単位は下記式(b)及び(c)で表される繰り返し単位であり、
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
末端基総量の90モル%以上は下記式(b−e)及び/又は(c−e)で表される末端基であり、
下記式(i−2)を満たす、ポリカーボネートジオール。
(NMR算出(c−e)/(b−e))>(アルカリ加水分解HMD/LMD)・・・(i−2)
(式(i−2)中、NMR算出(c−e)/(b−e)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HMD/LMDは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比である。)
[6]
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、[5]に記載のポリカーボネートジオール。
[7]
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、[5]に記載のポリカーボネートジオール。
[8]
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、[5]に記載のポリカーボネートジオール。
[9]
式(b)中のR1が炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(b−e)中のR11が炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基である、[5]〜[8]のいずれかに記載のポリカーボネートジオール。
[10]
式(c)中のR2が炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(c−e)中のR22が炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基である、[5]〜[9]のいずれかに記載のポリカーボネートジオール。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに記載のポリカーボネートジオールを貯蔵する方法であって、前記ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する、貯蔵方法。
[12]
貯蔵中にポリカーボネートの温度を50℃以上に加温、又は維持する工程を含む、[11]に記載の貯蔵方法。
本実施形態のポリカーボネートジオールは、第一の実施形態のポリカーボネートジオールと、第二の実施形態のポリカーボネートジオールとがある。
第一の実施形態のポリカーボネートジオールは、下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、式(A)で繰り返される繰り返し単位の90〜100モル%が下記式(B)及び/又は(C)で表される繰り返し単位であり、式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、末端基総量の90モル%以上が下記式(B−E)及び/又は(C−E)で表される末端基であり、下記式(i)を満たす。
(式(i)中、NMR算出(C−E)/(B−E)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HDL/BDLは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比である。)
アルカリ加水分解HDL/BDLとは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比(HDL/BDL)のことである。アルカリ加水分解HDL/BDLの範囲は1/9〜9/1が好ましく、2/8〜7/3がより好ましく、2/8〜6/4がさらに好ましく、4/6〜6/4が特に好ましい。
NMR算出(C−E)/(B−E)とは、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比((C−E)/(B−E))である。NMR算出(C−E)/(B−E)の範囲は9.00〜0.10が好ましく、2.50〜0.20がより好ましく、2.0〜0.20がさらに好ましく、2.0〜0.5が特に好ましい。
(NMR算出(C−E)/(B−E))―(アルカリ加水分解HDL/BDL)≧0.001・・・(ii)
第二の実施形態のポリカーボネートジオールについて以下に説明する。第二の実施形態のポリカーボネートジオールは、上述した第一の実施形態のポリカーボネートジオールを一般化したものである。
(式(i−2)中、NMR算出(c−e)/(b−e)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HMD/LMDは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比である。)
アルカリ加水分解HMD/LMDとは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の二価の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の二価の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比(HMD/LMD)のことである。アルカリ加水分解HMD/LMDの範囲は1/9〜9/1が好ましく、2/8〜7/3がより好ましく、2/8〜6/4がさらに好ましく、4/6〜6/4が特に好ましい。
NMR算出(c−e)/(b−e)とは、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比((c−e)/(b−e))である。NMR算出(c−e)/(b−e)の範囲は9.00〜0.10が好ましく、2.50〜0.20がより好ましく、2.0〜0.20がさらに好ましく、2.0〜0.5が特に好ましい。
(NMR算出(c−e)/(b−e))―(アルカリ加水分解HMD/LMD)≧0.001・・・(ii−2)
本実施形態のポリカーボネートジオールの数平均分子量は、300以上10000以下が好ましく、400以上5000以下がより好ましく、500以上3000以下がさらに好ましい。
本実施形態のポリカーボネートジオールは、例えば、カーボネート化合物と、ジオール化合物とをエステル交換触媒の存在下で反応させて得ることができる。
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造に用いられるカーボネート化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールの製造に用いられるジオール化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、直鎖状ジオール、分岐鎖状ジオール、環状ジオール、芳香環を有するジオールが挙げられる。
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造に際しては、エステル交換反応触媒を用いることができる。
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法は、ポリカーボネートジオールの末端構造を調整する工程を含む。
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法は、ポリカーボネートジオールの末端構造を調整する工程を含む。
本実施形態の貯蔵方法は、上述のポリカーボネートジオールを貯蔵する方法であって、前記ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する。ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存することにより、ポリカーボネートの取り扱い性に優れる。「ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する」方法としては、特に限定されないが、例えば、前記ポリカーボネートが流動化する温度に加温、又は維持して貯蔵することが挙げられる。前記ポリカーボネートの加温又は貯蔵温度としては、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。当該温度の上限は特に限定されないが、ポリカーボネートジオールの分解抑制の観点から、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。
数平均分子量は、後述するように、水酸基価より求めた。
水酸基価は、以下の方法で測定した。
メスフラスコを用い、無水酢酸12.5gにピリジンを加えて50mLとし、アセチル化試薬を調製した。100mLのナスフラスコに、サンプルを2.5〜5.0g精秤して入れた。前記ナスフラスコに、アセチル化試薬5mLとトルエン10mLとをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間撹拌加熱した。前記ナスフラスコに、蒸留水2.5mLをホールピペットで添加し、さらに10分加熱撹拌した。2〜3分冷却後、前記ナスフラスコに、エタノールを12.5mL添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5モル/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。アセチル化試薬5mL、トルエン10mL及び蒸留水2.5mLを100mLナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行った(空試験)。この結果をもとに、下記式(I)で水酸基価を計算した。
水酸基価(mg−KOH/g)={(b−a)×28.05×f}/e・・・(I)
aはサンプルの滴定量(mL)を表し、bは空試験の滴定量(mL)を表し、eはサンプル量(g)を表し、fは滴定液のファクターを表す。
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、下記式(II)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10−3/56.11)・・・(II)
OH価は水酸基価(mg−KOH/g)を表す。
アルカリ加水分解HDL/BDLを以下の通り求めた。
100mLのナスフラスコにサンプルを1g取り入れ、さらにエタノール30g及び水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応した。室温まで冷却後、前記ナスフラスコに、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和した。前記ナスフラスコを冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。各ジヒドロキシ化合物の濃度は予め標準物質として既知の各ジヒドロキシ化合物より検量線を作成し、ガスクロマトグラフィー(GC)にて得られた面積比から重量%を算出した。分析は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、検出器として水素炎イオン化型検出器(FID)を用いて行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/分で250℃まで昇温した。得られた面積値から1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールとのモル比を算出することによりアルカリ加水分解HDL/BDLを求めた。
例えば、アルカリ加水分解の結果、ジオールとして1,6−ヘキサンジオール(52モル%)、1,4−ブタンジオール(48モル%)である場合、アルカリ加水分解HDL/BDLは、52÷48=1.08となる。
本実施形態のポリカーボネートジオールにおいて、式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比(C−E)/(B−E)は、以下のように核磁気共鳴(NMR)により測定した。
1H−NMR装置:ECS400(JEOL RESONANCE社製)
観測核(周波数):1H(400MHz)
溶媒:CDCl3
濃度:5wt/vol%
シフト基準:TMS(0.00ppm)
積算回数:256回
なお、上記測定においては、以下のシグナルの積分値を、水素の数で除し、その値から各モル比率を求めた。
具体的な算出方法は以下の通りとした。
式(B−E)で表される末端基量:3.65〜3.70ppm付近(下記式B−1のbbのピーク)の積分値÷2
式(C−E)で表される末端基量:3.60〜3.65ppm付近(下記式C−1のccのピーク)の積分値÷2
例えば、NMR測定の結果、式(B−E)で表される末端基量が1.00、式(C−E)で表される末端基量が0.87である場合、NMR算出(C−E)/(B−E)は0.87÷1.00=0.87となる。
上述したアルカリ加水分解HDL/BDLの測定と同様の条件でガスクロマトグラフィーにより分析を行い、HMDとLMDとのピーク面積値を得た。得られた面積値からHMDとLMDとのモル比を算出することによりアルカリ加水分解HMD/LMDを求めた。
上述したNMR算出(C−E)/(B−E)の測定と同様の条件でNMR測定を行った。
得られたNMRチャートから、末端OH基に隣接した炭素に結合した水素に由来するピークの積分値を読み取り、当該積分値を水素数で除することで、式(c−e)で示される末端基と、式(b−e)で示される末端基量を算出した。式(c−e)で示される末端基を式(b−e)で示される末端基量で除することで、NMR算出(c−e)/(b−e)を算出した。
実施例及び比較例で得られたポリカーボネートジオールを試料として、高温貯蔵安定試験前のポリカーボネートジオールの反応速度を下記に示す(反応速度の測定)により求めた。さらに60℃で1〜5か月間保管した後の試料の反応速度を再度測定した。
反応速度の変化量の絶対値が1.0%未満を◎、1.0%以上2.0%未満を○、2.0%以上3.0%未満を△、3.0%以上を×として評価した。
例えば、試験前の反応速度が35.2%、60℃で1か月間保管した後の反応速度が35.4%である場合、反応速度の変化量の絶対値は、|35.4−35.2|÷35.2=0.57%となる。
[アミン液の準備]
ジブチルアミン25,85g、トルエン865gを用いて、0.2Nジブチルアミン液を調整した。次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)10gに0.2Nジブチルアミン液10mLを加えて均一になるまで撹拌することで、アミン液を準備した。
[ブランクの滴定]
指示薬としてブロモクレゾールグリーンを用いて上記のアミン液を0.1モル/L2−プロパノール塩酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)で滴定した。
[反応速度評価]
200mLの4つ口ナスフラスコにサンプルを20g、固形分が30%になるようにトルエンを入れた後、冷却管を取り付けて80℃で加温撹拌した。次いで、前記ナスフラスコに、NCO/OH=2.00となるように、予め80℃で加温しておいた4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートを加えて反応を開始した。反応開始40分後の反応液を約5mLサンプリングし、素早くアミン液に投入した後、3分間撹拌を行った。次いで、指示薬としてブロモクレゾールグリーン用いて、反応液を0.1モル/L2−プロパノール塩酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)により滴定した。この結果をもとに、下記式で求められるOH反応率を反応速度として算出した。
残NCO(モル/g)=(H−J)/1000×0.1×F×/W
H:ブランク滴定量(mL)
J:反応液の滴定量(mL)
W:サンプリング量(g)
F:滴定液のファクター
OH反応率(%)=((N1−Ns)/O1)×100
N1:仕込みの4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのNCO基(モル/g)
Ns:上記式で求めた残NCO(モル/g)
O1:仕込みのポリカーボネートジオールの水酸基価
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール245g、1,6−ヘキサンジオール240g、及び、エチレンカーボネート420gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.11g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を185℃に上げた後、圧力を徐々に0.6kPaまで下げて、さらに5時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−1(431g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−1は、水酸基価が、53.6mgKOH/gであり、数平均分子量が、2094であった。また、得られたPC−1において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が48.9モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が51.1モル%であった。さらに、得られたPC−1において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が47.6モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が52.4モル%であった。
得られたPC−1の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール245g、1,6−ヘキサンジオール240g、及び、エチレンカーボネート420gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.13g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を170℃に上げた後、圧力を徐々に1.0kPaまで下げて、さらに10時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−2(422g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−2の水酸基価は、54.3mgKOH/gであった。数平均分子量は、2067であった。また、得られたPC−2において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が49.3モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が50.7モル%であった。さらに、得られたPC−2において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が53.8モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が46.2モル%であった。
得られたPC−2の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
攪拌装置を備えた3.0Lのガラス製フラスコ(反応器)に、デュラノールT4692(旭化成株式会社製、ジオールとして1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000の共重合系ポリカーボネートジオール。ジオール組成比;1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90モル%/10モル%)を1487g、及び、デュラノールT6002(旭化成株式会社製、ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000のポリカーボネートジオール。)を513g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.13g入れた。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約145℃で3時間維持した。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することによりポリカーボネートジオールPC−3を得た。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。
得られたポリカーボネートジオールPC−3は、水酸基価が、55.7mgKOH/gであり、数平均分子量は、2015であった。また、得られたPC−3において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が68.0モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が32.0モル%であった。さらに、得られたPC−3において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が63.2モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が36.8モル%であった。
得られたPC−3の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール330g、1,6−ヘキサンジオール142g、及び、エチレンカーボネート430gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.13g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を170℃に上げた後、圧力を徐々に1.0kPaまで下げて、さらに10時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−4(412g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−4は、水酸基価が、55.8mgKOH/gであり、数平均分子量が、2011であった。また、得られたPC−4において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が68.2モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が31.8モル%であった。さらに、得られたPC−4において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が71.4モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が28.6モル%であった。
得られたPC−4の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
攪拌装置を備えた1.0Lのガラス製フラスコ(反応器)に、デュラノールT4692(旭化成株式会社製、ジオールとして1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000の共重合系ポリカーボネートジオール。ジオール組成比;1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90モル%/10モル%)を358g、及び、デュラノールT6002(旭化成株式会社製、ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000のポリカーボネートジオール。)を542g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.10g入れた。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約145℃で3時間維持した。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することによりポリカーボネートジオールPC−5を得た。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。
得られたポリカーボネートジオールPC−5は、水酸基価が、55.9mgKOH/gであり、数平均分子量は、2007であった。また、得られたPC−5において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が39.8モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が60.2モル%であった。さらに、得られたPC−5において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が37.7モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が62.3モル%であった。
得られたPC−5の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
攪拌装置を備えた1.0Lのガラス製フラスコ(反応器)に、デュラノールT4692(旭化成株式会社製、ジオールとして1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000の共重合系ポリカーボネートジオール。ジオール組成比;1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90モル%/10モル%)を561g、及び、デュラノールT6002(旭化成株式会社製、ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000のポリカーボネートジオール。)を339g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.11g入れた。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約145℃で3時間維持した。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することによりポリカーボネートジオールPC−6を得た。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。
得られたポリカーボネートジオールPC−6は、水酸基価が、55.5mgKOH/gであり、数平均分子量は、2022であった。また、得られたPC−6において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が60.0モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が40.0モル%であった。さらに、得られたPC−6において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が55.0モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が45.0モル%であった。
得られたPC−6の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,3−プロパンジオール200g、1,10−デカンジオール230g、及び、エチレンカーボネート380gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.18g入れた。反応器を165℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度140〜150℃で18時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を185℃に上げた後、圧力を徐々に0.6kPaまで下げて、さらに5時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−7(388g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−7は、水酸基価が、54.8mgKOH/gであり、数平均分子量が、2048であった。また、得られたPC−7において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(b)で表される繰り返し単位の量が45.7モル%であり、式(c)で表される繰り返し単位の量が54.3モル%であった。さらに、得られたPC−7において、末端基総量に対して、式(b−e)で表される末端基量が43.3モル%であり、式(c−e)で表される末端基量が56.7モル%であった。
得られたPC−7の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた3Lのガラス製フラスコ(反応器)に1,4−ブタンジオール550g、1,6−ヘキサンジオール650g、及び、エチレンカーボネート970gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.10g入れた。20torr(約2.67kPa)の減圧下、反応温度が150℃になるように調整し、留出液の一部を抜き出しながら、20時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、反応温度を190℃に上げた後、圧力を徐々に7torr(約0.93kPa)まで下げて、さらに4時間反応を行った。次いで、リン酸ジブチルをチタンテトラ−n−ブトキシドに対して、モル比で2.0倍量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することにより常温で液体であるポリカーボネートジオールPC−8(684g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールPC−8は、水酸基価が、55.4mgKOH/gであり、数平均分子量が、2025であった。また、得られたPC−8において、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して、式(B)で表される繰り返し単位の量が46.6モル%であり、式(C)で表される繰り返し単位の量が53.4モル%であった。さらに、得られたPC−8において、末端基総量に対して、式(B−E)で表される末端基量が47.9モル%であり、式(C−E)で表される末端基量が52.1モル%であった。
得られたPC−8の評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に記載する。
Claims (12)
- 下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
式(A)で繰り返される繰り返し単位の90〜100モル%は下記式(B)及び/又は(C)で表される繰り返し単位であり、
式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
末端基総量の90モル%以上は下記式(B−E)及び/又は(C−E)で表される末端基であり、
下記式(i)を満たす、ポリカーボネートジオール。
(NMR算出(C−E)/(B−E))>(アルカリ加水分解HDL/BDL)・・・(i)
(式(i)中、NMR算出(C−E)/(B−E)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(C−E)で表される末端基と式(B−E)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HDL/BDLは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、1,6−ヘキサンジオール(HDL)と1,4−ブタンジオール(BDL)とのモル比である。) - 式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
- 式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
- 式(B)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
- 下記式(A)で表される繰り返し単位を含有し、末端ヒドロキシル基を含むポリカーボネートジオールであって、
式(A)で繰り返される繰り返し単位は下記式(b)及び(c)で表される繰り返し単位であり、
式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して10〜90モル%であり、
末端基総量の90モル%以上は下記式(b−e)及び/又は(c−e)で表される末端基であり、
下記式(i−2)を満たす、ポリカーボネートジオール。
(NMR算出(c−e)/(b−e))>(アルカリ加水分解HMD/LMD)・・・(i−2)
(式(i−2)中、NMR算出(c−e)/(b−e)は、核磁気共鳴(NMR)により測定した式(c−e)で表される末端基と式(b−e)で表される末端基とのモル比であり、アルカリ加水分解HMD/LMDは、ポリカーボネートジオールをアルカリ加水分解することにより得られる、炭素数5〜15の脂肪族又は脂環族ジオール(HMD)と炭素数2〜4の脂肪族又は脂環族ジオール(LMD)とのモル比である。) - 式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜80モル%である、請求項5に記載のポリカーボネートジオール。
- 式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して30〜70モル%である、請求項5に記載のポリカーボネートジオール。
- 式(b)で表される繰り返し単位の量が、式(A)で表される繰り返し単位の合計に対して40〜60モル%である、請求項5に記載のポリカーボネートジオール。
- 式(b)中のR1が炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(b−e)中のR11が炭素数2〜4の二価の脂肪族炭化水素基である、請求項5〜8のいずれか一項に記載のポリカーボネートジオール。
- 式(c)中のR2が炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基であり、式(c−e)中のR22が炭素数6〜10の二価の脂肪族炭化水素基である、請求項5〜9のいずれか一項に記載のポリカーボネートジオール。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリカーボネートジオールを貯蔵する方法であって、前記ポリカーボネートが流動性を有する状態で保存する、貯蔵方法。
- 貯蔵中にポリカーボネートの温度を50℃以上に加温、又は維持する工程を含む、請求項11に記載の貯蔵方法。
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