JP6843538B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料組成物に関する。
従来、ポリウレタン樹脂は、合成皮革、人工皮革、接着剤、家具用塗料、自動車用塗料等の幅広い領域で使用されており、イソシアネートと反応させるポリオール成分として、ヒドロキシ基を有するポリエーテルやポリエステル、ポリカーボネートが用いられてきた。しかしながら、近年、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、耐溶剤性や耐日焼け止め性等、樹脂の耐性への要求が高まっている。
一般的にポリオール成分としてポリカーボネートジオールを用いたポリウレタン樹脂は、ヒドロキシ基を有するポリエーテルやポリエステルを用いたポリウレタン樹脂よりも耐薬品性や耐日焼け止め性に優れることが知られている。例えば、特許文献1には、ポリオール成分としてポリカーボネートジオールを使用した塗料組成物が提案されている。
特開2012−219238号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたようなポリカーボネートジオールを用いたポリウレタン樹脂には、耐溶剤性、耐日焼け止め性等の物性への要求が厳しい自動車用塗料等の用途においては、改善の余地がある。
そこで、本発明は、耐溶剤性、耐日焼け止め性に優れる塗膜を形成可能にする塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、特定構造を有するポリカーボネートジオールと、イソシアネート化合物とを含む塗料組成物を用いることにより、耐溶剤性、耐日焼け止め性に優れた塗膜が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の構成は以下のとおりである。
[1]
(A)分子鎖内に、(式1)で表されるポリオキシエチレン構造と、(式2)で表されるポリカーボネート構造とを含有し、
前記ポリオキシエチレン構造の末端構造は、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している構造、又は、両末端がカーボネート基に結合している構造であり、
両末端が水酸基である、
ポリカーボネートジオールを含む、ポリカーボネートジオール組成物であって、
前記組成物全体で、(式1)で表されるポリオキシエチレン構造を5〜50質量%、(式2)で表されるポリカーボネート構造を50〜95質量%含有し、数平均分子量が300〜10000である、組成物;
(B)前記(A)以外のポリオール成分;及び、
(C)イソシアネート化合物;を含有し、
前記(A)と前記(B)の合計100質量%に対し、前記(A)を40〜100質量%、前記(B)を0〜60質量%含有する、塗料組成物。
(式中、mは、9〜50の数を表す。)
(式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜15の、分岐を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基を表し、nは、1〜50の数を表す。)
[2]
前記ポリカーボネートジオール組成物が、前記組成物全体で、前記(式1)で表されるポリオキシエチレン構造5〜30質量%と、前記(式2)で表されるポリカーボネート構造を70〜95質量%とを含有する、[1]に記載の塗料組成物。
[3]
前記ポリオキシエチレン構造が、(式3)で表されるポリオキシエチレン構造である、[1]または[2]に記載の塗料組成物。
(式中、lは、9〜30の数を表す。)
本発明の塗料組成物によれば、耐溶剤性、耐日焼け止め性に優れた塗膜を提供することができるという効果を有する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
<塗料組成物>
本実施形態の塗料組成物は、
(A)分子鎖内に、(式1)で表されるポリオキシエチレン構造と、(式2)で表されるポリカーボネート構造とを含有し、
前記ポリオキシエチレン構造の末端構造は、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している構造、又は、両末端がカーボネート基に結合している構造であり、
両末端が水酸基である、
ポリカーボネートジオールを含む、ポリカーボネートジオール組成物であって、
前記組成物全体で、(式1)で表されるポリオキシエチレン構造を5〜50質量%、(式2)で表されるポリカーボネート構造を50〜95質量%含有し、数平均分子量が300〜10000である、前記組成物(以下、「(A)成分」や、「(A)」とも称する);
(B)前記(A)以外のポリオール成分(以下、「(B)成分」や、「(B)」とも称する);及び、
(C)イソシアネート化合物(以下、「(C)成分」や、「(C)」とも称する);を含有し、
前記(A)と前記(B)の合計100質量%に対し、前記(A)を40〜100質量%、前記(B)を0〜60質量%含有する。
(式中、mは、9〜50の数を表す。)
(式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜15の、分岐を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基を表し、nは、1〜50の数を表す。)
本実施形態の塗料組成物は、このような構成を取ることにより耐溶剤性、耐日焼け止め性に優れた塗膜を提供することができる。ここで耐日焼け止め性とは、日焼け止め剤に対する耐性を意味する。
本実施形態の塗料組成物は、上記ポリカーボネートジオール組成物((A)成分)を、前記(A)と前記(B)の合計100質量%中、50〜100質量%含むことが好ましく、60〜100質量%含むことがより好ましい。
(ポリカーボネートジオール組成物((A)成分))
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、分子鎖内に、前記(式1)で表されるポリオキシエチレン構造と、前記(式2)で表されるポリカーボネート構造とを含有し、上記ポリオキシエチレン構造の末端構造は、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している構造、又は、両末端がカーボネート基に結合している構造であり、両末端が水酸基である、ポリカーボネートジオールを含む、ポリカーボネートジオール組成物である。また、ポリカーボネートジオール組成物は、該組成物全体で、(式1)で表されるポリオキシエチレン構造を5〜50質量%、(式2)で表されるポリカーボネート構造を50〜95質量%含有し、数平均分子量が300〜10000である。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、組成物全体として前記(式1)の構造と前記(式2)の構造の比率が上記の範囲であれば、個々のポリカーボネートジオールの構造は特に限定されず、後述する(式b)で表される成分を含有していてもよい。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物に含まれるポリカーボネートジオールは、その両末端が水酸基である。ポリカーボネートジオール組成物の製造に使用する各種原料中の不純物や、ポリカーボネートジオール組成物の製造時に副生する末端構造等に起因して、あるいはポリカーボネートジオール組成物の使用用途におけるウレタン化反応速度や状態コントロールのために、末端の水酸基の一部をイソシアネート基と反応しないアルキル基やアリール基等に変換する場合もある。本実施形態ではこのような場合も考慮し、上記ポリカーボネートジオールの末端基は、厳密に両末端の100モル%が水酸基でない場合も包含する。かかる観点から、末端基総量における水酸基の割合は、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。ポリカーボネートジオール組成物の両末端構造は、例えば、特許第3874664号公報に記載の末端水酸基濃度を測定する方法に準拠して確認することができる。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、該組成物全体で、前記(式1)で表されるポリオキシエチレン構造を5〜50質量%含有する。ポリオキシエチレン構造の含有率は、耐溶剤性や耐日焼け止め性に優れた塗膜が得られる傾向にあることから、5質量%以上である。また、ポリオキシエチレン構造の含有率は、ポリカーボネートジオール組成物の熱による分解が抑えられる傾向にあることから、50質量%以下である。ポリオキシエチレン構造の含有量は、5〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
前記(式1)中のmは、オキシエチレン構造の繰り返し単位数を表し、9〜50であり、9〜40であることが好ましく、9〜30であることがより好ましい。上記mは、ポリカーボネートジオール組成物をアルカリ分解して原料ジオール成分を取り出し、当該成分についてGC−MS測定、LC−MS測定及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行うことで求めることができる。mが9以上であることにより、原料であるポリオキシエチレングリコールの使用量を低減することができるため、本実施形態のポリカーボネートジオール組成物の耐水性や耐熱性が一層向上する傾向にある。mが50以下であることにより、ポリカーボネートジオール組成物の結晶性が抑えられる傾向にある。前記(式1)は、好ましくは、(式3)で表されるポリオキシエチレン構造である。
(式中、lは、9〜30の数を表す。)
前記(式1)で表されるポリオキシエチレン構造の末端構造は、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している構造、又は、両末端がカーボネート構造に結合している構造である。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、ポリオキシエチレン構造の末端構造が、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している構造と、両末端がカーボネート構造に結合している構造との混合であってもよい。
本実態形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、該組成物全体で、前記(式2)で表されるポリカーボネート構造を50〜95質量%含有する。ポリカーボネート構造の含有量は、ポリカーボネートジオール組成物の耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性などの観点から、50質量%以上である。ポリカーボネート構造の含有量は、ポリカーボネートジオール組成物のポリエーテルポリオールとの相溶性の観点から、95質量%以下である。ポリカーボネート構造の含有量は、60〜95質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。
前記(式2)中のRは、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜15の、分岐を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基を表す。Rの炭素数は、好ましくは3〜12であり、より好ましくは3〜9である。上記脂肪族炭化水素基、上記脂環族炭化水素基、及び、上記芳香族炭化水素基は、2価であることが好ましい。
上記脂肪族炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられる。直鎖状又は分岐状のアルキレン基の具体例としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基、イソヘキシレン基、ヘプチレン基、イソヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点から、ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基、イソヘキシレン基が好ましい。
Rが脂環族炭化水素基である場合、Rの炭素数は、好ましくは6〜15であり、より好ましくは6〜8である。脂環族炭化水素基の具体例としては、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点から、シクロヘキシレン基が好ましい。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が好ましい。
前記(式2)中のnは、カーボネート構造の繰り返し単位数を表し、1〜50であり、好ましくは2〜50であり、より好ましくは3〜30であり、さらに好ましくは4〜20である。nは、ポリカーボネートジオール組成物をアルカリ分解して原料ジオール成分を取りだし、当該成分について、GC−MS測定、LC−MS測定及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行うことで求めることができる。
本実施形態における、ポリカーボネートジオール組成物の分子鎖中におけるポリオキシエチレン構造の含有量やポリカーボネート構造の含有量は、1H−NMR測定により求めることができる。通常、ポリオキシエチレン構造のメチレン基の水素原子のシグナルは、3.5ppm付近に強く発現する。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物の数平均分子量は、好ましくは300以上10000以下、より好ましくは400以上10000以下、さらに好ましくは500以上3000以下である。数平均分子量が300以上であることで、ポリカーボネートジオール組成物から得られる熱可塑性ウレタンの柔軟性、及び低温特性がより良好となる傾向があり、数平均分子量が10000以下であると、ポリカーボネートジオール組成物得られる熱可塑性ウレタンの成型加工性がより良好となる傾向がある。数平均分子量は、後述する実施例に記載する方法のように、ポリカーボネートジオールの水酸基価から算出することができる。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、下記(式a)で表されるポリオキシエチレンジオールと、下記(式b)で表されるポリカーボネートジオールとを用いてエステル交換反応を行うことで得ることができる。
(式中、mは、9〜50の数を表す。)
(式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜15の、分岐を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基を表し、nは、1〜50の数を表す。)
上記(式a)のmは、上記した(式1)のmと同義である。上記(式b)のR及びnは、上記した(式2)のR及びnと各々同義である。以下、(式a)で表されるポリオキシエチレンジオール及び(式b)で表されるポリカーボネートジオールについて説明する。
ポリオキシエチレンジオールは、(式a)で表される構造を有するものであればよく、特に限定されるものではない。ポリオキシエチレンジオールとしては、各種の分子量の製品が市販されており、このような市販品を用いることもできる。ポリオキシエチレンジオールの市販品としては、例えば、和光純薬工業株式会社製の「ポリエチレングリコール」シリーズ等が挙げられる。
ポリオキシエチレンジオールの数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは400〜2000であり、より好ましくは600〜1500である。数平均分子量が400以上のポリオキシエチレングリコールを用いることにより、原料のポリオキシエチレングリコールの使用量を低減することができ、ポリカーボネートジオール組成物の耐水性や耐熱性が一層向上される傾向にある。数平均分子量が2000以下のポリオキシエチレングリコールを用いることにより、ポリカーボネートジオール組成物の結晶性が抑えられる傾向にある。
ポリカーボネートジオールは、(式b)で表される構造を有するものであればよく、特に限定されるものではない。このポリカーボネートジオールの製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することもできる。例えば、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物と、ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下で反応させて、ポリカーボネートジオールを得ることができる。
カーボネート化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートが挙げられる。この中では、アルキレンカーボネートが好ましく、エチレンカーボネートがより好ましい。
ジオール化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の側鎖を有しないジオール;2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の側鎖を有するジオール;1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の環状ジオール;p−キシレンジオール、p−テトラクロロキシレンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔(4−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン等の芳香環を有するジオールが挙げられる。この中では、側鎖を有しないジオールが好ましく、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。
原料である(式b)で表されるポリカーボネートジオールの製造に際しては、エステル交換反応触媒を用いることができる。触媒としては、通常のエステル交換反応触媒から選択することができる 。エステル交換反応触媒の具体例としては、特に限定されず、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属のアルコラート、水素化物、オキシト゛、アミド、炭酸塩、水酸化物、窒素含有ホウ酸塩、及び有機酸の塩基性アルカリ金属塩並びにアルカリ土類金属塩が挙げられる。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属を用いたエステル交換触媒としては、例えば、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、及びイッテルビウムの金属、塩、アルコキシド、並びに有機化合物が挙げられる。それらから1つ又は複数のエステル交換触媒を選択し、使用することができる。これらの中でも、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カリウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛、及びイッテルビウムの金属、塩、アルコキシド、並びに有機化合物から1つ又は複数のエステル交換触媒を用いた場合、ポリカーボネートジオールを得るエステル交換反応が良好に行われ、得られるポリカーボネートジオールを用いた場合にウレタン反応に対する影響も少ないので好ましい。エステル交換触媒として、マグネシウム、チタン、イッテルビウム、スズ、ジルコニウムを用いた場合、さらに好ましい。具体的なエステル交換触媒としては、例えば、鉛の有機化合物である酢酸鉛三水和物、テトラフェニル鉛、ステアリン酸鉛、チタンの有機化合物であるチタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシドが好適に挙げられる。
エステル交換反応触媒の使用量は、原料の総量(100質量%)に対して、0.00001質量%以上0.1質量%以下であることが好ましく、0.0001質量%以上0.05質量%以下であることがより好ましい。
エステル交換反応に用いたエステル交換触媒は、ポリカーボネートジオールの製造に引き続き加熱処理を行う場合は、エステル交換反応で消費されていないため、エステル交換反応触媒の使用量を元に算出できる。市販のポリカーボネートジオールを用いる場合等においては、ポリカーボネートジオールに含まれるエステル交換反応触媒の金属量を、ICP(発光分光分析法、Inductively Coupled Plasma)により測定して求められる。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物の製造に際して使用する(式b)で表されるポリカーボネートジオールについては、その製造時に用いたエステル交換反応触媒を失活させるため、リン酸エステル化合物等の触媒毒を添加したものであってもよい。
原料であるポリカーボネートジオール中に、その製造時に用いられたエステル交換反応触媒の触媒毒等が含まれている場合、通常、本実施形態における(式a)で表されるポリオキシエチレンジオールと、下記(式b)で表されるポリカーボネートジオールとのエステル交換反応が進み難くなる傾向にあるため、ポリカーボネートジオール組成物((A)成分)の製造に際しては、新たに上記したエステル交換反応触媒を必要量添加することができる。原料である(式b)で表されるポリカーボネートジオール中に、エステル交換反応触媒の触媒毒が含まれていない場合は、通常、本実施形態におけるエステル交換反応は進み易い傾向にあるが、ポリカーボネートジオール組成物((A)成分)の製造工程における反応温度をより下げたい場合や反応時間をより短くしたい場合等にも、新たにエステル交換反応触媒を必要量添加することができる。その場合、上記した原料である(式b)で表されるポリカーボネートジオールの製造において用いるエステル交換反応触媒と同様のものを採用することができる。
また、原料の(式b)で表されるポリカーボネートジオールは、1種のジオール化合物から得られるホモポリカーボネートジオールでもよいし、2種以上のジオール化合物から得られる共重合ポリカーボネートジオールでもよい。
上記に例示した原料としての(式b)で表されるポリカーボネートジオールのいずれもが、ポリオキシエチレンジオールとのエステル交換反応により、本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物を得ることができるが、例えば、市場で広く用いられている1,6−ヘキサンジオールを用いて得られたホモ系ポリカーボネートジオールは、通常、常温で固体であり、ポリオキシエチレンジオールとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートジオール組成物も常温で固体である傾向にある。それに対し、例えば、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールの2種類を用いて得られた共重合系ポリカーボネートジオールは常温で液体であり、ポリオキシエチレンジオールとのエステル交換反応により得られる本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物も常温で液体である傾向にある。よって、取り扱い性の観点からは、原料であるポリカーボネートジオールとしては、常温で液体であるものが好まれる場合が多い。
原料である(式b)で表されるポリカーボネートジオールの数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは500〜5000であり、より好ましくは1000〜3000である。数平均分子量が500以上であるポリカーボネートジオールを用いることにより、ポリカーボネートジオールに期待される性能が一層向上する傾向にある。数平均分子量が5000以下であるポリカーボネートジオールを用いることにより、本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物の高粘度化を抑制でき、取り扱い性が一層向上する傾向にある。
本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、ジオールとしてポリオキシエチレンジオールを用い、当該ポリオキシエチレンジオールとカーボネート化合物との重縮合反応により製造することもできる。しかし、このようなポリカーボネートジオールの重縮合反応を進行させるためには、通常、高温で長時間加熱する必要がある。そのため、望まない副反応が生じる可能性が高くなったり、製造品種の切り替えにおける作業負荷が増えたりすることがある。かかる観点からも、本実施形態におけるポリカーボネートジオールの製造方法としては、ポリオキシエチレンジオールとカーボネート化合物とを用いた重縮合反応を用いないことが好ましい。このような観点からも、本実施形態におけるポリカーボネートジオール組成物は、(式a)で表されるポリオキシエチレンジオールを用いたエステル交換反応により製造することが好ましい。
エステル交換反応は、具体的には、(式a)で表されるポリオキシエチレンジオールと(式b)で表されるポリカーボネートジオールとを混合し、加熱しながら撹拌することにより、を実施できる。エステル交換反応の温度は、特に限定されないが、好ましくは120〜200℃であり、より好ましく140〜180℃である。反応温度を120℃以上とすることで、エステル交換反応をより短時間で行うことができ経済性に優れる。反応温度を200℃以下とすることで、得られるポリカーボネートジオール組成物の着色を防止することができる。
エステル交換反応の反応圧力は、特に限定されないが、好ましくは常圧〜1MPaである。反応圧力を上記範囲とすることは、反応を簡便に実施できるという観点から好ましいとともに、副原料を用いる場合、これらの蒸気圧等を考慮して、ある程度加圧することでエステル交換反応をより効率よく促進させることもできる観点からも好ましい。
本実施形態のポリカーボネートジオール組成物の数平均分子量を制御する方法としては、例えば、原料である(式b)で表されるポリカーボネートジオールの分子量が適当なものを選択することや、分子量調節の観点から、上記したアルキレンジオールの1種類又は2種類以上の存在下でエステル交換反応を行うこと等が好ましい。
エステル交換反応の進行と完了は、GPC測定によって確認することができる。エステル交換反応の進行に伴い、原料である(式a)で表されるポリオキシエチレンジオールに由来するピークは経時的に小さくなっていき、当該ピークが消失したことにより、原料である(式b)で表されるポリカーボネートジオールの末端やポリマー鎖の内部に、ポリオキシエチレンジオールに由来する構造が結合されたことが確認できる。
本実施形態の製造方法では、上記したエステル交換反応の前に、前処理として、使用する原料の脱水処理を行う工程等を行ってよい。本実施形態の製造方法では、上記したエステル交換反応の後に、後処理として、エステル交換反応触媒に対する前述の触媒毒を添加する工程等を行ってもよい。
(ポリカーボネートジオール組成物以外のポリオール成分((B)成分))
本実施形態の塗料組成物は、上記ポリカーボネートジオール組成物成分以外のポリオール成分((B)成分)を0〜60質量%含有する。当該比率は0〜50質量%であることが好ましい。
上記ポリオール成分としては分子内に水酸基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン類等が挙げられる。ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られる。二塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸からなる群より選ばれる二塩基酸が挙げられる。また、多価アルコールとしては、特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどからなる群より選ばれる多価アルコールが挙げられる。また、ポリカプロラクトン類は、特に限定されないが、例えば、多価アルコールを用いたε−カプロラクトンの開環重合により得られる。
上記アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物とを共重合したものが挙げられる。
上記ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。このなかでも、好ましくはアクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルである。
上記ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の不飽和アミド;メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、又は、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒を使用して、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;上記ポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類等が挙げられる。
上記多価ヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど;エリスリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物;アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類;トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオースなどの二糖類;ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類;スタキオースなどの四糖類等が挙げられる。
上記ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
フッ素ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば特開昭57−34107号公報、特開昭61−275311号公報で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体が挙げられる。
(イソシアネート化合物((C)成分))
本実施形態の塗料組成物は、イソシアネート化合物((C)成分)を含む。イソシアネート化合物は、塗料組成物の硬化剤としてはたらくものであれば特に制限されず、末端にイソシアネート基を2個以上有するものを用いる。このようなイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのような脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びナフチレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’−4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトエン及び4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートのような3個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、並びにこれらのイソシアネート類のイソシアヌレート化変性品、ビウレット化変性品を挙げることができる。イソシアネート化合物の市販品としては、例えば、旭化成株式会社製の24A−100、22A−75P、TPA−100、TKA−100、P301−75E、D101、D201、21S−75E、MFA−75B、MHG−80B、TUL−100、TLA−100、TSA−100、TSS−100、TSE−100、E402−80B、E405−80B、AE700−100、A201H、17B−60P、TPA−B80E、MF−B60B、MF−K60B、SBB−70P、SBN−70D、E402−B80B、WB40−100、WT30−100、WT31−100、WB40−80D、WT20−100、WL70−100、WE50−100、WM44−L70Gの「デュラネート(商品名)」シリーズ等が挙げられる。
(その他の成分)
本実施形態の塗料組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分に加えて、さらに、溶剤、触媒、ウレタンビーズ、艶消し剤、レベリング剤、沈降防止剤等のその他の成分が含まれていてもよい。これらその他の成分を適宜添加することにより、ソフトフィール塗料、及び、クリア塗料等の、性質の異なる塗料組成物を得ることができる。
本実施形態の塗料組成物の製造方法としては、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量%に対し、前記(A)成分を40〜100質量%、前記(B)成分を0〜60質量%含有するように、前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分、並びに、必要に応じて前記その他の成分を混合する方法であれば特に制限されない。本実施形態の塗料組成物の製造方法としては、具体的には、例えば、撹拌機等を用いて、回転分50〜1000rpmで5〜60分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行う方法が挙げられる。
本実施形態の塗料組成物は、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床や壁や屋根、金属製品、モルタルやコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板や石膏ボード等の窯業系建材等への塗料として使用できる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における評価及び物性は、以下の方法により評価及び測定された。本実施例中、特に断りがない限り、「部」及び「%」は質量基準に基づくものである。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は、後述するように、水酸基価より求めた。
(水酸基価の測定)
水酸基価は、以下の方法で測定した。
メスフラスコを用い、無水酢酸12.5gにピリジンを加えて50mlとし、アセチル化試薬を調製した。100mlのナスフラスコに、サンプルを2.5〜5.0g精秤した。アセチル化試薬5mlとトルエン10mlをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間撹拌加熱した。蒸留水2.5mlをホールピペットで添加、さらに10分加熱撹拌した。2〜3分冷却後、エタノールを12.5ml添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5mol/lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。アセチル化試薬5ml、トルエン10ml、蒸留水2.5mlを100mlナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行った(空試験)。この結果をもとに、下記式(1)で水酸基価を計算した。
水酸基価(mg−KOH/g)={(D−C)×28.05×f}/E・・・(1)
Cはサンプルの滴定量(ml)を表し、Dは空試験の滴定量(ml)を表し、Eはサンプル重量(g)を表し、fは滴定液のファクターを表す。
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、下記式(2)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(G×10-3/56.11)・・・(2)
Gは水酸基価(mg−KOH/g)を表す。
塗膜物性である耐溶剤性及び耐日焼け止め性の評価は、以下のとおり行った。
(耐溶剤性)
ガラス板(JIS R3202、75mm×150mm角、1mm厚)上に、乾燥膜厚が40〜50μmになるように、板の両端に再剥離性の紙製粘着テープをスペーサーとして必要枚数貼り付けた。調製した塗料組成物を板の上部に滴下し、(ガラス棒、直径8mm)を用いて塗工した。60℃で30分間焼付け後に、水平台の上で、23℃、50%RHの雰囲気下、1週間乾燥させた。水平台の上で、23℃、50%RHの雰囲気下、溶剤(キシレン、メチルエチルケトン、エタノール、オレイン酸)を含浸させたコットンボールを塗膜表面に1分間静置させ、目視にて傷や白化等の異常が生じないかを評価した。
表1及び表2中、「○」は塗膜外観に変化がなかったことを表し、「△」は塗膜外観に僅かに変化があったことを表し、「×」は塗膜外観に、膨潤、跡残り、白濁の変化があったことを表す。
(耐日焼け止め性)
ガラス板(JIS R3202、75mm×150mm角、1mm厚)上に、乾燥膜厚が40〜50μmになるように、調製した塗料組成物を板の上部に滴下し、(ガラス棒、直径8mm)を用いて塗工した。60℃で30分間焼付け後に、水平台の上で、23℃、50%RHの雰囲気下、1週間乾燥させた。水平台の上で、23℃、50%RHの雰囲気下、日焼け止めクリーム(Neutrogena Ultra Sheer DRY−TOUCH SUNSCREEN Broad Spectrum SPF 30)を塗膜表面に均一に塗布して1時間放置した。その後、少量の中性洗剤を用いて、塗膜の表面を十分洗浄して日焼け止め剤を落とし、水平台の上で、23℃、50%RHの雰囲気下で乾燥させた後、目視にて日焼け止め剤の跡残りや塗膜の膨潤、剥がれ等の異常が生じないかを評価した。
表1及び表2中、「○」は塗膜外観に変化がなかったことを表し、「△」は塗膜外観に僅かに変化があったことを表し、「×」は塗膜外観に、膨潤、跡残り、白濁の変化があったことを表す。
(A)ポリカーボネートジオール組成物の調製
[合成例1]
1,5−ペンタンジオール458g、1,6−ヘキサンジオール500g、及び、エチレンカーボネート760gを反応器に仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.0860g入れた。反応器を190℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度165℃で12時間反応した。その後、反応器を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を180℃に上げた後、圧力を徐々に下げでさらに2時間反応を行った結果、常温で液体であるポリカーボネートジオールが855g得られた。得られたポリカーボネートジオールを90質量部、和光純薬工業株式会社製「ポリエチレングリコール1000(商品名)」(数平均分子量が約1000のポリオキシエチレンジオール)を10質量部の割合で仕込み、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約145℃で6時間維持した。その後、85%リン酸をチタンテトラ−n−ブトキシドに対して2.0当量になるよう加えて、反応器内温度として115℃で3時間加熱処理することによりポリカーボネートジオール組成物を得た。水酸基価を測定したところ、108.7であった。数平均分子量を測定したところ、1032g/molであった。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。そして、最終的に得られたポリカーボネートジオール組成物については、原料の仕込み量に基づいて、ほぼ定量的に反応が進んでおり、それに対応する構造を有していることも、GPCの経時的測定によって確認した。
[合成例2]
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を、窒素雰囲気下にし、旭化成株式会社製、「デュラノールT6002(商品名)」(ジオールとして、1,6−ヘキサンジオールを用いた、数平均分子量が約2000のホモ系ポリカーボネートジオール)を80質量部、和光純薬工業株式会社製、「ポリエチレングリコール1000(商品名)」(数平均分子量が約1000のポリオキシエチレンジオール)を20質量部、エステル交換反応触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを、原料であるポリカーボネートジオールに対して200ppmの割合で仕込んだ。これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約150℃で6時間維持した。その後、室温まで冷却し、ポリカーボネートジオール組成物を得た。水酸基価を測定したところ、63.5であった。数平均分子量を測定したところ、1767g/molであった。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失、及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行等を確認した。そして、最終的に得られたポリカーボネートジオール組成物については、原料の仕込み量に基づいて、ほぼ定量的に反応が進んでおり、それに対応する構造を有していることも、GPCの経時的測定によって確認した。
<ソフトフィール塗料の調製>
[比較例1]
NCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤としてNuplex製「Setaqua6510(商品名)」(水系アクリルポリオール;水酸基価138.0mgKOH/g樹脂、固形分42質量%)を12g、硬化剤として旭化成株式会社製「WT31−100(商品名)」(水系ポリイソシアネート;NCO含有量17.4%)を3.74g、溶剤としてイオン交換水を11.25g、水系触媒としてOMG Borchers社製「Borchers LH10(商品名)」を0.16g、ウレタンビーズとして根上工業株式会社製「アートパールC−800BK(商品名)」を3.15g、艶消し剤としてEvonik社製「ACEMATT TS 100(商品名)」を1.07g、レベリング剤としてBYK社製「BYK−331」を0.09g、沈降防止剤として楠本化成株式会社製「ディスパロン AQ−002」を0.09g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[比較例2]
「Setaqua6510(商品名)」と合成例1で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が9/1の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を12gおよび合成例1で得られたポリカーボネート組成物を0.56g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を4.07g、溶剤としてイオン交換水を12.87g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.17g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を3.33g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を1.13g、レベリング剤として「BYK−331」を0.1g、沈降防止剤として「ディスパロン AQ−002」を0.1g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[比較例3]
「Setaqua6510(商品名)」と合成例1で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が8/2の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を11gおよび合成例1で得られたポリカーボネート組成物を1.16g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を4.11g、溶剤としてイオン交換水を13.66g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.16g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を3.25g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を1.11g、レベリング剤として「BYK−331」を0.1g、沈降防止剤として「ディスパロン AQ−002」を0.1g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[比較例4]
「Setaqua6510(商品名)」と合成例1で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が7/3の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を10gおよび合成例1で得られたポリカーボネート組成物を1.8g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を4.18g、溶剤としてイオン交換水を14.59g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.16g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を3.2g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を1.09g、レベリング剤として「BYK−331」を0.1g、沈降防止剤として「ディスパロン AQ−002」を0.1g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[実施例1]
「Setaqua6510(商品名)」と合成例1で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が5/5の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を8gおよび合成例1で得られたポリカーボネート組成物を3.36g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を4.48g、溶剤としてイオン交換水を17.23g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.16g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を3.17g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を1.08g、レベリング剤として「BYK−331」を0.1g、沈降防止剤として「ディスパロン AQ−002」を0.1g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[実施例2]
「Setaqua6510(商品名)」と合成例1で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が3/7の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を5gおよび合成例1で得られたポリカーボネート組成物を4.9g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を4.46g、溶剤としてイオン交換水を18.88g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.14g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を2.87g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を0.98g、レベリング剤として「BYK−331」を0.09g、沈降防止剤として「ディスパロン AQ−002」を0.09g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[実施例3]
NCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として合成例1で得られたポリカーボネート組成物を7g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を4.09g、溶剤としてイオン交換水を20.19g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.11g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を2.22g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を0.75g、レベリング剤として「BYK−331」を0.07g、沈降防止剤として「ディスパロン AQ−002」を0.07g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[実施例4]
NCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として合成例2で得られたポリカーボネート組成物を8g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を2.73g、溶剤としてイオン交換水を19.53g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.11g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を2.15g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を0.73g、レベリング剤として「BYK−331」を0.06g、沈降防止剤として「ディスパロン AQ−002」を0.06g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[比較例5]
NCO/OHのモル比が1.1となるように、主剤として旭化成株式会社製「T5652(商品名)」(ポリカーボネートジオール;水酸基価55.9mgKOH/g樹脂、固形分100質量%)を10g、硬化剤として旭化成株式会社製「TPA−100(商品名)」(ポリイソシアネート;NCO含有量23%)を2g、溶剤として酢酸ブチル/キシレン混合溶媒(酢酸ブチル/キシレン=50/50質量%)を21.73g、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1%酢酸ブチル希釈)を1.2g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を2.4g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を0.82g、レベリング剤として「BYK−331」を0.07g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[比較例6]
NCO/OHのモル比が1.1となるように、主剤として旭化成株式会社製「T5651(商品名)」(ポリカーボネートジオール;水酸基価109.9mgKOH/g樹脂、固形分100質量%)を8g、硬化剤として旭化成株式会社製「TPA−100(商品名)」(ポリイソシアネート;NCO含有量23%)を3.15g、溶剤として酢酸ブチル/キシレン混合溶媒(酢酸ブチル/キシレン=50/50質量%)を20.19g、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1%酢酸ブチル希釈)を1.11g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を2.23g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を0.76g、レベリング剤として「BYK−331」を0.07g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
[実施例5]
NCO/OHのモル比が1.1となるように、主剤として合成例1で得られたポリカーボネート組成物を8g、硬化剤として旭化成株式会社製「TPA−100(商品名)」(ポリイソシアネート;NCO含有量23%)を3.11g、溶剤として酢酸ブチル/キシレン混合溶媒(酢酸ブチル/キシレン=50/50質量%)を20.13g、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1%酢酸ブチル希釈)を1.11g、ウレタンビーズとして「アートパールC−800BK(商品名)」を2.22g、艶消し剤として「ACEMATT TS 100(商品名)」を0.76g、レベリング剤として「BYK−331」を0.07g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表1に記載する。
<クリア塗料の調製>
[比較例7]
NCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を22g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を6.86g、溶剤としてイオン交換水を8.76g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.29g、レベリング剤として「BYK−331」を0.17g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[比較例8]
「Setaqua6510(商品名)」と合成例1で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が9/1の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を20gおよび合成例1で得られたポリカーボネート組成物を0.98g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を6.78g、溶剤としてイオン交換水を10.05g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.28g、レベリング剤として「BYK−331」を0.17g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[比較例9]
「Setaqua6510(商品名)」と合成例1で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が7/3の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として「Setaqua6510(商品名)」を16gおよび合成例1で得られたポリカーボネート組成物を2.88g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を6.67g、溶剤としてイオン交換水を12.8、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.26g、レベリング剤として「BYK−331」を0.14g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[実施例6]
NCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として合成例1で得られたポリカーボネート組成物を11g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を6.43g、溶剤としてイオン交換水を24.56g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.17g、レベリング剤として「BYK−331」を0.1g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[実施例7]
NCO/OHのモル比が1.25となるように、主剤として合成例2で得られたポリカーボネート組成物を12g、硬化剤として「WT31−100(商品名)」を4.1g、溶剤としてイオン交換水を22.68g、水系触媒として「Borchers LH10(商品名)」を0.16g、レベリング剤として「BYK−331」を0.1g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[比較例10]
Nuplex社製「Setalux1152(商品名)」(アクリルポリオール;水酸基価138.6mgKOH/g樹脂、固形分61質量%)と合成例2で得られたポリカーボネートジオール組成物との樹脂成分質量比が9/1の質量比率になるように、かつNCO/OHのモル比が1.1となるように、主剤として「Setalux1152(商品名)」を20g、合成例2で得られたポリカーボネート組成物を1.36g、硬化剤として「TPA−100(商品名)」を6.58g、溶剤として酢酸ブチルを9.71g、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(0.1%酢酸ブチル希釈)を2.79g、レベリング剤として「BYK−331」を0.17g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[比較例11]
NCO/OHのモル比が1.1となるように、主剤として旭化成株式会社製「T5652(商品名)」を12g、硬化剤として旭化成株式会社製「TPA−100(商品名)」を2.4g、溶剤として酢酸ブチルを20.29g、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(0.1%酢酸ブチル希釈)を1.44g、レベリング剤として「BYK−331」を0.09g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[比較例12]
NCO/OHのモル比が1.1となるように、主剤として旭化成株式会社製「T5651(商品名)」を10g、硬化剤として旭化成株式会社製「TPA−100(商品名)」を3.94g、溶剤として酢酸ブチルを19.63g、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(0.1%酢酸ブチル希釈)を1.39g、レベリング剤として「BYK−331」を0.08g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
[実施例8]
NCO/OHのモル比が1.1となるように、主剤として合成例1で得られたポリカーボネート組成物を15g、硬化剤として「TPA−100(商品名)」を5.84g、溶剤として酢酸ブチルを18.88g、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(0.1%酢酸ブチル希釈)を2.08g、レベリング剤として「BYK−331」を0.13g、それぞれ量り取って混合し、撹拌機を用いて600rpmで20分間撹拌後、真空脱泡器を用いて脱泡操作を行って塗料を得た。得られた塗料から形成された塗膜の耐溶剤性および耐日焼け止め性を表2に記載する。
以上より、本実施例の塗料組成物から形成された塗膜は、耐溶剤性および耐日焼け止め性に優れていることが確認された。
本発明の塗料組成物は、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床や壁や屋根、金属製品、モルタルやコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板や石膏ボード等の窯業系建材等への塗料といった幅広い分野で好適に利用できる。

Claims (4)

  1. (A)分子鎖内に、(式1)で表されるポリオキシエチレン構造と、(式2)で表されるポリカーボネート構造とを含有し、
    前記ポリオキシエチレン構造の末端構造は、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している構造、又は、両末端がカーボネート基に結合している構造であり、
    両末端が水酸基である、
    ポリカーボネートジオールを含む、ポリカーボネートジオール組成物であって、
    前記組成物全体で、(式1)で表されるポリオキシエチレン構造を5〜50質量%、(式2)で表されるポリカーボネート構造を50〜95質量%含有し、数平均分子量が300〜10000である、組成物;
    (B)前記(A)以外のポリオール成分;
    (C)イソシアネート化合物;及び、
    レベリング剤;を含有し、
    前記(A)と前記(B)の合計100質量%に対し、前記(A)を40〜100質量%、前記(B)を0〜60質量%含有する、塗料組成物(ただし、水系組成物を除く。)
    (式中、mは、9〜50の数を表す。)
    (式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜15の、分岐を有していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基を表し、nは、1〜50の数を表す。)
  2. 前記ポリカーボネートジオール組成物が、前記組成物全体で、前記(式1)で表されるポリオキシエチレン構造5〜30質量%と、前記(式2)で表されるポリカーボネート構造を70〜95質量%とを含有する、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記ポリオキシエチレン構造が、(式3)で表されるポリオキシエチレン構造である、請求項1または2に記載の塗料組成物。
    (式中、lは、9〜30の数を表す。)
  4. 溶剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
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