JP6163713B2 - ポリヘプタメチレンカーボネートジオール及びヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
[5] 前記式(2Ak)で示される1種以上のポリアルキレンカーボネートジオールが下記式(2)で示される1種以上のポリアルキレンカーボネートジオールである、上記[4]に記載のヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造方法。
[6] 式(2)において、nが4〜6である、上記[4]に記載のヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造方法。
(製造方法)
本発明において、製造原料としても使用される下記式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールは、分子末端に水酸基を有するポリカーボネートジオールである。その製造方法は、例えば、Polymer Reviews Vol.9(1964)9〜20ページを参照し、下記反応式<1>に従って、カルボニル化合物としての式(3)で示される炭酸エステル化合物又はホスゲンと1,7−ヘプタメチレンジオールから製造することができる。
本発明に係る式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールの分子量は、その数平均分子量が、好ましくは500〜5000、より好ましくは500〜3000、さらに好ましくは500〜2500、特に好ましくは500〜2000である。ここで、分子量は、例えば、1H−NMRスペクトルから算出される数平均分子量であっても、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC:標準物質;ポリスチレン)から算出される数平均分子量であっても、またその他の算出法による数平均分子量であってもよい。しかしながら、本発明では、製造物の構造確認を併せて行うことができることから、1H−NMRスペクトルから算出される数平均分子量を用いている。なお、1H−NMR分析から算出される数平均分子量が500〜2000である、式(1)で示されるポリウレタン製造用ポリへプタメチレンカーボネートジオールは、十分な成形性(数平均分子量が500以上であることによる効果)に加えて、本発明の「流動性」を特に良好に示すことから、例えば、ポリウレタンなどの製造原料として使用した場合、製造されたポリウレタンには、これまでにないソフト感を付与することが可能である。
本発明に係る、分子両末端に水酸基であって、ヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体は、エステル交換触媒の存在下、所定の割合の下記式(1)で示されるポリへプタメチレンカーボネートジオールと、所定の割合の下記式(2Ak)で示される1種以上のポリアルキレンカーボネートジオールとを反応させることにより製造される。
本発明に係るヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造において、その製造原料である式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールは、例えば、前記≪式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールの製造方法≫などに示した方法で製造されたものを使用することができる。
本発明に係るヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造において、製造原料として使用される式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールは、分子末端に水酸基を有するポリカーボネートジオールである。式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールにおいて、nは、メチレン基(−CH2−)の繰り返し単位の個数で7を除く2〜12を示し、好ましくは2〜6、8及び9、より好ましくは4〜6、特に好ましくは4又は5の整数である。なお、本発明に係るヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオールの製造方法においては、式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールを複数種類使用してもよい。
式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールの入手方法としては、例えば、所望のアルキレン基、分子量を有するポリアルキレンカーボネートジオールの市販品を購入して使用することもできるが、前記同様に、所望のアルキル鎖のジオール化合物から、前記反応式<1>と同様の方法で取得してもよい。
本発明において使用される式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールの分子量は、数平均分子量が、好ましくは500〜5000、より好ましくは500〜3000、さらに好ましくは500〜2500、特に好ましくは1000〜2500である。なお、前記数平均分子量は、例えば、1H−NMRスペクトルから算出される数平均分子量であっても、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC:標準物質;ポリスチレン)から算出される数平均分子量であっても、いずれの値であってもよい。従って、式(2)で示されるポリアルキレンンカーボネートジオールにおけるアルキレンカーボネート基の繰り返し単位数bは、上記分子量を満足する実数を示す。
本発明において、式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールは、2種類以上を使用してもよいが、好ましくは1種類の式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールを使用する。
本発明において、式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとして、n=4のポリブチレンカーボネートジオールを使用する場合、式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールと、式(2)、n=4で示されるポリブチレンカーボネートジオールの比(式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオール(モル数):式(2)n=4で示されるポリブチレンカーボネートジオール(モル数))は、通常1:99〜99:1、好ましくは5:95〜75:25、より好ましくは25:75〜75:25である。なお、モル数の算出には、前記数平均分子量を使用する。
本発明において、式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとして、n=5のポリペンタメチレンカーボネートジオールを使用する場合、式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールと、式(2)、n=5で示されるポリペンタメチレンカーボネートジオールの比(式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオール(モル数):式(2)n=5で示されるポリペンタメチレンカーボネートジオール(モル数))は、通常1:99〜99:1、好ましくは5:95〜75:25、より好ましくは5:95〜71:29である。なお、モル数の算出には、前記数平均分子量を使用する。
本発明において、式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとして、n=6のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを使用する場合、式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールと、式(2)、n=6で示されるポリヘキサメチレンカーボネートジオールの比(式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオール(モル数):式(2)、n=6で示されるポリヘキサメチレンカーボネートジオール(モル数))は、通常1:99〜99:1、好ましくは23:77〜75:25、より好ましくは48:52〜73:27である。なお、モル数の算出には、前記数平均分子量を使用する。
本発明に係るヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造方法において、使用されるエステル交換触媒は、通常使用されるエステル交換触媒を使用するのであれば、特に制限されない。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ハフニウム等の金属を含む、無機金属化合物又は有機金属化合物が使用される。更に、反応の進行状態等必要に応じて助触媒として、例えば、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能である。なお、これらの触媒は単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記エステル交換触媒は、単独で使用しても、又は複数種類使用してもよく、その(合計)使用量は、式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオール1モル(分子量は、1H−NMR測定で得られた数平均分子量を使用)に対して、好ましくは0.001〜5ミリモル、より好ましくは0.001〜3ミリモル、特に好ましくは0.003〜1ミリモルである。
本発明に係る製造方法において、式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールと1種以上の式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとの反応は、無溶媒で行うことも、又は別途反応溶媒を使用して行うこともできる。本発明に係る製造方法において使用される反応溶媒は、反応を阻害するものでなければ、特に制限されない。このような反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等の含ハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。なお、この反応溶媒は単独でも2種以上併用して使用してもよい。また、反応溶媒の使用量は、反応の進行を遅くしたり、又は停止させたりする量でなければ特に制限されず、必要に応じて適宜決められる。
(反応装置)
本発明に係るヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造方法は、エステル交換触媒の存在下、式(1)で示されるポリヘプタメチレンカーボネートジオールと1種以上の式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとを、反応溶媒の存在下又は非存在下、減圧下及び/又は不活性ガス気流下にて、加熱しながら攪拌等により混合させて行う、エステル交換による重合反応である。また、その製造方式は、例えば、バッチ方式、連続方式等いずれも方式も可能である。
本発明に係る製造方法における反応温度は、好ましくは50〜350℃、更に好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃、特に好ましくは150〜200℃である。この範囲の反応温度で製造を行うことにより、室温又は通常の作業環境下付近でも良好な流動性を発現し、高いハンドリング性を有する本発明に係るポリアルキレンカーボネートジオールが得られる。また、反応圧力は、特に制限されないが、通常、1.33kPa(10mmHg)〜101.33kPa(大気圧下)で行うことが好ましい。
本発明のポリヘプタメチレンカーボネートジオールは、前記式(1)で示される、分子両末端に水酸基を有するポリカーボネートジオールである。
本発明に係るポリアルキレンカーボネートジオール共重合体は、ヘプタメチレン基を有する下記式(A)と1種以上の下記式(B)で示される分子構造を繰り返し単位として含み、分子両末端に水酸基を有するポリアルキレンカーボネートジオールであって、より具体的には、少なくとも室温下(温度30℃付近)で流動性を示す、ヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体である。
前記式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとして、ポリブチレンカーボネートジオール(式(2)におけるメチレン基数:n=4)を使用して製造した場合、下記式(A)及び式(B4)の繰り返し単位の分子構造を有するヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(以下、PCD−A−B4と称することがある)が得られる。
前記式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとして、ポリペンタメチレンカーボネートジオール(式(2)におけるメチレン基数:n=5)を使用して製造した場合、下記式(A)及び式(B5)の繰り返し単位の分子構造を有するヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(以下、PCD−A−B5と称することがある)が得られる。
前記式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオールとして、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(式(2)におけるメチレン基数:n=6)を使用して製造した場合、下記式(A)及び式(B6)の繰り返し単位の分子構造を有するヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(以下、PCD−A−B6と称することがある)が得られる。
本発明に係るヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体は、室温以上で液状物であることが好ましい。ここで、本発明願における「室温」とは、30℃付近の温度を示し、また「液状物」とは、例えば、30℃付近の温度で非晶質の状態であることを示す。特に、本発明のヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体は、温度50℃で測定した粘度が20kPa・s以下である物質のことを示し、17kPa・s以下が好ましく、12kPa・s以下が特に好ましい。
そこで、この性状を示す本発明のヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の分子量(数平均分子量)は、好ましくは500〜5000、より好ましくは500〜3000、さらに好ましくは1000〜3000、特に好ましくは1000〜2500である。なお、分子量は、例えば、1H−NMRスペクトルから算出される数平均分子量であっても、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC:標準物質;ポリスチレン)から算出される数平均分子量であっても、またその他の算出法による数平均分子量であってもよい。しかしながら、本発明では、製造物の構造確認も併せて行うことができることから、1H−NMRスペクトルから算出される数平均分子量を用いている。なお、数平均分子量が500未満の場合には、脆く機械強度が小さいポリウレタンしか得られず、5000を越える場合、得られるポリウレタンの力学的性能が不十分となるので好ましくない。
本発明のヘポリヘプタメチレンカーボネートジオール又はヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体は、奇数個の中鎖メチレン基であるヘプタメチレン基の導入することにより、汎用のアルキレンジオールを用いたポリアルキレンカーボネートと比べて、融点やガラス転移点はさほど変わらないものの、50℃での溶融粘度がかなり低いという、実際に製造してみるまでは予測不能であった特異的な物性を示すことが本発明により明らかになった。そこで、本発明のポリヘプタメチレンカーボネートジオール又はヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体をポリウレタン製造用原料として使用してポリウレタンを製造することで、例えば、カーボネート結合やウレタン結合に由来する、耐酸性、耐アルカリ性、耐アルコール性、耐油性、耐磨耗性などの物性のバランスが優れた上に、ヘプタメチレン基の導入による柔軟性の効果により、ソフトな手触り感覚を与えるソフトフィール材料を提供することができる。
(1H−NMRの測定)
本発明で得られたヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール、及び参考例で合成された製造原料としてのポリアルキレンカーボネートジオールは、それぞれ、重クロロホルムに溶解してNMR測定用サンプルを調整し、これをFT−NMR AL−300(日本電子株式会社製)を用いて、1H−NMRスペクトルの測定をノンデカップリングで行った。
本発明では、繰り返し単位の分子構造の数(重合度)は、「高分子の核磁気共鳴(高分子学会高分子実験学編集委員会編 共立出版 283ページ)」を参照して算出する。
本発明で得られたヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール、及び参考例で合成された製造原料としてのポリアルキレンカーボネートジオールの数平均分子量は、前記にて算出された繰り返し単位の分子構造数、a、b、bAk、b4、b5又はb6と繰り返し単位の分子量の積に末端の分子量を加味して算出される。更に、例えば、前記PCD−A−B4、PCD−A−B5、PCD−A−B6等の共重合体であるヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオールの場合は、製造原料の仕込み比も考慮して数平均分子量を算出する。
本発明で得られたヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオールの融点、及びガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC、測定温度範囲:−100〜150℃)で測定した。
本発明で得られたヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオールの粘度は、E型粘度計(東京計器製)を用い、JIS K1557−5に準じて測定した。
攪拌装置、精留装置、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器(内容積300mL:0.4kPa、内温100℃にて30分間で乾燥処理済み)に、不活性ガス下、1,7−ヘプタンジオール158.6g(純度98%、1.2モル)、炭酸ジメチル105.9g(1.18モル;1,7−ヘプタンジオール1モルに対して0.98当量)及びテトラブトキシチタン(Ti(OBu)4)20mg(1,7−ヘプタンジオール1gに対して126ppm相当)を混合し、内温98〜99℃にて約1時間還流させた。次に、炭酸ジメチルと反応で生成するメタノールとを留去させながら内温が190℃となるまで昇温し、引き続き、内圧を20kPaまで減圧にして1時間留去を続けた。
実施例1における1,7−ヘプタンジオールの代わりに、1,5−ペンタンジオールを用いた以外は実施例1と同様の方法を行い、前記式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオール(n=5、PCD−C5)を製造した。得られたPCD−C5については、実施例1と同様に、1H−NMRスペクトル分析から数平均分子量を求め、また示差走査熱量計(DSC)分析により融点及びガラス転移点を測定した。結果を下記表1に示す。
攪拌装置、加熱装置、温度計を備えた50ml反応容器に、実施例1で合成した数平均分子量2000のポリへプタメチレンカーボネートジオール(PCD−C7)8.28gと参考例1で合成した数平均分子量2000のポリペンタメチレンカーボネートジオール(PCD−C5)6.81gとを加え、不活性ガス雰囲気下、内温180℃で8時間ほど加熱攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物を室温まで冷却し、無色透明の液体として、ヘプタメチレンカーボネート及びペンタメチレンカーボネートの分子構造を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(PCD−A−B5)15gを得た。
前記実施例1におけるPCD−C7とPCD−C5の仕込み量を、PCD−C7/PCD−C5=5/95(実施例3)、10/90(実施例4)、15/85(実施例5)、22/78(実施例6)、25/75(実施例7)、45/55(実施例8)、60/40(実施例9)、65/35(実施例10)、71/29(実施例11)及び75/25(実施例12)とした以外は、実施例2と同様の方法で反応させて、ヘプタメチレンカーボネート及びペンタメチレンカーボネートの分子構造を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(PCD−A−B5)を合成した。得られたPCD−A−B5は実施例2と同様の方法で分析した。結果を下記表1に示す。なお、表中、数平均分子量、融点、ガラス転移点及び粘度の測定方法は、前記の通りである。
実施例1における1,7−ヘプタンジオールの代わりに、1,4−ブタンジオールを用いた以外は実施例1と同様の方法を行い、前記式(2)で示されるポリアルキレンカーボネートジオール(n=4、PCD−C4)を製造した。得られたPCD−C4については、実施例1と同様に、1H−NMRスペクトル分析から数平均分子量を求め、また示差走査熱量計(DSC)分析により融点及びガラス転移点を測定した。結果を下記表2に示す。
参考例1で合成したPCD−C5の代わりに、参考例2で合成した数平均分子量2000のポリブチレンカーボネートジオール(PCD−C4)を用い、その仕込み量を、PCD−C7/PCD−C4=25/75(実施例13)、50/50(実施例14)及び75/25(実施例15)とした以外は、実施例2と同様の方法で反応させて、ヘプタメチレンカーボネート及びブチレンカーボネートの分子構造を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(PCD−A−B4)を合成した。得られたPCD−A−B4を実施例2と同様の方法で分析した。結果を下記表2に示す。なお、表中、数平均分子量、融点、ガラス転移点及び粘度の測定方法は、前記の通りである。
数平均分子量2000のPCD−C6(「UH−200」宇部興産(株)製)について、実施例1と同様の方法で、数平均分子量、融点、ガラス転移点、及び粘度を測定した。その結果を下記表3に示す。
参考例1で合成したPCD−C5の代わりに、数平均分子量が2000のポリ(ヘキサメチレン)カーボネートジオール(「UH−200」宇部興産(株)製:PCD−C6)を用い、その仕込み量を、PCD−C7/PCD−C6=23/77(実施例16)、48/52(実施例17)、73/27(実施例18)及び75/25(実施例19)とした以外は、実施例2と同様の方法で反応させて、ヘプタメチレンカーボネート及びヘキサメチレンカーボネートの分子構造を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(PCD−A−B6)を合成した。得られたPCD−A−B6を実施例2と同様の方法で分析した。結果を下記表3に示す。なお、表中、数平均分子量、融点、ガラス転移点、及び粘度の測定は、前記の通りである。
減圧脱水処理(0.4kPa、内温100℃にて30分間)を行った攪拌装置及び温度計を備えた反応容器(内容積200mL)に、不活性ガス下、数平均分子量2084のポリヘプタメチレンカーボネートジオール30.73g(但し、エステル交換触媒が含有した量)、数平均分子量1895のポリヘプタメチレンカーボネートジオール49.36g(但し、エステル交換触媒が含有した量)及び1,7−ヘプタンジオール5.57gを加え、内温195〜200℃で4時間加熱攪拌し、反応溶液をサンプリングしたところ、1H−NMRにて目的の数平均分子量(1000)付近となっていることを確認したので、反応を終了した。反応終了後、得られた反応溶液を濃縮後、室温まで冷却し、白色固体として、目的とするポリヘプタメチレンカーボネートジオール85.34gを得た。
PCD−C7とPCD−C6の代わりに、実施例20で合成した数平均分子量1000のポリヘプタメチレンカーボネートジオール(PCD−C7−1000)と数平均分子量1000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール(「UH−100」宇部興産(株)製:PCD−C6−1000)を用い、その仕込み量を、PCD−C7−1000/PCD−C6−1000=23/77(実施例21)、48/52(実施例22)、73/27(実施例23)とした以外は、実施例16〜19と同様の方法で反応させて、ヘプタメチレンカーボネート及びヘキサメチレンカーボネートの分子構造を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(PCD−A−B6−1000)を合成した。得られたPCD−A−B6−1000を実施例2と同様の方法で分析した。結果を下記表4に示す。なお、表中、数平均分子量、融点、ガラス転移点及び粘度の測定は、前記の通りである。
数平均分子量1000のPCD−C6(「UH−100」宇部興産(株)製)を用い、実施例1と同様に、1H−NMRスペクトル分析から数平均分子量を求め、また示差走査熱量計(DSC)分析により融点及びガラス転移点を測定した。結果を下記表4に示す。
実施例1で合成した数平均分子量2000のポリへプタメチレンカーボネートジオール(PCD−C7)の代わりに数平均分子量が2000のポリ(ヘキサメチレン)カーボネートジオール(「UH−200」宇部興産(株)製:PCD−C6)を用い、その仕込み量を、PCD−C6/PCD−C5=23/77(比較例1)、47/53(比較例2)、60/40(比較例3)とした以外は、実施例2と同様の方法で反応させて、ヘキサメチレンカーボネート及びペンタメチレンカーボネートの分子構造を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(PCD−B6−B5)を合成した。得られたPCD−B6−B5を実施例2と同様の方法で分析した。結果を下記表5に示す。なお、表中、数平均分子量、融点、ガラス転移点、及び粘度の測定は、前記の通りである。
実施例1で合成した数平均分子量2000のポリへプタメチレンカーボネートジオール(PCD−C7)の代わりに数平均分子量が2000のポリ(ヘキサメチレン)カーボネートジオール(「UH−200」宇部興産(株)製:PCD−C6)を用い、その仕込み量を、PCD−C6/PCD−C4=25/75(比較例4)、50/50(比較例5)、75/25(比較例6)とした以外は、実施例13〜15と同様の方法で反応させて、ヘキサメチレンカーボネート及びペンタメチレンカーボネートの分子構造を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体(PCD−B6−B4)を合成した。得られたPCD−B6−B4を実施例2と同様の方法で分析した。結果を下記表6に示す。なお、表中、数平均分子量、融点、ガラス転移点、及び粘度の測定は、前記の通りである。
実施例7で製造したPCD−C7/PCD−C5=25/75(数平均分子量:1985)と、PCD−C6(「UH−200」宇部興産(株)製)と参考例1で合成したPCD−C5とから実施例2と同様の方法で合成したPCD−C6/PCD−C5=25/75(数平均分子量:2000)とを、それぞれ30mLガラス製円筒状サンプル管(表面積:5.3cm2)に加え、これらを検体乾燥器に入れ、内圧0.4kPa、内温120℃にて3時間ほど脱水処理し、耐吸水性測定用のサンプルを調製した。次に、これらのサンプルを、湿度90%以上、内温5℃(実施例24、比較例7)、又は25℃(室温)(実施例25、比較例8)の環境下で、一定期間静置して保存し、吸水量について調べた。結果を表7、表8にそれぞれ示す。なお、各サンプル中の水分量の経時変化は、カールフィッシャー水分測定装置を用いて測定した。
攪拌機、温度計、還流冷却管を設置した内容積500mLのガラス製反応器に、実施例1で得られたポリヘプタメチレンカーボネートジオール((式(1):PCD−C7)又はヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体1モル(分子量は、前記数平均分子量を使用)に、ジメチルアセトアミド(前記ポリヘプタメチレンカーボネートジオール又は前記共重合体1gに対して0.1〜15g)を加え、窒素雰囲気下にて、攪拌を行いながら内温を60℃に昇温して混合液を得る。次いで、この混合液に、ポリイソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ドデカンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のポリイソシアネート化合物を、前記ポリヘプタメチレンカーボネートジオール又は前記共重合体1モルに対して1〜5モル使用)を加え、引き続き、この混合物に、内温60℃下にて、ジブチル錫ジラウレート(前記ポリヘプタメチレンカーボネートジオール又は前記共重合体の使用量に対して、0.001〜0.5質量%使用)を加えた後、攪拌しながらこの混合液の内温を75℃まで昇温して反応させる。反応中、適宜、未反応イソシアナネート基の確認を行い、イソシアネート基が全て消費されていることが確認されたときを反応の終了として、反応混合物を得る。このウレタン化反応の反応時間は7時間程度である。反応終了後、得られた反応混合物中には、目的とするヘプタメチレン基を有するポリウレタンが含有している。なお、本発明のポリヘプタメチレンカーボネートジオール又はヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体を用いて得られるポリウレタンが含有した前記反応混合物は、これをそのまま、二次加工用に使用しても、又は別途、常法にて精製して当該ポリウレタンを得ても良い。
Claims (3)
- エステル交換触媒の存在下、下記式(1)で示されるポリへプタメチレンカーボネートジオールと下記式(2Ak)で示される1種以上のポリアルキレンカーボネートジオールとを反応させる、ヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造方法。
- 前記式(2Ak)で示される1種以上のポリアルキレンカーボネートジオールが下記式(2)で示される1種以上のポリアルキレンカーボネートジオールである、請求項1に記載のヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造方法。
- 式(2)において、nが4〜6である、請求項2に記載のヘプタメチレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール共重合体の製造方法。
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