JP2019218536A - 架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールおよび架橋性ポリウレタン樹脂 - Google Patents

架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールおよび架橋性ポリウレタン樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性等を向上した高機能架橋性ポリウレタン樹脂に関するものである。【解決手段】高分子ポリオールを含む架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールであって、該高分子ポリオールは多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物であり、該高分子ポリオールは数平均分子量(Mn)が1000〜100000であり、該2官能ポリエーテルポリオール(B)は炭素数3〜5の繰返し単位を有し、該多官能カルボン酸(A)は、ピロメリット酸あるいはトリメリット酸から成る。【選択図】なし

Description

本発明は、架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールに関し、耐熱性等の種々の物性を向上した高機能架橋性ポリウレタン樹脂に関するものである。
テトラヒドロフランユニットを含むポリエーテルポリオールはポリウレタン弾性繊維、ポリウレタン弾性体、ポリエーテルポリエステル弾性体、ポリウレタンを含む弾性塗料などにおいて、弾性特性、低温特性、耐加水分解性等に優れ、化学工業上、極めて有用な物質である。ポリウレタン樹脂のゴム弾性は、強靭性を有するハードセグメントが、柔軟性を有するソフトセグメントのマトリックスから不溶化してドメインを形成することから発現される。しかし、ポリウレタン樹脂は一般に耐熱性の弱い材料であり、通常、100〜140℃でハードセグメントの溶融により、ゴム弾性が消失して、液状化してしまう問題があった。
例えば電気自動車のエンジンルームに関して、近年、エンジン出力の増加、部品の高密度化などに伴い、エンジンルーム内の環境温度が高くなり、これまでにない耐熱老化性が求められるようになっている。
このような問題点を解決する耐熱老化性の向上方法として、ハードセグメントの割合を増やす方法、ハードセグメントに多くのウレア結合を導入する方法、無機ガラスとのハイブリッド体を合成する方法、ハロゲン化銅、ハロゲン化カリウム、オキサゾール化合物などを熱安定剤として添加する方法等が知られている。これらの技術により、自動車部品や電気、電子部品の分野において、150℃程度の高温環境下に曝される用途の部品に用いられている。
しかしながら、ハードセグメントの割合を増やす方法およびハードセグメントに多くのウレア結合を導入する方法は、ポリウレタン樹脂の粘度上昇を招き、好ましくない。無機ガラスとのハイブリッド体を合成する方法は、フィラー効果によって耐熱性等の性能が向上する一方で、ガラス粒子がポリウレタン樹脂全体に分散されるためポリウレタン樹脂固有のソフトセグメントの柔軟性が失われて脆くなる恐れがある。オキサゾール化合物などを熱安定剤として添加する方法は、耐熱老化性や機械的強度の安定性が劣ることがある。よってそれぞれ改善の余地があるのが現状である。
日本国特公平7−47690号公報 日本国特表2006−528260号公報 日本国特表2008−527127号公報 日本国特表2008−527129号公報 日本国特開2010−270318号公報 日本国特開昭62−22817号公報 日本国特開平6−136321号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールに関し、耐熱性等の種々の物性を向上した高機能架橋性ポリウレタン樹脂に関するものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、以下のような架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオール及びこれを用いた架橋性ポリウレタン樹脂である。
[1]
下記一般式(1)または(2)で表される高分子ポリオールを含む架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールであって、該高分子ポリオールは多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物であり、該高分子ポリオールは数平均分子量(Mn)が1000から10000までの範囲であり、前記高分子ポリオールの含有量が0.1wt%から15wt%である、架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオール。
Figure 2019218536
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数が3〜5であるアルキル鎖であり、m、n、l、およびoはそれぞれ独立に3〜30の整数である。)
Figure 2019218536
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数が3〜5であるアルキル鎖であり、p、q、およびrはそれぞれ独立に3〜30の整数である。)
[2]前記多官能カルボン酸(A)はピロメリット酸およびトリメリット酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である、[1]に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールである。
[3]前記2官能ポリエーテルポリオール(B)は繰り返し単位における炭素原子数が3〜5である、[1]に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールである。
[4]前記2官能ポリエーテルポリオール(B)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリプロピレンエチレンポリオールからなる群から選ばれる少なくとも一種である、[3]に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールである。
[5]前記[1]から[4]の何れか1項に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールと有機ポリイソシアネート成分との反応生成物である、架橋性ポリウレタン樹脂である。
[6]動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、100℃〜150℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が0%〜70%減少する、前記[5]に記載の架橋性ポリウレタン樹脂である。
[7]動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、0℃〜−5℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が10%〜150%増加する、前記[5]に記載の架橋性ポリウレタン樹脂である。
[8]動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、0℃〜−5℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が10%〜150%増加し、100℃〜150℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が0%〜70%減少する、前記[5]に記載の架橋性ポリウレタン樹脂である。
本発明における架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールと有機ポリイソシアネート成分とを反応させた生成物である架橋性ポリウレタン樹脂は、高温領域での耐熱性が優れるため、耐熱老化性や機械的強度の安定性が改善される。また、該架橋性ポリウレタン樹脂は、低温領域での粘弾性が良好であるため、ポリウレタン樹脂固有のソフトセグメントの柔軟性が失われることがなく、低温領域でも脆くならない、等の種々の物性を向上する。本発明によれば、強度、耐熱性等が良好な架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールおよび架橋性ポリウレタン樹脂を提供することができる。
図1は実施例2〜5と比較例1の貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を表すグラフである。 図2は実施例7、9、10、12と比較例1の貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を表すグラフである。
次に好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールは、多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物である下記一般式(1)または(2)で表される高分子ポリオールを含み、数平均分子量(Mn)が1000から10000までの範囲である前記高分子ポリオールの含有量が0.1wt%から15wt%であることを特徴とする。
Figure 2019218536
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数が3〜5であるアルキル鎖であり、m、n、l、およびoはそれぞれ独立に3〜30の整数である)
一般式(1)中のm、n、l、およびoはそれぞれ独立に3から30の整数であり、より好ましくは3〜10の整数である。m、n、l、およびoが3より小さい場合、耐熱性が十分に発現しない。また、m、n、l、およびoが30より大きい場合、ポリオールが高粘度となりイソシアネート成分との相溶性が悪化し、十分なウレタン物性が得られない。また、複数存在するRは互いに同一であっても異なってもよい。R、RおよびRについても同様。
Figure 2019218536
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数が3〜5であるアルキル鎖であり、p、q、rはそれぞれ独立に3〜30の整数である)
一般式(2)中のp、q、およびrはそれぞれ独立に3から30の整数であり、より好ましくは3〜10の整数である。p、q、およびrが3より小さい場合、耐熱性が十分に発現しない。また、p、q、およびrが30より大きい場合、ポリオールが高粘度となりイソシアネート成分との相溶性が悪化し、十分なウレタン物性が得られない。また、複数存在するRは互いに同一であっても異なってもよい。RおよびRについても同様。
多官能カルボン酸(A)を構成するために用いられる芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜30の芳香族ポリカルボン酸、例えばトリメリット酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、トリメシン酸、ヘミリット酸、1,2,4−、1,3,6−又は2,3,6−ナフタレントリカルボン酸及び2,3,6−アントラセントリカルボン酸等のトリカルボン酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシビスフタル酸、ジフェニルメタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸及び4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフタル酸等のテトラカルボン酸等が挙げられる。また、これら芳香族ポリカルボン酸は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記2官能ポリエーテルポリオール(B)のポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、またはポリプロピレンエチレンポリオール(PPG)等が挙げられる。これらポリエーテルポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記2官能ポリエーテルポリオール(B)に代えて、または組み合わせて、ポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを使用することも可能である。ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチレンテレフタレートジオール等が挙げられる。これらポリエステルポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールとしては、炭素数2〜9の2価アルコールと、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。炭素数2〜9の2価アルコール及び低分子カーボネート化合物はそれぞれ2種以上併用してもよい。
前記ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。これらポリカーボネートポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂用ポリオールにおいて、多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物は、公知の方法等で製造できる。例えば、カルボン酸を70℃〜120℃でアルコールとのエステル化反応に供したのち、ポリエーテルポリオールとのエステル交換反応に供してもよく、また、無水カルボン酸をポリエーテルポリオールとのエステル化反応に供してもよい。
本発明におけるエステル化反応においては、通常公知のエステル化触媒が用いられる。触媒としては、一般に酸触媒が用いられることが多い。ルイス酸としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステルや、ジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の錫系化合物や、酸化亜鉛等の金属化合物が用いられる。また、ルイス酸の他には、パラトルエンスルホン酸等のブレンステッド酸を用いてもよい。
本発明のポリウレタン樹脂用ポリオールにおいて、多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物は、一般式(1)または(2)で表される高分子ポリオールである。4官能カルボン酸の場合に一般式(1)で表される高分子ポリオールであり、3官能カルボン酸の場合に一般式(2)で表される高分子ポリオールである。
本発明の多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物において、その数平均分子量(Mn)は1000から10000までの範囲であることが好ましく、1500から8500までであることがより好ましく、2000から4000までの範囲であることが更に好ましい。縮合物の数平均分子量(Mn)が1000より小さい場合、耐熱性が十分に発現しない。縮合物の数平均分子量(Mn)が10000より大きい場合、相溶性が悪化し、十分なウレタン物性が得られない。
本発明の多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物は従来のポリウレタン樹脂用ポリオール(D)と混合して使用してよい。前記縮合物と混合するポリオール(D)の数平均分子量(Mn)は、250〜5000であることが好ましく、250〜700であることがより好ましい。前記縮合物と混合するポリオール(D)の数平均分子量(Mn)が250より小さい場合、耐熱性が十分に発現しない。前記縮合物と混合するポリオール(D)の数平均分子量(Mn)が5000より大きい場合、相溶性が悪化し、十分なウレタン物性が得られない。
前記ポリオール(D)は、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールであることが望ましい。
前記ポリオール(D)のポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、およびポリプロピレンエチレンポリオール(PPG)等が挙げられる。
前記ポリオール(D)のポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチレンテレフタレートジオール等が挙げられる。なお、これらポリオール(D)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物は、高分子ポリオールであり、その数平均分子量(Mn)は1000から10000までの範囲である。前記縮合物は、例えば従来のポリウレタン樹脂用ポリオール(D)と混合することで架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールになり、架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオール中の前記縮合物の含有量は0.1wt%から15wt%であり、好ましくは0.5wt%から10wt%であり、より好ましく1wt%から5wt%である。
従来の架橋性ポリウレタン樹脂用ポリオールと比べて、本発明の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールは前記縮合物の高分子ポリオールを含有するため、有機ポリイソシアネート成分と反応した後、樹脂中の一部が架橋反応により立体網目構造となるため、耐熱老化性が向上する。
本発明の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールにおける前記縮合物の高分子ポリオールの含有量が0.1wt%未満である場合、十分な耐熱老化性が得られない恐れがある。前記縮合物の高分子ポリオールの含有量が15wt%超である場合、相溶性が悪化し、十分なウレタン物性が得られない恐れがある。
本発明の一般式(1)または(2)で表される高分子ポリオールとポリオール(D)を混合する際に、架橋性ポリウレタン樹脂中のポリオール(D)の含有量は62wt%から76.9wt%であることが好ましく、72wt%から76wt%であることがより好ましい。ポリオール(D)を添加することで、硬化反応後得られるポリウレタン樹脂は十分な硬度を持ち、柔軟性、耐熱性も優れる。
本発明の架橋性ポリウレタン樹脂の製造方法は特に限定されず、公知の方法等で製造できる。例えば、ポリオール、鎖延長剤、有機金属触媒中にポリイソシアネート成分を一括して仕込んで反応させてもよいし、ポリオールとポリイソシアネート成分とを反応させてイソシアネート基末端のプレポリマーを得た後、鎖伸長剤を添加して伸長反応を行ってもよい。
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2以上有する、芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート等が挙げられる。
具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(PMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)のポリイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、入手および水酸基との反応制御が容易であるという観点から、MDIが特に好ましい。
鎖延長剤については、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等の低分子量二価アルコールが挙げられる。
有機金属触媒としては、特に限定するものではないが、具体的には、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート等の有機スズ触媒や、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等が例示される。これらのうち、好ましい化合物としては、有機スズ触媒であり、更に好ましくはジブチル錫ジラウレートである。
本発明において、その他の有機金属触媒や第3級アミン触媒を使用する場合は、その使用量は、ポリオールを100.0重量部としたとき、通常0.0001〜5.0重量部の範囲であり、更に好ましくは0.001〜3.0重量部の範囲である。
以下、本発明に使用した測定方法について、説明する。
[数平均分子量(Mn)の測定]
本発明におけるポリウレタン樹脂用ポリオールの数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて例えば以下の条件で測定することができる。
装置 TOSOH HCL−8320
カラム TSKgel G4000H+G2500H(7.5mmI.D × 30cm)
検出器 RI
溶離液 THF
注入量 100μL
流速 1.0mL/min
測定温度 40℃
サンプル濃度 0.3wt/vol%
[硬度の測定]
硬度はJIS K7312(1996)に準拠し、タイプAで測定する。
ポリウレタン樹脂について、以下に示す方法で、耐熱性の指標として貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、軟化点(tanδ)、融点を測定する。
[貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、軟化点(tanδ)の測定]
貯蔵弾性率(E’)は動的粘弾性測定(以下、DMAと略記)を用いて以下の条件で測定する。
装置 DMA7100(株式会社 日立ハイテクサイエンス製)
周波数 10Hz
測定温度 −100℃〜200℃
昇温速度 2℃/min
測定モード 引張
膜厚 2mm
なお、貯蔵弾性率(E’)の値は−5℃、0℃、20℃、120℃、および140℃時の数値を読み取り、また、軟化点はtanδより算出する。
樹脂の耐熱性は、10Hz各温度での貯蔵弾性率(E’)の値の、常温(20℃)10HzのE'(MPa)値に対する変動(%)を用いて評価する。
変動(%)=(E'-E'20)/E'20×100%
ここで、E'は−5℃、0℃、120℃、および140℃それぞれの10HzのE'(MPa)を示し、E'20は常温(20℃)10HzのE'(MPa)を示す。
なお、本発明の架橋性ポリウレタン樹脂は、上記動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、0℃〜−5℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が10%〜150%増加することが好ましい。また、本発明の架橋性ポリウレタン樹脂は、上記動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、100℃〜150℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が0%〜70%減少することが好ましい。
[融点の測定]
装置 DSC3100S(マックサイエンス製)
雰囲気 窒素(50ml/min)
サンプル量 10mg
温度 20℃→300℃
昇温速度 10℃/min
以下、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。実施例において、「部」は全て「質量部」を表す。
[実施例1]
<ピロメリット酸メチルエステル体の合成>
ピロメリット酸75.7部(0.28mol)、メタノール315部(9.82mol)、濃硫酸8部を反応器に仕込んだ。66℃で1時間還流後、メタノールを留去した。トルエン150部を反応液に入れ、ディンスターク還流管にて67〜110℃、2時間で留出した(留出水22部)。メタノールを200部入れ、66℃で1時間還流後、メタノールを留去した。ディンスターク還流管にて67〜110℃、2時間で留出させた(留出水4部)。反応液を60℃まで放冷後、炭酸水素カリウム16部と温水75部との水溶液を反応系内に入れ洗浄分液した。さらに温水18部を入れ洗浄分液操作を2回行った。洗浄液を7℃まで冷却し析出した結晶をろ過にて取り出し、80℃で5時間減圧乾燥しピロメリット酸のメチルエステル体(PMA)を得た(86.3部、収率93%)。
<ピロメリット酸PTG650(PMA/PTG650)ポリマーの合成>
上記で得たピロメリット酸のメチルエステル体(PMA)75.0部(0.24mol)、PTG650SN 1263部(1.93mol、保土谷化学工業(株)製PTG650SN、Mn650)、テトラ−n−ブチルスズ1.0部を反応器に入れ、130℃〜135℃で2時間還流した。135〜194℃で5時間メタノールを留去した。60℃まで冷却後、トルエン500部、47%硫酸4577部を反応液に入れ、洗浄分液した。温水1624部で洗浄分液後、濃縮しピロメリット酸PTG650(PMA/PTG650)ポリマーを得た(得量587部、収率82%)。
前記の高分子ポリオールの数平均分子量(Mn)の測定方法により測定したピロメリット酸PTG650(PMA/PTG650)ポリマーの数平均分子量(Mn)は2827であった。
[実施例2]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例1で得たPMA/PTG650ポリマー 0.1部、PTG2000SN 100部(保土谷化学工業(株)製、Mn2000)を反応器に入れ100℃で1時間乾燥した。70℃まで放冷後、MDI28部(0.11mol、NCO4%、日本ポリウレタン株式会社製)添加し80℃で3時間撹拌した。5mmHgまで徐々に減圧し脱泡した。内温70℃まで冷却後、1,4−ブタンジオール5部(0.06mol)を添加し3分間撹拌後、ガラス板に流し込んだ。100℃で24時間熟成し、架橋性ポリウレタン樹脂のシートを作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図1に示す。測定した架橋性ポリウレタン樹脂の硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表1に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[実施例3]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例1で得たPMA/PTG650ポリマー1部添加する以外は、実施例2と同様に作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図1に示す。測定した硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表1に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[実施例4]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例1で得たPMA/PTG650ポリマー5部添加する以外は、実施例2と同様に作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図1に示す。測定した硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表1に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[実施例5]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例1で得たPMA/PTG650ポリマー10部添加する以外は、実施例2と同様に作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図1に示す。測定した硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表1に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[実施例6]
<ピロメリット酸PTG2000(PMA/PTG2000)ポリマーの合成>
実施例1で得たピロメリット酸のメチルエステル体6.3部(0.02mol)、PTG2000SN 244.0部(0.12mol、保土谷化学工業(株)製、Mn2000)、テトラ-n-ブチルスズ0.1部を反応器に入れ、130℃〜135℃で2時間還流した。135〜195℃で5時間メタノールを留去した。60℃まで冷却後、トルエン500部、温水1000部を反応液に入れ、洗浄分液し、濃縮後ピロメリット酸PTG2000(PMA/PTG2000)ポリマーを得た(得量240部、収率94%)。
前記の高分子ポリオールの数平均分子量(Mn)の測定方法により測定したピロメリット酸PTG2000(PMA/PTG2000)ポリマーの数平均分子量(Mn)は8296であった。
[実施例7]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例6で得たPMA/PTG2000ポリマー10部、PTG2000SN100部(保土谷化学工業(株)製、Mn2000)を反応器に入れ100℃で1時間乾燥した。70℃まで放冷後、MDI28部(0.11mol、NCO4%、日本ポリウレタン株式会社製)添加し80℃で3時間撹拌した。5mmHgまで徐々に減圧し脱泡した。内温70℃まで冷却後、1,4−ブタンジオール5部(0.06mol)を添加し3分間撹拌後、ガラス板に流し込んだ。100℃で24時間熟成し、架橋性ポリウレタン樹脂のシートを作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図2に示す。測定した架橋性ポリウレタン樹脂の硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表1に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[実施例8]
<ピロメリット酸PTG250(PMA/PTG250)ポリマーの合成>
実施例1で得たピロメリット酸のメチルエステル体27.2部(0.09mol)、PTG250SN 93.7部(0.36mol、保土谷化学工業(株)製、Mn250)、テトラ-n-ブチルスズ0.1部を反応器に入れ、130℃〜135℃で2時間還流した。135〜195℃で5時間メタノールを留去した。60℃まで冷却後、トルエン500部、温水1000部を反応液に入れ、洗浄分液し、濃縮後ピロメリット酸PTG250(PMA/PTG250)ポリマーを得た(得量100部、収率83%)。
前記の高分子ポリオールの数平均分子量(Mn)の測定方法により測定したピロメリット酸PTG250(PMA/PTG250)ポリマーの数平均分子量(Mn)は1218であった。
[実施例9]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例8で得たPMA/PTG250ポリマー1部、PTG2000SN100部(保土谷化学工業(株)製、Mn2000)を反応器に入れ100℃で1時間乾燥した。70℃まで放冷後、MDI28部(0.11mol、NCO4%、日本ポリウレタン株式会社製)添加し80℃で3時間撹拌した。5mmHgまで徐々に減圧し脱泡した。内温70℃まで冷却後、1,4-ブタンジオール5部(0.06mol)を添加し3分間撹拌後、ガラス板に流し込んだ。100℃で24時間熟成し、架橋性ポリウレタン樹脂のシートを作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図2に示す。測定した架橋性ポリウレタン樹脂の硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表2に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[実施例10]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例8で得たPMA/PTG250ポリマー5部添加する以外は、実施例9と同様に架橋性ポリウレタン樹脂を作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図2に示す。測定した硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表2に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[実施例11]
<トリメリット酸メチルエステルの合成>
トリメリット酸80.2部(0.38mol)、メタノール60.4部(1.89mol)、濃硫酸0.8部を反応器に仕込んだ。66℃で1時間還流後、メタノールを留去した。トルエン150部を反応液に入れ、ディンスターク還流管にて67〜110℃、2時間で留出させた(留出水22部)。メタノールを200部入れ、66℃で1時間還流後、メタノールを留去した。ディンスターク還流管にて67〜110℃、2時間で留出した(留出水5部)。反応液を60℃まで放冷後、炭酸水素カリウム16部と温水75部との水溶液を反応系内に入れ洗浄分液した。さらに温水18部を入れ洗浄分液操作を2回行った。洗浄液を7℃まで冷却し析出した結晶をろ過にて取り出し、80℃で5時間減圧乾燥しトリメリット酸のメチルエステル体を得た(92部、収率80%)。
<トリメリット酸PTG650(TMA/PTG650)ポリマーの合成>
上記で得たトリメリット酸のメチルエステル体20.0部(0.07mol)、PTG650SN 133部(0.20mol、保土谷化学工業(株)製、Mn650)、テトラ−n−ブチルスズ0.5部を反応器に入れ、130℃〜135℃で2時間還流した。135〜194℃で5時間メタノールを留去した。60℃まで冷却後、トルエン500部、温水1000部で洗浄分液後、濃縮しトリメリット酸PTG650(TMA/PTG650)ポリマーを得た(得量140部、収率91%)。
前記の高分子ポリオールの数平均分子量(Mn)の測定方法により測定したトリメリット酸PTG650(TMA/PTG650)ポリマーの数平均分子量(Mn)は2774であった。
[実施例12]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
実施例11で得たTMA/PTG650ポリマー1部、PTG2000SN100部(保土谷化学工業(株)製、Mn2000)を反応器に入れ100℃で1時間乾燥した。70℃まで放冷後、MDI28部(0.11mol、NCO4%、日本ポリウレタン株式会社製)添加し80℃で3時間撹拌した。5mmHgまで徐々に減圧し脱泡した。内温70℃まで冷却後、1,4−ブタンジオール5部(0.06mol)を添加し3分間撹拌後、ガラス版に流し込んだ。100℃で24時間熟成し、架橋性ポリウレタン樹脂のシートを作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図2に示す。測定した硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表2に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
[比較例1]
<架橋性ポリウレタン樹脂の作製>
PTG2000SN100部(保土谷化学工業(株)製、Mn2000)を反応器に入れ100℃で1時間乾燥した。70℃まで放冷後、MDI28部(0.11mol、NCO4%、日本ポリウレタン株式会社製)添加し80℃で3時間撹拌した。5mmHgまで徐々に減圧し脱泡した。内温70℃まで冷却後、1,4−ブタンジオール5部(0.06mol)を添加し3分間撹拌後、ガラス板に流し込んだ。100℃で24時間熟成し、架橋性ポリウレタン樹脂のシートを作製し、貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、硬度および融点を測定した。貯蔵弾性率(E’)の温度依存性を図1と図2に示す。測定した硬度、融点及び貯蔵弾性率の値を表2に示す。各温度での10HzのE’(MPa)の、常温(20℃)10HzのE’(MPa)に対する変動(%)を表3に示す。
Figure 2019218536
Figure 2019218536
Figure 2019218536
表1、表2、表3、図1、図2に示すように、本発明の架橋性ポリウレタン樹脂は比較例1に比べ、硬度を保つと同時に、融点、軟化点は上昇し、120℃、140℃の10HzのE’(MPa)の変動は小さい傾向にある。また、本発明の架橋性ポリウレタン樹脂は比較例1に比べ、硬度を保つと同時に、−5℃、0℃の10HzのE’(MPa)の変動は小さい傾向にある。すなわち、本発明の架橋性ポリウレタン樹脂用ポリオールと有機ポリイソシアネート成分とを反応させて得られた架橋性ポリウレタン樹脂は、力学特性を保つことができ、且つ低温特性、弾性特性、耐熱性に優れるウレタン樹脂として有用である。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2018年6月15日出願の日本特許出願2018−114917に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物を用いれば、得られるポリウレタン樹脂は優れた低温特性、弾性特性、熱的耐久性を有するため、電気製品、電子部品等の分野で利用が可能である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)または(2)で表される高分子ポリオールを含む架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールであって、
    該高分子ポリオールは多官能カルボン酸(A)と2官能ポリエーテルポリオール(B)との縮合物であり、
    該高分子ポリオールは数平均分子量(Mn)が1000から10000までの範囲であり、
    前記高分子ポリオールの含有量が0.1wt%から15wt%である、架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオール。
    Figure 2019218536

    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数が3〜5であるアルキル鎖であり、m、n、l、およびoはそれぞれ独立に3〜30の整数である。)
    Figure 2019218536

    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素原子数が3〜5であるアルキル鎖であり、p、q、およびrはそれぞれ独立に3〜30の整数である。)
  2. 前記多官能カルボン酸(A)はピロメリット酸およびトリメリット酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオール。
  3. 前記2官能ポリエーテルポリオール(B)は繰り返し単位における炭素原子数が3〜5である、請求項1に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオール。
  4. 前記2官能ポリエーテルポリオール(B)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリプロピレンエチレンポリオールからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項3に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオール。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の架橋性ポリウレタン樹脂組成物用ポリオールと有機ポリイソシアネート成分との反応生成物である、架橋性ポリウレタン樹脂。
  6. 動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、100℃〜150℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が0%〜70%減少する、請求項5に記載の架橋性ポリウレタン樹脂。
  7. 動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、0℃〜−5℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が10%〜150%増加する、請求項5に記載の架橋性ポリウレタン樹脂。
  8. 動的粘弾性測定において、20℃の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)に対し、0℃〜−5℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が10%〜150%増加し、100℃〜150℃の温度範囲の10Hzでの貯蔵弾性率(E’)が0%〜70%減少する、請求項5に記載の架橋性ポリウレタン樹脂。
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