JPWO2019225503A1 - ペリクル枠及びフォトマスク並びにペリクル枠の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本開示の一つの局面におけるペリクル枠は、厚み方向の両側に設けられた第1面及び第2面と、前記第1面及び前記第2面に連接された内周面及び外周面と、を備え、平面視で、4箇所の角部と4本の辺部とを備えた矩形形状である。このペリクル枠は、前記辺部のうち、少なくとも対向する一対の辺部について、対向する一対の辺部のそれぞれにおける最大の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の角部の各厚みより大、又は、対向する一対の辺部のそれぞれにおける最小の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより小である。

Description

関連出願の相互参照
本国際出願は、2018年5月25日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2018−100601号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2018−100601号の全内容を参照により本国際出願に援用する。
本開示は、ペリクル枠及びフォトマスク並びにペリクル枠の製造方法に関する。
半導体製造において、半導体ウェハに配線パターンを形成する露光工程ではフォトマスクが用いられるが、このフォトマスクに異物(パーティクル等)が付着すると配線パターンの欠陥が生じる。
この対策として、即ち防塵のために、フォトマスクの表面(例えば表裏面)を覆うようにペリクルが配置されている。このペリクルとは、四角形の枠体であるペリクル枠に、その開口部を覆うように透明な薄い膜(ペリクル膜)が張設されたものである。
このペリクル枠は、開口部の開口面積が大きく、枠部分が細い線材からなる部材であり、ペリクル膜をフォトマスクから所定距離離して配置するために用いられる。なお、ペリクル枠を構成する部材としては、例えば厚み3mm×幅2mmの角柱のような細径の例えばアルミ合金製の部材が用いられる。
ところで、露光装置においては、フォトマスクは露光中に水平に支持されているため、使用中のフォトマスクには、自重による撓み(いわゆる自重撓み)が生じる。そして、撓んだフォトマスクにペリクルを装着すると、両者が複合した複雑な形状となり、フォトマスクの表面に形成されている露光パターンが不規則に歪むことになり、結果として目的とする形状の配線パターンが形成されないことがある。
この対策として、例えば特許文献1には、ペリクル枠の一対の辺に所定範囲の反りを設け、そのペリクル枠をフォトマスクに貼り付けることによって、フォトマスクの変形を抑制する技術が開示されている。具体的には、ペリクル枠の反りの大きさを、辺長の0.01%〜1.0%とし、且つ、フォトマスクの自重撓みの±30%の範囲としている。
特開2016−105120号公報
しかしながら、ペリクル枠は、上述したように、開口部の開口面積が大きく、枠部分が細い線材からなる枠体であるので、実際に、特許文献1に記載の形状のペリクル枠を製造することは容易ではない。例えば、ペリクル枠は、通常、1辺の長さが例えば縦150mm×横115mm程度であり、枠部分(柱部分)の断面の幅、高さとも例えば2mm〜5mm程度の特有の形状であるので、その製造は容易ではない。
つまり、ペリクル枠は、細径の柱部分によって開口部の大きな枠体が構成されているので、弾性変形量が大きく、辺長の反り量を所定の範囲内に安定して付与することは極めて困難であった。
そのため、実際には、上述したペリクル枠を用いてフォトマスクの自重撓みの変動を抑制することは困難であった。
本開示の一側面においては、フォトマスクの自重撓みを抑制したり、更には、フォトマスクの自重撓みを矯正できるペリクル枠、及びそのペリクル枠を貼り付けたフォトマスク、並びに前記自重撓みを抑制したり矯正できるペリクル枠の製造方法を提供することが望ましい。
(1)本開示の一つの局面におけるペリクル枠は、厚み方向の両側に設けられた第1面及び第2面と、前記第1面及び前記第2面に連接された内周面及び外周面と、を備え、平面視で、4箇所の角部と4本の辺部とを備えた矩形形状であるペリクル枠に関するものである。
このペリクル枠では、前記4本の辺部のうち、少なくとも対向する一対の辺部について、
前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最大の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより大、又は、前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最小の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより小である。
このように、前記ペリクル枠では、4本の辺部のうち少なくとも対向する一対の辺部について、対向する一対の辺部のそれぞれにおける最大の厚みが、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の角部の各厚みより大である場合には、このペリクル枠をフォトマスクに貼り付けること(即ち接着すること)によって、フォトマスクの自重撓みを矯正できる。
あるいは、ペリクル枠をフォトマスクの撓み方向に倣うように貼り付けること(即ち接着すること)によって、フォトマスクの自重撓みによる歪みを変化させないようにすることができる。言い換えれば、フォトマスクの自重撓みによる歪みの変化(詳しくは歪みが大きくなること)を抑制することができる。
つまり、一対の辺部を構成するそれぞれの辺部において、各辺部の厚みは各辺部における両側の各角部の厚みより大きくなっているので、例えば、図4A、図4Bに例示するように、ペリクル枠の厚みが大きな凸状の部分を、フォトマスクが自重撓みによって凸状となった部分に貼り付けることにより、凸状部分を平坦に矯正することができる。
また、図4Cに例示するように、ペリクル枠の厚みが大きな凸状の部分を、フォトマスクが自重撓みによって凹状となった部分に貼り付けることにより、フォトマスクにおける自重撓みで変形した形状を、それ以上変形しないように保持することができる。
また、このペリクル枠では、前記4本の辺部のうち少なくとも対向する一対の辺部について、対向する一対の辺部のそれぞれにおける最小の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより小である場合には、このペリクル枠をフォトマスクに貼り付けることによって、フォトマスクの自重撓みを矯正できる。
あるいは、ペリクル枠をフォトマスクの撓み方向に倣うように貼り付けること(即ち接着すること)によって、フォトマスクの自重撓みによる歪みを変化させないようにすることができる。言い換えれば、フォトマスクの自重撓みによる歪みの変化(詳しくは歪みが大きくなること)を抑制することができる。
つまり、一対の辺部を構成するそれぞれの辺部において、各辺部の厚みは各辺部における両側の各角部の厚みより小さくなっているので、例えば、図8A、図8Bに例示するように、このペリクル枠の厚みの薄い凹状の部分を、フォトマスクが自重撓みによって凹状となった部分に貼り付けることにより、凹状部分を平坦に矯正することができる。
また、図8Cに例示するように、ペリクル枠の厚みが薄い凹状の部分を、フォトマスクが自重撓みによって凸状となった部分に貼り付けることにより、フォトマスクにおける自重撓みで変形した形状を、それ以上変形しないように保持することができる。
なお、厚み方向とは、平面視における手前側の第1面から奥側の第2面に到る方向であり、前記角部とは、ペリクル枠を厚み方向から見た平面視において、ペリクル枠の角の部分であり、前記辺部とは、枠に沿って隣り合う一対の角部の間に配置された柱状の部分である。なお、角部の厚みが位置によって異なる場合には、最も厚い部分を角部の厚みとする。
(2)上述のペリクル枠では、前記4本の辺部について、前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最大の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより大、又は、前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最小の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより小であってもよい。
このペリクル枠は、全ての辺部が上述した厚みに関する特徴を有している。従って、フォトマスクの自重撓みをより矯正することができる。あるいは、フォトマスクの自重撓みによる歪みの変化をより抑制することができる。
(3)上述のペリクル枠では、前記最大の厚み又は前記最小の厚みは、前記辺部の長手方向における中央部の厚みであってもよい。
各辺部の長手方向における中央部の厚みが、その辺部の両側の各角部の厚みより大である場合には、例えば、その厚みが大の部分を、フォトマスクが自重撓みによって下方の変形した位置(例えば下方)に配置することにより、フォトマスクの自重撓みによる変形を好適に矯正できる。
あるいは、その厚みが大の部分を、フォトマスクが自重撓みによって下方に変形した位置におけるフォトマスクの上方に配置することにより、フォトマスクの自重撓みによる変形を好適に保持し、それ以上の変形を抑制できる。
また、各辺部の長手方向における中央部の厚みが、その辺部の両側の各角部の厚みより小である場合には、例えば、その厚みが小の部分を、フォトマスクが自重撓みによって下方の変形した位置(例えば上方)に配置することにより、フォトマスクの自重撓みによる変形を好適に矯正できる。
あるいは、その厚みが小の部分を、フォトマスクが自重撓みによって下方に変形した位置におけるフォトマスクの下方に配置することにより、フォトマスクの自重撓みによる変形を好適に保持し、それ以上の変形を抑制できる。
(4)上述のペリクル枠では、前記辺部の前記第1面は、当該辺部の両側の前記角部から前記中央部に向け漸次凸状に湾曲又は漸次凹状に湾曲した第1曲面を備えていてもよい。
ここで、辺部とは、最大の厚み又は最小の厚みが規定された辺部であり、辺部における最大の厚みが当該辺部の両側の各角部の厚みより大である辺部、又は、辺部における最小の厚みが当該辺部の両側の各角部の厚みより小である辺部のことである。
なお、前記第1面は、第1曲面から構成されていてもよい。
このペリクル枠では、辺部(即ち最大の厚み又は最小の厚みが規定された辺部)の第1面が、辺部の両側の各角部から中央部に向け漸次凸状に湾曲している場合には、例えばフォトマスクの下側にてペリクル枠の凸状部分を上向きにして、フォトマスクの自重撓みによる変形(例えば重力によって湾曲した場合の下側の変形)を好適に矯正できる。
あるいは、フォトマスクの上側にてペリクル枠の凸状部分を下向きにして、フォトマスクの自重撓みによる変形(例えば重力によって変形した場合の下側の変形)を好適に保持し、それ以上の変形を抑制できる。
また、辺部(即ち最大の厚み又は最小の厚みが規定された辺部)の第1面が、辺部の両側の各角部から中央部に向け漸次凹状に湾曲している場合には、例えばフォトマスクの上側にてペリクル枠の凹状部分を下向きにして、フォトマスクの自重撓みによる変形(例えば重力によって湾曲した場合の上側の変形)を好適に矯正できる。
あるいは、フォトマスクの下側にてペリクル枠の凹状部分を上向きにして、フォトマスクの自重撓みによる変形(例えば重力によって変形した場合の下側の変形)を好適に保持し、それ以上の変形を抑制できる。
(5)上述のペリクル枠では、前記第2面は、前記第1面の前記第1曲面が湾曲する側と同じ側に湾曲する第2曲面を備えていてもよい。
ここでは、ペリクル枠の第1面の第1曲面と第2面の第2曲面とが、厚み方向において同じ側に向かって湾曲していることを例示している。
例えば、第1曲面が第2面と反対側に向かって凸状に湾曲している場合には、第2曲面は第1面側に向かって凸状に湾曲している(言い換えれば第2曲面は第2面において凹むように湾曲している)。同様に、例えば、第1曲面が第2面に向かって凸状に湾曲している場合(言い換えれば第1曲面が第1面において凹むように湾曲している場合)には、第2曲面は、第2面において第1面と反対側に向かって凸状に湾曲している。
なお、第2面は、第2曲面から構成されていてもよい。
(6)上述のペリクル枠では、前記第2面は、平坦な平面を備えていてもよい。
ここでは、ペリクル枠の厚み方向の一方の側(即ち第1面側)が湾曲する第1曲面を備え、他方の側(第2面側)が平坦である平面を備えていることを例示している。
なお、第2面は、平坦な平面から構成されていてもよい。
このペリクル枠では、例えば、ペリクル膜を張設する面を平坦面とすることによって、ペリクル膜の接着作業が容易になり、好適である。
(7)上述のペリクル枠では、前記第1面が前記第1曲面であり、前記第2面が前記平面である場合に、前記第1面がフォトマスクに接着される面であり、前記第2面がペリクル膜に接着される面であってもよい。
ペリクル枠の第1面の第1曲面をフォトマスクに接着することにより、フォトマスクの自重撓みを好適に矯正できる。
(8)上述のペリクル枠では、前記辺部の最大の厚み又は前記辺部の最小の厚みと、該辺部の両側の前記角部の各厚みとの差が、1μm以上であってもよい。
このように、辺部の最大の厚み又は辺部の最小の厚みと、その辺部の両側の角部の各厚みとの差が、1μm以上ある場合には、つまり、前記各厚みの差が十分にある場合には、フォトマスクの自重撓みが大きな場合でも、自重撓みを好適に矯正できる。または、自重撓みによる変形が増加しないように(即ちそれ以上の変形を抑制するように)、自重撓みを保持できる。
(9)上述のペリクル枠では、前記ペリクル枠は、主成分がセラミックであり、ヤング率が150GPa以上、ビッカース硬度が800Hv以上であってもよい。
このようなペリクル枠は、高い剛性を有しており、ペリクル枠をフォトマスクに貼り付けた場合に、ペリクル枠自身が変形しにくいので、フォトマスクの自重撓みを好適に矯正できる。または、自重撓みによる変形が増加しないように(即ちそれ以上の変形を抑制するように)、自重撓みを保持できる。
(10)本開示の一つの局面におけるフォトマスクは、フォトマスクの厚み方向の少なくとも一方の表面に、上述したペリクル枠が貼り付けられたフォトマスクである。
上述したペリクル枠が、フォトマスクの厚み方向の少なくとも一方の表面に貼り付けられたフォトマスクは、ペリクル枠によって、自重撓みが矯正されるので、または、それ以上の変形を抑制するように自重撓みが保持されるので、露光パターンが変形しにくい。よって、精度よく配線パターンを形成できる。
なお、フォトマスクの厚み方向とは、フォトマスクの一方の主面から、当該主面と反対側の他方の主面に到る方向である。
(11)上述したフォトマスクでは、前記フォトマスクの厚み方向の両方の表面に、前記フォトマスクの自重撓みを維持するように前記ペリクル枠が貼り付けられていてもよい。
このフォトマスクでは、フォトマスクの自重撓みによる歪みの変化を抑制することができる。
(12)本開示の一つの局面におけるペリクル枠の製造方法は、上述したペリクル枠の製造方法に関するものである。
このペリクル枠の製造方法では、載置工程にて、表面が水平な研削用の基台上に、前記ペリクル枠を前記第1面又は前記第2面が上となるように載置し、調整工程にて、前記ペリクル枠の前記上となるように配置された前記第1面又は前記第2面に対して、回転軸を傾けた回転砥石を用いて研削を行って、前記ペリクル枠の前記角部及び前記辺部の厚みの調整を行う。
このペリクル枠の製造方法では、表面が水平な研削用の基台上に、ペリクル枠(即ち研削する前のペリクル枠)を載置し、そのペリクル枠の表面(即ち上となるように配置された第1面又は第2面)に対して、回転軸を傾けた回転砥石を用いて研削を行うことにより、ペリクル枠の角部及び辺部の厚みの調整を行うことができる。
<以下、本開示の構成について説明する>
・ペリクル枠の材料としては、セラミックを主成分とする材料、超硬からなる材料、サーメットからなる材料、単体又は合金の金属からなる材料等を採用できる採用できる。
セラミックとしては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等の非導電性のセラミックや、アルミナ・炭化チタン、アルミナ・炭化チタン・窒化チタン、ジルコニア・炭化チタン等の導電性のセラミックなどを採用できる。金属としては、アルミ合金、ステンレス等を採用できる。
・ペリクル枠の寸法としては、枠部分の幅、厚さとも、例えば2.0mm〜5.0mmの範囲を採用できる。開口部の寸法としては、例えば縦110mm〜120mm、横145mm〜150mmの範囲を採用できる。
第1実施形態のペリクル枠を示す斜視図である。 第1実施形態のペリクル枠をXY平面に沿って破断した断面を示す断面図である。 図3Aは第1実施形態のペリクル枠を模式的に示す平面図、図3Bは図3AにおけるIIIB−IIIB断面図、図3Cは図3AにおけるIIIC−IIIC断面図である。 図4A、図4B、図4Cは第1実施形態におけるペリクルの使用方法を示す説明図である。 第1実施形態のペリクル枠の製造方法を示す工程図である。 図6Aは第1実施形態のペリクル枠の表面加工の方法を示す斜視図、図6Bは表面加工の方法の説明においてペリクル枠等の一部を破断して示す正面図である。 図7Aは第2実施形態のペリクル枠を模式的に示す平面図、図7Bは図7AにおけるVIIB−VIIB断面図、図7Cは図7AにおけるVIIC−VIIC断面図である。 図8A、図8B、図8Cは第2実施形態におけるペリクルの使用方法を示す説明図である。 図9Aは第2実施形態のペリクル枠の表面加工の方法を示す斜視図、図9Bは表面加工の方法の説明においてペリクル枠等の一部を破断して示す正面図である。 図10Aは第3実施形態のペリクル枠を模式的に示す平面図、図10Bは図10AにおけるXB−XB断面図、図10Cは第3実施形態の変形例を示す断面図(即ち図10AのXB−XB断面と同様な箇所の断面図)である。 図11Aは第1応用例における各部材の配置を示す正面図、図11Bは第2応用例における各部材の配置を示す正面図、図11Cは第3応用例における各部材の配置を示す正面図、図11Dは第4応用例における各部材の配置を示す正面図である。 図12Aは第5応用例における各部材の配置を示す正面図、図12Bは第6応用例における各部材の配置を示す正面図、図12Cは第7応用例における各部材の配置を示す正面図である。
1、61、71、81…ペリクル枠
7…内周面
9…外周面
11…第1面
12…第2面
21、22、23、14…角部
31、32,33、34…辺部
31a、32a、33a、34a…中央部
39…フォトマスク
47…定盤
49…砥石
以下、本開示が適用されたペリクル枠及びフォトマスク並びにペリクル枠の製造方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
まず、第1実施形態のペリクル枠の全体構成について、図1及び図2に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、ペリクル枠1は、自身の片面(フォトマスク39側(図4A参照)とは反対側)にペリクル膜3(図4A参照)が張設される部材である。このペリクル枠1は、セラミックを主成分とする材料(例えば、アルミナを主成分とし、炭化チタンを含有する導電性セラミックス)から構成されている。なお、後述するように、ペリクル枠1にペリクル膜3が張設された部材がペリクル5(図4A参照)である。
また、以下では、ペリクル枠1の全ての面のうち、ペリクル枠1自身で囲まれた内側の面を内周面7、内側と反対側の外側の面を外周面9とよぶ。また、内周面7と外周面9とに連接された面のうち、ペリクル膜3が張設された側を下面(例えば第2面)12、反対の面を上面(例えば第1面)11と呼ぶ。なお、これらの面を区別する必要がない場合には、単に表面と呼ぶことがある。
図1に示すように、直交するX軸、Y軸、Z軸の座標系において、ペリクル枠1は、Z方向から見た平面視で、矩形形状(即ち長方形状)の枠体(即ち環状の部材)であり、中央には平面視で長方形の中央貫通孔15を有している。
つまり、ペリクル枠1は、後に図3A等に基づいて詳述するように、平面視で、4箇所の角部(即ち、第1角部21、第2角部22、第3角部23、第4角部24)と4本の辺部(即ち、第1辺部31、第2辺部32、第3辺部33、第4辺部34)とを備えた矩形形状である。
また、このペリクル枠1は、ヤング率が150GPa以上、且つ、ビッカース硬度が800Hv以上の特性を有している。
前記ペリクル枠1には、平面視で、図2に示すように、X方向における両辺部(即ち第1辺部31、第3辺部33)に、それぞれ2箇所(合計4個所)に、外周面9側に開口する窪みである有底孔37a、37b、37c、37d(37と総称する)が設けられている。
この有底孔37は、例えばφ1.5mm、深さ1.2mmの有底の丸穴であり、底部は円錐形状に整えられている。
有底孔37は、ペリクル5の製造およびその後のフォトマスク39(図4A参照)に取り付ける際の位置決めや搬送の際の把持部等に用いられる。
なお、前記図1及び図2に示すように、ペリクル枠1の第1辺部31には、例えばφ0.5mmの貫通孔である通気孔40が設けられている。この通気孔40は、フォトマスク39にペリクル5が取り付けられた後、ペリクル5とフォトマスク39に囲まれた空間と外部環境との気圧調整に用いられる。なお、外部環境から粉塵が侵入しないよう、通気孔40には、図示しないフィルタが設けられる。
[1ー2.ペリクル枠の特徴的な形状]
次に、ペリクル枠1の特徴的な形状について、図3A、図3B、図3Cに基づいて説明する。なお、図3A、図3B、図3Cでは、ペリクル枠1の特徴的な形状を強調するために、ペリクル枠1を模式的に示してある(即ち実際の寸法に対応した相似形状ではない)。
図3Aに示すように、ペリクル枠1は、同一平面上にて、平面視で、上下左右の四方に配置された長尺の第1〜第4辺部31〜34が、長方形の四角枠状に配置された構成を有している。
つまり、ペリクル枠1は、X軸に平行に配置された柱状の第2辺部32及び第4辺部34(即ち対向して配置された一対の第2、第4辺部32、34)と、Y軸に平行に配置された柱状の第1辺部31及び第3辺部33(即ち対向して配置された一対の第1、第4辺部31、33)と、を備えるとともに、四角枠の角部(図3Aのメッシュ部分)に、それぞれ第1〜第4角部21〜24を備えている。
なお、第1辺部31及び第3辺部33の長手方向(Y方向)における長さは、第2辺部32及び第4辺部34の長手方向(X方向)における長さより長い。
詳しくは、第1角部21と第2角部22との間に第1辺部31が配置され、第2角部22と第3角部23との間に第2辺部32が配置され、第3角部23と第4角部24との間に第3辺部33が配置され、第4角部24と第1角部21との間に第4辺部34が配置されている。
前記ペリクル枠1の外形の寸法は、例えば、横(Y方向)約149mm×縦(X方向)約120mm×厚み(Z方向)約3mmである。また、ペリクル枠1の第1〜第4辺部31〜34は四角柱であり、その幅の寸法(Z方向から見た幅の寸法)は、同一(例えば約2mm)である。
特に本第1実施形態では、図3B、図3Cに示すように、ペリクル枠1は、その厚み方向の一方の表面(即ちペリクル膜3が張設される第2面)12が平坦であるが、他方の表面(即ちフォトマスク39に貼り付けられる第1面)11が、外側(同図の上方)に張り出すように凸状に湾曲している。
詳しくは、ペリクル枠1は、全ての辺部(即ち第1〜第4辺部31〜34)について、各辺部31〜34における最大の厚みは、各辺部31〜34のそれぞれの両側の各角部21〜24の厚み(詳しくは最大の厚み)より大である。例えば、各辺部31〜34の最大の厚みと、各辺部31〜34の両側の各角部21〜24の厚みとの差が、1μm以上である。
なお、各辺部31〜34の最大厚みと、各辺部31〜34の両側の各角部21〜24との厚みの差が、30μm以下であることが好ましい。30μmを超えてしまう場合、ペリクル枠1が原因でフォトマスク39が歪んでしまう恐れがあるからである。
しかも、各辺部31〜34の長手方向における中央(即ち中央部31a、32a、33a、34b(図3A参照))の厚みは、各辺部31〜34の両側の各角部21〜24の厚みより大である。
詳しくは、全ての辺部(即ち第1〜第4辺部31〜34)について、各辺部31〜34の第1面11は、各角部21〜24から中央部31a〜34aに向け漸次凸状に湾曲した曲面(即ち第1曲面)からなる。
例えば、図3Bに示すように、第1辺部31の第1面11は、その両側の第1角部21及び第2角部22から中央部31aに向け、同図上方に漸次凸状に湾曲した曲面からなる。同様に、例えば、図3Cに示すように、第4辺部34の第1面11は、その両側の第4角部24及び第1角部21から中央部34aに向け、同図上方に漸次凸状に湾曲した曲面からなる。
[1ー3.ペリクルの使用方法]
次に、ペリクル枠1にペリクル膜3が貼り付けられたペリクル5の使用方法について、図4A、図4B、図4Cに基づいて簡単に説明する。なお、図4A、図4B、図4Cでは、図3A、図3B、図3Cと同様に、ペリクル5やフォトマスク39を模式的に示してある。
図4Aに示すように、板状のフォトマスク39が自重撓みによって、下方に凸となるように滑らかに湾曲している場合には、例えばフォトマスク39の下方(例えば一方の主面側)にペリクル5を配置する。この場合には、ペリクル枠1の凸となっている第1面11側を上方になるように配置する。なお、ペリクル枠1の第2面12にはペリクル膜3が貼り付けられている。
この状態で、フォトマスク39の下面39aにペリクル枠1の第1面11を、接着剤によって貼り付ける。その結果、ペリクル枠1の凸状の第1面11により、フォトマスク39の自重撓みが矯正されて、例えば図4Bに示すように、フォトマスク39の形状が平坦になる。
なお、フォトマスク39の矯正後には、ペリクル枠1の第2面12は、若干下方に凸になる。
さらに、図4Cに示すように、フォトマスク39が自重撓みによって、下方に凸となるように滑らかに湾曲している場合には、例えばフォトマスク39の上方(例えば他方の主面側)にペリクル5を配置する。この場合には、ペリクル枠1の凸となっている第1面11側を下方になるように配置する。なお、ペリクル枠1の第2面12にはペリクル膜3が貼り付けられている。
この状態で、フォトマスク39の上面39bにペリクル枠1の第1面11を、接着剤によって貼り付ける。その結果、ペリクル枠1の凸状の第1面11が、フォトマスク39の自重撓みによる凹状の上面39bに倣う(即ち沿う)ように接着されて、フォトマスク39の形状が保持される。これにより、フォトマスク39の自重撓みによる変形を好適に保持し、それ以上の変形を抑制できる。
[1−4.ペリクル枠の製造方法の概略]
次に、ペリクル枠1の製造方法の概略について説明する。
(第1工程P1)
図5に示すように、ペリクル枠1の原料である粉体(即ち素地粉末)を作製した。
ここで粉体とは、ペリクル枠1を構成する焼結体の元になる物質であり、後述する様に、アルミナや導電性材料などの原料粉末に、焼結助剤などを適宜加え湿式混合した後、噴霧乾燥法によって50μm〜100μmの顆粒に作製したものである。
なお、原料粉末の粒径の測定は、レーザー回折・散乱法により行なったが、動的光散乱法や沈降法により行なってもよい。
(第2工程P2)
次に、この粉体を成形し、ペリクル枠1の原形を形成した。
(第3工程P3)
次に、前記粉体の成形後、これを所定温度で焼成した。
この焼成温度は、粉体の組成によるが、一般に1500℃以上である。焼成することにより、高いヤング率と強度とを持つ焼結体(即ちペリクル枠1を構成する焼結体)が得られる。
(第4工程P4)
次に、焼結体に対して、その厚さを調節する厚さ加工(具体的には研削加工)を行った。
なお、ここでは、後述する表面加工(第9工程P9)の研削代(例えば0.05mm〜0.10mm)を残して厚さを揃えた。
(第5工程P5)
次に、厚さ加工後の焼結体に対して、内形・外形加工を行った。
詳しくは、保持治具(図示せず)で焼結体の外周面を把持し、焼結体の内周面と外周面とに対してワイヤー放電加工を行い、内形や外形を目的とする寸法に加工した。
(第6工程P6)
次に、内形・外形加工後の焼結体に対して、放電加工面の表面処理を行った。
詳しくは、サンドブラスト処理により、放電加工によって生じた熱変質層を除去した。(第7工程P7)
次に、放電加工面の表面処理後の焼結体に対して、穴開け加工を行った。
具体的には、形彫放電加工によって、焼結体の側面に有底孔37を形成した。また、細穴放電加工機(図示せず)によって、焼結体の側面に、気圧調整用の通気孔40を、多数(即ち目的とする複数個)形成した。
(第8工程P8)
次に、有底孔37及び通気孔40に対して、放電加工面の表面処理を行った。
詳しくは、サンドブラスト処理により、放電加工によって、有底孔37及び通気孔40の内周面に生じた熱変質層を除去した。
(第9工程P9)
次に、有底孔37及び通気孔40のサンドブラスト処理後の焼結体に対して、後に詳述するように、ペリクル枠1の上面(第1面)11を湾曲させる表面加工を行った。
[1−5.実施例]
次に、ペリクル枠1の製造方法の具体的な実施例について、詳細に説明する。
(第1工程P1)
この素地の作製工程では、平均粒径0.5μmのα−アルミナ粉末63体積%、平均粒径1.0μmの炭化チタン10体積%、平均粒径1.0μmの窒化チタン25体積%、残部をMgO:Y=1:1の焼結助剤からなる複合材料を調製した。
そして、この複合材料を湿式混合し、成形用有機バインダを加えた後、通常の噴霧乾燥法により、アルミナ・炭化チタン・窒化チタンの複合セラミックス素地粉末を作製した。(第2工程P2)
この成形工程では、複合セラミックス素地粉末を、金型プレス法により、外形寸法を縦182mm×横147mm×厚さ6mm、枠幅5mm程度の枠形状に成形し、ペリクル枠1の原型(粉末成形体)を作製した。
ここでは、後述する焼成工程により、ペリクル枠1の外形は、20〜30%程度縮むため、予め、焼成後のペリクル枠1より大きく成形する。なお、ペリクル枠1は、半導体露光装置における露光用マスク(即ちフォトマスク39)の大きさに合わせて種々の大きさが可能である。
(第3工程P3)
この焼成工程では、粉末成形体を脱バインダし、不活性ガス中にて1700℃で3時間保持して焼成し、導電性を有する緻密なセラミックス焼結体を得た。
この焼結体の寸法は、縦151mm×横122mm×厚さ5mm、枠幅4mm程度であった。なお、0.3mm程度の歪みがあった。
(第4工程P4)
この厚さ加工工程では、焼結体の上下面(厚さ方向の両面)を、平面研削盤にてほぼ同量研削し、厚さ3.1mmに加工した。なお、焼結体の平面研削後の両面の平面度は、それぞれ、20μm〜40μmであった。
(第5工程P5)
この内形・外形加工工程では、ワイヤー放電加工により、焼結体の内形及び外形を、縦149mm×横120mm、枠幅2mmに加工した。
(第6工程P6)
この放電加工面の表面処理工程では、サンドブラスト処理によって、放電加工面の熱変質層を除去した。サンドブラスト処理では、粒度#600(平均粒径約30μm)の炭化ケイ素砥粒を使用した。除去した層の厚みは、5μm程度であった。
(第7工程P7)
この穴開け加工処理では、形彫放電加工によって、焼結体に対して、φ1.5mm、深さ1.2mmの有底孔37を形成した。
また、細穴放電加工によって、焼結体に対して、φ1mmの気圧調整用の通気孔40を形成した。
(第8工程P8)
この放電加工面の表面処理工程では、サンドブラスト処理により、放電加工された有底孔37及び通気孔40の内周面の熱変質層を除去した。
サンドブラスト処理では、粒度#600(平均粒径約30μm)の炭化ケイ素砥粒を使用した。除去した層の厚みは、5μm程度であった。
(第9工程P9)
次に、平面加工機41を用いて、サンドブラスト処理後の焼結体43(図6A、図6B参照)の一方の面(即ちペリクル枠1の第1面11に対応する面:第1対応面)43aに対して、表面を凸状にする表面加工を行った。
以下、この表面加工について、図6A、図6B等を用いて詳細に説明する。
<平面加工機>
まず、平面加工機41について説明する。
本第1実施形態では、図6Aに示すように、焼結体43の第1対応面43aを加工するために、平面加工機41を用いた。この平面加工機41とは、例えばロータリー平面研削盤であり、表面45が水平の円盤形状の例えば直径240mmの定盤(水平定盤)47と、定盤47の上方に配置された円盤形状の例えば直径が200mm砥石(回転砥石)49とを備えている。なお、定盤47の表面45の平面度は1.0μm未満である。
この平面加工機41では、定盤47が垂直の第1回転軸51を中心にして矢印K1方向に回転する。また、砥石49は、第2回転軸53を中心にて矢印K2方向に回転する。なお、平面視で、第1回転軸51と第2回転軸53とは位置がずれており、矢印K1と矢印K2との回転方向は逆である。但し、第1回転軸51と第2回転軸53とは、垂直な同一平面にあるように配置されている。
特に、砥石49は、回転が可能であるとともに、図6Bに示すように、第2回転軸53が垂直方向から左右方向に傾くように設定可能である。ここでは、第2回転軸53は、先端側(図6Bの下方)が第1回転軸51に近づくように、詳しくは、第1回転軸51と第2回転軸53とが、所定角度θ(例えば0.001°)で交差するように設定(即ち傾きが固定)されている。なお、第2回転軸53は、左右の揺れ幅(揺動の幅)が5mmとなるように設定されている。
なお、平面加工機41として、平面超仕上盤を使用した。
<表面加工方法>
次に、前記平面加工機41を用いた表面加工の方法について説明する。
まず、図6A、図6Bに示すように、定盤47の表面(上面)45上に、前記第8工程P8による処理後の焼結体(即ちペリクル枠1を構成する焼結体)43を、厚み方向の一方の表面(即ち第1対応面)43aが上側となるように載置した。
詳しくは、定盤47の表面45には、図6Bに示すように、焼結体43の外形に一致する開口部55aを有する枠体55が固定されており、その枠体55の開口部55aに焼結体43を嵌めることにより、焼結体43を定盤47上に固定した。
次に、定盤47を矢印K1方向に回転させるとともに、傾斜させた砥石49を矢印K2方向に回転させ、砥石49を研削方向に移動させて(即ち下降させて)焼結体43の第1対応面43aを研削した。
これによって、焼結体43の第1対応面43a(従ってペリクル枠1の第1面11)が、平面視で中心(重心)側の方の厚みが外側(外周側)よりも厚くなるように加工される。なお、砥石49の傾斜の角度θを大きくするほど、重心側と外周側との厚さの差が大きくなる。また、前記平面加工機41によって、焼結体43の第1対応面43aの高さを、1.0μm単位で調節できる。つまり、研削により焼結体43の表面を物理的に削ることで、μm単位の調整が可能である。
それによって、上述した形状のペリクル枠1が得られた。つまり、全ての辺部(即ち第1〜第4辺部31〜34)について、各辺部31〜34における最大の厚みは、各辺部31〜34のそれぞれの両側の各角部21〜24の厚み(詳しくは最大の厚み)より大であるペリクル枠1が得られた。
なお、焼結体43の第1対応面43aと反対側の表面、即ちペリクル枠1の第2面12に対応する第2対応面43b(図6B参照)については、第1対応面43aの加工に先立って、砥石49を傾斜させないで、従来と同様な平面加工を行うことによって、平坦にすること(即ち平面度を向上させること)ができる。
つまり、定盤47上に、焼結体35の第2対応面43bを上側にして載置し、水平に配置された前記砥石49を用いて、通常の平面加工を行うことによって、表面を平坦にすることができる。
以上の処理により、アルミナを主成分とするペリクル枠1を得た。このペリクル枠1のヤング率と強度とを計測したところ、ヤング率420GPa、強度690MPaであった。
[1−6.効果]
(1)本第1実施形態のペリクル枠1では、全ての辺部(即ち第1〜第4辺部31〜34)について、各辺部31〜34における最大の厚みは、該各辺部31〜34の両側の各角部(即ち第1角部21〜24)の厚みより大である。つまり、各辺部31〜34の最大の厚みと、該各辺部31〜34の両側の各角部21〜24の厚みとの差が、1μm以上である。
さらに、各辺部31〜34の長手方向における中央部31a〜34aの厚みが、その辺部31〜34の両側の各角部21〜24の厚みより大である。しかも、全ての辺部31〜34の第1面11は、各辺部31〜34の両側の各角部21〜24から中央部31a〜34aに向け漸次凸状に湾曲した曲面からなっている。
よって、このような構成のペリクル枠1をフォトマスク39に貼り付けることによって、フォトマスク39の自重撓みを矯正できる。または、フォトマスク39の自重撓みによる変形が増加することを抑制できる。つまり、自重撓みを保持できる。
(2)本第1実施形態では、ペリクル枠1は、主成分がセラミックであり、ヤング率が150GPa以上、ビッカース硬度が800Hv以上であり、高い剛性を有している。
従って、このペリクル枠1を備えたペリクル5をフォトマスク39に貼り付けた場合には、ペリクル枠1自身が変形しにくいので、フォトマスク39の自重撓みを好適に矯正できる。または、フォトマスク39の自重撓みによる変形が増加することを抑制できる。つまり、自重撓みを保持できる。
(3)本第1実施形態のペリクル枠1の製造方法では、表面45が水平な定盤47上に、(ペリクル枠1の第1面11に対応する)焼結体43の第1対応面43aが上となるように載置する。そして、その焼結体43の第1対応面43aに対して、上述した平面加工機41を用い、第2回転軸53を所定角度θだけ傾けた砥石49を回転させて研削を行うことにより、焼結体35(従ってペリクル枠1)の厚みの調整を行うことができる。
つまり、平面視で、重心側の方が外周側に比べて厚みが大きくなるように、ペリクル枠1の厚みを調整することができる。
[1−7.文言の対応関係]
第1実施形態の、第1面11、第2面12、内周面7、外周面9、角部21〜24、辺部31〜34、ペリクル枠1、中央部31a〜34a、フォトマスク39、定盤47、砥石49は、それぞれ、本開示の、第1面、第2面、内周面、外周面、角部、辺部、ペリクル枠、中央部、フォトマスク、基台、回転砥石の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図7A、図7B、図7C〜図9A、図9Bに基づいて説明するが、第1実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
なお、図7A、図7B、図7C及び図8A、図8B、図8Cでは、前記図3A、図3B、図3C及び図4A、図4B、図4Cと同様に、ペリクル枠やフォトマスクを模式的に示してある。また、第1実施形態と同様な構成については同じ番号を付す。
<ペリクル枠の構成>
図7A、図7B、図7Cに示すように、本第2実施形態では、ペリクル枠61は、その厚み方向の一方の表面(即ちペリクル膜3が張設される第2面)12が平坦であるが、他方の表面(フォトマスク39に貼り付けられる第1面)11が凹状に湾曲している。
詳しくは、ペリクル枠61は、全ての辺部(即ち第1〜第4辺部31〜34)について、各辺部31〜34における最大の厚みは、各辺部31〜34のそれぞれの両側の各角部21〜24の厚み(詳しくは最大の厚み)より小である。例えば、各辺部31〜34の最大の厚みと、各辺部31〜34の両側の各角部21〜24の厚みとの差は、1μm以上である。
しかも、各辺部31〜34の長手方向における中央(即ち中央部31a、32a、33a、34(図7A参照))の厚みは、各辺部31〜34の両側の各角部21〜24の厚みより小である。
詳しくは、図7B及び図7Cに示すように、全ての辺部(即ち第1〜第4辺部31〜34)について、各辺部31〜34の第1面11は、各角部21〜24から中央部31a〜34aに向け漸次凹状に湾曲した曲面からなる。
例えば、図7Bに示すように、第1辺部31の第1面11は、その両側の第1角部21及び第2角部22から中央部31aに向け、同図上方に漸次凹状に湾曲した曲面からなる。同様に、例えば、図7Cに示すように、第4辺部34の第1面11は、その両側の第4角部24及び第1角部21から中央部34aに向け、同図上方に漸次凹状に湾曲した曲面からなる。
<ペリクルの使用方法>
次に、ペリクル63の使用方法について、図8A、図8B、図8Cに基づいて簡単に説明する。
図8Aに示すように、フォトマスク39が自重撓みによって、下方に凸となるように滑らかに湾曲している場合には、例えばフォトマスク39の上方にペリクル63を配置する。この場合には、ペリクル枠61の凹となっている第1面11側を下方になるように配置する。なお、ペリクル枠61の第2面12には、ペリクル膜3が貼り付けられている。
この状態で、フォトマスク39の上面39bにペリクル枠61の第1面11を、接着剤によって貼り付ける。その結果、ペリクル枠61の凹状の第1面11により、フォトマスク39の自重撓みが矯正されて、例えば図8Bに示すように、フォトマスク39の形状が平坦になる。
さらに、図8Cに示すように、フォトマスク39が自重撓みによって、下方に凸となるように滑らかに湾曲している場合には、例えばフォトマスク39の下方にペリクル63を配置する。この場合には、ペリクル枠61の凹となっている第1面11側を上方になるように配置する。なお、ペリクル枠1の第2面12にはペリクル膜3が貼り付けられている。
この状態で、フォトマスク39の下面39aにペリクル枠61の第1面11を、接着剤によって貼り付ける。その結果、ペリクル枠61の凹状の第1面11が、フォトマスク39の自重撓みによる凸状の下面39aに倣う(即ち沿う)ように接着されて、フォトマスク39の形状が保持される。これにより、フォトマスク39の自重撓みによる変形を好適に保持し、それ以上の変形を抑制できる。
<ペリクル枠の製造方法>
次に、ペリクル枠61の製造方法について説明するが、平面加工機41を用いた表面加工工程P9以外は、第1実施形態と同様であるので、ここでは、表面加工工程P9について説明する。
まず、平面加工機41について説明する。
本第2実施形態で用いる平面加工機41は、基本的には、第1実施形態と同様であるが、砥石49の傾きが、第1実施形態とは異なっている。
詳しくは、図9A、図9Bに示すように、砥石49の第2回転軸53は、先端側(図9Bの下方)が第1回転軸51から遠ざかるように設定されている。なお、第1回転軸51と第2回転軸53とは、垂直な同一平面上に配置されている。
詳しくは、第1回転軸51と第2回転軸53とが、砥石49より上方にて、所定角度θ(例えば0.001°)で交差するように設定(即ち傾きが固定)されている。なお、第2回転軸53は、左右への揺れ幅(揺動の幅)が5mmとなるように設定されている。
次に、前記平面加工機41を用いた表面加工の方法について説明する。
本第2実施形態の表面加工の方法は、基本的には、第1実施形態と同様であるが、砥石49の第2回転軸53が傾斜していることにより、焼結体(即ちペリクル枠61を構成する焼結体)43の厚み方向の一方の表面(即ち第1対応面)43aの研削の状態が異なっている。
詳しくは、図9Aに示すように、定盤47を矢印K1方向に回転させるとともに、傾斜させた砥石49を矢印K2方向に回転させ、砥石49を下降させて焼結体43の第1対応面43aを研削した。これによって、焼結体43の第1対応面43aが、平面視で中心(重心)側の方の厚みが外側(外周側)よりも薄くなるように加工される。
それによって、上述した形状のペリクル枠61が得られた。つまり、全ての辺部(即ち第1〜第4辺部31〜34)について、各辺部31〜34における最大の厚みは、各辺部31〜34のそれぞれの両側の各角部21〜24の厚み(詳しくは最大の厚み)より小であるペリクル枠61が得られた。
なお、焼結体43の第1対応面43aと反対側の表面、即ちペリクル枠61の第2面12に対応する第2対応面43b(図9B参照)については、第1実施形態と同様に平明加工を行って、平坦にした。
本第2実施形態は、第1実施形態とは、ペリクル枠61の湾曲状態(即ち凹凸の状態)が異なるが、第1実施形態と同様に、好適にフォトマスク39の矯正を行うことができる。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1、第2実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
なお、図10A、図10B、図10Cでは、前記図3A、図3B、図3Cと同様に、ペリクル枠を模式的に示してある。また、第1、第2実施形態と同様な構成については同じ番号を付す。
本第3実施形態では、図10Bに示すように、ペリクル枠71は、全体として、図10Bの上方に湾曲している。但し、各辺部の厚みは、その両側の角部の厚みよりも大きい。つまり、各辺部の厚みは、その両側から中央側に向かって徐々に増加するように設定されている。
前記ペリクル枠71は、その厚み方向の一方の表面にペリクル膜3が張設される。例えば、ペリクル膜3が第2面12に張設される場合は、ペリクル膜3の張設面は、図10Bの左右方向(仮想水平面)を基準として下方に凹となるように湾曲している。一方、ペリクル膜3が第1面11に張設される場合は、ペリクル膜3の張設面は、図10Bの左右方向(仮想水平面)を基準として上方に凸となるように湾曲している。
また、ペリクル膜3が張設されない他方の表面(例えばフォトマスク39に貼り付けられる表面)は、ペリクル膜3が張設される一方の表面と同じ方向に湾曲している。
なお、本第3実施形態では、第1実施形態と同様な表面加工によって、第1面11の凸状に湾曲した曲面を形成できる。また、第2実施形態と同様な表面加工によって、第2面12の凹状に湾曲した曲面(即ち第2曲面)を形成できる。
なお、ペリクル枠71は、一方の表面(第1面11または第2面12)にペリクル膜3が張設され、ペリクル73(図11B参照)が構成される。
本第3実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。
なお、図10Cに、変形例を示すように、ペリクル枠71は、全体として、図10Cの上方に湾曲するとともに、各辺部の厚みは、その両側の角部の厚みよりも小さくてもよい。つまり、各辺部の厚み、その両側から中央側に向かって徐々に減少するように設定されていてもよい。
[4.ペリクルの使用方法の応用例]
次に、第1〜第3実施形態のペリクルの使用方法の応用例について説明するが、第1〜第3実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
なお、図11A、図11B、図11Cでは、前記図3A、図3B、図3Cと同様に、ペリクル枠やフォトマスクを模式的に示してある。また、第1〜第3実施形態と同様な構成については同じ番号を付す。
<第1応用例>
図11Aに示すように、本第1応用例では、下方に凸となるように湾曲したフォトマスク39の形状の矯正を行う。
詳しくは、フォトマスク39の下方に、第1実施形態と同様なペリクル枠1を備えたペリクル5を配置する。つまり、同図の上方に凸となるように湾曲した第1面11がフォトマスク39の下面39a側となるように、ペリクル5を配置する。
また、フォトマスク39の上方に、第2実施形態と同様なペリクル枠61を備えたペリクル63を配置する。つまり、同図の上方に凸となるように湾曲した第1面11がフォトマスク39の上面39b側となるように、ペリクル63を配置する。
そして、フォトマスク39の下面39aにペリクル5を貼り付けるとともに、フォトマスク39の上面39bにペリクル63を貼り付ける。
このように、本第1応用例では、フォトマスク39の厚み方向の両側に、各ペリクル5、63を貼り付けることによって、第1,第2実施形態よりも一層好適にフォトマスク39の矯正を行うことができる。
<第2応用例>
図11Bに示すように、本第2応用例では、下方に凸となるように湾曲したフォトマスク39の形状の矯正を行う。
詳しくは、フォトマスク39の下方に、第3実施形態と同様なペリクル枠71を備えたペリクル73を配置する。つまり、同図の上方に凸となるように湾曲した第1面11がフォトマスク39の下面39a側となるように、ペリクル73を配置する。
また、フォトマスク39の上方に、第3実施形態と同様なペリクル枠71を備えたペリクル73を配置する。つまり、同図の上方に凸となるように湾曲した(即ち凹状の)第2面12がフォトマスク39の上面39b側となるように、ペリクル73を配置する。
そして、フォトマスク39の下面39aにペリクル73を貼り付けるとともに、フォトマスク39の上面39bにもペリクル73を貼り付ける。
なお、フォトマスク39の下面39aに貼り付けるペリクル73は、ペリクル枠71の第2面12にペリクル膜3が張設されており、フォトマスク39の上面39bに貼り付けられるペリクル73は、ペリクル枠71の第1面11にペリクル膜3が張設されている。
このように、本第2応用例では、フォトマスク39の厚み方向の両側に、各ペリクル73を貼り付けることによって、第1,第2実施形態よりも一層好適にフォトマスク39の矯正を行うことができる。
<第3応用例>
図11Cに示すように、第3応用例では、下方に凸となるように湾曲したフォトマスク39の形状の矯正を行う。
詳しくは、フォトマスク39の下方に、第1実施形態と同様なペリクル枠1を備えたペリクル5を配置する。つまり、同図の上方に凸となるように湾曲した第1面11がフォトマスク39の下面39a側となるように、ペリクル5を配置する。
また、フォトマスク39の上方に、従来と同様な平坦なペリクル枠81を備えたペリクル83を配置する。
そして、フォトマスク39の下面39aにペリクル5を貼り付けるとともに、フォトマスク39の上面39bにペリクル83を貼り付ける。
本第3応用例では、フォトマスク39の厚み方向の両側(即ち両主面)に、各ペリクル5、83を貼り付けることによって、第1,第2実施形態よりも一層好適にフォトマスク39の矯正を行うことができる。
<第4応用例>
図11Dに示すように、本第4応用例では、下方に凸となるように湾曲したフォトマスク39の形状の矯正を行う。
詳しくは、フォトマスク39の下方に、従来と同様な平坦なペリクル枠81を備えたペリクル83を配置する。
また、フォトマスク39の上方に、第2実施形態と同様なペリクル枠61を備えたペリクル63を配置する。つまり、同図の上方に凸となるように湾曲した(即ち凹状の)第1面11がフォトマスク39の上面39b側となるように、ペリクル63を配置する。
そして、フォトマスク39の下面39aにペリクル83を貼り付けるとともに、フォトマスク39の上面39bにペリクル63を貼り付ける。
本第4応用例では、フォトマスク39の厚み方向の両側に、各ペリクル63、83を貼り付けることによって、第1,第2実施形態よりも一層好適にフォトマスク39の矯正を行うことができる。
<第5応用例>
図12Aに示すように、本第5応用例では、下方に凸となるように湾曲したフォトマスク39の形状を保持し、それ以上の変形を抑制する。
詳しくは、フォトマスク39の上方に、第1実施形態と同様なペリクル枠1を備えたペリクル5を配置する。つまり、同図の下方に凸となるように湾曲した第1面11がフォトマスク39の上面39b側となるように、ペリクル5を配置する。
また、フォトマスク39の下方に、第2実施形態と同様なペリクル枠61を備えたペリクル63を配置する。つまり、同図の下方に凹となるように湾曲した第1面11がフォトマスク39の下面39a側となるように、ペリクル63を配置する。
そして、フォトマスク39の上面39bにペリクル5を貼り付けるとともに、フォトマスク39の下面39aにペリクル63を貼り付ける。
このように、本第5応用例では、フォトマスク39の厚み方向の両側に、各ペリクル5、63を貼り付けることによって、第1,第2実施形態よりも一層好適に、自重撓みによる変形を保持し、それ以上の変形を抑制できる。
<第6応用例>
図12Bに示すように、本第6応用例では、下方に凸となるように湾曲したフォトマスク39の形状を保持し、それ以上の変形を抑制する。
詳しくは、フォトマスク39の上方に、従来と同様な平坦なペリクル枠81を備えたペリクル83を配置する。
また、フォトマスク39の下方に、第2実施形態と同様なペリクル枠61を備えたペリクル63を配置する。つまり、同図の下方に凸となるように湾曲した(即ち凹状の)第1面11がフォトマスク39の下面39a側となるように、ペリクル63を配置する。
そして、フォトマスク39の上面39bにペリクル83を貼り付けるとともに、フォトマスク39の下面39aにペリクル63を貼り付ける。
このように、本第6応用例では、フォトマスク39の厚み方向の両側に、各ペリクル63、83を貼り付けることによって、第1,第2実施形態よりも一層好適に、自重撓みによる変形を保持し、それ以上の変形を抑制できる。
<第7応用例>
図12Cに示すように、本第7応用例では、下方に凸となるように湾曲したフォトマスク39の形状を保持し、それ以上の変形を抑制する。
詳しくは、フォトマスク39の上方に、第1実施形態と同様なペリクル枠1を備えたペリクル5を配置する。つまり、同図の下方に凸となるように湾曲した第1面11がフォトマスク39の上面39b側となるように、ペリクル5を配置する。
また、フォトマスク39の下方に、従来と同様な平坦なペリクル枠81を備えたペリクル83を配置する。
そして、フォトマスク39の上面39bにペリクル5を貼り付けるとともに、フォトマスク39の下面39aにペリクル83を貼り付ける。
このように、本第7応用例では、フォトマスク39の厚み方向の両側に、各ペリクル5、83を貼り付けることによって、第1,第2実施形態よりも一層好適に、自重撓みによる変形を保持し、それ以上の変形を抑制できる。
[5.その他の実施形態]
尚、本開示は、前記実施形態等に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
(1)ペリクル枠の材料としては、セラミックからなる材料又はセラミックを主成分とする材料以外に、超硬、サーメット、単体又は合金の金属等を採用できる。
(2)定盤として、単一の定盤又は複数の定盤を組み合わせたものを用いてもよい。
(3)また、ペリクル枠を形成するセラミックス材料としては、例えば特開2016−122091号公報に開示されているような、窒化ケイ素、ジルコニア、アルミナと炭化チタンの複合セラミックス等、各種の材料を採用できる。
(4)ペリクル枠の角部において、平面視における角部を構成するペリクル枠の内壁面(内周面)及び外壁面(外周面)は、曲面形状であってもよい。すなわち、ペリクル枠全体として、平面視において角部がR形状であってもよい。
(5)前記各実施形態や各応用例に示された四角枠状のペリクル枠においては、4本全ての辺部ではなく、全ての辺部のうち少なくとも対向する一対の辺部について、各辺部における最大の厚みが、当該各辺部における両側の角部の各厚みより大、又は、各辺部における最小の厚みが、当該各辺部における両側の角部の厚みより小という構成を採用してもよい。この場合でも、前記実施形態とほぼ同様な効果を奏する。
この例を、例えば図1を用いて説明すると、例えば、ペリクル枠1は、その厚み方向の一方の表面(即ちペリクル膜3が張設される第2面:図1の下側の面)12が平坦である。
そして、この場合に、対向する一対の辺部、例えば、対向する第1辺部31と第3辺部33、又は、対向する第2辺部32と第4辺部34において、厚み方向の他方の表面(即ちフォトマスク39に貼り付けられる第1面)11が、外側(同図の上方)に張り出すように凸状に湾曲していてもよい。
詳しくは、第1、3辺部31、33の第1面11が凸状に湾曲している場合には、第2、4辺部32、34の第1面11は平坦であってもよい。逆に、第2、4辺部32、34の第1面11が凸状に張り出している場合には、第1、3辺部31、33の第1面11は平坦であってもよい。
なお、ここでは、凸状に張り出している場合を例に挙げたが、凸状ではなく、凹状に湾曲していてもよい。
(6)なお、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

Claims (12)

  1. 厚み方向の両側に設けられた第1面及び第2面と、前記第1面及び前記第2面に連接された内周面及び外周面と、を備え、平面視で、4箇所の角部と4本の辺部とを備えた矩形形状であるペリクル枠において、
    前記4本の辺部のうち、少なくとも対向する一対の辺部について、
    前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最大の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより大、又は、前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最小の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより小である、
    ペリクル枠。
  2. 前記4本の辺部について、
    前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最大の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより大、又は、前記対向する一対の辺部のそれぞれにおける最小の厚みは、当該対向する一対の辺部のそれぞれにおける両側の前記角部の各厚みより小である、
    請求項1に記載のペリクル枠。
  3. 前記最大の厚み又は前記最小の厚みは、前記辺部の長手方向における中央部における厚みである、
    請求項1または2に記載のペリクル枠。
  4. 前記辺部の前記第1面は、当該辺部の両側の前記角部から前記中央部に向け漸次凸状に湾曲又は漸次凹状に湾曲した第1曲面を備える、
    請求項3に記載のペリクル枠。
  5. 前記第2面は、前記第1面の前記第1曲面が湾曲する側と同じ側に湾曲する第2曲面を備える、
    請求項4に記載のペリクル枠。
  6. 前記第2面は、平坦な平面を備える、
    請求項4に記載のペリクル枠。
  7. 前記第1面が前記第1曲面であり、前記第2面が前記平面である場合に、前記第1面がフォトマスクに接着される面であり、前記第2面がペリクル膜に接着される面である、
    請求項6に記載のペリクル枠。
  8. 前記辺部の最大の厚み又は前記辺部の最小の厚みと、該辺部の両側の前記角部の各厚みとの差が、1μm以上である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のペリクル枠。
  9. 前記ペリクル枠は、主成分がセラミックであり、ヤング率が150GPa以上、ビッカース硬度が800Hv以上である、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のペリクル枠。
  10. フォトマスクの厚み方向の少なくとも一方の表面に、請求項1〜9のいずれか1項に記載のペリクル枠が貼り付けられた、
    フォトマスク。
  11. 前記フォトマスクの厚み方向の両方の表面に、前記フォトマスクの自重撓みを維持するように前記ペリクル枠が貼り付けられた、
    請求項10に記載のフォトマスク。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のペリクル枠の製造方法であって、
    表面が水平な研削用の基台上に、前記ペリクル枠を前記第1面又は前記第2面が上となるように載置する載置工程と、
    前記ペリクル枠の前記上となるように配置された前記第1面又は前記第2面に対して、回転軸を傾けた回転砥石を用いて研削を行って、前記ペリクル枠の前記角部及び前記辺部の厚みの調整を行う調整工程と、
    を有するペリクル枠の製造方法。
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