JP2018194742A - ペリクル枠 - Google Patents

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木村 幸広
Yukihiro Kimura
幸広 木村
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Abstract

【課題】ペリクル枠の有底孔を容易に設けることができるペリクル枠を提供すること。【解決手段】ペリクル枠1の枠体5に金属部材7が接合されており、この金属部材7に有底孔25が形成されているので、枠体5自体に有底孔25を設ける必要がない。つまり、金属部材7に有底孔25を開け、その金属部材7を枠体5に接合すれば良いので、有底孔25を備えたペリクル枠1を容易に得ることができる。このように、枠体5がセラミックスを主成分とする硬度の高い材料で構成されている場合には、枠体5に比べて有底孔25を開けることが容易な例えばジュラルミン等のアルミ合金などからなる金属部材7に対して、ドリル加工等によって有底孔25を開けて、この金属部材7を枠体に接合すれば良い。そのため、有底孔25の形成が容易であり、よって、ペリクル枠1の製造が容易である。【選択図】図4

Description

本発明は、ペリクル枠に関する。
半導体製造において、半導体ウェハに配線パターンを形成する露光工程ではフォトマスクが用いられるが、このフォトマスクに異物(パーティクル等)が付着すると配線パターンの欠陥が生じる。
この対策として、即ち防塵するために、フォトマスクの表面を覆うような透明な薄い膜(ペリクル膜)が張設されたペリクルが用いられる。
また、ペリクル膜をフォトマスクから所定距離離して配置するために、ペリクル枠という長方形の枠体が用いられる。このペリクル枠は、フォトマスクの変形を抑えるために、高い平面度と剛性が要求されるので、その材料としては、例えばアルミナ等の高い剛性や高い硬度を有するセラミックス材料が好適であるとされている。
また、ペリクル枠には、自身の把持、搬送、位置決め等のために、図10に示すように、ペリクル枠100の外周に複数の有底孔110を設けている。つまり、ペリクル枠100の把持、搬送、位置決め等を行う場合には、仮枠等から延びる治具ピン120を有底孔110に嵌め、この治具ピン120によってペリクル枠100を保持して、ペリクル枠100の移動等の作業を行っている(特許文献1参照)。
特開平9−204039号公報
ところで、例えばセラミックス製のペリクル枠の場合には、ペリクル枠は非常に高い硬度を有しているので、例えばドリル加工によって有底孔を開けることは容易ではない。
また、セラミックスとして導電性セラミックスを用いた場合には、例えば型彫り放電加工によって有底孔を開けることができる。しかし、型彫り放電加工で、目的とする形状の有底孔を開けるためには、電極棒を頻繁に交換する必要があり、また、加工時間が長い等の問題があり、有底孔を開けることは容易ではない。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ペリクル枠の有底孔を容易に設けることができるペリクル枠を提供することを目的とする。
(1)本発明の第1局面は、内周面及び外周面と、前記内周面と前記外周面とに連接された上面及び下面と、を有し、セラミックスを主成分とする枠体を備えた、ペリクル膜を張設用のペリクル枠に関するものである。
このペリクル枠では、枠体の外周面には、金属部材が自身の底面にて接合されており、金属部材の底面と反対側の表面には、表面に開口する有底孔を備えている。
本第1局面では、枠体に金属部材が接合されており、この金属部材に有底孔が形成されているので、セラミックスを主成分とする硬度の高い枠体自体に有底孔を設ける必要がない。つまり、枠体の材料に比べて加工が容易な金属部材に有底孔を開け、その金属部材を枠体に接合すれば良いので、有底孔を備えたペリクル枠を容易に製造することができる。
このように、本第1局面では、枠体がセラミックスを主成分とする硬度の高い材料で構成されている場合でも、枠体に比べて有底孔を開けることが容易な(例えば硬度が低い)金属部材に対して、ドリル加工等によって有底孔を開け、その金属部材を枠体に接合すれば良い。そのため、有底孔の形成が容易であり、よって、ペリクル枠の製造が容易であるという顕著な効果を奏する。
また、枠体の材料として例えば導電性セラミックスを用いた場合でも、型彫り放電加工で有底孔を開ける場合に比べて、製造工程を簡易化でき、製造時間を短くすることも可能である。また、セラミックスのような硬度の高い材料に直接治具ピンが接触しないため、ペリクル枠の搬送等で治具ピン等が摩耗することもない。
さらに、枠体自体に有底孔を開ける場合には、枠体の強度が低下する恐れがあるが、本第1局面では、金属部材に有底孔を開けるので、枠体の強度が低下することを抑制できる。
しかも、有底孔の形成方法として、例えば枠体に貫通孔を開けて、その貫通孔に例えば樹脂を充填して有底孔を開けることが考えられるが、この場合には、樹脂が枠体の内部に露出するので、紫外線によって樹脂が劣化してパーティクルが発生する恐れがある。それに対して、本第1局面では、枠体に貫通孔を設けないので、紫外線に対する耐光性が良いという利点がある。
(2)本発明の第2局面では、枠体の外周面に、金属部材の底面が嵌り込む凹部が形成され、凹部に金属部材の底面が配置されていてもよい。
本第2局面では、枠体の外周面に形成された凹部に金属部材の底面を配置するので、金属部材の位置決めが容易であるという利点がある。
(3)本発明の第3局面では、金属部材の底面に、底面から突出する突起を備えると共に、枠体の外周面に、金属部材の突起が嵌入する嵌入孔を備え、枠体の外周面の嵌入孔に、金属部材の底面の突起が嵌入して配置されていてもよい。
本第3局面では、金属部材の底面から突出する突起を、枠体の外周面の嵌入孔に嵌めるので、金属部材の位置決めが容易であるという利点がある。
(4)本発明の第4局面では、金属部材は、複数の有底孔を備えていてもよい。
本第4局面では、金属部材は、複数の有底孔を備えているので、各有底孔毎に金属部材を配置する場合に比べて、使用する金属部材の個数が少なくて済み、ペリクル枠を製造する際の作業性が良いという利点がある。
(5)本発明の第5局面では、枠体と金属部材とは、接着層により接合されていてもよい。
本第5局面では、枠体と金属部材とを接着層により容易に接合することができるので、ペリクル枠を製造する際の作業性が良いという利点がある。
<以下、本発明の構成について説明する>
・ペリクル枠の枠体としては、ヤング率が150GPa以上、且つ、ビッカース硬度が800Hv以上のものを採用できる。
このような特性を有するペリクル枠は、高いヤング率および高いビッカース硬度の焼結体を用いているので、ペリクル枠にペリクル膜を張設した際に発生する膜張力により、ペリクル枠が変形するのを抑制することができる。
・ペリクル枠の枠体の材料としては、導電性又は非導電性の材料を採用できる。例えば、導電性の材料としては、アルミナ・炭化チタン、アルミナ・炭化チタン・窒化チタン、ジルコニア・炭化チタン、超硬、サーメット等を採用できる。非導電性の材料としては、例えば、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等のセラミックスなどを採用できる。
・ここで、枠体の材料に導電性の材料を用いた場合、工程流動中や輸送中にペリクル枠が帯電したとしても除電が容易であり、ペリクル枠へのパーティクル等の吸着を抑制することができる。
なお、上記導電性の材料としては、ペリクル枠として形成された状態で、20℃における体積抵抗率が、1.0×10−3Ω・cm以下となる材料であることが好ましい。
なお、セラミックス材料としては、例えば、ビッカース硬度(Hv)が1000〜2000Hvのものを採用できる。
・金属部材としては、例えば、純金属や合金を採用できる。例えばジュラルミン等のアルミ合金、ステンレス合金などを採用できる。
・接着層の材料(接着剤)としては、例えば、エポキシ系接着剤などを採用できる。
・治具ピンの材料としては、汎用性の高い材料が採用されやすく、例えば枠体を構成する材料よりも硬度の低い材料が採用されうる。例えば、ステンレス(SUS304、SUS430)等の金属が挙げられる。なお、ステンレスのビッカース硬度としては180〜190Hvものが挙げられる。
第1実施形態のペリクル枠を示す斜視図である。 第1実施形態のペリクル枠をXY平面に沿って破断した断面を示す断面図である。 図1におけるA−A断面図である。 (a)は第1実施形態のペリクル枠を外周面側から見た状態を示す平面図、(b)は図4(a)におけるB−B断面図である。 第1実施形態のペリクル枠の有底孔の使用方法を示すために、ペリクル枠をXY平面に沿って破断した断面の一部を示す断面図である。 第1実施形態のペリクル枠の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態のペリクル枠を示し、ペリクル枠をXY平面に沿って破断した断面の一部を示す断面図である。 第3実施形態のペリクル枠を示し、ペリクル枠をXY平面に沿って破断した断面の一部を示す断面図である。 第4実施形態のペリクル枠を示す斜視図である。 従来技術の説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
まず、第1実施形態のペリクル枠の全体構成について説明する。
図1〜図3に示すように、ペリクル枠1は、自身の片面(図3の上方)にペリクル膜3(図3参照)が張設される部材である。このペリクル枠1は、セラミックス製の枠体(例えばアルミナを主成分とし、炭化チタンを含有する導電性セラミックスからなる枠体)5と、枠体5の4個所に接合された金属部材7a、7b、7c、7d(7と総称する)とから構成されている。なお、例えば窒化ケイ素を主成分とする非導電性セラミックスからなる枠体を用いてもよい。
なお、図1及び図2では、ペリクル枠1自体を示し、図3では、ペリクル枠1の片面にペリクル膜3が張設されたペリクル9を示している。
また、以下では、ペリクル枠1の全ての面のうち、ペリクル枠1自身で囲まれた内側の面を内周面11、内側と反対側の外側の面を外周面13とよぶ。また、内周面11と外周面13とに連接された面のうち、ペリクル膜3が張設された側を上面15、反対の面を下面17とよぶ。
図1に示すように、直交するX軸、Y軸、Z軸の座標系において、ペリクル枠1は、Z方向から見た平面視で、長方形状の枠体(即ち環状の部材)であり、中央には平面視で長方形の中央貫通孔19を有している。
つまり、ペリクル枠1の枠体5は、同一平面上にて、平面視で、上下左右の四方に配置された長尺の枠部からなる。詳しくは、枠体5は、X軸に平行に配置された第1枠部5a及び第2枠部5bと、Y軸に平行に配置された第3枠部5c及び第4枠部5dとによって構成されている。
なお、ペリクル枠1の枠体5の外形の寸法は、例えば、縦(Y方向)約149mm×横(X方向)約120mm×厚み(Z方向)約3mmである。また、枠体5の各枠部5a〜5dは四角柱であり、その幅の寸法(Z方向から見た幅の寸法:枠幅)は、同一(即ち約2mm)である。
また、この枠体5は、ヤング率が150GPa以上、且つ、ビッカース硬度が800Hv以上の特性を有している。なお、枠体5の平面度は10μm以下である。
本第1実施形態では、ペリクル枠1の枠体5には、平面視で、図2に示すように、X方向における両枠部(即ち第3枠部5c、第4枠部5d)に、それぞれ2箇所(合計4個所)に、金属部材7が接合されている。
この金属部材7は、例えばジュラルミン等のアルミ合金からなり、図4に示すように、厚さ3mm×幅2mm×長さ5mmの四角柱の部材であり、例えばエポキシ系接着剤からなる接着層21によって、枠体5に接合されている。つまり、金属部材7の底面23が枠体5の外周面13に接合されている。
詳しくは、金属部材7の厚さ(図4(a)の上下方向の寸法)は、枠体5の厚さと同一か、薄くなるように設定されており、図4(a)に示すように、金属部材7が枠体5に接合された場合には、金属部材の厚さ方向の両面の位置と枠体5の厚さ方向の両面の位置とが一致する(即ち面一となる)か、薄くなるように設定されている。
ここで、金属部材7の厚さについて、枠体5の厚さよりも薄い方が、ペリクル膜3の張設や、ペリクル9をフォトマスクに取り付けるためには、好ましい。金属部材7の厚さを薄く設定する場合、枠体5の厚さよりも0.1mm〜0.2mm程度薄く設定しておくことが好ましい。
また、金属部材7には、底面23に対する垂線であって金属部材7の重心を通る線(軸中心)に沿って、金属部材7の外側の表面24(即ち底面23とは反対側の表面)に開口するように、有底孔25が形成されている。なお、図2に示すように、各金属部材7a〜7dには、それぞれ有底孔25a、25b、25c、25dが設けられている。
この有底孔25は、図4(b)に示すように、例えばφ1.5mm、深さ1.2mmの有底の丸穴であり、底部は円錐形状に整えられている。
有底孔25は、ペリクル9の製造およびその後のフォトマスク(図示せず)に取り付ける際の位置決め等に用いられる。例えば、位置決めに際しては、図示しないペリクル製造装置あるいはペリクル取り付け装置に設けられた図5に示す各治具ピン27が、同図の矢印方向に移動して、各有底孔(即ち4個所の)25に嵌め込まれる。
なお、前記図1及び図2に示すように、枠体5の第3枠部5cには、例えばφ0.5mmの貫通孔29が設けられている。この貫通孔29は、フォトマスクにペリクル9が取り付けられた後、ペリクル9とフォトマスクに囲まれた空間と外部環境との気圧調整に用いられる。なお、外部環境から粉塵が侵入しないよう、貫通孔29には、図示しないフィルタが設けられる。
[1ー2.ペリクル枠の製造方法の概略]
次に、ペリクル枠1の製造方法の概略について説明する。
(第1工程P1)
図6に示すように、ペリクル枠1の枠体5の原料である粉体(即ち素地粉末)を作製した。
ここで粉体とは、枠体5を構成する焼結体の元になる物質であり、後述する様に、アルミナや導電性材料などの原料粉末に、焼結助剤などを適宜加え湿式混合した後、噴霧乾燥法によって50μm〜100μmの顆粒に作製したものである。
なお、原料粉末の粒径の測定は、レーザー回折・散乱法により行なったが、動的光散乱法や沈降法により行なってもよい。
(第2工程P2)
次に、この粉体を成形し、ペリクル枠1の枠体5の原形を形成した。
(第3工程P3)
次に、前記粉体の成形後、これを所定温度で焼成した。
この焼成温度は、粉体の組成によるが、一般に1500℃以上である。焼成することにより、高いヤング率と硬度とを持つ焼結体が得られる。
(第4工程P4)
次に、焼結体に対して、その厚さを調節する厚さ加工(具体的には研削加工)を行った。
なお、ここでは、後述する精密平面加工(第9工程P19)の研磨代(例えば0.05〜0.10mm)を残して厚さを揃えた。
(第5工程P5)
次に、厚さ加工後の焼結体に対して、内形・外形加工を行った。
詳しくは、保持治具(図示せず)で焼結体の外周面を把持し、焼結体の内周面と外周面とに対してワイヤー放電加工を行い、内形や外形を目的とする寸法に加工した。
(第6工程P6)
次に、内形・外形加工後の焼結体に対して、放電加工面の表面処理を行った。
詳しくは、サンドブラスト処理により、放電加工によって生じた熱変質層を除去した。
(第7工程P7)
次に、放電加工面の表面処理後の焼結体に対して、穴開け加工を行った。
詳しくは、細穴放電加工機(図示せず)によって、ペリクル枠1の枠体5の側面に、気圧調整用の貫通孔29を1箇所形成した。
(第8工程P8)
次に、貫通孔29に対して、放電加工面の表面処理を行った。
詳しくは、サンドブラスト処理により、放電加工によって、貫通孔29の内周面に生じた熱変質層を除去した。
(第9工程P9)
次に、貫通孔29のサンドブラスト処理後の焼結体に対して、精密平面加工を行った。
(第10工程P10)
その後、ペリクル枠1の枠体5に対して、面取り加工を行ったが、この第10工程P10は省略してもよい。
(第11工程P11)
次に、有底孔25を有する金属部材7の製造を行った。この金属部材7の製造は、ペリクル枠1の枠体5の製造とは別に実施できるので、例えば予め金属部材7を製造しておいてもよい。
(第12工程P12)
次に、枠体5に対して、有底孔25を設ける4箇所の位置に、それぞれ金属部材7を接合し、ペリクル枠1を完成した。
[1ー3.実施例]
次に、ペリクル枠1の製造方法の具体的な実施例について、詳細に説明する。
(第1工程P1)
この素地の作製工程では、平均粒径0.5μmのα−アルミナ粉末63体積%、平均粒径1.0μmの炭化チタン10体積%、平均粒径1.0μmの窒化チタン25体積%、残部をMgO:Y=1:1の焼結助剤からなる複合材料を調製した。
そして、この複合材料を湿式混合し、成形用有機バインダを加えた後、通常の噴霧乾燥法により、アルミナ・炭化チタン・窒化チタンの複合セラミックス素地粉末を作製した。
(第2工程P2)
この成形工程では、複合セラミックス素地粉末を、金型プレス法により、外形寸法を縦182mm×横147mm×厚さ6mm、枠幅5mm程度に枠形状に成形し、ペリクル枠1の原型(粉末成形体)を作製した。
ここでは、後述する焼成工程により、ペリクル枠1の枠体5の外形は、20〜30%程度縮むため、予め、焼成後のペリクル枠1の枠体5より大きく成形する。なお、ペリクル枠1の枠体5は、半導体露光装置における露光用マスクの大きさに合わせて種々の大きさが可能である。
(第3工程P3)
この焼成工程では、粉末成形体を脱バインダし、不活性ガス中にて1700℃で2時間保持して焼成し、導電性を有する緻密なセラミックス焼結体を得た。
この焼結体の寸法は、縦151mm×横122mm×厚さ5mm、枠幅4mm程度であった。なお、0.3mm程度の歪みがあった。
(第4工程P4)
この厚さ加工工程では、焼結体の上下面(厚さ方向の両面)を、平面研削盤にてほぼ同量研削し、厚さ3.1mmに加工した。なお、平面研削後の平面度は、20〜40μmであった。
(第5工程P5)
この内形・外形加工工程では、ワイヤー放電加工により、焼結体の内形及び外形を、縦149mm×横120mm、枠幅2mmに加工した。なお、この際に、稜部(コーナー部)のR加工を行ってもよい。
(第6工程P6)
この放電加工面の表面処理工程では、サンドブラスト処理によって、放電加工面の熱変質層を除去した。サンドブラスト処理では、粒度#600(平均粒径約30μm)の炭化ケイ素砥粒を使用した。除去した層の厚みは、5μm程度であった。
(第7工程P7)
この穴開け加工処理では、細穴放電加工によって、ペリクル枠1の枠体5に対して、第3枠部5cの中央の位置に、φ0.5mmの気圧調整用の貫通孔29を形成した。
貫通孔29の形成の際には、電極棒の先端が消耗した分、電極棒の送り込み加工長さを大きくすることができるので、電極棒の交換は不要であった。なお、加工時間は、約2分/孔であった。なお、貫通孔29と電極棒との放電ギャップは、直径で0.05mmであった。
(第8工程P8)
この放電加工面の表面処理工程では、サンドブラスト処理により、放電加工された貫通孔29の内周面の熱変質層を除去した。
サンドブラスト処理では、粒度#600(平均粒径約30μm)の炭化ケイ素砥粒を使用した。除去した層の厚みは、5μm程度であった。
なお、放電ギャップを設定及び熱変質層の除去により、加工後の貫通孔29の孔径が広がるので、貫通孔29の加工に用いる電極棒として、φ0.4mmの電極棒を用いた。
(第9工程P9)
この精密平面加工では、焼結体の片面25〜50μmずつ研磨加工を行い、厚さ3.0mm、平面度を10μm未満に加工した。これによって、ペリクル枠1の枠体5が完成した。
(第10工程P10)
その後、ペリクル枠1の枠体5に対して、面取り加工を行った。例えば、枠体5の稜部をブラシ研磨加工によって、0.03〜0.05mmのR半径となるように、R加工を行ってもよい。なお、この工程は省略してもよい。
以上の処理により、主として、アルミナを主成分とする枠体5を得た。この枠体5のヤング率とビッカース硬度とを計測したところ、ヤング率420GPa、ビッカース硬度2100Hvであった。
(第11工程P11)
この金属部材7の製造工程では、例えばジュラルミン等のアルミ合金の角材を切削し、目的とする寸法の金属部材7を得た。その後、金属部材7の軸中心に対して、ドリル加工によって、有底孔25を形成した。
(第12工程P12)
この金属部材7の接合工程では、枠体5の有底孔25を設ける4箇所の位置に、エポキシ系接着剤(例えば、株式会社スリーボンドの2249G)を用いて、それぞれ金属部材7を接合した。
詳しくは、金属部材7の底面23に接着剤を塗布し、枠体5の外周面13に密着させて、枠体5に金属部材7を接合し、160℃で30分の熱処理にて硬化させた。
以上の処理により、アルミナを主成分とするセラミックス製の枠体5に金属部材7が接合されたペリクル枠1を得た。
[1−4.効果]
(1)本第1実施形態では、ペリクル枠1の枠体5に金属部材7が接合されており、この金属部材7に有底孔25が形成されているので、枠体5自体に有底孔25を設ける必要がない。つまり、金属部材7に有底孔25を開け、その金属部材7を枠体5に接合すれば良いので、有底孔25を備えたペリクル枠1を容易に製造することができる。
このように、本第1実施形態では、枠体5が例えばセラミックスを主成分とする硬度の高い材料で構成されている場合には、例えばジュラルミン等のアルミ合金からなる金属部材(即ち枠体5に比べて硬度が低く有底孔25を開けることが容易な金属部材)7に対して、ドリル加工等によって有底孔25を開け、その金属部材7を枠体に接合すれば良い。そのため、有底孔25の形成が容易であり、よって、ペリクル枠1の製造が容易であるという顕著な効果を奏する。
また、セラミックスの枠体5と治具ピン27が直接接触しないため、治具ピン27が摩耗してしまい、治具ピン27の交換のために工程を停止させる頻度が高くなることも抑制し、生産工程を煩雑化させることも抑制できる。
(2)本第1実施形態では、枠体5と金属部材7とは、例えばエポキシ系の接着剤からなる接着層21により、容易に接合することができるので、ペリクル枠1を製造する際の作業性が良いという利点がある。
(3)本第1実施形態では、枠体5の材料として導電性セラミックスを用いるが、その場合でも、型彫り放電加工で有底孔25を開ける場合に比べて、ペリクル枠1の製造工程を簡易化でき、製造時間を短くすることができる。
(4)また、枠体5自体に有底孔25を開ける場合には、枠体5の強度が低下する恐れがあるが、本第1実施形態では、金属部材7に有底孔25を開けるので、枠体5の強度が低下することを抑制できる。
(5)さらに、例えば枠体5に貫通孔を開けて、その貫通孔に例えば樹脂を充填して有底孔25を開けることが考えられるが、この場合には、樹脂が枠体5の内部に露出するので、露光工程にて照射される紫外線によって樹脂が劣化してパーティクルが発生する恐れがある。それに対して、本第1実施形態では、枠体5に貫通孔を設けないので、紫外線に対する耐光性が良いという利点がある。
[1−5.文言の対応関係]
第1実施形態の、内周面11、外周面13、上面15、下面17、枠体5、ペリクル膜3、ペリクル枠1、金属部材7、底面23、表面24、有底孔は、それぞれ、本発明の、内周面、外周面、上面、下面、枠体、ペリクル膜、ペリクル枠、金属部材、底面、表面、有底孔の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
図7に示すように、本第2実施形態のペリクル枠31は、第1実施形態と同様に、セラミックス製の長方形の枠体33と有底孔35を有する四角柱形状の金属部材37とから構成されており、枠体33は、第1実施形態と同様に、各枠部39を備えている。
特に本第2実施形態では、枠体33(詳しくは長辺である第3枠部39c、第4枠部39d)の外周面41に、金属部材37の底面43(従って底部45)が嵌り込む凹部47が形成されており、その凹部47の底面49に接するように金属部材37の底面43が配置されている。
つまり、金属部材37は、有底孔35を外側(図7の上方)にして、その底面43が凹部47に嵌まり込むように配置され、その底面43等が接着剤により枠部39の凹部47に接合されている。
本第2実施形態は第1実施形態と同様な効果を奏する。また、本第2実施形態では、枠体33の外周面41に設けられた凹部47に、金属部材37の底面43が嵌り込む構成であるので、金属部材37の位置決めが容易であるという効果がある。
なお、前記凹部47は、枠体33の外形の形成時に、放電加工等によって形成することができる。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
図8に示すように、本第3実施形態のペリクル枠51は、第1実施形態と同様に、セラミックス製の長方形の枠体53と有底孔55を有する四角柱形状の金属部材57とから構成されており、枠体53は、第1実施形態と同様に、各枠部59を備えている。
特に本第3実施形態では、金属部材57の底面61には、底面61から突出する例えば2本の突起63を備えている。一方、枠体53(詳しくは長辺である第3枠部59c、第4枠部59d)の外周面65には、金属部材57の各突起63が嵌入する嵌入孔67が例えば2箇所形成されている。
また、金属部材37は、有底孔55を外側(図8の上方)にして、その底面61が枠体53の外周面65に接触して配置されると共に、金属部材57の底面61の突起63が、枠体53の外周面65の嵌入孔67に嵌入して配置されている。そして、第1実施形態と同様に、接着剤によって、枠体53の外周面65に金属部材57の底面61が接合されている。
本第3実施形態は第1実施形態と同様な効果を奏する。また、本第3実施形態では、枠体53の外周面65の嵌入孔67に、金属部材57の底面61の突起63が嵌入する構成であるので、金属部材57の位置決めが容易であるという効果がある。また、金属部材57が枠体53の外周面65から脱落することを抑制することも可能である。
なお、突起63は、金属部材57の製造時に形成でき(但し第1実施形態よりも大きな角材を使用する)、嵌入孔67は、例えば細孔放電加工によって形成できる。
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、その説明は省略又は簡略化する。
図9に示すように、本第4実施形態のペリクル枠71は、第1実施形態と同様に、セラミックス製の長方形の枠体73と有底孔75を有する四角柱形状の金属部材77とから構成されており、枠体73は、第1実施形態と同様に、各枠部79を備えている。
特に本第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、2本の金属部材77(77a、77b)を用いる。各金属部材77は、第1実施形態より長尺であり、一本の金属部材77の2箇所に有底孔75が形成されている。
そして、一方の金属部材77aは、長辺の第3枠部79cの外周面81に配置され、他方の金属部材77bは、長辺の第4枠部79dの外周面81に配置されて、接着剤によって接合されている。
なお、合計4個所の有底孔75は、第1実施形態における有底孔と同様な位置とされている(但し金属部材77の厚み分だけ若干幅方向の位置が異なる)。
本第4実施形態は第1実施形態と同様な効果を奏する。また、本第4実施形態では、長尺の一本の金属部材77に2箇所に有底孔75が設けられている構成であるので、接合の作業が2回で済み、製造工程を簡易化できるという効果がある。加えて、長尺の金属部材77により、セラミックス製の枠体73の割れ等の破損が抑制できるという効果も有する。
[3.その他の実施形態]
尚、本発明は、前記実施形態等に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
(1)例えば、ペリクル枠の枠体を形成するセラミックス材料としては、例えば特開2016−122091号公報に開示されているように、窒化ケイ素、ジルコニア、アルミナと炭化チタンの複合セラミックス等、各種の材料を採用できる。
なお、同公報に開示されているように(実施形態2、3参照)、例えばジルコニアを用いたペリクル枠(即ち枠体)は、ヤング率210GPa、ビッカース硬度1200Hvであり、アルミナと炭化チタンの複合セラミックスを用いた枠体は、ヤング率420GPa、ビッカース硬度2100Hvである。
(2)なお、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1、31、51、71…ペリクル枠
3…ペリクル膜
9…ペリクル
5、33、53、73…枠体
7、37、57、77…金属部材
11…内周面
13、41、65、81…外周面
21…接着層
23、43、61…底面
24…表面
25、35、55、75…有底孔
47…凹部
63…突起
67…嵌入孔

Claims (5)

  1. 内周面及び外周面と、前記内周面と前記外周面とに連接された上面及び下面と、を有し、セラミックスを主成分とする枠体を備えた、ペリクル膜を張設用のペリクル枠において、
    前記枠体の前記外周面には、金属部材が自身の底面にて接合されており、
    前記金属部材の前記底面と反対側の表面には、該表面に開口する有底孔を備えた、
    ペリクル枠。
  2. 前記枠体の前記外周面に、前記金属部材の前記底面が嵌り込む凹部が形成されており、該凹部に前記金属部材の前記底面が配置されている、
    請求項1に記載のペリクル枠。
  3. 前記金属部材の前記底面に、該底面から突出する突起を備えると共に、
    前記枠体の前記外周面に、前記金属部材の前記突起が嵌入する嵌入孔を備えており、
    前記枠体の前記外周面の前記嵌入孔に、前記金属部材の前記底面の前記突起が嵌入して配置されている、
    請求項1又は2に記載のペリクル枠。
  4. 前記金属部材は、複数の前記有底孔を備えた、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のペリクル枠。
  5. 前記枠体と前記金属部材とは、接着層を介して接合されている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のペリクル枠。
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