JPWO2019220962A1 - 3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法及び3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法、並びに、ピラゾリジン化合物 - Google Patents

3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法及び3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法、並びに、ピラゾリジン化合物 Download PDF

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Abstract

特定の溶媒を含む反応溶媒中で、ジフルオロアセチル基含有化合物とヒドラジン化合物とホルムアルデヒドとを縮合環化反応し、次いで得られたピラゾール化合物前駆体を酸化する工程を有する、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物及び3−ジフルオロメチルアルキルピラゾール−4−カルボン酸化合物を製造する製造方法、及び、これら製造方法における特定の式で表されるピラゾリジン化合物を提供する。

Description

本発明は、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法及び3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法に関する。また、本発明は、上記の製造方法の過程で得られるピラゾリジン化合物に関する。
ヘテロ環構造を有する化合物(以下、「ヘテロ環化合物」という。)は、天然物及び生体成分中に多く見られ、また特異な化学的性質を示すこと等から、多様な用途に適用されている。例えば、医薬品若しくは農薬等の有効成分(生理活性物質)として、また、液晶材料、有機半導体等の機能性材料として、用いられている。ヘテロ環化合物の中でも、窒素原子2個が隣接してなるピラゾール環構造を有するピラゾール化合物は、医薬品、農薬等の有効成分として、更にはこれらの合成中間体として、有用である。
例えば、農薬等の有効成分として有用なピラゾール化合物として、3−ジフルオロメチル−1−アルキル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸若しくはそのカルボン酸誘導体(例えば、酸ハロゲン化物、酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、ニトリル)が挙げられる。この化合物を製造(合成)する方法としては、例えば、4,4−ジフルオロアセト酢酸エチルとトリエトキシメタンを反応させて得られる2−エトキシメチレン−4,4−ジフルオロ−3−オキソブタン酸エチルを、メチルヒドラジンを用いて環化する方法(特許文献1及び2)が知られている。
これ以外にも、例えば、特許文献3において、1,1,2,2−テトラフルオロエチルジメチルアミンと三フッ化ホウ素及び3−メトキシアクリル酸メチルとを反応して得られるイミニウム塩を、メチルヒドラジンを用いて環化する方法が提案されている。更に、特許文献4において、ジフルオロアセト酢酸エステルと1−ホルミル−1−メチルヒドラジンとを反応させる方法が提案されている。
また、ピラゾール化合物の有望な合成中間体として、ジヒドロピラゾール化合物(ピラゾリン化合物)、例えば、3−ジフルオロメチル−1−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸若しくはそのカルボン酸誘導体が挙げられる。このようなジヒドロピラゾール化合物は、4,4−ジフルオロアセト酢酸エチルとホルマリンとメチルヒドラジンとをエタノール中、酸触媒存在下で加熱することにより、合成できることが知られている(特許文献5)。
ジヒドロピラゾール化合物からピラゾール化合物を合成する方法については、例えば、ジヒドロピラゾール化合物に過硫酸、クロラニル、酸化ニッケル(IV)等の酸化剤による酸化反応が知られている(特許文献6及び非特許文献1、2)。
国際公開第2009/106619号 国際公開第2010/009990号 国際公開第2008/152138号 国際公開第2016/158716号 特表2009−501742号公報 特開2009−013158号公報
Chem.Ber., 117(1984), p.1194-1214 Tetrahedron Let., 22(1981), p.1767-1770
上記ピラゾール化合物及びジヒドロピラゾール化合物の従来の製造方法には、例えば、入手困難な化合物若しくは高価な化合物を原料として用いること、また厳しい反応条件が求められること、更には収率が十分ではないこと等について、改善の余地がある。具体的には、特許文献5の製造方法では、3−ジフルオロメチル−1−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルは約24%の低収率でしか得られない。
上記事情に鑑み、本発明は、穏和な条件下、比較的廉価で入手容易な化合物を原料とし、簡便な操作で、目的とする3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を好収率かつ高選択性で製造することを可能とする、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、上記3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法を介して、3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法を提供することを課題とする。更に、本発明は、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法における合成中間体としてピラゾリジン化合物を提供することを課題とする。
本発明者は、種々検討を重ねた結果、特定の溶媒を含む反応溶媒中で、特定のジフルオロアセチル基含有化合物とヒドラジン化合物とホルムアルデヒドとを縮合環化して調製されたピラゾール化合物前駆体を酸化することにより、穏和な反応条件であっても、異性体等の副生物の生成を抑制しつつ、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物、更には3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物を好収率で合成できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>下記式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法であって、
下記溶媒群<I>から選択される少なくとも一種を含む反応溶媒中で、下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表されるヒドラジン化合物とホルムアルデヒドとを縮合環化反応し、次いで、得られたピラゾール化合物前駆体を酸化する、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法。
Figure 2019220962
上記式中、Rは−CFHを示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Xは−CN、−COOR又は−CONRを示し、Rはアルキル基を示し、R及びRは水素原子又はアルキル基を示す。
溶媒群<I>
アミド溶媒、ウレア溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、スルホキシド溶媒、スルホン溶媒、エステル溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒及びケトン溶媒
<2>ピラゾール化合物前駆体が、下記式(5)で表される化合物及び下記式(6)で表される化合物の少なくともいずれかを含む、<1>に記載の製造方法。
Figure 2019220962
上記式中、R、R及びXは式(1)におけるR、R及びXと同義である。
<3>ピラゾール化合物前駆体を、酸性条件下で過硫酸塩を用いて酸化する、<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4>ピラゾール化合物前駆体を、縮合環化反応で得られた前駆体溶液から単離若しくは精製せずに、酸化する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の製造方法。
<5>縮合環化反応を、酸触媒及び塩基触媒の非存在下で行う、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の製造方法。
<6>式(1A)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法であって、
上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の製造方法によって得られた3−ジフルオロメチルピラゾール化合物におけるXを−COOHに変換する、3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法。
Figure 2019220962
上記式中、R及びRは式(1)におけるR及びRと同義である。
<7>下記式(5)で表されるピラゾリジン化合物。
Figure 2019220962
上記式中、Rは−CFHを示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Xは−CN、−COOR又は−CONRを示し、Rはアルキル基を示し、R及びRは水素原子又はアルキル基を示す。
<8>Rがアルキル基であって、Xが−COORである、<7>に記載のピラゾリジン化合物。
本発明において、組成、純度、使用量、収率を表す「%」は、特段の断りのない限り質量基準である。
本発明において、特定の符号又は式で表示された置換基若しくは連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、又は、複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成していてもよい。また、特段の断りがない限り、環、例えば脂環、芳香族環、ヘテロ環は、更に縮環して縮合環を形成していてもよい。
本発明において、特段の断りがない限り、不斉炭素に基づくR体及びS体が存在する場合、そのいずれであっても、またこれらの混合物であってもよい。
本発明において、化合物(錯体を含む。)の表示については、化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。更に、置換又は無置換を明記していない化合物については、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有していてもよい意味である。このことは、置換基及び連結基についても同様である。また本発明において、特定の置換基の説明については、後述する置換基Tの記載を適宜参照することができる。
また、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の3−ジフルオロメチルピラゾール化合物及び3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法は、穏和な条件下、比較的廉価で入手容易な化合物を原料として用い、簡便な操作で、しかも副生物の生成を抑制しつつ、目的とする3−ジフルオロメチルピラゾール化合物及び3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物をそれぞれ好収率で製造することができる。また、本発明のピラゾリジン化合物は、上記3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法における合成中間体として、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造に有用である。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、下記の記載からより明らかになるであろう。
<<本発明の製造方法>>
本発明の製造方法は、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法(以下、カルボン酸化合物前駆体の製造方法ということがある。)と、3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法(以下、カルボン酸化合物の製造方法ということがある。)との両製造方法を含む。
本発明のカルボン酸化合物前駆体の製造方法は、後述する溶媒群<I>から選択される少なくとも一種を含む反応溶媒中で、下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表されるヒドラジン化合物と下記式(4)で表されるホルムアルデヒドとを(三成分)縮合環化反応させる。続いて、得られたピラゾール化合物前駆体を酸化させる。これらの反応を行うことにより、下記式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を製造できる。
こうして得られた3−ジフルオロメチルピラゾール化合物は、用途等に応じて所定のカルボン酸化合物に変換することができる。すなわち、本発明のカルボン酸化合物の製造方法は、上記カルボン酸化合物前駆体の製造方法により得られた3−ジフルオロメチルピラゾール化合物におけるXを−COOHに変換(詳細は後述するが、例えば加水分解反応)する方法である。これにより、下記式(1A)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物を製造できる。
下記に、本発明の製造方法における工程を反応式により示す。なお、下記反応式中における符号(R、R及びX)は、後述する各式中における符号と同義である。
各工程に用いられる試薬、溶媒及び反応条件等について、下記にその詳細を説明するが、各工程の反応を阻害しない限り、下記説明に限定されない。
Figure 2019220962
<3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法>
(式(2)で表される化合物と式(3)で表されるヒドラジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合環化反応)
本製造方法では、まず、上記式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)ともいう。)と式(3)で表されるヒドラジン化合物(以下、化合物(3)ともいう。)とホルムアルデヒド(以下、化合物(4)ともいう。)とを、後述する溶媒群<I>から選択される少なくとも一つを含む反応溶媒中で、反応させる(三成分縮合環化反応を行う)。
本発明において、上記化合物を三成分縮合環化反応(本発明において、略して縮合環化反応ともいう。)させるとは、目的とするピラゾール化合物前駆体(詳細は後述する。)を得られる限り、反応形式(反応機構)は、特に制限されないが、例えば後述する反応機構を経由するように各化合物を反応させることが、穏和な条件で異性体等の副生物の生成を抑制して、カルボン酸化合物前駆体を製造できる点で、好ましい。
上記式中、Rは−CFHを示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Xは−CN、−COOR又は−CONRを示し、Rはアルキル基を示し、R及びRは水素原子又はアルキル基を示す。
− 化合物(2) −
化合物(2)は、上記式(2)で表され、ジフルオロアセチル基を含有する化合物である。
式(2)において、Rは−CFHを示す。Rが−CFH基であると、本発明の製造方法において、穏和な反応条件であっても、異性体等の副生物の生成を抑制しつつ、目的とする化合物を好収率で製造できる。
Xは、本発明のカルボン酸化合物の製造方法においてカルボキシ基に変換可能な官能基であればよく、変換反応に応じて適宜に決定され、通常、加水分解反応によりカルボキシ基を形成する加水分解性基が選択される。本発明において、Xは、−CN、−COOR又は−CONRであり、入手容易性の点で、−COORが好ましく、−COOCがより好ましい。ここで、Rはアルキル基であり、R及びRはそれぞれ水素原子又はアルキル基である。R〜Rとして採りうるアルキル基としては、特に制限されず、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれのアルキル基でもよく、その炭素数は1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が更に好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等が挙げられる。Rとして採りうるアルキル基としては、上記の中でも、エチルが特に好ましい。
本発明において、化合物(2)は、ジフルオロアセト酢酸のアルキルエステルが好ましい。
− 化合物(3) −
化合物(3)は、上記式(3)で表される化合物である。
式(3)において、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、アルキル基が好ましく、メチルがより好ましい。
として採りうるアルキル基は、R〜Rとして採りうるアルキル基と同義であり、好ましいものも同じである。ただし、Rとして採りうる特に好ましいアルキル基はメチルである。
として採りうるアリール基としては、特に制限されず、その炭素数は6〜30が好ましく、6〜22がより好ましく、6〜18が更に好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル、1−ナフチル等が挙げられる。
として採り得るヘテロアリール基は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子)を環構成原子として有し、炭素数が1〜20の5若しくは6員環からなる単環の基、この単環を含む縮合環からなる基が挙げられる。ヘテロアリール基としては、後述する置換基Tにおけるヘテロ環基のうち芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
− 化合物(4) −
化合物(4)は、ホルムアルデヒドであり、どのような形態のホルムアルデヒドであっても使用でき、例えば、ホルムアルデヒドの水溶液(ホルマリン)を好ましく用いることができる。ホルマリン中のホルムアルデヒドの濃度は、特に制限されず、適宜に設定できる。ホルマリンは安定化剤としてメタノールを10%程度含んでいてもよい。
本発明の製造方法に用いる上記化合物(2)〜(4)は、いずれも、適宜に合成してもよく、市販品を用いてもよい。特にこれら化合物は、いずれも、比較的廉価で入手可能であり、これら化合物を原料として用いると、製造コストの低減に寄与する。
− 溶媒群<I>から選択される少なくとも一種を含む反応溶媒 −
上記縮合環化反応は、下記溶媒群<I>から選択される少なくとも一種の溶媒を含む反応溶媒中で行う。本発明において、反応溶媒中で縮合環化反応を行うとは、化合物(2)〜(4)を反応溶媒に溶解又は分散させた状態で反応させることをいう。上記縮合環化反応をこのような反応溶媒中で行うことにより、穏和な反応条件であっても、異性体等の副生物の生成を抑制しつつ好収率で、目的とする化合物を製造できる。
下記に示す溶媒群<I>に包含される各溶媒は、上記化合物を溶解若しくは分散させるものであればよく、好ましくは、後述するピラゾール化合物前駆体に対して不活性な(ピラゾール化合物前駆体の分解を促進若しくは惹起しにくい)溶媒(例えば、非プロトン性の溶媒)である。
溶媒群<I>
アミド溶媒、ウレア溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、スルホキシド溶媒、スルホン溶媒、エステル溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒及びケトン溶媒
アミド溶媒としては、アミド結合を有する化合物の溶媒であればよく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N−エチル−2−ピロリジノン等が挙げられる。ウレア溶媒としては、ウレア結合を有する化合物の溶媒であればよく、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。ニトリル溶媒としては、ニトリル基を有する化合物の溶媒であればよく、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。エーテル溶媒としては、エーテル結合を有する化合物の溶媒であればよく、例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、ジオキサン等が挙げられる。スルホキシド溶媒としては、スルフィニル結合(−S(=O)−)を有する化合物の溶媒であればよく、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。スルホン溶媒としては、スルホニル結合(−S(=O)−)を有する化合物の溶媒であればよく、例えば、スルホラン等が挙げられる。エステル溶媒としては、エステル結合を有する化合物の溶媒であればよく、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のカルボン酸アルキルエステル溶媒等が挙げられる。ケトン溶媒としては、カルボニル基を単独で有する(アミド結合、ウレア結合及びエステル結合を形成しない)化合物の溶媒であればよく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒が挙げられる。
炭化水素溶媒は、炭化水素からなる溶媒であればよく、脂肪族炭化水素溶媒及び芳香族炭化水素溶媒を包含する。脂肪族炭化水素溶媒としては、特に制限されず、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、特に制限されず、例えば、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等が挙げられる。
ハロゲン溶媒は、分子内にハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素の各原子)を有する化合物からなる溶媒をいい、分子内に上述の各結合を有していても、ハロゲン溶媒に分類される。ハロゲン溶媒としては、特に制限されず、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、エチレンジクロリド等の脂肪族ハロゲン溶媒、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン溶媒が挙げられる。
溶媒群<I>から選択される溶媒としては、均一に混合された反応系を得られやすい点又は化合物(1)の収率の点から、アミド溶媒、ウレア溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、スルホキシド溶媒、スルホン溶媒及びエステル溶媒から選択される少なくとも1種が好ましく、アミド溶媒及びエーテル溶媒から選択される少なくとも1種がより好ましく、化合物(1)の収率及び選択性の点から、エーテル溶媒が更に好ましく、ジメトキシエタン又はジグライムが特に好ましい。
反応溶媒は、溶媒群<I>から選択される上記溶媒を、1種を含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。
反応溶媒は、化合物(1)を与える反応、特に縮合環化反応又は後述する式(6)で表される化合物(以下、化合物(6)ともいう。)の分解促進に影響を与えない範囲内であれば、上記溶媒群<I>に含まれる溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。
上記溶媒群<I>に含まれる溶媒以外の溶媒としては、例えば、プロトン性の溶媒、水等が挙げられる。プロトン性の溶媒としては、アルコール溶媒が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、例えばエタノールが好ましい。アルコール溶媒及び水は、ホルマリン由来のアルコール(安定剤)又は水であってもよい。
本発明の製造方法では、反応溶媒としてアルコール溶媒を用いても式(1)で表される化合物は得られるが、アルコール溶媒は、後述する化合物(6)の分解を促進する(又は、後述する式(5)で表される化合物(以下、化合物(5)ともいう。)から後述する化合物(6)への反応が加速される結果、化合物(6)を経由する副反応が顕著となる)ことがあるため、上記溶媒群<I>の溶媒と併用する。この場合、選択性の点で、エーテル溶媒との併用が好ましく、ジグライムとの併用がより好ましい。
反応溶媒が上記溶媒群<I>に含まれる溶媒以外の溶媒を含む場合、反応溶媒の総量中、上記溶媒群<I>に含まれる溶媒の含有率は、25質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましく、95質量%以上が最も好ましく、反応溶媒を上記溶媒群<I>に含まれる溶媒とすることもできる。一方、アルコール溶媒を含有する場合、反応溶媒の総量中、アルコール溶媒の含有率は、75質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。アルコール溶媒とエーテル溶媒とを併用する場合、アルコール溶媒(好ましくはエタノール)とエーテル溶媒との含有率の比は、特に制限されないが、選択性の点で、例えば、25:75〜75:25が好ましく、40:60〜60:40がより好ましい。
(縮合環化反応の反応条件等)
− 混合方法 −
縮合環化反応における各化合物の混合方法(仕込み順であって反応順ではない。)は、特に限定されない。例えば、化合物(2)と上記反応溶媒との混合物(化合物(2)の溶液)と、化合物(3)及び化合物(4)とを順次混合(滴下)する方法、化合物(3)と上記反応溶媒との混合物(化合物(3)の溶液)と、化合物(4)及び化合物(2)とを順次混合(滴下)する方法、化合物(4)と上記反応溶媒との混合物(化合物(4)の溶液)と、化合物(3)及び化合物(2)とを順次混合(滴下)する方法が挙げられる。この際、混合する化合物は各種溶媒(好ましくは上記反応溶媒)との混合物(溶液)としてもよいし、希釈しないでそのまま混合してもよい。
− 混合量 −
縮合環化反応における各化合物の混合量(仕込み比)は、特に制限されないが、収率及び選択性を損なうことなく、精製操作の簡略化、製造コストの削減を可能とする点で、1モルの化合物(2)に対して、化合物(3)及び化合物(4)をそれぞれ0.5〜2.0モルの割合で反応させることが好ましく、0.8〜1.2モルの割合とすることがより好ましい。
反応溶媒の使用量は、特に制限されないが、好ましくは化合物(2)に対して、0.5〜50倍量(質量基準)であり、より好ましくは1〜20倍(質量基準)である。
− 反応温度及び反応時間 −
上記縮合環化反応の反応温度は、目的の反応が進行する限り特に限制限されないが、通常、反応溶媒の融点以上、沸点以下の温度範囲に設定される。穏和な条件下における反応効率の低下防止及び副反応の抑制の観点から、−30〜120℃が好ましく、0〜80℃がより好ましい。
縮合環化反応の反応時間は、上記反応温度、反応溶媒、後述する触媒の種類若しくは使用量等に応じて設定されるので一義的に定まらないが、生産性の観点から、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは0.5〜6時間とする。
− 酸触媒又は塩基触媒 −
本発明において上記縮合環化反応は、酸触媒及び/又は塩基触媒の非存在下でも行うことができる。
酸触媒となりうる酸としては、酢酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の無機酸、四塩化チタン、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体等のルイス酸等が挙げられる。塩基触媒となりうる塩基としては、上記縮合環化反応をしない塩基(上記化合物(3)は塩基触媒ではない。)であればよく、例えば、無機塩基、有機塩基及び金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基が挙げられる。
無機塩基としては、特に制限されないが、アンモニア、水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属及びリン酸水素アルカリ金属等が挙げられ、具体的には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム又はリン酸二水素カリウムが好ましく、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムがより好ましい。
有機塩基としては、特に制限されないが、芳香族アミン、脂肪族アミン等が挙げられ、ピリジン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジイソプロピルペンチルアミン、モルホリン、ピペリジン及びピロリジン等が挙げられ、ピリジン、トリエチルアミン又はピペリジンが好ましい。
金属アルコキシドとしては、特に制限されないが、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム及びt−ブトキシカリウム等が好ましく挙げられ、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドがより好ましい。
酸触媒又は塩基触媒を共存させる場合、これらの使用量は、それぞれ、1モルの化合物(2)に対して、0.01〜5モルが好ましく、0.1〜2モルがより好ましい。
本発明においては、より高収率かつ高選択性で化合物(1)を合成できるため、酸触媒及び塩基触媒の非存在下で上記縮合環化反応を行うことが好ましい。本発明において、「酸触媒及び塩基触媒の非共存下」とは、酸触媒及び塩基触媒のいずれも使用しない態様に加えて、1モルの化合物(2)に対して、酸触媒及び塩基触媒をそれぞれ0.01モル未満の割合で共存する態様を包含する。
− その他 −
上記縮合環化反応においては、反応容器内を窒素及びアルゴン等の不活性ガスで置換してもよい。
本発明の製造方法における縮合環化反応は、多成分反応の一種であり、上記化合物(2)〜(4)の三成分が付加(縮合)反応し、次いで分子内環化反応して、ピラゾール化合物前駆体を形成する。
このときの反応機構の詳細はまだ明らかではないが、下記スキームに示す、化合物(5)を経由する一連の反応機構が考えられる。下記反応メカニズムにおいては、後述する位置異性体等の生成メカニズムも併せて示す。この反応メカニズムは、式(1)等のXとして−COORを採る態様について示しており、R及びRは上記式(1)におけるR及びRと同義である。また、ピラゾール化合物前駆体として化合物(5)及び化合物(6)のみを示すが、これ以外の化合物を含みうることは後述する通りである。
Figure 2019220962
(ピラゾール化合物前駆体)
上記縮合環化反応により得られるピラゾール化合物前駆体は、上記反応メカニズムに記載の化合物(5)及び化合物(6)に限定されず、続く酸化反応により、3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物を生成しうる化合物であればよい。例えば、上記反応メカニズムに示すように、化合物(5)及び化合物(6)の少なくともいずれか(以下、中間体Mともいう。)を含むことが好ましい。
この化合物(6)は、まず化合物(5)が生成し、引き続き、上記縮合環化反応での反応条件において脱水反応が進行して生成すると考えられる。化合物(5)から化合物(6)への転化速度は、用いる反応溶媒、酸触媒若しくは塩基触媒の有無等に依存する。
上記反応メカニズムにおいて、酸触媒を用いることにより化合物(5)から化合物(6)への転化速度を向上させることができる一方、副反応も加速される傾向にある。従って、化合物(5)の生成が完了していれば、化合物(6)への変換は必ずしも行わなくてもよく、後述する酸化工程で化合物(6)を生成させながら酸化反応を行ってもよい。化合物(5)の化合物(6)への変換を行わない(抑制できる)と、生成した化合物(6)の分解を抑制して、より高収率かつ高選択性で化合物(1)を合成できる。本発明において、化合物(1)を高選択性で合成できるとは、化合物(1)を、化合物(1)の位置異性体(特にヒドラジン化合物に由来する置換基Rの位置異性体であって化合物(1’)をいう。)の生成を抑制して、主成分として、合成することをいう。このときの選択性は、例えば、化合物(1)の位置異性体の生成量(質量基準)に対する、化合物(1)の生成量(質量基準)の割合(異性体比)により、評価できる。
上記縮合環化反応による得られるピラゾール化合物前駆体は、中間体M(上記の化合物(5)及び(6)の少なくともいずれか)の他に、下記スキームに示すように、これらの位置異性体である下記式(5’)で表される化合物及び下記式(6’)で表される化合物を含んでいてもよい。
また、アルコール溶媒及びカルボン酸溶媒等の求核性のある溶媒を上記縮合環化反応又は続く酸化反応で使用する場合には、上記化合物(6)とこの溶媒とが反応した下記式(7)で表される化合物を含むことも考えられる。
Figure 2019220962
上記式中、R、R及びXは上記式(1)におけるR、R及びXと同義である。
は、化合物(6)と反応したアルコール及びカルボン酸等の求核性のある溶媒の残基であり、具体的には、アルキル、アルキルカルボニル又はアリールカルボニル等を示す。
上述のようにして、縮合環化反応を行い、目的とするピラゾール化合物前駆体を得ることができる。
(上記ピラゾール化合物前駆体の酸化反応)
本発明の製造方法では、次いで、上記縮合環化反応で得られたピラゾール化合物前駆体を酸化して、下記式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を合成する。
この酸化反応は、酸性条件下で、公知の酸化剤を用いて行うことができ、好しくは、下記反応式に示すように、中間体M(化合物(5)及び化合物(6)の少なくとも一方)を含むピラゾール化合物前駆体を公知の酸化剤を用いて酸化する。
Figure 2019220962
− 酸化剤及び酸 −
上記酸化反応は、通常、酸及び溶媒の存在下、ピラゾール化合物前駆体を酸化剤で処理することで行うことができる。
酸化剤は、特に制限されないが、好ましい酸化剤としては、過酸化水素、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩(ペルオキシ一硫酸塩及びペルオキシ二硫酸塩を含む。)、過硫酸水素カリウム、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、パラジウム炭素、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、酸素ガス等が挙げられる。これらの酸化剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を用いてもよい。酸化剤は、1モルの化合物(2)に対して、好ましくは0.5〜10モル、より好ましくは1〜3モル用いる。
酸としては、特に制限されず、例えば、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。酸は、1モルの化合物(2)に対して、好ましくは0.5〜10モル、より好ましくは1〜3モル用いる。
酸化剤及び酸は、それぞれ、下記反応溶媒と混合した溶液として用いてもよい。
本発明においては、上記酸の存在による酸性条件下で、酸化剤として過硫酸塩(とりわけペルオキシ二硫酸塩)を用いた酸化反応が好ましい。
− 反応溶媒 −
上記酸化反応で用いる溶媒としては、特に制限されず、例えば、アミド溶媒、ウレア溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、スルホキシド溶媒、スルホン溶媒、エステル溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、ケトン溶媒、アルコール溶媒、カルボン酸溶媒、水等が挙げられる。
アミド溶媒、ウレア溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、スルホキシド溶媒、スルホン溶媒、エステル溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒及びケトン溶媒としては、上記縮合環化反応に用いる上記溶媒群<I>に含まれる各溶媒と同義である。また、アルコール溶媒としては、溶媒群<I>に含まれる溶媒以外の溶媒としてのアルコール溶媒と同義である。カルボン酸溶媒としては、−COOHを有する化合物からなる溶媒であればよく、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
これらの溶媒は単独で用いても、2種類以上を用いてもよい。
− 酸化反応の反応条件 −
反応温度は、上記ピラゾール化合物前駆体の酸化反応が進行する限り特に限定されず、0〜120℃が好ましく、比較的穏和な反応温度として、30〜80℃がより好ましい。反応時間は、反応条件に依存して設定されるので一義的に定まらないが、生産性の観点から、好ましくは0.1〜12時間、より好ましくは0.2〜3時間とする。
酸化反応が終了した後に後処理が必要な場合、用いる酸化剤に応じて通常の後処理を採用できる。このとき、後述する変換反応を同時に行うこともできる。
本発明の製造方法においては、縮合環化反応で得られた前駆体溶液からピラゾール化合物前駆体(好ましくは中間体M)を単離若しくは精製することなく、そのまま次工程に用いることもできる。この場合、ピラゾール化合物前駆体(好ましくは中間体M)の溶液にそのまま酸及び酸化剤を添加してもよいし、新たな溶媒を添加又は置換した上で酸及び酸化剤を添加してもよい。
すなわち、本発明の製造方法においては、ピラゾール化合物前駆体を後述する通常の方法によって単離若しくは精製して酸化反応に供してもよいが、製造効率、収率の点から、縮合環化反応で得られた前駆体溶液からピラゾール化合物前駆体を単離若しくは精製せずに酸化することが好ましい。
本発明において、「縮合環化反応で得られた前駆体溶液からピラゾール化合物前駆体を単離若しくは精製せずに酸化する」とは、前駆体溶液からピラゾール化合物前駆体の単離若しくは精製する工程を介在することなく、縮合環化反応と酸化反応とを連続して行うことを意味する。ここで、連続して行うとは、縮合環化反応と酸化反応とを行う時間的先後を意味するものであって、縮合環化反応と酸化反応との間に別の工程(濃度調整工程等)を行う態様も包含する。また、縮合環化反応と酸化反応とを連続して行う態様には、時間、場所又は実施者を適宜に変更して行う態様も包含する。
本発明において、連続して行う態様は、好ましくはワンポットで行う態様(ワンポット反応)である。ワンポット反応とは、通常、同一の反応容器(ポット)に原料を順に投入することにより、各反応の目的物を各反応液から単離若しくは精製することなく、多段階反応を連続的に行うことを意味するが、本発明においては、各反応の目的生成物を各反応液から単離若しくは精製しない反応様式であればよく、必ずしも同一かつ1つの反応容器で行う態様に制限されない。
上述のようにして、酸化反応を行い、目的とする、下記式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を製造することができる。
Figure 2019220962
式(1)中のR、R及びXは、それぞれ、式(2)のR及びX、式(3)のRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
3−ジフルオロメチルピラゾール化合物は、後述する通常の方法により、単離若しくは精製することもできる。
<3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法>
カルボン酸化合物の製造方法は、上記カルボン酸化合物前駆体の製造方法によって得られた上記式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物におけるXを−COOHに変換することで、下記式(1A)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物を製造することができる。
Figure 2019220962
上記式中、R、R及びXは上記式(1)におけるR、R及びXと同義である。
Xを−COOHに変換する方法としては、通常の変換方法を特に制限されることなく適用することができ、例えば加水分解反応が挙げられる。この加水分解反応は、Xとして採りうる上記各基に応じて、適宜の反応条件等で行うことができる。
本発明においては、上記変換反応は単離処理又は精製処理とともに行ってもよい。
上記変換反応は、上記酸化反応で得られた反応液から3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を単離若しくは精製せずに、行うこともできる。
本発明の製造方法により得られる化合物(1A)の単離方法に、特に制限はなく、抽出、晶出、蒸留又はカラムクロマトグラフィーなどの通常の方法によって、単離精製することができる。
上述のようにして、変換反応を行い、目的とする、上記式(1A)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物を製造できる。この3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物は、後述するように、医薬品及び農薬並びにこれらの合成中間体として有用な化合物である。
本発明の製造方法は、いずれも、上述のように、穏和な条件下、比較的廉価で入手容易な試薬を原料とし、簡便な操作で、目的とする化合物を、好収率かつ高選択性で、製造することができる。
<<式(5)で表されるピラゾリジン化合物>>
上述の、本発明の製造方法により、ピラゾール化合物前駆体の1種としての合成中間体として下記式(5)で表されるピラゾリジン化合物が合成される。このピラゾリジン化合物(5)は、本発明の製造方法における酸化反応、更には上記変換反応に供されることにより、式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物及び式(1A)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物を提供することができ、これら化合物の有用な合成中間体となる。
Figure 2019220962
上記式中、Rは−CFHを示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Xは−CN、−COOR又は−CONRを示し、Rはアルキル基を示し、R及びRは水素原子又はアルキル基を示す。式(5)におけるR〜R及びXは、上記式(1)におけるR〜R及びXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
<置換基T>
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子を有する5員環若しくは6員環のヘテロ環基がより好ましい。ヘテロ環基には芳香族ヘテロ環基及び脂肪族ヘテロ環基を含む。例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、ヘテロ環オキシ基(上記ヘテロ環基に−O−基が結合した基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜26のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、3−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカルボニル等)、ヘテロ環オキシカルボニル基(上記ヘテロ環基に−O−CO−基が結合した基)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基を含み、好ましくは炭素数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、オクタノイル、ヘキサデカノイル、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、ベンゾイル、ナフトイル、ニコチノイル等)、アシルオキシ基(アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基を含み、好ましくは炭素数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、オクタノイルオキシ、ヘキサデカノイルオキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、クロトノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ、ニコチノイルオキシ等)、アリーロイルオキシ基(好ましくは炭素数7〜23のアリーロイルオキシ基、例えば、ベンゾイルオキシ等)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、ヘテロ環チオ基(上記ヘテロ環基に−S−基が結合した基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜22のアリールスルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル等)、アルキルシリル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキルシリル基、例えば、モノメチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル等)、アリールシリル基(好ましくは炭素数6〜42のアリールシリル基、例えば、トリフェニルシリル等)、ホスホリル基(好ましくは炭素数0〜20のリン酸基、例えば、−OP(=O)(R)、ホスホニル基(好ましくは炭素数0〜20のホスホニル基、例えば、−P(=O)(R)、ホスフィニル基(好ましくは炭素数0〜20のホスフィニル基、例えば、−P(R)、スルホ基(スルホン酸基)、ヒドロキシ基、スルファニル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
は水素原子、ヒドロキシ基又はヒドロキシ基以外の置換基である。置換基としては、上記の置換基Tが挙げられるが、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が更に好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が更に好ましく、2〜3が特に好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が更に好ましく、2〜3が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜22が好ましく、7〜14がより好ましく、7〜10が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が更に好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニルオキシ基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が更に好ましく、2〜3が特に好ましい)、アルキニルオキシ基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が更に好ましく、2〜3が特に好ましい)、アラルキルオキシ基(炭素数7〜22が好ましく、7〜14がより好ましく、7〜10が特に好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、が好ましい。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tが更に置換していてもよい。
化合物、置換基及び連結基等がアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基及び/又はアルキニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。
以下に、実施例に基づき本発明について更に詳細に説明する。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。本発明において、室温とは20〜25℃を意味する。
<実施例4>
(式(1)で表される化合物の合成)
− 縮合環化反応 −
メチルヒドラジン(化合物(3)、94.6mg、化合物(2)に対するモル当量比は表1に示す。)のジエチレングリコールジメチルエーテル(以降、ジグライムという。)(1.7mL)溶液に、5℃にて、37%ホルマリン水溶液(化合物(4)、164.3mg)とジグライム(0.3mL)を混合した溶液、及び4,4−ジフルオロアセト酢酸エチル(化合物(2)、337.2mg)のジグライム(0.3mL)溶液を、この順番で滴下した。次いで、混合液を50℃で2時間撹拌した。こうして縮合環化反応を行い、前駆体溶液を得た。
− 酸化反応 −
次いで、得られた前駆体溶液から反応混合物を単離及び精製することなく同一容器中に、過硫酸カリウム(ペルオキシ二硫酸カリウム、0.81g)及び濃硫酸(0.39g)をジメチルホルムアミド(8.3mL)に混合した溶液を加え、更に50℃で30分間撹拌して、酸化反応を行った。
得られた反応液を室温まで冷却した後、メスフラスコに移し、酢酸エチルを用いて全量が50mLとなるように希釈した。
− 式(1)で表される化合物の確認 −
上記希釈液の上澄み10mLを1N塩酸水10mL、飽和炭酸水素ナトリウム溶液10mL及び飽和食塩水10mLでそれぞれ洗浄し、有機相を減圧環境下にて濃縮した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/2(体積比))で精製することにより、1−メチル−3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル49mgを得た。これをNMR(Nuclear Magnetic Resonance)、質量分析等により、確認(同定)した。
[使用装置及び測定条件]
NMR装置:BRUKER社製、AVANCE300(商品名)
測定溶媒:CDCl
測定温度:20℃
H−NMR δ:7.90(s,1H),7.10(t,J=54Hz,1H),4.31(q,J=7.2Hz,2H),3.97(s,3H),1.36(t,J=7.2Hz,3H)
MS:205.2(M
− 収率の測定及び選択性の評価 −
上記希釈液の上澄み液(1mL)及び標準物資(ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸トリエチルエステル)を20mLのメスフラスコに正確に測り取りアセトニトリルで希釈した。この溶液をUPLC(商品名、Ultra Performance LC、Waters社製)測定し、標準物質との面積強度(比及び別途求めたそれぞれの純品の検出波長でのモル吸光係数比)を比較することにより、1−N−メチル−3−ジフルオロメチルピラゾール化合物(下記表中で「UPLC収率(1)」と記載)及びその位置異性体(1−N−メチル−5−ジフルオロメチルピラゾール化合物(下記表中で「UPLC収率(1’)」と記載))の収率(化合物(2)を基準とする。)を算出した。また、化合物(1)の選択性については、化合物(1’)の収率に対する化合物(1)の収率の割合(異性体比)として、UPLC収率(1’)に対するUPLC収率(1)の比((1)/(1’))を算出して評価した(UPLC収率(1’)については、検出波長でのモル吸光係数が化合物(1)と等しいものとして算出した。)。その結果を表1の「UPLC収率」欄及び「選択性」欄に示す。
[使用装置及び測定条件]
UPLC装置:Waters社製、ACQUITY UPLC(商品名)システム
カラム:Waters社製、ACQUITY UPLC(商品名) BEH C18(粒子径1.7μm) 直径2.1mm×長さ30mm column
カラム温度:40℃
検出器:UV検出器(検出波長:223nm)
グラジエント条件:溶離液として0.5%ギ酸水溶液/アセトニトリルの組成を95/5から5/95に5分かけて変化させた。なお、溶離液の組成は体積比である。
流速:0.50mL/min
− 式(5)又は式(6)で表される化合物の確認 −
下記のようにして表1に示す実施例8と同条件で、式(5)又は(6)で表わされる化合物を合成して、NMR、質量分析等により、確認した。
すなわち、メチルヒドラジン(化合物(3)、109mg)のジメトキシエタン(以降、DMEという。)(1.7mL)溶液に、5℃にて、37%ホルマリン水溶液(化合物(4)、164.3mg)とDME(0.3mL)を混合した溶液、及び4,4−ジフルオロアセト酢酸エチル(化合物(2)、337.2mg)のDME(0.3mL)溶液を、この順番で滴下した。次いで、混合液を50℃で1時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、カラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積比)→酢酸エチル/ヘキサン/メタノール=5/2/1(体積比))にて、Rf値約0.08(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2(体積比))の成分100mgと、Rf値約0.7(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2(体積比))の成分15mgを単離精製して構造を確認した。その結果、前者は化合物(5)に相当する、1−メチル−3−ジフルオロメチル−3−ヒドロキシピラゾリジン−4−カルボン酸エチルエステルであり、後者は化合物(6)に相当する、1−メチル−3−ジフルオロメチル−4、5−ジヒドロピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルであった。
[使用装置及び測定条件]
NMR装置:BRUKER社製、AVANCE300(商品名)
測定溶媒:CDCl
測定温度:20℃
− Rf値約0.08(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2)の成分 −
H−NMR δ:5.28(t,J=55Hz,1H),4.49(bs,1H),4.38−4.16(m,2H),3.46(t,J=9.0Hz,1H),3.25(d,J=9.0Hz,2H),2.55(s,3H),1.31(t,J=6.9Hz,3H)
MS: 225.2(M

− Rf値約0.7(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2)の成分 −
H−NMR δ:6.41(t,J=54Hz,1H),4.28−4.18(m,2H),4.08−3.98(m,1H),3.62−3.49(m,2H),2.93(s,3H),1.30(t,J=7.2Hz,3H)
− 式(1A)で表される化合物の合成 −
上記式(1)で表される化合物の合成とは別に、式(1A)で表される化合物を以下のようにして合成した。
(式(1A)で表される化合物の合成例)
4,4−ジフルオロアセト酢酸エチル(化合物(2)、1.67g)のジグライム(8.5mL)溶液に、5℃にてメチルヒドラジン(化合物(3)、0.56g)とジグライム1.0mLを混合した溶液、及び、37%ホルマリン水溶液(化合物(4)、0.81g)とジグライム1.0mLを混合した溶液を、この順番で滴下し、この溶液を50℃で1.5時間撹拌することにより縮合環化中間体混合液を得た。次いで、得られた合溶液に過硫酸カリウム(ペルオキシ二硫酸カリウム、4.1g)及び濃硫酸(1.95g)をジメチルホルムアミド(42mL)に混合した溶液を加え、更に50℃で30分間撹拌して、酸化反応を行った。この溶液に酢酸エチル250mL及び1N塩酸水250mLを加えてよく撹拌した後、分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液200mL及び飽和食塩水200mLでそれぞれ洗浄し、有機相を減圧にて濃縮した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/2(体積比))で精製することにより1−メチル−3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル1.3g(63%)とジグライム0.9gの混合物を得た。
この混合物を10mLのエタノールで希釈し、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、60℃で3時間撹拌した。反応液を減圧にて濃縮した後、20mLの水に完溶させた後、濃塩酸水1.5mLを加え、5℃で30分撹拌した。析出した結晶を濾過、水洗、乾燥することにより、1−メチル−3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸0.8gを得た(加水分解工程収率72%)。
NMR装置:BRUKER社製、AVANCE300(商品名)
測定溶媒:DMSO−d6
測定温度:20℃
H−NMR δ:8.34(s,1H),7.21(t,J=54Hz,1H),3.91(s,3H)
<実施例1〜3、5〜13及び比較例1〜3>
表1に示すように、実施例4の(式(1)で表される化合物の合成)において、使用する原料化合物、仕込み比(表1に記載のない化合物の仕込み比は実施例4と同一)、反応溶媒、反応溶媒又は触媒の有無等の反応条件を変更した以外は、実施例4の(式(1)で表される化合物の合成)と同様にして、縮合環化反応及び酸化反応を行った。得られた希釈液について、実施例4と同様にして、各化合物の収率及び異性体比を算出若しくは算出して、その結果を表1に示す。
以下に、実施例及び比較例における反応スキームとその結果を示す。この反応スキーム及び表1において、R及びRは表1に示す通りであり、Meはメチル、Etはエチル、DMFはN,N−ジメチルホルムアミド、THFはテトラヒドロフラン、t−Buはtert−ブチル、DMEはジメチルエーテル、c.HClは12MHClを示す。また、表1の「反応溶媒」欄については、ホルマリン由来の水及びメタノールについての記載を省略している。「触媒」欄には用いた触媒名と使用量を記載し、使用量を示す数字は、用いた酸触媒又は塩基触媒の化合物(2)に対するモル当量比を示す。また、「−」は酸触媒及び塩基触媒をいずれも添加していないことを示す。
Figure 2019220962
表1に示されるように、3−トリフルオロメチルピラゾール化合物を合成した比較例1は、対応する目的化合物(1)の収率は27.7%、選択性(異性体比)は2.8といずれも低く、製造方法として劣っていた(3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を比較例1と同条件で合成した実施例7は、収率は63.8%であり、選択性は予想を上回る11.8であった。)。また、溶媒としてエタノールのみを用いた場合、反応時間が1時間である比較例2では目的物の収率は39.1%であり、反応時間が2時間である比較例3では目的物の収率は23.6%で、選択性は5.1と、収率がいずれも低く、製造方法として劣っていた(本発明で規定する反応溶媒を用い、比較例2と同条件で合成した実施例5は、収率は54.8%、選択性は7.1であった。また、本発明で規定する反応溶媒を用い、比較例3と同条件で合成した実施例1〜4は、収率は43.9〜63.1%、選択性は6.4〜7.2であった。)。
これに対して、本発明のカルボン酸化合物前駆体の製造方法により、式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を合成した実施例1〜13は、目的物である式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物を、廉価な原料から穏和な反応条件下で、簡便に、総じて約44%以上の好収率でしかも6.4以上という優れた選択性で製造することができる。特にピラゾール化合物前駆体を前駆体溶液から単離若しくは精製せずに酸化すると収率の向上効果が高くなる。
このように、本発明は、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物及び3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法、とりわけ工業的に適した製造方法を提供できる。
本発明の製造方法によれば、原料として、入手容易で比較的廉価な、化合物(2)、化合物(3)及びホルムアルデヒドから、穏和な条件下、簡便な操作で、目的とする3−ジフルオロメチルピラゾール化合物及び3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物を好収率で、しかも高選択性で(縮合環化反応における位置異性体の生成を抑制して)製造することができる。そのため、工業的な利用価値が高い。特に、本発明で得られる両化合物は、医薬品及び農薬の中間体として有益であり、このような医薬品及び農薬としては、例えば、ビキサフェン、フルキサピロキサド、ピジフルメトフェンが挙げられる。
また、この製造方法において有用な合成中間体を提供することができる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2018年5月18日に日本国で特許出願された特願2018−096387に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法であって、
    下記溶媒群<I>から選択される少なくとも一種を含む反応溶媒中で、下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表されるヒドラジン化合物とホルムアルデヒドとを縮合環化反応し、次いで、得られたピラゾール化合物前駆体を酸化する、3−ジフルオロメチルピラゾール化合物の製造方法。
    Figure 2019220962
    上記式中、Rは−CFHを示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Xは−CN、−COOR又は−CONRを示し、Rはアルキル基を示し、R及びRは水素原子又はアルキル基を示す。
    溶媒群<I>
    アミド溶媒、ウレア溶媒、ニトリル溶媒、エーテル溶媒、スルホキシド溶媒、スルホン溶媒、エステル溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒及びケトン溶媒
  2. 前記ピラゾール化合物前駆体が、下記式(5)で表される化合物及び下記式(6)で表される化合物の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の製造方法。
    Figure 2019220962
    上記式中、R、R及びXは前記式(1)におけるR、R及びXと同義である。
  3. 前記ピラゾール化合物前駆体を、酸性条件下で過硫酸塩を用いて酸化する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記ピラゾール化合物前駆体を、前記縮合環化反応で得られた前駆体溶液から単離若しくは精製せずに、酸化する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記縮合環化反応を、酸触媒及び塩基触媒の非存在下で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 下記式(1A)で表される3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた3−ジフルオロメチルピラゾール化合物におけるXを−COOHに変換する、3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸化合物の製造方法。
    Figure 2019220962
    上記式中、R及びRは前記式(1)におけるR及びRと同義である。
  7. 下記式(5)で表されるピラゾリジン化合物。
    Figure 2019220962
    上記式中、Rは−CFHを示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Xは−CN、−COOR又は−CONRを示し、Rはアルキル基を示し、R及びRは水素原子又はアルキル基を示す。
  8. 前記Rがアルキル基であって、前記Xが−COORである、請求項7に記載のピラゾリジン化合物。
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