JPWO2019216230A1 - 生型造型センサー、及び、生型造型性の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋳型造型機で造型される生型の造型性を評価する圧力センサーを備えた生型造型センサーであって、模型が取り付けられたプレートに前記圧力センサーが埋め込まれたこと、を特徴とする。
【選択図】図1
Description
第1の実施の形態について、添付図を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態に係る生型造型センサーを用いた鋳型造型装置の構造の概略を表す図であり、図2は、鋳型造型装置の中で、鋳型品質を評価する部分の構成を表す図である。本実施の形態に係る鋳型造型装置は、生型(鋳型)を造型後も鋳枠(金枠)が生型を内蔵したまま次工程へ移送する枠付造型機である。
生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、生型の造型時に、鋳型造型空間内に形成された生型砂からなる上型(又は下型)と、プレート2との接合部分である、見切り面に加わる圧力値(ピーク圧力)を測定する。生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、圧力センサーである。本実施の形態では、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、プレート2の4隅に埋め込まれている。後述するが、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dがこのように埋め込まれている理由は、プレート内に加わる圧力のばらつきを考慮した結果である。生型造型センサー10A、10B、10C、10Dをプレート2の4隅に埋め込むことにより、鋳型全体の強度分布を見ることができる。
鋳型品質評価装置12は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(圧力値データ)から鋳型造型装置1により造型された生型の品質を評価する。図5は、有線通信データに対する鋳型品質評価装置12の機能構成を表すブロック図である。鋳型品質評価装置12は、受信部15、増幅部16、入力部17、鋳型強度算出部18、鋳型品質判定部19、表示部20、送信部21、及び、記録部22を備えている。
次に、生型造型センサーが測定した見切り面に加わる圧力値(ピーク圧力)と、造型された生型の鋳型強度との関係について説明する。これらの関係を調べるため、造型機を用いて実験を行った。図7は、今回実施した実験の構成を表す概略図である。なお、図7は、プレートとセンサーの位置関係と、圧力センサーからの信号を増幅し記録する増幅器一体型記録計25、増幅器一体型記録計25に接続してセンサー測定値のグラフ化などの解析を行うパソコン26も併せて表す。実験は次のように行った。
そして、複数の生型に対して、上記2及び3を行い、データを収集した。表1は、今回の実験条件をまとめたものである。
図8は、スクイズ工程における生型造型センサーの圧力の経時変化を増幅器一体型記録計25に記録し、パソコン26で解析した結果の一例を表すグラフである。なお、本図は、スクイズ圧力を0.4MPaに設定した場合を表し、S1、S2、S3の3箇所で測定されたものである。図8に示すように、今回の造型機では、スクイズ工程において、スクイズを開始してから約2秒後にピーク圧力に達した。
・生型造型センサーのピーク圧力高=生型砂充填密度高=鋳型強度高
・生型造型センサーのピーク圧力低=生型砂充填密度低=鋳型強度低
の関係から、生型造型センサーのピーク圧力が低い場合は、溶湯の差し込み、砂落ち・砂噛み、湯漏れ等の欠陥の恐れがある。生型造型センサーのピーク圧力が高い場合は、模型と鋳型間の摺動抵抗が増し抜型不良の恐れがある。よって、検出される生型造型センサーのピーク圧力を適正に保てば、不良の低減に繋がる。
次に、鋳型強度算出部18による鋳型強度の算出方法を説明する。上述したように、鋳型強度と生型造型センサーの圧力のピーク値との間に相関関係があることが判明している。鋳型強度算出部18は、この関係を利用して、入力部17に入力された鋳型強度と、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(ピーク圧力)から鋳型強度を算出する。
−ステップ1
予め、所定の数の生型を造型し、スクイズ時に生型造型センサー10A、10B、10C、10Dで圧力値(ピーク圧力)を測定する。さらに、造型された各生型において生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが圧力を測定した位置の鋳型強度を作業者が測定し、入力部17に入力する。そして、鋳型強度と圧力値(ピーク圧力)の関係から作業者が式y=ax+bを決定する。
式y=ax+bの決定後、生型の造型を開始する。開始後は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(ピーク圧力)から、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度を式y=ax+bを用いて自動的に算出する。そのため、別途、鋳型強度を作業者が測定する必要はない。
次に、鋳型品質判定部19による鋳型品質の判定方法を説明する。鋳型品質判定部19は、入力部17に入力された鋳型強度の閾値と、鋳型強度算出部18が算出した鋳型強度から生型の品質を判定する。
−ステップ1
初めに、作業者が造型する生型の鋳型強度の閾値を入力する。図11は、表示部20に表示された画面の一例を表示する図である。本例では、作業者が入力した具体的な閾値が表示されている。ここで、図の表中の「センサーA強度正常範囲」は、生型造型センサー10Aの位置における鋳型強度の下限値と上限値であり、図の表中の「センサーB強度正常範囲」は、生型造型センサー10Bの位置における鋳型強度の下限値と上限値であり、図の表中の「センサーC強度正常範囲」は、生型造型センサー10Cの位置における鋳型強度の下限値と上限値であり、図の表中の「センサーD強度正常範囲」は、生型造型センサー10Dの位置における鋳型強度の下限値と上限値である。また、図の表中の「鋳型強度差(Max.−Min.)異常値」は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの圧力値から求めた鋳型強度の最大、最小値の差の異常値とする閾値である。本例では、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度の下限値は、10.0(N/cm2)、上限値は、20.0(N/cm2)、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度の最大値と最小値の差の異常値とする閾値は、5.0(N/cm2)に設定されている。
鋳型強度算出部18により式y=ax+bが決定され、鋳型強度の閾値が入力された後、生型の造型を開始する。開始後は、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定した圧力値(ピーク圧力)から、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dの位置における鋳型強度が自動的に算出される。そして、入力された鋳型強度の閾値と算出された鋳型強度から生型の品質を判定する。ここで、生型の品質の判定は、次のように行われる。
次に、鋳型造型装置1を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)について説明する。図13は、第1の実施の形態に係る鋳型造型装置1を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)の工程を示す図である。なお、図13では、図1に示す鋳型造型装置1のスクイズヘッド7にルーバーホッパ27が連結されている。ルーバーホッパ27は、図示しない生型砂搬送装置から所定量の生砂が投入され、一旦貯留された後、ルーバーホッパ27の下部のルーバー28が開いて鋳型造型空間に生型砂が投入される構造となっている。
1.造型を開始すると、テーブル9の上昇により、図13(a)の状態になる。この時ルーバーホッパ27内には、図示しない生型砂搬送装置から所定量の生砂が投入されている。
2.続いて、図13(b)に示すように、ルーバーホッパ27下部のルーバー28が開いて、ルーバーホッパ27内の生型砂がプレート2、金枠5および盛枠6により画成された鋳型造型空間に生型砂が投入される。
3.続いて、図13(C)に示すように、連結されたスクイズヘッド7とルーバーホッパ27が移動して、スクイズボード8が鋳型造型空間の直上に配置され、次いで、テーブル9の上昇により、鋳型造型空間内の生型砂をスクイズ(圧縮)する。この時、見切り面の圧力値(ピーク圧力)を生型造型センサー10A、10B、10C、10Dが測定する。なお、本工程で鋳型が造型される。この時、生型造型センサー10A、10B、10C、10Dは、プレート2の金枠5の壁と模型3との間にある。
4.見切り面の圧力値(ピーク圧力)が鋳型品質評価装置12に送信され、造型されたばかりの生型の品質を評価する。
6.次の造型に向けて金枠5が搬入され、ルーバーホッパ27への生型砂供給が完了すると、連結されたスクイズヘッド7とルーバーホッパ27が移動して、ルーバーホッパ27が鋳型造型空間の直上に配置された状態でテーブル9が上昇して次の生型の造型が開始される。
図16は、プレート2の別の形態を示す図である。図16(a)は、キャリア4に載置されたプレート2aとプレート2bを示している。すなわち、プレート2が中央部プレート2aと外周部プレート2bとに分割されている。中央部プレート2aと外周部プレート2bとは図示しないボルトによって固定されている。
次に、本発明に係る生型造型センサー、及び、生型造型性の評価方法の第2の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第2の実施の形態では、枠付造型機ではなく抜枠造型機を使用している。
生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hは、生型の造型時に、上枠31内に形成された生型砂からなる上型と、下枠32内に形成された生型砂からなる下型と、プレート2の接合部分である、見切り面に加わる圧力値(ピーク圧力)を測定する。生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hは、圧力センサーである。本実施の形態では、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hは、プレート2の上下面4隅に埋め込まれている。生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hがこのように埋め込まれている理由は、第1の実施の形態で説明した理由と同じである。
次に、鋳型造型装置29を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)について説明する。図19は、第2の実施の形態に係る鋳型造型装置29を用いた鋳型品質の評価方法(生型の造型方法)の工程を示す図である。なお、図19は、図17に示す鋳型造型装置29にサンドタンク36が隣接している。サンドタンク36は、図示しない生型砂搬送装置から所定量の生型砂が投入され、一旦貯留された後、投入孔が閉じられ、サンドタンク36内に圧縮空気が供給されると、上下鋳枠31、32の生型砂吹込み口35、35を介して上下鋳型造型空間に生型砂が吹き込まれて充填されるものとなっている。
1.造型を開始すると、図19(a)の状態から、模型3、3が取り付けられ、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hが埋め込まれたプレート2を載置したシャトル台車30が上枠31と下枠32の間に移動する。
2.次いで、下スクイズボード34と下枠32が上昇し、シャトル台車30からプレート2を持ち上げ、図19(b)の状態にセットされると、サンドタンク36に圧縮空気が供給され、上下鋳枠31、32の生型砂吹込み口35、35を介して上下鋳型造型空間に生型砂が吹き込まれて充填される。
3.次いで、上下スクイズボード33、34が図示しないシリンダの動作により、上下鋳枠31、32内の生型砂をスクイズ(圧縮)して、図19(c)の状態となる。この時、見切り面の圧力値(ピーク圧力)を生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hが測定する。なお、本工程で生型が造型される。この時、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、及び、10E、10F、10G、10Hは、プレート2の上下鋳枠31、32の壁と模型3との間にある。この時、測定された圧力値(ピーク圧力)は、鋳型品質評価装置12に送信され造型されたばかりの生型の品質を評価する。
5.型合わせされた上下生型は、鋳型造型装置29から次工程のラインに搬送される。
図22は、上下面に模型3が取り付けられたプレート2の別の形態を示す。図22(a)は、シャトル台車30に載置されたプレート2aとプレート2bを示している。すなわち、プレート2が中央部プレート2aと外周部プレート2bとに分割されている。中央部プレート2aと外周部プレート2bとは図示しないボルトによって固定されている。
第1及び第2の実施の形態では、鋳型品質評価装置12は、測定した鋳型強度と、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、(及び、10E、10F、10G、10H)が測定した圧力値(ピーク圧力)から鋳型強度と圧力値(ピーク圧力)の関係を求めた後、別途、生型造型センサー10A、10B、10C、10D、(及び、10E、10F、10G、10H)が測定した圧力値(ピーク圧力)から鋳型強度を算出している。そして、あらかじめ設定した鋳型強度の閾値と、算出された鋳型強度から造型された生型の品質を判定している。
2 プレート
2a 中央部プレート
2b 外周部プレート
3 模型
4 キャリア
5 金枠
6 盛枠
7 スクイズヘッド
8 スクイズボード
9 テーブル
10A〜10H 生型造型センサー
11 配線
12 鋳型品質評価装置
13 ライナー
14 ボルト
15、15’ 受信部
16、16’ 増幅部
17 入力部
18 鋳型強度算出部
19 鋳型品質判定部
20 表示部
21 送信部
22 記録部
23 パトライト
24 圧力値送信部
25 増幅器一体型記録計
26 パソコン
27 ルーバーホッパ
28 ルーバー
29 鋳型造型機(抜枠造型機)
30 シャトル台車
31 上枠
32 下枠
33 上スクイズボード
34 下スクイズボード
35 生型砂吹込み口
36 サンドタンク
Claims (13)
- 鋳型造型機で造型される生型の造型性を評価する圧力センサーを備えた生型造型センサーであって、
模型が取り付けられたプレートに前記圧力センサーが埋め込まれたこと、を特徴とする生型造型センサー。 - 前記模型が取り付けられた前記プレートは、前記鋳型造型機での生型造型時に金枠とによって画成される造型空間の境界の一部を構成する部材であること、を特徴とする請求項1に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーの受圧面と前記プレートの表面は、面一状態にあること、を特徴とする請求項1または2に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーは、前記プレートの生型造型時の金枠壁と前記模型との間に埋め込まれること、を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記プレートが矩形状とされ、前記圧力センサーが複数設けられ、これら圧力センサーが前記プレートの4隅に埋め込まれていること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記模型が取り付けられた前記プレートは、前記模型が取り付けられた中央部と、前記圧力センサーが埋め込まれた外周部とが分割され、前記模型が取り付けられた中央部のプレートが脱着可能に構成されていること、を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記鋳型造型機が枠付造型機であり、前記プレートがキャリアに載置されること、を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記鋳型造型機が抜枠造型機であり、前記プレートの両面に前記模型が取り付けられたこと、を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記鋳型造型機が抜枠造型機であり、前記プレートがシャトル台車に載置されること、を特徴とする請求項8に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーが螺着手段により前記プレートに固定されていること、を特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーが流体センサーであること、を特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 前記圧力センサーの受圧面の大きさは、直径5〜30mmであること、を特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の生型造型センサー。
- 模型が取り付けられたプレートに埋め込まれた圧力センサーを備えた生型造型センサーを用いて、鋳型造型機で造型される生型の造型性を評価すること、を特徴とする生型造型性の評価方法。
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