JPWO2019208276A1 - 積層体の製造方法、及び積層体 - Google Patents
積層体の製造方法、及び積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2019208276A1 JPWO2019208276A1 JP2020516234A JP2020516234A JPWO2019208276A1 JP WO2019208276 A1 JPWO2019208276 A1 JP WO2019208276A1 JP 2020516234 A JP2020516234 A JP 2020516234A JP 2020516234 A JP2020516234 A JP 2020516234A JP WO2019208276 A1 JPWO2019208276 A1 JP WO2019208276A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- metal foil
- resin
- laminate
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B05—SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D—PROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D7/00—Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
- B05D7/24—Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials for applying particular liquids or other fluent materials
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B05—SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D—PROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D5/00—Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures
- B05D5/12—Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures to obtain a coating with specific electrical properties
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B05—SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D—PROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
- B05D7/00—Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
- B05D7/14—Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials to metal, e.g. car bodies
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B15/00—Layered products comprising a layer of metal
- B32B15/04—Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
- B32B15/08—Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
- B32B15/082—Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin comprising vinyl resins; comprising acrylic resins
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/02—Making solutions, dispersions, lattices or gels by other methods than by solution, emulsion or suspension polymerisation techniques
- C08J3/03—Making solutions, dispersions, lattices or gels by other methods than by solution, emulsion or suspension polymerisation techniques in aqueous media
- C08J3/05—Making solutions, dispersions, lattices or gels by other methods than by solution, emulsion or suspension polymerisation techniques in aqueous media from solid polymers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
Description
高周波信号の伝送に用いられるプリント配線板には、伝送特性に優れることが要求される。伝送特性を高めるには、プリント配線板の樹脂層として、比誘電率及び誘電正接が低い材料を用いる必要がある。かかる絶縁材料としてはフッ素樹脂が知られているが、フッ素樹脂は金属箔との接着性が不充分である。
かかる積層体として、金属箔とフッ素樹脂層との間にシランカップリング剤を存在させた金属樹脂複合体が提案されており、前記金属樹脂複合体の製造方法として、特許文献1には、シランカップリング剤で処理された表面を有する金属箔とフッ素樹脂フィルムを熱圧着させる方法が開示されている。
[1]金属箔と、前記金属箔の少なくとも一方の表面に接するフッ素樹脂層とを有する積層体の製造方法であり、シランカップリング剤で処理された、十点平均粗さが0.2〜4μmである金属箔の表面に、380℃における溶融粘度が1×102〜1×106Pa・sであるテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーを含む分散液を塗布し乾燥し、加熱してフッ素樹脂層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
[2]前記樹脂パウダーの体積基準累積50%径が、0.05〜4μmである[1]の製造方法。
[3]前記金属箔のケイ素原子密度が、12atomic%以下である、[1]又は[2]の製造方法。
[4]前記金属箔が、シランカップリング剤を噴霧乾燥して処理された金属箔である、[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[5]前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ポリマーの全単位に対して、テトラフルオロエチレンに由来する単位を99.5mol%以上含む、[1]〜[4]のいずれかの製造方法。
[6]前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ポリマーの全単位に対して、テトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する単位を0.5mol%超含む、[1]〜[4]のいずれかの製造方法。
[7]前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[1]〜[6]のいずれかの製造方法。
[8]前記分散液の25℃における粘度が、10〜1000mPa・sである、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[9]前記シランカップリング剤が、アルコキシシリル基を有し、さらにメルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一種を有する化合物を含む、[1]〜[8]のいずれかの製造方法。
[10]前記シランカップリング剤が、アミノアルコキシシランと(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルコキシシランとの混合物である、[1]〜[9]のいずれかの製造方法。
[11]前記金属箔が、金属箔本体と、前記金属箔本体の前記フッ素樹脂層の側に設けられた防錆処理層とを有する、[1]〜[10]のいずれかの製造方法。
[12]シランカップリング剤で処理された表面を有する金属箔と、前記表面に接するフッ素樹脂層とを有し、前記表面の十点平均粗さが0.2〜4μmであり、前記フッ素樹脂の層が、380℃における溶融粘度が1×102〜1×106Pa・sであるテトラフルオロエチレン系ポリマーの層である積層体。
[13]前記フッ素樹脂層の厚さが、20μm未満である、[12]の積層体。
[14]前記金属箔のケイ素原子密度が、12atomic%以下である、[12]又は[13]の積層体。
[15]金属箔とフッ素樹脂層との剥離強度が、5N/cm以上である、[12]〜[14]のいずれかの積層体。
「樹脂パウダーのD50」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「樹脂パウダーのD90」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積90%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が90%となる点の粒子径である。
「溶融粘度」は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター及び2Φ−8Lのダイを用い、予め測定温度にて5分間加熱しておいたフッ素樹脂の試料(2g)を0.7MPaの荷重にて測定温度に保持して測定される溶融粘度を意味する。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「比誘電率」及び「誘電正接」は、ASTM D 150に準拠した変成器ブリッジ法にしたがい、温度を23℃±2℃の範囲内、相対湿度を50%±5%RHの範囲内に保持した試験環境において、絶縁破壊試験装置を用いて1MHzで求めた値である。高周波数帯では、SPDR(スプリットポスト誘電体共振器)法により、23℃±2℃、50±5%RHの範囲内の環境下にて、周波数20GHzで測定される値である。
「算術平均粗さ(Ra)」は、Oxford Instruments社製の原子間力顕微鏡を用い、層の表面を下記の測定条件にて分析して、層表面1μm2範囲のRaを求めた値である。
(測定条件)
プローブ:AC160TS−C3(先端R<7nm、バネ定数 26N/m)
測定モード:AC−Air
Scan Rate:1Hz
「十点平均粗さ(RzJIS)」は、JIS B 0601:2013の附属書JAで規定される値である。
図1〜図2における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なる。
本発明において、フッ素樹脂層の形成はTFE系ポリマーのパウダーの少なくとも一部が溶融し金属箔表面の微小な粗さ部分の凹凸に高度に充填して進行するため、フッ素樹脂層と金属箔は隙間なく大面積で接触する。
また、シランカップリング剤処理された金属箔は所定の表面粗さを有し、フッ素樹脂層の形成に際してはTFE系ポリマーとシランカップリング剤とが高度に相互作用して接着効果を発現しやすい。このように、金属箔の特徴とTFE系ポリマーのパウダーの特徴との相乗効果によって、本発明の積層体は、接着性と電気特性(フッ素樹脂の物性に起因する低い比誘電率と低い誘電正接性等。)に優れていると考えられる。
なお、この相乗効果は、実施例における積層体の剥離試験の結果、つまり、積層体を剥離させた際、金属箔とフッ素樹脂層とが層間剥離するのではなくフッ素樹脂層が凝集破壊している結果からも、裏付けられるとも言える。
本発明の積層体は、金属箔の両面にF樹脂層を有してもよい。
本発明の積層体は、F樹脂層に接する基板をさらに有してもよい。
本発明の積層体の層構成としては、金属箔/F樹脂層、金属箔/F樹脂層/金属箔、F樹脂層/金属箔/F樹脂層、基板/F樹脂層/金属箔、金属箔/F樹脂層/基板/F樹脂層/金属箔等が挙げられる。「金属箔/F樹脂層」とは、金属箔、F樹脂層がこの順に積層されていることを示し、他の層構成も同様である。
積層体10は、金属箔12と、金属箔12の一方の表面に接するフッ素樹脂層14とを有する。
図2は、本発明の積層体の他の例を示す断面模式図である。
積層体11は、金属箔12と、金属箔12の一方の表面に接するフッ素樹脂層14と、フッ素樹脂層14に接する基板16とを有する。
金属箔の表面がシランカップリング剤で処理されていることは、金属箔表面を蛍光X線分析(XRF)法で分析し、ケイ素原子とシランカップリング剤の官能基に特有の原子(窒素原子、硫黄原子等)とを検出することによって確認できる。ケイ素原子と前記原子の検出量は、検出限界以上であればよく、それぞれ0.01質量%以上検出されるのが好ましい。
金属箔表面のシランカップリング剤処理は、金属箔表面の全体にされていてもよく、金属箔表面の一部がされていてもよく、積層体の電気特性及び金属箔とF樹脂層の接着性の観点から、金属箔表面の一部がされているのが好ましい。
本発明の製造方法においては、TFE系ポリマーの分散液の塗布乾燥と加熱によるTFE系ポリマーの焼成によってフッ素樹脂層が形成され、焼成における高温加熱によりシランカップリング剤が部分的に分解しやすい。その分解物が多量であると、金属箔とフッ素樹脂層の接着強度、特に経時的な接着強度を低下させやすい。金属箔表面におけるシランカップリング剤の処理密度が、上記範囲にあると、かかる接着強度の低下を効果的に抑制しやすい。処理密度は、上述した噴霧乾燥法等の条件を変更することによって調整するのが好ましい。
反応性基としては、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、スルフィド基、スルホニル基、スルホ基、スルホニルジオキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ウレイド基が挙げられ、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基又はウレイド基が好ましく、メルカプト基、アミノ基又は(メタ)アクリル基がより好ましく、メルカプト基が特に好ましい。なお、(メタ)アクリル基とはアクリル基とメタクリル基の総称である。
1種のシランカップリング剤で処理する場合のシランカップリング剤は、アミノアルコキシシラン又はメルカプトアルコキシシランが好ましい。
複数種のシランカップリング剤で処理する場合のシランカップリング剤は、アミノアルコキシシランと(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルコキシシランとの混合物が好ましい。この場合、それぞれのシランカップリング剤の反応性基((メタ)アクリロイルオキシ基とアミノ基)の相互作用により、TFE系ポリマーの分散液からフッ素樹脂層が形成される際の濡れ性が向上し、金属箔表面とフッ素樹脂層の接着強度が特に向上しやすい。
金属箔としては、銅箔が好ましい。銅箔の具体例としては、圧延銅箔、電解銅箔が挙げられる。
金属箔は、金属箔本体と、金属箔本体のF樹脂層の側に設けられた防錆処理層とを有する金属箔が好ましい。なお、金属箔が防錆処理層を有する場合には、防錆処理層の表面がシランカップリング剤で処理されている。
防錆処理層は、金属箔の酸化を長期間抑制し、F樹脂層の比誘電率及び誘電正接の上昇が抑制する観点から、コバルト酸化物、ニッケル酸化物又は金属亜鉛を含むことが好ましく、金属亜鉛が特に好ましい。
金属箔には、耐熱層が形成されていてもよい。耐熱層としては、防錆処理層と同様な元素を含む層が挙げられる。
金属箔の厚さは、積層体の用途において充分な機能が発揮できる厚さであればよい。金属箔の厚さは、その表面の十点平均粗さ以上の厚さであり、2〜40μmが好ましい。金属箔としては、キャリア銅箔(厚さ10〜35μm)と、剥離層を介してキャリア銅箔上に積層された極薄銅箔(厚さ2〜5μm)とからなるキャリア付金属箔を使用してもよい。また、金属箔の厚さは、F樹脂層の厚さより大きいのが好ましい。
F樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて無機フィラー、フッ素樹脂以外の樹脂、添加剤等を含んでいてもよい。
F樹脂層の厚さは、1〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。より具体的な好適なF樹脂層の厚さの態様としては、20μm未満や10μm未満が挙げられる。この態様におけるF樹脂層の厚さは、1μm以上である。F樹脂層の厚さが前記下限値以上であれば、プリント配線板としての伝送特性に優れる。F樹脂層の厚さが前記上限値以下であれば、金属箔の一方の表面のみにF樹脂層を有する場合でも反りを抑制できる。F樹脂層の膜厚は、電磁式・渦電流式膜厚計で測定できる。
F樹脂層の最表面の算術平均粗さRaは、F樹脂層の厚さ未満であり、かつ、2.0〜30nmが好ましく、2.1〜10nmがより好ましく、2.2〜8nmが特に好ましい。Raが前記範囲の下限値以上であれば、F樹脂層と他の接着対象物との接着性に優れる。Raが前記範囲の上限値以下であれば、F樹脂層に貫通穴が形成されることなく他の接着対象物を積層できる。
TFE系ポリマーの比誘電率(測定周波数:1MHz)は、2.5以下が好ましく、2.4以下がより好ましく、2.0〜2.4が特に好ましい。TFE系ポリマーの比誘電率が低いほど、プリント配線板の伝送特性がさらに優れる。比誘電率の下限値は、通常2.0である。TFE系ポリマーの比誘電率は、TFEに由来する単位(以下、「TFE単位」とも記す。他の単位も同様である。)の割合によって調整できる。
TFE系ポリマーとしては、低分子量のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びフルオロポリマーAが挙げられる。
低分子量のPTFEとしては、高分子量のPTFE(溶融粘度が1×109〜1×1010Pa・s程度)に放射線を照射して得られるPTFE(国際公開第2018/026012号、国際公開第2018/026017号等)であってもよく、TFEを重合してPTFEを製造する際に連鎖移動剤を用い分子量を低減して得られるPTFE(特開2009−1745号公報、国際公開第2010/114033号等。)であってよい。
後者の場合、コモノマーの使用量はTFEに対して0.001〜0.05mol%が好ましい。また、シェル部分だけでなくコア部分も共重合により製造してもよい。この場合もコモノマーの使用量はTFEに対して0.001〜0.05mol%が好ましい。
フルオロポリマーAとしては、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、TFE/HFPコポリマー(FEP)、TFE/PAVEコポリマー(PFA)、等が挙げられる。フルオロポリマーAとしては、電気特性(誘電率、誘電正接)及び耐熱性の点から、PFA、FEPがより好ましく、PFAがさらに好ましい。
接着性基を有するTFE系ポリマーは、比誘電率及び誘電正接が低く、耐熱性、耐薬品性等が優れる点から、TFE単位及びコモノマー単位を有し、かつ接着性基を有するフルオロポリマーAが好ましい。
フルオロポリマーAは、接着性基を有する単位とTFE単位とを含むポリマーが好ましい。また、この場合のフルオロポリマーAは、さらに他の単位(後述するPAVE単位、HFP単位等)を含むのが好ましい。
カルボニル基含有基としては、メトキシ基、エトキシ基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基、脂肪酸残基等が挙げられ、カルボキシ基又は酸無水物残基が好ましい。
カルボニル基含有基を有するモノマーとしては、酸無水物残基を有する環状モノマー、カルボキシ基を有するモノマー、ビニルエステル又は(メタ)アクリレートが好ましく、酸無水物残基を有する環状モノマーが特に好ましい。
前記環状モノマーとしては、不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられ、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸。以下、「NAH」とも記す。)又は無水マレイン酸が好ましい。
PAVEとしては、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3(PPVE)、CF2=CFOCF2CF2CF2CF3、CF2=CFO(CF2)8F等が挙げられ、PPVEが好ましい。
FAEとしては、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4H等が挙げられ、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CH(CF2)2Fが好ましい。
フルオロポリマーAにおけるTFE単位の割合は、フルオロポリマーAを構成する全単位のうち、90〜99モル%が好ましい。
フルオロポリマーAにおけるPAVE単位の割合は、フルオロポリマーAを構成する全単位のうち、0.5〜9.97モル%が好ましい。
フルオロポリマーAにおける接着性基を有する単位の割合は、フルオロポリマーAを構成する全単位のうち、0.01〜3モル%が好ましい。
分散液は、TFE系ポリマーの樹脂パウダーと液状媒体を含み、分散媒である液状媒体にTFE系ポリマーのパウダーが分散した溶液である。
液状媒体は、水、アルコール(メタノール、エタノール等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジオキサン等)、エステル(乳酸エチル、酢酸エチル等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等)、グリコールエーテル(エチレングリコールモノイソプロピルエーテル等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)等が挙げられる。液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂パウダーのD90は、8.0μm以下が好ましく、1.5〜5.0μmが特に好ましい。樹脂パウダーのD90が前記範囲にある場合、樹脂パウダーの液状媒体への分散性とF樹脂層の均一性とに優れる。
樹脂パウダーの密充填嵩密度は、0.05g/mL以上が好ましく、0.1〜0.8g/mLが特に好ましい。
疎充填嵩密度又は密充填嵩密度が前記範囲にあれば、樹脂パウダーのハンドリング性が優れる。
樹脂パウダーに含まれる他の成分としては、TFE系ポリマー以外の樹脂、無機フィラー、ゴム等が挙げられる。TFE系ポリマー以外の樹脂としては、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
他の樹脂は、液状媒体に溶解する樹脂であってもよく、液状媒体に溶解しない樹脂であってもよい。
他の樹脂は、非硬化性樹脂であってもよく、硬化性樹脂であってもよい。
非硬化性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド等の熱溶融性樹脂、硬化性樹脂の硬化物等の非溶融性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、プリント配線板に有用な点から、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸が好ましく、エポキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸が特に好ましい。熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分散液における液状媒体の割合は、15〜65質量%が好ましく、25〜50質量%が特に好ましい。液状媒体の割合が前記範囲にある場合、分散液の金属箔の塗布性と形成されるF樹脂層の外観とが良好になる。
なお、分散液が他の樹脂を含む場合、分散液における他の樹脂の割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量部が特に好ましい。他の樹脂の割合が前記範囲にある場合、F樹脂層の機械的強度とF樹脂層の比誘電率及び誘電正接とがバランスしやすい。
乾燥温度は、50〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。加熱温度が前記範囲にある場合、積層体の生産性と、F樹脂層と金属箔とF樹脂層の接着性とが向上しやすい。なお、乾燥温度は、通常、雰囲気の温度を示す。
乾燥時間は、0.1〜30分間が好ましく、0.5〜20分間がより好ましい。
所定の温度にてTFE系ポリマーの少なくとも一部を溶融させることによって、樹脂パウダーの個々の粒子の融着が進行するだけでなく、TFE系ポリマーが金属箔表面の微小な粗さ部分の凹凸に高度に充填するため、金属箔とF樹脂層の接着性が優れる。なお、分散液が他の樹脂を含む場合、例えば、熱溶融性の他の樹脂を含む場合は、TFE系ポリマーと該樹脂が溶融ブレンドしたF樹脂層が形成され、熱硬化性の他の樹脂を含む場合は、TFE系ポリマーと該樹脂の硬化物からなるF樹脂層が形成される。
遠赤外線の有効波長帯は、TFE系ポリマーの均質な焼成をもたらし、均一なF樹脂層を形成できる点から、2〜20μmが好ましく、3〜7μmが特に好ましい。なお、遠赤外線の照射による加熱と熱風による加熱とを組み合わせてもよい。
不活性ガスとしては、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、窒素ガス等が挙げられ、窒素ガスが好ましい。
還元性ガスとしては、水素ガスが挙げられる。還元性ガス雰囲気は、0.1体積%以上4体積%未満の水素ガスと窒素ガスとの混合ガスが好ましい。
加熱時間は、30秒〜30分間が好ましく、30秒〜10分間がより好ましく、1〜1分30秒間がさらに好ましい。加熱時間が前記範囲にあれば、TFE系ポリマーが金属箔表面の微小な粗さ部分の凹凸に高度に充填させつつ、積層体の生産性にも優れる。
本発明の積層体を利用したプリント配線板は、本発明の積層体の金属箔をエッチング等によって加工して所定のパターンの導体回路を形成する方法や、本発明の積層体をセミアディティブ法(SAP法)又はモディファイドセミアディティブ法(MSAP法)による電解めっきによって導体回路を形成する方法によって製造できる。
プリント配線板の製造においては、導体回路を形成した後に、導体回路上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上にさらに導体回路を形成してもよい。この際、導体回路上に、ソルダーレジストを積層してもよく、カバーレイフィルムを積層してもよい。
たとえば、アニール処理によって、厚さ方向の線膨張係数を低減できる。
アニール処理の温度は、80〜190℃が好ましく、120〜180℃が特に好ましい。アニール処理の時間は、10〜300分間が好ましく、30〜120分間が特に好ましい。アニール処理の際の圧力は、0.001〜0.030MPaが好ましく、0.005〜0.015MPaが特に好ましい。
また、表面処理によって、積層体(樹脂層付金属箔)のF樹脂層の表面に基板を積層する場合の、F樹脂層と基板との接着性を向上できる。表面処理としては、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、UVオゾン処理、エキシマ処理、ケミカルエッチング、シランカップリング剤処理、微粗面化処理等が挙げられ、真空プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理に用いるガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、希ガス(アルゴン等)、水素ガス、アンモニアガス等が挙げられ、希ガス又は窒素ガスが好ましい。ガスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の積層体のF樹脂層の表面には、さらに基板を積層してもよい。基板としては、耐熱性樹脂フィルム、繊維強化樹脂板の前駆体であるプリプレグ等が挙げられる。
プリプレグは、強化繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)の基材(トウ、織布等)に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の基板である。
本発明の積層体のF樹脂層の表面に基板を積層する方法としては、本発明の積層体のF樹脂層側の表面と基板を熱プレスする方法が挙げられる。
耐熱性樹脂フィルムは、耐熱性樹脂以外の他の成分を含んでいてもよい。また、耐熱性樹脂フィルムの表面は、コロナ放電処理、プラズマ処理等によって表面処理されていてもよい。
耐熱性樹脂フィルムの膜厚は、プリント配線板の薄肉化及び機械的強度のバランスの点から、0.5〜100μmが好ましく、3〜25μmがさらに好ましい。
マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)の硬化物、耐熱性樹脂等が挙げられる。
強化繊維としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維等の有機繊維が挙げられる。強化繊維の形態としては、織布、不織布等が挙げられる。
基板が耐熱性樹脂フィルムの場合、プレス温度は、310〜400℃が好ましく、330〜370℃が特に好ましい。プレス温度が前記範囲にあれば、耐熱性樹脂フィルムの熱劣化を抑制しつつ、積層体と耐熱性樹脂フィルムを高強度接着できる。
熱プレスの圧力は、0.2MPa以上が好ましく、1MPa以上がさらに好ましい。また、プレス圧は、10MPa以下が好ましい。
<ポリマーの共重合組成比>
NAHに由来する単位を含むフルオロポリマーにおける該単位の割合(モル%)は、そのプレス成形品(厚さ200μmのフィルム)の赤外吸収スペクトルにおいて、1778cm−1に現れる前記単位の吸収ピークの吸光度を、NAHのモル吸光係数20810mol−1・L・cm−1で換算して求め、他の単位の割合は溶融NMR分析及びフッ素含有量分析により求めた。
<樹脂パウダーのD50及びD90>
ポリマーのパウダーを水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用いて測定した。
<金属箔表面の元素分析1>
XRF分析装置(リガク社製、ZSX PrimusII、測定径30mmφ)を用い、金属箔の表面を分析し、炭素原子を除く原子種と、その組成(質量%)とを求めた。
<金属箔表面の元素分析2>
XPS法による金属箔の表面分析(SEM装置:日立ハイテクノロジーズ社製 SU8230、EDX装置:Bruker社製 QUANTAX XFlash FQ。)により、金属箔表面のケイ素原子密度(atomic%)を求めた。
Oxford Instruments社製の原子間力顕微鏡を用い、層の表面を下記の測定条件にて分析して、層表面1μm2範囲のRaを求めた。
(測定条件)
プローブ:AC160TS−C3(先端R<7nm、バネ定数 26N/m)
測定モード:AC−Air
Scan Rate:1Hz
矩形状(長さ100mm、幅10mm)に切り出した積層体の長さ方向の一端から50mmの位置を固定し、引張り速度50mm/分で、長さ方向の片端から積層体に対して90°剥離させた際にかかる、最大荷重を剥離強度(N/cm)とした。
<剥離片の濡れ張力>
ぬれ張力試験用混合液(和光純薬工業社製)を用い、JIS K 6768:1999で規定される方法で測定される値である。
[TFE系ポリマー]
ポリマー1:TFE(テトラフルオロエチレン)に由来する単位、NAH(無水ハイミック酸)に由来する単位及びPPVE(ペルフルオロプロピルビニルエーテル)に由来する単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%含むコポリマーであり、融点300℃、かつ、300℃における溶融粘度が103であるポリマー。
ポリマー2:TFEに由来する単位を99.5モル%以上含む実質的にTFEのホモポリマーであり、380℃おける溶融粘度が1.4×104であるポリマー。
ポリマー3:TFEに由来する単位を99.5モル%以上含む実質的にTFEのホモポリマーであり、380℃おける溶融粘度が1.1×1010であるポリマー。
箔1:RzJISが1.1μmの、シランカップリング剤処理面を有する銅箔(厚さ18μm。元素分析1による、箔表面のケイ素原子量0.05質量%、硫黄原子量0.01質量%。三井金属鉱業社製、品番:HS1−VSP)
箔2:RzJISが1.2μmの、シランカップリング剤処理面を有する銅箔(厚さ12μm。元素分析1による、箔表面のケイ素原子量0.33質量%、硫黄原子量0.01質量%。福田金属箔粉工業社製、品番:CF−T4X−SV)
箔3:RzJISが1.1μmの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔4:RzJISが1.1μmの、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔5:RzJISが3.4μmの、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔6:RzJISが4.5μmの、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔7:RzJISが0.1μmの、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔8:RzJISが1.1μmの、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシランの等量混合物による処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔9:RzJISが1.1μmの、3−アミノプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔10:RzJISが1.1μmの、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ18μm)
箔11:RzJISが1.2μmの、3−アミノプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ12μm。元素分析2による、箔表面のケイ素原子密度8.5atomic%。)
箔12:RzJISが0.9μmの、3−アミノプロピルトリメトキシシラン処理面を有する銅箔(厚さ12μm。元素分析2による、箔表面のケイ素原子密度13.1atomic%。)
国際公開第2016/017801号の段落[0123]に記載の方法でポリマー1のパウダー(D50:2.6μm、D90:7.1μm)を得た。
このパウダーの120g、ノニオン性界面活性剤(ネオス社製、フタージェント710FL)の12g、メチルエチルケトンの234gを横型ボールミルポットに投入し、15mm径のジルコニアボールにて分散させ、ポリマー1のパウダーが分散した分散液1を得た。ポリマー1のパウダーのかわりにポリマー2のパウダー(D50:0.3μm)を用いる以外は同様にして分散液2を、ポリマー1のパウダーのかわりにポリマー3のパウダー(D50:0.3μm)を用いる以外は同様にして分散液3を、それぞれ得た。分散液の25℃おける粘度は、分散液1が230mPa・sであり、分散液2が780mPa・sであり、分散液3が1000mPa・s超であった。
[例2−1]
箔1のシランカップリング処理面にパウダー分散液1を塗布し、窒素雰囲気下、100℃で15分乾燥し、さらに350℃で15分間加熱し、徐冷して、ポリマー1層(膜厚7μm)と箔1とが接着積層された積層体を得た。
プラズマ処理装置(NORDSON MARCH社製、AP−1000)を用い、RF出力:300W、電極間ギャップ:2インチ、導入ガス:アルゴンガス、導入ガス量:50cm3/分、圧力:13Pa、処理時間:1分間の条件で、積層体のポリマー1層側をプラズマ処理した。プラズマ処理後のポリマー1層表面のRaは8nmであった。
次に、ポリマー1層の表面に、プリプレグであるFR−4シート(日立化成社製、強化繊維:ガラス繊維、マトリックス樹脂:エポキシ樹脂、品名:CEA−67N 0.2t(HAN)、厚さ:0.2mm)を重ねて設置し、真空熱プレス(温度:185℃、圧力:3.0MPa、時間:60分間)して、プリプレグ、ポリマー1層、箔1がこの順に積層された片面銅張積層体を得た。
プリプレグであるFR−4シート(日立化成社製、強化繊維:ガラス繊維、マトリックス樹脂:エポキシ樹脂、品名:CEA−67N 0.2t(HAN)、厚さ:0.2mm)の各面それぞれに、積層体を最外層に銅箔が構成されるように設置し、プレス温度:185℃、プレス圧:3.0MPa、プレス時間:60分間の条件で真空熱プレスして両面銅張積層体を得た。
片面銅張積層体の剥離強度は14N/cmであり、両面銅張積層体に伝送線路を形成してなるプリント配線基板が示す電気特性は、比誘電率で4.51であり誘電正接で0.01511であった。
箔1のかわりに箔2を用いる以外は、例2と同様にして、積層体、片面銅張積層体及び両面銅張積層体を得た。
積層体のプラズマ処理後のポリマー1層表面のRaは5nmであり、片面銅張積層体の剥離強度は10N/cmであり、両面銅張積層体に伝送線路を形成してなるプリント配線基板が示す電気特性は、両面銅張積層体の比誘電率で4.32であり誘電正接で0.01568であった。
箔1のシランカップリング剤処理面をUVコロナ処理して、シランカップリング剤処理面が除去された銅箔(箔表面のケイ素原子量:検出限界未満)を得た。この銅箔を用いる以外は、例2−2と同様にして、積層体と片面銅張積層体を得た。片面銅張積層体の剥離強度は2N/cmにすぎなかった。
さらに、例2−1と例2−2における、剥離試験後の剥離金属箔片と剥離プリプレグ片との、それぞれポリマー1層が接していた面側は、水性インクをはじくことを確認した。一方、例2−3における、剥離金属箔片のポリマー1層が接していた面側は水性インクをはじかず、剥離金属箔片のポリマー1層が接していた面側のみが水性インクをはじいた。また、例2−1と例2−2における剥離金属箔片のポリマー1層が接していた面側の濡れ張力はそれぞれ22.6mN/mであり、例2−3におけるそれが40mN/mであった。つまり、例2−1と例2−2の積層体では、剥離試験において、ポリマー1層が凝集破壊して剥離するほどポリマー1と金属箔とが強固に接着積層していた。
[例3−1〜例3−9]
使用する分散液と金属箔の種類を変更する以外は、例2と同様にして、片面銅張積層体と両面銅張積層体を得て、物性を評価した。結果をまとめて表1に示す。
表中の剥離強度を示す記号は、9N/cm以上の場合が「S」、7N/cm以上9N/cm未満の場合が「A」、5N/cm以上7N/cm未満の場合が「B」、5N/cm未満の場合が「C」である。
表中の電気特性を示す記号は、比誘電率と誘電正接が、この順に、4.55以下であり0.016以下である場合が「a」、4.5超であり0.016超である場合が「b」、測定していない場合が「−」である。
[例4−1]
箔1のかわりに箔11に使用する以外は例2−1と同様にして片面銅張積層体と両面銅張積層体を製造した。製造直後の片面銅張積層体の剥離強度は10N/cmであり、3カ月間25℃にて保管した片面銅張積層体の剥離強度は8N/cmであった。
[例4−2]
箔1のかわりに箔12に使用する以外は例2−1と同様にして片面銅張積層体と両面銅張積層体を製造した。製造直後の片面銅張積層体の剥離強度は10N/cmであり、3カ月間25℃にて保管した片面銅張積層体の剥離強度は5N/cm未満であった。
なお、2018年4月26日に出願された日本特許出願2018−085492号及び2019年1月18日に出願された日本特許出願2019−006964の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (15)
- 金属箔と、前記金属箔の少なくとも一方の表面に接するフッ素樹脂層とを有する積層体の製造方法であり、シランカップリング剤で処理された、十点平均粗さが0.2〜4μmである金属箔の表面に、380℃における溶融粘度が1×102〜1×106Pa・sであるテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーを含む分散液を塗布し乾燥し、加熱してフッ素樹脂層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
- 前記樹脂パウダーの体積基準累積50%径が、0.05〜4μmである請求項1に記載の製造方法。
- 前記金属箔のケイ素原子密度が、12atomic%以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記金属箔が、シランカップリング剤を噴霧乾燥して処理された金属箔である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ポリマーの全単位に対して、テトラフルオロエチレンに由来する単位を99.5mol%以上含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ポリマーの全単位に対して、テトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する単位を0.5mol%超含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記分散液の25℃における粘度が、10〜1000mPa・sである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記シランカップリング剤が、アルコキシシリル基を有し、さらにメルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一種を有する化合物を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記シランカップリング剤が、アミノアルコキシシランと(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルコキシシランとの混合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記金属箔が、金属箔本体と、前記金属箔本体の前記フッ素樹脂層の側に設けられた防錆処理層とを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
- シランカップリング剤で処理された表面を有する金属箔と、前記表面に接するフッ素樹脂層とを有し、前記表面の十点平均粗さが0.2〜4μmであり、前記フッ素樹脂層が380℃における溶融粘度が1×102〜1×106Pa・sであるテトラフルオロエチレン系ポリマーの層である積層体。
- 前記フッ素樹脂層の厚さが、20μm未満である、請求項12に記載の積層体。
- 前記金属箔のケイ素原子密度が、12atomic%以下である、請求項12又は13に記載の積層体。
- 金属箔とフッ素樹脂層との剥離強度が、5N/cm以上である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の積層体。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018085492 | 2018-04-26 | ||
JP2018085492 | 2018-04-26 | ||
JP2019006964 | 2019-01-18 | ||
JP2019006964 | 2019-01-18 | ||
PCT/JP2019/016028 WO2019208276A1 (ja) | 2018-04-26 | 2019-04-12 | 積層体の製造方法、及び積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019208276A1 true JPWO2019208276A1 (ja) | 2021-05-13 |
JP7248022B2 JP7248022B2 (ja) | 2023-03-29 |
Family
ID=68295467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020516234A Active JP7248022B2 (ja) | 2018-04-26 | 2019-04-12 | 積層体の製造方法、及び積層体 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7248022B2 (ja) |
KR (1) | KR20210003082A (ja) |
CN (1) | CN112004610A (ja) |
TW (1) | TW201945208A (ja) |
WO (1) | WO2019208276A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021157507A1 (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-12 | Agc株式会社 | 積層体の製造方法及び液状組成物 |
TW202204507A (zh) * | 2020-05-21 | 2022-02-01 | 日商Agc股份有限公司 | 具有包含熱熔融性四氟乙烯系聚合物之層之積層體之製造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH044146A (ja) * | 1990-04-23 | 1992-01-08 | Kawatetsu Galvanizing Co Ltd | フッ素樹脂フィルム被覆a1合金めっき綱板 |
JP2008260864A (ja) * | 2007-04-12 | 2008-10-30 | Daikin Ind Ltd | 水性分散体の製造方法及び水性分散体 |
JP2009235565A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-10-15 | Nippon Paint Co Ltd | 銅の表面処理液および表面処理方法 |
WO2011048965A1 (ja) * | 2009-10-22 | 2011-04-28 | ダイキン工業株式会社 | 被覆物品の製造方法、及び、被覆物品 |
JP2011225710A (ja) * | 2010-04-19 | 2011-11-10 | Daikin Industries Ltd | フルオロポリマー非水系分散液 |
WO2016017801A1 (ja) * | 2014-08-01 | 2016-02-04 | 旭硝子株式会社 | 樹脂パウダー、その製造方法、複合体、成形体、セラミックス成形体の製造方法、金属積層板、プリント基板及びプリプレグ |
JP2017128804A (ja) * | 2016-01-15 | 2017-07-27 | Jx金属株式会社 | 銅箔、銅張積層板、プリント配線板の製造方法、電子機器の製造方法、伝送路の製造方法及びアンテナの製造方法 |
WO2018055839A1 (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | 三菱ケミカル株式会社 | アクリル樹脂フィルム |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0657872B2 (ja) * | 1986-01-28 | 1994-08-03 | 日本パ−カライジング株式会社 | ステンレス鋼の表面処理方法 |
JPH05269918A (ja) * | 1992-03-25 | 1993-10-19 | Unitika Ltd | フツ素樹脂銅張積層板の連続製造法 |
TW326423B (en) * | 1993-08-06 | 1998-02-11 | Gould Inc | Metallic foil with adhesion promoting layer |
WO2003077363A1 (fr) * | 2002-03-13 | 2003-09-18 | Daikin Industries, Ltd. | Radome |
CN105339166B (zh) * | 2013-05-31 | 2018-06-22 | 住友电气工业株式会社 | 金属-树脂复合体、配线材料、以及金属-树脂复合体的制造方法 |
CN106660322B (zh) * | 2014-07-16 | 2019-11-22 | 松下知识产权经营株式会社 | 覆金属箔层压板及其制造方法、附着树脂的金属箔、和印刷电路板 |
CN107921732B (zh) * | 2015-08-20 | 2019-08-13 | Agc株式会社 | 层叠基材及其成形体的制造方法 |
US10244635B2 (en) * | 2016-03-03 | 2019-03-26 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | Production method for copper-clad laminate plate |
-
2019
- 2019-04-12 KR KR1020207020174A patent/KR20210003082A/ko not_active Application Discontinuation
- 2019-04-12 CN CN201980028003.7A patent/CN112004610A/zh active Pending
- 2019-04-12 WO PCT/JP2019/016028 patent/WO2019208276A1/ja active Application Filing
- 2019-04-12 JP JP2020516234A patent/JP7248022B2/ja active Active
- 2019-04-17 TW TW108113349A patent/TW201945208A/zh unknown
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH044146A (ja) * | 1990-04-23 | 1992-01-08 | Kawatetsu Galvanizing Co Ltd | フッ素樹脂フィルム被覆a1合金めっき綱板 |
JP2008260864A (ja) * | 2007-04-12 | 2008-10-30 | Daikin Ind Ltd | 水性分散体の製造方法及び水性分散体 |
JP2009235565A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-10-15 | Nippon Paint Co Ltd | 銅の表面処理液および表面処理方法 |
WO2011048965A1 (ja) * | 2009-10-22 | 2011-04-28 | ダイキン工業株式会社 | 被覆物品の製造方法、及び、被覆物品 |
JP2011225710A (ja) * | 2010-04-19 | 2011-11-10 | Daikin Industries Ltd | フルオロポリマー非水系分散液 |
WO2016017801A1 (ja) * | 2014-08-01 | 2016-02-04 | 旭硝子株式会社 | 樹脂パウダー、その製造方法、複合体、成形体、セラミックス成形体の製造方法、金属積層板、プリント基板及びプリプレグ |
JP2017128804A (ja) * | 2016-01-15 | 2017-07-27 | Jx金属株式会社 | 銅箔、銅張積層板、プリント配線板の製造方法、電子機器の製造方法、伝送路の製造方法及びアンテナの製造方法 |
WO2018055839A1 (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | 三菱ケミカル株式会社 | アクリル樹脂フィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2019208276A1 (ja) | 2019-10-31 |
TW201945208A (zh) | 2019-12-01 |
JP7248022B2 (ja) | 2023-03-29 |
CN112004610A (zh) | 2020-11-27 |
KR20210003082A (ko) | 2021-01-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7396403B2 (ja) | 液状組成物、並びに該液状組成物を使用した、フィルムおよび積層体の製造方法 | |
US11370200B2 (en) | Fluororesin film and laminate, and method for producing hot pressed laminate | |
TWI824049B (zh) | 分散液 | |
JP7234944B2 (ja) | 長尺積層体、その製造方法及びプリント配線板 | |
TWI814836B (zh) | 分散液、附樹脂之金屬箔之製造方法、及印刷基板之製造方法 | |
TWI826452B (zh) | 附樹脂之金屬箔之製造方法、附樹脂之金屬箔、積層體及印刷基板 | |
JP7243724B2 (ja) | 樹脂付金属箔 | |
JP7230932B2 (ja) | 積層体及びその製造方法、複合積層体の製造方法、並びにポリマーフィルムの製造方法 | |
JP7248022B2 (ja) | 積層体の製造方法、及び積層体 | |
CN112703107B (zh) | 层叠体、印刷基板及其制造方法 | |
TWI826544B (zh) | 分散液 | |
JP2020070401A (ja) | 分散液 | |
JP2020055241A (ja) | 樹脂付金属箔及び樹脂付金属箔の製造方法 | |
JP2020083990A (ja) | 複合体の製造方法及び複合体 | |
WO2021187456A1 (ja) | 表面改質されたテトラフルオロエチレン系ポリマーの製造方法、改質パウダーの製造方法、液状組成物、改質成形物の製造方法、および、改質成形物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220830 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221025 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230214 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230227 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7248022 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |