JPWO2019208133A1 - 複合焼結体 - Google Patents

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Abstract

複合焼結体は、平均粒径が10μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が2μm以下の複数の立方晶窒化ホウ素粒子と、平均粒径が0.5μm以下の複数の酸化アルミニウム粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相はコバルトを含み、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率が30体積%以上92体積%以下であり、立方晶窒化ホウ素粒子の含有率が3体積%以上40体積%以下であり、酸化アルミニウム粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、コバルトの含有率が3体積%以上30体積%以下である。

Description

本開示は、複合焼結体に関する。本出願は、2018年4月24日に出願した日本特許出願である特願2018−083374号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
特開2005−239472号公報(特許文献1)は、平均粒径が2μm以下の焼結ダイヤモンド粒子と、残部の結合相とを備えた高強度・高耐摩耗性ダイヤモンド焼結体であって、ダイヤモンド焼結体中の焼結ダイヤモンド粒子の含有率は80体積%以上98体積%以下であり、結合相中の含有率が0.5質量%以上50質量%未満であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、およびモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素と、結合相中の含有率が50質量%以上99.5質量%未満であるコバルトとを結合相は含み、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、およびモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素の一部または全部が平均粒径0.8μm以下の炭化物粒子として存在し、炭化物粒子の組織は不連続であり、隣り合う焼結ダイヤモンド粒子同士は互いに結合している高強度・高耐摩耗性ダイヤモンド焼結体を開示する。
特開平9−316587号公報(特許文献2)は、焼結ダイヤモンド粒子と、残部として結合材とを含み、焼結ダイヤモンド粒子は0.1〜4μmの範囲内の粒径を有し、結合材はFe、CoおよびNiからなる群から選ばれた少なくとも1つの鉄族金属を含み、酸素含有量が0.01〜0.08重量%の範囲内である高強度微粒ダイヤモンド焼結体を開示する。
特開平1−17836号公報(特許文献3)は、体積で6〜0.1%の周期律表第4a,5aまたは6a族の遷移金属、ホウ素、もしくはシリコンが均一にコーティングされたダイヤモンド原料紛体粒子を超高圧高温下で焼結せしめてなる焼結体により構成され、ダイヤモンドを体積で94〜99.8%含有し、残部が上記コーティング材料の炭化物からなるダイヤモンド焼結体を開示する。
特表2014−531967号公報(特許文献4)は、複数の一体になるように結合されたダイヤモンド結晶粒およびダイヤモンド結晶粒の間の間隙領域を含む材料ミクロ構造を含む多結晶質ダイヤモンド本体と、タングステンおよび触媒金属を含む基板と、多結晶質ダイヤモンド本体と基板との間にある、タングステンおよび触媒金属が散在する複数のチタン含有粒子を含む結晶粒成長阻止剤層と、を含み、チタン含有粒子はそのサイズが800nm未満であり、結晶粒成長阻止剤層は、その両面が基板と多結晶質ダイヤモンド本体とに結合され、厚さが約20〜100μmであり、ダイヤモンド結晶粒は約1μm以下の平均サイズを有する多結晶質ダイヤモンドコンパクトを開示する。
国際公開第2007/039955号(特許文献5)は、体積%で60%以上95%以下のcBN(立方晶窒化ホウ素)成分を有し、かつ熱伝導率が70W・m-1・K-1以上のcBN焼結体の最表面が、4a,5a,6a族元素、およびAlの中から選択される少なくとも1種以上の元素と、C,N,Oの中から選択される少なくとも1種以上の元素の化合物からなる0.5μm〜12μmの厚みを有する耐熱膜で被覆されている高品位表面性状加工用cBN焼結体を開示する。
国際公開第2005/066381号(特許文献6)は、cBN粒子とかかるcBN粒子を結合するための結合材とを含む立方晶型窒化ホウ素焼結体において、70体積%以上98体積%以下のcBN粒子と、残部結合材がCo化合物、Al化合物、WCおよびこれらの固溶体からなり、焼結体中のcBN粒子がMgを0.03重量%以下、かつLiを0.001重量%以上0.05重量%以下含有する立方晶型窒化ホウ素焼結体を開示する。
特開2005−239472号公報 特開平9−316587号公報 特開平1−17836号公報 特表2014−531967号公報 国際公開第2007/039955号 国際公開第2005/066381号
本開示のある態様にかかる複合焼結体は、平均粒径が10μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が2μm以下の複数の立方晶窒化ホウ素粒子と、平均粒径が0.5μm以下の複数の酸化アルミニウム粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相はコバルトを含み、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率が30体積%以上92体積%以下であり、立方晶窒化ホウ素粒子の含有率が3体積%以上40体積%以下であり、酸化アルミニウム粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、コバルトの含有率が3体積%以上30体積%以下である。
図1は、本開示のある態様にかかる複合焼結体の任意に特定される断面の一例を示す走査型電子顕微鏡写真である。 図2は、図1の一部分を拡大した走査型電子顕微鏡写真である。
[本開示が解決しようとする課題]
近年の航空機需要の高まりから、インコネル(登録商標)718(Ni基合金)やTi−6Al−4Vに代表される耐熱合金で構成されるジェットエンジンの主要部品であるタービンディスクやブリスクの高速加工が望まれているが、現状は、超硬工具で切削速度50m/min程度の低速での仕上げ加工がなされており、高速加工という市場の要求を満たす工具は現れていない。
特開2005−239472号公報(特許文献1)、特開平9−316587号公報(特許文献2)、特開平1−17836号公報(特許文献3)および特表2014−531967号公報(特許文献4)に開示のダイヤモンド焼結体は、それらの主成分であるダイヤモンドが鉄族元素(周期律表上で第4周期の第8、9および10族の元素、すなわち、鉄、コバルトおよびニッケルの3つの元素の総称。以下同じ。)および/またはチタンを含む合金と親和性が極めて高いため反応性が高く、空気中600℃以上で炭化が始まり硬度が低下し、空気中800℃以上では燃焼することから、熱的化学安定性に劣るため、鉄族元素および/またはチタンを含む耐熱合金の高速加工に使用しないのが常識である。
国際公開第2007/039955号(特許文献5)および国際公開第2005/066381号(特許文献6)に開示の立方晶窒化ホウ素(cBN)焼結体は、それらの主成分であるcBNが鉄族元素および/またはチタンを含む合金と親和性が低く、鉄族元素および/またはチタンを含む合金で形成される耐熱合金の高速加工においても高い耐摩耗性を示す。しかしながら、cBN焼結体は、耐欠損性が低いことから、鉄族元素および/またはチタンを含む耐熱合金の高速加工において早期にチッピングが発生するため、工具として実用的な寿命が得られていない。
そこで、上記問題を解決して、鉄族元素および/またはチタンを含む耐熱合金の高速加工にも適用可能で、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える複合焼結体を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
上記によれば、鉄族元素および/またはチタンを含む耐熱合金の高速加工にも適用可能で、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える複合焼結体を提供できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示のある実施形態にかかる複合焼結体は、平均粒径が10μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が2μm以下の複数の立方晶窒化ホウ素粒子と、平均粒径が0.5μm以下の複数の酸化アルミニウム粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相はコバルトを含み、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率が30体積%以上92体積%以下であり、立方晶窒化ホウ素粒子の含有率が3体積%以上40体積%以下であり、酸化アルミニウム粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、コバルトの含有率が3体積%以上30体積%以下である。本実施形態の複合焼結体は、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える。
[2]本実施形態の複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の平均粒径を2μm以下とし、立方晶窒化ホウ素粒子の平均粒径を1μm以下とし、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率を50体積%以上70体積%以下とし、立方晶窒化ホウ素粒子の含有率を10体積%以上30体積%以下とし、コバルトの含有率を5体積%以上15体積%以下とすることができる。かかる複合焼結体は、強度が高くなり、高耐摩耗性および高耐欠損性に加えて、耐チッピング性が高くなる。
[3]本実施形態の複合焼結体において、酸化アルミニウム粒子の平均粒径を0.2μm以下とすることができる。かかる複合焼結体は、耐欠損性および耐ピッチング性がより高くなる。
[4]本実施形態の複合焼結体において、酸化アルミニウム粒子の含有率を3体積%以上10体積%以下とすることができる。かかる複合焼結体は、強度が高くなり、高耐摩耗性および高耐欠損性に加えて、耐チッピング性が高くなる。
[5]本実施形態の複合焼結体において、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引き、直線上に位置する粒径0.1μm以上の酸化アルミニウム粒子について、隣り合う酸化アルミニウム粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合う酸化アルミニウム粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合を90%以上とすることができる。かかる複合焼結体は、強度が高くなり、耐摩耗性および耐欠損性に加えて、耐チッピング性が高くなる。
[6]本実施形態の複合焼結体において、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引き、直線上に位置する粒径0.1μm以上の酸化アルミニウム粒子について、隣り合う酸化アルミニウム粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合う酸化アルミニウム粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数の割合を90%以上とすることができる。かかる複合焼結体は、強度が高くなり、耐摩耗性および耐欠損性に加えて、耐チッピング性が高くなる。
[7]本実施形態の複合焼結体において、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内における粒径1μm以上の酸化アルミニウム粒子を1個以下とすることができる。かかる複合焼結体は、耐欠損性がより高くなる。
[8]本実施形態の複合焼結体において、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内における粒径0.5μm以上の酸化アルミニウム粒子を3個以下とすることができる。かかる複合焼結体は、耐欠損性がより高くなる。
[9]本実施形態の複合焼結体において、結合相は、タングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、アルミニウム、シリコンおよびモリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分をさらに含み、結合相中において、コバルトの含有率を50質量%以上99.5質量%以下とし、化学成分の含有率を0.5質量%以上50質量%以下とすることができる。かかる複合焼結体は、強度が高くなり、高耐摩耗性および高耐欠損性に加えて、耐チッピング性が高くなる。
[10]本実施形態の複合焼結体において、結合相の少なくとも一部を、炭化物、炭窒化物、窒化物、酸化物、酸窒化物およびホウ化物の少なくともいずれかとすることができる。かかる複合焼結体は、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備え、特に耐摩耗性が高い。
[11]本実施形態の複合焼結体は、平均粒径が2μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が1μm以下の複数の立方晶窒化ホウ素粒子と、平均粒径が0.2μm以下の複数の酸化アルミニウム粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体とし、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相は、タングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、アルミニウム、シリコンおよびモリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分と、コバルトと、を含み、結合相中において、コバルトの含有率を50質量%以上99.5質量%以下とし、化学成分の含有率を0.5質量%以上50質量%以下とし、結合相の少なくとも一部を、炭化物、炭窒化物、窒化物、酸化物、酸窒化物およびホウ化物の少なくともいずれかとし、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率を50体積%以上70体積%以下とし、立方晶窒化ホウ素粒子の含有率を10体積%以上30体積%以下とし、酸化アルミニウム粒子の含有率を2体積%以上15体積%以下とし、コバルトの含有率を5体積%以上15体積%以下とし、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引き、直線上に位置する粒径0.1μm以上の酸化アルミニウム粒子について、隣り合う酸化アルミニウム粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合う酸化アルミニウム粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合を90%以上とし、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、粒径1μm以上の酸化アルミニウム粒子を1個以下とすることができる。かかる複合焼結体は、耐摩耗性および耐欠損性がともに高くなる。
[本開示の実施形態の詳細]
<複合焼結体>
本実施形態にかかる複合焼結体は、平均粒径が10μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が2μm以下の複数のcBN(立方晶窒化ホウ素)粒子と、平均粒径が0.5μm以下の複数のAl23(酸化アルミニウム)粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相はCo(コバルト)を含み、複合焼結体中において、ダイヤモンド粒子の含有率が30体積%以上92体積%以下であり、cBN粒子の含有率が3体積%以上40体積%以下であり、Al23粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、Coの含有率が3体積%以上30体積%以下である。本実施形態の複合焼結体は、ダイヤモンド粒子とcBN粒子とAl23粒子との複合化により、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える。
本発明者らは、cBN焼結体で切削工具の1種であるエンドミルを形成して、鉄族元素を含む耐熱合金(たとえばインコネル(登録商標)718)を加工した際に、刃先にチッピングが発生する直前のエンドミルを観察したところ、エンドミルの刃先の内部に発生した亀裂がcBN粒子を貫通していることを見出した。これにより、鉄族元素および/またはチタンを含む耐熱合金を加工するための工具としては、cBN粒子自体の靭性および強度が不足しており、従来のcBN焼結体の改良の延長線上では大幅な性能向上が見込めないことが分かった。
次いで、本発明者らは、エンドミルによる鉄族元素および/またはチタンを含む耐熱合金の高速加工において1刃当たりの切削距離が短く刃先温度が上昇しにくいと考えて、常識的には使用を避けるダイヤモンド焼結体でエンドミルを形成して、鉄族元素を含む耐熱合金(たとえばインコネル(登録商標)718)を加工した。その結果、ダイヤモンド焼結体で形成されたエンドミルでは、cBN焼結体で形成されたエンドミルにおいて散発するチッピングは発生しなかった。しかし、ダイヤモンド焼結体で形成されたエンドミルはcBN焼結体で形成されたエンドミルに比べて摩耗速度が高く、実用的な寿命が得られなかった。
そこで、本発明者らは、耐欠損性の高いダイヤモンド粒子と耐摩耗性の高いcBN粒子およびAl23粒子との複合化を検討した。その検討の結果、ダイヤモンド粒子の少なくとも一部が互いに結合して連続したスケルトン構造を形成するとの推定に適した含有量のダイヤモンド粒子と、同スケルトン構造を形成する製造プロセスにより、そのスケルトン構造の隙間に配置するとの推定に適した含有量のcBN粒子および微粒のAl23粒子と、を複合化させることにより、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える複合焼結体を得ることに成功した。ここで、Al23粒子は、cBN粒子に比べてより微粒としやすいため、ダイヤモンド粒子により形成されるスケルトン構造の隙間により均一に分散配置しやすいという利点を有する。
(ダイヤモンド粒子)
ダイヤモンド粒子の平均粒径は、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える高強度の複合焼結体を得る観点から、10μm以下であり、好ましくは2μm以下である。ここで、各ダイヤモンド粒子の粒径は、以下のようにして算出する。まず、クロスセクションポリッシャー(CP:Cross section Polisher)装置などを用いたCP加工により複合焼結体の任意に特定される断面を作製する。次いで、その断面においてEDX(エネルギー分散型X線分析)によりダイヤモンド粒子を判別する。次いで、各ダイヤモンド粒子が複合焼結体中に均質に分散しているとして、画像解析ソフトを用いて当該粒子の断面積から円相当径を算出して上記の粒径とする。それらのダイヤモンド粒子の平均粒径は、上記の各粒子の粒径の平均を算出し、平均粒径とする。
複合焼結体中におけるダイヤモンド粒子の含有率は、ダイヤモンド粒子の少なくとも一部が互いに結合して連続したスケルトン構造を形成するのに適する観点から、30体積%以上92体積%以下であり、好ましくは50体積%以上70体積%以下である。ここで、複合焼結体中におけるダイヤモンド粒子の含有率は、以下のようにして算出する。まず、複合焼結体の任意に特定される断面において、EDX(エネルギー分散型X線分析)によりダイヤモンド粒子を判別する。次いで、ダイヤモンド粒子が複合焼結体中に均質に分散しているとして、その断面の全面積に対するダイヤモンド粒子の断面積の面積%を体積%とみなすことにより上記の含有率を算出する。なお、複合焼結体中で隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部が互いに結合して形成される連続したスケルトン構造は、SEM(走査型電子顕微鏡)により観察する。
(立方晶窒化ホウ素粒子)
cBN(立方晶窒化ホウ素)粒子の平均粒径は、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える高強度の複合焼結体を得る観点から、2μm以下であり、好ましくは1μm以下である。ここで、各cBN粒子の粒径およびそれらの平均粒径は、ダイヤモンド粒子の場合と同様の方法で算出する。複合焼結体中におけるcBN粒子の含有率は、ダイヤモンド粒子により形成される上記スケルトン構造の隙間に配置するのに適する観点から、3体積%以上40体積%以下であり、好ましくは10体積%以上30体積%以下である。ここで、複合焼結体中におけるcBN粒子の含有率は、以下のようにして算出する。まず、複合焼結体の任意に特定される断面において、EDX(エネルギー分散型X線分析)によりcBN粒子を判別する。次いで、cBN粒子が複合焼結体中に均質に分散しているとして、その断面の全面積に対するcBN粒子の断面積の面積%を体積%とみなすことにより上記の含有率を算出する。
(酸化アルミニウム粒子)
Al23(酸化アルミニウム)粒子の平均粒径は、高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える高強度の複合焼結体を得る観点から、0.5μm以下であり、好ましくは0.2μm以下である。Al23粒子は、ダイヤモンド粒子により形成されるスケルトン構造を崩さずに焼結体全体に耐摩耗性の高い粒子(Al23粒子)を配置できる観点から、ダイヤモンド粒子およびcBN粒子に比べて平均粒径がより小さい微細な粒子を用いる。ここで、各Al23粒子の粒径およびそれらの平均粒径は、ダイヤモンド粒子と同様の方法で算出する。複合焼結体中におけるAl23粒子の含有率は、ダイヤモンド粒子により形成される上記スケルトン構造の隙間に配置するのに適する観点から、2体積%以上15体積%以下であり、好ましくは3体積%以上10体積%以下である。ここで、複合焼結体中におけるAl23粒子の含有率は、以下のようにして算出する。まず、複合焼結体の任意に特定される断面において、EDX(エネルギー分散型X線分析)によりAl23粒子を判別する。次いで、Al23粒子が複合焼結体中に均質に分散しているとして、その断面の全面積に対するAl23粒子の断面積の面積%を体積%とみなすことにより上記の含有率を算出する。
(結合相)
結合相は、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部を互いに結合させる観点から、Co(コバルト)を含む。複合焼結体中におけるCoの含有率は、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部を互いに結合させる観点から、3体積%以上30体積以下であり、好ましくは5体積%以上15体積%以下である。ここで、複合焼結体中におけるCoの含有率は、以下のようにして算出する。まず、複合焼結体の任意に特定される断面において、EDX(エネルギー分散型X線分析)によりCoを判別する。次いで、Coが複合焼結体中に均質に分散しているとして、その断面の全面積に対するCoと判別される断面積の面積%を体積%とみなすことにより上記の含有率を算出する。
結合相は、複合焼結体の強度を高くする観点から、W(タングステン)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)、Si(シリコン)およびMo(モリブデン)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分をさらに含むことが好ましい。隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部を互いに結合させて複合焼結体の強度を高くする観点から、結合相中におけるCoの含有率は、50質量%以上99.5質量%以下が好ましく、55質量%以上70質量%以下がより好ましい。また、複合焼結体の強度を高くする観点から、結合相中における上記化学成分(W、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Al、SiおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分)の含有率は、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、30質量%以上45質量%以下がより好ましい。結合相中におけるCoおよび上記化学成分の含有率は、以下のようにして算出する。まず、複合焼結体の任意に特定される断面をCP処理する。次いで、CP処理された断面において、EDX(エネルギー分散型X線分析)の定量分析により測定されたCoと化学成分との質量比をとることにより上記の含有率を算出する。
複合焼結体の耐摩耗性を高くする観点から、結合相中に含まれる上記化学成分(W、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Al、SiおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分)の少なくとも一部は、炭化物、炭窒化物、窒化物、酸化物、酸窒化物およびホウ化物の少なくともいずれかであることが好ましい。たとえば、TiCなどの炭化物、TiCNなどの炭窒化物、TiNなどの窒化物、ZrO2などの酸化物(ただし、Al23を除く)、サイアロン(SiAlON)などの酸窒化物、TiB2などのホウ化物などが挙げられる。上記化学成分の種類は、XRD(X線回折)の回折ピークパターンにより判別される。
(所定以上の粒径の酸化アルミニウム粒子間の距離が所定以上の線分の数の割合)
本実施形態の複合焼結体は、複合焼結体中にAl23(酸化アルミニウム)粒子が偏ると耐欠損性が低下するため、微細なAl23粒子が複合焼結体中に均一に分散することにより複合焼結体の耐摩耗性および耐欠損性をともに高くする観点から、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引き、直線上に位置する粒径0.1μm以上のAl23粒子について、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対して、隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合が90%以上であることが好ましく、隣り合う酸化アルミニウム粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数の割合が90%以上であることがより好ましい。
具体的には、図1を参照して、まず、本実施形態の複合焼結体の任意に特定される断面のSEM(走査型電気顕微鏡)写真をとる。EDXにより識別したダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相を、画像解析ソフトを用いて、色差および/または明度差により分別可視化する。たとえば、図1のSEM写真において、黒色部分はダイヤモンド粒子またはcBN粒子を示し、灰色部分はAl23粒子を示し、白色部分は結合相を示す。次いで、このSEM写真の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引く。次いで、上記直線(すなわち、横方向に伸びる10本の直線および縦方向に伸びる10本の直線)上に位置する粒径0.1μm以上のAl23粒子について、隣り合うAl23粒子間を線分(図1に示す両端に矢印が付された線分)で結ぶ。たとえば、図1および図2において、線分S1および線分S2はAl23粒子間の距離が0.2μm未満である線分(すなわち線分の長さが0.2μm未満である線分)を示し、線分L1、線分L2および線分L3はAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分(すなわち線分の長さが0.2μm以上である線分)を示めす。
次いで、上記のようにして得られた隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数を数える。ここで、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分とは、線分の両端に位置するAl23粒子がいずれも縦18μm×横23μmの視野内にあるものをいう。したがって、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分には、Al23粒子から縦18μm×横23μmの視野外に延びる線分は含まれない。たとえば、図1における線分L1、線分L2、線分L3を含む横方向に延びる直線においては、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分とは、上記直線の内の両端の線分を除く5つの線分をいう。
次いで、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分のうち隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分(すなわち線分の長さが0.2μm以上である線分、たとえば上記の線分L1、線分L2、線分L3など)の数を数える。次いで、隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数を隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数で除して百分率で表示する。これにより、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合が算出される。
また、上記において、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分のうち隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分(すなわち線分の長さが0.5μm以上である線分)の数を数え、隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数を隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数で除して百分率で表示する。これにより、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数の割合が算出される。
(所定以上の粒径の酸化アルミニウム粒子の個数)
本実施形態の複合焼結体は、粒径の大きなAl23(酸化アルミニウム)粒子の個数を低減することにより複合焼結体の耐欠損性をより高くする観点から、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内における粒径1μm以上の酸化アルミニウム粒子が1個以下または任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内における粒径0.5μm以上の酸化アルミニウム粒子が3個以下が好ましく、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内における粒径1μm以上の酸化アルミニウム粒子が1個以下かつ任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内における粒径0.5μm以上の酸化アルミニウム粒子が3個以下がより好ましい。
本実施形態の複合焼結体は、平均粒径が2μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が1μm以下の複数のcBN(立方晶窒化ホウ素)粒子と、平均粒径が0.2μm以下の複数のAl23(酸化アルミニウム)粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相は、W(タングステン)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)、Si(シリコン)およびMo(モリブデン)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分と、Co(コバルト)と、を含み、結合相中において、Coの含有率が50質量%以上99.5質量%以下であり、上記化学成分の含有率が0.5質量%以上50質量%以下であり、結合相の少なくとも一部は、炭化物、炭窒化物、窒化物、酸化物、酸窒化物およびホウ化物の少なくともいずれかであり、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率が50体積%以上70体積%以下であり、cBN粒子の含有率が10体積%以上30体積%以下であり、Al23粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、Coの含有率が5体積%以上15体積%以下であり、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引き、直線上に位置する粒径0.1μm以上のAl23粒子について、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合が90%以上であり、任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、粒径1μm以上のAl23粒子が1個以下であることが好ましい。かかる複合焼結体は、耐摩耗性および耐欠損性がともに高くなる。
<複合焼結体の製造方法>
本実施形態にかかる複合焼結体の製造方法は、特に制限がないが、本実施形態の複合焼結体を効率よく製造する観点から、ダイヤモンド粉末の各粒子の表面の少なくとも一部にCoを含む結合材を被覆することにより結合材被覆ダイヤモンド粉末を形成する第1工程と、結合材被覆ダイヤモンド粉末とcBN粉末とAl23粉末とを混合することにより混合物を形成する第2工程と、混合物を焼結することにより複合焼結体を形成する第3工程と、を備えることが好ましい。
(第1工程)
第1工程において、ダイヤモンド粉末の各粒子の表面の少なくとも一部にCoを含む結合材を被覆することにより結合材被覆ダイヤモンド粉末を形成する。結合材被覆ダイヤモンド粉末とcBN粉末とAl23粉末との混合物を後工程で焼結することにより、本実施形態の複合焼結体が得られる。
第1工程において用いられるダイヤモンド粉末の平均粒径は、特に制限はないが、高強度であり高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える複合焼結体を形成する観点から、10μm以下であり、好ましくは2μm以下である。ダイヤモンド粉末の各粒子の表面の少なくとも一部にCoを含む結合材を被覆する方法は、特に制限はないが、不純物が少なく均一に被覆する観点から、無電解めっき法、アーク蒸着法、粉末スパッタ法などが好ましい。結合材は、高強度であり高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える複合焼結体を形成する観点から、Coに加えて、W、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Al、SiおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分を含むことが好ましい。結合材は、後工程により、複合焼結体中の結合相を形成する。
(第2工程)
第2工程において、結合材被覆ダイヤモンド粉末とcBN粉末とAl23粉末とを混合することにより混合物を形成する。ここで、Coを被覆したダイヤモンド粉末およびcBN粉末とAl23粉末との混合においては、平均粒径のAl23粒子を得るために、Al23粉末を分散媒に分散させたスラリー状態でビーズミルなどで解砕し、再凝集をしないようにスラリー状態のままCoを被覆したダイヤモンド粉末およびcBN粉末と混合することが好ましい。かかる混合物を後工程で焼結することにより、本実施形態の複合焼結体が得られる。また、焼結体中の結合材量を調整する観点から本工程で結合材を添加することもできる。第2工程で結合材を添加する場合は、第1工程を省略することもできるが、第1工程があることが好ましい。第1工程を省略する場合は、第2工程において、ダイヤモンド粉末とcBN粉末とAl23粉末とを混合することにより混合物を形成する。
第2工程において用いられるcBN粉末の平均粒径は、特に制限はないが、高強度であり高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える複合焼結体を形成する観点から、2μm以下であり、好ましくは1μm以下である。第2工程において用いられるAl23粉末の平均粒径は、特に制限はないが、高強度であり高耐摩耗性および高耐欠損性を兼ね備える複合焼結体を形成する観点から、0.5μm以下であり、好ましくは0.2μm以下である。Al23粒子は凝集しやすいため、あらかじめAl23粒子を分散媒に分散させたスラリー状態で解砕した後、再凝集しないようにスラリー状態のまま、Al23粒子を結合材被覆ダイヤモンド粉末およびcBN粉末と混合する。Al23粒子を解砕する方法に制限はないが、微細粒子を解砕する観点からビーズミル、遊星ミルなどが好ましい。結合材被覆ダイヤモンド粉末とcBN粉末とAl23粉末とを混合する方法は、特に制限はないが、効率よく均質に混合する観点から、ボールミル混合、ビーズミル混合、遊星ミル混合、ジェットミル混合などが好ましい。また、上記のように、このとき結合材も同時に混合することが可能である。結合材被覆ダイヤモンド粉末の量(すなわちダイヤモンド粉末の量およびダイヤモンド粉末に対する結合材の量)、cBN粉末の量、Al23粉末の量、結合材中のCoおよび上記化学成分の含有率を調節することにより、複合焼結体中におけるダイヤモンド粒子の所望の含有率、cBN粒子の所望の含有率、Al23粉末の所望の含有率およびCoの所望の含有率、ならびに結合相中におけるCoの所望の含有率および上記化学成分の所望の含有率が得られる。
(第3工程)
第3工程において、混合物を焼結することにより複合焼結体を形成する。混合物を焼結する条件は、特に制限はないが、効率よく本実施形態の複合焼結体を得る観点から、焼結圧力が好ましくは4GPa以上10GPa以下であり、より好ましくは6GPa以上8GPa以下であり、焼結温度が好ましくは1400℃以上2000℃以下であり、より好ましくは1500℃以上1800℃以下である。ダイヤモンド粒子のスケルトン構造を形成するためには焼結時間は長いほうが好ましく、15分以上60分以下が好ましい。通常、微粒のダイヤモンド粒子を6GPa以上および1500℃以上の高圧高温で長時間焼結すると異常粒成長が生じるが、本実施形態ではcBN粒子およびAl23粒子をダイヤモンド格子間に配することで異常粒成長を抑制し、従来より長時間での焼結が可能となる。
(実施例I)
本実施例は、表1〜表3のNo.I−1〜No.I−19およびNo.I−R1〜I−R10に示すように、ダイヤモンド粒子、cBN粒子およびAl23粉末の平均粒径と含有率、ならびに結合相の含有率を変化させた複合焼結体を作製した。作製された複合焼結体の任意に特定される断面のSEM(電子顕微鏡)による縦18μm×横23μmの視野内に、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引いた。次いで、直線上に位置する粒径0.1μm以上のAl23粒子について、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対して、隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合および隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数の割合を算出した。また、作製された複合焼結体の任意に特定される断面のSEM(電子顕微鏡)による縦18μm×横23μmの視野内において、粒径1μm以上のAl23粒子および粒径0.5μm以上のAl23粒子を算出した。さらに、それらの複合焼結体で切削工具を作製して、インコネル(登録商標)718を高速切削したときの刃先の逃げ面の摩耗幅を測定し、寿命を評価した。
複合焼結体の作製は、以下のようにして行なった。表1〜表3に示す平均粒径のダイヤモンド粉末の各粒子の表面に、無電解めっき法で、結合材としてCoをダイヤモンド粒子に対して6質量%被覆した。表1〜表3に示す平均粒径のAl23粉末を分散媒であるエタノールに分散させたスラリー状態でビーズミルにより解砕した。その後、Coを被覆したダイヤモンド粉末と表1〜表3に示す平均粒径のcBN粉末と上記のスラリー状態の解砕されたAl23粉末を、ボールミル法で湿式混合して混合物を作製し、粒子表面に付着したガスを除去するために1200℃で30分間真空熱処理した。この混合物をWC−6%Coの超硬合金製円盤とCo箔に接した状態でTa(タンタル)製の容器に充填し、ベルト型超高圧高温発生装置を用いて、6GPaの圧力および1650℃の温度で10分間保持して焼結することにより複合焼結体を作製した。
上記焼結の際に、WC−6%Coの超硬合金製円盤とCo箔とから、WC−6%CoとCoとの共晶融液が、複合焼結体に溶浸して焼結が進むため、複合焼結体中のダイヤモンド粒子、cBN粒子およびAl23粒子の含有率ならびに結合相の組成は混合物の仕込み組成と若干変わる。このため、上記共晶融液の溶浸分を予想して、混合物の仕込み組成を設計した。
作製された複合焼結体の任意に特定された断面をアルゴンイオンビームで研磨し、SEM(電子顕微鏡)で複合焼結体の組織を観察したところ、No.I−1〜No.I−19およびNo.I−R1〜No.I−R9については、ダイヤモンド粒子の少なくとも一部が互いに結合して連続したスケルトン構造が観察された。また、複合焼結体中のダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相のCoの含有率は、以下のようにして算出した。まず、EDX(エネルギー分散型X線分析)によりダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相を判別した。ついで、その断面の全面積に対するダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相の断面積の面積%を、画像解析ソフト(三谷商事株式会社製WinROOF)を用いて算出した。次いで、ダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相が複合焼結体中に均質に分散していると仮定した。かかる仮定に基づいて、上記面積%を体積%とみなした。このように、ダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相のCoの含有率を算出した。粒子径に関しても、含有率測定と同様にEDXで各粒子を判別し、画像解析ソフト(三谷商事株式会社製WinROOF)を用いて、各粒子毎の断面積から円相当径を算出することにより各粒子の粒径およびそれらの平均粒径を算出した。
また、複合焼結体の任意に特定された断面のSEM写真を撮り、画像解析ソフト(三谷商事株式会社製WinROOF)を用いて、ダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相を、色差および/または明度差により識別化した。識別化したSEM写真の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するよう(縦方向には1.636μm間隔、横方向には2.091μm間隔)にそれぞれ10本の直線を格子状に引いた。次いで、上記直線(すなわち、横方向に伸びる10本の直線および縦方向に伸びる10本の直線)上に位置する直線上に位置する粒径0.1μm以上のAl23粒子について、隣り合うAl23粒子間を線分で結び、線分の総数を数えた。ここで、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分とは、線分の両端に位置するAl23粒子がいずれも縦18μm×横23μmの視野内にあるものをいう。したがって、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分には、Al23粒子から縦18μm×横23μmの視野外に延びる線分は含まれない。
次いで、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分のうち隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分(すなわち線分の長さが0.2μm以上である線分)の数を数えた。次いで、隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数を隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数で除して百分率で表示した。これにより、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合を算出した。
また、上記において、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分のうち隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分(すなわち線分の長さが0.5μm以上である線分)の数を数えた。次いで、隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数を隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数で除して百分率で表示した。これにより、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数の割合を算出した。
また、上記の識別化したSEM写真の縦18μm×横23μmの視野内において、粒径1μm以上のAl23粒子の個数および粒径0.5μm以上のAl23粒子の個数を数えた。
さらに、上記の複合焼結体で、RSX12032ES型(加工径32mm)のエンドミルタイプのカッタとRDET1204M0型のチップとで構成される切削工具を作製した。作製した切削工具を用いて、外径95mmの円盤状のインコネル(登録商標)718(大同スペシャルメタル株式会社製、溶体化・時効硬化処理材、ロックウエル硬度HRC44、ASTM(米国材料試験協会)のE112に規定される粒度番号9の粒度のもの)のワークの上面を切削した。切削条件は、切削速度Vcが300m/min、送り量fが0.05mm/刃、切込みapが0.3mm、径方向切込みaeが0.3mm、クーラント:WET(エマルジョン20倍希釈)であった。結果を表1〜表3にまとめた。表1〜表3中の「逃げ面の摩耗および/またはチッピングの幅」は、ワークの切削長が10m時点での値とした。また、表1〜表3中の「寿命」は、逃げ面の摩耗幅が0.1mmを超えた時点のワークの切削長とした。
表1および表2のNo.I−1〜No.I−19で作製された複合焼結体で作製された切削工具は、鉄族元素を含む合金で形成される耐熱合金であるインコネル(登録商標)718の切削速度Vcが300m/minの高速加工において、逃げ面に欠損はなく、逃げ面の摩耗および/またはチッピングの幅は小さく、寿命は摩耗およびチッピングのいずれによるものであっても10m以上と長かった。すなわち、平均粒径が10μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が2μm以下の複数のcBN粒子と、平均粒径が0.5μm以下の複数のAl23粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相はCoを含み、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率が30体積%以上92体積%以下であり、cBN粒子の含有率が3体積%以上40体積%以下であり、Al23粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、Coの含有率が3体積%以上30体積%以下である複合焼結体で形成された切削工具は、鉄を含む合金で形成される耐熱合金であるインコネル(登録商標)718の切削速度Vcが300m/minの高速加工においても長い寿命を有していた。
(実施例II)
本実施例は、表4のNo.II−1〜No.II−12に示すように、結合材として、Coに加えて、W、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Al、SiおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素の化合物を含む化学成分を用いたこと以外は、実施例Iと同様にして、複合焼結体および切削工具を作製して、それらの物性を評価した。ここで、上記の化学成分の原料として、W、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、AlおよびMoについてはアトマイズ法を用いて得られた平均粒径が2μm以下の微粒金属粉末を用いた。TiN、TiCNおよびSiAlONについては平均粒径が0.5μm程度までビーズミル粉砕した化合物粉末を用いた。SiAlONは、β−SiAlON(β型サイアロン)およびc−SiAlON(立方晶サイアロン)が含まれていた。
また、切削条件は、切削速度Vcが500m/min、送り量fが0.05mm/刃、切込みapが0.3mm、径方向切込みaeが0.3mm、クーラント:WET(エマルジョン20倍希釈)であった。結果を表4にまとめた。表4中の「逃げ面の摩耗および/またはチッピングの幅」は、ワークの切削長が7.5m時点での値とした。また、表4中の「寿命」は、逃げ面の摩耗および/またはチッピングの幅が0.1mを超えた時点のワークの切削長とした。
表4のNo.II−1〜No.II−12で作製された複合焼結体で作製された切削工具は、鉄族元素を含む合金で形成される耐熱合金であるインコネル(登録商標)718の切削速度Vcが500m/minの高速加工において、逃げ面に欠損はなく、逃げ面の摩耗および/またはチッピングの幅は小さく、寿命は摩耗およびチッピングのいずれによるものであっても9.2m以上と長かった。すなわち、平均粒径が10μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が2μm以下の複数のcBN粒子と、平均粒径が0.5μm以下の複数のAl23粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、隣り合うダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、結合相はW、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Al、SiおよびMoからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分とCoとを含み、複合焼結体において、ダイヤモンド粒子の含有率が30体積%以上92体積%以下であり、cBN粒子の含有率が3体積%以上40体積%以下であり、Al23粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、Coの含有率が3体積%以上30体積%以下である複合焼結体で形成された切削工具は、鉄を含む合金で形成される耐熱合金であるインコネル(登録商標)718の切削速度Vcが500m/minの高速加工においても長い寿命を有していた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
S1,S2,L1,L2,L3 線分。
(実施例I)
本実施例は、表1〜表3のNo.I−1〜No.I−19およびNo.I−R1〜No.I−R4、No.I−R6、およびNo.I−R8〜No.I−R10に示すように、ダイヤモンド粒子、cBN粒子およびAl23粉末の平均粒径と含有率、ならびに結合相の含有率を変化させた複合焼結体を作製した。作製された複合焼結体の任意に特定される断面のSEM(電子顕微鏡)による縦18μm×横23μmの視野内に、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引いた。次いで、直線上に位置する粒径0.1μm以上のAl23粒子について、隣り合うAl23粒子間を結ぶ線分の総数に対して、隣り合うAl23粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合および隣り合うAl23粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数の割合を算出した。また、作製された複合焼結体の任意に特定される断面のSEM(電子顕微鏡)による縦18μm×横23μmの視野内において、粒径1μm以上のAl23粒子および粒径0.5μm以上のAl23粒子を算出した。さらに、それらの複合焼結体で切削工具を作製して、インコネル(登録商標)718を高速切削したときの刃先の逃げ面の摩耗幅を測定し、寿命を評価した。
作製された複合焼結体の任意に特定された断面をアルゴンイオンビームで研磨し、SEM(電子顕微鏡)で複合焼結体の組織を観察したところ、No.I−1〜No.I−19およびNo.I−R1〜No.I−R4、No.I−R6、およびNo.I−R8〜No.I−R9については、ダイヤモンド粒子の少なくとも一部が互いに結合して連続したスケルトン構造が観察された。また、複合焼結体中のダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相のCoの含有率は、以下のようにして算出した。まず、EDX(エネルギー分散型X線分析)によりダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相を判別した。ついで、その断面の全面積に対するダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相の断面積の面積%を、画像解析ソフト(三谷商事株式会社製WinROOF)を用いて算出した。次いで、ダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相が複合焼結体中に均質に分散していると仮定した。かかる仮定に基づいて、上記面積%を体積%とみなした。このように、ダイヤモンド粒子、cBN粒子、Al23粒子および結合相のCoの含有率を算出した。粒子径に関しても、含有率測定と同様にEDXで各粒子を判別し、画像解析ソフト(三谷商事株式会社製WinROOF)を用いて、各粒子毎の断面積から円相当径を算出することにより各粒子の粒径およびそれらの平均粒径を算出した。

Claims (11)

  1. 平均粒径が10μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が2μm以下の複数の立方晶窒化ホウ素粒子と、平均粒径が0.5μm以下の複数の酸化アルミニウム粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、
    隣り合う前記ダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、
    前記結合相はコバルトを含み、
    前記複合焼結体において、前記ダイヤモンド粒子の含有率が30体積%以上92体積%以下であり、前記立方晶窒化ホウ素粒子の含有率が3体積%以上40体積%以下であり、前記酸化アルミニウム粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、前記コバルトの含有率が3体積%以上30体積%以下である複合焼結体。
  2. 前記ダイヤモンド粒子の平均粒径が2μm以下であり、前記立方晶窒化ホウ素粒子の平均粒径が1μm以下であり、
    前記複合焼結体において、前記ダイヤモンド粒子の含有率が50体積%以上70体積%以下であり、前記立方晶窒化ホウ素粒子の含有率が10体積%以上30体積%以下であり、前記コバルトの含有量が5体積%以上15体積%以下である請求項1に記載の複合焼結体。
  3. 前記酸化アルミニウム粒子の平均粒径が0.2μm以下である請求項1または請求項2に記載の複合焼結体。
  4. 前記酸化アルミニウム粒子の含有率が3体積%以上10体積%以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合焼結体。
  5. 任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引き、前記直線上に位置する粒径0.1μm以上の前記酸化アルミニウム粒子について、隣り合う前記酸化アルミニウム粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合う前記酸化アルミニウム粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合が90%以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合焼結体。
  6. 隣り合う前記酸化アルミニウム粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合う前記酸化アルミニウム粒子間の距離が0.5μm以上である線分の数の割合が90%以上である請求項5に記載の複合焼結体。
  7. 任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、粒径1μm以上の前記酸化アルミニウム粒子が1個以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の複合焼結体。
  8. 任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、粒径0.5μm以上の前記酸化アルミニウム粒子が3個以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の複合焼結体。
  9. 前記結合相は、タングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、アルミニウム、シリコンおよびモリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分をさらに含み、
    前記結合相中において、前記コバルトの含有率が50質量%以上99.5質量%以下であり、前記化学成分の含有率が0.5質量%以上50質量%以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の複合焼結体。
  10. 前記結合相の少なくとも一部は、炭化物、炭窒化物、窒化物、酸化物、酸窒化物およびホウ化物の少なくともいずれかである請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の複合焼結体。
  11. 平均粒径が2μm以下の複数のダイヤモンド粒子と、平均粒径が1μm以下の複数の立方晶窒化ホウ素粒子と、平均粒径が0.2μm以下の複数の酸化アルミニウム粒子と、残部の結合相と、を備える複合焼結体であって、
    隣り合う前記ダイヤモンド粒子の少なくとも一部は互いに結合しており、
    前記結合相は、タングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、アルミニウム、シリコンおよびモリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む化学成分と、コバルトと、を含み、
    前記結合相中において、前記コバルトの含有率が50質量%以上99.5質量%以下であり、前記化学成分の含有率が0.5質量%以上50質量%以下であり、
    前記結合相の少なくとも一部は、炭化物、炭窒化物、窒化物、酸化物、酸窒化物およびホウ化物の少なくともいずれかであり、
    前記複合焼結体において、前記ダイヤモンド粒子の含有率が50体積%以上70体積%以下であり、前記立方晶窒化ホウ素粒子の含有率が10体積%以上30体積%以下であり、前記酸化アルミニウム粒子の含有率が2体積%以上15体積%以下であり、前記コバルトの含有率が5体積%以上15体積%以下であり、
    任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、縦方向および横方向を11等分するようにそれぞれ10本の直線を格子状に引き、前記直線上に位置する粒径0.1μm以上の前記酸化アルミニウム粒子について、隣り合う前記酸化アルミニウム粒子間を結ぶ線分の総数に対する隣り合う前記酸化アルミニウム粒子間の距離が0.2μm以上である線分の数の割合が90%以上であり、
    任意に特定される断面の縦18μm×横23μmの視野内において、粒径1μm以上の前記酸化アルミニウム粒子が1個以下である複合焼結体。
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