JPWO2019188627A1 - 成形活性炭カートリッジおよびその製造方法 - Google Patents

成形活性炭カートリッジおよびその製造方法 Download PDF

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寛和 弘瀬
寛和 弘瀬
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Abstract

本発明は、成形活性炭カートリッジの内周側から外周側へ通水をしても水圧による破損がない成形活性炭カートリッジを提供することを目的とする。本発明の成形活性炭カートリッジは、活性炭と繊維状バインダーとを含む筒状の成形活性炭と、前記成形活性炭の外周に巻かれた包装材と、を含み、成形活性炭カートリッジの内側の空間から、前記成形活性炭および前記包装材を通じて成形活性炭カートリッジの外側へ通水した時の耐圧性が0.1MPa以上である。

Description

本発明は、水処理用のフィルターに用いられる成形活性炭カートリッジとその製造方法に関する。
水処理用のろ材として活性炭と繊維状バインダーを用いて成形体とする技術が知られている。例えば特許文献1には、繊維状バインダーと活性炭とが含まれるスラリーを吸引することにより円筒形状の成形吸着体を製造する方法が開示されている。特許文献2には、繊維状バインダーのフィブリル化度合いを調整することで、成形吸着体の圧力損失を抑える方法が開示されている。また、特許文献3には、活性炭の粒度分布が特定範囲であり、目詰まりを起こしにくく、抵抗の低い吸着フィルターが開示されている。
成形活性炭は成形型を芯とし、活性炭と繊維状バインダーとを含む液体を吸引して成形型に活性炭を堆積させることで作製できることから、円筒形状のものが多く知られている。円筒形状の成形活性炭の外周側から内周側へ通水させる方式や、その反対向きに通水することによって活性炭の径方向に水を通水することになり、圧力損失が抑えられる利点がある。
日本国特開2011−255310号公報 日本国特開2015−112518号公報 国際公開第2016/080240号
円筒形状の成形活性炭に水を流す際に、径方向への通水抵抗によって成形活性炭に負荷がかかり、割れや潰れ等が発生することがある。その場合、成形活性炭の割れや潰れの箇所に水が偏流し、所望のろ過性能が得られない。
成形活性炭の外周側から内周側へ通水する場合は、芯である成形型の強度を上げることによって比較的容易に耐圧性を持たせることができる。一方で、成形活性炭を収容する容器の流路設計等の都合上、成形活性炭の内周側から外周へ通水させることがあり、その場合は支えとなる部材がないため、水圧による負荷がかかる際に成形活性炭の割れが避けがたくなる。
特許文献2には、成形活性炭の外周面を不織布で覆うことが開示されているが、その条件や耐圧性に関する開示はない。また、外周側から内周側に向けて通水することしか開示されていない。
特許文献3には、活性炭の微粉を除くことで圧壊強度が優れる吸着成形体が開示されているが、開示されている圧壊強度は、ろ材の外側から圧力をかけた際の耐圧性のみである。
このように、内側から外側へ通水した場合でも、破損することのない十分な耐圧性を備えた円筒形状の成形活性炭は見出されていない。
(1)上記課題を解決する本発明の成形活性炭カートリッジは、
活性炭と繊維状バインダーとを含む筒状の成形活性炭と、
上記成形活性炭の外周に巻かれた包装材と、を含む成形活性炭カートリッジであって、
上記成形活性炭カートリッジの内側の空間から、上記成形活性炭および上記包装材を通じて成形活性炭カートリッジの外側へ通水した時の耐圧性が0.1MPa以上である。
本発明の成形活性炭カートリッジは以下(2)〜(4)の少なくとも1つを満たすことが好ましい。
(2)上記包装材の弾性率が0.8MPa以上である。
(3)上記包装材が不織布である。
(4)上記不織布を構成する繊維が芯鞘型の複合繊維である。
(5)上記課題を解決する本発明の成形活性炭カートリッジを製造する方法のひとつは、活性炭と繊維状バインダーとを含む筒状の成形活性炭の外周に、包装材を周方向に2.0gf/mm以上の張力を付与しながら巻き付ける製造方法である。
(1)本発明によれば成形活性炭カートリッジの内周側から外周側へ通水をしても水圧による破損がない成形活性炭カートリッジを提供することができる。
(2)また、成形活性炭へ巻く包装材の弾性率が0.8MPa以上であると、筒状の成形活性炭に包装材が1周包装されることで十分な耐圧性をもたせることができる。
(3)また、成形活性炭へ巻く包装材が不織布であると、通水抵抗を抑えられ、コンパクトで安価な成形活性炭カートリッジが得られる。
(4)また、不織布を構成する繊維が芯鞘型の複合繊維であると、不織布が成形活性炭の周囲に包装される際に熱によって容易に不織布が接着、固定される。
(5)成形活性炭へ巻く包装材を2.0gf/mm以上の張力を付与しながら巻くことで、十分な耐圧性を有する成形活性炭カートリッジを安定的に製造することができる。
本発明の実施形態を、具体例を示しながら説明する。なお本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、上記本発明の目的を達成できる範囲内で変更してもよい。
本発明の成形活性炭カートリッジは、活性炭と繊維状バインダーとを含む成形活性炭と、成形活性炭の外周を包装する包装材で構成される。ろ過性能の観点から、成形活性炭中の活性炭の質量割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上98質量%以下がさらに好ましい。活性炭の割合を減らし、後述する繊維状バインダーの割合を20質量%以上とすると成形活性炭の強度は高くなるが、その分活性炭の割合が減少するため、ろ過性能が低下する場合がある。
活性炭は繊維状活性炭や粒状活性炭、粉末活性炭を用いることができ、これらの中から単独で用いてもよく、二種類以上の活性炭を任意の比率で混合してもよい。繊維状活性炭はフェノール系、ピッチ系、PAN(Polyacrylonitrile)系、またはセルロース系等を原料としたものから選択できる。繊維状活性炭としては、比表面積が1000〜2500m/gのものが使用でき、粒状活性炭や粉末活性炭と比較して吸着速度が速いことや通水した際の圧力損失が低い特徴がある。粒状活性炭や粉末活性炭の場合はヤシ殻、木質、石炭、合成樹脂等を原料としたものを用いることができ、体積基準の中心粒径が30μm以上200μm以下が好ましい。中心粒径が小さいほど水との接触効率が高まり、ろ過性能は向上するが、粒径が小さくなるほど空隙が小さくなるため、通水時の圧力損失が増大する。銀や銅、亜鉛等の抗菌性を有する金属が添着された活性炭を用いることで成形活性炭カートリッジに抗菌性を付与することもできる。
なお、体積基準の中心粒径とは、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を使用して求められる、体積基準の累計粒度分布における粒子径が50%となる粒径のことである。
成形活性炭中の繊維状バインダーの質量割合は、20質量%未満であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以上10質量%以下である。繊維状バインダーとしてはフィブリル化した繊維であれば活性炭と絡んで結合し、成形体とするのに適しており、アクリル繊維、セルロース繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等が挙げられ、これらの中から単独もしくは混合させて用いることができる。
成形活性炭中には、活性炭と繊維状バインダー以外に、金属イオンの除去材を含めることもできる。除去材として、アルミノケイ酸塩、チタンケイ酸塩、酸化チタン、イオン交換繊維等を含めることで、鉛イオン等の有害金属イオンを除去する能力を有する成形活性炭カートリッジとすることができる。成形活性炭中の活性炭の割合を減らしすぎないために、成形活性炭中の除去材の質量割合は20質量%未満が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
成形活性炭の外周に巻かれる包装材は、内周側から外周側への通水時に成形活性炭を支持し、割れ等の破損を防ぐ役割を果たす。そして、成形活性炭の割れ等の破損を防ぐことで、水道水に含まれる遊離残留塩素等の除去能力を維持できるようになる。成形活性炭カートリッジの耐圧性能が0.1MPa以上であれば、水道水圧において使用される際に十分な強度である。耐圧性能の上限は特に限定しないが包装材のコストや包装方法の簡便さの観点から1.0MPa以下が好ましい。
本発明における耐圧性能の圧力は、供給する水の圧力を指すのではなく、筒状の成形活性炭の原水側とろ過水側の圧力の差を指す。すなわち、通水時の成形活性炭カートリッジの圧力損失に該当する数値である。さらに、本発明では、後述する3650回繰返し設定圧力を付与する耐圧試験において、成形活性炭カートリッジの成形活性炭部分に破損がないことで、その設定圧力以上の耐圧性能を満足すると判断する。3650回は一日10回の成形活性炭カートリッジでのろ過を一年間実施する実使用を模した方法である。つまり、本発明において「耐圧性が0.1MPa以上」とは、後述する3650回繰返し0.1MPaの圧力を付与する耐圧試験において、成形活性炭カートリッジの成形活性炭部分に破損がないことを意味する。
包装材としては、水の透過性があり、成形活性炭を物理的に支えられるものであれば材質は特に限定しない。例としてメッシュクロス、開口部を有する筒状の樹脂、多孔質フィルム、不織布等が挙げられる。これらの中でも、包装の簡便さやコストの観点から不織布が好ましい。
包装材は、引張り試験における弾性率が0.8MPa以上であることが好ましい。弾性率が0.8MPa以上であれば、成形活性炭の外周を包装材にて一周包装することにより所望の耐圧性を得ることができる。弾性率が高いほど剛性が高いことが示され、成形活性炭の内周側から外周側への応力による成形活性炭の変形を抑える能力が高い。成形活性炭の割れ等の破損は応力に対して成形活性炭が耐えられず、変形することで発生すると考えられるため、上記の弾性率の包装材とすることが好ましい。弾性率が0.8MPa未満の包装材を用いる場合は、成形活性炭の外周に2周以上包装することで所望の耐圧性を得ることができる。
なお、弾性率は、引張試験機を用いて25℃の雰囲気下で50mm/minの速度で引張り試験を行った際に、下記式1により求められ、本発明における包装材の弾性率は、荷重2gf/mmとなった時点での弾性率である。
式1:E=σ/ε={F/(S×G)}/(Δx/x)
E:弾性率(MPa) σ:応力(MPa) ε:ひずみ(‐)
F:荷重(gf) G:重力加速度(m/s) S:断面積(m
Δx:変位(m) x:初期有効長(m)
包装材に不織布を用いる場合、その成分はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、セルロース、ナイロン、ポリスチレン等が挙げられる。不織布の製法はスパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法等の既知の手法から適宜選定すればよい。
また、包装材の不織布としては、構成する繊維が芯鞘型の複合繊維である不織布を用いることが好ましい。これは芯となる第一成分と、鞘部分の第二成分の繊維からなる複合繊維で形成された不織布のことである。芯鞘型の複合繊維であれば、芯の成分より鞘の成分の融点を低くすることができ、その場合、鞘部分の成分のみ溶融させることで破断することなく容易に溶着ができ、包装する際の固定が容易で好ましい。芯の成分より鞘の成分の融点を低くした芯鞘型の複合繊維として、例えば、芯の成分にポリエステル、ポリプロピレン、セルロース、ナイロン等を用い、鞘の成分にポリエチレン、ポリスチレン等を用いた複合繊維が挙げられる。前記した構成の複合繊維において、芯の成分を鞘の成分の融点より20℃以上高い融点を持つ成分とすることが好ましく、このような複合繊維を用いることで、鞘部分のみを溶融させて破断なく溶着することができる。
成形活性炭カートリッジの製造方法について、活性炭を含むスラリーを吸引することで成形する湿式成形法を例に取り説明する。全体の工程概要としてはスラリーを吸引して活性炭等を堆積させた筒状の成形活性炭前駆体を乾燥させて成形活性炭を作製し、成形活性炭の外周に包装材を巻き、成形活性炭カートリッジを得る製造方法である。
まず、繊維状バインダーと活性炭と水を混合し、スラリーを調製する。繊維状バインダーはスラリーの調製前に叩解機によりフィブリル化度合いを調整してもよい。スラリー中の固形分の濃度は1質量%以上10質量%以下が好ましい。固形分濃度が1質量%未満であると成形に時間を要し、生産効率が悪化する。固形分濃度が10質量%より高いと、スラリーを均一に攪拌するのが困難となり、均一な成形活性炭が得られ難くなる。
スラリーを吸引する方法は、多数の小孔を有する筒状の成形型を介してスラリーを吸引する方法や、多数の小孔を有する外管と内管をもつ二重管型容器にスラリーを流し込み、吸引する方法等が挙げられる。
成形活性炭前駆体の乾燥温度は90℃以上140℃以下が好ましい。乾燥温度が140℃より高くなると、繊維状バインダーが変性することがある。乾燥温度が90℃未満の場合、乾燥速度が低下し効率が悪化する。
成形活性炭への包装工程では、包装材に2gf/mm以上の張力を付与しつつ、成形活性炭の外周に周方向へ巻く方法が好ましい。包装材に周方向への張力を付与しつつ巻くことで巻き締まりにより、成形活性炭の外周側から径方向への応力が発生する。この応力により、通水時に内周側から外周側へ発生する負荷に対して成形活性炭を包装材が支える効果が得られ、0.1MPa以上の耐圧性能が発揮される。
張力付与の手法としては包装材が巻かれた原料ロールの巻き出し部と、巻取り部である成形体の間にダンサーロールを設けて、包装材の巻き出し速度の制御により一定張力をかける方法や、巻き出し部のトルクの制御により一定張力をかける方法がある。包装材を成形活性炭へ巻いてから、巻き出しと反対方向に張力をかけて巻取り部のトルクで絞る方法もあるが、巻き締まりによる応力が成形活性炭の周方向でばらつくことがある。
包装材を成形活性炭に一周以上巻いた状態で接着することで、張力により巻き締まりがある状態で包装材を成形活性炭の外周に固定することができる。接着方法は接着剤やホットメルトを用いる方法や、加熱や超音波による溶着等が挙げられる。包装材に前述の不織布を用いる場合、加熱や超音波による手法を用いることが取扱い性や製造効率の観点で好ましい。
成形活性炭カートリッジの端部には必要に応じてキャップ部材を接着し、通水用の容器に収容することでリーク無く成形活性炭の内周側から外周側へ水を流すことができる。
各特性値は以下の方法で測定した。
(1)耐圧試験
成形活性炭カートリッジの両端にキャップ部材を接着し、通水用の容器に収容した。筒状の成形活性炭カートリッジの内周側から外周側へ径方向に通水する経路をろ過側経路とし、この時の成形活性炭カートリッジの上流側の水圧から下流側であるろ過側の水圧の差が0.1MPaとなるよう設定した。通水用の容器の流路を変更することで、成形活性炭カートリッジの内周側を全長方向にのみ通水され、成形活性炭カートリッジのろ材部分を通過させない経路を原水側経路とした。原水側経路での1秒間の通水と、ろ過側経路での1秒間の通水との切替えを往復で合計3650回繰返し、通水後の成形活性炭の破損の有無を確認した。破損の確認は成形活性炭カートリッジの包装材を剥がし、目視にて成形活性炭の表面を観察し、成形活性炭の表面に割れ及び欠けのない場合を「破損なし」と判断し、耐圧性が0.1MPa以上あると評価し、また割れ又は欠けが確認できる場合を「破損あり」と判断し、耐圧性が0.1MPaより低いと評価した。なお、本耐圧試験後に遊離残留塩素の除去性能の測定を行う場合、包装材を剥がす前に測定を行い、破損の確認は測定の後で包装材を剥がして行った。
(2)包装材の弾性率の測定
有効長50mm、幅50mmの乾燥状態の包装材を50mm/minの速度で引張り試験を行った。測定には引張試験機(エー・アンド・ディー社製、STA−1150)を用い、雰囲気温度は25℃で行った。試料に負荷された荷重に対するひずみ、および包装材の厚みから、下記式1により弾性率(MPa)を算出した。荷重2gf/mm、すなわち100gf/50mmの時点の弾性率の値をその試料の弾性率とした。この操作を包装材10検体に対して繰り返し行い、算術平均値を結果とした。
式1:E=σ/ε={F/(S×G)}/(Δx/x)
E:弾性率(MPa) σ:応力(MPa) ε:ひずみ(‐)
F:荷重(gf) G:重力加速度(m/s) S:断面積(m
Δx:変位(m) x:初期有効長(m)
(3)粒度分布の測定
レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製「SALD−3100」)を用いて体積基準の累計粒度分布における50%粒子径(中心粒径)を求めた。
(4)遊離残留塩素除去性能の測定
JIS S 3201:2017に準じて3L/minの流量で成形活性炭カートリッジの遊離残留塩素除去性能を測定した。
[材料]
活性炭A:中心粒径140μm、ヨウ素吸着量1500mg/gの粉末活性炭
繊維状バインダー:アクリル繊維(東洋紡株式会社製「BiPUL」)
不織布A:弾性率1.0MPa、厚み0.2mmのポリエステル製不織布
不織布B:弾性率0.9MPa、厚み0.3mmのポリエチレン(鞘成分)およびポリエステル(芯成分)製芯鞘複合繊維からなる不織布
不織布C:弾性率0.4MPa、厚み0.3mmのポリエチレン(鞘成分)およびポリエステル(芯成分)製芯鞘複合繊維からなる不織布
[実施例1]
活性炭Aと繊維状バインダーを質量基準で95:5の割合で水に投入し、混合してスラリーを調製した。スラリー中の固形分濃度は3質量%とし、多数の小孔を有する筒状の成形型を介してスラリーを吸引し、外径30mm、内径10mm、全長120mの筒状の成形活性炭前駆体を作製した。成形活性炭前駆体を乾燥炉で120℃、5時間乾燥させ成形活性炭を得た。成形活性炭の外周に包装材として不織布Cを使用し、2.0gf/mmの張力をかけながら2周巻きつけて成形活性炭カートリッジを得た。
耐圧試験を行った後に遊離残留塩素除去性能を測定したところ、99%の除去率で良好なろ過性能であった。遊離残留塩素除去性能を測定した後に、成形活性炭カートリッジの包装材を剥がし、目視にて成形活性炭の表面を観察したところ、成形活性炭表面に破損はなかった。
[実施例2]
成形活性炭に包装材として不織布Aを使用し、2.0gf/mmの張力をかけながら1周巻いたこと以外は実施例1と同様にして成形活性炭カートリッジを得た。成形活性炭の外周に不織布を巻いて溶着にて固定する際に、実施例1と比較してやや時間を要した。
耐圧試験を行った後に遊離残留塩素除去性能を測定したところ、99%の除去率で良好なろ過性能であった。遊離残留塩素除去性能を測定した後に、成形活性炭カートリッジの包装材を剥がし、目視にて成形活性炭の表面を観察したところ、成形活性炭表面に破損はなかった。
[実施例3]
成形活性炭に包装材として不織布Bを使用し、2.0gf/mmの張力をかけながら1周巻いたこと以外は実施例1と同様にして成形活性炭カートリッジを得た。成形活性炭の外周に不織布Bを1周巻くだけであるため、実施例1よりも効率的に作製することができた。
耐圧試験を行った後に遊離残留塩素除去性能を測定したところ、99%の除去率で良好なろ過性能であった。遊離残留塩素除去性能を測定した後に、成形活性炭カートリッジの包装材を剥がし、目視にて成形活性炭の表面を観察したところ、成形活性炭表面に破損はなかった。
[実施例4]
成形活性炭に包装材として不織布Bを使用し、0.5gf/mmの張力をかけながら2周巻きつけたこと以外は実施例1と同様にして成形活性炭カートリッジを得た。
耐圧試験を行った後に遊離残留塩素除去性能を測定したところ、99%の除去率で良好なろ過性能であった。遊離残留塩素除去性能を測定した後に、成形活性炭カートリッジの包装材を剥がし、目視にて成形活性炭の表面を観察したところ、成形活性炭表面に破損はなかった。
[比較例1]
成形活性炭へ包装材を巻かないこと以外は実施例1と同様にして成形活性炭カートリッジを得た。
耐圧試験を行い、包装材を巻いていないので、そのまま成形活性炭の表面を観察したところ、表面に割れが発生していた。続けて遊離残留塩素除去性能を測定したところ、遊離残留塩素の除去率は45%であり低かった。成形活性炭表面に割れが発生していたために、原水リークによりろ過性能が悪化したものと考えられた。
[比較例2]
成形活性炭に包装材として不織布Bを使用し、0.5gf/mmの張力をかけながら1周巻きつけたこと以外は実施例1と同様にして成形活性炭カートリッジを得た。
耐圧試験を行った後に遊離残留塩素除去性能を測定したところ、遊離残留塩素の除去率が51%であり低かった。遊離残留塩素除去性能を測定した後に、成形活性炭カートリッジの包装材を剥がし、目視にて成形活性炭の表面を観察したところ、成形活性炭表面に割れが発生していた。成形活性炭表面に割れが発生していたために、原水リークによりろ過性能が悪化したものと考えられた。
[比較例3]
成形活性炭に包装材として不織布Cを使用し、2.0gf/mmの張力をかけながら1周巻きつけたこと以外は実施例1と同様にして成形活性炭カートリッジを得た。
耐圧試験を行った後に遊離残留塩素除去性能を測定したところ、遊離残留塩素の除去率が55%であり低かった。遊離残留塩素除去性能を測定した後に、成形活性炭カートリッジの包装材を剥がし、目視にて成形活性炭の表面を観察したところ、成形活性炭表面に割れが発生していた。成形活性炭表面に割れが発生していたために、原水リークによりろ過性能が悪化したものと考えられた。
上記の実施例と比較例について表1に結果をまとめて示す。耐圧試験で割れ等の破損がない実施例1〜4は優れた遊離残留塩素除去性能を発揮していた。実施例2および実施例3は、実施例1から包装材の種類を変更して弾性率が0.8MPa以上の不織布にしたので、成形活性炭の内側から外側への変形を抑える能力が高く、その結果1周の巻き数で耐圧性を満足させることができた。また、実施例2は実施例1から不織布の成分を芯鞘型の複合繊維ではなくポリエステルのみの繊維に変更したため、ポリエステルがすばやく溶融する条件では不織布が切れる不具合が生じやすい。そのため実施例2では緩やかにポリエステルが溶融する溶着条件で時間をかけて表面のみ溶かして接着する必要があり、包装工程に時間を要した。実施例4は不織布を成形炭の外周に巻く張力が実施例1より小さいが、弾性率が0.8MPa以上の不織布を2周巻いたことによって、成形活性炭の内側から外側への変形を抑える能力が十分であったので耐圧性が発揮されていた。
比較例1は包装材を巻いていないため、変形を抑える効果が一切なく、その結果耐圧性能が出なかった。比較例2は不織布を成形炭の外周に巻く張力が小さくかつ1周のみの包装のため、成形活性炭の変形を抑える能力が不十分であり、その結果耐圧性能が出なかった。比較例3は弾性率が0.8MPaより小さい不織布を1周しか包装していないため、成形活性炭の変形を抑える能力が不十分であり、その結果耐圧性能が出なかった。
Figure 2019188627
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2018年3月28日出願の日本特許出願(特願2018−061427)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の成形活性炭カートリッジは水道水中の遊離残留塩素等の除去用フィルターとして好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 活性炭と繊維状バインダーとを含む筒状の成形活性炭と、前記成形活性炭の外周に巻かれた包装材と、を含む成形活性炭カートリッジであって、
    前記成形活性炭カートリッジの内側の空間から、前記成形活性炭および前記包装材を通じて前記成形活性炭カートリッジの外側へ通水した時の耐圧性が0.1MPa以上である、成形活性炭カートリッジ。
  2. 前記包装材の弾性率が0.8MPa以上である、請求項1に記載の成形活性炭カートリッジ。
  3. 前記包装材が不織布である、請求項1又は2に記載の成形活性炭カートリッジ。
  4. 前記不織布を構成する繊維が芯鞘型の複合繊維である、請求項3に記載の成形活性炭カートリッジ。
  5. 活性炭と繊維状バインダーとを含む筒状の成形活性炭の外周に、包装材を周方向に2.0gf/mm以上の張力を付与しながら巻き付ける、成形活性炭カートリッジの製造方法。
JP2019516007A 2018-03-28 2019-03-19 成形活性炭カートリッジおよびその製造方法 Pending JPWO2019188627A1 (ja)

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