JP7009281B2 - 珪藻土を含む複合材、濾材及び当該濾材を有してなるカートリッジフィルター - Google Patents
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Description
[1]融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と、珪藻土と、が一体化されてなる複合材。
[2]前記融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン及びポリエチレンである、[1]に記載の複合材。
[3]前記熱可塑性複合繊維をバインダとして、前記珪藻土が前記複合材中に保持されてなる、[1]又は[2]に記載の複合材。
[4][1]~[3]のいずれか1項に記載の複合材を含む、濾材。
[5]前記複合材が、熱可塑性繊維を含む不織布で覆われてなる、[4]に記載の濾材。
[6]前記複合材が中間層であり、さらに、
前記中間層の一方側に、第一の熱可塑性繊維を含む表層、及び、
前記中間層の他方側に、第二の熱可塑性繊維を含む内層、
が積層されてなる、[4]又は[5]に記載の濾材。
[7]前記第二の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、[6]に記載の濾材。
[8]前記第二の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、[6]又は[7]に記載の濾材。
[9]前記第一の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、[6]~[8]のいずれか1項に記載の濾材。
[10]前記第一の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、[6]~[9]のいずれか1項に記載の濾材。
[11]細胞培養液の清澄化工程において使用される濾材である、[4]~[10]のいずれか1項に記載の濾材。
[12][4]~[11]のいずれか1項に記載の濾材を有してなる、カートリッジフィルター。
以上で述べた特性を有しているため、本発明の複合材から、細胞培養液の清澄化工程において、目詰まりを生じにくく、より多量の細胞培養液の処理が可能であり、低濾過圧力かつ濾過速度の速い濾材が得られる。
また、フィルターカートリッジを積み重ねて使用する場合でも、濾材全体に吸着剤が均一に分散された、任意の吸着能を有するフィルターカートリッジを下位の段階に配置できるため、効率的な濾過がなされる。そのため、本発明の濾材が搭載されたフィルターカートリッジを組み合わせても、細胞培養液を効率的に清澄化することができる。
本発明の濾材は、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と、珪藻土とが一体化されてなる複合材を含むことを特徴とする。複合材に含まれる熱可塑性複合繊維と珪藻土との混合比は、重量比で3:1~1:8が利用でき、2:1~1:7が好ましく、1:1~1:6がさらに好ましい。つまり、複合材中の珪藻土の重量割合は、25~89%(w/w)とすることができ、33~88%(w/w)が好ましく、50~86%(w/w)がさらに好ましい。通常、珪藻土は粉体で用いられることから、この範囲とすることで、珪藻土の粉末と熱可塑性複合繊維とが均一に分散され、さらに熱可塑性複合繊維によって空隙が得られることから、濾過時の目詰まりの抑制、通液性が確保され、複合材全体で吸着が行われるため、濾過圧力の上昇を抑えつつ、大きな濾過容量が得られる。さらには、親水性を有する珪藻土を高含有化かつ複合材中で均一に分散できるため、湿潤強化樹脂などを使用することなしに、水溶液などのろ過の際、高い流速を実現することができる。また、軽量化が図れるため、使用時においてハンドリング性に優れる点からも好ましい。珪藻土の比率が多い場合、吸着容量が大きくなるが、通液性および加工成形性は劣る。そのため、ろ過対象物を含む溶液のコンディションを想定し、珪藻土の含有量を決定することができる。
なお、本明細書において、珪藻土は、もっとも微細な物質を捕捉できる珪藻土を清澄濾過用とし、次点が精密濾過用、さらに次が標準濾過用、粒子径の大きい物質の除去に対しては粗濾過用と定義する。
本発明の濾材は、複合材に含まれる珪藻土の脱落を防止し、充分な強度や耐久性を確保するために、複合材の層を中間層とし、さらに繊維層及び/又は不織布層と組み合わされていることが好ましい。具体的には、前述の複合材が熱可塑性繊維を含む不織布で覆われてなる濾材であることが好ましい。また、前述の複合材が中間層として含まれ、その層の両側に、それぞれ表層と内層とが形成された3層構造を有する濾材であることも好ましい。また、複合材を肉厚に成形し、あるいは、複数層が積層された複合材として、濾材とすることもできる。いずれも、デプスフィルターの濾材として好適である。
本発明の濾材において、複合材が表層によって包摂される場合、表層は、1層又は複数層の不織布の層であることが好ましい。表層は繊維径の異なる不織布が複数枚重ねられていてもよい。その場合、最表面の層から複合材の層に近づくほど、不織布が細かくなる構造をとることが好ましい。表層は、ろ過液に含まれる粗大な夾雑物を捕捉する機能を有するため、厚みがあり空隙の大きな層であることが好ましい。また、ろ過操作時、ろ過圧力が高くなった場合においても、空隙を維持できることが好ましい。
本発明の濾材において、内層は、第二の熱可塑性繊維を含む層である。濾材が円筒形である場合、内層は円筒状成形体であり、濾材が平面状の濾材である場合、内層はシート状成形体であることが好ましい。内層は、公称3μm以上の異物を捕集する濾過性能を有することが好ましい。また、内層は、複合材からの珪藻土の流出を防ぐ機能を有する。また、内層を形成する繊維の強度によってろ過時の圧力による変形を防止する機能を有する。
本発明はまた、前述の濾材を有してなるカートリッジフィルターに関する。カートリッジフィルターの形状は特に制限されないが、一つの例として、例えば長さ246mm~254mmの円筒形フィルターを挙げることができる。長さは248~252mmの範囲であればより好ましい。フィルターカートリッジの両端はシール剤を用いてエンドキャップが取り付けられていることが好ましい。シール剤及びエンドキャップとしては、公知の素材及び構成のものを適宜選択して用いればよい。例えば、エンドキャップとしてポリプロピレン製成形体を用いることができ、シール剤としてエポキシ系接着剤を用いることができる。
また、樹脂製または金属製のコア部材を備えていてもよい。本発明品は、複合材それ自体が高い耐圧性を有しており、さらには、熱可塑性繊維または熱可塑性多成分繊維、特には、熱可塑性複合繊維からなる内層が配置されるため、ろ過圧力に対して、非常に優れた耐圧性をもつ。そのため、コア部材を備えていなくてもよいが、任意でコア部材を搭載してもよい。
本発明の濾材に含まれる複合材は、熱可塑性複合繊維と珪藻土とを所定の混合比で混合した混合物を、所要形状の成形型内に充填し、熱可塑性複合繊維の表面が溶融する温度に加熱することによって珪藻土と熱可塑性複合繊維の表面とを熱接着させ、冷却後、成形型から取り出すことによって製造されうる。成形型及び加熱装置としては公知のものを用いることができ、例えば、円筒状または平皿の金型を用いて、電気炉で加熱することができる。加熱の温度及び時間は、特に制限されないが、例えば140~160℃で数分~数時間加熱を行うことができる。
本発明のカートリッジフィルターが円筒形カートリッジフィルターである場合、概略的には、予め中間層(複合材)と内層とをそれぞれ成形しておき、中間層に内層を挿入し、次いで、中間層の表面に表層として不織布を1周するように巻きつけ、表層の不織布が溶融する温度まで加熱して、一体化を行う。このようにして得られる成形体の両端に、エンドキャップ部材をシール剤で接着させることで、カートリッジフィルターを製造することができる。また、積層型カートリッジフィルターである場合、予め中間層(複合材)、表層及び内層をそれぞれ成形しておき、中間層の表面を加熱し、中間層の上下に表層及び内層を重ね合わせ、一定圧力でプレスすることで、一体化して製造することができる。あるいは、中間層(複合材)、表層および内層を重ね合わせて、重りなどで荷重をかけつつ、オーブン内で加熱することで、一体化することもできる。このようにして得られた、積層体型カートリッジフィルターの端に、接合部を加熱したフィルターカートリッジを咬合させることで、フィルターカートリッジと濾材を一体化することができる。
カートリッジフィルターが円筒形カートリッジフィルターである場合、濾材の内層である円筒状成形体は、第一の熱可塑性繊維、例えば並列型複合繊維を不織布とした後、加熱したステンレス製の芯棒に多層に巻きつけることで所望の厚みの成形体を製造することができる。内径は、用いたステンレス製の芯棒の径となる。
具体的には、例えば、並列型口金を用いて、融点の異なる2種類類の熱可塑性樹脂を、280℃で複合比50/50で紡糸することで、並列型複合繊維の未延伸糸を得ることができる。該未延伸糸は、110℃で4倍に延伸し、機械捲縮をかけ、所定長に切断することで短繊維が得られる。短繊維(並列型複合繊維。カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/m2のウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が41.5mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造することができる。
カートリッジフィルターが積層型カートリッジフィルターである場合、濾材の表層として、混繊メルトブロー用紡糸口金を用いて、融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂を、熱可塑性樹脂が充分に溶融する温度で特定の混繊比で紡糸し、融点以上に加熱された加熱空気を特定の圧力でブローし、サクションコンベアネットに捕集させることで、表層に用いる不織布を製造することができる。具体的には、例えば、高融点成分としてポリプロピレン、低融点成分としてプロピレン/エチレン/ブテン-1三元系共重合体を、それぞれ紡糸温度290℃、混繊比50:50で紡糸し、380℃の加熱空気を圧力0.08MPaでブローし、直接サクションコンベアネットに捕集させ、混繊メルトブロー不織布を製造することができる。
[フィルター材料]
実施例、比較例において、下記の材料を用いた。高密度ポリエチレンの融点は130℃、結晶性ポリプロピレンの融点は168℃、プロピレン/エチレン/ブテン-1三元系共重合体の融点は138℃であった。
・熱可塑性繊維A(珪藻土と複合化用):高密度ポリエチレンと結晶性ポリプロピレンとからなる並列型複合繊維(繊度33.33dtex(約30d/f)、カット長3mm)。
・熱可塑性繊維B(内層用及び/又は表層用):高密度ポリエチレンと結晶性ポリプロピレンとからなる並列型複合繊維(繊度22.22dtex(約20d/f)、カット長51mm)、カード機にて目付30g/m2のウェブとした。
・表層:高融点成分として結晶性ポリプロピレン、低融点成分としてプロピレン/エチレン/ブテン-1三元系共重合体を、それぞれ紡糸温度290℃、混繊比50:50で紡糸し、380℃の加熱空気を圧力0.08MPaでブローし、直接サクションコンベアネットに捕集させ、目付40g/m2の混繊メルトブロー不織布を製造した。
・珪藻土:土田食品工業株式会社製の酸洗浄した珪藻土、各種品々を用いた。
[実施例1]
・珪藻土および熱可塑性繊維Aからなる平板状複合材であるフィルター材料の作製
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、円盤状の複合材1を製造した。
厚みは0.75cmであった。
・実施例1で作製した複合材1の厚み違い
複合材の厚みを1.5cm、電気焼結炉での加熱を150℃、50分とした以外は、実施例1と同様の製造手順にて、厚みが1.5cmである円盤状の複合材2を製造した。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した多層複合材
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(26℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.4cmである円盤状の複合材3を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号(土田食品工業株式会社製)を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.35cmである円盤状の複合材4を製造した。
複合材3と複合材4とを熱接着機にて接着し、厚み0.75cmの多層化した複合材5を得た。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した肉厚な多層複合材(厚み違い)
熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号(土田食品工業株式会社製)を、重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.75cmである円盤状の複合材6を製造した。
前記複合材1と複合材6とを熱接着機にて接着し、厚み1.5cmの多層化した複合材7を得た。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.5cmである円盤状の複合材8を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号(土田食品工業株式会社製)を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.5cmである円盤状の複合材9を製造した。
複合材8と複合材9とを熱接着機にて接着し、厚み3.0cmの多層化した複合材10を得た。
図1に複合材10の模式図を示す。図1中、11は複合材8(標準濾過層)、12は複合材9(清澄濾過層)を示す。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.5cmである円盤状の複合材11を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.5cmである円盤状の複合材12を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、1時間分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.5cmである円盤状の複合材13を製造した。
複合材11、複合材12及び複合材13を熱接着機にて接着し、厚み1.5cmの多層化した複合材14を得た。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した肉厚な多層複合材(4層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比50:50で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.3cmである円盤状の複合材15を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を重量比
20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.3cmである円盤状の複合材16を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.4cmである円盤状の複合材17を製造した。
複合材15、複合材16、実施例6で作製した複合材12及び複合材17を熱接着機にて接着し、厚み1.5cmの多層化した複合材18を得た。
図2に複合材18の模式図を示す。図2中、21は複合材15(標準濾過層)、22は複合材16(標準濾過層)、23は複合材12(精密濾過層)、24は複合材17(清澄濾過層)を示す。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比40:60で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材19を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材20を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材21を製造した。
複合材19、複合材20、及び複合材21を熱接着機にて接着し、厚み3.0cmの多層化した複合材22を得た。
図3に複合材22の模式図を示す。図3中、31は複合材19(標準濾過層)、32は複合材20(精密濾過層)、33は複合材21(清澄濾過層)を示す。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(4層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号を重量比20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.7cmである円盤状の複合材23を製造した。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、15分の冷却を行い、厚みが0.7cmである円盤状の複合材24を製造した。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を重量比
30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが0.8cmである円盤状の複合材25を製造した。
複合材23、複合材24、実施例8で作製した複合材20及び複合材25を熱接着機にて接着し、厚み3.2cmの多層化した複合材26を得た。
図4に複合材26の模式図を示す。図4中、41は複合材23(粗濾過層)、42は複合材24(標準濾過層)、43は複合材20(精密濾過層)、44は複合材25(清澄濾過層)を示す。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが1.0cmである円盤状の複合材27を製造した。
複合材27、複合材19、及び複合材21を熱接着機にて接着し、厚み3.0cmの多層化した複合材28を得た。
・粒度の異なる珪藻土を含む複数の複合材を積層した極肉厚な多層複合材(3層構造)
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号を重量比20:80で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて155℃、120分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、60分の冷却を行い、厚みが2.0cmである円盤状の複合材29を製造した。
複合材29、複合材24、及び複合材13を熱接着機にて接着し、厚み3.1cmの多層化した複合材30を得た。
・複合材1を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、実施例1で作製した複合材1と熱接着機によって接着させることにより、濾材1を製造した。試料の厚みは0.76cmであった。
図5に濾材1の模式図を示す。図5中、51は複合材1(標準濾過層)、52は不織布を示す。
・複合材2を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、実施例2で作製した複合材2と熱接着機によって接着させることにより、濾材2を製造した。試料の厚みは1.51cmであった。
・多層化した複合材5を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、実施例3で作製した複合材5と熱接着機によって接着させることにより、濾材3を製造した。試料の厚みは0.76cmであった。
・多層化した複合材7を不織布で覆った濾材
表層として、目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、実施例4で作製した複合材7(複合材1と複合材6の積層体)と熱接着機によって接着させることにより、濾材4を製造した。試料寸法は、23cm2、厚みは1.51cmであった。
図6に濾材4の模式図を示す。図6中、61は複合材1(標準濾過層)、62は複合材6(清澄濾過層)、63は不織布を示す。
表層として、目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、実施例5で作製した複合材9と熱接着機によって接着させることにより、濾材5を製造した。試料寸法は、23cm2、厚みは1.51cmであった。
表層として、目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、実施例8で作製した複合材21と熱接着機によって接着させることにより、濾材6を製造した。試料寸法は、23cm2、厚みは1.01cmであった。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材1、内層に不織布を配置した積層体
表層として、目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例1で作製した複合材1、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、濾材7を製造した。
図7に濾材7の模式図を示す。図7中、71は熱可塑性繊維B層、72は複合材1(標準濾過層)、73は不織布を示す。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材2、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例2で作製した複合材2、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材8を製造した。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材5、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例3で作製した複合材5、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、濾材9を製造した。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材7、内層に不織布を配置したフィルター濾材
表層として目付30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例4で作製した複合材7、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材10を製造した。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材10、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例5で作製した複合材10(複合材8と複合材9の積層体)、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材11を製造した。
図8に濾材11の模式図を示す。図8中、81は熱可塑性繊維B層、82は複合材8(標準濾過層)、83は複合材9(清澄濾過層)、84は不織布を示す。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材14、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例6で作製した複合材14、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材12を製造した。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材18、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例7で作製した複合材18、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、肉厚型の濾材13を製造した。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材22、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例8で作製した複合材22(複合材19、複合材20、複合材21の積層体)、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材14を製造した。
図9に濾材14の模式図を示す。図9中、91は熱可塑性不織布B層、92は複合材19(標準濾過層)、93は複合材20(精密濾過層)、94は複合材21(清澄濾過層)、95は不織布を示す。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材26、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例9で作製した複合材26(複合材20、複合材23、複合材24、複合材25の積層体)、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材15を製造した。
図10に濾材15の模式図を示す。図10中、101は熱可塑性繊維B層、102は複合材20(粗濾過層)、103は複合材23(標準濾過層)、104は複合材24(精密濾過層)、105は複合材25(清澄濾過層)、106は不織布を示す。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材28、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例10で作製した複合材28、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材16を製造した。
・表層に熱可塑性繊維B、中間層に複合材30、内層に不織布を配置した積層体
表層として目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用い、中間層に実施例11で作製した複合材30、内層として目付30g/m2の混繊メルトブロー不織布を用い、熱接着機によって接着させることにより、極肉厚型の濾材17を製造した。
[実施例29]
第二の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Bを用い、カード機にて目付30g/m2のウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が30mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造した。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番2号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号とを、重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて焼結することで中間層用の複合材35を製造した。寸法は、外径65mm、内径42mmであった。加熱は165℃、2時間行った。加熱後、室温(26℃)で、15分の冷却を行った後、238mm長に切断した。得られた成形体(中間層)に、予め238mm長にカットした内層を挿入する。内層の寸法は、外径42mm、内径30mmである。
その後、得られた成形体の表面に、目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用いた表層を巻きつけ、熱接着機によって接着させることで、円筒型の濾材18を得た。外径70mmであった。
さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、カートリッジフィルターの形状とした。カートリッジフィルターの全長は、250mmである。
図11にカートリッジフィルターの模式図を示す。図11中、111は熱可塑性繊維B層、112は複合材35(清澄濾過層)、113は熱可塑性繊維B層を示す。
実施例29において、中間層、内層および表層を一体化した成形体をカッターで、1cmの幅で切断した。次いで、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、カートリッジフィルターの形状とした。
[実施例31]
第二の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Bを用い、カード機にて目付30g/m2のウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が30mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造した。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番6号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番6号とを、重量比40:60で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて焼結することで中間層用の複合材36を製造した。寸法は、外径55mm、内径42mmであった。加熱は165℃、1時間行った。
さらに、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番1号とを、重量比30:70で混合し、外枠の金型と内側の複合材36との間に充填した後、電気焼結炉にて焼結することで、中間層用の複合材37を製造した。寸法は、外径65mm、内径55mmであった。加熱は165℃、1時間行った。加熱後、室温(26℃)で、15分の冷却を行った後、238mm長に切断した。得られた成形体(中間層)に、予め238mm長にカットした内層を挿入する。内層の寸法は、外径42mm、内径30mmである。
その後、得られた成形体の表面に、目付け30g/m2の熱可塑性繊維Bを用いた表層を巻きつけ、熱接着機によって接着させることで、円筒型の濾材19を得た。外径70mmであった。
さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、カートリッジフィルターの形状とした。カートリッジフィルターの全長は、250mmである。
図12にカートリッジフィルターの模式図を示す。図12中、121は熱可塑性繊維B層、122は複合材36(清澄濾過層)、123は複合材37(標準濾過層)、124は熱可塑性繊維B層を示す。
比較として、メルクミリポア社製のMillistak+(登録商標)DOHCを用いた。
非発現チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株由来の細胞を1.4Lの動物細胞培養装置(バイオット社)を用いて、2~3×107細胞/mLの密度まで増殖させ、70~90%の生存度で収集した。清澄化されていない細胞培養液のpHは7.1であった。
[実施例100]
第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123の実施例1に記載の方法を参照して、不織布層を製造した。この不織布を巻いて得られた円筒形の濾材を長さ10mmに切断し、さらに表層の濾材内径が60mmになるようにカッターナイフで切り抜き、表層をつくった。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番4号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号とを、重量比15:85で混合した。珪藻土の脱落防止のため、濾材の内径に接触する金型の円柱に第二の熱可塑繊維として、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/m2ウェブ)を巻きつけ、そこに熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号の混合物を充填し、これを電気焼結炉にて焼結することで複合材100を製造した。寸法は、外径60mm、内径28mmであった。加熱は150℃、2時間行った。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行った後、複合材100を金型から取り出した。
その後、不織布からなる表層に、得られた複合材100をはめ込むことで、濾材100を得た。さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、円筒型のカートリッジフィルターの形状とした。本発明の円筒型カートリッジフィルターの1次側の表面積は21cm2であった。
図13に円筒形フィルター濾材の模式図を示す。図13中、131は熱可塑性繊維B層、132は複合材100(粗濾過層)、133は熱可塑性繊維B層を示す。
[実施例200]
第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123の実施例1に記載の方法を参照に、不織布層を製造した。この不織布を巻いて得られた円筒形の濾材を長さ10mmに切断し、さらに表層の濾材内径が60mmになるようにカッターナイフで切り抜き、表層をつくった。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番2号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号とを、重量比15:85で混合した。珪藻土の脱落防止のため、金型の円柱に第二の熱可塑繊維として、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/m2のウェブ)を巻きつけ、そこに熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番2号の混合物を充填し、これを電気焼結炉にて焼結することで複合材200を製造した。寸法は、外径60mm、内径28mmであった。加熱は150℃、2時間行った。加熱後、室温(26℃)で、30分の冷却を行った後、複合材200を金型から取り出した。
その後、不織布からなる表層に、得られた複合材200をはめ込むことで、濾材200を得た。さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、円筒型のカートリッジフィルターの形状とした。本発明の円筒型カートリッジフィルターの1次側の表面積は21cm2であった。
図13に円筒形フィルター濾材の模式図を示す。図2中、134は熱可塑性繊維B層、135は複合材200(精密濾過層)、136は熱可塑性繊維B層を示す。
[実施例300]
第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123の実施例1に記載の方法を参照に、不織布層を製造した。この不織布を巻いて得られた円筒形の濾材を長さ10mmに切断し、さらに表層の濾材内径が60mmになるようにカッターナイフで切り抜き、表層をつくった。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維Aを用い、珪藻土としてろ過一番3号;土田食品工業株式会社製を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号とを、重量比15:85で混合した。珪藻土の脱落防止のため、金型の円柱に第二の熱可塑繊維として、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/m2のウェブ)を巻きつけ、そこに熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番3号の混合物を充填し、これを電気焼結炉にて焼結することで複合材300を製造した。寸法は、外径60mm、内径28mmであった。加熱は150℃、2時間行った。加熱後、室温(26℃)で、30分の冷却を行った後、複合材300を金型から取り出した。
その後、不織布からなる表層に、得られた複合材300をはめ込むことで、濾材300を得た。さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、円筒型のカートリッジフィルターの形状とした。本発明の円筒型カートリッジフィルターの1次側の表面積は21cm2であった。
図13に円筒形フィルター濾材の模式図を示す。図3中、137は熱可塑性繊維B層、138は複合材300(清澄濾過層)、139は熱可塑性繊維B層を示す。
[実施例400]
・珪藻土および熱可塑性繊維Aからなる平板状複合材であるフィルター材料の作製
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号を重量比30:70で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行い、円盤状の複合材400を製造した。厚みは13mmであった。
得られた複合材400を熱可塑性繊維B(第二の熱可塑繊維である、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/m2のウェブ)にて濾材全体を覆うように熱圧着させた。次いで、濾材の円周部に対し、ポリエチレンフィルムを熱で溶解させながら巻きつけた。
さらに、第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123に記載の実施例1の方法を参照に不織布を製造した。
得られた不織布を複合材400の上流側に積層し、熱圧着させた。積層した不織布層の厚みは4~5mmであり、円盤状の複合材400の円周部に沿うように耳切りすることで、濾材400を得た。
図14に平板型フィルター濾材の模式図を示す。図14中、141は熱可塑性繊維B層、142は複合材400(粗濾過層)、143は熱可塑性繊維Bを示す。
このようにして得られた濾材400は、1次側の表面積が23cm2となるようにポリプロピレン製のカプセルに組み立てた。
・珪藻土および熱可塑性繊維Aからなる平板状複合材を積層したフィルター材料の作製
上記の熱可塑性繊維A、及び、珪藻土としてろ過一番4号(土田食品工業株式会社製)を用い、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号を重量比40:60で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて150℃、30分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行い、円盤状の複合材500を製造した。厚みは2.5mmであった。
次いで、熱可塑性繊維Aと珪藻土ろ過一番4号の重量比を15:85とし、上記同様の作製法にて、複合材600を製造した。厚みは10.5mmであった。
複合材500を上流側に位置するように複合材600と重ね合わせ、金型に入れ電気焼結炉にて150℃、15分加熱した。加熱後、室温(20℃)で、30分の冷却を行い、積層型の円盤状の複合材700を製造した。
得られた複合材700を熱可塑性繊維B((第二の熱可塑繊維である、並列型複合繊維からなる不織布(カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/m2のウェブ))にて濾材全体を覆うように熱圧着させた。次いで、濾材の円周部に対し、ポリエチレンフィルムを熱で溶解させながら巻きつけた。
さらに、第二の熱可塑性繊維として、熱可塑性繊維Bを用い、国際公開第98/013123に記載の実施例1の方法で不織布を製造した。
得られた不織布を複合材700の上流側に積層し、熱圧着させた。積層した不織布層のこの不織布層の厚みは4~5mmであり、円盤状の複合材料700の円周部に沿うように耳切りすることで、濾材500を得た。
図15に円盤状フィルター濾材の模式図を示す。図15中、151は熱可塑性繊維B層、152は複合材500(粗濾過層)、153は複合材600(粗濾過層)、154は熱可塑性繊維Bを示す。
このようにして得られた濾材500は、1次側の表面積が23cm2 となるようにポリプロピレン製のカプセルに組み立てた。
比較例として、メルクミリポア社製のMillistak+(登録商標)DOHC23CL(比較例100)およびCOHC23CL(比較例200)を用いた。
また、各濾材を用いて得た濾液をシリンジフィルター(ポリエーテルスルホン製、粒子捕捉性能0.2μm、膜面積5.1cm2)に通液させ、シリンジフィルターが詰まりを生じるまでの通液重量(g)及びシリンジフィルター通過後の濾液の濁度(OD600)を測定した。通液重量は、一次清澄ろ過した濾液について、次工程への負担軽減の効果を表す指標となる。
さらに、各実施例の濾液は、シリンジフィルターにおける通液量が多く、シリンジフィルター通過後の濁度も低かった。
また、各濾材を用いて得た濾液をシリンジフィルター(ポリエーテルスルホン製、粒子捕捉性能0.2μm、膜面積5.1cm2)に通液させ、シリンジフィルターが詰まりを生じるまでの通液重量(g)及びシリンジフィルター通過後の濾液の濁度(OD600)を測定した。通液重量は、一次清澄ろ過した濾液について、次工程への負担軽減の効果を表す指標となる。
さらに、各実施例の濾液は、シリンジフィルターにおける通液量が多く、シリンジフィルター通過後の濁度も低かった。
23,32,43,93,104 複合材(精密濾過層)
12,24,33,44,62,83,94,105,112,12 複合材(清澄濾過層)
41,102 複合材(粗濾過層)
52,63,73,84,95,106 不織布層
71,81,91,101,111,113、121,124 熱可塑性繊維層
131,134,137,133,136,139,141,143,151,154 熱可塑性繊維層
132,142,152,153 複合材(粗濾過層)
135 複合材(精密濾過層)
137 複合材(清澄濾過層)
Claims (12)
- 融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と、珪藻土とを混合した混合物を成形型内に充填し、前記熱可塑性樹脂複合繊維の表面が溶融する温度に加熱することにより、前記珪藻土を熱可塑性複合繊維に保持させ、前記熱可塑性複合繊維と前記珪藻土とが一体化されてなる複合材であって、
前記熱可塑性複合繊維と珪藻土との混合比が、重量比で1:1~1:6であり、
前記珪藻土の粒径は0.5μm~50μmである、複合材。 - 前記融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン及びポリエチレンである、請求項1に記載の複合材。
- 請求項1又は2のいずれか1項に記載の複合材を含む、濾材。
- 前記複合材が、熱可塑性複合繊維を含む不織布で覆われてなる、請求項3に記載の濾材。
- 前記複合材が中間層であり、さらに、
前記中間層の一方側に、第一の熱可塑性繊維を含む表層、及び、
前記中間層の他方側に、第二の熱可塑性繊維を含む内層、
が積層されてなる、請求項3又は4のいずれか1項に記載の濾材。 - 前記第二の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、請求項5に記載の濾材。
- 前記第二の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、請求項5又は6に記載の濾材。
- 前記第一の熱可塑性繊維が、2以上の熱可塑性樹脂を含んでなる、請求項5~7のいずれか1項に記載の濾材。
- 前記第一の熱可塑性繊維が、熱可塑性複合繊維を含む、請求項5~8のいずれか1項に記載の濾材。
- 細胞培養液の清澄化工程において使用される濾材である、請求項3~9のいずれか1項に記載の濾材。
- 請求項3~10のいずれか1項に記載の濾材を有してなる、カートリッジフィルター。
- 融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性複合繊維と粒径が0.5μm~50μmである珪藻土とを、重量比が1:1~1:6となる混合比で前記珪藻土が均一に分散されるように混合した混合物を成形型内に充填し、前記熱可塑性樹脂複合繊維の表面が溶融する温度に加熱することによって前記珪藻土と前記熱可塑性複合繊維の表面とを熱接着させ、成形型内で冷却する、
複合材の製造方法。
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