JP6715162B2 - カートリッジフィルター及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は陰イオン吸着性に優れたカートリッジフィルターに関する。
近年、水中の環境基準や排出基準などの規制が強化されている。しかしながら、フッ素、ホウ素、六価クロム、ヒ素、セレン、リン酸などの陰イオンの除去については、未だに有効な対策が確立されていない。これら陰イオンは、微量であったとしても、水等を介して摂取してしまうと、人体に悪影響を及ぼすことが知られている。
陰イオンを固定化する性質を有する物質として、ハイドロタルサイトが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、陰イオン吸着効果に優れたハイドロタルサイト様物質が開示されており、ハイドロタルサイト様物質を用いて水中から陰イオンを吸着除去するための方法として、処理対象の水の中にハイドロタルサイト様物質をスラリーや粉体の状態で直接投入し、攪拌処理する方法が開示されている。また特許文献1には、ハイドロタルサイト様物質を含有したフィルターによる陰イオン吸着も可能であると記載されているが、特許文献1でいうフィルターとは土砂フィルターであり、ハイドロタルサイト様物質と土砂とを混合し、土壌を被覆することによって使用するものであって、カートリッジフィルターのような比較的小型で取り外し可能な態様のものは想定されていない。
一方、バクテリアやウィルス等を除去するためのフィルターとして、濾過体にハイドロタルサイトを含むフィルターが知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、特許文献2の発明では、ハイドロタルサイトを含む濾過体が結合体としてペレット状の樹脂で結合されていたことから、陰イオン吸着用のフィルターとして用いるためにはフィルターの通液性が充分でなく、そのため、目的とする陰イオンの吸着性が不十分であった。また、陰イオン吸着用のフィルターとしてはフィルターの重量が高く、ハンドリング性が悪いという問題がある。
WO2005/087664号公報 特表2007−534487号公報
上記のとおり、従来、水処理等に用いられる陰イオン吸着用のカートリッジフィルターとして十分な機能を有するものは知られていなかった。このようなことから、本発明は、軽量で陰イオン吸着性に優れたカートリッジフィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、カートリッジフィルターを、表層、中間層、内層の3層を含む構成とし、内層を熱可塑性繊維を含む層とし、また、中間層を熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを混合して構成した層とすることによって、上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]少なくとも表層、中間層、内層の3層を含むカートリッジフィルターであって、
前記表層は、不織布を含む層であり、
前記中間層は、第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを含む層であり、
前記内層は、第二の熱可塑性繊維を含む円筒状成形体である、
カートリッジフィルター。
[2]前記第一の熱可塑性繊維が、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維である前記[1]に記載のカートリッジフィルター。
[3]前記融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンとポリエチレンである前記[2]に記載のカートリッジフィルター。
[4]前記中間層は、前記第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとが、前記第一の熱可塑性繊維をバインダとして一体化されている層である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のカートリッジフィルター。
[5]少なくとも表層、中間層、内層の3層を含むカートリッジフィルターの製造方法であって、
前記中間層は、(1)第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを混合し、混合物を円筒状の成形型内に充填する工程、次いで、
(2)前記第一の熱可塑性繊維の表面が溶融する温度に加熱し、前記第一の熱可塑性繊維と前記ハイドロタルサイトとを少なくとも部分的に接着させる工程、
を含む工程で製造され、
前記内層は、(3)第二の熱可塑性繊維をカード機にてウェブにする工程、次いで、
(4)前記ウェブを加熱し、前記中間層の内径に対応する外径になるまで、鉄芯に巻き付ける工程、
を含む工程で製造され、
(5)前記中間層に前記内層を挿入する工程、
(6)前記中間層の表面に不織布を1周するように巻き付け、当該不織布が溶融する温度まで加熱して、中間層と一体化した表層を形成する工程、
を含む、カートリッジフィルターの製造方法。
本発明のカートリッジフィルターは、フッ素、ホウ素、六価クロム、ヒ素、セレン、リン酸などの陰イオンの吸着性に優れている。また、本発明のカートリッジフィルターは、熱可塑性繊維等で構成されるため、軽量化を図ることができ、ハンドリング性が良好となる。
<<カートリッジフィルター>>
本発明のカートリッジフィルターは、少なくとも表層、中間層、内層の3層を含むカートリッジフィルターであって、表層は、不織布を含む層であり、中間層は、第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを含む層であり、内層は、第二の熱可塑性繊維を含む円筒状成形体である。3層の配置の順番は、3層のうち、内層が最も内側に配置され、表層が最も外側に配置され、中間層が表層と内層の間に配置される。この順番に配置されることで、夾雑物の影響を抑え、さらにハイドロタルサイトの脱離が抑えられることから、陰イオンの吸着性が良好となる。
<<中間層>>
本発明に用いる中間層は、第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを含む層である。
第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとの混合比は、重量比で1:2〜1:8が利用でき、1:4〜1:6が好ましく、1:5が更に好ましい。通常、ハイドロタルサイトは粉体で用いられることから、この範囲とすることで、ハイドロタルサイトの粉末と第一の熱可塑性繊維とが均一に分散され、さらに第一の熱可塑性繊維によって空隙が得られることから、充分な陰イオン吸着効果が発揮されるとともに、軽量化が図れるために好ましい。
中間層は、熱可塑性繊維が形成する立体網状構造の空隙にハイドロタルサイト粉末が存在し、また、熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとの接点において熱可塑性繊維がハイドロタルサイトに溶着しており、または3次元的に接着した熱可塑性繊維の間に強固に挟まれているため、ハイドロタルサイトが脱落することなく保持されている。また、中間層の厚みは、特に制限されるものではないが、水処理設備におけるカートリッジフィルターとして用いる場合、例えば5〜15mmとすることができ、10〜14mmの範囲であればより好ましい。
<第一の熱可塑性繊維>
第一の熱可塑性繊維としては、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維が利用できる。複合繊維としては、鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、海島型複合繊維等が例示できる。融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、具体的に、ポリプロピレンとポリエステル、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが例示でき、特に、軽量性、耐薬品性および熱接着性に優れている点から、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示できる。また、ポリプロピレンとしては、プロピレンを主体するエチレンまたはαオレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレンの単独重合体などが例示できる。また、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示できる。2種類の樹脂の融点の差は、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であればより好ましい。
第一の熱可塑性繊維の繊度は、特に限定されないが、1.1〜110dtexの範囲が利用でき、1.65〜65dtexの範囲が好ましく、1.65〜40dtexの範囲がより好ましい。また、第一の熱可塑性繊維としては、繊維を0.1〜20mm程度の長さに裁断したものを用いることができ、0.5〜10mm程度であればより好ましい。この範囲の繊度、長さを有する熱可塑性繊維を使用することで、中間層に適切な大きさの空隙が形成され、被処理水とハイドロタルサイトとが充分に接触してハイドロタルサイトの陰イオン吸着効果が発揮される。また、熱可塑性繊維がバインダの役割をすることによってハイドロタルサイトの脱落が防止される。
<ハイドロタルサイト>
本発明に用いるハイドロタルサイトとしては、天然のハイドロタルサイトだけでなく、合成ハイドロタルサイトが利用できる。天然のハイドロタルサイトとしては、天然の鉱石から採掘できる。合成ハイドロタルサイトとしては、共沈法もしくはテンプレート法を用いて、2価と3価の混合金属塩水溶液とアルカリ性溶液を混合して生成するハイドロタルサイト様化合物が利用できる。なかでも、NLDH(商品名)(ANION社製)として商業的に入手可能である、金属陽イオンで構成される水酸化物八面体層の一部を別の金属陽イオンに置換することで正電荷を有し、電気的中性を保つために陰イオンを層間に取り込んだハイドロタルサイトが好ましく利用できる。ハイドロタルサイトの粒度は、例えば平均粒子径(D50)が0.3〜1.5μmのものを用いることができ、0.5〜1.2μmの範囲であればより好ましい。粒度が0.5μm以上であれば、繊維との接着という点で好ましく、1.2μm以下であれば、空孔部のサイズの点で好ましい。
<<表層>>
本発明のカートリッジフィルターに用いる表層は、不織布を含む層であり、好ましくは不織布の層である。表層は、中間層に含まれるハイドロタルサイトの脱落を抑える機能を有する必要があることから、中間層との接着性に優れることが好ましい。そのため、不織布としては、中間層に含まれる第一の熱可塑性繊維と同種の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性繊維からなることが好ましい。表層に熱可塑性繊維を用いる場合、その繊度は、特に限定されないが、0.5〜30dtexの範囲が利用でき、0.5〜10dtexの範囲が好ましく、0.5〜6dtexの範囲がより好ましい。不織布を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が利用できる。なかでも、耐熱性と耐薬品性の点からはポリプロピレンが好ましく、低温での接着性の点からはポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示できる。また、ポリプロピレンとしては、プロピレンを主体とし、エチレンまたはαオレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレンの単独重合体などが例示できる。また、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示できる。不織布は、短繊維から製造してもよいが、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等を利用してもよい。
表層に用いる不織布の目付としては、10〜100g/mの範囲であることが好ましく、25〜75g/mがより好ましく、30〜50g/mが特に好ましい。この範囲であれば、通液性に優れるため好ましい。また、表層に用いる不織布の通気度としては、1〜50cm/cm/secの範囲であることが好ましく、5〜30cm/cm/secがより好ましく、10〜20cm/cm/secが特に好ましい。表層は、中間層の表面上にこれらの不織布を巻き付け、溶着することによって形成されるが、巻き付けの数は特に制限されず、一重であってもよいし、二重以上であってもよい。例えば、2〜3回巻き付けることができる。
<<内層>>
本発明に用いる内層は、第二の熱可塑性繊維を含む円筒状成形体であり、公称3μm以上の異物を捕集する濾過性能を有する。つまり、内層は、中間層における陰イオン吸着剤の流出を防ぐ機能を有する。
<第二の熱可塑性繊維>
第二の熱可塑性繊維としては、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維が利用できる。複合繊維としては、鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、海島型複合繊維等が例示できるが、嵩高くするために、並列型複合繊維を用いることが好ましい。融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、具体的に、ポリプロピレンとポリエステル、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが例示でき、特に、軽量性、耐薬品性および熱接着性に優れている点から、ポリプロピレンとポリエチレンの組み合わせが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示できる。また、ポリプロピレンとしては、プロピレンを主体するエチレンまたはαオレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレンの単独重合体などが例示できる。また、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示できる。第二の熱可塑性繊維は、第一の熱可塑性繊維と同一であってもよいし、互いに異なる繊維であってもよい。
第二の熱可塑性繊維の繊度は、特に限定されないが、0.5〜100dtexの範囲が利用でき、0.5〜50dtexの範囲が好ましく、0.5〜25dtexの範囲がより好ましい。内層は、これらの繊維を含む不織布を多重に重ねて成形した円筒状成形体であることが好ましい。不織布としては、短繊維からなるものでもよく、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等であってもよいが、スルーエアー不織布を用いることが好ましい。不織布の目付及び通気度は、所望のろ過性能(夾雑物の除去性能)が得られる限り特に制限されないが、例えば、目付は10〜80g/mの範囲であることが好ましく、20〜60g/mがより好ましい。また、内層に用いる不織布の通気度としては、5〜50cm/cm/secの範囲であることが好ましく、10〜30cm/cm/secがより好ましい。
内層の厚みは例えば3〜10mmとすることができ、5〜7mmであればより好ましい。内層は中間層の内側に挿入されて使用されるため、内層の外径と、中間層の外径とが一致するように形成されることが好ましい。
本発明のカートリッジフィルターは、前述の内層、中間層及び外層の3層を有するが、これら以外にもさらに任意の層を有することもできる。例えば、最外層として保護ネットを有してもよいし、内層と中間層との間にさらなる濾過層や間隙層を設けることもできる。
本発明のカートリッジフィルターの長さは特に制限されないが、例えば246mm〜254mmとすることができ、248〜252mmの範囲であればより好ましい。フィルターカートリッジの両端はシール剤を用いてエンドキャップが取り付けられていることが好ましい。シール剤及びエンドキャップとしては、公知の素材及び構成のものを適宜選択して用いればよい。例えば、エンドキャップとしてポリプロピレン製成形体を用いることができ、シール剤としてエポキシ系接着剤を用いることができる。
本発明のカートリッジフィルターは、外側から内側に被処理水を通過させることで使用される。カートリッジフィルターに流入した被処理水は、まず表層で夾雑物が取り除かれ、続いて、中間層においてハイドロタルサイトによって陰イオンが吸着除去され、内層で夾雑物が取り除かれてから流出する。本発明のカートリッジフィルターは単独で使用されてもよいし、一連の水処理設備の一部分として組み込まれて使用されてもよい。
<<カートリッジフィルターの製造方法>>
本発明のカートリッジフィルターは、概略的には、予め中間層と内層とをそれぞれ成形しておき、中間層に内層を挿入し、次いで、中間層の表面に表層として不織布を1周するように巻きつけ、不織布が溶融する温度まで加熱し、一体化を行う。このようにして得られる成形体の両端に、エンドキャップ部材をシール剤で接着させることで、カートリッジフィルターを製造することができる。
<中間層の製造方法>
第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを所定の混合比で混合した混合物を、所要形状の成形型内に充填し、第一の熱可塑性繊維の表面が溶融する温度に加熱することによって、ハイドロタルサイトと第一の熱可塑性繊維の表面とにおいて両者が熱接着した中間層が形成される。冷却させた後、成形型から取り出す。ここで、第一の熱可塑性繊維は、バインダとして機能する。第一の熱可塑性繊維として融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂からなる繊維を用いる場合、2種類の樹脂の融点の間の温度、すなわち、低融点の樹脂は溶融し、かつ、高融点の樹脂は溶融しない温度に設定することで、繊維が形成する立体網状構造の中にハイドロタルサイト粒子が保持される形態を保持しつつ、繊維とハイドロタルサイトとを接着することができる。
成形型及び加熱装置としては公知のものを用いることができ、例えば、円筒状の金型を用いて、電気炉で加熱することができる。加熱の温度及び時間は、特に制限されないが、例えば140〜160℃で数分〜数時間加熱を行うことができる。
<内層の製造方法>
内層である円筒状成形体は、第二の熱可塑性繊維、例えば並列型複合繊維を不織布とした後、加熱したステンレス製の芯棒に多層に巻きつけることで所望の厚みの成形体を製造することができる。内径は、用いたステンレス製の芯棒の径となる。
具体的には、例えば、並列型口金を用いて、融点の異なる2種類類の熱可塑性樹脂を、280℃で複合比50/50で紡糸することで、並列型複合繊維の未延伸糸を得ることができる。該未延伸糸は、110℃で4倍に延伸し、機械捲縮をかけ、所定長に切断することで短繊維が得られる。短繊維(並列型複合繊維。カット長51mm、繊度22.22dtex(約20d/f)を、カード機にて目付30g/mのウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が41.5mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造することができる。
<表層の製造方法>
混繊メルトブロー用紡糸口金を用いて、融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂を、熱可塑性樹脂が充分に溶融する温度で特定の混繊比で紡糸し、融点以上に加熱された加熱空気を特定の圧力でブローし、サクションコンベアネットに捕集させることで、表層に用いる不織布を製造することができる。具体的には、例えば、高融点成分としてポリプロピレン、低融点成分としてプロピレン/エチレン/ブテン−1三元系共重合体を、それぞれ紡糸温度290℃、混繊比50:50で紡糸し、380℃の加熱空気を圧力0.08MPaでブローし、直接サクションコンベアネットに捕集させ、混繊メルトブロー不織布を製造することができる。
表層に用いる不織布は、内層に中間層を挿入して一体化した後に、中間層の外側に表層の不織布を巻き付けて中間層と表層を一体化してもよいし、まず中間層の外側に表層を一体化し、次いで中間層を挿入することもできる。中間層と表層との接着のためには、公知の加熱装置を用いることができ、例えば、電気ヒーター、赤外線加熱機等を用いることができる。
下記の実施例は、例示を目的としたものに過ぎない。本発明の範囲は、本実施例に限定されない。なお、実施例中で用いた測定方法及び材料を以下に示す。
[陰イオン濃度の測定方法]
イオン交換樹脂を充填した分離カラムに、陰イオンを含有する試料を通過させ、分離カラムにてその成分イオンを分離した後、HORIBA(株)製ES−71の電気伝導率計を用いて分離液の電気伝導率を測定し、該当する陰イオンの濃度を定量分析した。
[材料]
実施例、比較例において、下記の材料を用いた。高密度ポリエチレンの融点は130℃、結晶性ポリプロピレンの融点は168℃、プロピレン/エチレン/ブテン−1三元系共重合体の融点は138℃であった。
・熱可塑性繊維1(中間層用):高密度ポリエチレンと結晶性ポリプロピレンとからなる並列型複合繊維(繊度33.33dtex(約30d/f)、カット長3mm)。
・熱可塑性繊維2(内層用):高密度ポリエチレンと結晶性ポリプロピレンとからなる並列型複合繊維(繊度22.22dtex(約20d/f)、カット長51mm)
・表層:高融点成分として結晶性ポリプロピレン、低融点成分としてプロピレン/エチレン/ブテン−1三元系共重合体を、それぞれ紡糸温度290℃、混繊比50:50で紡糸し、380℃の加熱空気を圧力0.08MPaでブローし、直接サクションコンベアネットに捕集させ、目付40g/mの混繊メルトブロー不織布を製造した。
・ハイドロタルサイト:ANION株式会社の高性能陰イオン吸着剤NLDH。
[実施例1]
第二の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維2を用い、カード機にて目付30g/mのウェブとし、これを135℃で加熱し、直径が30mmの鉄芯に外径が42mmになるまで巻き付け、その後、鉄芯を抜いて内層を製造した。
第一の熱可塑性繊維として熱可塑性繊維1を用い、ハイドロタルサイトとして高性能陰イオン吸着剤NLDHを用い、熱可塑性繊維1と高性能陰イオン吸着剤NLDHとを、重量比10:50で混合し、金型に充填した後、電気焼結炉にて焼結することで中間層を製造した。寸法は、外径65mm、内径42mmであった。加熱は165℃、2時間行った。加熱後、室温(26℃)で、15分の冷却を行った後、238mm長に切断した。得られた成形体(中間層)に、予め238mm長にカットした内層を挿入する。内層の寸法は、外径42mm、内径30mmである。
その後、得られた成形体の表面に、表層を巻きつけ、熱接着機によって接着させた。
さらに、得られた筒状の成形体の上下の端面部分を覆うように、樹脂成形品を接着し、カートリッジフィルターの形状とした。カートリッジフィルターの全長は、250mmである。
[比較例1]
高性能陰イオン吸着剤NLDHのみを用いて、金型に充填した後、電気焼結炉にて焼結した。焼結は、155℃、2時間行う。寸法を、外径65mm、内径30mmの、NLDHのみの1層構造のカートリッジフィルターの形状とした。
フッ素イオン及びホウ素イオンを含有する溶液(フッ素イオン濃度:5mol/L、ホウ素イオン濃度:5mol/L)、を、実施例1のフィルター及び比較例1のフィルターに通液(10L/分、30分間)した。通液後の各液体の陰イオン濃度を上述の陰イオン濃度の測定方法に従って測定したところ、比較例1のフィルターを通した液体の陰イオン濃度は、実施例1のフィルターを通した液体の陰イオン濃度の3.2倍であった。また、実施例1のフィルターを通した液体は、内層により、液体中の20μm以上の異物の99%が捕集されていた。

Claims (5)

  1. 少なくとも表層、中間層、内層の3層を含むカートリッジフィルターであって、
    前記表層は、不織布を含む層であり、
    前記中間層は、第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを含む層であり、
    前記内層は、第二の熱可塑性繊維を含み、厚みが3〜10mmの円筒状成形体である、
    カートリッジフィルター。
  2. 前記第一の熱可塑性繊維が、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維である、請求項1に記載のカートリッジフィルター。
  3. 前記融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンとポリエチレンである請求項2に記載のカートリッジフィルター。
  4. 前記中間層は、前記第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとが、前記第一の熱可塑性繊維をバインダとして一体化されている層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカートリッジフィルター。
  5. 少なくとも表層、中間層、内層の3層を含むカートリッジフィルターの製造方法であって、
    前記中間層は、
    (1)第一の熱可塑性繊維とハイドロタルサイトとを混合し、混合物を円筒状の成形型内に充填する工程、次いで、
    (2)前記第一の熱可塑性繊維の表面が溶融する温度に加熱し、前記第一の熱可塑性繊維と前記ハイドロタルサイトとを少なくとも部分的に接着させる工程、
    を含む工程で製造され、
    前記内層は、
    (3)第二の熱可塑性繊維をカード機にてウェブにする工程、次いで、
    (4)前記ウェブを加熱し、前記中間層の内径に対応する外径になるまで、鉄芯に巻き付ける工程、
    を含む工程で製造される、厚みが3〜10mmの円筒状成形体であり
    (5)前記中間層に前記内層を挿入する工程、
    (6)前記中間層の表面に不織布を1周するように巻き付け、当該不織布が溶融する温度まで加熱して、中間層と一体化した表層を形成する工程、
    を含む、カートリッジフィルターの製造方法。
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