JP6927710B2 - フィルター - Google Patents
フィルター Download PDFInfo
- Publication number
- JP6927710B2 JP6927710B2 JP2017023436A JP2017023436A JP6927710B2 JP 6927710 B2 JP6927710 B2 JP 6927710B2 JP 2017023436 A JP2017023436 A JP 2017023436A JP 2017023436 A JP2017023436 A JP 2017023436A JP 6927710 B2 JP6927710 B2 JP 6927710B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- woven fabric
- filter
- filtration
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Filtering Materials (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
[1]基材層と、濾過層と、表皮層と、を有するフィルターであって、
前記基材層は、不織布が多重に巻回され、熱圧着されてなる層であって、空隙率が0.61〜0.84、かつ、0.5MPaの荷重を掛けたときの圧縮比が0.18以下であり、
前記濾過層は、厚み方向にも繊維が配向している不織布とネットとを積層した積層体が多重に巻回されてなる層であって、濾過層中の層間は接着されておらず、
前記表皮層は、不織布を含む層であって、表皮層を構成する不織布の平均繊維径は、前記濾過層を構成する不織布の平均繊維径の2倍以上である、フィルター。
[2]前記基材層の不織布を構成する繊維が、高融点成分と低融点成分との融点差が10℃以上である熱融着性複合繊維を含む、[1]に記載のフィルター。
[3]前記表皮層の不織布を構成する繊維の平均繊維径が、前記濾過層を構成する繊維の平均繊維径の2〜20倍である、[1]又は[2]に記載のフィルター。
[4]前記基材層の不織布と前記表皮層の不織布とが、同一の不織布である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のフィルター。
[5][1]〜[4]のいずれか1項に記載のフィルターを有する、円筒型フィルター。
本発明のフィルターの濾過層は、基材層と表皮層の間に存在し、厚み方向にも繊維が配向している不織布とネットとを積層した積層体が多重に巻回されている。ここで、「厚み方向にも繊維が配向している不織布」とは、不織布の厚み方向(濾過する流体の流れ方向)と面方向(濾過する流体の垂直方向)との両方に繊維配向が分布している不織布を意味し、典型的には、構成繊維が曲率を持っている不織布を意味する。厚み方向にも繊維が配向している不織布は、空隙率が高く、弾性を有し、嵩高いという特徴を有する。このため、流体の圧力損失が低減され、高濃度で粘性を有する流体であっても滞留することなく濾過を行える。また、このような不織布とネットとを積層することで、実質的な濾過機能を担う濾過層不織布の間に適度な間隙が形成される。そのため濾過層内での流体ないし流体内の固形分の流動性が向上して、ブリッジの形成が抑制される。また、濾過層中の不織布の間に間隙を有することで、不織布の重層による細孔の狭小化や閉塞が回避されるため、濾過精度に優れる。さらに、濾過層中を構成する不織布の層がネットによって数層に分割されていることによって、濾過層内で不織布中の繊維がわずかに動くことができ、流体や流体中の固形分の流動性がさらに向上するとともに、ネットによって濾過層の形状が保持されるため、濾過性能が安定的に発揮される。
基材層は、円筒形フィルターにおける円筒の内側、濾過される流体の下流側にあたる層であって、フィルターの強度を確保する機能を有する。本発明のフィルターの基材層は、不織布が多重に巻回され、熱圧着されてなる層であり、0.5MPaの荷重を掛けた場合の圧縮比が0.18以下であるという特徴を有する。圧縮比は、継続的な外からの荷重に対する変形しやすさを表す指標であり、0.5MPaの荷重を掛けた場合の圧縮比が0.18以下であれば、フィルター使用時の変形がほとんどないため好ましい。圧縮比の具体的な測定及び算出方法は、実施例において詳述される。
表皮層はフィルターの最も外側(濾過液の上流側)に位置する層であり、特に大粒径の凝集物や夾雑物が濾過層内に侵入しないようにブロックするほか、濾過層を保護し、フィルター形態を保持することを主な目的とする層である。表皮層は不織布を含む層であり、不織布からなる層であることが好ましい。
本発明のフィルターは、基材層用の不織布を巻回し、その上に濾過層用の不織布及びネットを巻回し、さらにその上に表皮層用の不織布を巻回することで製造できる。具体的には、例えば、基材層用の不織布であるメルトブロー不織布をまず熱圧着させながら円柱状の鉄棒に巻き取って、コアとなる基材層を形成する。続いて、濾過層用の不織布であるスルーエア不織布及びネットを順に挿入し、加熱することなく巻き上げて濾過層を形成する。最後に、メルトブロー不織布を1〜2回巻回して、熱圧着させて表皮層を形成することができる。
実施例中に示した物性値の測定方法や定義は次のとおりである。
250mm×250mmに切断した不織布の重量を測定し、単位面積当たりの重量(g/m2)を求め、これを目付とした。
2)層の空隙率
層の外径、内径、長さ、重量を測定し、次式を使って空隙率を求めた。
(層の見かけ体積)=π{(層の外径)2-(層の内径)2}×(層の長さ)/4
(層の真体積)=(層の重量)/(層の原料の比重)
(層の空隙率(%))={1-(層の真体積/層の見かけ体積)}×100
3)圧縮比
基材層を20mm×20mmに切断し、元の厚さを測定し、続いて、この小片に0.5MPaの荷重を掛けたときの、小片の厚さを測定した。測定した厚さと下記式を用いて、圧縮比を算出した。
圧縮比=(初期厚さ−荷重を掛けた時の厚さ)÷(初期厚さ)
4)捕集効率(濾過精度)
次の試験粉体及び方法に従って初期捕集性能として捕集効率を測定した。試験粉体はJIS Z 8901 試験用粉体に記載の7種を使用した。JIS7種粉体を速度0.2g/minで水中に添加した試験流体を30L/minの流量でフィルターに通し、フィルター前後の粒子数を測定した。粒子数はパーティクルセンサー(KS-63 リオン製)を用い、パーティクルカウンター(KL-11 リオン製)を使用して測定した。捕集効率は以下の定義式によって求めた。
捕集効率(%)=(1-フィルター通過後の粒子径30μmの粒子数/フィルター通過前の粒子径30μmの粒子数)×100
5)濾過ライフ
次の粉体及び方法に従って、累積粉体添加量に対するフィルター前後の差圧変化を測定した。試験粉体はJIS Z 8901 試験用粉体に記載の7種を使用した。循環水量30L/minの水中に速度0.2g/minで前記試験粉体を添加した試験流体をフィルターに通液し、累積粉体添加量に対するフィルター前後の圧力差変化を追跡した。そして、圧力差が初期圧力差の2倍になった時点を濾過ライフとして、その時点の粉体添加量を記録した。また、圧力差が初期圧力差の2倍になった時点のフィルター外観を目視で観察した。
基材層用の不織布として、目付が50g/m2であり、平均繊維径190μmのプロピレン共重合体/ポリプロピレンの同心鞘芯型複合メルトブロー不織布を用いた。濾過層用の不織布として、ポリプロピレン/ポリエチレンの偏心鞘芯型複合繊維(平均繊維径30μm)からなる、目付が30g/m2のスルーエア不織布を用いた。ネットとして、ポリプロピレンモノフィラメント(平均繊維径250μm)からなる、目合いが2.0mmであるネットを用いた。中芯(鉄棒)を予め150℃に加熱し、この中芯に基材層に用いるメルトブロー不織布を接着させ、巻き取った。さらに150℃で加熱を続けながら6mを巻き取り、基材層を形成した。続いて、基材層用の不織布と同じ不織布、濾過層用の不織布、ネットを3層重ねた状態で2m巻き取り、濾過層を形成した。続いて、基材層用の不織布と同じ不織布を1m巻き取り、表皮層を形成し、円筒型フィルターを製造した。
濾過層用の不織布として、ポリプロピレン/ポリエチレンの偏心鞘芯型複合繊維(平均繊維径22μm)からなる、目付が30g/m2のスルーエア不織布を用いた。それ以外は、実施例1と同じ方法で、円筒型フィルターを製造した。
基材層用の不織布として、目付が50g/m2であり、平均繊維径150μmのプロピレン共重合体/ポリプロピレンの同心鞘芯型複合メルトブロー不織布を用いた。それ以外は、実施例1と同じ方法で、円筒型フィルターを製造した。
基材層用不織布として、目付が50g/m2であり、平均繊維径120μmのプロピレン共重合体・ポリプロピレン同心鞘芯型複合メルトブロー不織布を用いた。それ以外は、実施例1と同じ方法で、円筒型フィルターを製造した。
基材層用不織布として、目付が50g/m2であり、平均繊維径190μmのポリプロピレン単一成分のメルトブロー不織布を用いた。それ以外は、実施例1と同じ方法で、円筒型フィルターを製造した。
基材層用不織布として、目付が50g/m2であり、平均繊維径190μmのポリプロピレン単一成分のメルトブロー不織布を用いた。そして、基材層を形成する際の巻き取り温度を150℃から165℃に変えた。それ以外は、実施例1と同じ方法で、円筒型フィルターを製造した。
Claims (3)
- 基材層と、濾過層と、表皮層と、を有するフィルターであって、
前記基材層は、不織布が多重に巻回され、熱圧着されてなる層であって、空隙率が61〜84%、かつ、0.5MPaの荷重を掛けたときの圧縮比が0.18以下であり、しかも、当該基材層の不織布を構成する繊維が、高融点成分と低融点成分との融点差が10℃以上である熱融着性複合繊維を含み、
前記濾過層は、厚み方向にも繊維が配向している不織布と、ネットとを積層した積層体が多重に巻回されてなる層であって、濾過層中の層間は接着されておらず、
前記表皮層は、不織布を含む層であって、表皮層を構成する不織布の平均繊維径は、前記濾過層を構成する不織布の平均繊維径の2〜20倍である、フィルター。 - 前記基材層の不織布と前記表皮層の不織布とが、同一の不織布である、請求項1に記載のフィルター。
- 請求項1又は2に記載のフィルターを有する、円筒型フィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017023436A JP6927710B2 (ja) | 2017-02-10 | 2017-02-10 | フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017023436A JP6927710B2 (ja) | 2017-02-10 | 2017-02-10 | フィルター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018126721A JP2018126721A (ja) | 2018-08-16 |
JP6927710B2 true JP6927710B2 (ja) | 2021-09-01 |
Family
ID=63172644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017023436A Active JP6927710B2 (ja) | 2017-02-10 | 2017-02-10 | フィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6927710B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7248401B2 (ja) * | 2018-09-26 | 2023-03-29 | Jnc株式会社 | デプスフィルター |
WO2020196515A1 (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | Jnc株式会社 | デプスフィルター |
JP2021171743A (ja) * | 2020-04-30 | 2021-11-01 | 株式会社ロキテクノ | スラリー用フィルタ部材、フィルタカートリッジおよびフィルタ容器 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3131217B2 (ja) * | 1990-11-19 | 2001-01-31 | チッソ株式会社 | 精密濾過用円筒状フィルター |
JP4324994B2 (ja) * | 1998-02-02 | 2009-09-02 | チッソ株式会社 | 繊維成形体及びその製造法 |
JP2000024427A (ja) * | 1998-07-14 | 2000-01-25 | Chisso Corp | フィルター |
JP2001149720A (ja) * | 1999-11-29 | 2001-06-05 | Chisso Corp | フィルター |
JP4152756B2 (ja) * | 2003-01-17 | 2008-09-17 | 呉羽テック株式会社 | インタンク用フィルター材及びその製造方法 |
JP6220242B2 (ja) * | 2013-11-18 | 2017-10-25 | Jnc株式会社 | フィルター |
-
2017
- 2017-02-10 JP JP2017023436A patent/JP6927710B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018126721A (ja) | 2018-08-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6220242B2 (ja) | フィルター | |
KR100452179B1 (ko) | 정밀도가높은실린더형필터 | |
JP6927710B2 (ja) | フィルター | |
JP7368452B2 (ja) | デプスフィルター | |
JP5823205B2 (ja) | カートリッジフィルター | |
KR102458282B1 (ko) | 필터 및 원통형 필터 | |
JP7248401B2 (ja) | デプスフィルター | |
JP2009112887A (ja) | 濾過材およびその製造方法、並びにカートリッジフィルター | |
JP5836191B2 (ja) | 筒状フィルター | |
JP5836190B2 (ja) | 筒状フィルター | |
TW585947B (en) | Filter cartridge and process for producing the same | |
JP2019000793A (ja) | 集塵機フィルター用濾過材 | |
JP6340186B2 (ja) | 筒状フィルター | |
JP2020157297A (ja) | カートリッジフィルター | |
JP4689185B2 (ja) | フィルタ | |
JP6560101B2 (ja) | プリーツフィルター | |
CN114173902A (zh) | 用于制造多层的过滤介质的方法以及按照这种方法制造的过滤介质 | |
JP3717566B2 (ja) | カートリッジフィルター及びその製造方法 | |
JP3668368B2 (ja) | 筒状フィルタの製造方法 | |
JPH03278810A (ja) | カートリッジフィルタ | |
JP2011240290A (ja) | 液体フィルター用濾過材及びカートリッジフィルター |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190822 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201007 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210506 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210604 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210804 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210805 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6927710 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |