JP6353735B2 - フィルタ成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浄水器に用いられるフィルタ成形体の製造方法に関する。
浄水器(例えば、水道の蛇口の内部に一体的に配置される蛇口一体型の浄水器、蛇口の先端に接続される蛇口接続型の浄水器等)に用いられるフィルタ成形体として、横断面が円形のものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1において、フィルタ成形体は、浄水材としての活性炭と重合体結合材とを金型内に配置し、加熱及び加圧を行った後、冷却により硬化させることで、製造される。
特開2001−187305号公報
蛇口のデザインの多様化により、横断面が円形ではなく、横断面が楕円形又は略楕円形のフィルタ成形体が要求されることがある。
例えば、特許文献1において、金型の内部空間の横断面を円形ではなく楕円形とし、当該金型内に浄水材及び結合材を配置し、加熱及び加圧等を行って、横断面が楕円形のフィルタ成形体を製造することが考えられる。この場合、比較的少ない工程で横断面が楕円形のフィルタ成形体を製造することができるものの、成形工程(即ち、浄水材を結合材により結合し、円柱状又は円筒状の多孔質の基体を成形する工程)で用いられる金型を内部空間の横断面が楕円形のものにすると、成形工程に要する時間が長くなり、また、成形用の高コストの金型が多数必要となる。
そこで、先ず特許文献1のように内部空間の横断面が円形の金型を用いて横断面が円形の基体を成形し(成形工程)、その後、内部空間の横断面が楕円形の別の金型を用いて基体を変形させること(変形工程)で、横断面が楕円形のフィルタ成形体を製造することが考えられる。しかしながら、変形工程で用いられる金型の内部空間の横断面が単純な楕円形の場合、変形工程の加圧時に、当該金型における楕円の短軸の両端に相当する部分が基体に接触し、当該部分に応力が集中することで、クラックが生じ易い。
本発明の目的は、横断面が略楕円形のフィルタ成形体の製造方法において、基体の横断面を円形から略楕円形に変形させる際にクラックの発生を抑制することができる製造方法を提供することにある。
本発明は、浄水器に用いられるフィルタ成形体の製造方法において、浄水材及び結合材を、内部空間の横断面が円形の第1金型内に配置し、加熱及び加圧を行った後、冷却により硬化させることで、多孔質でかつ横断面が円形の基体を成形する、成形工程と、前記成形工程の後、前記基体を、加熱により軟化させた状態で、内部空間の横断面が仮想楕円を基本として前記仮想楕円の短軸の両端以外の部分に前記仮想楕円の内側に突出した凸部を有する略楕円形の第2金型内に配置し、加圧を行った後、冷却により硬化させることで、前記基体の横断面を円形から略楕円形に変形させる、変形工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、成形工程で用いられる第1金型ではなく、変形工程で用いられる第2金型を、内部空間の横断面が略楕円形のものにするため(即ち、成形工程で用いられる第1金型を、内部空間の横断面が楕円形のものにする必要がないため)、第1金型を内部空間の横断面が楕円形のものにした場合に生じ得る上記問題(成形工程に要する時間が長くなり、また、成形用の高コストの金型が多数必要となる、という問題)を回避することができる。また、変形工程で用いられる第2金型の内部空間の横断面が単純な楕円形ではなく略楕円形であり、変形工程の加圧時に、第2金型における仮想楕円の短軸の両端に相当する部分と上記凸部に対応する部分とが基体に接触する。これにより、基体にかかる応力が分散され、クラックを抑制することができる。つまり、上記構成によれば、横断面が略楕円形のフィルタ成形体の製造方法において、基体の横断面を円形から略楕円形に変形させる際にクラックの発生を抑制することができる。
前記第2金型の内部空間の横断面は、前記仮想楕円の短軸及び前記仮想楕円の中心に関して対称となる位置に、複数の前記凸部を有してよい。この場合、変形工程の加圧時に、基体にかかる応力がバランスよく分散され、クラックをより確実に抑制することができる。
前記第2金型の内部空間の横断面は、前記仮想楕円の短軸の両端以外の部分に、4つの前記凸部を有してよい。この場合、凸部の数を比較的少なくしつつ、クラック抑制効果を得ることができる。
前記第2金型の内部空間の横断面は、前記仮想楕円の短軸の両端の部分に、前記仮想楕円と一致する対応円弧を有し、前記仮想楕円の長軸の両端に対応する部分が、前記対応円弧により規定される前記仮想楕円の長軸の両端よりも内側に位置してよい。この場合、変形工程の加圧開始時における、基体と第2金型との間の長軸の両端部分のギャップが、第2金型の内部空間の横断面が単純な楕円形である場合に比べ、小さくなる。これにより、クラックをより確実に抑制することができる。
前記第2金型の内部空間の横断面は、複数の円弧で構成されてよい。この場合、第2金型の設計(凸部の形成)が容易であり、低コスト化を実現することができる。
前記成形工程において、横断面の中心に孔を有する前記基体を成形し、前記変形工程において、加圧を行う前に前記基体の前記孔に芯棒を挿入し、前記孔に前記芯棒を挿入した状態で加圧を行ってよい。基体が横断面の中心に孔を有する場合、変形工程の加圧時に、基体における孔を画定する部分に応力が集中して過度な変形や座屈が生じ易い。当該部分に過度な変形や座屈が生じると、流量の均一性が損なわれ、フィルタ機能が低下してしまう。これに対し、上記構成によれば、孔に芯棒を挿入した状態で加圧を行うことで、基体が横断面の中心に孔を有する場合でも、基体における孔を画定する部分に応力集中、過度な変形、座屈等が生じ難く、ひいてはフィルタ機能の低下を防止することができる。
前記第2金型は、第1型と、前記第1型に組み付けられることで前記略楕円形の横断面を有する内部空間を形成する第2型とを含み、前記変形工程において、前記第1型に前記基体を配置した後、前記第2型を前記第1型に組み付け、前記第1型と前記第2型とで前記基体を挟んだ状態で加圧を行ってよい。この場合、変形工程の加圧作業を比較的容易に行うことができる。
前記第2金型は、前記第1型及び前記第2型に組み付けられると共に前記第2金型内に配置された前記基体における軸方向の端面を支持する第3型をさらに含み、前記変形工程において、前記第1型と前記第2型とで前記基体を挟んだ状態で加圧を行うときに、前記第3型が、前記端面を支持しつつ、前記端面の移動に伴って前記第1型及び前記第2型に対して前記軸方向に移動してよい。この場合、基体の軸方向の寸法を制御するができる。さらに、変形工程の加圧時に基体の端面が変形するのを抑制し、端面を適切な形状に維持することができる。
前記変形工程において、前記第2型の自重により加圧を行ってよい。この場合、クラックをより確実に抑制することができる。また、フィルタ成形体の密度が不均一になるのを抑制することができる。
本発明に係るフィルタ成形体の製造方法は、前記成形工程の後かつ前記変形工程の前に、前記基体の外周面に濾過部材を被覆する被覆工程をさらに備えてよい。この場合、濾過部材の被覆により、クラック抑制効果が向上する。
前記成形工程において、メルトインデックスが1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)の高分子材料を前記結合材として用いてよい。メルトインデックスが1.1g/10min未満の高分子材料を結合材として用いた場合、成形工程での加熱及び加圧時における高分子材料の流動性が低くなるため、浄水材を結合するのに多くの量の高分子材料(結合材)が必要となり、また、その分フィルタ成形体における浄水材の含有率が小さくなるため、浄水性能が低下してしまう。一方、メルトインデックスが2.3g/10minを超える高分子材料を結合材として用いた場合、成形工程での加熱及び加圧時における高分子材料の流動性が高くなるため、高分子材料が浄水材の細孔に入り込み易く、これにより浄水性能が低下し得る。上記構成によれば、これらの問題を抑制し、比較的少ない量の高分子材料(結合材)で、優れた浄水性能を得ることができる。
前記成形工程において、5〜50質量%の前記結合材を含む前記基体を成形してよい。5質量%未満の結合材を含む基体は、変形工程の加圧時に、外周面にクラックが生じ易い。一方、50質量%を超える結合材を含む基体は、浄水材の表面における結合材で覆われる割合が大きくなるため、浄水性能が低下してしまう。上記構成によれば、これらの問題を抑制し、クラックを抑制しつつ、優れた浄水性能を得ることができる。
前記成形工程において、密度が0.35〜0.65g/cm3の前記基体を成形してよい。密度が0.35g/cm3未満の基体は、剛性、強度等が低く、変形工程の加圧時に割れる可能性がある。一方、密度が0.65g/cm3を超える基体は、空隙が少なくなるため、基体を通過可能な水の流量(許容流量)が低下してしまう。上記構成によれば、これらの問題を抑制し、変形工程の加圧時に基体が割れることを防止し、かつ、十分な許容流量を確保することができる。
本発明によれば、横断面が略楕円形のフィルタ成形体の製造方法において、基体の横断面を円形から略楕円形に変形させる際にクラックの発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る製造方法で製造したフィルタ成形体を用いた浄水器が水道の蛇口に装着された状態を示す一部切欠き縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る製造方法を示すフロー図である。 (a)は、成形工程の加圧時の状態を示す縦断面図である。(b)は、成形工程により成形された基体を示す斜視図である。(c)は、被覆工程により基体の外周面に濾過部材が被覆された状態を示す斜視図である。 (a)は、変形工程で用いられる第2金型の下型及び横型を示す斜視図である。(b)は、第2金型の上型を示す斜視図である。(c)は、第2金型の下型、横型及び上型を互いに組み付けた状態を示す斜視図である。(d)は、(b)の一点鎖線で囲まれた領域IVDに対応する、第2金型の上型の溝の拡大斜視図である。 図4(c)のV−V線に沿った第2金型の横断面図である。 (a)は、変形工程の加圧開始前の状態を示す横断面図である。(b)は、変形工程の加圧開始時の状態を示す横断面図である。(c)は、変形工程の加圧完了時の状態を示す横断面図である。(d)は、変形工程を経て製造されたフィルタ成形体の横断面図である。 本発明の第2実施形態に係る製造方法における、変形工程の加圧完了時の状態を示す横断面図である。 (a)は、比較例における変形工程の加圧開始時の状態を示す横断面図である。(b)は、比較例における変形工程の加圧完了時の状態を示す横断面図である。 (a)は比較例、(b)は第1実施例、(c)は第2実施例に関する、CAEによる応力解析結果を示す横断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係る製造方法で製造したフィルタ成形体1及びこれを用いた浄水器50の構成について説明する。
浄水器50は、蛇口一体型のものであり、水道の蛇口60の内部に一体的に配置されており、蛇口60に対して着脱可能(カートリッジ式)である。蛇口60は、ホース61に対して着脱可能であり、先端側のシャワー部60aと、後端側の把持部60bとを含む。把持部60bの内部に、浄水器50が挿入されている。図1には示されていないが、把持部60bの内部空間の横断面は略楕円形であり、フィルタ成形体1及び浄水器50の横断面も略楕円形となっている。
フィルタ成形体1は、中心に孔1xを有する筒状の基体1aと、基体1aの外周面を被覆する濾過部材1bとを有する。孔1xは、基体1aの軸方向(長手方向)に延在し、基体1aを軸方向に貫通している。
基体1aは、結合材(例えば、ポリエチレン等の高分子材料)に浄水材(例えば、粒状、粉末状、繊維状等の活性炭)を分散させた、多数の空隙を含む多孔質の部材である。浄水材は、空隙に露出し、空隙を通る水を浄化する(即ち、当該水に含まれる有害物質(塩素、有機物等)を吸着等して除去する)機能を有する。結合材は、浄水材を結合する機能を有する。
濾過部材1bは、例えば合成繊維からなる不織布、織布等であり、水中の比較的大きな異物を捕捉する機能を有すると共に、基体1aの空隙が目詰まりするのを防止する機能をも有する。
浄水器50は、フィルタ成形体1と、フィルタ成形体1の軸方向(長手方向)一端及び他端のそれぞれに取り付けられたキャップ51,52とを有する。キャップ51は、フィルタ成形体1の軸方向一端(上流側の端部)に取り付けられており、フィルタ成形体1における当該一端の端面全体(孔1xの開口を含む。)を覆っている。キャップ52は、フィルタ成形体1の軸方向他端(下流側の端部)に取り付けられており、孔1xの開口に対応する開口を有し、フィルタ成形体1における当該他端の端面のうち孔1xの開口を除く部分を覆っている。即ち、孔1xは、浄水器50の軸方向(長手方向)一端においてキャップ51で閉鎖され、浄水器50の軸方向他端においてキャップ52で閉鎖されずに開放されている。
ホース61から把持部60bに流入した水は、フィルタ成形体1の外周面側から順に、濾過部材1bで濾過された後、基体1aの内部に流入し、孔1xに向かって流れる。基体1aによって濾過され、孔1xに流出した水は、キャップ52の開口からシャワー部60aに向かって流れる。
次いで、図2を参照し、本実施形態に係るフィルタ成形体1の製造方法について説明する。
先ず、フィルタ成形体1の原料(浄化材及び結合材)を、原料における結合材の含有率が5〜50質量%(好ましくは7〜20質量%)となるように混合し、浄化材及び結合材が均一に分散するように攪拌する(S1)。
本実施形態では、浄水材として、異なる粒径の活性炭を混合したもの(具体的には、60〜200メッシュパスの粒状の活性炭と、200メッシュパスの粉末状の活性炭とを、2対1の割合で混合したもの)を用いる。「メッシュ」は、網目の大きさを表す尺度である。「メッシュパス」は、そのメッシュを通過する全ての粒子を意味し、メッシュパスが大きいほど粒径が小さいことを示す。例えば、60メッシュパスは、60メッシュ(1インチ(=25.4mm)平方中に縦60本横60本の網目)の篩を通過する全ての粒子を意味する。60メッシュパス未満の比較的大きな径の粒状の活性炭を用いると、結合材で活性炭を固めることが困難になる、基体1aの空隙が大きくなりすぎて活性炭に接触することなく基体1aを通過してしまう水が多くなる、等の問題が生じ得る。一方、200メッシュパスを超える比較的小さな径の粉末状の活性炭を用いると、基体1aにおける空隙部分が少なくなってしまい、十分な許容流量を確保できないという問題が生じ得る。本実施形態では、浄水材として、60〜200メッシュパスの活性炭を用いることにより、上記問題を軽減することができる。
また、本実施形態では、結合材として、平均分子量が数十万〜数百万程度の超高分子量ポリエチレンを用いる。超高分子量ポリエチレンとしては、平均粒径が100μm、嵩密度が0.3g/cm3未満、メルトインデックスが1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)のものを用いる。「メルトインデックス」は、高分子材料の溶融時の流動性を表す尺度であり、この値が小さいほど流動性が低いことを示す。
S1の後、内部空間の横断面が円形の第1金型10内に原料を充填する(S2)。
第1金型10は、図3(a)に示すように、枠型11、下型12及び上型13を有する。枠型11、下型12及び上型13は、それぞれSUS304からなる。枠型11は、円筒状である。下型12は、枠型11の外径より一回り大きな径を有する円盤状の底板12aと、底板12aの上面の中心から上方に(枠型11の軸方向(長手方向)に)延出した中子12bとを有する。底板12aは、枠型11の下端が嵌合する部分を有する。中子12bは、孔1xを形成するためのものであり、枠型11の上端と略同じ高さまで延出している。上型13は、枠型11の内径と略同じ外径を有する円柱状であり、軸方向に貫通する孔13aを有する。
S2では、漏斗を用いる。先ず、上型13は外しておき、枠型11と下型12とを組み付けた状態で、漏斗を上方から枠型11内に挿入し、漏斗の先端を底板12aの上面に接触させる。そして、この状態で漏斗に原料3を投入した後、漏斗を徐々に上方に移動させて枠型11から抜き取る。これにより、原料3が第1金型10内に充填される。このとき、漏斗の抜き取り時の攪拌効果により、原料3における浄水材の分散状態を良好に確保することができる。また、このとき振動を加えることで、攪拌効果を高めてよい。
S2の後、原料3の加熱及び加圧を行う(S3)。S3では、先ず、所定温度(例えば、200℃)で所定時間(例えば、1時間)加熱を行い、結合材を溶融させる。その後、図3(a)に示すように、孔13aに中子12bを挿入しながら上型13を枠型11内に挿入し、原料3を加圧する。
S3の後、原料3を冷却により硬化させることで、多孔質でかつ横断面が円形の基体1a(図3(b)参照)を成形する(S4)。S4で成形された基体1aは、中心に孔1xを有する円筒状であり、例えば、密度が0.35〜0.65g/cm3、外径が10〜300mm、孔1xの直径が5〜150mmである。基体1aの密度等は、加圧力により調整可能である。
上記S1〜S4の工程が、本発明の成形工程に相当する。
S4の後、基体1aを第1金型10から取り出し、基体1aの外周面に濾過部材1bを被覆する(S5:被覆工程)。
基体1aを第1金型10から取り出す際は、先ず、下型12を枠型11から外し、その後、上型13を下側に押し込むことにより、基体1aを下方に移動させて枠型11から押し出す。その後、S5では、基体1aの外周面に濾過部材1bを巻き付け、濾過部材1bの端部同士をアイロン等で100℃程度に加熱して熱融着する。濾過部材1bの巻き付けは、手作業で行ってもよいし、専用の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態では、濾過部材1bとして、坪量(面密度)が15〜60g/m2の、ポリエチレン系の合成繊維からなる不織布を用いる。
S5の後、外周面が濾過部材1bで被覆された基体1aを、加熱(例えば、140〜180℃程度の熱風オーブンに入れること等)により軟化させる(S6)。
S6の後、軟化した状態の基体1aを、第2金型20内に配置する(S7)。
第2金型20は、図4(a)〜(d)に示すように、下型21、上型22及び横型23を有する。下型21、上型22及び横型23は、それぞれSUS304からなる。下型21、上型22及び横型23は、互いに組み付けられることで、略楕円形の横断面を有する内部空間を形成する(図5参照)。
下型21は、図4(a)に示すように、第2金型20の下側部分を構成すると共に一方向に長尺な略直方体形状の本体21xと、本体21xの長手方向一端において上方に突出した突出部21yと、本体21xの長手方向他端に設けられた凹部21zとを有する。凹部21zは、横型23が着脱可能に組み付けられる部分である。本体21xの上面には、長手方向に沿った溝21xaが形成されている。
上型22は、図4(b)に示すように、第2金型20の上側部分を構成すると共に一方向に長尺な略直方体形状の本体22xと、本体22xの長手方向一端に設けられた凹部22yと、本体22xの長手方向他端に設けられた凹部22zとを有する。下型21、上型22及び横型23を互いに組み付けたとき、凹部22yに突出部21yが収容され、凹部22zに横型23のうち凹部21zから突出した上側部分が収容される。本体22xの下面には、長手方向に沿った溝22xaが形成されている。
横型23は、図4(a)〜(c)に示すように、略直方体形状であり、下型21の凹部21z及び上型22の凹部22z内に、下型21及び上型22の長手方向(基体1aの軸方向)に移動可能に、配置される。
本体21x,22xにおける溝21xa,22xaを画定する面と、突出部21yにおける溝21xa,22xaに対向する面21yaと、横型23における溝21xa,22xaに対向する面23aとが、第2金型20の内部空間を構成する。ここで、本体21x,22xにおける溝21xa,22xaを画定する面は、基体1aの外周面を(本実施形態では濾過部材1bを介して)支持する。突出部21yの面21yaは、基体1aにおける軸方向の一端側の端面を支持する。横型23の面23aは、基体1aにおける軸方向の他端側の端面を支持する。
本体21x,22xにおける溝21xa,22xaを画定する面は、切削加工により、凹凸状に形成されている。
具体的には、第2金型20の内部空間の横断面は、図5に示すように、仮想楕円25を基本とした略楕円形であり、仮想楕円25の短軸25aの両端以外の部分に、仮想楕円25の内側に突出した4つの凸部20pを有する。4つの凸部20pは、仮想楕円25の短軸25a及び仮想楕円25の中心Oに関して対称となる位置に設けられている。また、第2金型20の内部空間の横断面は、4つの円弧20c1〜20c4で構成されており、仮想楕円25の長軸25bの両端に対応する部分20bがそれぞれ長軸25bの両端よりも内側に位置している。
S7では、下型21に横型23を組み付けた状態で(図4(a)参照)、下型21の溝21xaに基体1aを配置する(図6(a)参照)。
S7の後、上型22を下型21に組み付け(図6(b)参照)、下型21と上型22とで基体1aを挟んだ状態で、上型22の自重により加圧を行う(S8)。S8(加圧)の開始時は、図6(b)に示すように、第2金型20における仮想楕円25の短軸25aの両端に相当する部分20aと凸部20pに対応する部分とが、基体1aに接触する。つまり、S8(加圧)の開始時において、加圧点は、横断面視で上記の計6か所である。そして、このように加圧点を分散させた状態で加圧を行っていくと、基体1aは、上下方向に圧縮され、横断面が円形から略楕円形に変形する(図6(b),(c)参照)。図6(b),(c)では、第2金型20から基体1aに伝達される主な応力のベクトルを矢印で示している。このとき、濾過部材1bも、基体1aの外周面に密着しながら変形する。また、このとき基体1aは、一端側の端面が突出部21yの面21yaに支持されかつ他端側の端面が横型23の面23aに支持されながら、上記圧縮に伴い軸方向に伸長する。横型23は、基体1aが軸方向に伸長するとき、基体1aの端面を支持しつつ、当該端面の移動に伴って下型21及び上型22に対して軸方向に移動する。
S8の後、基体1aを冷却(例えば、30分〜1時間程度放置すること)により硬化させる(S9)。そして、基体1aを第2金型20から取り出すと、多孔質でかつ横断面が略楕円形のフィルタ成形体1が得られる(図6(d)参照)。
上記S6〜S9の工程が、本発明の変形工程に相当する。
以上に述べたように、本実施形態によれば、成形工程(S1〜S4)で用いられる第1金型10ではなく、変形工程(S6〜S9)で用いられる第2金型20を、内部空間の横断面が略楕円形のものにするため(即ち、成形工程で用いられる第1金型10を、内部空間の横断面が楕円形のものにする必要がないため)、第1金型10を内部空間の横断面が楕円形のものにした場合に生じ得る問題(成形工程に要する時間が長くなり、また、成形用の高コストの金型が多数必要となる、という問題)を回避することができる。また、変形工程で用いられる第2金型20の内部空間の横断面が単純な楕円形ではなく略楕円形であり、変形工程の加圧時に、第2金型20における仮想楕円25の短軸25aの両端に相当する部分20aと凸部20pに対応する部分とが基体1aに接触する(図6(b)参照)。これにより、基体1aにかかる応力が分散され、クラックを抑制することができる。つまり、上記構成によれば、横断面が略楕円形のフィルタ成形体1の製造方法において、基体1aの横断面を円形から略楕円形に変形させる際にクラックの発生を抑制することができる。
第2金型20の内部空間の横断面は、仮想楕円25の短軸25a及び仮想楕円25の中心Oに関して対称となる位置に、複数の凸部20pを有する(図5参照)。この場合、変形工程の加圧時に、基体1aにかかる応力がバランスよく分散され、クラックをより確実に抑制することができる。
第2金型20の内部空間の横断面は、仮想楕円25の短軸25aの両端以外の部分に、4つの凸部20pを有する。この場合、凸部20pの数を比較的少なくしつつ、クラック抑制効果を得ることができる。
第2金型20の内部空間の横断面は、仮想楕円25の長軸25bの両端に対応する部分20bが、仮想楕円25の長軸25bの両端よりも内側に位置している(図5参照)。この場合、変形工程の加圧開始時における、基体1aと第2金型20との間の長軸25bの両端部分のギャップG(図6(b)参照)が、第2金型20の内部空間の横断面が単純な楕円形である場合(後述する比較例に関する図8(a)のギャップG’参照)に比べ、小さくなる。これにより、クラックをより確実に抑制することができる。
第2金型20の内部空間の横断面は、複数の円弧20c1〜20c4で構成されている。この場合、第2金型20の設計(凸部20pの形成)が容易であり、低コスト化を実現することができる。
第2金型20は、下型21と、下型21に組み付けられることで略楕円形の横断面を有する内部空間を形成する上型22とを含む。変形工程(S6〜S9)において、S7で下型21に基体1aを配置した後、上型22を下型21に組み付け、下型21と上型22とで基体1aを挟んだ状態で加圧を行う。この場合、変形工程の加圧作業を比較的容易に行うことができる。
第2金型20は、下型21及び上型22に組み付けられると共に第2金型20内に配置された基体1aにおける軸方向の端面を支持する横型23をさらに含む。変形工程(S6〜S9)において、下型21と上型22とで基体1aを挟んだ状態で加圧を行うときに、横型23が、基体1aの端面を支持しつつ、当該端面の移動に伴って下型21及び上型22に対して軸方向に移動する。この場合、基体1aの軸方向の寸法を制御するができる。さらに、変形工程の加圧時に基体1aの端面が変形するのを抑制し、端面を適切な形状に維持することができる。
変形工程において、上型22の自重により加圧を行う。この場合、クラックをより確実に抑制することができる。また、フィルタ成形体1の密度が不均一になるのを抑制することができる。
本実施形態に係るフィルタ成形体1の製造方法は、成形工程(S1〜S4)の後かつ変形工程(S6〜S9)の前に、基体1aの外周面に濾過部材1bを被覆する被覆工程(S5)をさらに備えている。この場合、濾過部材1bの被覆により、クラック抑制効果が向上する。
成形工程において、メルトインデックスが1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)の高分子材料を結合材として用いる。メルトインデックスが1.1g/10min未満の高分子材料を結合材として用いた場合、成形工程での加熱及び加圧時における高分子材料の流動性が低くなるため、浄水材を結合するのに多くの量の高分子材料(結合材)が必要となり、また、その分フィルタ成形体1における浄水材の含有率が小さくなるため、浄水性能が低下してしまう。一方、メルトインデックスが2.3g/10minを超える高分子材料を結合材として用いた場合、成形工程での加熱及び加圧時における高分子材料の流動性が高くなるため、高分子材料が浄水材の細孔に入り込み易く、これにより浄水性能が低下し得る。上記構成によれば、これらの問題を抑制し、比較的少ない量の高分子材料(結合材)で、優れた浄水性能を得ることができる。
成形工程において、5〜50質量%の結合材を含む基体1aを成形する。5質量%未満の結合材を含む基体1aは、変形工程の加圧時に、外周面にクラックが生じ易い。一方、50質量%を超える結合材を含む基体1aは、浄水材の表面における結合材で覆われる割合が大きくなるため、浄水性能が低下してしまう。上記構成によれば、これらの問題を抑制し、クラックを抑制しつつ、優れた浄水性能を得ることができる。
成形工程において、密度が0.35〜0.65g/cm3の基体1aを成形する。密度が0.35g/cm3未満の基体1aは、剛性、強度等が低く、変形工程の加圧時に割れる可能性がある。一方、密度が0.65g/cm3を超える基体1aは、空隙が少なくなるため、基体1aを通過可能な水の流量(許容流量)が低下してしまう。上記構成によれば、これらの問題を抑制し、変形工程の加圧時に基体1aが割れることを防止し、かつ、十分な許容流量を確保することができる。
続いて、図7を参照し、本発明の第2実施形態に係る製造方法について説明する。
本実施形態に係る製造方法は、S7の後かつS8の前に孔1xに芯棒30を挿入し、孔1xに芯棒30を挿入した状態でS8(加圧)を行う点を除き、第1実施形態に係る製造方法と同じである。芯棒30は、剛な材料(例えば、SUS304)からなり、孔1xと略同じ直径及び長さを有する円柱状の部材である。
基体1aが横断面の中心に孔1xを有する場合、変形工程の加圧時に、基体1aにおける孔1xを画定する部分に応力が集中して過度な変形や座屈が生じ易い。当該部分に過度な変形や座屈が生じると、流量の均一性が損なわれ、フィルタ機能が低下してしまう。これに対し、上記構成によれば、孔1xに芯棒30を挿入した状態で加圧を行うことで、基体1aが横断面の中心に孔1xを有する場合でも、基体1aにおける孔1xを画定する部分に応力集中、過度な変形、座屈等が生じ難く、ひいてはフィルタ機能の低下を防止することができる。
本発明者等は、上述した第1及び第2実施形態の方法に基づいてそれぞれ第1実施例及び第2実施例に係るフィルタ成形体を製造し、また、内部空間の横断面が単純な楕円形の金型を用いた点を除き第1実施形態と同様の方法に基づいて比較例に係るフィルタ成形体を製造して、これらフィルタ成形体におけるクラックの有無を検証し、さらに、これらフィルタ成形体に関するCAEによる応力解析を行った。以下、詳細に説明する。
<第1実施例>
第1実施例は、第1実施形態の方法(図2参照)で製造したものである。
第1実施例では、浄水材として、60〜200メッシュパスの粒状の活性炭と、200メッシュパスの粉末状の活性炭とを、2対1の割合で混合したものを用い、結合材として、平均分子量が20万〜500万の高分子量でメルトインデックスが1.5g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)の超高分子量ポリエチレン(Ticona Gmbh製、HostalenGUR2105)を用いた。そして、原料(浄化材及び結合材)を、原料における結合材の含有率が8質量%となるように混合し、攪拌した(S1)。その後、第1実施形態のとおり、漏斗を用いて充填(S2)を行い、加熱及び加圧(S3)を行った。S3では、200℃で1時間加熱を行い、加圧力を調整して、冷却により硬化させること(S4)で、密度が0.50g/cm3、外径が25mm、長さが120mm、孔1xの直径が9mmの基体1aを成形した。S4の後、濾過部材1bとしてポリエチレン系の合成繊維からなる不織布を用い、濾過部材1bを基体1aの外周面に巻き付けて100℃のアイロンで熱融着することで、基体1aの外周面に濾過部材1bを被覆した(S5)。S5の後、外周面が濾過部材1bで被覆された基体1aを、150℃の熱風オーブンに入れて30分間加熱して軟化させ(S6)、下型21の溝21xaに配置した(S7)。S7の後、上型22を下型21に組み付け、下型21と上型22とで基体1aを挟んだ状態で、上型22の自重により加圧を行った(S8)。そして当該状態を30分維持した後、基体1aを冷却により硬化させ(S9)、多孔質でかつ横断面が略楕円形のフィルタ成形体1を得た。
第1実施例のフィルタ成形体1において、クラックの発生は見られなかった。
<第2実施例>
第2実施例は、第2実施形態の方法(図7参照)で製造したものである。芯棒30として、SUS304からなり、孔1xと同じ直径及び長さを有する円柱状の部材を用いた。第2実施例のフィルタ成形体1においても、クラックの発生は見られなかった。また、第2実施例のフィルタ成形体1では、芯棒30を用いたため、特に、基体1aにおける孔1xを画定する部分に過度な変形が生じなかった。
<比較例>
比較例は、第2金型20の代わりに内部空間の横断面が単純な楕円形(短軸の長さ23mm、長軸の長さ29mm)の金型120(図8参照)を用いた点を除き、第1実施形態と同様の方法(図2参照)で製造したものである。
比較例では、下型121と上型122とで基体1aを挟んだ状態で加圧を開始するとき、図8(a)に示すように、金型120における仮想楕円25の短軸25aの両端に相当する部分120aが基体1aに接触する。つまり、S8(加圧)の開始時において、加圧点は、横断面視で上記の計2か所のみである。また、このとき、基体1aと金型120との間の長軸25bの両端部分のギャップG’は、第1実施形態のように第2金型20の内部空間の横断面が略楕円形である場合(図6(b)のギャップG参照)に比べ、大きい。そして、このように加圧点が2か所に集中した状態で加圧を行っていくと、基体1aは、上下方向に圧縮され、横断面が円形から楕円形に変形する(図8(a),(b)参照)。図8(a),(b)では、金型120から基体1aに伝達される主な応力のベクトルを矢印で示している。
比較例のフィルタ成形体では、基体1aにおける孔1xを画定する部分の上下2か所(加圧方向に関して部分120aと対向する箇所)に、クラックCの発生が見られた(図8(b)参照)。
CAEによる応力解析により、比較例(図9(a))では、基体1aにおける孔1xを画定する部分の上下2か所(加圧方向に関して部分120aと対向する箇所)に、特に大きな応力(最大145MPa)が発生することがわかった。これに対し、第1実施例(図9(b))及び第2実施例(図9(c))では、基体1aにおける孔1xを画定する部分に生じる応力は、それぞれ最大応力65MPa,38MPaであり、比較例に比べて小さいことがわかった。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
・浄水材として、異なる粒径の活性炭を混合して用いることに限定されず、同じ粒径の活性炭を用いてもよい。また、浄水材として、繊維状の活性炭を用いてもよく、粒状又は粉末状の活性炭と繊維状の活性炭とを混合して用いてもよい。さらに、浄水材として、活性炭以外の材料(例えば、中空糸等)を用いてもよい。「中空糸」は、軸中心に中空孔を有する糸であり、中空孔を画定する壁がポリエチレン等で構成された多孔質のものである。
・結合材として、メルトインデックスが任意の値の高分子材料を用いてもよく、また、ポリエチレン等の高分子材料に限定されず、浄水材を結合する機能を有する任意の材料を用いてよい。また、原料における結合材の含有率も特に限定されない。
・濾過部材は、ポリプロピレン系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系等の合成繊維からなってもよく、また、その他任意の繊維からなってもよい。さらに、濾過部材は、不織布に限定されず、織布であってもよく、或いは、不織布及び織布以外の部材であってもよい。
・基体の横断面の中心に形成された孔は、基体の軸方向に貫通することに限定されず、止まり穴であってもよい。また、基体は横断面の中心に孔を有さなくてもよい。
・成形工程で成形される基体の密度は、0.35〜0.65g/cm3に限定されない。
・成形工程で、漏斗を用いず、他の手段により、第1金型内に原料を配置してもよい。
・成形工程において、原料(浄水材及び結合材)に任意の添加物(例えば、抗菌材、鉛除去材等)を添加してもよい。
・成形工程及び変形工程の各工程において、加熱及び加圧を同時に行ってもよい(即ち、加熱しながら加圧を行ってもよい)。
・1の基体から1のフィルタ成形体を製造することに限定されず、1の基体から複数のフィルタ成形体を製造してもよい。例えば、成形工程において1の長尺な基体を成形し、当該基体を切断し分割した各基体を変形工程で変更させることで、複数のフィルタ成形体を製造してもよい。
・変形工程において、第3型を第1型に組み付けた状態で、基体を第1型に配置し、その後第2型を第1型に組み付けることに限定されない。例えば、基体を第1型に配置した後かつ第2型を第1型に組み付ける前、又は、基体を第1型に配置した後に第2型を第1型に組み付けてから加圧を開始する前に、第3型を組み付けてもよい。また、変形工程において、第3型を用いなくてもよい(つまり、第2金型が第3型を含まなくてもよい)。
・変形工程における加圧は、第2型の自重によることに限定されず、例えば、製造者が第2金型の上から手で押さえ付けたり、機械でプレスしたりしてもよい。
・第2金型は、切削加工に限定されず、他の手段(例えば、プレス加工、金属板の貼り付け等)により、内部空間の横断面の形状が略楕円形に形成されてもよい。
・第2金型の内部空間の横断面において、仮想楕円の短軸の両端以外の部分に設けられた凸部の数は、4に限定されず、1以上の任意の自然数であってよい。また、凸部の位置は、仮想楕円の短軸及び仮想楕円の中心に関して対称となる位置に限定されず、任意である。また、第2金型の内部空間の横断面は、仮想楕円の長軸の両端に対応する部分が、仮想楕円の長軸の両端よりも内側に位置していなくてもよい。第2金型の内部空間の横断面は、複数の円弧で構成されなくてもよい。第2金型の内部空間の横断面において、仮想楕円の短軸の両端に対応する部分が、仮想楕円の短軸の両端よりも内側に位置してもよい(即ち、当該部分が凹となってもよい)。
・被覆工程において、濾過部材を、基体の外周面のみではなく、基体の端面を被覆するように設けてもよい。
・被覆工程において、濾過部材を被覆する方法は、熱溶着に限定されず、任意である。
・被覆工程を、変形工程の後に行ってもよい。また、被覆工程は、本発明において必須ではなく、省略してもよい。
・芯棒を用いる場合において、孔に芯棒を挿入するタイミングは、変形工程で加圧を行う前である限りは、任意であり、例えば基体を加熱により軟化させる前及び後のいずれであってもよい。
・第1金型、第2金型及び芯棒の材料は、任意であり、SUS304に限定されず、アルミ等であってもよい。
・フィルタ成形体は、蛇口一体型の浄水器の他、蛇口接続型の浄水器等、任意の浄水器に適用可能である。
・フィルタ成形体は、カートリッジ式の浄水器に用いられることに限定されず、蛇口に対して固定された(即ち、交換不能に取り付けられた)浄水器に用いられてもよい。
・フィルタ成形体は、上水に限定されず、中水や下水の処理にも適用可能である。
1 フィルタ成形体
1a 基体
1b 濾過部材
1x 孔
3 原料
10 第1金型
20 第2金型
20c1〜20c4 円弧
20p 凸部
21 下型(第1型)
22 上型(第2型)
23 横型(第3型)
25 仮想楕円
25a 短軸
25b 長軸
30 芯棒
50 浄水器
60 蛇口
61 ホース

Claims (13)

  1. 浄水器に用いられるフィルタ成形体の製造方法において、
    浄水材及び結合材を、内部空間の横断面が円形の第1金型内に配置し、加熱及び加圧を行った後、冷却により硬化させることで、多孔質でかつ横断面が円形の基体を成形する、成形工程と、
    前記成形工程の後、前記基体を、加熱により軟化させた状態で、内部空間の横断面が仮想楕円を基本として前記仮想楕円の短軸の両端以外の部分に前記仮想楕円の内側に突出した凸部を有する略楕円形の第2金型内に配置し、加圧を行った後、冷却により硬化させることで、前記基体の横断面を円形から略楕円形に変形させる、変形工程と、
    を備えたことを特徴とする、フィルタ成形体の製造方法。
  2. 前記第2金型の内部空間の横断面は、前記仮想楕円の短軸及び前記仮想楕円の中心に関して対称となる位置に、複数の前記凸部を有することを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  3. 前記第2金型の内部空間の横断面は、前記仮想楕円の短軸の両端以外の部分に、4つの前記凸部を有することを特徴とする、請求項2に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  4. 前記第2金型の内部空間の横断面は、前記仮想楕円の短軸の両端の部分に、前記仮想楕円と一致する対応円弧を有し、前記仮想楕円の長軸の両端に対応する部分が、前記対応円弧により規定される前記仮想楕円の長軸の両端よりも内側に位置していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  5. 前記第2金型の内部空間の横断面は、複数の円弧で構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  6. 前記成形工程において、横断面の中心に孔を有する前記基体を成形し、
    前記変形工程において、加圧を行う前に前記基体の前記孔に芯棒を挿入し、前記孔に前記芯棒を挿入した状態で加圧を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  7. 前記第2金型は、第1型と、前記第1型に組み付けられることで前記略楕円形の横断面を有する内部空間を形成する第2型とを含み、
    前記変形工程において、前記第1型に前記基体を配置した後、前記第2型を前記第1型に組み付け、前記第1型と前記第2型とで前記基体を挟んだ状態で加圧を行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  8. 前記第2金型は、前記第1型及び前記第2型に組み付けられると共に前記第2金型内に配置された前記基体における軸方向の端面を支持する第3型をさらに含み、
    前記変形工程において、前記第1型と前記第2型とで前記基体を挟んだ状態で加圧を行うときに、前記第3型が、前記端面を支持しつつ、前記端面の移動に伴って前記第1型及び前記第2型に対して前記軸方向に移動することを特徴とする、請求項7に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  9. 前記変形工程において、前記第2型の自重により加圧を行うことを特徴とする、請求項7又は8に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  10. 前記成形工程の後かつ前記変形工程の前に、前記基体の外周面に濾過部材を被覆する被覆工程をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  11. 前記成形工程において、メルトインデックスが1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)の高分子材料を前記結合材として用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  12. 前記成形工程において、5〜50質量%の前記結合材を含む前記基体を成形することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
  13. 前記成形工程において、密度が0.35〜0.65g/cm3の前記基体を成形することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のフィルタ成形体の製造方法。
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