JP3484121B2 - フィルター成形体の製造方法 - Google Patents

フィルター成形体の製造方法

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JP3484121B2 JP37445499A JP37445499A JP3484121B2 JP 3484121 B2 JP3484121 B2 JP 3484121B2 JP 37445499 A JP37445499 A JP 37445499A JP 37445499 A JP37445499 A JP 37445499A JP 3484121 B2 JP3484121 B2 JP 3484121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中の汚染物質を
除去する水処理フィルターに用いるフィルター成形体の
製造方法に係わり、より詳しくは、活性炭をより効率よ
く固化することによって、寿命の長い水処理能力や性能
に優れたフィルター成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般家庭などで使用される浄水器
や清水器と呼ばれる水処理装置の交換カートリッジフィ
ルターは、粒状もしくは繊維状の活性炭で残留塩素や有
機物を吸着除去し、中空糸膜でミクロサイズの汚れ、赤
サビや細菌などを取る構造を有しているのが一般的であ
る。
【0003】具体的な構造としては、円筒形の容器から
なるカートリッジ内に活性炭の部屋と中空糸膜の部屋と
にそれぞれを収納配置し、水をカートリッジ内に導入し
て活性炭の部屋へ送ってカルキ臭やカビ臭などをとり、
次いで中空糸の部屋へ送り、活性炭で取り除けなかった
ものを除去するというものが挙げられる(例えば、特開
平10−85729号公報)。
【0004】また、中空糸膜からなるチューブを円筒形
の容器からなるカートリッジの中心に配置してその外周
側に活性炭を配置して、外周側から水を流し、活性炭の
層を通過させた後、中空糸膜を通過させて処理済の水を
カートリッジから出すという構造を有するものも使用さ
れている(特開平8―71541号公報)。
【0005】いずれの構成においても活性炭は、活性炭
が通過せず、水のみが通過するような小径の孔を有する
膜に仕切られた部屋の中に粒状もしくは繊維状で単に蓄
えられた状態で用いられるものであった。
【0006】特開平2−17989号公報には、多孔質
プラスチック・マトリックス内に活性炭粒子をトラップ
した水の処理器が開示されている。多孔質プラスチック
・マトリックス中に活性炭を分散させることによって小
さな粒径の活性炭を使用できるようにしたものである。
【0007】また、米国特許第4753728号にもポ
リマーで活性炭を固めたフィルターで、しかもそのポリ
マーとして1.0g/10min未満(ASTM D1
238、190℃、15kg Load)である低メル
トインデックスのポリマーを用いたものが開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、まず特開平1
0−85729号公報や特開平8―71541号公報に
開示されたような構造のフィルターにおいて、単に蓄え
られた粒状もしくは繊維状活性炭では、細かな汚れや濁
りなどは除去できず、従って活性炭を通過する際に細か
な汚れがほとんど除去されないことから中空糸の目が詰
まりやすく寿命が短いのが現状であった。
【0009】更に粒状の活性炭を用いると、水が活性炭
の層中を通過するときに、自然と水みちがついてしまう
ことが多く、いったん水みちがついてしまうと水の流れ
がその部分に集中し、活性炭を部分的にしか使うことが
できないので、塩素などを除去する性能の寿命が短くな
ってしまうことになる。
【0010】特開平2−17989号公報や米国特許第
4753728号公報では多孔質プラスチック・マトリ
ックス中に活性炭を分散させて固化したフィルターを用
いている。このような構造にすることによって、より粒
径の小さな活性炭を使うことができるので効率がよくな
り、フィルター全体に水の流れるようにすることができ
ることから、活性炭による塩素などの除去性能を長持ち
させることが可能である。
【0011】しかし、このようなフィルターを用いただ
けでは水中のこまかな汚れが十分に除去できず、濁りの
多い水の場合に十分な浄水性能が得られないという問題
がある。
【0012】活性炭をプラスチック内に分散させたよう
な構造のフィルターの場合、小型にすると塩素などの除
去性能が十分に得られないという欠点があった。また、
蛇口直結型水処理器の場合、通常2.0〜3.0L/m
in程度の流量を必要とするが、塩素などの除去性能を
上げようと活性炭の粒径を更に細かく、粉末状の活性炭
を使用すると水の流量が十分に得られないといった問題
があることがわかった。
【0013】そこで本発明は、活性炭による塩素などの
除去性能が長期にわたって維持でき、しかも細かな汚れ
や濁りも除去することができ、また、蛇口直結型水処理
器のような活性炭の使用量やサイズが制限される用途に
おいても、浄水性能が高く、しかも十分な流量が得られ
る水処理器用フィルター成形体の製造方法の提供を目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明の請求項1では、水から汚染物質を除
去する水処理フィルターに用いるフィルター成形体の製
造方法において、粉末もしくは粒状の活性炭に対して
分子量でメルトインデックスが、1.1〜2.3g/1
0min(ASTM D1238、190℃、15kg
Load)の高分子量多孔質ポリマーからなる重合体
結合材を混合攪拌し、モールド内にその混合原料を所定
量充填した後、充填した混合原料に振動を加えて成形後
のフィルター成形体高さの5〜15%増になるまで嵩を
減少させた後、フィルター成形体の10倍までの重量を
有するとともに下型に対して固定していない上型を用い
て上型の自重で混合原料を加圧・加熱することによって
前記重合体結合材を流動状態にした後に、更に加圧して
成形後のフィルター成形体の高さに調整し、冷却して脱
型したことを特徴とする。
【0015】 このような方法にて固められた活性炭を
使用することによって、塩素の除去や汚れや濁りなどを
除去する性能も高く、しかも十分な流量が得られるフィ
ルターを効率よく製造することができ、また、重合体結
合材としてこのようなものを用いることによって、活性
炭を固化する際に重合体結合材が液状に溶融せず活性炭
を覆ってしまうことがないので、適度にバインダーとし
て働き、しかもより少ない量の重合体結合材で活性炭を
固めることができる。そのためフィルター中に含まれる
活性炭の量を多くすることができ、水を処理する性能を
向上させることができる。また、混合原料を加熱するこ
とで重合体結合材が溶けて流動状態になり、体積が減少
しても上型がその変化に追随することができ、混合原料
への加熱が均等になるが、活性炭を固化させる際、加熱
成形時、圧力をかけ過ぎると密度が高くなって目が詰ま
りすぎ、フィルター使用時に十分な流量が得られないた
め、フィルター成形体の10倍までの上型自重で加圧さ
せるとしている。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】 請求項2では、成形体に用いる活性炭と
して、60−100メッシュパス粒状活性炭及び100
メッシュパス粉末活性炭を1対1〜4対1の割合で混合
したものを用いるとしている。
【0021】活性炭の粒径を以上のような2種類のもの
を混合して用いることによって、活性炭による塩素や汚
れなどを除去する性能を十分なものに保持すると同時
に、十分な流量を得ることができる。
【0022】 請求項3では、成形体は活性炭に重合体
結合材を10〜25重量%配合しており、かつ固化した
成形体の密度が0.5〜0.65g/cm3であるフィ
ルター成形体としている。
【0023】フィルター成形体を通過する流量は、活性
炭と重合体結合材との混合比や、成形する際の圧力のか
け方にも左右されることになる。固化したフィルター成
形体の密度を0.5〜0.65g/cm3の範囲内に設
定することによって、水処理器用フィルターとして使用
するのに十分な水の流量を確保することができ、かつ十
分に水の汚れを取り除くこともできる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明の製造方法によって
得られたフィルター成形体の例を示す斜視図、図2はフ
ィルター成形体を用いた水処理器用フィルターの斜視
図、図3は図2におけるA−A断面図、図4は水処理器
の断面図である。
【0025】本発明の製造方法によって得られる活性炭
を固化したフィルター成形体1は、例えば図4に示すよ
うな蛇口直結型の水処理器Sに水処理器用フィルター2
のフィルターとして使用するものである。水処理器用フ
ィルター2の構造としては、例えば図2、図3に示すよ
うに45〜50mmφ×90〜100mm程度のサイズ
を有する円筒形のフィルター成形体1の外周に濾過層3
を被覆して、円筒形のフィルター成形体1の頂面及び底
面部分には、キャップ4がかぶさっており、キャップ4
は前記フィルター成形体1とは、汚れを含んだ水が通過
しないように水密性をもって接続されている。
【0026】また、円筒形のフィルター成形体1は円筒
の中心軸位置に10〜15mmφ程度の孔5を有してい
る この水処理器用フィルター2を水処理器Sに取りつけた
ときの水の流れは、濾過層3側から、水を取り込み、濾
過層3で大きなサイズのごみなどの汚れを取った後、フ
ィルター成形体1を通過して残留塩素や有機物を吸着除
去し、孔5内に湧き出して水処理器Sの浄水口Jから出
されるという行程で処理が行われる。
【0027】本発明の製造方法により得られるフィルタ
ー成形体1は、活性炭を高分子量で低メルトインデック
スの重合体結合材で固化した多孔質の固体活性炭成形体
であり、このフィルター成形体1に水を通すことによっ
て水処理を行うよう構成されたものである。
【0028】もちろん、フィルター成形体1からなるフ
ィルタ−単独でも水処理器用フィルターとして用いるこ
とができるし、例えば中空糸膜などの他の浄水効果を有
するフィルターと組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0029】ここでいう中空糸膜とは、糸の中央部に長
手方向に連続する中空孔を有するとともに、中空孔を取
り囲む壁は0.01〜5μm程度の細孔を有する多孔質
で中空の糸のことであり、素材としては、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、セルロ
ース誘導体などからなっている。通常、U字形の中空糸
束を円筒形容器に収納固定して用いられる。また、通常
用いられる中空糸膜の空隙率は20〜90%程度であ
る。
【0030】このように重合体結合材で固めたフィルタ
ー成形体1を用いることによって、塩素の除去だけでな
く汚れや濁りを除去する性能も有し、しかも中空糸膜を
併用すれば更に汚れや濁りを除去する性能は上がり、し
かも中空糸膜を長持ちさせる事ができる水処理器用フィ
ルターを提供することができる。
【0031】図5は、本発明の製造方法においてモール
ドM内に原料である混合原料を充填後、振動装置7にて
振動を加えるところの断面図、図6は上型8の自重で加
圧して成形しているところの断面図、そして図7はフィ
ルター成形体1を脱型しているところの断面図を示す。
【0032】上記フィルター成形体1を製造する際に使
用するモールドMは、図6に示すように、アルミ、鉄等
からなる熱伝導率が高い円筒形状の下型9と、下型9の
内径とほぼ同じの外径を有するパイプ形状の上型8から
なり、下型9の構造としては外径φ45〜50mm、内
径φ10〜11mm×90〜95mm程度のサイズを有
する活性炭を重合体結合材で固化した円筒形の成形体を
得るために円筒形状の下型9の同心上に円柱がついた底
型10とで形成される。
【0033】このモールドMを用いた本発明のフィルタ
ー成形体1の製造方法について次に説明する。ここでは
所定の密度、均一な粒度を有する円筒形状の成形体を成
形する手順を例に挙げて説明することにする。
【0034】まず、活性炭と高分子量で低メルトインデ
ックスの重合体結合材を所定比率で混合攪拌して両者が
均質に分散した混合原料6とする。この時、フィルター
成形体の全域に活性炭が分散して水処理の効果を十分に
発揮できるように、活性炭は60メッシュより細かい粒
状もしくは粉末ものを、重合体結合材は粒径が約100
μm程度のものを用いる。
【0035】モールドM内に前記混合原料6を所定量充
填すると成形後のフィルター成形体高さの150〜20
0%になる。そして混合原料6を含むモールドMを振動
装置にて振幅1〜3mm、振動数5〜10回/秒にて5
〜10秒振動をおこなって、所定高さの5〜15%増に
なるまで原料の嵩高さを減少させる。ここで前記の成形
後のフィルター成形体高さとは、フィルター成形体がで
きあがった際の高さの目標値である。なお、この目標値
は、成形後の冷却時に、成形体が収縮することによる寸
法の差を考慮した目標値とすることも含まれるものであ
る。
【0036】モールドMを振動させる際に振幅が大きく
なりすぎたり、振動数が大きくなりすぎたりして振動を
与えすぎると、混合原料6が詰まりすぎ所定の密度が得
られなくなる。またそれぞれの粒径の違いまた重さの違
いにより混合原料6が分離し均一な成形体が得られない
場合があるので好ましくない。逆に振動が不十分である
と加熱成形後にて加圧し成形後のフィルター成形体高さ
に調整する際、加圧による調整量が多いため圧力損失に
より成形体上下に密度差が生じるばかりでなく、モール
ド内面と原料界面がこすれ目詰まりをおこし、フィルタ
ーとしての機能を損なうことになる。
【0037】混合原料6の充填、モールドMの振動に続
いて上型8を降下させ、オーブン内で180〜260℃
にて30〜90min程度加熱し、混合原料中の重合体
結合材を流動状態にする。重合体結合材が流動状態にな
ったところで、モールドMをオーブンから取り出し、上
型8を更に降下させて成形後のフィルター成形体高さに
なるよう加圧する。
【0038】脱型は、モールドMを十分に冷却した後に
底型10を引き抜き、上型8にて押し抜きフィルター成
形体1を脱型する。
【0039】かくしてモールドMに所定量の活性炭と重
合体結合材を混合し、モールドMに充填し、振動を加え
嵩高さを調整後、200℃前後の温度にて所定時間加熱
した後に、圧縮量を調整、冷却、離型することによって
粒度が均一で密度を上記のような0.5〜0.65g/
cm3の範囲内に調整されたフィルター成形体1を作成
することができる。
【0040】以上の説明では、加圧はオーブンから取り
出した後に行っているが、その方法に限られるものでは
なく、オーブン内で加圧してもよい。また、加熱する際
に、まだ重合体結合材が流動状態になってないうちか
ら、例えば上型8の自重によりある程度の加圧しながら
加熱してもよいが、この場合、上型8の重量がフィルタ
ー成形体1の10倍までの重量を越えると加熱成形時、
成形体体積が減少し過ぎて所要の密度が得られなくな
る。
【0041】以下、本発明で用いる原料とその性質につ
いて詳細に説明する。本発明で得られるフィルター成形
体は、活性炭を重合体結合材で固化した多孔質体であ
り、重合体結合材としては低メルトインデックスの高分
子量多孔質ポリマーを用いる。
【0042】活性炭は60メッシュパス以上のものを用
いることができ、60メッシュパス未満であると、重合
体結合材で活性炭を固めることが困難になることと、フ
ィルター成形体1の空隙が大きくなりすぎて活性炭に接
触することなくフィルター成形体1を通過してしまう水
が多くなるので塩素や汚れなどを除去する性能が悪くな
るので好ましくない。
【0043】以上のフィルター成形体1に用いられる重
合体結合材と活性炭における更に好ましい形態として、
粒子の大きいもの及び粒子の小さいものの2種類の活性
炭を用い、粒子の大きい活性炭としては60−100メ
ッシュパスの粒状活性炭を用い、粒子の小さい活性炭と
しては100メッシュパスの粉末活性炭を用いる。そし
て粒子の大きい活性炭と粒子の小さい活性炭を1対1か
ら4対1の割合で混合し、このような活性炭を低メルト
インデックスの重合体結合材で固化する。
【0044】このような2種類の粒径分布を有する活性
炭を前記のような比率で混ぜて使用することによって、
60−100メッシュパスの粒状活性炭同士の隙間に適
当に100メッシュパス以上の粉末状活性炭が存在し、
塩素や汚れなどを除去する性能と十分な流量が長期に渡
って得られるという能力を兼ね備えたフィルター成形体
1を得ることができる。
【0045】ここで上記の粒子の大きい活性炭として6
0メッシュパス未満のものを用いると、やはり重合体結
合材で活性炭を固めることが困難になることと、フィル
ター成形体2中の空隙が大きくなりすぎて活性炭に接触
することなくフィルター成形体2を通過してしまう水が
多くなるので水の塩素などの除去性能が悪くなるので好
ましくない。
【0046】そして粒子の小さい活性炭を100メッシ
ュパスよりも細かい、例えば300メッシュパス以上の
活性炭を用いるとフィルター成形体2の空隙部分が少な
くなってしまい十分な流量が得られなくなるので好まし
くない。
【0047】前記低メルトインデックスの重合体結合材
としては、水処理器のフィルターとしての用途として問
題なく使用できるために無毒性であることが必要になる
とともに、単体で成形した場合に多孔質体を形成しやす
い樹脂であることが好ましい。具体的には分子量が数十
万〜数百万程度の超高分子量ポリエチレンで原料の粒子
径が約100μm、カサ密度0.3g/cm3未満の樹
脂であって、メルトインデックスが、1.1〜2.3g
/10min(ASTM D1238、190℃、15
kg Load)であるものが挙げられる。
【0048】重合体結合材のメルトインデックスが、
1.1g/10min(ASTM D1238、190
℃、15kg Load)未満であると、フィルターと
なる活性炭のブロック成形時の流れが悪く、活性炭を固
めてブロックとするためには、重合体結合材の量を多く
しなければならない。そうするとフィルター内に占める
活性炭の量が少なくなるので、水を処理する性能として
は低くなってしまう。
【0049】また、重合体結合材がのメルトインデック
スが、2.3g/10min(ASTM D1238、
190℃、15kg Load)をこえると、フィルタ
ーの成形時に溶融したポリマーが活性炭の細孔部を覆っ
てしまい、水が活性炭を通過できなくなるので好ましく
ない。
【0050】重合体結合材が上記のようなメルトインデ
ックスを有するポリマーであることによって高温におい
て適度な粘度であるがゆえ、フィルターの成形時に溶融
したポリマーが活性炭の細孔部を覆ってしまうことがな
い。また多孔質体を形成することは活性炭を固化したフ
ィルターの機能を損なわない有効な結合材である。
【0051】さらに活性炭と重合体結合材を混合する割
合は活性炭に対して重合体結合材を10から25重量%
配合し、かつフィルター成形体の密度が0.5〜0.6
5g/cm3を有したものとすることによって、例え
ば、蛇口直結型水処理器にて通常必要とされる2.0L
/minを上回る流量を動水圧0.1MPaにて確保す
ることが可能である。
【0052】活性炭に対する重合体結合材の配合量が1
0重量%未満であると活性炭を固化することが困難とな
り、25重量%を超えると重合体結合材が活性炭の表面
を覆ってしまう部分が多くなりすぎて、活性炭を有効に
使用することができなくなるので好ましくない。
【0053】また、固化後のフィルター成形体密度が
0.5g/cm3未満になると剛性が低くなってしま
い、フィルター成形体が脆く崩れやすいので好ましくな
い。0.65g/cm3を超えると硬め過ぎとなってフ
ィルター成形体の空隙がすくなく十分な流量を得ること
ができなくなるので好ましくない。
【0054】さらに、上記のような活性炭のみならず、
水の汚れや塩素を除去する性能を付与できるような他の
成分を混入し、活性炭とともに固化して用いることも可
能である。
【0055】以上のような、2種類の所定の粒径を有す
る活性炭を所定の比率で混合し、しかも重合体結合材の
メルトインデックスも前記のような所定の範囲のものを
用いて活性炭との割合も所定範囲とすることによって、
活性炭により水の塩素や汚れなどを除去する効果が大き
く、しかも流量の面でも十分な流量を確保することがで
きる。
【0056】本発明の製造方法により得られるフィルタ
ー成形体を、中空糸膜フィルターと組み合わせて用いた
場合は、フィルター成形体で殆どの汚れが除去されるた
め、中空糸膜フィルターを併用した場合、中空糸膜フィ
ルターへの目詰まりを軽減し、寿命を延ばし、蛇口直結
型水処理器のようにフィルターとしての重さや大きさが
制限されたような状態においても十分な性能と能力を持
ったフィルター成形体を提供することができる。また、
中空糸膜フィルター以外にも浄水効果のある他のフィル
ターと組み合わせて用いることも可能である。
【0057】本発明で得られるフィルター成形体は、水
処理器の形態に関係なく蛇口直結型、据え置き型、予め
台所の流し台などに組みこんだビルトイン型、携帯型に
でも適用することができる。蛇口直結型のような重量や
サイズ的に制限がある場合でも十分な浄水の性能ととも
に十分な流量を得ることができ、効果が顕著であると言
える。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明は上記の目的を達成
するために請求項1では、水から汚染物質を除去する水
処理フィルターに用いるフィルター成形体の製造方法に
おいて、粉末もしくは粒状の活性炭に対して高分子量で
メルトインデックスが、1.1〜2.3g/10min
(ASTM D1238、190℃、15kg Loa
d)の高分子量多孔質ポリマーからなる重合体結合材を
混合攪拌し、モールド内にその混合原料を所定量充填し
た後、充填した混合原料に振動を加えて成形後のフィル
ター成形体高さの5〜15%増になるまで嵩を減少させ
た後、フィルター成形体の10倍までの重量を有すると
ともに下型に対して固定していない上型を用いて上型の
自重で混合原料を加圧・加熱することによって前記重合
体結合材を流動状態にした後に、更に加圧して成形後の
フィルター成形体の高さに調整し、冷却して脱型したこ
とを特徴とする。
【0059】 このような方法にて固められた活性炭を
使用することによって、塩素の除去や汚れや濁りなどを
除去する性能も高く、しかも十分な流量が得られるフィ
ルターを効率よく製造することができ、また、重合体結
合材としてこのようなものを用いることによって、活性
炭を固化する際に重合体結合材が液状に溶融せず活性炭
を覆ってしまうことがないので、適度にバインダーとし
て働き、しかもより少ない量の重合体結合材で活性炭を
固めることができる。そのためフィルター中に含まれる
活性炭の量を多くすることができ、水を処理する性能を
向上させることができる。また、混合原料を加熱するこ
とで重合体結合材が溶けて流動状態になり、体積が減少
しても上型がその変化に追随することができ、混合原料
への加熱が均等になるが、活性炭を固化させる際、加熱
成形時、圧力をかけ過ぎると密度が高くなって目が詰ま
りすぎ、フィルター使用時に十分な流量が得られないた
め、フィルター成形体の10倍までの上型自重で加圧さ
せるとしている。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】 請求項2では、成形体に用いる活性炭と
して、60−100メッシュパス粒状活性炭及び100
メッシュパス粉末活性炭を1対1〜4対1の割合で混合
したものを用いるとしている。
【0065】活性炭の粒径を以上のような2種類のもの
を混合して用いることによって、活性炭による塩素や汚
れなどを除去する性能を十分なものに保持すると同時
に、十分な流量を得ることができる。
【0066】 請求項3では、成形体は活性炭に重合体
結合材を10〜25重量%配合しており、かつ固化した
成形体の密度が0.5〜0.65g/cm3であるフィ
ルター成形体としている。
【0067】フィルター成形体を通過する流量は、活性
炭と重合体結合材との混合比や、成形する際の圧力のか
け方にも左右されることになる。固化したフィルター成
形体の密度を0.5〜0.65g/cm3の範囲内に設
定することによって、水処理器用フィルターとして使用
するのに十分な水の流量を確保することができ、かつ十
分に水の汚れを取り除くこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法によって得られるフィルター成
形体の斜視図である。
【図2】フィルター成形体を用いた水処理器用フィルタ
ーの斜視図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】蛇口直結型水処理器の断面図である。
【図5】本発明の製造法に用いる振動装置上にモールド
をセットし混合原料を充填したところの断面図である。
【図6】上型の自重で加圧して成形しているところの断
面図である。
【図7】モールドから活性炭成形体を脱型しているとこ
ろの断面図である。
【符号の説明】
1 フィルター成形体 2 水処理器用フィルター 3 濾過層 4 キャップ 5 孔 6 混合原料 7 振動装置 8 上型 9 下型 10 底型 S 水処理器 M モールド
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−345105(JP,A) 特開 昭49−59871(JP,A) 特開 平11−200216(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水から汚染物質を除去する水処理器に用
    いる活性炭を固化したフィルター成形体の製造方法にお
    いて、粉末もしくは粒状の活性炭に対して高分子量で
    ルトインデックスが、1.1〜2.3g/10min
    (ASTM D1238、190℃、15kg Loa
    d)の高分子量多孔質ポリマーからなる重合体結合材を
    混合攪拌し、モールド内にその混合原料を所定量充填し
    た後、充填した混合原料に振動を加えて成形後のフィル
    ター成形体高さの5〜15%増になるまで嵩を減少させ
    た後、フィルター成形体の10倍までの重量を有すると
    ともに下型に対して固定していない上型を用いて上型の
    自重で混合原料を加圧・加熱することによって前記重合
    体結合材を流動状態にした後に、更に加圧して成形後の
    フィルター成形体の高さに調整し、冷却して脱型したこ
    とを特徴とするフィルター成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 フィルター成形体用いる活性炭として、
    60−100メッシュパス粒状活性炭及び100メッシ
    ュパス粉末活性炭を1対1〜4対1の割合で混合したも
    のを用いた請求項1記載のフィルター成形体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 フィルター成形体は活性炭に重合体結合
    材を10〜25重量%配合しており、かつ固化したフィ
    ルター成形体の密度が0.5〜0.65g/cm3であ
    請求項1〜2記載のフィルター成形体の製造方法。
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