JP2003320210A - 多孔質体フィルター - Google Patents

多孔質体フィルター

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JP2003320210A
JP2003320210A JP2002125870A JP2002125870A JP2003320210A JP 2003320210 A JP2003320210 A JP 2003320210A JP 2002125870 A JP2002125870 A JP 2002125870A JP 2002125870 A JP2002125870 A JP 2002125870A JP 2003320210 A JP2003320210 A JP 2003320210A
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JP
Japan
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filter
water
porous
mold
cap
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JP2002125870A
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English (en)
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Toshio Matsumura
俊夫 松村
Masaaki Yamamoto
正明 山本
Takeshi Urabe
剛 卜部
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルター本体の成形時に発生したバリがこ
のコーナー溝に収まることで不透水性のキャップとバリ
とが干渉せず、フィルター本体の頂面および底面とキャ
ップとの間の密着状態の高い水処理用フィルターを提供
することにある。 【解決手段】 浄化成分を高分子量多孔質ポリマーにて
固化した多孔質体フィルター1であって、フィルター本
体2の頂面4および底面5にはキャップ8が密着状態に
て取り付けられ、頂面4および底面5と内外側面6、7
との間にはコーナー溝9を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中の汚染物質を
除去する浄水用途のフィルターや大気中の汚染物質を除
去する空気清浄フィルターとして用いる多孔質体フィル
ターに係り、製造の際に発生するフィルター本体のバリ
に影響されることなく本体とキャップとが密着させるこ
とができる構造の多孔質体フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般家庭などで使用される浄水器
や清水器と呼ばれる水処理装置の交換カートリッジフィ
ルターや、空気清浄器として用いられるフィルターは、
粒状もしくは繊維状の活性炭で水中の残留塩素や有機物
を除去したり空気中の悪臭などを除去したりし、中空糸
膜でミクロサイズの汚れ、赤サビや細菌などを取るなど
の構造を有しているのが一般的である。
【0003】特開平2−17989号公報には、多孔質
プラスチック・マトリックス内に活性炭粒子をトラップ
した水の処理器が開示されている。多孔質プラスチック
・マトリックス中に活性炭を分散させることによって小
さな粒径の活性炭を使用できるようにしたものである。
【0004】また、米国特許第4753728号にもポ
リマーで活性炭を固めたフィルターで、しかもそのポリ
マーとして1.0g/10min未満(ASTM D1
238、190℃、15kg Load)である低メル
トインデックスのポリマーを用いたものが開示されてい
る。
【0005】また、本出願人による出願である特開20
01−58111号公報には、結合材をバインダーとし
て活性炭などの浄化成分を固化した多孔質体からなるフ
ィルターが開示されており、小型でも高い浄水性能を得
られることを特徴としたものである。
【0006】一般の多孔質体フィルターは、ディスク
状、円筒形状、シート状あるいはブロック状等の形状を
しており、たとえば水処理用フィルターにおいては機能
および濾過性能面において有利な円筒形状を取る構造を
有しているのが一般的である。
【0007】カートリッジタイプ円筒形状のフィルター
の具体的な構造としては、円筒形フィルターの上下に処
理後の水またはエアーを流す通水孔の空いた頂面または
底面に被せた不透水性のキャップをそれぞれ配置し、水
またはエアーを外周面からカートリッジ内に導入して内
周面から出し濾過するという構造が挙げられる。
【0008】その円筒形状フィルターの製造方法は、粒
状、粉末もしくは繊維状などの原料とポリマーからなる
結合材を所要比率で混合攪拌し、中芯のあるモールド内
にその混合原料を所定量充填した後、混合原料を加熱す
ることによって前記結合材を流動状態にした後に、加圧
してフィルターの高さに調整し、冷却して脱型すること
で、固化した円筒形状の多孔質体フィルターが得られ
る。
【0009】得られた多孔質体フィルターの上下に処理
後の水またはエアーを流す通水孔の空いた頂面または底
面に被せた不透水性のキャップをそれぞれ配置すること
で円筒形状カートリッジフィルター構造として得られ
る。
【0010】一方、カートリッジタイプのディスク状フ
ィルターの具体的な構造としては、ディスク状フィルタ
ーの外周側面をカートリッジ容器と密着させてサイドリ
ークを防止し、水またはエアーをディスク上面から下面
に導入して濾過するという構造が挙げられる。
【0011】そのディスク状フィルターの製造方法は、
粒状、粉末もしくは繊維状の原料とポリマーからなる結
合材を所要比率で混合攪拌し、中芯のないモールド内に
その混合原料を所定量充填した後に、混合原料を加熱す
ることによって前記結合材を流動状態にした後に、加圧
してフィルターの高さに調整し、冷却して脱型すること
で、固化したディスク状の多孔質体フィルターが得られ
る。
【0012】得られたディスク状の多孔質体フィルター
の外周側面をカートリッジ容器と密着させサイドリーク
を防止することで、ディスク状カートリッジフィルター
構造として得られる。
【0013】いずれの構成においても、混合原料を加熱
することによって前記結合材を流動状態にした後に、加
圧してフィルター成形体が得られることを特徴としてい
るものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フィルターの
製造過程においてモールド内に混合原料を所定量充填
し、その混合原料を加熱することで前記結合材を流動状
態にした後、加圧してフィルター成形体の高さに調整す
る際、筒形状の枠型と円柱状の上又は下型の隙間から流
動状態となった諸材料を含む結合材がバリとなって現
れ、ディスク状フィルターの場合は特に問題となること
は少ないが、円筒形状フィルターの場合はこのバリが処
理後の水またはエアーを流す通水孔の空いた頂面または
底面に被せた不透水性キャップの取り付けの障害となっ
ていた。
【0015】そこで円筒形状のカートリッジフィルター
の製造過程においては、このバリを取り去った後、不透
水性のキャップを取り付けているが、バリ取り作業をお
こなうことは大幅な作業ロスであるばかりでなく、バリ
くず、粉塵等の発生があり、衛生環境面で重要視される
フィルター製造ラインにおいてこの処理が特に問題であ
った。
【0016】また、円筒形状のフィルター本体の頂面お
よび底面に不透水性のキャップを取り付ける際、接着剤
が用いられるが、その塗布量がばらつき過剰であると余
分な接着剤がはみ出し、外観を損ねる不具合を生じてい
た。
【0017】更に外観を重視するため、その塗布量少な
目に設定すると十分な接着力が得られない結果となり、
塗布量の管理、調整が重要となり、その労力、設備費用
が多大となっていた。
【0018】そこで本発明は、面倒なバリ取りをなくす
ことで作業面の改善を図り、しかもバリくず、粉塵等が
発生しないことにより衛生環境面が改善でき、接着剤の
塗布量が少々ばらついても外観を損ねることのないフィ
ルター構造の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明の請求項1では、浄化成分を高分子量
多孔質ポリマーからなる結合材で固化した、水や空気な
どから汚染物質を除去するための多孔質体フィルターで
あって、フィルター本体は頂面と底面には連通した通水
孔を設けた外側面と内側面を有する筒体であり、フィル
ター本体の頂面および底面にはキャップを密着状態にて
被せた多孔質体フィルターにおいて、頂面および底面と
内外側面との間のコーナー部にはコーナー溝を設けてい
ることを特徴とする。
【0020】このように水またはエアーを取りこむ外周
面を有する円筒状フィルター本体において、前記キャッ
プを被せる頂面および底面と内外側面との間のコーナー
部にコーナー溝が設けられていることにより、フィルタ
ー本体の成形時に発生したバリがこのコーナー溝に収ま
ることで不透水性のキャップとバリとが干渉せずフィル
ター本体の頂面および底面に密着状態でキャップを取り
付けることができる。
【0021】請求項2ではコーナー溝は頂面もしくは底
面からの深さが0.5〜5mmである多孔質体フィルタ
ーとしている。
【0022】このような構造とすることによって、キャ
ップをフィルター本体の頂面および底面に取り付ける
際、フィルター本体の頂面および底面と内外側面との間
のコーナー部にコーナー溝を有していることから、容易
に不透水性のキャップを取り付け、導入することがで
き、作業性が向上できる。
【0023】また、コーナー溝のサイズを十分に取るこ
とで、円筒状フィルター本体の頂面および底面に不透水
性のキャップを取り付ける際、用いられる接着剤の塗布
量がばらつき過剰であっても、このコーナー溝内の空洞
に余分な接着剤を吸収することができて接着剤のはみ出
し外観不良が防止できる。
【0024】請求項3では、ポリマーからなる結合材
が、1.1〜2.3g/10min(ASTM D12
38、190℃、15kg Load)のメルトインデ
ックスを有するポリオレフィンである多孔質体フィルタ
ーとしている。
【0025】結合材としてこのようなメルトインデック
スのものを用いることによって、粒状、粉末もしくは繊
維状などの原料を固化する際に結合材が液状に溶融せず
原料の表面を覆ってしまうことがないので、適度にバイ
ンダーとして働かせることができ、しかもより少ない量
の結合材で粒状、粉末もしくは繊維状などの原料を固め
ることができるので、フィルター中に含まれる必要とさ
れる原料の比率を多くすることができ、水またはエアー
を処理する性能を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の多孔質体フィルタ
ーの斜視図であり、図2は図1におけるA−A断面図、
図3はフィルター本体の部分断面図、図4は水処理器の
断面図である。
【0027】本発明の多孔質体フィルター1は、例えば
水処理に用いるフィルターを挙げることができ、図4に
示すような蛇口直結型の水処理器Sに装着使用するもの
である。形状は図1〜図3に示すように中心軸位置に通
水孔3を有する円筒形状であり、それぞれ頂面4、底面
5、内側面6、外側面7を有するフィルター本体2にキ
ャップ8を取り付けたものである。
【0028】多孔質体フィルター1は、フィルター本体
2が例えば、45〜50mmφ×90〜100mm程度
のサイズを有する円筒形であって、フィルター本体2の
頂面4及び底面5部分には不透水性のキャップ8がかぶ
さっており、前記フィルター本体2との間を水が通らな
いように水密性をもって接続されている。また、フィル
ター本体2の中心軸位置の通水孔3は10〜15mmφ
程度のサイズの孔であり、底面5のキャップ8には前記
通水孔3に相当する位置に孔8aを有している。
【0029】この多孔質体フィルター1を浄水の用途で
水処理器Sに取り付けて用いたときの水の流れは、例え
ば外側面7側から、水を取り込み、フィルター本体2を
通過して残留塩素や有機物を吸着除去し、通水孔3内に
湧き出して水処理器Sの浄水口Jから出されるというよ
うな行程で処理が行われる。
【0030】一般的に水処理器Sには、浄水口Jと原水
口Gを備えており、水の流れを矢印で示すように水道W
から供給された水を切替レバーCなどによって、処理を
行う経路へ水を誘導して処理した水を出す場合と、何も
処理せずそのまま通過させて原水で出す場合を切りかえ
ることができるようになっている。そして、処理する場
合には、前記のような行程で処理されることになる。
【0031】本発明ではこのような多孔質体フィルター
1において、フィルター本体2の頂面4と内側面6との
境界、頂面4と外側面7との境界、底面5と内側面6と
の境界、底面5と外側面7との境界のコーナー部にそれ
ぞれコーナー溝9を設けている。このコーナー溝9を設
けることが本発明の特徴部分であり、フィルター本体2
を成形する際にバリが発生したとしても、コーナー溝9
に収容することができるのでバリの除去作業を行うこと
なくそのままキャップ8を被せて水密性を有する状態で
取り付けることができる。また、キャップ8を取り付け
る際に接着剤を用いた場合でも余剰の接着剤をこのコー
ナー溝9内に収容することができるので、キャップを取
り付ける作業を非常に簡易なものとすることができる。
【0032】そのためにコーナー溝9の頂面または底面
からの深さDは0.5〜5mmの範囲とすることがこの
ましい。コーナー溝9の深さDが0.5mm未満である
とバリや余剰の接着剤を収容する目的としては小さすぎ
てキャップ8の取り付けの際にバリなどが障害となって
キャップ8の取り付けができないことがあるので好まし
くない。また、コーナー溝9の深さDを大きくとると、
それを覆うためのキャップ8の外周縁の長さを長くとら
なくてはならず、それにより外周面7の表面積が少なく
なり濾過効率が減少するので、深さDは5mmまでが好
ましいと言える。
【0033】本発明の多孔質体フィルター1に用いるフ
ィルター本体2は、浄化成分を結合材で固化した多孔質
成形体であり、結合材としては低メルトインデックスの
高分子量多孔質ポリマーを用いる。このように浄化成分
を固化して多孔質成形体とすることによって、浄化しよ
うとする水や空気などが特定の箇所に集中して流れるこ
となく全体を均等に流れるようになるので浄化性能も向
上させることができるものである。
【0034】ただし、成形の際に金型同士の隙間にバリ
が形成されることになるので、通常は発生したバリを除
去するという作業が必要となる。しかし、本発明では前
述のようにコーナー溝9を設けることによってバリをそ
の溝内に収容してしまうことができるのでバリ取りの作
業を要しない。また、キャップを取り付ける際に塗布す
る接着剤の余剰についてもそのコーナー溝9内に吸収す
ることができる。
【0035】本発明の多孔質体フィルターの材料として
用いることができる低メルトインデックスの結合材とし
ては、水処理などの用途に用いることから無毒性である
ことが必要になるとともに、単体で成形した場合に多孔
質体を形成しやすい樹脂であることが好ましい。具体的
には分子量が数十万〜数百万程度の超高分子量ポリエチ
レンで原料の粒子径が約100μm、カサ密度0.3g
/cm3未満の樹脂であって、メルトインデックスが、
1.1〜2.3g/10min(ASTM D123
8、190℃、15kg Load)であるものが挙げ
られる。
【0036】結合材のメルトインデックスが、1.1g
/10min(ASTM D1238、190℃、15
kg Load)未満であると、フィルター成形時の流
れが悪く、浄化成分を固めるためには、結合材の量を多
くしなければならない。そうするとフィルター内に占め
る浄化成分の量が少なくなるので、水を処理する性能は
低くなってしまう。
【0037】また、結合材のメルトインデックスが、
2.3g/10min(ASTM D1238、190
℃、15kg Load)をこえると、フィルター成形
時に溶融したポリマーが浄化成分を覆ってしまい、水が
浄化成分に接触できなくなるので性能が得られず好まし
くない。
【0038】結合材が上記のようなメルトインデックス
を有するポリマーであることによって高温において適度
な粘度であるがゆえ、成形時に溶融したポリマーが浄化
成分を覆ってしまうことがなく、浄化性能を損なわない
有効な結合材である。
【0039】浄化成分としては、さまざまなものを用い
ることができ、例えば、粒状活性炭、繊維状活性炭、ゼ
オライト、キレート繊維、シリカ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、ウォラストナイト、ガラス繊維などを
挙げることができる。浄化成分がフィルター中に均一に
分散するように粉末の状態で配合する。
【0040】フィルター本体2の成形方法としては、次
のような方法が挙げられる。所定量の浄化成分と結合材
を混合し、金型に充填後200℃前後の温度にて所定時
間加熱、圧縮し、冷却することによってフィルター本体
2を成形することができる。フィルター本体2の密度と
して好適な範囲としては0.5〜0.65g/cm3
範囲であり、前記の加熱後に圧縮量を調整することによ
って、フィルター本体2の密度をこのような好適な範囲
内に調整することができる。
【0041】フィルター本体2の成形金型10について
は、熱伝導率の高いアルミやステンレス材を含む鉄等が
好適に用いられて耐蝕・耐摩耗処理が施してある。図5
にその型割構造と組立状態を表しており、型割は底型1
1と外型12と中型13と上型14の4つの型から構成
されている。
【0042】この時、図6に示す入れ子15は作業治具
として用いてあり、図6(a)(b)に示す様に、原料
Pの投入時並びに上型14の組み付け時に中型13の頂
部に着装し、上型14の組み付け後に取り外している。
これによってパイプ状の中型13内部への原料Pの侵入
が無くなり、上型14の外型12への嵌挿に当たって芯
出しに苦労せず楽に組み付けられ、組み付け後の加熱工
程では中空状の中型13の頂部から入れ子14が外され
て開放されるから、中型13の軸線方向の熱回りが確保
出来る事になる。
【0043】次に底型11と上型14の成形面の外周縁
に設けた凸リング状の山16について説明する。図5
(a)成形金型での凸リング形状、に示す様に、先ず上
型14の底面と外型12の内面もしくは中型13で構成
するリング状のコーナー部に上型14の底面にリング状
に突き出した山16を設けてあり、その大きさは、前述
の接着剤のはみ出しと成形バリのはみ出しが吸収できる
予め求めた寸法で、概ね三角形状の断面をした山であ
る。同様に底型11の上面と外型12の内面もしくは中
型13で構成するリング状のコーナー部にも底型11の
上面に突き出した山16を設けてある。
【0044】続いて図5(b)には、前述の成形型の突
き出した山16で成形され上下面にコーナー溝9を有し
たフィルター本体2の部分断面形状と、その上下面に付
属キャップ8が接着剤によってフィルター本体2に一体
化された状態を部分断面で表している。このように凸リ
ング状の山16によって成形されたコーナー溝9は、成
型時に発生した円周上の成形バリ17と外周部に溢れる
余剰の接着剤18を、このコーナー溝9に収容する事に
より、仕上げが不要な工程造りが出来るようにしてあ
る。
【0045】本発明の特徴部分であるコーナー溝9は例
えばこのような製造工程を経ることによって設けること
ができ、コーナー溝9を設けることによって前述のよう
にキャップ8を取り付ける際にフィルター本体2の成形
時に発生したバリ17が取り付けを阻害することなく、
仕上げ作業が不要であり、水密度の高い取り付けを行う
ことができる。
【0046】次にフィルター本体2の製造方法につい
て、図6(a)混合原料投入、図6(b)上型嵌挿・落
とし蓋にして加熱、図6(c)加熱・加圧・冷却して成
形完了、図6(d)内型脱型、を用いて所定の密度、均
一な粒度を有する円筒形状の成形体を成形する手順につ
いて詳述する。
【0047】まず混合原料Pは、活性炭などの浄化成分
と高分子量で低メルトインデックスの結合材を所定比率
で混合攪拌して両者が均質に分散したものである。この
時、フィルター本体2の全域に例えば活性炭などの浄化
成分が分散して水処理の効果を十分に発揮できるように
なっている。
【0048】次に図6(a)に示す様に、底型11に中
型13を挿入しその底型11の外周に外型12を装着し
て成形金型10の容器部を組み立て、中型13頂部に先
端を細くした入れ子15を装着して、外型12の上部開
口面に漏斗を装着して、計量済の前記混合原料Pを投入
する。この際には、中央部の中型頂部には入れ子で密栓
してある。
【0049】所定量充填すると成形後のフィルター成形
体高さの150〜200%になる。そして混合原料Pを
含む成形金型10を振動装置にて振幅1〜3mm、振動
数5〜10回/秒にて5〜10秒振動をおこなって、所
定高さの5〜15%増になるまで原料の嵩高さを減少さ
せる。ここで前記の成形後のフィルター本体高さは、フ
ィルター本体2のできあがりの高さであり、成形後の冷
却時の成形収縮をも勘案したものである。
【0050】成形金型10を振動させる際は、振幅が大
きすぎたり、振動数が大きくすぎたりして振動を与えす
ぎると、混合原料Pが詰まりすぎ所定の密度が得られな
くなる。またそれぞれの粒径の違いまた重さの違いによ
り混合原料Pが分離し均一なフィルター本体2が得られ
ない場合があるので好ましくない。
【0051】また、逆に振動が不十分であると加熱成形
後にて加圧し成形後のフィルター本体2の高さに調整す
る際、加圧による調整量が多く成るため加圧時の圧力損
失により成形体上下に密度差が生じるばかりでなく、成
形金型10内面と原料界面がこすれ目詰まりをおこし、
フィルターとしての機能を損なうことになる。
【0052】次に図6(b)に示す様に、上型14底面
の組立穴部を先端が細くなった入れ子に差し込んで挿入
してやれば、外型12と中型13との嵌挿時の芯出しが
自ずと簡単に出来て型合わせが容易でスムースに下降出
来る。
【0053】続いてオーブン内で180〜260℃にて
30〜90min程度加熱し、混合原料P中の結合材を
流動状態にする。結合材が流動状態になったところで、
成形金型10をオーブンから取り出し、ほぼ下降した上
型14の最後をもう一押し下げて加圧し、図7(a)上
型落とし蓋状態図7(b)加熱成形完了状態、に示す様
に加圧密着して上型14の鍔19面を外型12の上面に
当接させて、図7(b)に示す成形完了状態に至る。
【0054】次いで成形金型10を十分に冷却し、外型
12の成形面では成形収縮し隙間も出来て、引き出しや
すくなって、中型13に串刺しされた底型11、フィル
ター本体2、上型14を外型12から一体で脱型してフ
ィルター本体2の両側にある底型11と上型14を取り
外す。
【0055】図6(d)に示す様に、中型13に串刺し
されて、成形収縮したフィルター本体2が食らいついた
中型13をプレスの固定テーブル上の貫通穴に軸径の大
きな側を下にしてセットし、上方から中型13の上部を
突き押して脱型を行い離型するものである。
【0056】この様にして所定量の活性炭と結合材を混
合し、成形金型10に充填し、加震して嵩高さを均一に
調整後、200℃前後の温度にて所定時間加熱した後
に、上型14を密着させて、冷却し、脱型することによ
って粒度が均一で密度を上記のような0.5〜0.65
g/cm3の範囲内に調整されたフィルター本体2を成
形することができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、浄
化成分を高分子量多孔質ポリマーからなる結合材で固化
した、水や空気などから汚染物質を除去するための多孔
質体フィルターであって、フィルター本体は頂面と底面
には連通した通水孔を設けた外側面と内側面を有する筒
体であり、フィルター本体の頂面および底面にはキャッ
プを密着状態にて被せた多孔質体フィルターにおいて、
頂面および底面と内外側面との間のコーナー部にはコー
ナー溝を設けていることを特徴とする。
【0058】このように水またはエアーを取りこむ外周
面を有する円筒状フィルター本体において、前記キャッ
プを被せる頂面および底面と内外側面との間のコーナー
部にコーナー溝が設けられていることにより、フィルタ
ー本体の成形時に発生したバリがこのコーナー溝に収ま
ることで不透水性のキャップとバリとが干渉せずフィル
ター本体の頂面および底面に密着状態でキャップを取り
付けることができる。
【0059】請求項2ではコーナー溝は頂面もしくは底
面からの深さが0.5〜5mmである多孔質体フィルタ
ーとしている。
【0060】このような構造とすることによって、キャ
ップをフィルター本体の頂面および底面に取り付ける
際、フィルター本体の頂面および底面と内外側面との間
のコーナー部にコーナー溝を有していることから、容易
に不透水性のキャップを取り付け、導入することがで
き、作業性が向上できる。
【0061】また、コーナー溝のサイズを十分に取るこ
とで、円筒状フィルター本体の頂面および底面に不透水
性のキャップを取り付ける際、用いられる接着剤の塗布
量がばらつき過剰であっても、このコーナー溝内の空洞
に余分な接着剤を吸収することができて接着剤のはみ出
し外観不良が防止できる。
【0062】請求項3では、ポリマーからなる結合材
が、1.1〜2.3g/10min(ASTM D12
38、190℃、15kg Load)のメルトインデ
ックスを有するポリオレフィンである多孔質体フィルタ
ーとしている。
【0063】結合材としてこのようなメルトインデック
スのものを用いることによって、粒状、粉末もしくは繊
維状などの原料を固化する際に結合材が液状に溶融せず
原料の表面を覆ってしまうことがないので、適度にバイ
ンダーとして働かせることができ、しかもより少ない量
の結合材で粒状、粉末もしくは繊維状などの原料を固め
ることができるので、フィルター中に含まれる必要とさ
れる原料の比率を多くすることができ、水またはエアー
を処理する性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質体フィルターの斜視図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】フィルター本体の部分断面図である。
【図4】水処理器の断面図である。
【図5】フィルター本体の成形型の断面図およびそれに
より得られたフィルター本体にキャップを被せたところ
の拡大断面図である。
【図6】本発明のフィルター成形体の製造方法を説明す
る工程流れを表す説明図である。
【図7】本発明のフィルター成形体用の成形金型で、上
型の鍔の機能を表す縦断面である。
【符号の説明】
1 多孔質体フィルター 2 フィルター本体 3 通水孔 4 頂面 5 底面 6 内側面 7 外側面 8 キャップ 9 コーナー溝 10 成形金型 11 底型 12 外型 13 中型 14 上型 15 入れ子 16 成形型の突き出した山 17 バリ 18 接着剤 19 鍔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 AA03 BA13 BB01 BC05 CA03 CB01 4D058 JA02 JB14 JB22 JB28 KA01 KA12 SA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化成分を高分子量多孔質ポリマーから
    なる結合材で固化した、水や空気などから汚染物質を除
    去するための多孔質体フィルターであって、フィルター
    本体は頂面と底面には連通した通水孔を設け、外側面と
    通水孔内の内側面を有する筒体であり、フィルター本体
    の頂面および底面にはキャップを密着状態にて被せた多
    孔質体フィルターにおいて、頂面および底面と前記内外
    側面との間のコーナー部にはコーナー溝を設けているこ
    とを特徴とする多孔質体フィルター。
  2. 【請求項2】 コーナー溝は頂面もしくは底面からの深
    さが0.5〜5mmである請求項1記載の多孔質体フィ
    ルター。
  3. 【請求項3】 ポリマーからなる結合材が、1.1〜
    2.3g/10min(ASTM D1238、190
    ℃、15kg Load)のメルトインデックスを有す
    るポリオレフィンである請求項1および2記載の多孔質
    体フィルター。
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