JP6975546B2 - フィルター成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
筒形に形成されている側型と、前記側型の筒軸方向の一方側に配置され、前記筒形内の前記筒軸方向に延在する中子を有する下型と、前記側型の前記筒軸方向の他方側に前記筒形内を移動可能に配置され、前記中子が挿入される孔を有する上型と、を備えており、前記側型の筒形内面と前記下型の端面及び前記中子外面と前記上型の端面によって、前記フィルター成形体を成形するキャビティが形成される金型を使用し、
前記浄化材と前記重合体結合材との混合原料を得る混合工程と、
前記中子に、多数の細孔を有する筒形コアを被せ、前記金型内に、前記混合原料を充填する充填工程と、
前記混合原料を前記重合体結合材が溶融する温度まで加熱し、さらに加圧した後、冷却により硬化させて前記浄化部を成形すると共に、前記筒形コアと前記浄化部とを一体化してフィルター成形体とする成形工程と、
前記金型から、前記フィルター成形体を取り出す脱型工程と、を有することを特徴とする。
本実施形態の製造方法によって得られるフィルター成形体1は、多数の細孔をもつ円筒形コア11の外周に浄化部10が一体化されたものであって、全体として円筒状である。
このフィルター成形体1は、例えば図1に示すような蛇口直結型の水処理器100の水処理器用フィルター101に使用される。
水処理器用フィルター101は、水処理器100内に形成されたフィルター収容室100aに収容される。水処理器用フィルター101は、フィルター成形体1と、フィルター成形体1の外周面を被覆する濾過層102と、フィルター成形体1の上面及び下面に取り付けられる一対のキャップ103で構成される。キャップ103は、フィルター成形体1に密着して(水密性をもって)取り付けられている。水処理器100内には、蛇口106から供給される水の流れを切り換える切換板104が配置されており、図1に実線で示す位置に切換板104が配置されている状態では、蛇口106から供給された水は水処理器用フィルター101を通過する。具体的には、水処理器用フィルター101を通過する水の流れは、まず、濾過層102を通過して比較的大きなごみ等が除去された後、フィルター成形体1の浄化部10を通過することで塩素や有機物等が除去されて、その後、浄水口105から外部に流出する。
このとき、多数の細孔をもつ円筒形コア11があるため、フィルター中央の孔部に配置され浄化材を通過した水が、円筒形コア11表面の細孔から円筒内部の空間に入り、浄水口105へ流れていく。
また、多数の細孔は、浄化部10を通過した水が、円筒形コア11の中心孔に向かって流出することを許容する程度に設けられている。
さらに、多数の細孔は、多孔質な表面、すなわち粗い表面を形成する。この表面粗度の程度は、浄化部10に対するアンカー効果を発揮する程度である。このアンカー効果により浄化部10と円筒形コア11とは一体化され、上記形状保持機能が確保される。
具体的には、多数の細孔の大きさは、0.001〜0.2mmのものが好ましい。また、表面粗度でいうときは、算術平均粗さRaが、0.8〜100のものが好ましい。
原料の浄化材としては、60メッシュパス程度の粒状または粉末状の活性炭を用いることが好ましい。「メッシュ」は、網目の大きさを表す尺度である。「メッシュパス」は、そのメッシュを通過する全ての粒子を意味し、メッシュパスが大きいほど粒径が小さいことを示す。60メッシュパスは、60メッシュ(1インチ(=25.4mm)平方中に縦60本横60本の網目)の篩を通過する全ての粒子を意味する。60メッシュパス未満の比較的大きな径の粒状の活性炭を用いると、重合体結合材で活性炭を固めることが困難になるので好ましくない。
また、繊維状の活性炭を用いてもよい。繊維状活性炭としては、比表面積1000m2/g以上、繊維長2mm以下、繊維径1mm以下のものが好ましい。
特に、繊維状活性炭を多く配合したような異方性がある成形体の場合に、反りが生じやすい。そこで、硬質の円筒形コア11を用いることで反りを抑制することができる。すなわち、特に異方性がある成形体において、円筒形コア11の反り抑制効果が大きく発揮される。
なお、フィルター成形体1の浄化材には、繊維状の活性炭だけを用いてもよく、粒状又は粉末状の活性炭と繊維状の活性炭とを混合して用いてもよい。
また、フィルター成形体1の浄化材は、活性炭に加えて、もしくは活性炭の代わりに、例えば、ゼオライト、キレート繊維、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ウォラストナイト、ガラス繊維、珪酸チタニウム、ヒドロキシアパタイト、イオン交換樹脂、銀添着活性炭などを含んでいてもよい。
原料の重合体結合材としては、例えば、平均粒径が約10〜200μmのオレフィン系の熱可塑性樹脂である粉末状の超高分子量ポリエチレンを用いる。超高分子量ポリエチレンは、単体の粒子であってもよく、粒子同士がぶどう房状に結合した嵩密度0.3g/cm3未満の複合粒子であってもよい。重合体結合材は溶融時に流動しにくい、または、流動しないことが好ましい。重合体結合材のメルトインデックスは、2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)以下が好ましく、1.0g/10min以下がより好ましく、0g/10minがさらに好ましい。「メルトインデックス」は、高分子材料の溶融時の流動性を表す尺度であり、この値が小さいほど流動性が低いことを示す。重合体結合材のメルトインデックスが、2.3g/10minを超えると、フィルター成形体1の成形時に溶融したポリマーが活性炭の細孔部を覆ってしまい、不純物等を吸着する機能が低下するので好ましくない。
なお、フィルター成形体1の重合体結合材は、高分子量で低メルトインデックスであれば、超高分子量ポリエチレン以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよい。
なお、中央の孔5aの下方端には、フィルター成形体1の円筒形コア11の先端が入る逃がし孔5bが設けられている。これにより、円筒形コア11が加圧によりつぶされることはない。
円筒形フィルター成形体1の浄化部10を形成する原料の浄化材、重合体結合材を、ヘンシェルミキサーやタンブラー等の混合装置の撹拌槽に投入して、撹拌することにより均一に混合する。混合原料9に対する重合体結合材の含有率は、例えば3〜70質量%であって、5〜50質量%が好ましい。
図2には、図3で説明した金型2を用いた充填工程の様子が示される。
まず、中子4bの外周に多数の細孔をもつ円筒形コア11を被せてセットする。そして、金型2内に混合原料9を充填する。
金型2内に混合原料9を充填する際には、図2に示すように、上型5は外しておき、側型3と下型4とを組み付ける。この状態で、図示しない漏斗を上方から側型3内に挿入して、漏斗の先端を下型4の上端面に接触させる。そして、漏斗に混合原料9を投入した後、漏斗を徐々に上方に移動させて側型3から抜き取る。これにより、混合原料9が金型2内に充填される。なお、混合原料9は漏斗を用いずに金型2内に充填してもよい。
金型2内に混合原料9を充填した後、図3に示すように、上型5の孔5aに中子4bを挿入しながら上型5を側型3内に挿入して、所定温度(例えば200℃)で所定時間(例えば1時間)加熱して、重合体結合材を溶融させる。その後、上型5を下方に移動させることによって混合原料を加圧する。その後、冷却して重合体結合材を固化させて、円筒形コア11と浄化部10とが一体化したフィルター成形体を1成形する。
成形されたフィルター成形体1を金型2から脱型する。具体的には、先ず、下型4を下方に抜き取る。次に、図4に示すように、上型5を下方に押し込むことにより、フィルター成形体1を下方に押圧してフィルター成形体を側型3から押し出す。その後、フィルター成形体1を上型5から外す。以上により、フィルター成形体1が脱型される。
脱型されたフィルター成形体1は、充填工程における充填量を調整するなどにより、所定長さになるように成形される。しかし、円筒形コア11の特に上端が必要以上にはみ出す場合がある。この場合、はみ出した部分をカットして、両端からのはみ出しをなくする。そして、所定長さのフィルター成形体1とされる。なお、数本分の長いフィルター成形体1とし、その途中をカットして所定の長さにしてから、水処理器等に使用してもよい。
図5に示すように、所定長さの浄化部10の上下両側に、ほぼ均等に円筒形コア13の両端がはみ出したフィルター成形体12であると、脱型工程後に、直接製品が得られる。両側に円筒形コア13がはみ出す場合、上下のキャップ103に座ぐり103aを設け、この座ぐり103aに円筒形コア13のはみ出し部分を嵌め込む使い方になる。
このようなフィルター成形体は、図6に示す金型2を用いて得られる。底板4aの中子4b周りに、円筒形コア13下端のはみ出し部分が嵌まる座ぐり4cが設けられている。金型2に充填される混合材料の量を所定量とし、中子4bに被せられる円筒形コア12の長さを所定長さにし、成形条件を適切に調整すると、所定長さの浄化部10の上下両側に、ほぼ均等に円筒形コア13の両端がはみ出したフィルター成形体12が得られる。
従来の湿式成形加工方法は、コアを起点に、その外周に活性炭を積み上げていく方式なので、フィルター成形体の外形が太鼓状になりやすい。それに対し、本実施形態では、金型2で外形が型付けされる方式なので所定の形状が安定して得られ、寸法精度もよい。
しかし、従来の乾式成形加工方法でもコアを用いないフィルター成形体では、原料の配合組成によっては金型から脱型後に反りが生じやすい。そこで、本実施形態のように、硬質の円筒形コア11を用いることで反りを抑制することができる。特に異方性があるフィルター成形体1で反り抑制効果が大きい。
すなわち、原料の配合組成に係わらず、本実施形態により、円筒形コア11と浄化部10とを一体的に成形することで、寸法精度よく所定の形状が安定して得られ、反りのないフィルター成形体1が得られる。
円筒形コアとして外径8.3mm、内径5.1mm、長さ95mmのPTFE製多孔質パイプを用い、加熱温度200℃、加熱時間1時間の条件で、外径25mm、長さ90mmのフィルター成形体を作製した結果、反りの無い成形体が得られた。
2 金型
3 側型
4 下型
4b 中子
5 上型
9 混合材料
10 浄化部
11、13 円筒形コア(筒形コア)
Claims (3)
- 水などの液体または大気などの気体から汚染物質または不純物を除去するために用いられ、浄化材と高分子量で2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)以下の低メルトインデックスの重合体結合材とを含む浄化部を備えるフィルター成形体の製造方法であって、
筒形に形成されている側型と、
前記側型の筒軸方向の一方側に配置され、前記筒形内の前記筒軸方向に延在する中子を有する下型と、
前記側型の前記筒軸方向の他方側に前記筒形内を移動可能に配置され、前記中子が挿入される孔を有する上型と、を備えており、
前記側型の筒形内面と前記下型の端面及び前記中子外面と前記上型の端面によって、前記フィルター成形体を成形するキャビティが形成される金型を使用し、
前記浄化材と前記重合体結合材との混合原料を得る混合工程と、
前記中子に、多数の細孔を有し、樹脂、金属、又はセラミックスの硬質材料で形成された円筒形コアを被せ、前記金型内に、前記混合原料を充填する充填工程と、
前記混合原料を前記重合体結合材が溶融する温度まで加熱し、さらに加圧した後、冷却により硬化させて前記浄化部を成形すると共に、前記円筒形コアと前記浄化部とを一体化してフィルター成形体とする成形工程と、
前記金型から、前記フィルター成形体を取り出す脱型工程と、
を有することを特徴とするフィルター成形体の製造方法。 - 前記浄化材が、繊維状活性炭を含む請求項1に記載のフィルター成形体の製造方法。
- 前記円筒形コアの前記多数の細孔は、前記浄化部に対するアンカー効果がある表面粗度を備える請求項1又は2に記載のフィルター成形体の製造方法。
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