JP2017127860A - フィルター成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、金型へ混合粉末を充填する時に、混合粉末を金型上方から金型内に落下させると、密度または粒子径が小さい成分は、落下速度が比較的遅い(舞い上がりやすい)ため、金型上部と下部とで、これらの成分の混合比率が不均一になる。例えば、浄化材(活性炭粉末)に比べて、重合体結合材(熱可塑性樹脂粉末)の落下速度が遅い場合は、フィルター成形体の金型下部に相当する部位では重合体結合材の比率が小さく、金型上部に相当する部位は重合体結合材の比率が大きくなる。この場合、金型下部に相当する部位は機械的強度が小さく破損しやすくなり、金型上部に相当する部位は浄化性能が低下し、フィルター成形体の品質が不均一になる。
また、前加熱工程の後、複合体を冷却固化させてから、小片化工程において、複合体を再び加熱して複合体を分断する場合に比べて、フィルター成形体の製造時間を短縮できる。
本実施形態の製造方法によって得られるフィルター成形体1は、円筒状であって、例えば図1に示すような蛇口直結型の水処理器100の水処理器用フィルター101に使用される。水処理器用フィルター101は、水処理器100内に形成されたフィルター収容室100aに収容される。水処理器用フィルター101は、フィルター成形体1と、フィルター成形体1の外周面を被覆する濾過層102と、フィルター成形体1の上面及び下面に取り付けられる一対のキャップ103で構成される。キャップ103は、フィルター成形体1に密着して(水密性をもって)取り付けられている。水処理器100内には、蛇口106から供給される水の流れを切り換える切換板104が配置されており、図1に実線で示す位置に切換板104が配置されている状態では、蛇口106から供給された水は水処理器用フィルター101を通過する。具体的には、水処理器用フィルター101を通過する水の流れは、まず、濾過層102を通過して比較的大きなごみ等が除去された後、フィルター成形体1を通過することで塩素や有機物等が除去されて、その後、浄水口105から外部に流出する。
まず、原料の浄化材および重合体結合材について説明する。
原料の浄化材としては、60メッシュパスの粒状または粉末状の活性炭を用いることが好ましい。「メッシュ」は、網目の大きさを表す尺度である。「メッシュパス」は、そのメッシュを通過する全ての粒子を意味し、メッシュパスが大きいほど粒径が小さいことを示す。60メッシュパスは、60メッシュ(1インチ(=25.4mm)平方中に縦60本横60本の網目)の篩を通過する全ての粒子を意味する。60メッシュパス未満の比較的大きな径の粒状の活性炭を用いると、重合体結合材で活性炭を固めることが困難になる上、フィルター成形体の空隙(小孔)が大きくなりすぎて活性炭に接触することなくフィルター成形体を通過してしまう水が多くなり、浄化性能が悪くなるので好ましくない。
上述した原料の浄化材および重合体結合材を、ヘンシェルミキサーやタンブラー等の混合装置の撹拌槽に投入して、撹拌することで均一に混合する。混合原料に対する重合体結合材の含有率は、例えば5〜50質量%であって、7〜20質量%が好ましい。
混合原料を混合装置から取り出して、熱風循環式オーブン等の加熱装置に投入し、混合原料を無加圧状態で重合体結合材の融点以上に加熱する。これにより、重合体結合材が溶融して、浄化材の表面に重合体結合材が付着して、浄化材と重合体結合材とが一体化した複合体が形成される。重合体結合材である超高分子量ポリエチレンの融点は、約130℃である。混合原料は、130℃〜160℃に加熱することが望ましい。130℃未満であると重合体結合材が充分に溶融せず、浄化材と一体化しない。160℃以上であると、重合体結合材の流動性が高くなり、浄化材の表面全体を覆ってしまうため、不純物等を吸着する機能が低下する。
複合体を再び混合装置の撹拌槽に投入して、撹拌する。それにより、複合体が分断されて、粉末状の複合体小片が形成される。小片化工程は、重合体結合材が溶融している状態で行ってもよく、複合体を冷却固化させた後で行ってもよい。但し、複合体が高温の状態で行う場合は、重合体結合材の形状を維持できる程度の温度に抑える必要がある。複合体の温度が高すぎると、重合体結合材の流動性が高くなりすぎて重合体結合材を分断できないからである。重合体結合材が溶融している状態で小片化工程を行った場合には、重合体結合材が分断されやすいと共に、重合体結合材と浄化材との付着部分が分断されやすく、浄化材は分断されにくい。複合体を冷却固化させた後で小片化工程を行った場合には、浄化材も分断されやすくなる。
次に、図2に示すように、金型2内に粉末状の複合体小片10を充填する。
金型2内に複合体小片10を充填した後、図3に示すように、上型5の孔に中子4bを挿入しながら上型5を側型3内に挿入して、所定温度(例えば200℃)で所定時間(例えば1時間)加熱して、重合体結合材を溶融させる。その後、上型5によって複合体小片10を加圧する。その後、冷却して重合体結合材を固化させて、フィルター成形体1を成形する。
成形されたフィルター成形体1を金型2から脱型する。具体的には、先ず、下型4を下方に抜き取る。次に、図4に示すように、上型5を下方に押し込むことにより、フィルター成形体1を下方に押圧してフィルター成形体1を側型3から押し出す。その後、フィルター成形体1を上型5から外す。以上により、フィルター成形体1の製造が完了する。
また、前加熱工程の後、複合体を冷却固化させてから、小片化工程において、複合体を再び加熱して複合体を分断する場合に比べて、フィルター成形体1の製造時間を短縮できる。
2 金型
3 側型
4 下型
5 上型
10 複合体小片
Claims (4)
- 水などの液体または大気などの気体から汚染物質または不純物を除去するために用いられ、浄化材と高分子量で低メルトインデックスの重合体結合材とを含むフィルター成形体の製造方法であって、
前記浄化材と前記重合体結合材とを混合して混合原料を得る混合工程と、
前記混合工程で混合された前記混合原料を加熱して、溶融した前記重合体結合材を前記浄化材の表面に付着させて、前記重合体結合材と前記浄化材が一体化した複合体を形成する前加熱工程と、
前記前加熱工程で形成された前記複合体を分断して複合体小片を形成する小片化工程と、
前記小片化工程の後、前記複合体小片を、所定の形状のキャビティを有する金型に充填する充填工程と、
前記充填工程の後、前記金型内に充填した前記複合体小片を加熱及び加圧した後、冷却により硬化させて、フィルター成形体を形成する成形工程と、
を有することを特徴とするフィルター成形体の製造方法。 - 前記前加熱工程において、前記混合原料を、前記重合体結合材の融点以上の温度に、無加圧状態で加熱することを特徴とする請求項1に記載のフィルター成形体の製造方法。
- 前記前加熱工程で形成された前記複合体を冷却固化させることなく前記小片化工程に移行させて、前記小片化工程において、前記重合体結合材が溶融した状態の前記複合体を分断して前記複合体小片を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルター成形体の製造方法。
- 前記小片化工程において、冷却固化された前記複合体を分断して前記複合体小片を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルター成形体の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2017000661A Pending JP2017127860A (ja) | 2016-01-20 | 2017-01-05 | フィルター成形体の製造方法 |
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JPS6157240A (ja) * | 1984-08-13 | 1986-03-24 | ポール・コーポレーシヨン | 固定化無機収着剤粒子を含む自己支持性構造体およびその製造方法 |
WO2004039494A1 (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-13 | Kuraray Chemical Co.,Ltd. | 複合吸着材とその製造方法、並びに浄水材及び浄水器 |
KR20090048928A (ko) * | 2007-11-12 | 2009-05-15 | 조재선 | 수 처리용 활성탄 필터의 제조방법 및 이를 이용한 활성탄필터 |
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2017
- 2017-01-05 JP JP2017000661A patent/JP2017127860A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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