JP2019042731A - フィルター成形体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

フィルター成形体の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】たとえフィルター成形体を連続的に押出成形する場合でも、浄化材が過剰に粉砕されること、更には、重合体結合材が過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうことを防止して、充分な空隙を有した多孔質体を形成し、浄化性能に優れたフィルター成形体を製造することができる製造装置、及び、その製造方法を提供する。【解決手段】浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体1を成形する製造装置10について、筒状のシリンダー11と、シリンダー11の端部11c側の外周面11aに設けられ、浄化材と重合体結合材との混合原料2がシリンダー11の内部に投入される投入口12と、シリンダー11の内周面11bに摺接し、シリンダー11の軸方向に摺動可能なラム棒14と、シリンダーの、投入口12よりも端部11d側の外周面11aからなる加熱ゾーン161を覆うヒーター16とを備えた構成にする。【選択図】図2

Description

本発明は、液体や気体中の不純物を除去するためのフィルター(浄水器の浄水フィルターや空気清浄機のフィルター)を効率よく製造する方法及びその製造装置に関する。
脱臭や水質浄化など、気体及び液体中の特定の物質を選択的に分離、除去、精製するために活性炭の吸着性を利用することは広く行われている。代表的な例としては、浄水器(ポット型、蛇口直結型、水栓一体型、据え置き型など)や空気清浄機などが挙げられる。特に一般家庭で使用される浄水器の交換カートリッジフィルターは、粒状もしくは繊維状の活性炭(浄化材)で残留塩素や有機物を吸着除去するものが多い。具体的な構造としては、活性炭が通過せず、水のみが通過するような小径の孔を有する膜に仕切られた空間に、粒状もしくは繊維状の活性炭の層を形成して、この活性炭の層を通過させることで水質浄化を行うものである。
しかし、このような構造の交換カートリッジフィルターでは、水が活性炭の層を通過するときに自然と水みちがついてしまうことが多く、いったん水みちがついてしまうと水の流れがその部分に集中し、活性炭を部分的にしか使うことができないので、水質浄化機能が充分に発揮できない。また、小径の孔を有する膜が粒状の活性炭の通過を完全には防ぐことができず、フィルター通過後の水に活性炭の粒が混入する不都合もあった。
このような問題は、活性炭などの浄化材を一定形状の多孔質体に成形して用いることで解決できる。多孔質体に成形する方法としては、浄化材に重合体結合材(熱可塑性樹脂など)の粉体を添加し、金型内で加熱、加圧することで重合体結合材を溶融させ、浄化材同士を接着、一体化する方法が知られている。より具体的には、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されるような、一定高さの金型にフィルター成形体1本分の原料を投入し、1本ごとに原料の充填、加熱、加圧、冷却、離型を行う方法である。
しかしながら、これらの方法では多くの工数が必要であるとともに、大量のフィルター成形体を製造しようとすると多数の金型を準備する必要があり、生産性やコストの面で課題があった。
フィルター成形体の生産性を上げる方法として、特許文献3には、押出工法を適用した方法が開示されている。主材料(活性炭)とバインダー材料(固体樹脂粒子)とが混合された後、ダイ内で加熱、冷却されることで固体複合材料(混合原料)となり、加圧の方法としては押出しスクリューが規定されている。このようなスクリューによる固体複合材料(混合原料)の押し出しによれば、主材料(活性炭)とバインダー材料(固体樹脂粒子)とが均一に混ざり易い利点がある。
特開2001−187305号公報 特開2003−266462号公報 特許第2927549号公報
しかしながら、例えば、生産性向上を目的として、フィルター成形体を連続的に押出成形するために、混合原料を大量に投入した場合、スクリューによる混合原料の押し出しでは、スクリューを回転させるのに必要なトルクが大きくなり過ぎて、回転させることができなくなる場合がある。この問題を解決するために、スクリューを短くしたり、モーターを大きくしたりすると、スクリューを回転させることはできるが、トルクが大きくなったことにより、浄化材(活性炭など)が過剰に粉砕されたり、空隙のつぶれが生じることから、浄化するためのフィルターとして充分な空隙を有した多孔質体が得られないことがある。また、回転動作により、重合体結合材は過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうため、浄化するためのフィルターとして充分な性能を得られない場合がある。
そこで、本発明は、たとえフィルター成形体を連続的に押出成形する場合でも、浄化材が過剰に粉砕されること、更には、重合体結合材が過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうことを防止して、充分な空隙を有した多孔質体を形成し、浄化性能に優れたフィルター成形体を製造することができる製造装置、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明は、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体を成形する、製造装置であって、
筒状のシリンダーと、
前記シリンダーの一端側の外周面に設けられ、前記浄化材と前記重合体結合材との混合原料が前記シリンダーの内部に投入される投入口と、
前記シリンダーの内周面に摺接し、前記シリンダーの軸方向に摺動可能なラム棒と、
前記シリンダーの、前記投入口よりも他端側の外周面の少なくとも一部からなる加熱ゾーンを覆う、加熱機と、を備えたことを特徴としている。
上記構成では、投入口からシリンダーの内部に投入された、浄化材と重合体結合材との混合原料は、ラム棒が前進してシリンダーの内周面を摺動することにより押圧される。そして、押圧された混合原料は、更なるラム棒の押圧により、加熱ゾーンに移行し、加熱ゾーンを覆う加熱機により加熱され、重合体結合材が溶融する。その後、更なるラム棒の押圧により、混合原料は加熱ゾーンを離れ、重合体結合材が融点以下に冷めることにより、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体が形成される。また、ラム棒を投入口まで後退させたあと、更に、混合原料を投入口から投入し、ラム棒を前進させて押圧することにより、新たに投入した混合原料を、既に投入されている混合原料とラム棒との間で押し固めつつ、既に形成されたフィルター成形体を前方に押し出すことができる。
このように、ラム棒の前進、後退、混合原料の投入を繰り返すことにより、フィルター成形体を連続して形成することができる。
ここで、上記構成では、混合原料の押圧に、スクリューを使用せずに、シリンダーの内周面に摺接し、シリンダーの軸方向に直線的に摺動可能なラム棒を使用している。
スクリューによる混合原料の押し出しによれば、浄化材と重合体結合材とが均一に混ざり易い利点がある。しかしながら、例えば、生産性向上を目的として、フィルター成形体を連続的に押出成形するために、混合原料を大量に投入した場合、スクリューによる混合原料の押し出しでは、スクリューを回転させるのに必要なトルクが大きくなり過ぎて、回転させることができなくなる場合がある。この問題を解決するために、スクリューを短くしたり、モーターを大きくしたりすると、スクリューを回転させることはできるが、トルクが大きくなったことにより、浄化材(活性炭など)が過剰に粉砕されたり、空隙のつぶれが生じることから、浄化するためのフィルターとして充分な空隙を有した多孔質体が得られないことがある。また、回転動作により、重合体結合材は過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうため、浄化するためのフィルターとして充分な性能を得られない場合がある。
そこで、ラム棒を使用して、混合原料を直線的に押圧可能な構成にすることにより、浄化材が過剰に粉砕されることを防止し、更に、重合体結合材が過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうことを防止することができる。これにより、浄化するためのフィルターとして充分な空隙を有した多孔質体を形成し、浄化性能に優れたフィルター成形体を製造することが可能な製造装置を提供することができる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置において、前記シリンダーの前記加熱ゾーンの温度が、前記重合体結合材の融点よりも10℃〜150℃高く設定されていることを特徴としている。
加熱ゾーンの温度が低すぎると重合体結合材が溶融するのに時間がかかるため、混合原料の押出速度を遅くする必要があり、生産性が低下してしまう。一方、加熱ゾーンの温度が高すぎると、溶融した重合体結合材の流動性が高くなりすぎて、溶融した重合体結合材が浄化材の表面を覆ってしまうため、浄化するためのフィルターとして充分な性能を得られなくなってしまう。そこで、加熱ゾーンの温度を、重合体結合材の融点よりも10℃〜150℃高く設定することにより、生産性が低下するのを防止し、浄化するためのフィルターとして充分な性能を有するフィルター成形体を製造することができる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置において、前記シリンダーにおける前記加熱ゾーンの前記軸方向の長さが、当該フィルター成形体の径長の3倍から20倍の範囲であることを特徴としている。
加熱ゾーンの軸方向の長さが、成形されるフィルター成形体の径長の3倍より短いと混合原料中の重合体結合材を溶融させるために、混合原料の押出速度を極端に遅くする必要があり、生産性が著しく低下してしまう。一方、加熱ゾーンの軸方向の長さが、成形されるフィルター成形体の径長の20倍より長くなると、混合原料とシリンダー内周面との摩擦による押出抵抗が大きくなりすぎ、混合原料を安定して押出すことができない場合がある。そこで、加熱ゾーンの長さを、フィルター成形体の径長の3倍から20倍の範囲にすることにより、生産性が低下するのを防止し、安定して、効率よくフィルター成形体を製造することができる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置において、前記シリンダーの、前記加熱ゾーンよりも他端側の外周面の少なくとも一部からなる冷却ゾーンを覆う、冷却機を備えたことを特徴としている。
上記冷却機を備えることにより、加熱ゾーンで溶融した重合体結合材を含む混合原料が、更なるラム棒の押圧により、加熱ゾーンを離れ、冷却ゾーンに移行する。この冷却ゾーンにおける冷却機によって、重合体結合材が融点以下に急速に冷却されることにより、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体を、短時間で形成することができる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置において、前記シリンダーにおける前記冷却ゾーンの前記軸方向の長さが、当該フィルター成形体の径長の0.5倍から10倍の範囲であることを特徴としている。
冷却ゾーンの軸方向の長さが、成形されるフィルター成形体の径長の0.5倍より短いと、充分な冷却・固化により、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体を形成するために、混合原料の押出速度を極端に遅くする必要があり、生産性が著しく低下してしまう。一方、冷却ゾーンの軸方向の長さが、10倍より長くなると、混合原料とシリンダー内周面との摩擦による押出抵抗が大きくなりすぎ、混合原料を安定して押出すことができない場合がある。そこで、冷却ゾーンの長さを、フィルター成形体の径長の0.5倍から10倍の範囲にすることにより、生産性が低下するのを防止し、安定して、効率よくフィルター成形体を製造することができる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置において、
収納された前記混合原料を、前記投入口に投入可能なホッパーと、
前記ラム棒の前進と後退との往復動を可能にする往復駆動機と、
(1)前記ホッパーから前記投入口を介して、前記シリンダーの内部に所定量の前記混合原料を投入する原料投入動作、
(2)前記往復駆動機が前記ラム棒を前進させて前記シリンダーの内周面を摺動させることにより、投入された前記混合原料を押圧する押圧動作、
(3)前記往復駆動機が前記ラム棒を後退させる後退動作、
上記(1)〜(3)の動作を繰り返し実行するように制御する制御装置と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置が、ホッパーからシリンダーの内部に混合原料を投入し、往復駆動機を駆動させ、ラム棒を前進させることにより、投入された混合原料を押圧し、往復駆動機を駆動し、ラム棒を後退させる。制御装置が一連の動作を制御することにより、効率的に浄化性能に優れたフィルター成形体を製造することができる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置において、
前記シリンダーの他端付近に設けられた、カット装置を更に備え、
前記制御装置は、前記カット装置が、前記(2)の押圧動作によって、前記シリンダーの他端から押し出された当該多孔質体を、前記(3)の後退動作が行われている間にカットし、当該フィルター成形体に加工するように制御することを特徴としている。
ラム棒が後退中は、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体が、シリンダーの他端から押し出された状態で静止していることから、固定させたカット装置でも精度よくフィルター成形体にカットすることができる。
また、(1)原料投入動作、(2)押圧動作、(3)後退動作の一連の動作の中で、カット装置によって多孔質体をカットする動作は、後退動作と並列して実行可能であることから、生産性を向上させることができる。
また、連続的に押出された多孔質体をカットして、フィルター成形体に加工することで、金型バッチ生産方式では難しかった長尺のフィルター成形体を製造することが可能となる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置の前記ホッパーに、収納された前記混合原料を予熱する温度調節機が設けられていることを特徴としてもよい。
上記構成によれば、ホッパーに温度調節機を取り付けて混合原料を予熱することにより、混合原料を短時間で溶融させ、多孔質体にすることができる。これにより、混合原料のシリンダーへの投入量を、混合原料を予熱しない場合に比べて増やすことができる。その結果、混合原料(多孔質体)の押出速度が上がり、フィルター成形体の生産性を向上させることができる。
また、本発明では、前記温度調節機による前記混合原料への予熱温度は、前記混合原料中の前記重合体結合材の融点よりも50℃〜20℃低く設定されていることが好ましい。
上記予熱温度にすることにより、加熱ゾーンでの加熱温度を過度に上昇させる必要はなく、また、加熱ゾーンの長さについても過度に長くせずとも、混合原料を短時間で溶融させ、多孔質体にすることができる。
また、本発明は、上記フィルター成形体の製造装置の前記ラム棒において、前記混合原料と接触する部位に、樹脂製ラムチップを取り付けたことを特徴としている。
ラム棒において、混合原料と接触する部位に、樹脂製ラムチップを配置することにより、耐熱性や耐摩耗性に優れた構成にすることができる。
また、本発明は、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体の製造方法であって、
筒状のシリンダーに設けられた投入口を介して、当該シリンダーの内部に所定量の、前記浄化材と前記重合体結合材との混合原料を投入する原料投入工程と、
前記シリンダーの内周面を軸方向に摺動可能なラム棒を前進させて、前記シリンダーの内周面を摺動させることにより、投入された前記混合原料を押圧しつつ、前記シリンダーの外周面の少なくとも一部が加熱機により覆われた加熱ゾーンに移行させる、押圧工程と、
前記ラム棒を後退させる後退工程と、を含む、上記工程を繰り返し行うことを特徴としている。
上記方法では、投入口からシリンダーの内部に投入された、浄化材と重合体結合材との混合原料は、ラム棒が前進してシリンダーの内周面を摺動することにより押圧される。そして、押圧された混合原料は、更なるラム棒の押圧により、加熱ゾーンに移行し、加熱ゾーンを覆う加熱機により加熱され、重合体結合材が溶融する。その後、更なるラム棒の押圧により、混合原料は加熱ゾーンを離れ、重合体結合材が融点以下に冷めることにより、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体が製造される。また、ラム棒を投入口まで後退させたあと、更に、混合原料を投入口から投入し、ラム棒を前進させて押圧することにより、新たに投入した混合原料を、既に投入されている混合原料とラム棒との間で押し固めつつ、既に形成されたフィルター成形体を前方に押し出すことができる。
このように、ラム棒の前進、後退、混合原料の投入を繰り返すことにより、フィルター成形体を連続して製造することができる。
ここで、上記方法では、混合原料の押圧に、スクリューを使用せずに、シリンダーの内周面に摺接し、シリンダーの軸方向に直線的に摺動可能なラム棒を使用している。
スクリューによる混合原料の押し出しによれば、浄化材と重合体結合材とが均一に混ざり易い利点がある。しかしながら、例えば、生産性向上を目的として、フィルター成形体を連続的に押出成形するために、混合原料を大量に投入した場合、スクリューによる混合原料の押し出しでは、スクリューを回転させるのに必要なトルクが大きくなり過ぎて、回転させることができなくなる場合がある。この問題を解決するために、スクリューを短くしたり、モーターを大きくしたりすると、スクリューを回転させることはできるが、トルクが大きくなったことにより、浄化材(活性炭など)が過剰に粉砕されたり、空隙のつぶれが生じることから、浄化するためのフィルターとして充分な空隙を有した多孔質体が得られないことがある。また、回転動作により、重合体結合材は過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうため、浄化するためのフィルターとして充分な性能を得られない場合がある。
そこで、ラム棒を使用して、混合原料を直線的に押圧可能な方法にすることにより、浄化材が過剰に粉砕されることを防止し、更に、重合体結合材が過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうことを防止することができる。これにより、浄化するためのフィルターとして充分な空隙を有した多孔質体を形成し、浄化性能に優れたフィルター成形体を製造することができる。
また、本発明は、上記製造方法において、前記押圧工程によって、前記シリンダーから押し出された当該多孔質体を、前記後退工程が行われている間にカットし、当該フィルター成形体に加工するカット工程を、更に含むことを特徴としている。
ラム棒が後退中は、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体が、シリンダーの他端から押し出された状態で静止していることから、精度よくフィルター成形体にカットすることができる。
また、原料投入工程、押圧工程、後退工程の一連の動作の中で、多孔質体をカットするカット工程は、後退工程と並列して実行可能であることから、生産性を向上させることができる。
また、連続的に押出された多孔質体をカットして、フィルター成形体に加工することで、金型バッチ生産方式では難しかった長尺のフィルター成形体を製造することが可能となる。
たとえフィルター成形体を連続的に押出成形する場合でも、浄化材が過剰に粉砕されること、更には、重合体結合材が過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうことを防止して、充分な空隙を有した多孔質体を形成し、浄化性能に優れたフィルター成形体を製造することができる製造装置、及び、その製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る製造装置・製造方法で得られるフィルター成形体を用いた蛇口直結型水処理器の断面図である。 本実施形態に係る製造装置の鉛直方向の断面図である(原料投入工程の説明図)。 本実施形態に係る製造装置のコンピュータのブロック図である。 本実施形態に係る製造方法の押圧工程の説明図である。 本実施形態に係る製造方法の後退工程及びカット工程の説明図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態について説明する。
(フィルター成形体1)
本実施形態の製造装置10及び製造方法によって得られるフィルター成形体1は、典型的には円筒状であって、例えば、図1に示すような蛇口直結型の水処理器100の水処理器用フィルター101に使用される。水処理器用フィルター101は、水処理器100内に形成されたフィルター収容室100aに収容されている。水処理器用フィルター101は、フィルター成形体1と、フィルター成形体1の外周面を被覆する濾過層102と、フィルター成形体1の上面及び下面に取り付けられる一対のキャップ103で構成される。キャップ103は、フィルター成形体1に密着して(水密性をもって)取り付けられている。水処理器100内には、蛇口106から供給される水の流れを切り換える切換板104が配置されており、図1に示す位置に切換板104が配置されている状態では、蛇口106から供給された水は水処理器用フィルター101を通過する。具体的には、水処理器用フィルター101を通過する水の流れは、まず、濾過層102を通過して比較的大きなごみ等が除去された後、フィルター成形体1を通過することで残留塩素や有機物等が除去されて、その後、浄水口105から外部に流出する。
フィルター成形体1は、粒状や粉末状の活性炭からなる浄化材を、高分子量で低メルトインデックスの重合体結合材をバインダーとして固化した固体活性炭成形体である。重合体結合材としては、例えば、平均分子量が数十万〜数百万程度の超高分子量ポリエチレンが用いられる。フィルター成形体1は、多数の空隙を含む多孔質体となっている。浄化材は、この空隙に露出するように重合体結合材に固着しており、空隙を通る水に含まれる有害物質(残留塩素、有機物等)を吸着できる。
(フィルター成形体1の製造装置10)
フィルター成形体1の製造装置10は、図2に示すように、外周面11aに投入口12が設けられた、シリンダー11と、投入口12に接続された原料投入ホッパー13と、シリンダー11の内周面11bに摺接し、シリンダー11の軸方向に摺動可能なラム棒14と、油圧シリンダー15(往復駆動機)と、シリンダー11の外周面11aを覆うヒーター16(加熱機)と、シリンダー11の外周面11aを覆う水冷ジャケット17(冷却機)と、シリンダー11の出口側の端部11d付近に設けられたカット装置18と、コンピュータ19(制御装置)と、を備えた構成をしている。
なお、製造装置10においては、コンピュータ19による制御システムは必須の要素ではなく、コンピュータ19によるシステム制御を行わない構成でもよい。
シリンダー11は、円筒形状をしており、鋼製である。投入口12は、シリンダー11の外周面11aにおいて、シリンダー11の端部11c側(入口側)に形成されている。
原料投入ホッパー13は、粒状や粉末状の活性炭からなる浄化材と熱可塑性樹脂などの重合体結合材との混合原料2を収納し、コンピュータ19からの制御指令により適切なタイミングで、所定量の混合原料2を、投入口12を介してシリンダー11の内部に投入可能としている。
なお、原料投入ホッパー13は、コンピュータ19による制御が行われないものを使用してもよい。この場合、混合原料2は、別途計量装置で計量された後、原料投入ホッパー13に投入される。そして、原料投入ホッパー13に投入された混合原料2は、ラム棒14が後退して生じたシリンダー11内の空隙に自然落下することにより、投入口12を介してシリンダー11の内部に投入される。
また、原料投入ホッパー13には、原料投入ホッパー13に収納された混合原料2を予熱する温度調節機20を取り付けてもよい。この場合、混合原料2への予熱温度としては、混合原料2中の重合体結合材の融点よりも50℃〜20℃低く設定されることが好ましい(「融点−50℃」〜「融点−20℃」)。このように、原料投入ホッパー13に温度調節機20を取り付けて混合原料2を予熱することにより、後述するヒーター16による加熱ゾーン161での加熱温度を過度に上昇させる必要はなく、また、加熱ゾーン161の長さについても過度に長くせずとも、混合原料2を短時間で溶融させ、多孔質体にすることができる。これにより、混合原料2のシリンダー11への投入量を、混合原料2を予熱しない場合に比べて増やすことができる。その結果、多孔質体の押出速度が上がり、生産性を向上させることができる。
ラム棒14は、投入口12から投入された混合原料と接触し、シリンダー11の内周面11bに実際に摺接するラムチップ141と、ラムチップ141の端部11d側の側面の中心部に設けられ、シリンダー11の軸方向に沿って延伸するマンドレル142と、ラムチップ141の端部11c側の側面の中心部に設けられ、シリンダー11の軸方向に沿って延伸する支持棒143とを備えている。
ラムチップ141は、シリンダー11の内周面11bとのすき間を小さくして混合原料2の端部11c側への漏れを防ぐとともに、支持棒143とシリンダー11の内周面11bとの干渉により金属粉が発生して、混合原料2が汚染されることを防ぐため、支持棒143よりわずかに太く、シリンダー11の内径と概同寸法の円柱形状をしている。ラムチップ141の材質は耐熱性や耐摩耗性に優れる樹脂であることが好ましく、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。さらに、これらの樹脂は補強材を含んでもよく、補強材としては木粉、綿、グラスファイバーなどが例示できる。これらのうち、強度と耐熱性を勘案し、布入りフェノール樹脂を好適に用いることができる。
マンドレル142は、円柱形状をしており、その外径は、成形するフィルター成形体1の内径に対応させている。即ち、マンドレル142は成形するフィルター成形体1の内径を規制する役割を果たす。また、マンドレル142は、ラム棒14がシリンダー11内を前進した時にマンドレル142の先端とシリンダー11の端部11dとがほぼ同位置となる長さにするのが好ましい(図4参照)。支持棒143は、ラムチップ141を支持する役割を果たす。なお、支持棒143の外径は、ラムチップ141の外径よりも小さくして、シリンダー11の内周面11bに摺動しないようにしている。これにより、ラム棒14の軸方向への往復動作時に発生する摩擦抵抗を低減させている。
油圧シリンダー15は、コンピュータ19からの制御指令により適切なタイミングで、支持棒143の、シリンダー11の軸方向の往復動作を可能にしている。これにより、シリンダー11内のラム棒14に対して、端部11d側(出口側)に移動させる前進動作、又は、端部11c側(入口側)に移動させる後退動作の何れかの動作をさせることができる。
なお、油圧シリンダー15は、コンピュータ19による制御が行われないものを使用してもよい。この場合、油圧シリンダー15は、リミットスイッチで動作方向を切替えて操作される。このリミットスイッチでの切替により油圧シリンダー15の動作方向が切り替えられ、シリンダー11内のラム棒14に対して、端部11d側(出口側)に移動させる前進動作と、端部11c側(入口側)に移動させる後退動作とが切り替えられる。
ヒーター16は、シリンダー11の投入口12よりも端部11d側の外周面11aに設定された加熱ゾーン161を覆っている。加熱ゾーン161の、シリンダー11における軸方向の長さは、成形されるフィルター成形体1の外径(径長)の3倍から20倍の範囲が好ましい(より好ましくは5倍から15倍の範囲)。加熱ゾーン161の軸方向の長さが、成形されるフィルター成形体1の外径の3倍より短いと混合原料中の重合体結合材を溶融させるために、混合原料の押出速度を極端に遅くする必要があり、生産性が著しく低下してしまう。一方、加熱ゾーン161の軸方向の長さが、成形されるフィルター成形体1の外径の20倍より長くなると、混合原料とシリンダー11の内周面11bとの摩擦による押出抵抗が大きくなりすぎ、混合原料を安定して押出すことができない場合がある。このような理由から、加熱ゾーン161の長さを、フィルター成形体1の外径の3倍から20倍の範囲にすることにより、生産性が低下するのを防止し、安定して、効率よくフィルター成形体1を製造可能としている。
また、本実施形態では、ヒーター16は、加熱ゾーン161における、シリンダー11の外周面11aの全部を覆うように設けられているが、加熱ゾーン161における、シリンダー11の外周面11aの少なくとも一部を覆うように設けられていてもよい。
ヒーター16により加熱される加熱ゾーン161の温度は、混合原料2中の重合体結合材の融点または軟化点によって決定されるが、好ましくは、重合体結合材の融点よりも10℃〜150℃高く設定されるのがよい(より好ましくは30℃〜100℃高くてもよく、さらに好ましくは50〜80℃高い方がよい)。加熱ゾーン161の温度が低すぎると重合体結合材が溶融するのに時間がかかるため、混合原料2の押出速度を遅くする必要があり、生産性が低下してしまう。一方、加熱ゾーン161の温度が高すぎると、溶融した重合体結合材の流動性が高くなりすぎて、溶融した重合体結合材が浄化材の表面を覆ってしまうため、浄化するためのフィルターとして充分な性能を得られなくなってしまう。このような理由から、加熱ゾーン161の温度を、上記のように重合体結合材の融点よりも10℃〜150℃高く設定することにより、生産性が低下するのを防止し、浄化するためのフィルターとして充分な性能を有するフィルター成形体1を製造可能としている。なお、加熱ゾーン161の温度は一定であってもよく、場所によって変化させてもよい。
水冷ジャケット17は、加熱ゾーン161よりも端部11d側の外周面11aに設定された冷却ゾーン171を覆っている。冷却ゾーン171の、シリンダー11における軸方向の長さは、成形されるフィルター成形体1の外径(径長)の0.5倍から10倍の範囲が好ましい(より好ましくは1倍から5倍の範囲)。冷却ゾーン171の軸方向の長さが、成形されるフィルター成形体1の外径の0.5倍より短いと、充分な冷却・固化により、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体を形成するために、混合原料2の押出速度を極端に遅くする必要があり、生産性が著しく低下してしまう。一方、冷却ゾーン171の軸方向の長さが、10倍より長くなると、混合原料2とシリンダー11の内周面11bとの摩擦による押出抵抗が大きくなりすぎ、混合原料2を安定して押出すことができなかったり、ラム棒14の押出時に混合原料2がマンドレル142に抱き付き、ラム棒14の後退時に、抱き付いた混合原料2がマンドレル142とともに後退してしまい、シリンダー11の内部に投入する空隙ができず、新たな混合原料2が投入できなくなったりする場合がある。このような理由から、冷却ゾーン171の長さを、フィルター成形体1の外径の0.5倍から10倍の範囲にすることにより、生産性が低下するのを防止し、安定して、効率よくフィルター成形体1を製造可能としている。
また、本実施形態では、水冷ジャケット17は、冷却ゾーン171における、シリンダー11の外周面11aの全部を覆うように設けられているが、冷却ゾーン171における、シリンダー11の外周面11aの少なくとも一部を覆うように設けられていてもよい。また、水冷ジャケット17の冷媒としては水やオイルが挙げられ、本実施形態では、簡単のために水冷ジャケット17をシリンダー11の外周面11aに巻く方法を採用している。なお、冷却方法としては、本実施形態では、冷却速度を早めるために冷却ゾーン171を設けて、水冷ジャケット17により強制的に冷却しているが、水冷ジャケット17等を使用せずに、自然冷却や空冷により混合原料2を冷却してもよい。
カット装置18は、モーターの駆動により回転駆動可能な丸刃を備えており、コンピュータ19からの制御指令により適切なタイミングで、シリンダー11の端部11dから押し出された多孔質体をカットして、フィルター成形体1に加工する。
なお、カット装置18は、コンピュータ19による制御が行われないものを使用してもよい。
コンピュータ19は、図3に示すように、入力部191(操作ボタン、キーボード、タッチパネル等)、CPU192、記憶装置193等を備えており、入力部191からの情報入力や記憶装置193に記憶された情報に基づき、原料投入ホッパー13による混合原料2の投入量・投入タイミングや、油圧シリンダー15によるラム棒14の往復動作や、ヒーター16及び水冷ジャケット17の温度調節や、カット装置18のカット動作などがプログラム制御される。なお、コンピュータ19による制御は必須の要素ではなく、コンピュータ19を備えない構成でもよい。
(混合原料2)
混合原料2は、粒状や粉末状の活性炭からなる浄化材と熱可塑性樹脂などの重合体結合材とを混合させたものである。
浄化材としては、異なる粒径の活性炭を混合したものを用いてもよい。例えば、60〜200メッシュパスの粒状の活性炭と、200メッシュパスの粉末状の活性炭とを、2対1の割合で混合したものを使用するとよい。なお、「メッシュ」は、網目の大きさを表す尺度である。「メッシュパス」は、そのメッシュを通過する全ての粒子を意味し、メッシュパスが大きいほど粒径が小さいことを示す。例えば、60メッシュパスは、60メッシュ(1インチ(=25.4mm)平方中に縦60本横60本の網目)の篩を通過する全ての粒子を意味する。60メッシュパス未満の比較的大きな径の粒状の活性炭を用いると、重合体結合材で活性炭を固めることが困難になることと、フィルター成形体1の空隙が大きくなりすぎて活性炭に接触することなくフィルター成形体1を通過してしまう水が多くなり、浄化性能が悪くなってしまうことから好ましくない。一方、200メッシュパスを超える比較的小さな径の粉末状の活性炭を用いると、フィルター成形体1における空隙部分が少なくなってしまい、充分な許容流量を確保できないことから好ましくない。
なお、浄化材は異なる粒径の活性炭を混合して用いることに限定されず、同じ粒径の活性炭を用いてもよい。また、浄化材として、繊維状の活性炭を用いてもよく、粒状又は粉末状の活性炭と繊維状の活性炭とを混合して用いてもよい。さらに、浄化材として、活性炭以外の材料(例えば、ゼオライトやシリカゲル等)を用いてもよい。
重合体結合材としては、平均粒径が約100μm、嵩密度が0.3g/cm3未満、メルトインデックスが1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)の粉末状の超高分子量ポリエチレンを用いるのが好ましい。「メルトインデックス」は、高分子材料の溶融時の流動性を表す尺度であり、この値が小さいほど流動性が低いことを示す。重合体結合材のメルトインデックスが、1.1g/10min未満であると、活性炭を固めてブロックとするためには、重合体結合材の割合を多くしなければならない。そうするとフィルター成形体1に占める活性炭の量が少なくなって浄化性能が悪くなることから好ましくない。一方、重合体結合材のメルトインデックスが、2.3g/10minを超えると、フィルター成形体1の成形時に溶融したポリマーが活性炭の細孔部を覆ってしまい、水が活性炭を通過できなくなることから好ましくない。
なお、重合体結合材は、超高分子量ポリエチレンに限定されず、浄化材を結合する機能を有する任意の材料を用いてよい(超高分子量ポリエチレン以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい)。また、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよい。また、混合原料2全体における重合体結合材の含有率も特に限定されない。
(フィルター成形体1の製造方法:コンピュータ19による制御あり)
次に、上記製造装置10を使用したフィルター成形体1の製造方法を説明する。
[混合原料攪拌工程]
先ず、フィルター成形体1の原料となる混合原料2(浄化材及び重合体結合材)を、混合原料2全体における重合体結合材の含有率が所定の比率(例えば10質量%)となるように混合する。そして、浄化材及び重合体結合材が均一に分散するように攪拌する。
[原料投入工程]
次に、図2に示すように、攪拌した混合原料2を、投入口12上に設けられた原料投入ホッパー13内に充填しておき、ラム棒14が端部11c側(入口側)に移動する後退動作によって生じたシリンダー11内の空隙に、コンピュータ19からの制御指令により適切なタイミングで、所定量の混合原料2を投入する。なお、混合原料2は、原料投入ホッパー13外で計量装置により毎回計量して所定量を投入するようにしても良い。これにより、原料投入ホッパー13から投入口12を介して、シリンダー11の内部に所定量の混合原料2が投入される(原料投入動作)。
[押圧工程]
次に、原料投入工程後、図4に示すように、コンピュータ19からの制御指令により、油圧シリンダー15を稼働させ、シリンダー11内のラム棒14を前進させる。これにより、シリンダー11内部に投入された混合原料2を押圧しつつ(混合原料2を押し固めつつ)、混合原料2を加熱ゾーン161に移行させる(押圧動作)。そして、ヒーター16により重合体結合材の融点よりも10℃〜150℃高く設定された加熱ゾーン161に移行した、混合原料2中の重合体結合材は、溶融する。
次に、ラム棒14による混合原料2の更なる押圧により、重合体結合材が溶融した混合原料2は、押し固められつつ冷却ゾーン171に移行される。そして、水冷ジャケット17により冷却された冷却ゾーン171に移行した混合原料2は、冷却された重合体結合材が固化し、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体(フィルター成形体前駆体)になる。これにより、冷却ゾーン171を通過した混合原料2は、一定形状を保った多孔質体になる。
次に、冷却ゾーン171を通過した多孔質体は、ラム棒14による更なる押圧により、シリンダー11の端部11dから一定量(一定長さ)押し出された状態になる。
なお、シリンダー11内の多孔質体の押出速度は、ラム棒14がシリンダー11内を1往復する毎に投入される混合原料2の量と、ラム棒14が1往復するのに要するサイクルタイムで決められるが、この押出速度は、混合原料2中の重合体結合材が加熱ゾーン161で充分に溶融すること、及び、シリンダー11の端部11dから押し出された多孔質体が充分な強度を保持する温度まで冷却ゾーン171で冷却されることが保障される範囲で、生産性を考慮して決定される。
[後退工程]
次に、図5に示すように、コンピュータ19からの制御指令により、油圧シリンダー15を稼働させ、シリンダー11内のラム棒14を後退させる(後退動作)。これにより、ラム棒14が端部11c側(入口側)に移動し、シリンダー11の投入口12の下に空隙ができる。
[カット工程]
次に、図5に示すように、コンピュータ19からの制御指令により、上記後退工程によりシリンダー11内のラム棒14を後退させている間に、上記押出工程においてシリンダー11の端部11dから押し出された多孔質体を、カット装置18によってカットして、規定の長さ(高さ)のフィルター成形体1に加工する。
上記押出工程においてシリンダー11の端部11dから押し出された多孔質体をカットするタイミングとしては、ラム棒14が前進している間は多孔質体も移動するので、カットするのが困難である。そこで、ラム棒14が後退している間にカットすることで、静止した多孔質体を、精度よくフィルター成形体1にカットすることができる。また、押出された多孔質体を連続的にカットすることで、従来の金型バッチ生産方式では難しかった長尺のフィルター成形体1を製造することが容易となる。また、原料投入工程、押圧工程、後退工程の一連の動作の中で、カット装置18によって多孔質体をカットする動作は、後退工程と並列して実行可能であることから、生産性を向上させることができる(効率化)。また、従来の金型で製造する場合には、混合原料の投入量や押圧にバラツキがあった際にはフィルター成形体の長さにもバラツキが生じやすかったが、本実施形態のように連続的に押出された多孔質体を所定長さにカットしてフィルター成形体1を製造する方法では、フィルター成形体1の長さ精度を高めることができる。
上記原料投入工程、押圧工程、後退工程、カット工程が繰り返し実行されることにより、フィルター成形体1が連続して製造される。
上記製造装置10及び製造方法では、投入口12からシリンダー11の内部に投入された、浄化材と重合体結合材との混合原料2は、ラム棒14が前進してシリンダー11の内周面11bを摺動することにより押圧される。そして、押圧された混合原料2は、更なるラム棒14の押圧により、加熱ゾーン161に移行し、加熱ゾーン161を覆うヒーター16により加熱され、重合体結合材が溶融する。その後、更なるラム棒14の押圧により、混合原料2は加熱ゾーン161を離れ、冷却ゾーン171に移行し、重合体結合材が融点以下に冷却されることにより、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体(フィルター成形体1)が形成される。また、ラム棒14を投入口12まで後退させたあと、更に、混合原料2を投入口12から投入し、ラム棒14を前進させて押圧することにより、新たに投入した混合原料2を、既に投入されている混合原料2とラム棒14との間で押し固めつつ、既に形成された多孔質体を前方に押し出すことができる。そして、押し出された多孔質体をカット装置18によりカットすることでフィルター成形体1に加工する。このように、ラム棒14の前進、後退、混合原料2の投入を繰り返すことにより、フィルター成形体1を連続して形成することができる。
ここで、上記構成では、混合原料2の押圧に、スクリューを使用せずに、シリンダー11の内周面11bに摺接し、シリンダー11の軸方向に直線的に摺動可能なラム棒14を使用している。このように、ラム棒14を使用して、混合原料2を直線的に押圧可能な構成にすることにより、浄化材が過剰に粉砕されることを防止し、更には、重合体結合材が過剰に延伸され、浄化材の表面を覆ってしまうことを防止することができる。これにより、浄化するためのフィルターとして充分な空隙を有した多孔質体を形成し、浄化性能に優れたフィルター成形体1を製造することができる。
また、上記製造装置10に水冷ジャケット17を備えた冷却ゾーン171を設けることにより、加熱ゾーン161で溶融した重合体結合材を含む混合原料2が、更なるラム棒14の押圧により、加熱ゾーン161を離れ、冷却ゾーン171に移行する。この冷却ゾーン171における水冷ジャケット17によって、重合体結合材が融点以下に急速に冷却されることにより、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体を、短時間で形成することができる。
また、上記製造装置10では、コンピュータ19が、原料投入工程(原料投入動作)、押圧工程(押圧動作)、後退工程(後退動作)、カット工程(カット動作)の一連の動作の繰り返しを制御することにより、効率的に浄化性能に優れたフィルター成形体を製造することができる。
(フィルター成形体1の製造方法:コンピュータ19による制御なし)
次に、コンピュータ19によるシステム制御機能を有しない製造装置10によるフィルター成形体1の製造方法について説明する。なお、上記コンピュータ19によるシステム制御を使用したフィルター成形体1の製造方法の説明と重複する動作・効果の説明は省略する。
[混合原料攪拌工程]
先ず、フィルター成形体1の原料となる混合原料2(浄化材及び重合体結合材)を、混合原料2全体における重合体結合材の含有率が所定の比率(例えば10質量%)となるように混合する。そして、浄化材及び重合体結合材が均一に分散するように攪拌する。
[原料投入工程]
次に、混合原料2を、原料投入ホッパー13に投入し貯めておく。そして、原料投入ホッパー13に貯められた混合原料2は、ラム棒14が端部11c側(入口側)に移動する後退動作によって生じたシリンダー11内の空隙に自然落下することにより、投入口12を介してシリンダー11の内部に自動的に投入される(原料投入動作)。
[押圧工程]
次に、原料投入工程後、リミットスイッチの信号により、油圧シリンダー15を稼働させ、シリンダー11内のラム棒14を前進させる。これにより、シリンダー11内部に投入された混合原料2を押圧しつつ(混合原料2を押し固めつつ)、混合原料2を加熱ゾーン161に移行させる(押圧動作)。
次に、ラム棒14による混合原料2の更なる押圧により、重合体結合材が溶融した混合原料2は、押し固められつつ冷却ゾーン171に移行される。そして、水冷ジャケット17により冷却された冷却ゾーン171に移行した混合原料2は、冷却された重合体結合材が固化し、浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体(フィルター成形体前駆体)になる。
次に、冷却ゾーン171を通過した多孔質体は、ラム棒14による更なる押圧により、シリンダー11の端部11dから一定量(一定長さ)押し出された状態になる。
[後退工程]
次に、リミットスイッチの信号により、油圧シリンダー15の動作方向を切り替えて、シリンダー11内のラム棒14を後退させる(後退動作)。これにより、ラム棒14が端部11c側(入口側)に移動し、シリンダー11の投入口12の下に空隙ができる。
[カット工程]
次に、上記後退工程によりシリンダー11内のラム棒14を後退させている間に、上記押出工程においてシリンダー11の端部11dから押し出された多孔質体を、カット装置18の丸刃を回転駆動させてカットして、規定の長さ(高さ)のフィルター成形体1に加工する。なお、多孔質体をカット装置18によりカットするタイミングとしては、後退工程によりシリンダー11内のラム棒14を後退させている間に限らず、ラム棒14を後退させる前でも、ラム棒14を後退させた後でもよい。
上記原料投入工程、押圧工程、後退工程、カット工程が繰り返し実行されることにより、フィルター成形体1が連続して製造される。
(その他の実施形態)
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、上記の実施形態は更に以下のように変更することができる。
上記実施形態のフィルター成形体1の製造装置10では、混合原料2の種類、シリンダー11の形状、加熱ゾーン161や冷却ゾーン171の温度や長さによっては、多孔質体に固化させるのに必要な背圧が充分にかからない場合がある。そのような場合には、多孔質体をより強固に固化させるため、あるいは、多孔質体の密度を一定に保つため、シリンダー11の端部11dとカット装置18との間に、多孔質体を押しとどめるブレーキ装置を設けても良い。ブレーキ装置としては、板状のブレーキ板を一定の力で多孔質体に押し付ける方式や、ローラーあるいはキャタピラで多孔質体を挟む方式が採用できる。言うまでもなく、充分な背圧が得られる場合は、ブレーキ装置は設けなくてもよい。
また、上記実施形態では、成形されるフィルター成形体1の軸方向に直交する方向の断面形状は、シリンダー11の軸方向に直交する方向の断面形状とほぼ同一となる。そのため、シリンダー11の断面形状を変化させることにより、フィルター成形体1の断面形状は、本実施形態における円形状だけでなく、楕円、三角や四角などの多角形など所望の形状に成形可能である。また、フィルター成形体1は、筒形状に限らず、中央に孔のない形状でもよい。
また、本発明の製造装置・製造方法で製造されるフィルター成形体1は、蛇口直結型の水処理器の他、種々の形態の水処理器に使用できる。例えば、フィルター成形体1は、シンク内に配置されて蛇口とホースを介して接続される浄水器に使用してもよく、また、シャワーのハンドルを兼ねて構成された浄水器に使用してもよい。さらには、ポットピッチャー型浄水器に使用してもよい。
また、本発明の製造装置・製造方法で製造されるフィルター成形体1は、空気から有害物質を除去する空気清浄機に使用してもよい。
以下の実施例1〜5及び比較例1〜3に係る「フィルター成形体の製造装置」を使用してフィルター成形体を作製し、作製したフィルター成形体の品質、生産性(押出速度)への影響を比較した。
(実施例1)
実施例1に係るフィルター成形体の製造装置10としては、横型ラム押出機(田端機械工業株式会社製)に断面円形状のシリンダー11及びラム棒14を取り付け、パイプ状のフィルター成形体1を作製した。
具体的な寸法・条件を以下に記載する。
シリンダー11の内径:φ48.5mm
シリンダー11の加熱ゾーン161:軸方向の長さ400mm(フィルター成形体1の外径の約8倍)の範囲にバンドヒーターを巻きつけ、温調した。
シリンダー11の冷却ゾーン171:軸方向長さ100mm(フィルター成形体1の外径の約2倍)の範囲に水冷ジャケットを取り付け、水冷した。
ラム棒14の先端に、外径φ48.1mmの布入りフェノール樹脂製のラムチップ141を取り付けた。
ラムチップ141の先端に、外径φ27mmのマンドレル142を取り付けた。マンドレル142はラムチップ141と同心となるように取り付け、長さは、ラム棒14が前進したとき、マンドレル142の先端がシリンダー11の先端(端部11d)と同位置となるようにした。具体的には、マンドレル142の長さは500mmとした。
混合原料2として、下記粉末の混合物を使用した。
浄化材:平均粒子径約170μmの粉末状ヤシ殻活性炭、88質量部
重合体結合材:平均粒子径約30μmの粉末状超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製 ミペロンXM−220、融点約136℃)、12質量部
押出条件は下記の通りとした。
加熱ゾーン161の温度:210℃
冷却ゾーン171の温度:20℃(20℃の冷却水を水冷ジャケットに通水し続けた)
混合原料投入量:6g/サイクル(1サイクルはラム棒14が前進、後退をして次に前進し始めるまで)
サイクルタイム:10秒
実施例1では、外径がシリンダー11の内径とほぼ同じ、内径がマンドレル142の外径とほぼ同じで、表面が平滑なフィルター成形体1の良品が得られた。また、押し出される多孔質体の押出速度は、50mm/分であった。
(実施例2)
実施例2に係るフィルター成形体の製造装置では、加熱ゾーン161の温度を170℃に低下させた以外は実施例1と同じ設備構成、条件でフィルター成形体1の製造を試みた。
実施例2でも、表面が平滑なフィルター成形体1の良品が得られた。また、加熱ゾーン161での温度を実施例1に比べて低くしていることから、混合原料中の重合体結合材を充分に溶解するためには、混合原料の投入量を少なくする必要があり、混合原料投入量は、3g/サイクルとなり、押し出される多孔質体の押出速度は、25mm/分であった。
(実施例3)
実施例3に係るフィルター成形体の製造装置では、加熱ゾーン161の長さを200mm(フィルター成形体1の外径の約4倍)とした以外は実施例1と同じ設備構成、条件でフィルター成形体1の製造を試みた。
実施例3でも、表面が平滑なフィルター成形体1の良品が得られた。また、加熱ゾーン161の長さを実施例1に比べて短くしていることから、混合原料中の重合体結合材を充分に溶解するためには、混合原料の投入量を少なくする必要があり、混合原料投入量は、3g/サイクルとなり、押し出される多孔質体の押出速度は、25mm/分であった。
(実施例4)
実施例4に係るフィルター成形体の製造装置では、加熱ゾーン161の長さを800mm(フィルター成形体1の外径の約16倍)とした以外は実施例1と同じ設備構成、条件でフィルター成形体1の製造を試みた。
実施例4でも、表面が平滑なフィルター成形体1の良品が得られた。また、加熱ゾーン161の長さを実施例1に比べて長くしていることから、混合原料中の重合体結合材を充分に溶解することができるため、混合原料の投入量を多くすることができ、混合原料投入量は、9g/サイクルとなり、押し出される多孔質体の押出速度は、75mm/分であった。
(実施例5)
実施例5に係るフィルター成形体の製造装置では、原料投入ホッパー13に温度調節機20を取り付け、原料投入ホッパー13を100℃に加熱して、混合原料を原料投入ホッパー13内で予熱した以外は実施例4と同じ設備構成、条件でフィルター成形体1の製造を試みた。
実施例5でも、表面が平滑なフィルター成形体1の良品が得られた。また、混合原料を原料投入ホッパー13内で予熱していることから、加熱ゾーン161において、混合原料2を短時間で溶融させ、多孔質体にすることができる。これにより、混合原料の投入量を、混合原料を予熱しない場合に比べて増やすことができ、混合原料投入量は、12g/サイクルとなり、押し出される多孔質体の押出速度は、100mm/分であった。
(比較例1)
比較例1に係るフィルター成形体の製造装置では、冷却ゾーンを設けなかった(水冷ジャケットを取り付けなかった)以外は実施例1と同じ設備構成、押出条件でフィルター成形体1の製造を試みた。
比較例1では、多孔質体を連続して押出すことはできたが、シリンダー先端から押出された多孔質体は軟らかく、一定のパイプ形状を維持できなかった(フィルター成形体の品質は不良であった)。従って、水冷ジャケット等により冷却ゾーンを設けない場合には、加熱ゾーンの終端からシリンダーの先端までの距離を長くしたシリンダーを使用することによって、自然冷却により、重合体結合材が溶融した混合原料を冷却する必要がある。
(比較例2)
比較例2に係るフィルター成形体の製造装置では、加熱ゾーンの長さを1200mm(成形されるフィルター成形体の外径の約25倍)とした以外は実施例1と同じ設備構成、押出条件でフィルター成形体の製造を試みた。なお、マンドレルの長さは実施例1と同じく500mmとした。
比較例2では、混合原料とシリンダーの内周面との摩擦による押出抵抗が大きく、押出に必要なラム棒の押出し力が70kNを超えたため、押出を中止した(製造不可)。従って、加熱ゾーンの長さを、成形されるフィルター成形体の外径の20倍より大きくする場合には、ラム棒の押出し力を高めるために、より押出し力の大きい大型の油圧シリンダー等が必要になる。
(比較例3)
比較例3に係るフィルター成形体の製造装置では、混合原料投入量を12g/サイクルに増やした以外は実施例4と同じ設備構成、条件でフィルター成形体の製造を試みた。
比較例3では、混合原料の投入量を増やしていることから、加熱ゾーンにおいて混合原料中の重合体結合材が充分に溶融されないため、多孔質体を形成できなかった(製造不可)。
下記表1に、実施例1〜5及び比較例1〜3に係る「フィルター成形体の製造装置」を使用して作製したフィルター成形体の品質(フィルター形状)、押出速度をまとめた。
フィルター成形体1の製造工程において、シリンダー11内での多孔質体の押出速度は、混合原料2の投入量と、ラム棒14が1往復するのに要するサイクルタイムにより決められることから、サイクルタイムが一定として考えると、混合原料2の投入量を増やすほど、多孔質体の押出速度は速くなって、生産性を向上することができる。ただし、混合原料2の投入量をあまり多くし過ぎると、重合体結合材が加熱ゾーン161において充分に溶融されないために、多孔質体を成形することができない場合がある(比較例3参照)。これを解消するために、加熱ゾーン161の温度を高くする対策も考えられるが、前述したように、溶融した重合体結合材の流動性が高くなりすぎて、溶融した重合体結合材が浄化材の表面を覆ってしまうことから、浄化するフィルターとしての充分な性能を得られなくなってしまう。また、加熱ゾーン161を長くする対策も考えられるが、その場合には、前述したように、混合原料2とシリンダー11の内周面11bとの摩擦による押出抵抗が大きくなりすぎ、混合原料2を安定して押出すことができなくなる(比較例2参照)。
そこで、実施例5のように、原料投入ホッパー13に温度調節機20を取り付けて、混合原料2を予熱すると、加熱ゾーン161での加熱温度を過度に上昇させる必要はなく、また、加熱ゾーン161の長さについても過度に長くせずとも、混合原料2を短時間で溶融させ、多孔質体にすることができる。このため、混合原料2のシリンダー11への投入量を、混合原料2を予熱しない場合に比べて増やすことができ、その結果、多孔質体の押出速度が向上し、生産性がより向上することがわかった。
1 フィルター成形体
2 混合原料
10 製造装置
11 シリンダー
11a 外周面
11b 内周面
11c 端部
11d 端部
12 投入口
13 原料投入ホッパー
14 ラム棒
141 ラムチップ
142 マンドレル
143 支持棒
15 油圧シリンダー
16 ヒーター
161 加熱ゾーン
17 水冷ジャケット
171 冷却ゾーン
18 カット装置
19 コンピュータ
20 温度調節機

Claims (12)

  1. 浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体を成形する、製造装置であって、
    筒状のシリンダーと、
    前記シリンダーの一端側の外周面に設けられ、前記浄化材と前記重合体結合材との混合原料が前記シリンダーの内部に投入される投入口と、
    前記シリンダーの内周面に摺接し、前記シリンダーの軸方向に摺動可能なラム棒と、
    前記シリンダーの、前記投入口よりも他端側の外周面の少なくとも一部からなる加熱ゾーンを覆う、加熱機と、を備えたことを特徴とする、フィルター成形体の製造装置。
  2. 前記シリンダーの前記加熱ゾーンの温度は、前記重合体結合材の融点よりも10℃〜150℃高く設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルター成形体の製造装置。
  3. 前記シリンダーにおける前記加熱ゾーンの前記軸方向の長さは、当該フィルター成形体の径長の3倍から20倍の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルター成形体の製造装置。
  4. 前記シリンダーの、前記加熱ゾーンよりも他端側の外周面の少なくとも一部からなる冷却ゾーンを覆う、冷却機を備えたことを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のフィルター成形体の製造装置。
  5. 前記シリンダーにおける前記冷却ゾーンの前記軸方向の長さは、当該フィルター成形体の径長の0.5倍から10倍の範囲であることを特徴とする、請求項4に記載のフィルター成形体の製造装置。
  6. 収納された前記混合原料を、前記投入口に投入可能なホッパーと、
    前記ラム棒の前進と後退との往復動を可能にする往復駆動機と、
    (1)前記ホッパーから前記投入口を介して、前記シリンダーの内部に所定量の前記混合原料を投入する原料投入動作、
    (2)前記往復駆動機が前記ラム棒を前進させて前記シリンダーの内周面を摺動させることにより、投入された前記混合原料を押圧する押圧動作、
    (3)前記往復駆動機が前記ラム棒を後退させる後退動作、
    上記(1)〜(3)の動作を繰り返し実行するように制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のフィルター成形体の製造装置。
  7. 前記シリンダーの他端付近に設けられた、カット装置を更に備え、
    前記制御装置は、前記カット装置が、前記(2)の押圧動作によって、前記シリンダーの他端から押し出された当該多孔質体を、前記(3)の後退動作が行われている間にカットし、当該フィルター成形体に加工するように制御することを特徴とする、請求項6に記載のフィルター成形体の製造装置。
  8. 前記ホッパーには、収納された前記混合原料を予熱する温度調節機が設けられていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のフィルター成形体の製造装置。
  9. 前記温度調節機による前記混合原料への予熱温度は、前記混合原料中の前記重合体結合材の融点よりも50℃〜20℃低く設定されていることを特徴とする、請求項8に記載のフィルター成形体の製造装置。
  10. 前記ラム棒において、前記混合原料と接触する部位に、樹脂製ラムチップを取り付けたことを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載のフィルター成形体の製造装置。
  11. 浄化材が重合体結合材によって固着された多孔質体からなるフィルター成形体の製造方法であって、
    筒状のシリンダーに設けられた投入口を介して、当該シリンダーの内部に所定量の、前記浄化材と前記重合体結合材との混合原料を投入する原料投入工程と、
    前記シリンダーの内周面を軸方向に摺動可能なラム棒を前進させて、前記シリンダーの内周面を摺動させることにより、投入された前記混合原料を押圧しつつ、前記シリンダーの外周面の少なくとも一部が加熱機により覆われた加熱ゾーンに移行させる、押圧工程と、
    前記ラム棒を後退させる後退工程と、を含む、上記工程を繰り返し行うことを特徴とする、フィルター成形体の製造方法。
  12. 前記押圧工程によって、前記シリンダーから押し出された当該多孔質体を、前記後退工程が行われている間にカットし、当該フィルター成形体に加工するカット工程を、更に含むことを特徴とする、請求項11に記載のフィルター成形体の製造方法。
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